鴇様、遂に参乳したねおめでとう!!
其れにしても今回のシノマスの華眼のストーリー…完結した感想としては、ソシャゲ故に原作からのオリジナルな展開に奥深い話…実に素晴らしかった。鴇様の過去が余りにも悲惨で、そりゃこうなるよなぁ…となりました。
鴇様の姿は、ひょっとしたら漆月がひねくれず、月黄泉神猗にも憑依されず、お姉ちゃんたる陽花の意思を継いだもう一人の漆月だったのだと思いました。華眼があるだけで、陽花のようになれず、華眼がなければ鴇のような悲惨な人生を歩まず仲間に恵まれた彼女…うん、正にある意味正反対だな、と。
「て、テメェ…連合の荼毘が、何故此処に!?」
漆月に続き、敵連合の傘下にして焼殺事件が相次ぎ、更には開闢行動隊の筆頭として後方指揮を担ってた荼毘がここに来て、綺語道楽を対峙する。勿論、面識は愚か完全に初対面でありながら、名前も明かした事もない。そう考えれば漆月の差金だろうか?
「おいおい、そう殺気立つなよ怖えなァ…。別に取って燃やそうッて魂胆じゃねェよクソ面倒臭え」
ハッ、と小馬鹿にするような嘲笑染みた笑みを浮かばせながら、掌を向けるのをやめない辺り、少しでも反抗の意を唱えれば蒼炎を発動し、炙り焼くつもりなのだろう。
……正直、荼毘の詳細は知らない。
本名共に、死柄木弔、黒霧、闇と同じく完全に裏の世界に住まう住民…。素性など精々焼殺事件位、其れ以外の情報は全くと言っていい程に何処をどう探しても全く見つからないのだ。
まるで虚空の雲を掴み取ろうという、何とも無駄な行為をしているかのように。
「漆月に続き、貴様とて連合がこうも儂の前に姿を現す…これが何の意図を指し示してるやら…。警戒しない方が可笑しいじゃろうて!!」
「ハッ…老いぼれ爺いも頭が回るモンだ…。じゃあ何だ?お前は此処で俺を殺すか?俺が蒼志を除いて街に被害が及ぶのは知ッてんだろ?愚策だぜ」
確かに彼の言う通りだ。
荼毘と蒼志は基本的に連合の中では広範囲攻撃が多く、街への被害も鑑みて今この状況で下手して闘うのは愚策…。自身の身がどうなろうかは知ッたことでは無い。
マスターへの忠誠…主に主人の為ならば平気で人も殺すし死んでこいと言われれば喜んで。然し其れは今使い捨てる時では無い。
「………漆月の差金か?」
「いーや、俺個人の話だ。案ずるなよ、其れでも副リーダーから話は聞いてる…じゃなきゃ忍の知識もねェ俺がお前を見つけれる訳がねェ。だが、副リーダーの考えなンざ俺個人の話としちゃ心底どうでも良い。
だからお前に話がある、そしてお前にしか頼めねえ…。簡単な話だ、そしてこれ迄にない程美味しい事はねェ。」
薄ら笑いを浮かべながら、邪悪な笑みを溢す荼毘は,心なしか笑ってるようにも見える。まるで小さな子供が期待に胸を躍らせるように…漆月とは違った別件なのだろうか、だとしたら話を聞くだけの価値はあるのかもしれない。
「……儂等に被害が及ぶのでありゃ拒む。其れでも良いのなら、話は聞こう…」
「おっ!良いね、志の無ェゴミ共よりかは幾分マシか。久方振りに連合以外に話が通じるやつが居るじゃねェか」
「焔さん、大丈夫か?」
時間の騒動が起きてから一時間が過ぎた頃合いに、焔紅蓮隊の面々が駆け付けにやって来た。
何でも春花達が未来と詠を見かけてから、後々と紅蓮隊の皆んなに連絡が行くように手配を施し、全員が駆け付けに来てくれたとのこと。
柳生と雲雀は一先ずより安全な場所へ避難し、いち早く彼女の安否と回復に専念…との事。
かぐらと奈楽は残念ながら行方不明となり、捜索は再び振り出しに戻った状況とも言えよう。非常に宜しくない様子だ。
「嗚呼、クソッ!嘘月とやらめ、忍商会……この借りはいつか必ず倍にして返してやる…!!」
手も足も出ず、蹂躙され気圧された。
幾ら相手の場数や経験共に全てが上とは言え、焔にとっては言い訳以外の何でもない。それ故に妖魔との戦闘を交えて有頂天にでもなっていたのか、強力すぎる敵を前に僅かな挫折と屈辱が、焔を苛させていた。
「ダメだよ焔ちゃん、まだ傷が酷いんだし…」
「飛鳥、然し私は……」
「飛鳥の言う通りよ、怪我人はさっさと休んでなさい。これ以上無理に出張って下手な闘いをしても、死人が増えるだけよ。足手まといになるの、分かる?」
「なッ…!?!」
意外にも、此処で毒舌の如く言葉を吐き捨てるのは、冷静さを装いながら微動だにしない美怜だった。
流石の飛鳥も、まさか仲間がこんな事を言うとは思わず、焔は面を喰らったような顔で、春花も目を丸くしながら、詠は焔に対する辛辣な対応に、流石に表情を赤く、怒り色に染め上げる。
「美怜ちゃん!!今のは流石の私も聞き捨てならないですわッ!!」
「ちょ、詠お姉ちゃん落ち着いてよッ!!…ふががッ!」
あの詠が焔の代わりになって怒りの感情を露わにしながら、怒号を飛ばす。そんな詠に未来は兎に角抑えるので精一杯な様子。然も身長差もあって未来の顔が詠の胸に沈む様に埋もれてしまう。
「何を貴女はそんな風に感情的に怒ってるのかしら…?私、間違った事言ってる?其れとも何、これ以上手酷くやられた焔を馬車馬の如く働かせて、無理にでも戦わせるつもり?今私達がやるべきことは焔の手当てと共に人民周辺の情報管理、コレからの具体策を考えるのが先でしょう?」
「!」
「春花、保冷剤あるかしら?傷口に火傷の損傷があるし、横腹も酷い…後なるべくシートか何か敷いて雑菌が入らない様にカバーして。詠、貴女はボサッとしてないで裂傷部分を糸で縫って貰える?その後に地域周辺の市民達の聞き込み調査を頼むわ。他にも未来と日影は医療機関の方、頼める?」
意外にも、美怜は慣れた様な感じで仲間達に的確な指示を出す。そんな彼女の突拍子な行動に全員はポカンと口を開けてしまう状況だ。
「焔、あのね。貴女が如何なる相手に勝てるとも、完璧超人だとも、微塵たりとも思ってないわ」
「罵声なのか褒めるかどっちかにしろ」
「嫌よ。其れに貴女が手酷くやられたのを見て、何も感じない程私は人間辞めてる訳じゃないわ。其れに、貴女はどうせ何を言っても止まらないでしょう?いえ、寧ろ言葉で止めれるのならラッキー程度、ね。だからこそ、誰かが無理にでも止めないと貴女は死に急いでしまう。体力も何もかも万全だった状態でも負けたのに、これ以上敵の詮索も情報の出処も無い以上、無闇矢鱈に動くのは愚策。
今の貴女は足手まといな状態なの、だから今は安静に休みなさい。
其れにコレは貴女だけの問題じゃないでしょう。一人で抱え込むより、全員で共有して次の打開に慎むのが先決でしょう?何でもかんでも一人でやろうとしないで貰えるかしら、悔しいのは貴女だけじゃない」
美怜の真剣な眼差しは、いつも揶揄ったりするのとは違う。冴え切った瞳は彼女の眼差しに向けられる。
美怜は言葉の感情に疎い。先ほどの言葉も美怜は本気で悪い言葉だと思っていなかった、寧ろ足手まといという言葉でさえも悪いとさえ微塵も感じない。
其れが美怜としての、感情に乏しいという感覚なのだろう。だから詠の激情も皆んなの面食らった顔も、美怜からしたら意味不明でしかない。
だが芯は真っ直ぐと仲間思いで、根は優しいのだろう。だが結果的に焔には厳しめの言葉で制止し、無理にでも冷静にいさせるッて考えとしては、結果オーライだ。
「美怜ちゃん……凄いね、流石焔ちゃんが仲間にしただけはあるなぁ」
飛鳥は少しだけ、美怜と言う少女を深くしれた様に感心した表情を見せる。
「ほな、了解したわ。未来さん急ごうか、大将死なせたらアカンしな」
「え?あ、ああ…!うん、そ、そうね!」
日影は頷き先ほどの指示された言葉に動き、未来は未だに美怜がここまでしっかりとサポートできる事に多少驚きのままでいる。
「取り敢えず、探してみるわ…私も傷が酷いし…丁度良いかも…」
「み、美怜ちゃん……先程はごめんなさい、私そうとも知らずにまた…早とちりしてしまってて…」
詠は自分の早とちりで誤解して怒ってしまった事に対して、美怜に謝罪の意を込める。美怜自身が誤解を招きやすく、感情表現共に何かしら乏しい部分もあると言う。
其れに詠は幼い頃からよく早とちりに勘違いをしやすいタイプだ。斑鳩が鳳凰財閥とご令嬢と言うだけで金持ちだと解釈し、実際は養子で育てられ、金持ち全員が悪者ではないと知ったのも近いようで遠い話。見たモノ全てをそうだと認識してしまうというのは、詠の欠点的な性格ではあるが、美怜相手の場合は詠だけでなくとも誤解をしてしまいそうなのは無理もなく。
「?別に、謝らなくても良いわよ。不快に思ってないし」
ぶっきらぼうで熱の籠らない声色は、いつも通りの美怜だ。気にしてないと言えば其れまでなのだろうが、それにしては何処となく引っかかる気もする。
各々が移動して作業に取り掛かれば、美怜は焔に付き添いで看病をしていた。当然飛鳥も(と言うよりも、美怜が此処にいなさいと無理矢理止められ)美怜と同じく付き添っている。
美怜は懐に入れてた薬剤を持てば、ねっとりしたクリームを傷口に塗りたくる。
「いつッ…!!」
「我慢なさい。多少痛むけれど、効果は絶大だから。治癒性の高い薬草をふんだんに使った特効薬よ。医療系の施設が見つかるまでは、尻拭い程度にこれで安静にでもしてなさいな」
落雷に打たれて痺れるような激痛が、傷口から伝わる。悲痛な表情に歪ませながら声を上げる焔に、美怜は相変わらずの様子だ。其れにしても丁寧に慣れてる辺り、彼女も医療に関しては詳しいのだろうか?
詠が傷口を糸で縫ッたので、多少の裂傷は防げたものの、抉られた傷口はそうはいかない。
「美怜ちゃん…手慣れてるんだね。雲雀ちゃんと同じように、得意なの?」
「昔読んだ参考本がてら見様見真似でやっただけよ。私自身が傷つくことなんて精々、目が見え辛くて転んだ際に膝を擦り剥いた時しか、自分の手当てなんてしたことないし」
アレは確か廊下を歩いていた時だ。
灯火の明かりを付けていたにも関わらず、何もない場所で転んでしまったことがある。
視界が悪く…と言うよりも、目前の景色が朧気で、視力が悪かッた為、何度も転んだりしては膝を擦りむいてしまった事がある。本を見ようにしても中々読み辛く、困っていた時にベルゼ兄さんが私の為にと、視力矯正として有益な眼鏡を持ってきてくれたのだ。
一種の兄からのプレゼントのようなものか、眼鏡を掛けた途端に広がる冴えた景色は衝撃的なものでもあった。そのお陰で医療系の本を読み漁っては、自分の傷は自分で治したし、医療に興味を示した美怜は家に有り余る本を読破していった。
「見様見真似…お前、大丈夫なのか?」
「嗚呼、気にしないで。ちゃんと保証はしてるし間違いないから。読めば大体わかるし」
「美怜ちゃん凄いね…普通、読んだだけじゃ分からないと思うけど…」
此処まで来ると一種の才能のような物を感じ取れる。
爆豪勝己や八百万百のような、知的且つ天才的な面。
一度読んだら頭に入ると言う典型的且つ珍しいタイプ。
美怜は焔と真逆で、知的性能に長けている。焔が馬鹿で脳筋、というヘイト地味たことは言わない。寧ろ焔は座学に関しても蛇女在籍時はかなり上位ランカーの方に入っていた優秀な忍学生だった方だ。最近はアルバイトだの金銭的や食事等余裕がないためか、野生的且つ獰猛な性格に成り立つあるが、決して馬鹿なわけではない。アホな一面はあるが。
「其れより焔、喉とか声帯部分の傷はないかしら?大丈夫?」
「いや…そこは大丈夫だ……珍しいな、お前が其処まで気を遣うなんて…」
「馬鹿言わないで貰える?仲間を心配するのは当然でしょう。其れに、声帯部分が潰れてなければ支障はなさそうね、良いわ。飛鳥も丁度いることだし、良ければ話してくれる?」
現状的に情報が曖昧かつ断片的な美怜は、ふぁさ…と耳に掛かった髪を退かすように手で払いながら、氷のような冷たい表情で、真剣な眼差しで二人に問いかける。
飛鳥を呼び止めて態々此処で待機させたのも、少しでも情報収集に欠かせない人材だったからだ。
「えッと…私は来たばかりだから、全然…その時、焔ちゃんが倒れ伏せていたから、助けに来たの!」
「あんなの…私一人でもどうにか…」
「怪我人、貴女は今少し黙ってなさい」
美怜の珍しい威圧に、目を細め苛立つ表情に流石の焔も口を閉ざす。美怜があんな怒の表情を取るのも珍しく、真剣な情報収集の際に勝手に口を挟まれるのが激的に嫌なのだろうと見解できる。
「成る程、では質問するけれど…貴女は何で焔の場所に寄り付いたのかしら…?騒音は無かった…にも関わらず。春花からの増援?」
「あ、ううん!春花さんとは合ってないよ!奈楽ちゃんとかぐらちゃんを探してたら…あ、そういえば…確かに物音もしなかったのは何でだろ?焔ちゃんが本気で戦えば、嫌でも周りからも聞こえるはずなのに…」
其れどころか周辺からは物音一つ聞こえなかった、と言うのは余りにも不自然。焔も最初、音こそは聞こえなかったが、ただならない気配に、強者の匂いを嗅ぎ付いてきた訳でもある。
「音……相手の能力による物か、或いは影ながらの仲間による補助役か…何方にせよ隈無く此処を調査する必要性があるわね。所で焔、相手はどんな奴だッたのかしら」
「……嗚呼、それは……」
焔は今まで起きた事、相手の姿や能力等を細かに、ある限りの情報全てを美怜に伝えた。
すると彼女は考え込む仕草を取り、親指を顎に当てながら考察を働く。
「…嘘月妄語。妄語、という十悪業…嘘を平気で働かせる…情報戦での操作は彼の独壇場、と言った所かしら。それに踏まえて土の天才的な遁術。相当極めてないと匠に扱えない技術だと考えた限り、敵も一筋、二筋縄じゃ行かないわね。オマケに遁術以外による能力も未知、焔や私からの推測として嘘を吐く事による能力だけれど…だとしたら、余りにも統一していない…。恐らく、そう言った忍は付属性による忍、ね」
付属性。
例えば紫の場合は禍魂忍法という、かなり代々受け継がれてる希少的で有力な忍術だ。紫は禍魂忍術に加えて、陰という遁術が合わさっている。そう言った遁術と忍術の組み合わせに起きた強力的な忍術を扱う方向性。
他にも忌夢の場合は禍魂忍法を受け継がれておりながらも、才能や能力の開花に失敗、或いは充分に引きつけず、禍魂とは別に雷の遁術を使う事に専念した。そう言った方向性による問題だろう。
遁術と忍術が一体化してる飛鳥や雪泉、焔や雅緋のような忍もいれば、雲雀や柳生みたく、遁術と忍術が別に分けられてる忍も存在する。
はてさて、美怜は何方側なのか…。
「民間人を巻き添えにしたくない、となれば…斑鳩や葛城が受けたとなる被害は何だったのかしら?個々人の独断専行…或いは任務の方向性変換?何方にしろ、敵側が奈楽やかぐらに加えて私達も標的にされてるのなら、身の回りの警戒態勢並びにより情報を蓄えないとね。嗚呼、飛鳥にもう一つ……
貴女、どうして奈楽とかぐらを探しに此処へ?偶然?それとも何かしらの根拠があって、との事かしら?」
美怜の問いかけに、僅かに心臓が揺さぶられる。
奈楽とかぐらの捕獲は言うべきだろうか?いや、先程も考え決めたではないか。言う必要はないと。
これは自分達の問題であり、抜忍云々以前に彼女たちを無理に関わらせる必要はないのだと。
「た、偶々だけど…どうして??」
「そ…いえ、もし根拠があるとすれば、敵が待ち伏せていたのも何かしら手掛かりになるのかと思っていたの。まるで敢えて罠を置いて的確に人払いをする用意周到性は、私達がかぐらと奈楽が此処に来るのを確定したかのような、そんな風に思えてしまうから」
美怜の思惑とは少し違ったようで、心臓の緊張が解けるが、問題はそこなのだ。
嘘月妄語の主張もそうだが、根拠もなしに人払いを済ませて敢えて人気のない場所に誘い込む…というのは、些か難しい。
「可能とすれば、敢えて人気のない場所に待ち構える事でかぐらと奈楽を待ち伏せし、狙った獲物を標的に仕留めるか…其れとも根拠があるか。そしてその根拠はかぐらや奈楽の行動を読めてる可能性がある。焔紅蓮隊や半蔵学院が狙いなら尚のこと、注意や彼等の行動に警戒態勢は必要よ」
獲物の居ない場所にトラバサミを設置し、キジを捉えるように。
鼠が檻に自分から入るのを待ち伏せるかのように。
そうやって、時間形式でのトラップならば説明は付くが…其れにしては何故此処を選んだのか。
此処は春花と焔が次の巡礼として観光に足を踏み入れようと話し合ってた場所に、こうも都合よく事が進むのか。これが意図的なものだとしたら、我々の行動が筒抜けてるという訳でもある。そうなれば放っておくのは非常に不味い。其れに人払いをするのにも時間共に根拠がなければ、幾ら罠を仕掛けるとは言えど、余りにも非効率。
なれば、奈楽やかぐらの居場所は知らずとも、何かしらの根拠があるか。
「いいえ、或いは初めから……」
非常に脳の回転が速い美怜は、無限にも広がる可能性を平行線…オール・フォー・ワンで言う凡ゆるシナリオや分岐ルートを想定して考え浸る。
どのルートが正しく機能されているか、どの未来が現実味として可能性が高いか、どれが無駄な分岐なのか…確定と不確定を分け隔て、僅かな可能性を考慮した上での行動を模索する。
考える度に脳が活性化し、思考回路を働かせる。彼女の頭の回転はフルスロットルだ。
「あ、あの…もうそろそろ良いかな…?私、柳生ちゃんや雲雀ちゃんのこともそうだけど、何よりかぐらちゃんや奈楽ちゃんを探さなきゃ…」
「……そういえば貴女、あの二人組を探していたのよね。忍商会から狙われてる二人…どの道無関係ではない以上、捜索すると言う手は忍商会とも何かしら繋がるし、損はないわね」
飛鳥はホッ…と静かに胸を撫で下ろす。
美怜が知略的且つ焔紅蓮隊の後方指揮官かつ副リーダー的な立ち位置だと言うのは、嫌というほど実感した。
焔が動かない場合に備えた臨機応変の対応に、冷静に物事を分析し判断するタイプは、蛙吹梅雨ちゃんを沸騰とさせる。確か彼女は期末試験実技の際もその冷静さや臨機応変たる対応、柔軟な思考により常闇踏影と共にエクトプラズム先生と対面した中でも合格したとさえ言われていた。それに加えて八百万百の様な知識豊富且つ物事を考え込む頭の回転の良さは、頭脳性に秀でてる雄英生達を連想させる。
だからこそ、自分の僅かな言動でも美怜にバレてしまう可能性があるのだ。
だが見た様子だと流石にこれだけでは探りは入れられない様で…全く、問題なさそ――
「じゃあ私達もかぐらと奈楽を探しましょうか、そうすれば自ずと忍商会との接触はかなり高くなるでしょうし」
――うではなかッた、全然。
美怜は頭の回転が良い上に、忍商会との接触や情報収集による合理性を鑑みて、二人組を保護する方が得策だと判断した。
「当てはあるのか…?私達、かぐらや奈楽という二人組を見た事がないんだぞ?」
「ざっと軽く話を聞いた限り、というよりも春花から奈楽とかぐらに関しての情報は聞いたわ。春花から再び外観的な特徴共に聞き出せば無問題よ。とは言っても地味でインパクトも特徴性も皆無であれば困難を極めれるから、全く問題ないと言えば嘘になるわね。そこは半蔵学院と共同で詮索すれば良いわ。その方が得策でしょうし…」
どうしよう、思った以上に厄介な話になッてきた。
「成る程…現状、私達がやれる出来事はこれ位か…手詰まりよりかは断然的にマシか……」
其れに釣られて焔ちゃん迄……。
想像以上にかなり、ハードル高い忍務だ。ひょッとしたら、下手すれば焔紅蓮隊の皆んなと、再び激突する…なンてあるかもしれないし、忍商会を斃す為に共闘、なんて展開も…不確かな未来が分岐点として別れている様に、どの展開に転がるかわからない。
其れは幾重もの修羅場や理不尽で予想外な展開の場数を踏んできた飛鳥だからこそ解る、いわゆる第六感が訴えてるのだろう。本能がそう告げている。
隠し事をしているようで気が引けるが、今はそれどころではないのだ。
そして、一方…奈楽とかぐらを探していた葛城と斑鳩の二組は、予想外な展開が待ち受けていた。
「なァ……お前ら半蔵学院の忍学生だろォ?怨みはねェけど、一旦殺されとけよ。邪魔なんだよ――」
「な、ンだよコイツ…!!」
「気を付けて下さい葛城さん!恐らくこの敵は…忍商会の者か、或いは最近活動してる抜忍か…!!」
人気のない京都の大橋にて、腕に爪痕の傷を負う葛城は、手で押さえ付けながらも相手を睨みつけ、斑鳩は宝刀――飛燕を抜く。
対する相手は手練れの抜忍…半蔵学院の忍学生に向けられた、野蛮たる裏社会の闇に潜む抜忍と対峙していた。
血の色に染まる紅朱色の獣毛に覆われた口の長い鋭い狼漢が、狂気の爪を差し向ける。
どうやら状況は冷静に且つ静かに、それでいて大胆に迫り来る様な修羅の予感は、凪となる海原に波が追い寄せるように、混沌が飲み込んでいく。
これ過去最高に長くなるかも???展開が自分でも読めねえべ。因みにシノマスでは夢幻組手クリアできました。はっきり言いましょう、ラスボスクソ強過ぎだろ鈴音先生えぇぇーーー!!!!