光と影に咲き誇る英雄譚   作:トラソティス

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因みに、切裂竜燐の容姿は、セレルギオスっぽいのを想像してくれると助かりますウンハイ。
それと最近のことなんですが、作者自身質問に対することは極力厳しくしていきます。まあこれは元々なのですが、セリフ付きで教えて〜!とか、そういうのにも厳しくいこうかと。問題がないと判断すれば後書きの方で書きます。感想欄ではなくですね。それでも問題がなければどうぞ。そしたら後書きの方も埋めれるし。



186話「ルミリオン」

 

 

 

 

 

 

 

 激戦の真中――切島と麗王が、酒木と切裂の二人を相手にしているその頃、率先して先頭を切った通形ミリオは見事に目的地に到着した。

 

「少し…お話をしても、宜しいでしょうか……?」

 

 いや、正確には〝保護対象のエリを連れた治崎〟に追いついた、と表現するのが妥当だろう。

 

「君は一体……」

 

 治崎は鬱陶しそうに目を細め、鋭い目付きでルミリオンを睨む。何故、彼が此処へ来れたのだろうか?

 

「……可笑しいな、そう簡単にここまで通れるような道のりじゃなかったんだが…」

 

 鉄砲玉にヒーローと忍達が動き出してから、故にたったの2分しか時間は経っていない。雑魚とはいえ鉄砲玉は勿論、四天王に本部長の入中もいる。そう簡単に、しかもこんな短時間で此処へやって来るのは不可能だ。

 そんな正体不明な輩が、今こうして自分の前に立っている。

 この現時点で明らかに可笑しい点しか取り残されていないのは目に見えている。

 

「だから、近道してきました…!!」

 

「………はぁ、近道…ね。事情を知った途端にヒーロー面する学生さんが、近道をしてまで今ごろ俺たちに何用だ?まさか、助けに来ましたなんて、ご都合主義な事を抜かすんじゃないだろうな?」

 

 治崎の言葉はとても冷たく、以前に見せたあの温和な顔付きは何処にもない。寧ろただただ冷酷で、化けの皮が剥がれた敵の顔だ。ペストマスクで口元までは見えなくとも、欺き笑う表情が自然と伝わってくる。

 

「…ご都合主義、かもしれない…アンタに言われた通り、それは何も言い返せないし、反論する余地もない……けど!それでも俺は助けに来た!!もうこれ以上、彼女が傷付く姿は見たくない!!」

 

 例え見て見ぬ振りをする偽善者だと罵られても、それでも少女の手が届くのなら。彼女を助け出すことが出来るのなら、あの時自分たちが対処出来てたのなら、直ぐにしてやりたい。ずっと心に貯まってた一心だ。

 

「別に見てはいないだろう、少なくとも…こいつにとってお前はヒーローなんかじゃない、ただの夢見る病人だ」

 

 とてもつまらなさそうに言葉を吐き捨てる治崎は、ミリオを前に背を向ける。

 

 

「この際だ、解らないようなら教えてやろう――死ぬって事だよ」

 

 

 刹那――ミリオの体が不自然な動きをする。

 自分の意思に問わず、足を中心に軸を不規則に回り始め、腕や脚の動きが変わる。これは動く…というより、動かされてると断言した方が良いだろう。変な動き…というより、これはまるで〝踊り〟だ。

 

「ッ――!?!」

 

 不意に自分の意思に無関係で、訳の分からない現象に困惑を隠せないミリオは、立ち止まったまま踊りを強いられてしまう。

 

(何だこれは?!)

 

「やっぱBGM付いてた方が格好がつくよなぁ!!」

 

 心に募る不安と未知への恐怖を芽生えさせるミリオの心の叫びを遮断するように、別の何者かの声が轟く。カチッとボタンを押すと、何ともまあ巫山戯たことか、日本舞踏のBGMが愉快に流れ出す。

 

「おいしょ〜のしょっとぉ!!さっ、お前もヒーローやエリちゃんなんか忘れて一緒に踊ろうぜ!俺っちとよぉ!」

 

 ミリオと同じく鏡でも映し出してるかのように、自分と全く同じ動きで踊りを披露するひょっとこ面の男は、愉快そうに笑う。赤いひょっとこ面は勿論、水玉模様の白い頭巾で頭を隠し、ペストマスク代わりの面で顔を隠し、江戸時代の衣装に身を包む男の名は――『踊里子号』。戦闘中に踊るという、これだけ聞けば巫山戯てるかもしれないが、これでも死穢八斎會の四天王に選ばれた、元・鉄砲玉だ。あの幹部の中から見事に四天王の地位を獲得したのだ。

 

「何だ…この個性…!体が勝手に動いて…!!」

 

「あぁ〜無理無理ッ♪一度俺っちが踊り始めて〝個性〟に掛かっちまったら、踊りを辞めるまでは止まらねぇ〜よぉ!つ・ま・り、お前の意思で体を動かすことも、踊りを辞めるのも出来ねーの!!死ぬまで踊り続けて貰うかんな!」

 

 踊里子号――個性『誘う踊り』

 自身が踊りながら、対象の人物に個性を発動することで自分と同じ踊りを強いる事が出来る個性。相手の意思問わず、自分が踊りをやめない限りは踊り続ける。

 

(踊里…!よりによって厄介なヤツと出逢ってしまった…!!この術に掛かったら俺が抜け出すのは相当困難…!クソ!!目の前にエリちゃんがいるのに…こんな奴に構ってる暇なんてないのに…!)

 

 心の中で舌打ちをしながら、憤慨の表情を顔に出す。

 やっと治崎に追いついたのに、

 エリちゃんを助けに来たのに、

 此処まで来たのに、皆んなが託してくれたのに、

 

 ――何で此処で立ち止まらなきゃいけないんだ!!

 

 

 ミリオの心の叫びと同時に、ガチャッ!と銃の引き金の音が鳴る。音に注意が傾いたミリオは、咄嗟に息を吸って個性を発動する。

 

 ダァン!ダァン!!と二発、発砲音が轟く。

 しかし放たれた銃弾はミリオの体を透け、そのまま壁に衝突する結果に終わった。

 

(今度は…何だ!?)

 

 発砲音の鳴り響いた銃声に振り向くと、拳銃を持って銃口を此方へ向けている黒ずくめの男が一人、闇に紛れるように聳え立っていた。全く気配に気付かなかったものの

 

「貴様、一体どんな個性だ」

 

 此方が声を出す前に、先に質問を投げられた。

 当然答える義務もないし、まして敵に自分の情報を明かすなど愚の骨頂だ。

 

「俺の個性は『透過』!発動中はあらゆるものをすり抜ける!!!』

 

 そんなミリオは、バカ正直に質問に対して率直にかつ簡潔に述べた。ハッ…!と気付いた時にはもう遅い――「なに…が…?」とポツリ呟くミリオを前に、黒ずくめの男は納得したかのように「成る程…」と頷いた。

 自分の意思とは無関係に、何故か質問に対する答えが口から出てきてしまった。其れは決して、口がつい滑ってしまったなんて笑い事や事故では片付けれない現象。其れを引き起こす現象こそ、コイツが原因だろう。

 

「だから入中を始めた、死穢八斎會の四天王の猛攻にすら搔い潜ったのか。透過なら地下の迷宮は関係ないと…厄介過ぎる個性だ。早急に排除しなければなるまい」

 

 死穢八斎會・懐刀――音本真

 個性『真実吐き』

 問いかけられた場合、相手は強制的に本心を語らせる事が出来る。時に本人すら気付かない弱味を個性で真実を引き出すことも可能。

 

 この個性の活躍で、敵連合の四人の個性や詳細を知る事が出来たのだ。ある種、尤も厄介にして敵に回すとかなり厄介だろう。懐刀とはいえ、前線を張って戦える身ではないのも裏付けているが…

 

「人に真実を語らせる個性…!昔は詐欺師をやってたそうだね……そんな君が前線に立つなんて…タイプじゃ…ないよね…!」

 

「舞踏しながら話しても格好や説得力が付かないぞ?止まってから話してはどうだ?まぁ…踊里の術に掛かった時点で、体は止まらないがな」

 

「よっしゃあぁぁぁーーー!!そのまま疲労困憊で死に晒せぇ!!もっとハードにいっちょやっかぁ!!」

 

 踊りながらでは冷静に分析するミリオを鼻で笑う音本に、更に踊りのペースを早め、動きを早くする踊里。日本の和を主張したBGMと、今の現段階による状況で完璧に空気に合わないのが、この空間そのものが歪んでると言えよう。少なくとも、巫山戯をしている暇すら腹立たしいのに、こんな奴らに邪魔され、折角追いついたエリと治崎が離れてゆく姿はとても堪え難いものだ。

 

「故に――私は他の使い捨ての駒共とは違い、四天王と同じく若の野望に寄り添う道を許された!!」

 

 そのまま銃口をを向けたまま、引き金を引き発砲音を鳴り散らかす。ダァンダァン!と、鼓膜がつんざく音が反響しながらも、ミリオは透過を辞めない。

 

「して…お前の個性は無限に続くのか?後はどのくらいだ?そう長くは続かないだろう?」

 

「個性の発動中は酸素を取り組めないし、凡ゆるものが体を避けてる訳だから、時間は有限で最小限に限られている。……っ?!」

 

 又もや、強制的に喋られた。

 どうやら口を噤んでても、音本の個性の能力上それは不可能らしい。どちらかと言うと詐欺や罪を犯す敵より、警察向きの尋問に向いてるのだろうが、個性を武器としずに尊重する以上は難しいだろう…

 それにしても質問をされた以上、必ず喋らせる個性とは、なんたる脅威な事だろう。隠してた情報、弱味を簡単に引き出されてしまうというのは、精神的に来るものだ。

 

「ふむふむ…大方、お前の体力によるタイムリミットが来てしまえば、強制的に解除される身だと。

 踊里が個性を発動してる中、激しい動きで体力に酸素は激しく消費されるだろう。となれば、お前の活動限界はもう目に見えてる…そうだろう?」

 

「ッ…!そう…だ!」

 

 答えたくなくても、答えてしまう。

 

「ふむ、となれば君はこうしてエリさんの奪還に赴いたつもりが、彼女にトラウマを植え付ける事になるのだな。折角自分を助けに来たヒーローが、殺されてしまった、では…エリさんも報われまい……」

 

「な…にが…!!」

 

 ペストマスクで顔は隠されてはいるが、声色としては嘲笑的になっているのが、肌で感じ取れる。我慢の限界に達したミリオは、激しい感情に見舞われ、声を荒げる。

 

「何がトラウマだ!!あの子が苦しんでるのも、あの子が恐怖を感じて報われないのも、全部全部お前たちのせいじゃないか!!!それに野望だって…?実の娘を利用して、何が野望だ!!」

 

「………は?〝娘〟…?────ああ、そうか…成る程…ふむ」

 

 ミリオの爆発した荒々しい口調に、物怖じせず音本は何故か首を傾げ、肩を竦める。まるで「は?お前何言ってんの?」と、小馬鹿にするように。

 妙に娘というワードに対して疑問に感じた音本は、頭の回転が早いのか、直ぐに理解したようだ。

 

「君がこうして、危険を犯してまで此方へ出向いたと言うことは、少なくともエリさんに負い目を感じてる…そうなんだろう?物事を円滑に進むべく、あの子を見捨てた…違うか?」

 

「そうだ――」

 

 音本の一つ一つの、心を抉る質問が、ミリオを苦しめる。まるで言霊の弾丸が、ミリオの心を撃ち抜くよう確実に。

 

「邪魔な物は不要だ。君はそうやって、不都合なことは全て切り捨てて来た。だからこそエリさんと遭遇しても、君は見過ごすことを決めたのだろう?そう言った人間は、情を捨てなければ成し遂げれない行動だ…」

 

 否定は出来ない。

 言ってることは、価値観や考え方次第では間違ってはいないのだ。だからこそ、拒む事が出来ないからこそ、逃げられない選択肢に精神が鑢のように擦り削られるのだ。

 

「それを踏まえ…我々の前に姿を現して、ヒーロー?助けに来た?はぁ??小さなごっこ遊びも此処まで来ると甚だしい!此方こそ、我々の野望を何だと思っている!!!」

 

 音本の声はイヤに大きく、荒ぶっていた。銃を乱射させ、一発当たらないのも含め、何よりもこんなヤツに自分達の計画を邪魔されたのかと思うと、腸が煮え滾る。

 

「そんな程度の低い覚悟で、夢を見ているとは…幸せボケしてる人間も、此処まで来ると哀れ!ヒーローなどと妄想に浸れるのがどれだけ憐れなのか!!何も知らないガキが、一丁前に説教垂れなど、笑止!!!」

 

 其方のお遊びに付き合ってる暇など無いと言わんばかりに、罵詈雑言のマシンガントークは止まらない。此処まで激情する音本は珍しいが、それほど治崎に心酔してる証拠だろう。

 

 

「エリさんを蓑にして、自分が楽になりたいだけの臆病者が、ヒーローとして、いいや…人として必要されるのか?」

 

 

 体は踊里が既に揺さぶっている、ならば後は簡単。

 心は脳と同じ、少し揺らすだけで――人は簡単に止まってしまうのだから。

 

「見よ、踊里…!行ってしまう、若が行ってしまう!私は若の野望に、若に必要とされているのだ!!」

 

 心酔というよりも、これもまた一種の洗脳に近いものにも感じ取れる。単なる信頼とか、主従関係とか、些細な事柄では無いのだろう。

 

「ついて行かねばなるまい!共に歩み、成就の喜びを分かち合うのだ!!我々が、八斎會の選ばれし者共にその義務がある!!さァ!さァ!!さァさァさァ!!!!」

 

 

「「逝けよ――邪魔者!!!!」」

 

 音本の銃弾に、踊里は日本舞踏を巧みに使った誘う踊りを披露しながら、包丁を投げる。隠し包丁と言うのだろう、服に隠してあった包丁を数本投げつけ、銃弾に当たらないよう的確に狙いを定める。

 

「踊里…お前の個性には弱点がある――」

 

 だが、ミリオはまだ止まっていない。

 物理的な意味ではない、心はまだ折れていないし、止まってもいない。ミリオは思いっきし一呼吸、息を大きく吸って酸素を取り込むと、個性を発動し、床に落ちる。

 

「ぬっ…?!」

 

 予想外な発言は勿論、床に溺れて行くかのように落下していくミリオに、初めて驚愕の声色を浮かべる踊里。

 

(お前の個性は確かに厄介…だが!発動するには条件があるように、この踊りの個性を解除するにも方法はある――お前は、自分が見た対象…または、相手からお前が見える場合、踊りの効果が発動する。早い話、片方のいずれかでも、お前が個性の発動条件を満たしていれば強制的に踊らされる、そうだろ?)

 

 踊里の個性は誘う踊り。

 だがそれは付与効果ではなく、強制的に踊らせる個性で、相手が自分の踊りを見たのと、自分が相手の踊りを見た、そのどちらかでも条件を満たしていれば、簡単に術にハマってしまう。普通ならその状況を打破することは不可能に近い、困難を極めるだろう。

 

 しかし、ミリオは不可能を可能にする事ができる。それが、透過による個性だ。透過は発動中、凡ゆるものがすり抜け、聴覚や視覚、呼吸さえもすり抜けるという危険が伴うものの、それはつまり…踊里の存在そのものも透けて見えない事になる。

 当然、踊里からも地面に透過して消えたミリオを見ることはどう足掻いても不可能だし、そうなれば…踊里の個性は強制的に解除されざるを得なくなってしまう。

 

 

「【ファントム・メナス】!!」

 

 

 これぞミリオの必殺技。

 壁、天井、床、凡ゆる四方八方の死角を突いて、防御不可能な点を攻めていく。ミリオは当然目を瞑っているので、踊里が踊っていようと、一度個性を看破すればどうってことはない。

 予測不可能、目にも留まらぬ打撃の猛攻に、音本は拳銃を握ってた手、後頭部、溝、膝を――踊里は前頭部、背中、腹部、肩、脚、首を打たれ、痛覚に神経が悲鳴をあげる。

 

「そうだ…俺…いや、俺たちはあの子に悍ましい業を背負わされていると知った!あの子にとって残酷な言動を見せてしまった!」

 

 思い出すだけで腹が立つ。

 

『気付かなかったかい、殺意を見せつけてあの子を釣り寄せた』

 

 あんな小さな子が、自分よりも俺たちが傷付くのを防ぐため、自ら助けの手を放棄して…地獄へ戻ることを選んだんだ!!あんなにも優しい子が──…!!

 

 通形ミリオは、弱いことを受け入れてきた男だった。個性が元々弱小類だったからかもしれないし、皆から笑われてきたからかもしれない。しかし、自分の弱さを受け入れてきたからこそ、励む事ができたのだ。

 心も同様、彼にとって弱味とは隠すものではなかった。

 

「ば…かな!?俺の踊りでスタミナは消耗したってのに…こいつ、何で動けるんだよクソッタレぇ!!」

 

「ヒーローになる為に、この個性と一緒に皆んなが笑える未来に向かって、ずっとずっと頑張ってきたんだ!いつも体がもたない位の鍛錬を重ね通してきたから…!!」

 

 踊里の個性は確かに、相手の動きを封じるだけでなく、スタミナ…疲労を出すための、厄介な個性だ。一見ふざけてるように見える個性でも、此処まで来ると悍ましさも感じる。

 

 だけど、ヒーロー訓練では体力の消耗が激しいのなんて慣れっこだ。いつも、体力が底をつくのなんて当たり前…でも、そんなヒーローだからこそ、乗り越える事が出来るのだ。

 

 ――弱さは前提!俺はもう揺れない!!

 

「あの子が笑えない未来なんて…そんなの絶対許せない!!!!」

 

 

 さぁ、最後の仕上げだ。

 ミリオは全身全霊を以って、二人の敵に止まらぬ猛撃を繰り返す。体の全身による骨にヒビが入ったのではと錯覚するような、何が起きて、何をされて、どう攻撃を封じれば良いのか、どう防げば良いのか。何の打開策もなく、手も足も出ずに、そのままなす術なく敵はやられるだけだ。

 

 

 

「治崎!!」

 

 距離はそこまで遠くはない、掛け声と共に治崎が振り返るも…

 

「…?」

 

 誰もいない。

 いや、いるとすれば…薄っすらと見えるのは倒れ伏せた踊里と音本の二人組だけだろう。肝心の通形ミリオが見えないことに、小首を傾げるも、突如として気配が背後に回る。

 

「ッ…!!」

 

 咄嗟の判断で気付いた治崎は、ミリオのフルスイングな腕を見事に回避したものの…拳が微かに頬を掠め、僅かな痛みが傷口に残る。

 また足を透過することで、序でに足蹴りでエリの体を透き通し、クロノの顔面で足の甲の透過を解除し、クロノだけ顔面に蹴りを入れることに成功。

 個性の繊細なコントロールによる神捌きは、常に個性を把握してるミリオでないと成し得ない所業だろう。

 

「ッた…?!」

 

 強烈な足蹴りが顔面にクリーンヒットし、そのまま抱きかかえてたエリを離してしまうクロノ。それを何とかキャッチして奪還することに成功したミリオは、守るように、大事そうにエリの体を包み込む。

 

「…な、んで…来ちゃったの…?だめ、だよ!!あの人に殺されちゃうよ!!」

 

 震える声を、精一杯振り絞り、自分よりミリオのことを最優先に心配するエリに、ミリオは力強く「大丈夫…!」と答えた。

 

 

「もう決して君を見放したりしない…見過ごしたりしない…!!君を悲しませたりしない!!!

 

 俺が君のヒーローになるから!!」

 

 力強い信念は、誰よりも真っ直ぐで――心優しいミリオの声が、エリの心を和らいでくれる。

 

 

「……汚いな…お前…」

 

 殴られた頬を、拭う素ぶりを見せる治崎は、ただただ此方を強く見つめるミリオを、睨み返して…

 

 




月閃中等部のご報告&キャラクター紹介!

切裂竜燐

所属・死穢八斎會
好きなもの・金平糖、朝風呂、
嫌いなもの・差別、虐め、
趣味・鱗磨き、オセロ
身長・170㎝
誕生日・2月12日
血液型・B型
出産地・千葉県
戦闘スタイル・遠距離戦闘、肉弾戦、

ステータス ランクA

パワーB
スピードB
知力B
協調性A
テクニックS

月光「皆様!お久しぶりです!本日も久しくやって参りました!キャラクター紹介です!」

閃光「死穢八斎會・四天王の筆頭を務めるリーダー枠か…切裂竜燐、個性は『鱗刃』。触れたものを傷付けてしまうとは…その身に纏いし穿つ刃は、己の心も切り裂いてしまうのだな…」

月光「ちょっと何言ってるか分からないけど、ハリネズミやウニに近い感覚ねコレ。それに、肉弾戦や射撃でも、身に纏う鱗が硬いから、自分の存在が盾の役割と矛の役割を持ってるのね」

閃光「…なぁ、最近妙に思うんだが、多くないか?矛と盾の役割って…切島は勿論、乱破と天蓋に続き、芭蕉にファットガム……それに刀と盾というフレーズも、飛鳥に半蔵様と続いて…」

月光「だ、大丈夫よ閃光!それに刀と盾は飛鳥さんが広めてる事だし、矛と盾とは違うから!」

閃光「…なぁ、今思ったんだが、矛と盾と、刀と盾って何が違うんだ?」

月光「……えっ?」

閃光「いや、ほら…だって盾はさておき、矛も刀も相手を傷付けるものでもあるだろ?意味的には一緒ではないかと私は前々から思ってるんだが…」

月光「…………」

閃光「…………」



切裂竜燐の一面
切裂が死穢八斎會に入ったきっかけは、学校の進路が決まらず親にも見放されて路頭に迷ってた時に治崎と知り合いました。治崎がエリのことを知り、計画に動いてから直ぐのことなので、組長が寝たきりとなって直ぐに八斎會の一員になりました。音本よりも早く、治崎が初めて仲間にした人物です。
因みに八斎會の四天王メンバーとは仲が良く、四人で一緒にいることが多いです。

作者の裏話設定

切裂の個性の関連もあって、当初は斬口崎子の兄のとして設定するつもりでしたが、それだと余りにもありきたりなのと、なんかつまらないなと思ったので却下になりました。
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