光と影に咲き誇る英雄譚   作:トラソティス

182 / 253
皆さん、超が付くほどお久しぶりです。
トラソティスです。海の都アトランティスとトラを掛け合わせたトラソティス作者です。

大変長らくお待たせしました。投稿開始、連載開始ですね、夏はとても忙しく、同時にリアルの忙しさが終わって執筆しようにも書くことを、言葉を忘れてしまい小説を読んだり物語の展開を考えたり、溜まってたゲームをプレイするのでいっぱいでした。
では、お待たせしましたどうぞ…。


181話「連合ズ」

 

 

「おい喧嘩女、状況的に考えてコイツは侵入者、ぶっ殺して良いんだな?俺は早くお前とも喧嘩したい」

 

 対峙する視線に黙視してた乱波は、居ても立っても居られないご様子で隣に佇む龍姫に物を問う。

 

「そそ、ちゃちゃ〜っと終わらせたらお前とも殺り会うから、先に仕事だけ終わらせよっかね、喧嘩狂い」

 

 視線を外さず口角を釣り上げながら愉快そうに話す龍姫は余裕の表情――二対一では腕に自信があるのか、卑怯な手ではある上に汚れ役としては適任だが、雪泉が侮れないのも確か。

 

「………」

 

「んで、雪泉先輩だっけか。ずっと黙っちゃってどうしたの?そいや神野区以来ッスねぇ〜…なぁんてさ。ウチが此処にいるなんて意外でしょ?学校の見学以来ですよねぇ私たち、あの時は正義正義だのヤケに強調してた部分もあるけど、感動の再開なんだし…」

 

「………」

 

 口を閉ざしながら鋭く睨む雪泉に、龍姫は饒舌に捲し立て、彼女の心を揺さぶる。

 二人は此処で初対面という訳ではなく、中等部の忍学生が死塾月閃女学館の見学の際に、一度だけ会った事がある。それもそのはず、雪泉は高校に入ってから折り紙付きの忍学生、期待の新人として有名だったので、顔も名前も覚えられる。

 

「前は夜桜って学生と戦ったんだけど鉄みたいなのが邪魔入ってさ……おーい、なんとか言ったらどうなの?一言二言喋ったらどうなん――」

 

「月閃を裏切った中等部が、弱小と称された極道の場で良い気になるなんて、随分と落ちましたね貴女。ハッキリ言って興醒めです」

 

 雪泉の放った言葉は余りにも凍てついて、厳しくもあり、一切の熱がこもってない。軽蔑に似た冷ややかな目線。

 煽ったつもりが逆に返された気分に若干、龍姫は気に入らない感情が溢れ出る。

 

「へぇ…!見ない間に随分と、口達者になったんスね」

 

「事実ですから。貴女は昔はとても良心的で、可愛げのある、後輩になるのかと期待はしていましたが……」

 

 でも、そうはならなかった。

 死塾月閃女学館の入学希望は多く、蛇女を始めた悪忍学校と比べれば瑣末なことであるが、それでも見学しに来た学生の顔や名前は、可能な限り覚えている。龍姫もその内の一人だ。

 

「どうやら浅はかな考えでした。貴女の家柄を調べては見ましたが…」

 

 口を開き言葉を続けようとした刹那――豪快に巨大な拳が振るわれる。

 今まで黙り通してた乱波肩動は、我慢の限界を迎えたのか、雪泉を目掛けて殴り通す。

 

「ごちゃごちゃ言う前に、喧嘩しよう雪女!!!」

 

 殴られ体制が崩れる雪泉は、そのまま乱波のお人形――重圧感を曝け出す凶暴な拳を、縦横無尽に殴り続ける。

 

「ッ――!!!」

 

 乱波の間合いに入ってしまえば終わりだ、後は肉片…ミンチになるのがオチというもの。

 

「ハッ…!何だよ、月閃女学館の大先輩が一人の鉄砲玉に負けるなんて、私いなくても良かったんじゃね?」

 

 何度も破裂音と殴られる少女を眺めながら、心の底から蔑む視線を送る龍姫は、悪高く笑っていた。

 なにが選抜メンバーだと、余りにも呆気ない上に結局は口だけ…

 

 

「ええ、貴女がいても居なくても私たちのやるべきことは変わりませんから――」

 

 

 もう一人の雪泉は、乱波の背後にたった今――立ち尽くしていた。

 それこそまるで霞が明け、突然ぬらりと姿を現したかのように…忽然と。

 龍姫は言葉を途切らせ、ふと背後から投げられた冷徹な声に振り向く乱波。

 

「秘伝忍法――【黒氷】…」

 

 凛…とした立ち振る舞い、まるで歌舞伎の如く流麗とした動きで型を構え、両手から氷を生成。巨大な一柱ほどある氷柱を、乱波に叩き込む。

 その氷を文字通り粉砕しようと、相殺を目論むも、拳はダプン!と汚泥が弾けた音が聞こえ、そのまま肩へと貫き抉れていく。

 

「ッ…?!!」

 

 何か誤作動でも起きたのか、と言わんばかりにマスク越しで驚嘆を浮かべる乱波は、龍姫と共に殴られてた雪泉に視線を戻すと、其処はただの氷の破片――雪泉が忍術で発動した氷の像、即ち氷の人形だ。

 パリン…!とヒビが入れば直ぐ様に、ガラス細工のように崩壊し、粉砕。

 

「秘伝忍法――【氷旋風――塵】」

 

 両方の扇を広げ、旋回する。

 氷破片と風の威力を活かした、旋風術――至近距離を詰め、打撃が襲いかかる前に、倒せさえすれば何ら問題はない。

 

 中心部――腹部に寒烈な衝動と氷の風が、吹き荒れる。

 自分よりも上背の高い巨漢の乱波は、手も足も出ずに体ごと壁の方向へ吹き飛ばされる。

 

 パァン!!物言わぬ乱波は腹部に風穴が空き、あっと言う間に体が泥の塊へと変貌し、溶けてゆく。

 これは…トゥワイスで造られた偽物だ。

 

「……!!?」

 

 時間としては数十秒も経たない、ほんの数秒の出来事。

 対応・反撃・連携、其れ等さえ雪泉は許さずに見事にコピーとして造られた乱波を何の労も出さず倒したのだ。

 

「やはり、神白教官の訓練が役に立ったというものでしょうか…」

 

 ファットガム、芭蕉が大苦戦した乱波をああも容易く葬る雪泉は、至って平然としている。

 神白教官による訓練は、微かな日にちで絶望的な訓練を受けていたが、そのお陰で今となっては如何なる境地に陥っても、大抵は冷静に挑むことが出来るし、秘伝忍法の精度も向上している。

 

「後は…いつまで突っ立っているんです?龍姫…貴女は月閃が気に入らないんですよね?目前の敵を前に、何も動かないんですか?」

 

 凛…とした立ち振る舞い。

 扇を口元に当て隠し、目を細めては龍姫に問いかける。…正直、噂には聞いてはいたが、乱波がこんなにも容易く…いや、トゥワイスが複製したコピーは脆いので、致し方ない。コピーとして作られた分身は柔く脆い部分がデメリットであり、補うとすれば攻撃が当たらないように考慮するのがベストなのだが…

 それにしては、もし生身の体なら既にダウン必須はあり得なくはないのかもしれない。

 

「わーってんだよぉ!!!こちとら好きでヤクザに入った訳じゃねぇしな!!」

 

 熱く滾る怒りは、怒号として染め上げ、両手を構えてエネルギーを充填させる。分厚く重量感増す籠手は、夜桜を連想させる。

 

 

「秘伝忍法――【ドラゴン・ズロア】!!」

 

 

 双龍の化身、彗星の如く発せられた発光体の龍は、口を大きく開け、生きてるかのように雪泉目掛けて襲い出す。二体の龍を前に雪泉は何も臆することも動揺をすることなく、無表情で無表情で――

 

「秘伝忍法――【樹氷扇】」

 

 扇に氷と風を纏わせ、それを舞踏として巧みに操る。自身を中心に渦回る氷の竜巻は、冷気が吹き荒れる。

【ドラゴン・ズロア】によって放出された二体の龍は雪泉の遁術属性・氷に触れることで、自身が水色の氷へと成り変わる。

 この忍術は、他者が扱う遁術の属性をそのまま自身の属性と化す、属性変色だ。

 しかし、二体の龍は雪泉の方向からズレていき、風に流されるまま渦の流れに呑まれ、彼女が回り、踊る方向へ加速するだけ。

 そのまま扇で薙ぎ払えば、彼女とは全く関係のない方角へ飛ばされ、氷の双龍は壁に衝突し爆破を起こす。

 

「…!!秘伝忍法――【竜闘気・破翔】」

 

 秘伝忍法が無にされたことで多少苛立ちが湧き溢れる龍姫は、何とか心を抑え、両手から闘気を放出。

 まるで離れた龍が合体する形で、合わさった龍の大きな口からブレスが放出されるような絵面だ。

 

「秘伝忍法――【氷鏡・反天】」

 

 一つの氷を作り出し、鏡の如く秘伝忍法を反射するこの忍術は、簡潔に言うならば反射だ。耐久値による限度はあるものの、氷が全てを吸収した後に相手にそのまんまの威力で攻撃を反射する忍術は、神白との訓練で自ら編み出した忍術だ。

 龍の闘気を吸収し、そのまま跳ね返した先、対応に遅れた龍姫は防ぐことも出来ず、爆破する。

 

「ッ――!?ごぁ…!!」

 

 爆破の煙が巻き上がりながら、ケホケホと咳き込む彼女は、雪泉を睨み返す。当の本人は冷たい視線を浴びせてくるだけだが…

 

(ちぃっ…!コピー乱波がやられたのが不味かった上に、ここまで戦力に差が広がるなんて…雪泉、想像以上に強え…!!)

 

 元々、死塾月閃女学館を束ね、代表とするリーダーである為、当然といえば当然なのだろうが…

 幾らオーバーホールから〝侵入者が来るから排除しろ〟と言われたとはいえ、情報が少なすぎたと言う意味もあるのだろうが、雪泉が来るのは本当の意味で計算外だったのだ。

 敵連合のメンバーは基本的に相手の情報を知っていながら、襲撃を行っていた。

 しかし、今回は何の情報もない、戦力も少なめ、そんな状態で侵入者を拒めというのは、龍姫からすれば無茶にも程がある。

 

 況してや雪泉はあの短期間で見間違えるほどに強くなった強くなった――冷静に考えて龍姫の勝機は限りなく低いといっても過言ではないだろう。

 

 

「………ッ!」

 

 そんな恨めったらしく睨む龍姫を他所に、何かの異変に勘付いた雪泉は――

 

 

「龍姫さん上――危ない!!」

 

 

 突拍子のない彼女の忠告に、龍姫は反射的に上を見る。するとまるでプレスでもするかのように、上から大きな壁が迫り来る。

 

「なっ…!」

 

 このままでは押し潰される。

 そう悟った龍姫は、秘伝忍法――【ドラゴン・ズロア】を範囲内で地面に放ち、爆破の衝撃を利用し、倒れながらも何とか回避を試みることに成功した。もしコンマ1秒でも遅ければ、雪泉の忠告がなければ、確実に肉片飛び散るミンチになっていた所だ。

 こんな事が出来るのは入中以外考えられない。

 

「龍姫さん…」

 

 入中の壁が彼女と遮断し、距離が隔てられた。

 雪泉の咄嗟な反応は流石というべきだろうが、敵に塩を送り塗ることには変わらないだろう。それでも雪泉は無視出来なかった。

 

 幾ら相手が敵として闇に堕ちても、それは決して〝死んでいい〟という訳にはならないからだ。

 昔の自分なら「裏切り者がこうなって当然の結果だ」とでも吐き捨てていたのだろうが、もう昔のような未熟な彼女ではない。

 忍として甘いかもしれない…月閃の顔に泥を塗り、剰え無意味な人殺しさえ厭わない彼女には、甘いかもしれない…

 

 しかし、今の忍社会が激しくなった今、抜忍の殺害は安易ではない。

 

 分かり合えないから、悪だから滅ぼす――そんな安直でシンプルな問題でもない。

 そんなことを続けてたら、それこそ昔の自分は愚か、ヒーロー殺し・ステインと同じやり方だ。

 

「裏切りも、徒らに力を振る舞うのは許されない……しかし、それでもせめて、彼女の理由さえ聞ければ、解決できる道も……」

 

 

 

 

 

 

「はぁ……はぁ……」

 

 肩で息をするように、全身の筋肉が強張り、荒呼吸をする彼女は汗を拭いながら、天に吠えるように口を開く。

 

「おい入中テメェどういう事だぁ!!あのままだったら私が死んでたんだぞ!!!」

 

 あのままでは龍姫は殺されていた…充分に危険であり仲間に危害を与える行為は、連携が取れてないどうこうの問題ではない。

 そんなことはバカな猿でも知能のない脳筋でも解りえること…それを何の躊躇いもなく勢いを活かしたまま龍姫を潰そうとしてた、と言うことは…

 入中は確実に龍姫も仕留める気だったのだろう、解ってて行動を出したのがその証拠だ。

 

「こっちだって嫌々でやっててもちゃんと言われた通り仕事はしてるだろ…!!願い下げだってのに心折れてまでもやってんだ!!だったらそれに見合うようにお前も協力しろよ!!」

 

「………」

 

 龍姫の逆鱗は収まらない。

 怒りの叫びは入中にも届いたのか、彼は壁から顔を出し――

 

 

「何をピィピィと…死ぬ覚悟位は出来て当然だろ?お前は忍だったんだ、他の忍ができてお前に出来ないはずはないだろうが。

 駒がやられ役を被るのも、当然の務めだ――」

 

 

 そう、つまらなさそうに、見下すように言葉を吐き捨てた。

 

 

「………は?」

 

 入中の心許ない言葉は、声は、龍姫の思考を停止するのに充分すぎるものだった。

 

 そんな…特に理由もないに等しい理由で…いや、理由にすらなってない動機で、そんなさも当然かのように、自分を殺そうとしたのか?

 

 龍姫にとって、忍の世界や家柄の後継は、彼女にとって悪夢に等しく、絶望的だ。生まれた時から生涯を決められ、跡継ぎという鎖が自分を縛り、蝕み、人形と化す。

 私はそんな風にはなりたくなかった…母は子供を産むための家畜道具、父は子供を教育という名の訓練を強いる鬼畜。私は嫌なものを押し付けられることが、どれだけ非人道的なのかを知っている。

 

 だからこそ……ようやく自分の居場所を見つけたのに……

 

 

 

「おい!龍姫ちゃん無事か!?」

 

「…!」

 

 絶望に浸っていると、ふと仲間のトゥワイスの声が上から聞こえた。

 

「あっ、見つけた!」

「無事だったようですね、大事に至らなくて良かったです!」

 

 トゥワイスに続き、トガと鎌倉の声も聞こえる。此方を覗き込む雛のように顔を出している三人は、今の状況的には相容れず、呑気なことだ。

 

「お前ら…どうして……」

 

「どうしてって、助けに来たのです!」

 

 えっへん!と誇らしげに、でも何処かに微笑んでるトガに続き、鎌倉は自分で指をさしながら言葉を紡ぐ。

 

「僕がね、ここの壁をバッサバッサと切り続けてなんとかモグラみたいに進んでたんだぁ。でね、龍姫ちゃんの声が壁越しにも届いたから、上手く見つけれたって訳!」

 

 入中に対する葛藤が、還って龍姫の存在位置をマーク出来たのは、大きな功績だろう。よく見ると、トゥワイスの頭部には白布の頭巾で巻かれている。恐らく、スーツに傷が付いたのだろうか、破けば人格が揺らいでしまうのは、全員が知っている。

 

「仁くんも美紗子ちゃんも沙知ちゃんも辛いよね。だってマグ姐のこと責任を感じてるのって、仁くんと沙知ちゃんで、美紗子ちゃんにとっては嫌いなヤツ、殺したくてどうしようもなくて、ずーっと耐え忍んでたのに、ねぇ……」

 

 トガは近寄りながら、龍姫の腕を掴んで、語ってくれる。

 今まで血と色狂い、狂気の殺人鬼とは到底思えない彼女のギャップの違いに混乱を招き抱かねないが、それはとても、的を射ていた。

 

「いつまで我慢しなきゃいけないのかな?私たちずっと耐えて、折れて、下げて、協力してあげてるのに…その当の宛先がどうしようもないと報われないなんて…悲しいねェ…」

 

 我慢をする。

 たったそれだけと、人間は簡単に片付けてしまうが、人によっては其れはある種として恐怖にもなり兼ねない。

 いつまで我慢をしなければならないのか、極限状態の中でも続けなければいけないの――雑念が邪魔をし、欲望は膨らみ、衝動は抑えられない。

 自分たちがこれだけ、敵と判っている相手の元で、極道として使われているにも関わらず、何故ここまで自分達は拒絶されなければいけないのだろうか?

 

「どうしてだろうね?私たちは何処へ行っても除け者扱いされて、誰にも受け入れられない。普通になれれば普通になりたいのに、皆んなにとっては私達の普通は違うんだよね。じゃあ普通って何だろうね?何一つ不自由のない世界で生きたいのに、それすら許して貰えないなんて、生き難い世の中だねぇ…トガはとっても辛いです苦しいです悲しいです…」

 

「トガ……」

 

「其れって……〝絶望〟だよねぇ〜…」

 

 

 ナイフのように尖ったトガの鋭い目線は、丁度――入中常衣と目が合った。

 

 

 

 

 

 

「ハァ…?!八斎會と協力するだって…!?」

 

 事が起きたのは、死穢八斎會と組む前の出来事に移る。

 敵連合のアジト…と呼ぶには貧相で、カビ臭く、荒れ果てており、ボロボロだ。以前の神野にいたバーとは大違いだ。オマケに現段階では黒霧以外のメンバーが全員揃っている。

 

「ああ!何度も言わせんな、向こうの計画には充分な旨味がある。トガ、トゥワイス、龍姫、鎌倉、今日からお前らはヤクザだ!」

 

 死柄木の意外な発言に、空気が騒めく。

 てっきり昔のように、気に入らない物は壊していこうと、破壊衝動と幼稚的な癇癪を起こすかと思いきや、八斎會の計画に飲み込むとは、これはまた如何に予想外な出来事だ。

 誰もが、八斎會をどう潰すかとばかり考え込んでいたのだから、特に鎌倉はそうなのだろう。

 

「おぉ〜☆四人とも採用おっめでとーう!パンパカパーン♪♪しっかし向こうも視る目があるねぇ、有能で敵に回すと恐ろしいのを選んでくるとはこれはまた直球だこと」

 

 ただ一人、漆月を除いて――だが。

 彼女のイヤに落ち着いたテンションと、何とも場違いなノリは、今となっては黙っていて欲しい所だが…

 

「つまんねぇ冗談だな…面白えよ死柄木!」

 

「なぁ、ヴィランのトガとトゥワイスはさておきさ、私達は漆月の了承とか必要ないのか?」

 

「ん?私は関与してないよ其処の所。いやね、人選は弔に任せてるからさ。だってそんなのメンドーだもん…あっ、その代わり人手欲しい時はちゃあんと連絡取るから、何も心配しないでね」

 

 基本的にヴィランと抜忍は別々に別れてるのではなく、混合にしており、平等的にメンバーを人選するそうだ。その役割の中に、漆月は入っていないらしい。

 

「黒霧は持っていかれそうになったが…何とか粘ったよ。其れに移動手段が貴重なのは勿論、アイツはそれなりに別件で仕事に用があるしな。仮にやるとしてもやれねぇよ」

 

「そう言う事言ってんじゃなくってよぉ!お前…なぁ、死柄木。マジで可笑しくなっちまったんじゃねえか?昔みたいに、殺せって指示出してくれよ!まさかあのイカレマスク野郎共に感染されちまった訳じゃねーだろうな!?!」

 

 死柄木の肩を全力で鷲掴むトゥワイスは、懸命に叫びながら、納得いかなさそうに声を張る。

 受け入れたくない、自分達が極道としてだけだなく、治崎の手を組むなんて、仲間を殺した敵と組むなど、出来る筈がない。

 

「アイツはマグ姐を殺したんだぞ!?!コンプレスの片腕吹き飛ばしたんだぞ?!!」

 

 壁にもたれかかって置かれたマグネットアイテムはもう誰も使わない。大事な仲間の遺品として置かれてるのだろう。いつもよお姐口調で、皆んなを支えてた彼女はもういない。

 コンプレスは悲しみ、辛みを表現したマスクを被りながら、ブローカーに義手を装着されている。

 

「死柄木!!俺だって…俺たちだってなぁ、人間なんだぞ…?!」

 

 ぐしゃぐしゃと、自分のマスクを曝け出すトゥワイス。素顔は30歳過ぎのボーイッシュな顔立ちで、額には傷口が目立っている。縫われた傷口には、とても…とても重く悲惨な過去があった事を物語っていた。

 トゥワイス自身がマスクを脱ぐという行為自体は、滅多にない事であり、自殺行為に等しいとも言われてる。そんな彼がイヤな事をしてまでも、訴えかけるというのは、其れほどに責任を感じているのだ。

 

「死柄木だけじゃなくてさぁ、漆月…お前は何とも思わないのかよ…」

 

「思わないって、何が?」

 

「…あー、そうだった。お前はあの場所にいなかったからな、そら関与しないわな…!!」

 

 ……幾ら彼女が巫山戯てるからと言って、流石に今の段階では腹が立つというか、一回だけブン殴ってしまいたくなる。まだぶりっ子だったりおちょくったりされるよりかは全然マシだ。

 だが龍姫の仰る事も事実で、漆月はあの場にいなかったのだ…だから怒らない、何も感じないんだ。

 荼毘やスピナーも例外ではないものの、二人に何かを頼んだ所で何も進歩はないだろう。

 

「なぁ死柄木、お前言ったよな?気に入らないものは全部壊せって…だから、社会やルールも何もかも壊すって、息巻いて…それで…」

 

「…………」

 

「矛盾してるぞ死柄木…!私はな、アイツらが気に入らないんだよ!!なのに、なんで気に入らない奴と協力しなきゃならねぇんだ!!これじゃあやってること忍の連中と変わらねえだろ!!」

 

 何よりも上の命令に従うというのは、嫌いな任務をやれというのは、彼女にとっては酷な話だ。

 皆んな、誰もが忍のように命を投げ捨ててまで任務を遂行したいとは思わない。誰もが忍のように、心を強くなることは出来ないのだ。

 龍姫は確かに口調や性格は荒っぽく、強がりな一面はあるが、誰よりも内面はとても弱く、臆病なのだ。

 

 だから、彼女は普通の忍には、なれやしない。なりたくない――なってしまえば、自分を捨ててしまうような気がしたから。

 

「ああそっか…それとも、私は…マグ姐を死なせたようなもんだし…死んで当然か…」

 

 自虐な笑みを零す彼女に、死柄木は何も言えず――

 

 

「それで、死んで当然だから自分も他の有象無象みたく捨て駒になっちゃえ〜って?オマエにしては随分と面白いこと言うようになったじゃない?

 

 漆月的にわぁ〜、弔きゅんの言ってること、理解できるなぁ〜♡」

 

 そこで間が悪いように、漆月が口を挟んできた。まるで自分達の邪魔でもしたいかと言わんばかりに。

 

 

「……おい漆月、ちょっと黙ってて貰えねぇか?いい加減にしろよ…」

 

「ちょっ、おい暴力はよくねぇぞ!?」

 

「黙ってろよスピナー!テメェには関係ないだろ!」

 

「あっはは♪関係ないだって、ない訳ないじゃん。じゃなきゃスピナーも荼毘もこうして集まってないッつーの。そういうさ、関係ないとかの言い訳って聞き飽きたというか、ダサいよね。全面的に」

 

「ッ…?!!」

 

「自分は好き放題やりたくて、いざ自分の命が危険になると怯えて現実逃避なんて…忍とは違っても悲劇のヒロインなんて今時流行ってないんだっ――」

 

「黙れッつッてんだろ――!!!」

 

 堪忍袋の緒が切れた龍姫は、漆月の胸倉を掴んで、憤りの感情を激しくぶつける。龍姫はこの日この刻初めて、漆月に対して矛先を向けた。

 

「戦場にすら出てないお前には解らねえだろうけどなぁ!!こっちはもうウンザリなんだよ!!!誰が好きでイヤな事をしなきゃいけないんだ?!解らねえからそういう事を簡単に言えんだよな!!」

 

「………」

 

 ケラケラと笑ってた漆月も、今になっては真顔であり、素の顔立ちだ。龍姫の怒りも、まるで目ではないと言わんばかりに。

 一触即発の空気に、皆も静まり返ってしまう。

 

「僕や龍姫ちゃんはさ、ヒーローとか個性社会とは違うんだよね。忍ってホラ、人間としては認めて貰えないし、生まれた時から全ての未来が決定されてるから」

 

 静まる中、弔に語るよう口を開いたのは鎌倉だ。彼女は積もれたダンボールに腰をかけながら、その眼差しはヤケに真剣だった。

 

「顔も知らない、縁もゆかりもない、そんな上の連中の命令を無理矢理にでも聞かなきゃいけないっていうのはさ、何というか…僕や龍姫ちゃんはさ、嫌なんだよね。

 僕としてはまだ仲間の為になら命を賭ける事もできるけどさ、それが出来ない人間だっているんだし、況してや顔は知ってるけど仲間を殺した奴らと一緒にいろなんて言われるのはちょっと納得し難いというかさ、正気じゃないよね――流石に」

 

 忍は大名や主、特別な扱いと上層部の人間の命令を聞く存在だ。生業として生きるのは暗殺、諜報、破壊、数えれば多いものの、それが今になっても続いている。

 死と隣り合わせである忍の歴史は、進むにつれて現代社会では事実を受け入れられないのは、そう少なくはない。

 忍の家系として育って来た者でも、流石に全員が納得するとは限らないのだ。

 だから、鎌倉も龍姫も忍に反乱や憎悪を募らせている。今の社会がどうしても気に食わないのだ。

 

「だからさ、弔くんには解らないんだよ――僕らの気持ちなんて、なにもかも」

 

 その時、死柄木が見た鎌倉は、不用意にもこの場に似合わない笑顔を曝け出していた。

 彼女が見せたその笑顔は余りにも見ていて辛く、押し殺すような、作り笑い。本当は、一番嫌いなものを壊したがって、殺したがって、死柄木と一番相性も、方向も同じなのに、彼女は我慢でもするかのように、苦笑ではない笑顔で、振る舞った。

 

「ねぇ弔くんと漆月ちゃんにとって、私たちは何なのでしょう?」

 

 此処で、トガが抗議をし始めた。

 

「私は連合とは居心地が良い…忍ちゃんとも仲良くなれました。ステ様がきっかけで、私は様々な社会を知り、私は私のやりたいように、生きやすい世の中に…出来るものならしてみたいと思うのです」

 

 トガヒミコは、今は楽しくとも、必ずしも生きやすい世の中になった訳ではない。中学時代の頃に、同級生の生徒を刺したあの時から…いや、もしかしたら幼少期の頃から、親から見捨てられた時から、ずっとずっと、生きにくかったのだろう。

 

 

「ねェ、何の為に辛くて嫌な事をしなきゃいけなの…?」

 

 

 トガは、くるりと回り踊りながら、折り畳みのナイフを出して、死柄木弔の首筋に当てる。

 寸止め…皮膚に食い込んでる訳ではないが、少しでも動かせば脈は簡単に切れるだろう。表情は何処か辛く、悲しさを物語っていた。

 いつもの猟奇的で、狂気な笑みを浮かべる彼女とは、程遠い…

 

「……そうだな…」

 

 すると死柄木は自分の手を覆う掌を掴んで離し、素顔を見せた途端、トガはゾッとした。

 

 

「俺と、お前たちの為だ――」

 

 

 笑っていた――不気味で優しく、人の神経を鑢で擦り削るような、歪でありながら、殺意のない健やかな笑みを零していた。

 木椰区ショッピングモールで見せた、あの歪と異常な笑顔とは違う、其処には怒りも殺意もない、たた…慈悲深く優しい笑顔に、四人は絶句した。

 

「向こうは連合の機動力を削ぎ、且つ――有用なお前らを懐柔したいんだろう。外堀から取り込んで従いたいんだ。

 ハナから対等なんて考えてもない、アイツらは俺たちを追い詰めて、全滅させてから自分たちが名を馳せたいだけだ。俺たちのことなんて、何とも思ってないんだよ」

 

 死柄木は知っていた、自分たちにとって八斎會とは分かち合えない、敵であることを――それを知った上で四人に命令をしたとあれば…

 

「つまりだ。トガヒミコ、トゥワイス、鎌倉、龍姫、お前たちは信頼されてるんだよ弔に。君たちが、偉業を成し遂げれると…」

 

 此処で、黙っていた漆月が口を開き、龍姫の手を払う。

 

「英雄は、皆から美声と賞賛を讃えられてるから成り立つんじゃない…偉業を成し遂げたからこそ英雄と呼ばれるんだ。

 名誉や名声を幾ら貰った所で、それは単なる感想を受け付けてる身でしないんだ…だから、先生も英雄と呼ばれるんだよ」

 

 素の状態の漆月は先ほどまでのお巫山戯とは違い、淡々と冷静に物語っている。

 

「そんな英雄に、君たちは選ばれたんだ。つまり、偉業を成し遂げ、敵連合の英雄として一歩輝けるステージに立つ権利を得られたんだよ。これ程、光栄なものはない…誰もが、英雄になれる訳じゃないからね」

 

「俺たちが…?英雄…だって?」

 

「トガヒミコ、確かにきっかけはヒーロー殺し…または忍殺しのステインだよ。彼の報道が、全国に放たれ、熱を当てられ感染した…じゃあ、次にステインのような英雄を成し遂げれるのは君たちなんじゃないかな?」

 

「次が…トガたち…?」

 

「そして根本的なことを言うなれば…ステインはキッカケに過ぎないんだよ。本当の原点は…私たちが今も生きて、此処に集まった、その原点はね――〝絶望〟なんだよ」

 

 

 ――絶望。

 生きる希望も、社会の信頼も、人間の精神から始まり、現代でもごく自然に発症するものだ。

 

 

「私も弔もね、今に絶望してるんだ。明日の未来なんてどうでもいい、生きてることに希望を見出してないからね。だから、社会に生きられない、希望を嫌い、平和を恨み、幸せに苛立ち、普通に飽きてしまい、未来に失望する。

 もしステインの熱に当てられたのが皆ならば、今頃超人社会は崩壊し、先生の出る幕でも無かっただろうね。そう…始まりは絶望、なんだよ」

 

 漆月の言葉は、この場の全員が納得してしまうように、的を射ていた。彼女はまるで、生徒の一人一人に教授をするように、腕を広げ、意見を主張する。

 絶望しているからこそ、ステインの熱に当てられた。皆が今に、過去に、未来に、絶望しているからこそ、こうして敵連合が結成されているのだ。

 

「誰もが絶望するんだ。皆は君たちを異端者と見なし、拒み、軽蔑するだろう。でもね、君たちが普通なんだよ。

 人が悪意に染まるのも、破壊をするのも、殺すことも、絶望するのも、実はメッチャ普通なの。それこそ人が生きて人が死ぬのが自然な位に、簡単で当たり前のことなの。

 それを拒むのは、皆が君たちのことを理解できていないから、理解できないものを考えれないから、未知に慄き、疑い、過剰に反応してしまう…それが、平和に生きてる人間なんだ。異常のない、悪意のない世界こそ、異常なんだよ」

 

 人は常識で考えられないことを常識で考えようとしてしまう。そして自分の常識が通用しないものは避けてしまい、拒んでしまい、逃げてしまう。

 

「だから君らを受け入れない、批判しては小石を投げながら罵詈雑言を浴びせるんだろう。君たちが今此処に集まっているのがそれを証明付けてるんだ。

 マグ姐もそうだったんだろう?普通とは思えない人間を笑う人間がいる事に、絶望した。だから破壊を望み、殺しを平気で行い、今に絶望しているからこそ壊したくてどうしようもない…皆は理解できなくとも、仲間ならば、理解は出来るんだ。だからこそ、マグ姐の死に絶望を抱き、許せないんだろう?」

 

 この場の仲間だからこそ、同じ絶望を、悪意に染まった人間だからこそ、納得も理解も出来てしまう。緑谷も飛鳥も、理解できるはずがないのは、それもまた当然なのだろう。

 

「絶望は、悪は、衝動は、歪みは、感染するんだ。トガヒミコ、トゥワイス、龍姫、鎌倉…寧ろこれはまたとない好機なんだよ。八斎會なんて平和ボケした連中に、自分たちの絶望を解らせてやるんだ。

 

 それが可能な力を持ってるから、弔に信用されたんだよ。勿論、私も信頼してるよ。お前たちのやり方で、必ず戻って来な」

 

 絶望と崩壊は、隣り合わせだ。

 漆月という絶望に、死柄木の崩壊、二人はとても息が合い、頼もしさすら感じてしまう。

 

 想像つかなかった。

 自分達はそこらの一般人が犯罪者になって、ただ漠然と波に乗せられた人間で…それなのに、選ばれた人間なんて言われて。

 悪意に染まった人間の見方をしてくれる漆月はまるで、その人間に言って欲しい言葉を投げかけてくれる。

 

「漆月…」

 

 茫然と突っ立ってる四人を前に、死柄木は彼女を見つめていた。何だろう、自分がリーダーとして人を纏めるのは当然の義務なのは承知の上だが、彼女がここまで人を纏め、収める姿は初めて見た。

 これが、漆月なのだろうか……

 

 

「………うっ…?!」

 

 途端、脳に微かな衝撃か走り、頭痛が起きる。

 吐き気が催しながら、弔は誰にも気付かれないように、嗚咽を漏らす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ごめんね転狐、あのねあの時私…』

 

『ホラ転狐、おはぎが好きだろう?美味しいもの食べるとな、悲しい気持ちが吹っ飛ぶんだ』

 

『泣かないの、おばあちゃんまで悲しくなっちゃうよ…?』

 

『ヒーローはな、家族に絶望を齎すんだよ…!!だから、傷つけるんだ!!』

 

『やめろ…!転狐…!!』

 

 

 

『死ねええぇぇぇ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あぁ…誰の記憶だろうこれは…俺が映っている…?これは、俺の記憶か?

 なんで今になってこんな、訳わからない映像が断片的に流れて…

 

「………いや、良い……」

 

 どうせ、漆月の言う通り、俺は絶望してるんだ。どうでも良い…何もかも。

 今はただ……

 

 

「気に入らないものは、全部ブッ壊す」

 

 それだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 そして今に戻る四人は、一気団結し、結託する。

 

「死柄木…漆月、お前らは俺たちに信用してくれるって言ってた。どんな方法でも良い、やり方は問わねえ…好きなようにやって戻って来いって…」

 

「それってつまりさ、僕たちが八斎會に一泡吹かせることを信じてる、僕たちはこんなところではやられない、偉業を成し遂げて戻ってくる…死んでこいって言う訳じゃないもんね。僕たちには、それが出来るんだ。何も怖いことなんてないよね!」

 

 トゥワイスと鎌倉は、漸くを以って二人の言葉の真髄を理解し、頷く素振りを見せる。

 

「なら、簡単だな。俺は俺であるために――」

「私は私の思うままに――」

「僕は嫌いなヤツをブッ殺し――」

「私は、私の望むままに――」

 

 

 絶望は膨らめば大きく、衝動は感染し、悪意は紡いで大きくなる。四人の絶望、悪意、衝動は、個々人よりも大きくなり、それはやがて八斎會に一矢報いる刃となるだろう。

 頑丈で、折れることを知らない、諸刃とは違う、人の心を抉る刃は、既に研ぎ終わっていた。

 

「なんっっっだこのイカレガキ共!!!」

 

 敵連合の四人を前に見下ろす入中は、理解できない連中を気色悪そうにしている。

 それは漆月が言ってたように、理解できないからだろう。だからこそ、四人を殺すことも、死ぬことも、何も感じないし躊躇いもない。

 

「これだからヤクザは絶滅寸前になるんだよ!!」

「もうやってられねぇなこの茶番!!だからお前らはいつまでたっても弱小なんだよ!!」

「そーだそーだ!組長が出ていないって事は、組長だって大したことないんでしょー?!」

 

 ここで鎌倉の発言にピクリ…と、入中が過激に反応を示す。

 

「なん…だって…?」

 

「鎌倉ちゃんの言う通り、どうせきっと寝たきりの組長さんがしようもなかったんでしょうね」

 

 鎌倉に続き、トガヒミコの煽りに完全に乗せられた入中は、頭の血管が切れた。

 

 

 

「キィエエエエェエエエェェエエ――!!!」

 

 入中の怒りを抑える堪忍袋の緒どころか、袋ごと破れたことにより、暴走を始めてしまう。

 部屋全体が奇声に包まれながら、彼方此方と壁や天井が激しく変形を繰り返す。

 

 

 ――やりたいようにやるだけだ。

 

 

 気に入らねーモンはブッ壊せ。

 

「随分と荒れ果ててやがる…これだから単細胞ってヤツは!」

 

 どうせ尋ねても拒否される。

 

「入中の兄貴はキレやすいッスなぁ!!」

 

 それなら今は勝手に好き放題やらせてもらおう。

 今なら解る――そうだ、俺たちは、私たちは、僕たちは、今に絶望している。だからこそ、絶望は様々なことを可能にし、原点だからこそ強く伸ばしてくれる。

 

 

 さぁ、八斎會の奴らを、絶望の深淵へと叩き落とそう――!!!

 

 

 

「全・員・圧・殺!!!」

 




月閃中等部のご報告&キャラクター紹介!

護武皮柔増(21)

所属・死穢八斎會
好きなもの・きなこ餅
趣味・柔道
誕生日・5月6日
身長・180㎝
血液型・A型
出身地・新潟県
戦闘スタイル・打撃特化、近接戦

ステータス ランクB

パワーA
スピードA
テクニックB
知力D
協調生B


月光「今回も始まりました!斬口崎子に続いて、続いては此方の四天王が一人、護武皮柔増です!」

閃光「八斎會の乱波ほどに誇れるパワーではないが、それなりに強力な敵だったな…いや、まだ勝負は付いてないが…」

月光「単純な強さって、案外万能な所があったりするし、その中でゴムを活かした戦法は間違いなく手を焼く相手ですね」

閃光「個性がゴム皮って、完全に某海賊漫画の主人公みたいだな」

月光「流石に個性の必殺技がゴムゴム〜なんて叫んでたら確実にアウトですけど…以前、八斎會邸で駒として使われる分、個性の必殺技を作ってた際に、体を意識してギアセカンド?みたいな応用したら本当に死にかけたらしいですね。治崎の個性で一命は取り留めたそうですけど」

閃光「本当にダメだったな。そもそもコイツ、なんで八斎會に入ったんだ?」

月光「昔高校の時、柔道で対戦相手に怪我を負わせちゃったらしくて…かなりの重傷なのと、責任を負われたことも含めて家出したらしいですね」

閃光「そこで治崎に拾われたのか…過去にしてはどうコメントをすれば良いか悩み所でもあるが…」




護武皮柔増の一面。
護武皮の個性は単純でバネもあって強いけど、これ餅を食べまくったお陰で柔らかさが増したため、衝撃による痛みは全くありません。
きなこ餅が大好物で、1日に10個は必ず食べてます。八斎會邸で毎日きなこ餅を食べれて幸せ満足です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。