光と影に咲き誇る英雄譚   作:トラソティス

181 / 253
えー、皆様に大変謝罪しなければならないご報告があります。
先ずこの作品のキャラ、神白教官は両姫の選抜メンバーであり、陽花と同じ選抜メンバーではありません。すいませんッしたぁーー!!!
いや、あのですね、神白教官が陽花と同じ選抜メンバーですと完全に歳が…両姫と同じ選抜メンバーであれば何の問題もなく、年齢に支障がないため、訂正しておきました。混乱を招いた読者達、誠に申し訳御座いませんでしたぁ!!


それと上記とは関係ないのですが、これからキャラクター紹介の際には追加として趣味も加えていけたらなぁと思っております。
また、質問に関してはいつでも受け付けておりますので、(答えられる範囲:例、死柄木からして連合はどう思ってる?や、趣味や特技、名前の由来等、細かなこと)是非とも些細なことでも聞いてくだされば幸いです。

追加:何故か投稿済みのを読み返したら途中やりのがあったので、アレ?どうして?と混乱しどうやら中断で保存してたのを間違えて投稿してしまったらしく、再び修正致しました。
二度も同じことをしてしまい大変申し訳ありませんでした。


180話「出向組」

 

 

 

 

 

 夕焼と環、同じく切島と麗王の二人が離れたその頃、残りのサー・ナイトアイ一行は、迫り来る入中の妨害を対処しながら――

 

「圧殺されるぞ!粗挽きハンバーグにされちまう!!」

 

 抗っていた。

 怒涛に迫る天井、壁、地面からの圧力なコンクリートは、次々と自分達のスペースを埋めていく。このまま入中の攻勢を許せば、あっという間にぺしゃんこになるのは目に見える。

 

「ロックロック!」

 

「お前なぁ…!自分の落ち度なのに随分と偉そうじゃあねえか!元はと言えばあんたの失態だって言うの忘れてねェよな!?」

 

 サー・ナイトアイの指図に苛立ちを覚えるロックロックは、悪態を吐きながらも手を翳して壁に触れる。

 

「【本締(デッドボルト)】!」

 

 ロックロックが力強く叫ぶと、圧縮しに来る壁の動きが停止し、固定されてしまう。ガチガチと、硬質音が響き、文字通りロックされる。

 

 錠前ヒーロー・ロックロック――個性『施錠』

 触れたもの(生物除く)その場に固定する。しかし余りに強大な力や広大な面積に対しては範囲が限られている。

 

「秘伝忍法――【霜氷・王扇】!」

 

 ロックロックの正反対では、大量の冷気を纏い扇を振るう雪泉は、迫り来る壁を対処する。

 白い霜が降り、踊り子のように華麗に舞う動きは、幻想的であり魅力的だ。白い霜はやがて氷となりて、天井や地面を支柱で支え、触れた壁を氷漬けにする。

 

(もし、入中と呼ばれる男が壁を操ってるのなら、少なくとも氷までは操れないはず…!)

 

 雪泉の心中は、正に入中の個性を射ていた。

 入中常衣が個性で操作できるのは精々、自分が擬態した物質のみに働く効果であって、違う物質を操作するには、雪泉の氷に入らなければならないのだ。

 そして入中は迂闊に外には出れないし、此方が見てるのを悟られてはならない。

 イレイザー・ヘッドが抹消を発動しながら監視を続けてる以上、消されてしまえば終わりだ。

 

 そして何よりもミミックによる個性も長くは持たないのだ。

 

(これ以上維持し続けるのは至難の業…!!一刻の猶予を争う今、何としてでも侵入者を排除しなければ!!!)

 

 入中の状態は限界を迎えており、後数分足らずで強制的に戻らされてしまうのは、トリガーの効果が切れつつあるのだろう。

 だが、如何なる状態であっても、彼のやるべき行動はただ一つ――侵入者を排除することだ。

 

 残り一つの方面にある壁を上手く利用し、ダメ押しのゴリ押しで試みるも、デクのシュートスタイルで文字通り粉砕されてしまい、愚鈍の土竜のように掘り進められてしまう。

 

 この先の侵入を許すことは、決して許されない。

 

 そのプレッシャーと、彼らの抵抗が、益々入中の余裕を鑢で削り落とし、圧がかかって冷静さを欠けてしまう。

 

 

 入中常衣――死穢八斎會の本部長であり、他の鉄砲玉や四天王と違うのは、治崎とは付き合いが長いという理由もあるのだが、何よりも慎重さと貴重面な点が挙げられるだろう。

 図体のデカい厳ついオッさんという第一印象からは考えられないが、入中は器量が小さい上に情が優って私怨に囚われる人間だ。

 それでも凡ゆる方面から対策を練る万全さや、些細な事柄に気を配るのは、敵でありながらも賞賛に値するだろう。

 

(もう二人のガキは、アイツらが相手をしている…!!残る侵入者を今ここで仕留めなければ…!進む足が遅くとも、何としてでも…!!)

 

 外道に堕ちた今だからこそ、立ち止まるのは許されない。

 出せる鉄砲玉はもう尽きた。

 四天王は分断した侵入者を仕留めてる真中。

 

 頼れるのは、自分しかいないのだ。

 

 

(…?いや、待て!この通過地点は……!!)

 

 

 気を察した入中は、絶望的な状況の中で、一縷の希望を瞳に宿らせる。

 

 

「イレイザー!まだ見つからねえのか!クソッたれ、俺の本締も強度MAX――これ以上は無理だ!なんたって、ファットガムさえいればこんな事にはならなかったのになぁ!!」

 

 悪態序でに嫌味を吐き散らかすロックロックの言葉を流しながら、極力視界を広げ、見渡すも一向に解除されない。

 

(間違いなく、俺たちを監視しているのは確かだ…!ファットガムの件だって、ピンポイントで俺を狙っていた…!それなりに緻密で技術が必要な個性…何も見ずにあそこまで正確に狙うのは至難の業だ!)

 

 入中の咄嗟に出した圧殺策も、自分たちの進行に煩いを持ってるからだろう。何にせよ入中の行動策は、自分たちと治崎の距離が近い、幹部がいないことを指している。

 

(ただ、問題なのはこれ程に視てるのに、一向に個性が解除されてねぇ!!何処だ…?奴は一体…)

 

 

 疑問と不安ばかりが頭を過る刹那――突如として迫り来る壁が一瞬で引いた。

 

 

『なっ…?!』

 

 

 圧縮と密室状態に陥ってた状況とは一変し、広大な通路が呆然と広がっている。いきなり圧殺策を中止した入中の行動に、困惑と新たな疑惑が思考を埋め尽くす。

 

「何だ…急に…!!」

 

 訳がわからず、ただ辺りを見渡すことしか出来ない一同。――だが、考えさせてくれる時間を与えてくれない。

 

「うぉ…?!また来るぞ!!」

 

 ロックロックが叫ぶも遅し、今度は天井や床の上下からコンクリートが阻み隔て、勢力を分断させる。

 それは彼のみとは限らず、続けて警察一同とサー・ナイトアイ、雪泉が一人、緑谷と相澤の2組、計四勢力がバラバラになり、厚い壁が邪魔をする。

 

「分断を今更…一体どういう…」

 

 一人、ポツリと取り残された雪泉は、周りへの警戒を怠らず、気を引き締める。てっきり残された幹部はもういないと思ってはいたが…此処へ来ていきなり手段を変えるとなれば、考えられるのは次なる一手が来ると想定した方が妥当だろう。

 

「今度は勢力を分断か?動きやすくなったは良いが…圧殺ができないと解ってやり方を変えたのか?」

 

「それを補って余りあると言う事だろう…」

 

 拍子抜けた声を漏らす警官に、サー・ナイトアイが言葉を足し、状況を確認する。自分達が分断されたということは、雪泉と同じく答えは――次なる一手が来るという兆しだ。

 

「気を付けろ!次なる一手が来るぞ!!」

 

 予め警告を入れるサー・ナイトアイの大声は、反響して良く聞こえる。雪泉、デク、イレイザー・ヘッドの三名は充分に聞き入れるも、ロックロックはつまらなさそうに「ケッ…!」と悪態を吐く。

 

(何が気を付けろだ…一体誰の所為だと思ってんだか……)

 

 ここの所、愚痴と悪態だけしか吐いてないロックロックだが、それでも敵との遭遇と予期せぬトラブルの連発に、こうして愚痴を漏らしてしまうのは、致し方ないのも否定できず。

 

 

「やっホ〜♪」

 

 

 況して、天井から鎌を持った少女が愉しそうな声色を発しながら、降りかかってくるとは夢にも思っておらず。

 

「なあぁ…?!!」

 

 驚嘆な声を張り上げてしまうのは、当然の帰結――

 

「初めましてえぇ〜〜!!ゴクドーでぇす!」

 

 両手で二つの鎌を手に持つ少女――抜忍の鎌倉は色っぽく頬を染めながら見下ろし振りかざす。

 間一髪で其れを避ければ、床は二つの鎌に刺され抉られる。もし反応が遅れていればお陀仏だったと想像が出来るだろう、血の気が引くのを感じながら、拳を強く握りしめる。

 

「テメェは…!!敵れ…――」

 

 敵連合――そう叫ぼうとした途端に、背後から何者かが手で口を覆い隠し、遮る。「シ〜…」と、静める合図が耳を打ち、背筋がゾクリと体を震わせてしまう。

 

「今はトガも鎌倉ちゃんもゴクドーです。二人揃って、いいえ…全員悪者なのです」

 

 ザシュッ!!と、背後からナイフが突き刺さり、悶絶するロックロックは、成す術なく意識を失った。

 

 

 

 

「ロックロック!どうした!?」

 

 相澤の懸命な呼び掛けに、一切応答しないロックロックに不審を抱くイレイザーは、冷や汗を垂らしながら何度も叫ぶ。

 少なからず、サー・ナイトアイの忠告通り、次の一手が既に講じられたのは確実だろう。戦力を分断したのは一人一人を確実に潰す為にせよ、違和感が拭えない。

 

「イレイザー退いて下さい!」

 

 緑谷はシュートスタイルで足蹴りで、入中が隔てた壁を粉砕。重々しく強い衝撃が、壁に伝わり、壁の崩壊が始まる。

 瓦礫を踏みながら土煙を振り払うと、二人の視界はとても奇妙な光景が広がっていた。

 

 血の跡が床にべったりと広がるロックロック、そして焦燥と困惑そうな顔で此方に反応する、もう一人のロックロック。

 

「おぉ、お前ら!!」

 

「ロックロ…えぇ、二人?!どういうこと!?」

 

 少し見ない間に、何故か二人に増えてたロックロックに、今度は此方が困惑してしまう。先程までいた鎌倉も、いつの間にか姿を消している。

 

「さっき偽物が突然現れて…!恐らく、八斎會のリストに載ってねえ敵だ!注意しろよ…まだ何処かに潜んでるかもしれねえ…」

 

 緑谷に寄りかかるロックロックを他所に、イレイザーは倒れ伏せたもう一人のロックロックの体を調べてみる。偽物が気絶してるにせよ、警戒を怠ってはならないのはお決まりで、傷口を調べて見ると…

 

「……ん?」

 

 倒れてるロックロックの傷口は、血で塗られていた。

 しかし問題なのは…傷口が、刃物によって付けられた事――ロックロックの個性は先程見たとおり、そして刃物を取り扱う武器は所持していないハズ。

 

「ところで、緑谷は無事か?」

 

(…ッ!まさか――)

 

 況してや、公共と仕事の場で本名を語るヒーローはいない。ロックロックが、デクを緑谷と呼ぶことはないのだから――

 

 

「はい、えっと僕達はなんとか無事で――「デク!!ソイツは偽物だ!!!」えっ…?」

 

 

 イレイザーの警告も既に遅し、素っ頓狂な声を張るデクの肩を、ロックロックは強引に掴む。

 何事かと抵抗する間もなく、懐から血に濡れたナイフを取り出す、偽物。

 

「なァ…?!」

 

 悉く――奴らは自分たちの邪魔をしてくる。

 イレイザー・ヘッドは偽物を睨みながら、個性の抹消を発動する。

 

 ドボン――!!

 結果は一瞬。対象の個性を抹消することで、泥の飛び散る音が弾き、異常な光景が目に広がる。

 ロックロックが覆われた泥となり、デクに顔を見せる正体は――トガヒミコ。

 

「トガヒミコ!?!」

 

「うわああぁ!!会いたかったよ出久くん!覚えててくれたんですね!そうですトガです、トガヒミコ!!こうして再開するなんて、仮免試験以来ですねェ!!」

 

 狂気の破顔を浮かべながら、頬を血の色に紅潮するトガは、怯むことなくナイフを振るうも、咄嗟に防衛体制に入った緑谷はトガの腕を掴んで制止することを努める。

 

 

「だが、ここで仕留めれば却って組織の体制は崩れる――終わりだ渡我被身子!!」

 

 

 死穢八斎會との繋がりがあったというのは事前に報告が有ったものの、敵連合とは相性が悪い、揉め事が起きたことからイメージ的にも敵対を示してるかと推測が掛かっていたが、どうやら予測は大きく外れたようで…

 

「終わりじゃないよ〜」

 

 上から陽気な声が降り注ぐ。

 咄嗟に上に視線を送ると、鎌を二本取り出し血の渦を巻いている。黒く淀んだ血は、まるで汚物を溜め込んだように毒々しく、余りにも危険だ。

 

「鎌倉…!!」

 

 当然、敵連合と徒党を組むのなら、忍だって欠かさない。死柄木の采配か、はたまたオーバーホールによる手筈か、どちらにせよ最悪な事態に変わりなし。

 黒い渦を利用し、そのまま溜め込んだ量の血を、鈍器を振り下ろすように叩き振るう。

 

「秘伝忍法――【血鎌旋風・毒嵐】!!」

 

 血に毒を混ぜ合わせた秘伝忍法を、イレイザー・ヘッド目掛けて猛威を振るう。

 触れただけで肌が焼かれ、侵食し血液を凝固する致死性の毒は、触れるだけで危険となり、厄介な荒業だ。しかしイレイザー・ヘッドも忍への対応は予測を兼ねて対策を練っていたので、そう易々と殺られるタマでもなく、特殊繊維で作られた捕縛の帯を尖った天井に巻きつき見事に回避を試みる。

 そんなイレイザーを追尾するよう、鎌倉は勢いを乗せたまま秘伝忍法を活かして鎌を横に薙ぎ払う。

 天井に放たれた赤黒い竜巻は、コンクリートの壁を汚色に変え、汚泥状に変化してしまう。

 

(鎌倉…噂では聞いたことがあるが……まさか、血を毒に…!!俺の個性抹消が効かないんじゃ、デクが危険すぎる!!)

 

 自分では対処を取るのはさておき、まだ学生であるデクに鎌倉は難易度が高すぎる。身体能力も外見に似合わず高くて厄介な敵だ。早急に対策を練らねば跡形もなく毒死してしまう。

 イレイザーは突起物で出来た起状の岩を的確に包帯で巻き、体の重心を任せて難なく回避に成功。

 

「お…わわっ!!」

 

 天井を毒嵐でぶつけた衝撃が重かったのか、デクは今にも崩壊しそうな天井を見上げながら、瓦礫の餌食になる最悪な予想が脳裏に浮かんでしまう。

 

「デク!離れろ!!」

 

 崩壊する天井に、此方も体が揺さぶられ、落下してしまうイレイザー・ヘッドは、今にも心臓目掛けて突き刺そうとするトガの腕を包帯で固定する。

 

「もぉ……折角いい所なんです、邪魔しないでくれません?」

 

 仏頂面で睨みながら、此方に体重を持ってかれるトガは、何とか体術を駆使してイレイザーの振るう拳を躱し、ナイフで肩を斬りつける。当然、プロヒーローゆえに身体能力が高いイレイザーは、何とか対応出来たものの、掠めてしまい肩が刃物で抉られてしまう。

 

「ぐぅ…っ!!」

 

 肩から鋭い痛みが鮮烈に襲い掛かり、出血しヒーロースーツが赤に染まる。幸い傷は浅いものの、下手すれば肩が動かなくなってても可笑しくはない。

 デクから離れたのは良いものの、事件が解決した訳でもなく…

 

「チッ…!!」

 

 イレイザーはトガを捕縛しようと包帯を投げ飛ばすも、入中の個性によって其れは遮られてしまう。

 壁という壁が四方八方全てを防ぎ密室へ、かの流れるような連携…間違いなく死穢八斎會と敵連合は手を組んでると断言して良いだろう。いつのまにか抜忍の鎌倉も姿を眩ませていた。

 

「イレイザー!!」

 

 一先ずイレイザー・ヘッドの安否を確認するデクは、駆けつけながら脳裏に浮かぶトガの狂気な破笑い顔を掻き消す。

 

(……敵連合が八斎會を手を組むメリット、単に戦力を増やすって目的ではないようだ、何よりも…敵の実力は又もや未知数…)

 

 本当なら、もう此処で敵連合と関わってる以上は止めるべきだろう。

 雄英の生徒は極力、連合との接触を避けるべき…

 

 ちゃんと視ておく、

 中断する役割を担う自分、

 生徒の安全の確保、

 

 今回エリの安全な身柄の確保と死穢八斎會の確保による任務を受けたのも、大半が生徒に関わる仕事だからだ。心苦しいばかりだが、幾ら責任を負うにしろ、緑谷達にあれだけの事を言ったにせよ、今は場が悪すぎる。

 

(一旦圧殺策を捨てて開いたのも恐らく、連合と俺らを戦わせる為か…)

 

 状況が慌ただしくとも、決して冷静さを欠けないイレイザー・ヘッドは、納得しながらも肩を抑えながら心の中で舌打ちをする。

 

 予想は付いてるだろうが、勿論――敵連合のメンバーがトガヒミコや鎌倉だけではないのは事実だし、当てられたのが二人だけではないのは少し考えれば解るだろう。

 

 

 

 

「……はぁ、はぁ…」

 

 イレイザーとデクから何とか非難する事に成功したトガは、裸体のまま予め用意していたタオルで顔を拭きながら、「ふふっ…♪」と、色っぽい嬉声を漏らす。

 

「弔くんの言う通り、ちゃんと出向して良かったぁ…♪」

 

 愛しい愛しい、血に濡れた少年と再び出逢えたのだ。

 当時は嫌々で乗り気はしなかったものの、まさか自分が新たに恋した少年に出逢えるのは奇跡に等しい…もはや運命と呼んでも過言ではないだろう。

 

 

 

 

「先ほどの揺れは一体…?」

 

 一方――鎌倉の秘伝忍法による大きな振動は、雪泉の方にも伝達する。厚い壁で隔てられ、秘伝忍法で壊せば造作もないのだが、生憎向こうの安全確認が出来てない以上、下手に破壊すればその影響では負傷しかねない。

 

「サー・ナイトアイからの警告は聞こえたものの、その後は何も起きず…」

 

 周囲を警戒し見回しながら、小声で呟いたその矢先――彼女の身に何が起きるかは、言うまでもない。

 

「あれ?誰かと思ったらアンタって月閃の大先輩じゃん!!」

 

 背後から、聞き慣れない声が反響し、咄嗟に振り向けば――

 

 

「初めましてぇ〜!!雪泉先パァイ…♪」

 

 

 両手に龍の籠手を装着し、武闘の構えを取る龍姫。隣には彼女の身長を上回る大柄な男、傍若無人の乱波肩動。壁に穴

 嬉々として舌舐めずりする彼女、充分殺る気に満ち溢れてる乱波の前に、雪泉はただ一人。

 

「……龍姫、死塾月閃女学館の中等部に泥を塗り、況してや人殺しに加担するお前を、私は赦さない」

 

 義憤を燃やし、正義の眼差しを向ける雪泉は豹変――凍てつく眼圧が、龍姫を睨む。

 




月閃中等部のご報告&キャラクター紹介!

斬口崎子

所属・死穢八斎會
好きなもの・飴玉(ぶどう味)
趣味・将棋
誕生日・3月5日
身長・101㎝
血液型・AB型
出身地・神奈川県
戦闘スタイル・率先迎撃、刃物による攻撃

ステータス ランクB

パワーD
スピードA
テクニックB
知力B
協調生B

月光「さぁ、今回もやって参りました!キャラクター紹介!」

閃光「死穢八斎會、矛盾コンビに続いて今度は剣と拳の攻撃特化組か……武器こそ持たない私だが、これはこれでまた骨が折れそうな連中だな」

月光「斬口崎子、年齢は7歳。個性は『斬り裂き』…
彼女に個性リストが載ってなかったのは、戸籍を届けていないのと、幼稚園児には通わせず、両親共に娘を虐待してたことだそうですね」

閃光「虐待…か。まさか父と母二人が寄ってたかって…しかも理由が個性以来ではなく二人に問題があったのか…いくら何でも悲惨過ぎるだろう」

月光「そうね…しかも虐待したのと子供を産んだのは自分たちの負担を減らすための労働的な意味で産んだと証言があったわ。
現在あの二人は無教養と娘の虐待が警察に知られたことで二人とも逮捕されたそうよ」

閃光「娘が抵抗出来ないと知っていながら…その後に治崎に拾われるも、結局は自分も…」

月光「そうね、でも14歳以下の子どもだから少年院でもないし、施設に送られる辺り、彼女も被害者なんだって理解してくれるかも…」

閃光「そうであるなら兎も角、前科がつく辺り、将来的に考えれば…」

月光「…………」

閃光「敵でありながら中々に重いな…忍はある程度納得できる部分があるが、もうどうしようもないなこれは…」

月光「このように、世界は必ず綺麗なものばかりではないんですよ……」


作者の裏話設定。
初期に於いて実は、崎子を出したのと刀を扱うのは、本当は忍商会から侍の秘伝書を購入して、技術を身につき、侍の刀流を披露する流れだったのですが、やってく内に「あれ?でも治崎そんなことするかな?」なんてこともあったので却下にしました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。