光と影に咲き誇る英雄譚   作:トラソティス

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大分遅くなってしまい申し訳ありません!!忙しくなってはそうでもなくなり、そして眠気が……がはっ!というわけで28話です、どうぞ。


28話「勧誘」

場所は変わり、先ほど漆月たち敵連合が現れた山岳地帯では、死柄木と黒霧は蛇女子学園を見つめている。そんななか、黒霧は死柄木に質問する。

 

「死柄木弔。本当に抜忍である彼女を行かせて良かったのでしょうか?」

 

「あ?ああ良いんだよ別に、ホラ…俺たちはまだまだ忍びのことは無知識だろ?だからこそだよ…それに抜忍だとしても、アイツの力は敵連合に必要だ」

 

 

死柄木は黒霧から天守閣がそびえ立つ蛇女子学園へと視線を戻し、ニヤリと相変わらず薄気味悪い笑みを浮かべては見下してる。

少なからず死柄木と黒霧は忍びについて理解して来るのだ。

敵連合はたった一人の抜忍漆月と通じて、

抜忍とは何なのかを教えてもらった。

 

抜忍とは忍びの組織、集団を脱退した者の事である。それが例え善忍であろうと悪忍であろうと、脱退したものは上層部からの命令により殺害されたりする忍びの事だ。元いた組織や仲間に始末されたりすることもあるらしい。

今もこの世界のどこかで、まだ命懸けで逃げ回り、苦しんでる抜忍もいるという事だ。では何故始末しようとするのか?それは忍の存在を世間に知らされてしまうのを回避するために始末することだそうだ…また、裏切りや脱退を処分するのは、忍の掟だからでもあるらしい。それがこの社会で起きてる裏の社会、忍の世界だ。

 

 

「影に隠れ、逃げながら生き…しかもルールや掟によりその抜忍は命を狙われてる…そう考えると先生が何故我々敵連合に忍の存在が必要になると仰ってたのも、分かってきました」

 

「ハッ…皮肉なもんだぜ忍ってヤツは……この先死ぬことしか見えない未来に生きてるだなんて言えないね」

 

 

黒霧は先生の考えに納得、同意し、死柄木はブツブツと小声で呟いてる。

 

 

「これからゲームを攻略してく上ではアイツら善忍との戦いは避けれないし、勝つためには向こうの情報を知る事が大切だ。だからこのゲームを攻略する上では、忍の実力がある漆月が適任だ。そして先生が言ってた通り、精鋭を集める。悪忍ってのは規則を破り、違法を繰り返し、煽り、騙し、壊し、そして殺すんだろ?まるで俺たち(ヴィラン)じゃねえか…ハハッ。それならいっその事、アイツらを俺たち敵連合に入れて、オールマイト殺すための戦力として使えば良いだろ?それにホラ、言うじゃないか…忍は命令さえ出れば何でもやるってさ」

 

 

死柄木の何処かズレてる正論に、黒霧は黙り込む。敵連合の三人は蛇女子学園に来る前に、話し合っていたのだ。先生と…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

敵連合のアジトのバーでは、死柄木はこれから自分たちがどうするのかを考えるべく話し合っていた。

 

 

「なるほどね…オールマイトを殺すことが目的で、ついでには気に入らない子供たちを殺すことが目的と…」

 

死柄木の話を聞いた漆月は「なるほど…」と真剣な表情で頷く。そして彼女が見てるものとは、二枚の写真だった。一枚目の写真は飛鳥という少女。死柄木曰く、散々癇癪を起こすようなことを言われて、殺すことすら出来なかったと言っている。

 

そしてもう一枚の写真は緑谷出久の写真だ。

「あの子供さえ居なければオールマイトは殺せたんだ!」と、叫びだし、苛立っては指で首を掻き毟る。癇癪を起こす死柄木を黒霧はたしなめている。そんなやり取りを見てる漆月は苦笑した。

 

「貴方たちがやることは分かったよ。けど、これからどうすれば良いの?」

 

「それを考えるために話し合うんだろうが……まあ俺は暫く動くことは出来ないな。傷があって今治療中だしさ…」

 

 

そんな中、話し合いをしてると…

 

 

『やあ、漆月くん』

 

「!?」

 

ふとパソコンから声が聞こえた。音声のみのため相手が誰なのかは分からない。急に誰かも分からない人に声をかけられ、困惑の色を浮かべる漆月。

 

「「先生!?」」

 

(先生!?この声の人が?)

 

 

突然の声に死柄木と黒霧も動揺してる様子だ。漆月は二人の発言に目を丸くする。敵連合のボスが死柄木かと思っていたが、そうではなかったらしい。この先生と呼ばれる人こそが敵連合のボスなのだろうと考えた。それぞれ戸惑う三人に、先生は話し出す。

 

 

『敵連合に入ってくれて嬉しいよ。君のような忍が必要だったんだ』

 

「は、はあ……貴方が、敵連合のボスなんですか?」

 

『うん、今はね。君に折り入って頼みたいことがあるんだ。君が居るからこそ成し遂げれる事さ』

 

(今は?)

 

 

先生の発言に何処か引っかかり、首を傾げてしまう。だがそんな疑問も直ぐに消え、話に戻す。

 

「…成し遂げれるものとは?」

 

『うん、それは…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在に戻り、死柄木は両腕を広げて語りだす。

 

 

「やっぱりあの人の考えることは違うぜ!ヒーローは忍と交わってるヤツだって居る…だったら(ヴィラン)も忍と交われば良い!そうだよなぁ…向こうに忍が居てこっちには忍が居ないなんて、不公平だもんなぁ!クッハハハハハ!どんなヤツらが仲間になるんだろうな?」

 

死柄木はまるで幼い子供が、待ち望んでたものを楽しみに待ってるような様子で喋り出してる。

 

「……」

 

そんな死柄木を、黒霧はジッと見つめるのであった。

 

 

蛇女子学園の居場所をしってる漆月が居たからこそ、乗り込むことが出来て、忍を仲間に入れることが出来る。これが今回の事件で敵連合が動き出した流れであった。

だが、そう易々と自分の思い通りに事が運ぶのは出来ないだろう。何故なら、今蛇女子学園の、天守閣の中で一体何が起きてるのか、二人は知らないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

天守閣の中では、緑谷達は先ほど漆月と二体の脳無が暴れてた部屋に向かっていく。一方、緑谷たちとは違う他の人たちは…

 

 

「いたたた…ここ何処?」

 

「どうやら奥まで吹き飛ばされてしまったな…」

 

「クソ!まじかよ…強すぎだろあの脳無ってヤツ!」

 

 

雲雀、常闇、上鳴もそれぞれ傷は見受けられるが、命に別条はない。雲雀の忍装束は既にやられており、下着姿になっている。それを見た上鳴は「ひょおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」と、つい大声で変な声をあげてしまう。

 

 

「皆の安否を確認したいところだが…場所が分からない以上、詮索するのは危険だな…こういう時に障子と耳郎が居てくれれば良いのだが…」

 

 

常闇は周りを見渡し、障子と耳郎が居ないことを悔やんでると、雲雀が「大丈夫だよ!」と声をかける。

 

 

「皆んなはまだ誰もやられてないよ!雲雀、分かるもん。皆んなの心を感じ取ることが出来るから…!」

 

「す、スゲェ…雲雀そういうもんが分かるのか…」

 

 

雲雀の能力に、上鳴は感心する。だが雲雀の決意ある目も、表情も少し曇ってしまう。

 

 

「けど…あの抜忍の漆月っていうのがね、とても怖いんだ…」

 

「恐怖を感じるのか?」

 

 

雲雀の言葉に、常闇は首を傾げて聞くと「うん」と答える。

 

 

「どんな人でも悪意を感じたり、善意を感じるんだ。人にはそれぞれ感情があって、善意があれば悪意があったりとか、それがどれだけの気なのか、この人は今善意があるなとか、自然と見極めることが出来るんだ。でもね…あの漆月っていう人の感情が物凄く嫌なんだ…気味が悪くて、悪意の感情しかなくて、むしろ善意が悪意に染まってて…まるであの死柄木っていう人みたいな…そんな感じ…」

 

 

雲雀はまるで、自分の最も嫌いなものを見てるかのような目で、うるうると涙を浮かべる。それはその人の悪意が怖いのか…はたまた得体の知れないことに恐怖を感じるのか…恐らく両方だろう。

 

 

「なるほど、雲雀の言ってることはよく分かった。なら、尚更俺たちは探さないとな…友を。もしソイツがそれ程、危険な歪みを持つならば、間違いなく此処に居る皆んなを殺しにかかり、死ぬぞ」

 

 

常闇は、風穴が空いた方に目をやると、走り向かっていく。

 

 

「あっ!待てよ常闇ぃ!」

 

 

上鳴も常闇の後ろを追うよう走っていく。それを見た雲雀は、両手で頬をパンパン!と気合をいれるように叩くと、「うん!」と頷き、常闇たちと共に走っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間は遡り、天守閣の外では、霧夜、大導寺、鈴音は、天守閣の中に響き渡る轟音と、ただ者ではない何者かが侵入しに来た事により、表情が険しくなってる。

 

 

「な、なんだ!?」

 

「この気は…!」

 

「これは、善忍でもない、悪忍でもない…抜忍と、敵の気!?」

 

 

霧夜と大導寺は、その不穏で禍々しい気を感じ取り、触発され、気持ちが高鳴る。鈴音はこの気が善でも悪でもない何者かと分かり、動揺する。抜忍が来ることは鈴音は予想してたようだ。そう、それはあの時半蔵に攻めに行き、霧夜にあった時に勘付いていたのだ。だが…

 

 

「蛇女子学園のことは半蔵と雄英側にしかバレてないはず…なんで?」

 

鈴音はこれは流石に予想外の出来事なのか、冷や汗を垂らしてる。

 

「……大導寺の言ってた禍々しい気…そして、半蔵様の言ってた良からぬ出来事…それはまさか…」

 

 

敵連合の襲撃。それが半蔵が言ってた良からぬ出来事…大導寺が言ってた禍々しい気とはこのことだったのだ。

 

 

「……直ぐに止めないと…!」

 

「ああ…!」

 

 

鈴音と霧夜はお互いを見て頷き、直ぐに駆けつけようとすると…

 

 

「待て…これは子どものいさかいだと、先ほど言ったはずだ…!」

 

「「大導寺!」」

 

 

大導寺は二人を呼び止める。だが、今は非常事態だ、そんなこと言ってる場合ではないと言うと、大導寺は「フッ」と不敵な笑みを浮かべる。

 

 

「非常事態…上等だ。生として生きるもの…世の中常に何が起こるか分からぬ… だが、そんな非常事態な出来事だからこそ、我らは後輩たちを信じるべきでは?」

 

 

大導寺は信じる目で、二人に語る。

 

 

「その良からぬ出来事…我らの後輩が打ち勝ってみせる!言ったはずだ…この勝負、勝つのは英雄を背負いし者たちと我らの後輩たちだと!」

 

 

例えどんな非常事態な事が起きようとも、少年少女…忍学生もヒーローも壁を乗り越えると断言した。そう、信じよう…皆んなが敵を打ち勝つことを。ピンチを乗り越えることをを。二人は、大道寺の言葉に頷き、この場で生徒たちを信じ、待つことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最上階の部屋では、激戦とも言える状況のなか、蛇女の四人は敵連合の二体の脳無を対峙てる。

 

 

「秘伝忍法!『ジグムンド』!」

 

 

詠は大剣を巨大化させ、エネルギーを纏わせ、赤脳無目掛けて大きく振りかぶる。

遠距離射撃がダメなら、近接戦闘を試みる詠。だが…

 

「ホウオーウホウ!!」

 

ガギイィィン!!

 

赤脳無は普通の手から刀へと変えて、詠の大剣を両手で受け止める。

 

「なっ…!なんという力…私の秘伝忍法を使って、素で受け止めるなんて…」

 

詠は赤脳無の強さに驚愕した。なんの表情も変えず、ただただ標的を見つめてるその姿は正しく不気味…その言葉に尽きる。

一方未来は詠の援護と赤脳無の妨害のため、遠距離射撃をする。だがそれは詠の援護になるだけで、赤脳無を妨害するには遠かった。

先ほど、詠と未来の二人の遠距離連携攻撃で、赤脳無の個性『バズーカ』をやっと相殺できたのだ。赤脳無は、未来目掛けて両肩の穴から火薬性の硬い角質の弾を飛ばしてる。

 

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!

 

 

未来にとってはとてもキツイ難題だ。なにせもう一人分の素早い攻撃をしてるのだから。赤脳無は何のペースも落とすことなく未来に射撃し、詠の攻撃を刀で受け止めてる。

 

「クッ…!このままでは埒があきませんわ!」

 

詠がそう言いながら、大剣を押す強さを増すと、赤脳無はゾウの鼻のような口で空気を大量に吸う。

 

「な、何を…?」

 

詠は何だか良からぬことが起きそうな気がした。そう、詠が感じた気は的中した。

 

「ホオオオオォォォォ!!」

 

赤脳無は大量の空気を吸った後、詠目掛けて大量の炎を吐く。その赤い炎は、詠に襲いかかる。

 

ボオオオオオォォォォォォーーー!!!

 

「っっ!!?キャアアあああああぁぁぁーーぁぁ!!」

 

詠は赤き炎に身を包まれ、つい大剣を離してしまい、そこで赤脳無は二つの刀でクロス型に斬る。防御も出来ず、忍装束もボロボロな詠は赤脳無の攻撃を食らったことで、かなりのダメージを負った。

 

「かはっっ!!」

 

「詠お姉ちゃん!!」

 

 

詠が攻撃を食らい、苦痛の表情を浮かべたことで、未来は動揺して射撃のペースを乱れてしまった。それを脳無は逃さなかった…脳無は直ぐに未来に振り向き、猛スピードで走りかかり、バズーカを使いながら斬りにかかる。

 

 

「こうなったら…これでも食らいなさい!秘伝忍法!『ヴォルフスシャンツェ』!!」

 

未来はスカートの下から無数のガトリングガンを展開させて、赤脳無目掛けてダッシュしながら乱射する。当然射撃は互角、そして赤脳無と未来の距離は次第に短くなり…

 

(これで…!)

 

ドッ!!

 

未来は赤脳無を傘で突くよう攻撃した。手応えはあり、傷あって血も出てる。これで倒したとは思えない…けれど。ダメージはある筈

 

「ホウホ」

 

と思っていた。

 

「え?」

 

赤脳無は何の表情も変えず、未来を見つめながら、大量の空気を吸っている。

 

「そ、そんな…!日影じゃあるまいし…」

 

未来がそう言いかけた途端…

 

「ホオオオウゥゥホオオォ!」

 

ボオオオォォォーー!!

 

赤脳無は口から炎を一気にはき出した。

 

「っっ!!きゃああぁぁぁっつついぃ!!」

 

未来は苦しみながら赤脳無の炎を食らい、転がるように倒れ込み、なんとか炎を消してる。それでも脳無はまだ未来を倒してないと知り、刀で斬りにかかる。

 

 

「させませんわ!」

 

だが後ろから、大剣を持った詠が赤脳無目掛けて斬りにかかる。赤脳無か詠…どちらが早いか?

 

「私もさせないよ?」

 

「っ!?」

 

 

否、どちらでも無い…赤脳無の背中、詠の前に突然、漆月が現れた。漆月はニヤリと笑みを浮かべる。

 

ガギイィィン!!

 

詠の大剣と漆月の刀がつばぜり合いをし、火花散り、金属と金属が擦れて嫌な音を立てる。

 

「くっ…!」

 

詠は漆月に邪魔された事に苛立ちを覚え、強さを増す。だが刀はビクとも動かず、押されてる様子も見受けられない。

 

「てりゃあ!」

 

ドッ!

 

「カハッ!」

 

漆月は詠の腹に蹴りを入れて、吹き飛ばす。そのまま詠は壁にぶつかってい「って、させる訳ないっての」かず、漆月は瞬時に背後に回り、詠を地面に叩きつける。

 

「っ!!」

 

ドゴオン!

 

詠は地面にめり込むように、その場に倒れ込む。そして漆月は詠の目の前に立ち、意地悪そうな顔でニヤリと笑い、詠を見下した。それを見た詠は、そんな漆月を睨みつける。

 

「……なんですか?その目は…」

 

「何って?見下してるの」

 

「……やめて下さい……その目だけは……」

 

「ふえ?」

 

「やめてと言ってるのが聞こえないのですか!!!!!」

 

詠は大激怒で叫んだ。詠は昔、鳳凰財閥のお金持ちたちに見下されて生きてきた…だから見下されることで思い出す。生きてるだけでどれだけ苦しいと思ったか、どんな悲惨な生活を送ってきたか…… 漆月の目はそれに近い目だった。

詠は一喝すると、漆月は嬉しそうに、満面な笑みで詠を見つめる。

 

「あっははははは!私を傷つけた罰よ!折角貴方たちに命を狙われてるこの私が、壁も作らず素直に誘ってるのに断るなんて…しかもその挙句私を傷つけては罵ったよね?これくらいしないと気が晴れないし」

 

漆月はそう言うと、横目でチラリと『あるもの』を見つめる。

 

「それにホラ、『向こう』も終わったみたいだし」

 

「えっ…?」

 

 

そう言うと詠は首を傾げた。漆月が見つめてる方向に、あるものとは?それは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ……はぁ……あっ!くぅ…っ!」

 

「ネエアエア!ネエエエーーェェ!!」

 

 

春花は忍装束がなくなっていては、体中がボロボロになっており、息遣いが荒く、緑脳無に首を掴まれてて、苦しい表情を浮かべている。

逆に緑脳無も、傷こそはついてるが、何とも無い様子でそのまま春花の首を掴んでいる。

 

「は、春花さん!」

 

詠は仲間である春花が傷つけられてることで、体を動かそうとする。その一方、漆月は「きゃははは♪あっはははは!」と、耳障りな笑い声が、部屋の中で響きわたる。そして赤脳無の方では、刀状の手から、普通の手に変えて、未来の体を掴んでいる。

 

「よ、詠お姉ちゃん……ごめん……わたし…」

 

「み、未来さんまで…!」

 

詠は、ボロボロな姿の未来を見て、目を大きく開く。漆月はさぞ満足したかのような顔でうんうんと何度も頷く。

 

「これが、敵の強さだよ」

 

漆月は皆んなにそう言った。

 

「善忍が強いか?悪忍が強いか?ううん、敵が強かったの!そう…貴方たちは善と悪についての概念に、大きく囚われていた。だから貴方たちは敵とは何なのかが分からなかった…私たち釜やって来ても何の対処も出来なかった……敵の本当の強さも分からなかった…今こうして私たちに負けた…そうでしょ?」

 

「………っ」

 

漆月の言葉に、何も言い返せれず、まず正論を言われたことに腹が立った。言われてみれば確かに自分達は、忍務を全うする立場だ。それが忍…忍には善と悪が存在する。自分達は善が憎かった…偽善、差別、窮屈、綺麗事…様々なものが彼女たちを縛り、悪忍へと変えた。鈴音先生から言われた通り、善より悪の方が強いということを知らしめる為に、半蔵とぶつかった。そして今回の事件で半蔵の連中が攻めてきた、雄英の連中も攻めてきたが、自分達は負けるとは思ってもいなかった。

だが今はどうだ?半蔵と雄英と戦い体力が消耗してるとはいえ、自分達の今の立場に、言葉を失ってる。

 

蛇女である道元に利用され、敵連合の抜忍漆月と二体の脳無になす術もなくやられて…

 

悔しい…

 

それが彼女たちが思ったことだ。

 

 

そんな漆月は、周りをキョロキョロと見渡してる。

 

「んー…それにしても焔と飛鳥はまだ見てないなぁ〜…あっ!コイツらがダメなら焔を仲間にすれば良いんだ!」

 

「!」

 

漆月の言葉にその場の全員は漆月を睨みつける。

 

「あ〜…でもコイツら傷つけちゃったしなぁ〜…というか蛇女の選抜メンバーのリーダーである焔は本当に何やってんの!なんて♪早く来ないと仲間が死んじゃうのに〜…」

 

漆月は刀を上に投げて、遊んでいる。その目からは、ただただ遊んでるように見え、戦いなんて眼中にない。

 

「ほ、焔さんが……貴方たちの……仲間になるわけ……ないじゃないですか…!」

 

詠は立ち上がり、大剣を杖代わりにしてなんとか起き上がる。

 

「……」

 

「そうよ…」

 

「?」

 

振り返ると今度は、弱々しい声を出す未来に振り向く。

 

「焔は……私たちの仲間なんだ……!それに、焔は……私を受け入れてくれた……だから……私は、大切な仲間を…守るんだ…!」

 

ドカッ!

 

未来は傘を握りしめ、赤脳無の手を思いっきり払い退ける。そのため赤脳無は掴んでた未来を離してしまう。

 

「………」

 

漆月はそんな未来を見て、黙り込む。

 

(大切なもの…ね)

 

漆月は何かを思い当たったのか、未来をジッと見つめてる。赤脳無は、先ほど漆月の命令を遂行するために、未来を殺す。手を刀に変えて、未来目掛けて斬りにかかる。それに気付いた詠は、直ぐに駆け寄ろうと体に力を入れる。

 

「未来さん!後ろ!」

 

「っ!」

 

未来は漆月と戦おうとしたが、赤脳無がそれを許さなかった。赤脳無は未来目掛けて斬りにかかる。マズイ…そんな時だった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「脳無!やめろ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピタッ!

 

「!?」

 

赤脳無は、漆月の命令が出た途端、動きがピタリと止まった。あと少しで刀が、未来を斬るところだった。

しかし皆んなはそこに驚いたのではない…漆月の『やめろ』という言葉に驚いたのだ。

それは一体どういう意味なのか?漆月は未来に歩み寄る。そんな漆月に、未来はおそる恐る震えて声を振り絞る。

 

「な……な……なに……?」

 

「守りたいもの…か。それって、この蛇女の…貴方の選抜メンバーの仲間たちの事だったんだね」

 

漆月は納得したかのように何度も頷く。漆月はまるで全てが納得し、良からぬことを思いついたのか、未来に満面な笑みを浮かべる。

 

「よし!じゃあ、未来だっけ?貴方は私たち敵連合の仲間として歓迎するよ!」

 

「「「!?」」」

 

漆月は突然、未来を仲間に引き入れると言った。その目からは嘘を感じない…本気で仲間に入れようとしてるのだ。

 

「な、な、なに言ってんのよ!何度も言うけど…貴方たちの仲間になんて…」

 

「ふーん、じゃあ大切な仲間が殺されても良いんだー?」

 

「!?」

 

漆月の脅しに、未来は目を開き驚愕した。

そう、こいつは未来の大切なものを理解した途端…未来を仲間に入れることを考えてたのだ。そのため未来の仲間を利用し、仲間に引き入れようとするのだ。

 

「この二体の脳無の実力はもう経験済だよね?どれ程強いのかとか…」

 

「……っ」

 

未来は漆月の言葉に絶句した。ようは漆月はこう言ってるのだ。

もし仲間になることを逆らえば、未来の大切なものである仲間を殺す。

恩人も、何もかも全てを…

二体の脳無の力は戦いで分かった。勝てない…コイツらには勝てないと。未来は、怒りと憎しみが篭った目で、漆月を睨みつける。

 

どこまで外道なんだ…と。

 

そんな未来の目を気にしず、漆月は話し出す。

 

「また、こうも言えるよ?もし貴方が私たちの仲間になるなら、コイツらの命は全員見逃してあげるって」

 

「!」

 

漆月の言葉に、未来の目が変わった。それは、仲間の命を見逃してくれるという意味を理解したからだ。

もし自分がコイツらの仲間になれば、皆んなは殺されずに済む…と。だが、それを皆んなは許さなかった。

 

「させへんで!!」

 

「「!?」」

 

未来と漆月はその声の主に振り向く。そう、それは緑脳無の最大火力の衝撃波(ソニックブーム)を喰らい、もろに吹き飛んでしまった日影であった。日影は多少傷がついてるが、それでもまだ全然戦えるらしい。愛用のナイフを持ち、日影は漆月目掛けて斬りにかかる。

 

「脳無!」

 

漆月は緑脳無にそう言うと、先ほど首を掴んでた春花を、今度は体を掴み、日影目掛けて投げ飛ばす。

 

「っ!日影ちゃん!」

 

「アカン!春花さん!」

 

春花は緑脳無に投げ飛ばされ、日影の方に突っ込んでいく、そして日影はスピードを付けすぎだ所為で、止まることは出来ない…だが、ナイフをしまうことは出来た。

 

ドン!!

 

「「っ!」」

 

春花と日影は当たってしまったが、いたって傷はない。二人は直ぐに緑脳無を睨みつける…だが。

 

 

ボオオオオオオオオォォォォォォォォォン!!!

 

 

「「なっ!!」」

 

 

ドオオオオオオォォォォォン!!

 

 

そこから緑脳無は衝撃波(ソニックブーム)を出して、遠距離で春花と日影を攻撃する。二人はもろに食らってしまい、壁に叩きつけられる。だが、遠距離だったためか、日影に出した時の衝撃波(ソニックブーム)よりかはダメージは少し薄い。

 

「日影!春花様!」

 

未来は傷つけられた仲間を見て、目に僅かな涙を浮かべかながら叫んだ。それを見た詠はとうとう怒りの頂点へと達した。

 

「っっっ!!っ!よくも!!よくもよくもっっ!!」

 

詠は憤怒の余り、体の激痛など忘れて漆月目掛けて襲いかかる。だが…またしても…

 

「脳無」

 

赤脳無は手を刀に変えて、詠の背中を斬りつける。

 

ザシュッ!

 

「…っ!」

 

詠は背中を取られてしまったとこで、赤脳無の攻撃を受けてしまった。余りにもの痛撃で、意識が消えそうになり、倒れ込んでしまう。そして赤脳無の刀は、詠を斬った時の血が付着している。

そんな漆月は呆れた顔でため息をついた。

 

「全く、今良いところなのにさ…空気読んでよね三人とも」

 

漆月がそう言うと、未来は漆月を睨みつける。そんなことも御構い無しに漆月は未来に視線を移すと、少し悪そびれた様子で「ごめん、ごめん」と謝る。

 

「さて、と!これで邪魔者は黙った訳だし…改めて未来!歓迎するよ!我ら敵連合へ!」

 

漆月はもう決まったことだと思ったのか、未来に手を差し伸べる。そんな彼女に未来はキレかけ、傘で殴り飛ばそうとかんがえたが、彼女は得体が知れない…何をしやらかすか分からないし、最悪の場合皆んな死んでしまうと判断した。そうなれば元も子もない…未来は睨みつけながら、漆月に話しかける。

 

「……もし、本当に私が仲間に入ったら……皆んなは……傷つけない?」

 

「もっちろん!」

 

彼女はうんうん!と活発よく頷た。まるで子供が約束を守る時の元気な顔で…ふざけてるように見えるが、それでも彼女の言ってることは本当だった。嘘はついてない…

だが…それでも、それでも未来は仲間に入りたくない…だって、近くに大切な仲間たちがいるんだから…そんなことを思ってると、ふと漆月が話しかけにくる。

 

「ねえ、前から思ってたんだけど…どうして貴方は蛇女に入ったの?」

 

「………話して……どうするのよ………」

 

「それはその話次第だね」

 

未来は漆月の目を逸らし、自分の身になにが起こったのか全て漆月に話した。すると漆月は「なるほどね…」と真剣な表情で頷いた。

だがそんな彼女の思うことなど丸見えだ。

 

 

『辛かったよねぇ…もう大丈夫だよ!私たちのところにいこ!』

 

『虐めた奴らの復讐ねえ…まんま子供っぽくて敵向きじゃん、私たちの仲間に入ったほうが尚更気分がいいよ?』

 

『だったら蛇女も敵も変わらないから、私たちの仲間になるのに、負担はないよね?』

 

 

正直耳障りにしか聞こえないセリフ、怒らないよう彼女の言葉を予想し、怒りを和らげるようにする。

 

(アイツは絶対に許せないし…仲間だなんて思わないけど…!でも…でもこれで…皆んなが、無事でいてくれるなら…)

 

 

だが、未来の予想はどれも違った…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ。その復讐…私が手伝ってあげるよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は?」

 

 

漆月の言葉に、未来は頭のなかが真っ白になり、何を言ってるのか分からなくなった。

 

 

手伝う?何を?復讐を…

けど何で?何のために?

 

あまりの突然の言葉に、じぶんの目的を手伝おうとしてくれてる漆月に、混乱している。

そんな漆月は、ニコッと笑みを浮かべた。

 

「復讐したいから悪になった…いいじゃん!やろうよ!復讐を!」

 

「あ……え……え……?」

 

突然の状況に訳が分からなくなり、言葉を失い、何を言っていいのか分からない。

 

「だって、そのために悪忍になったんでしょ?善忍の家系だったのに…だったら私達んところに来れば、やりたい放題よ?虐めた奴らの復讐…最高じゃない!」

 

漆月は両腕を広げて満面な笑みを浮かべて語りだす。

 

だが、漆月の一つ一つの言葉が…彼女の心を誘惑していた。そう未来は前々から自分自身の悩みがあった…それは。

 

 

自分は此処に居てはいけないんじゃないか?と…

それは蛇女の選抜メンバーになってから、少し時が経った頃の話であった。自分は一年生で、周りの四人は上級生…自分は下級生であり、実力差は歴然としてるが、それでも経験の差があるため仕方ないだろう…そう思ってた。だが、だからこそ心配なのだ。そんな自分が選抜メンバーに入っていいのかどうか…と。もしかしたら皆んなは私なんかに気遣ってそう言ってるのでは?自分は時々失敗することがある、皆んなみたいに強くはない…忍は強さこそが全てだ。私みたいな半端者は要らないだろう…だから蛇女には必要ないんじゃないか…前々からそう思ってたのだ。だが、そんなある日、鈴音先生から命令が下された。それは半蔵に攻めろという事だ。だからこの事件で決心した。もしこの事件で蛇女が勝ったら私は此処を出ないことにすると…けど、半蔵に攻めに行った時、未来は柳生に負けてしまった。それが悔しかった…悔しくて悔しくて…皆んなの足を引っ張ってしまった。その時に確信した…もう自分は此処に居なくても良いんじゃないかと…

確かに柳生のことは許せない…でももう一つ許せないのは、自分の弱さ…惨めさ、未熟さに、自分は許せなかった。

こんなんだから、虐めが起きて、自分に負けてしまったんじゃないか?とも思えてしまってたのだ。

 

 

「四人全員を仲間にする事は出来なかったけど…けど誰も仲間に出来ないよりかはマシだね…二兎追うものは一兎をも得ず。と言うし」

 

漆月は独り言で話してると、暗い顔をしてる未来に手を差し伸べる。

 

「さあ、一緒に行こう?」

 

漆月がそう言うと、未来は漆月を見つめ、その手に触れようと手を差し伸べる。

 

(っ!いけませんわ…!未来さんが…未来さんが……!)

 

詠はなんとか地面に引きずりながらも、漆月を睨み、未来を助けようと必死に体を動かしてる。だがほんの僅かしか動かず、体が言う事を聞かない。

 

(っ!未来さん!)

 

日影は未来のやろうとしてる事が直ぐに分かった。間違いない、蛇女を抜けて、敵連合に入ろうとしてる。

 

(未来!)

 

春花も日影と同じ事を考えた。そんな未来を助けようと、体を動かしてみるものの、思ったより緑脳無の衝撃波が効いたのか、思い通りに体が動かない。

 

 

皆んな叫ぶ事すら出来ず、ただただ心の中で叫ぶ事しかできなかった。

 

 

 

「………」

 

(ごめんね…皆んな……ごめんね、ごめんね……私、わたしは……)

 

 

自分みたいな足手まといが、居なくなれば、彼女たちの命は助かる。また、自分が歯向かうと彼女たちは殺される…なら、もうこれしかない…自分を犠牲に仲間を、大切なものを守る。それが最善の手だ…だから…

 

未来の手が、あと少しで漆月の手に触れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンンン!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

その時だった。

 

 

 

 

 

 

 

「がハッ!?!?」

 

「えっ!?!」

 

「「「!!??」」」

 

 

 

 

突然漆月の横を殴るように襲いかかる爆破。その突然な出来事に、漆月と未来はもちろん…詠、日影、春花も驚いた。

そう、爆豪が此処に駆けつけに来たのだ。

 

「邪魔だ退けこんのチビ眼帯があぁぁぁーーー!!!」

 

 

『調子の良い』爆豪は、漆月の横を思いっきり、最大火力の爆破攻撃をお見舞いする。そして今度は漆月の髪をつかむ。

 

「!?」

 

「クソ野郎がああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

ボオオオオオオオオォォォォォンンン!!!

 

 

「死ねえええぇぇぇ!!」

 

ドガアン!

 

「っっ!」

 

思いっきり投げ飛ばす。投げ飛ばされた漆月は何が起きたか分からず、壁に叩きつけられた。

 

「があっっは!! な…にが…っ!っりあえず……脳無!」

 

漆月がそう叫ぶと、緑脳無は春花と日影から、爆豪に移り変わり、掌を向けながら走り出し、衝撃波を撃とうとすると…

 

 

 

DElAWARE(デラウェア)!」

 

「秘伝忍法!」

 

 

「っ!?」

 

 

何処かで聞いたことのある二つの声は、緑脳無の目の前に現れた。そして…

 

 

 

SMASH(スマッシュ)!!」

 

「『忍兎でブーン』!!」

 

 

 

ドガアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァンンン!!!

 

 

思いっきり吹き飛ばした。その正体は…

 

「いっっづぅ!!っっあの時みたいに……調整出来なかった……でも!間に合っだ!!」

 

「春花さん!皆んな!大丈夫だよ!」

 

 

一本の人差し指が腫れ、目には激痛の余りに大量の涙を浮かべる緑谷出久。

そして、春花たち蛇女の皆んなに笑顔を送り、忍兎が金斗雲で帰るのを見送る雲雀であった。

 

「ひ、雲雀っ…」

 

春花は、雲雀が助けに来てくれたことが嬉しいのか、安堵の息をつくのであった。

 

そして漆月は、吹き飛ばされた緑脳無に驚き、直ぐに赤脳無に視線を送る。

 

「アレは?あの肝心なもう一体の赤脳無は何やって…」

 

見てみると…赤脳無は一歩もその場から動いていない。漆月の命令を聞いてるのにも関わらずだ。

 

「な、なんで…?」

 

漆月の疑問は直ぐに明かされる。詠の後ろで立っている脳無が何故動かないのか?それは…

 

 

「これ以上テメェらの好き勝手にはさせねえよ…」

 

パキパキ…!

 

なんと赤脳無の足が凍りつき、みるみると体が蝕んでいくよう凍りつく。赤脳無は上半身、そして刀状の手まで凍り付いている。そのため動きたくとも動けないのだ。

 

 

「氷?これは…」

 

「俺たちがいることを忘れんな…抜忍が」

 

 

詠が首を傾げると、目の前に歩いてくるのは、轟であった。

 

 

「仲間に入れるとかなんとかほざいてたが…結局お前のやってることは敵そのものじゃねえか」

 

轟は漆月を睨みつける。

 

 

「雲雀いぃ〜!」

 

「っ!柳生ちゃん!」

 

 

そして柳生も帰ってきた。咳もなく、体調が悪い様子には見えない。多分爆豪と柳生は元に戻ることが出来たのだろう。

柳生は雲雀の元に駆けつけ、怪我はないかどうかを確認し、無事だと知れば柳生は大きく喜んだ。

 

「よかった…雲雀が無事で…!一先ず第一目標達成だ…後は…」

 

 

ドガアン!

 

 

違う壁が爆発し、やってきた二つの影は…

 

 

「敵連合って連中を!」

 

「ぶっ倒す!」

 

 

ボロボロでも立ち向かい、やって来る葛城と切島であった。

 

 

「全員じゃないが…大体は集まったな…」

 

 

轟は安心すると、皆んなは残る漆月を睨みつける。

未来は自分がどうすればいいのか分からず、戸惑う様子を見せる。

 

 

 

「っ……!!」

 

 

先ほどまでは敵連合が有利であったが、今は違う。逆に雄英、半蔵、蛇女の三勢力が有利となり、漆月率いる敵連合は不利になった。そのことに漆月は、不愉快なものを見るような目つきで、皆んなを睨みつけるのであった。




逆転!これぞヒーロー…!吹き飛ばされても人が困ってるのなら、助け出す!
次回、漆月始動!蛇女は少年少女を見てどう動くのか…ですね!少なくとも未来は…罪悪感が…

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