飛鳥たちが入る前の1ーAたちは、体力テストが終わり教室で待機してる時のことだった。
「えーお前ら…早速だが、今日は入学もあって転校者もくる…つってもまあ一時的だがな…」
「「「「エエェェーーーーーーー!!!???」」」
突然たる相澤先生の宣言に、皆は驚く。普通は入学式と一緒にするはずなのだが、雄英高校ではそんなもの要らないようだ。気になった瀬呂は相澤に質問をする。
「つっても…一時的って、ソイツ等誰なんです?」
「忍だ」
「…………はい?………」
相澤の即答に、皆んなは一瞬固まった。
忍…忍…シノビ!?
いやいや可笑しいでしょ!!え?なに、まだエッジショットなら分かるよ!?No.5ヒーローのね?
生徒でしょ?つまり同級生…それってかなり不味くね?つか忍ってそもそも存在するのか?と皆がざわめきだす。まあ今回ざわめくのも無理はない…何しろ忍だなんて言われて混乱するだろう…すると峰田は真剣な顔つきで相澤に質問する。
「先生!ソイツ等はくノ一ですか?」
「お前は何を期待してるんだ…」
「男のロマンです」
「いや知らねえよ」
峰田はヨダレを垂らしながら血走った目で興奮している。いやもう危険だ…隔離しておいた方が身の安全である。
「本来忍の存在は上層部、あるいはプロヒーロー達にしか知られてないことだ…企業秘密だからな…だからこのことは決して他言するな…いいな?もしお前達の仕業だと分かったら……除籍処分なんてレベルじゃ済まねえぞ?」
「!!!」
相澤の重い言葉にゾッとする皆んなは静まり返る。
「まあとりあえず今日すぐに紹介する…向こうで話もあるし、お前等は待っててくれ…それじゃあ」
ガララ!と扉が開くと、皆んなは一斉にして騒ぎ出す。
「うおぉーー!!まじでか!誰なんだろうな?誰なんだろうな!?緑谷!!」
「え?あ、う、う〜ん?想像できないな?」
「お前なんか巨乳好きそうだろ」
「!?///そ、そんなことないよ!それに峰田くんヨダレ!ヨダレ!!」
「緑谷、これは涎じゃねえ、男の喜びに満ち溢れた結晶d」
「うん、涎だね」
峰田は論外として他の者はどうであろうか…
「フッ…まさか初日で転校者が来るとはな…」
鴉のような外見をした生徒、常闇がそう呟くと、前の席の瀬呂も身を乗り出す。
「けど忍って、聞いたことねえよな?エッジショットのようなのとは違う感じなわけだし…そもそも秘密にしろって、あっ…なんかバレちゃいけねー感じのこととかあるからか?」
「ぶっちゃけ聞いたことはありませんが、それほど重要な人物が来るということは、何かしら事件みたいなものが関わってるのでしょうか?」
八百万も難しい表情を浮かべながら考えていると、扉が開いた。
んで現在放課後。今日は入学式のため、特にこれといった授業は明日からなわけだが…
三人もどうやら授業を受けるらしく、教材などは先生達から支給してくれるようだ。
クラスでまだ三人の話をしてる者が、多々見える。
「それにしても飛鳥に雲雀に柳生か!お前ら忍なんだろ?普段は何やってんだ?」
「ええっ!?え、えーっとそれは…」
「やめなよ瀬呂、忍だから言えない秘密とかあるし…それに対応に困るじゃん」
「あ、そ、そっか…確かに耳郎の言う通りだな。スマねぇ飛鳥」
「あっ、う、ううん!良いの別に、気にしないで!」
飛鳥が微笑むと、峰田は目から涙を流して迫ってきてる。
「やべぇ、やべえよあの子!いや、あの三人!女子とは思えねえほどバカでかい胸してるぞ!なあ上鳴!!」
「た、確かに!!この世とは思えねえ…忍ってみんな巨乳なのか?」
「オイラヒーロー科より忍学科ってところに行きゃあ良かった」
「いやいや、忍学科なんて普通にねえだろ」
「分かんねえじゃねえか!!もしかしたら存在してるかもしれねえじゃねえか!!あー!あの子達の胸を独占してえ!てかオイラのもぎもぎより大きいんじゃねーか?いや、バレーボールやバスケットボールよりも…!ヤオヨロッパイよりも!!!」
「峰田、アンタもう危険よ…?」
「五月蝿えちっぱいは黙ってろ」
「はぁ!?!?!?」
峰田のエロ危険度に呆れてた耳郎が言うと峰田が反論して、逆鱗に触れた耳郎は怒りでもはや怖いだなんてレベルじゃない。
「あははは!!なんか皆んな面白いね〜〜!!」
「あはは!確かに雲雀ちゃんの言う通り、なんか好きだ私!」
雲雀の楽しそうな満面な笑みを見たお茶子も楽しそうな表情を浮かべる。
一方盛り上がってる方とは反対に、常に冷静な者もいる。柳生、轟、常闇は互いに意見は交わさず、沈黙の雰囲気が続くのである。口田は
「……」
あれは三人とは違うが、あまり話すタイプではないのだろう…
「アレ?そういえば爆豪のヤツは?」
切島が爆豪を探してると、緑谷が
「かっちゃんはもう先に帰ったよ」
「ちぇー、なんだよ、アイツ乗り気じゃねーなぁ…」
爆豪が居ないと知った切島は楽しくなさそうに呟く。
「爆豪?爆豪ってあの怖い人?雲雀ただ挨拶しただけなのになんであんな風に言われたんだろ…」
雲雀は完全に悪くないが、爆豪の性格上仕方ない。逆に「うん!宜しく!」なんて言ったらそれはそれで怖い…
「うーむ、爆豪くんは人とのコミュニケーションはあまり得意ではないようだな…!コミュニケーションも大事だというのに、彼の言動は危なっかしいところがある!」
「な、なんか思ったけど…飯田くんって…斑鳩さんに似てるほど大真面目だよね…」
「んん、誰だい?ぼ…、俺に似てる人がいるのかい?是非とも聞きたい飛鳥くん!」
「く、くん!?本当に大真面目するぎるよこの人…」
初めてくんって言われる飛鳥は慣れないのか、なんだか少し難しい顔をする。
「まあとにかく俺たちもアンタらが忍だってことはバラさねーし、まずこの中にそんなこというやつなんざ居ねえよ!だから、宜しくな三人共!!」
男気溢れる切島は三人に声を掛けると、三人は嬉しそうな顔をしてくれた、いや…柳生はそうでもないが…
「うん!ありがとう!えっと、切島くん!」
「おう!」
そんな二人の微笑ましいやり取りを、峰田がジッと見つめている…
「オイ、切島…なんでテメェがカッコいいこと言ってんだーー!!カッコつけてんじゃねぇーーー!!」
峰田が叫ぶと切島は首を傾げて「なんのことだ?」という表情を浮かべる。
緑谷は保健室に行き、リカバリーガールに治癒を施してもらった。
リカバリーガールとは、雄英高校の医者でありながらヒーローでもある。体力テストが終わり、指を怪我してしまったため、治療を受けたのだが、リカバリーガールの個性で回復は出来たものの、治癒力の活性化のため、体力を消費してしまった。
現在下校中。
「はぁ〜…1日からどっと疲れが……」
「やあ、緑谷くん。怪我の方はどうだい?」
「あっ!飯田くん!!」
飯田が緑谷の方へと駆け寄り話しかけてきた。
「ぼ、僕は全然大丈夫だよ!ほら、リカバリーガールに治癒で治してもらったし!」
「そうか、それなら良かった…しかし今日は色々驚かされたよ…教師が除籍処分で脅し、結局騙されてたことと、例の三人についてもだ」
「あ、ああ…確かに…!」
そもそも今まで忍だなんて存在は知らなかったのに、急に忍は存在するなどと言われた挙句、証明すらされた…今日一番に驚かされたのがそこだ。
まあ本当に忍?と思ってしまうような子もいるが…
二人が話し合ってると…
「あっ!お二人さん駅まで?待って〜!」
「あー!真面目な…ええっと飯田くんと、もう一人の男子の人だ!!」
後ろからお茶子と飛鳥が駆け寄って走ってきた。
「君は確か…飛鳥くんと∞女子!」
「無限女子!?」
お茶子は個性把握テストのソフトボール投げで記録が∞(無限)といった新記録を達し一位をとった女子である。
「えーっと、君は確か飯田くんと…デクくん!!」
「デク!?」
「あれ?違うの?」
お茶子は首を傾げると緑谷は自分のちゃんとした名前と、なぜデクとなったのかを話した。
「ええー!!蔑称で付けられてたの?酷いよ…爆豪くんって人…」
飛鳥は緑谷を可哀想な目で見てる。
「ゴメンねデ…出久くん!」
「麗日さん??」
完全にデクといいかけたお茶子であった。
「で、でも…デクッて…なんか頑張れって感じで、なんか好きだ私!!」
お茶子が輝かしい笑顔でガッツポーズをすると、緑谷の顔は真っ赤に染まった。
「デクです!!///」
「「緑谷くん!?」」
緑谷は顔を手で覆い隠すようにする。
「……あっ」
飛鳥はふと思ったことがあった。
これが、これが忍じゃない普通の人が送る、日常っていう生活なんだと。
忍は常にいつ死ぬか分からない世界、日常なんてものは忍びにとっては生ぬるいもの…だが、飛鳥はここに来て初めて、日常というものを知った。
皆んなと笑って笑顔で、確かに仲間たちとはそんな感じで話し合っていた。
けど、それはあくまで忍であり…実際それ以外の人とは関わりがなかったのだ…だから飛鳥は今
「なんだか、嬉しいな…」
ポツリと、皆んなに聞こえない声でそう呟いた。
緑谷も…今まで皆んなからは無個性だと馬鹿にされて生きてきた…皆んなからは見下された目で見られてた。だから、初めて…こうして笑い合うことが出来た。
それが緑谷はとても嬉しいのだ。
(オールマイト…友達ができたことくらいは…喜んで良いですよね!)
翌日。
朝の授業は終えて、昼はランチラッシュが作る高級メニューを、安価でたべれることが出来る。
そして午後の授業はヒーロー科の授業。
「わーたーしーがー!!」
「きっ!!」
バアーーン!と勢いよく扉が開く。
「ドアから普通にきーたー!!!」
オールマイトが豪快の笑みで教室に入ってくる。
「オールマイトだあぁ!!スッゲェ!!シルバーエイジのコスチュームだ!!!」
皆んなが盛り上がると、オールマイトはプラスチックに書いてあるカードを取り出した。
「今日君らがやって行うのは…!戦闘訓練!!!」
「戦闘訓練!」
爆豪は席に立ち上がり、血が喚くような顔でウズウズしている。飛鳥、柳生、雲雀のこの三人は半蔵学院で日々戦闘訓練を行っているためそこまで実感は沸かない…が、忍びの実践と、ヒーローとは何が違うのかは確かめたかった。
こうしてヒーロー科の生徒たちは更衣室に行き、それぞれ自分で考え志望したコスチュームに着替える。
飛鳥たちは勿論女子更衣室で着替えるのだが…
「忍!転・身!!」
三人は忍転身で着替えることにする。ヒーローでいえばコスチューム。忍びでいえば忍装束だ。
飛鳥はブレザーの姿になり、柳生は黒い制服を纏う。雲雀はピンクのブルマだ。
「うわあ!!すごい三人とも一瞬で着替えちゃった!!」
お茶子はものすごく目を光らせている。
「え、えへへ…//まあ、こう見えても忍びですから!」
「良いなぁ〜!!すごく便利じゃん!しかも巻物て、本当に忍びだ〜!凄い!」
「アレは一体何で出来てるのでしょうか…?」
芦戸は感心してる中、八百万は首を傾げる。
「チャクラだ…チャクラを使って忍転身をしてるんだ」
八百万の疑問の声が聞こえた柳生は教えてくれた。
チャクラとは、忍びが持つ精神エネルギーであり、それを具現化して忍装束を纏うことが出来る。忍装束は、防御力も高いのである。
「な、なんかカッコいい!!」
ブンブンと腕を振るわす葉隠。そもそも彼女は透明人間だ…個性のため仕方ないのだが…
「けど、皆んなの忍転し…コスチュームもカッコいいよ!」
「えへへ//なんか飛鳥ちゃんと一緒にいると元気が出てくるよ…!」
「! ありがとうお茶子ちゃん!!」
お茶子と飛鳥はお互いえへへと笑顔で返す。
「そろそろ時間よ…ケロ」
蛙吹が皆に言うと、更衣室から出たのである。
「さア!有精卵共ォ!!始めようじゃないか!!君たち最っっ高にカッコいいぜ!!!」
オールマイトは少年少女を見渡して大声をかける。皆んなもお互いのコスチュームを見あって話し始める。
「あー!デクくん足に地ついた感じ?カッコいい!!」
「あっ、麗日さ…ってうおぉぉーー!!?///」
お茶子のコスチュームを見て顔が赤くなる緑谷。
「私のパツパツスーツんなった…恥ずかしいや…//」
(や、ヤベェーー!!麗日さん…!!)
緑谷はお茶子に直視出来ず、つい目を逸らしてしまう。それにしても最近の女子は凄いな…
「ヒーロー科最高!!」
「え、えぇ!?」
峰田は恥じらうお茶子を見て緑谷に向けて親指を立てる。今度はお茶子だけでなく、飛鳥たち三人も見ると。
「なあ緑谷…お前あの三人の中どっちが好みだ?」
「え?」
「はぁ〜…だーかーらー!どっちが好みかって聞いてんだ!!オイラは全員と言いたいな!あの飛鳥って子はスタイルも性格も程よい…もはや理想の女の子だろう…一方雲雀は純粋すぎるし…いやもう可愛すぎるし!!あの柳生ってヤツは何故か眼帯をつけてる故に危険だが…まあスタイルは悪くない……ああ!!よりどりみどりだぜ!!」
「峰田ちゃん、捕まるわよ?」
峰田に冷たい声で言う蛙吹。
「おおー!やっぱお前らも派手でカッコいいなあ!!」
熱くなる切島。
「僕のはカッコいいという次元を超えてるよ〜!!」
キラキラと自己アピールする青山。
「さあそろそろ始めるぞ!!まず今回の授業についてだが…」
「先生!その前にペアはどうするのでしょうか?!」
手をあげ白いアーマーを着ている、見た目では分からないが声で分かった、飯田である。
「…ブッとばしても良いんですか?」
不機嫌な爆豪
「相澤先生みたいな除籍処分とかはあるんですか?」
心配するお茶子
「実技訓練とはどのようなことをするんですか?」
八百万百
「雲雀、痛いの嫌だよ怖いもん!!だから暴力とか受けたくない!!」
純粋な雲雀
「このマントやばくない?☆」
キラキラ青山
「うう〜んん!!聖徳太子ぃ〜〜!」
拳を強く握りしめ、冷や汗をかくオールマイトは一気に説明する。
まずペアはクジで引いてもらう。もし余りが出た場合は最後にもう一回誰とあたるかクジを引き、訓練を行ってもらう。
戦闘は屋内戦闘で、2つのチームに分かれて戦う仕組みになる。
「ヴィラン」チームは核を守りきり、「ヒーロー」チームは核の回収、または捕縛テープで相手を捕縛する。
時間切れは敵チームの勝ち。
核の回収、または敵チーム全員を捕縛すればヒーローチームの勝利になる。
他の人たちはビルの地下のモニター室で観測することになっている。
またヒーローも敵もお互い建物の見取り図を所持すること。
そして戦闘の場合、度が過ぎたら中断とする。
制限時間は15分。
「と、いうわけで!!今からクジ引いて貰うよ!!」
ペア決めのため、クジを引いて貰うことにする。
「皆んな決まったな!よし、余ったのは飛鳥くんか!!HAHAHAーー!!では君はゆっくり皆んなの実践を見てるといい!」
「はい!」
「えへへ、雲雀は柳生ちゃんとペアだね!宜しくね!!」
「カハっ! ひ、雲雀と一緒になれるとは…!!」
雲雀と柳生は同じペアになれたらしい、その上柳生は嬉しさのあまり鼻から血を流している。オールマイトは引き続きそれぞれ戦うチームを発表する
「えー、まずは…Aコンビがヒーローチーム!!そしてDコンビが敵(ヴィラン)チーム!!」
Aコンビ 緑谷出久&麗日お茶子
Dコンビ 爆豪勝己&飯田天哉
「!」
緑谷と爆豪はとっさに顔を合わした。
「デクぅ……!!!!」
爆豪は物凄い目で睨みつける。
「っ…」
緑谷は爆豪の目つきについ目を逸らしてしまう…緑谷と爆豪は昔ながらの幼馴染だが、個性がないと分かった時の爆豪はそこから性格が悪くなっていき、いつしか見下し馬鹿にされるようになったのだ。
「あっ、緑谷くん…」
そんななか、飛鳥は緑谷と爆豪の背中を後ろで見ていた。事情は昨日の帰りに少し聞いた。苦手意識があるのも仕方がない…
(緑谷くん…困ってる…助けてあげなきゃ可哀想だよ…ね?)
飛鳥は心配していたが、緑谷は負けまいと言わんばかりに睨み返す。
「!」
緑谷に睨まれた爆豪は、少し反応が意外だったのか、少したじろぐ。
「本当にテメェはぁ…ムカつくなぁオイ……」
爆豪は怒りを噛み殺しながら低い声で唸ると、飯田と同じペアであるため指定された建物のなかに入っていく。
「はぁ〜…苦手意識が…もうこれ本当にクセになっちゃってる……」
「大丈夫?」
ポンと肩に手を置く飛鳥を見て緑谷は「うおぉー!?//」と大きな反応をしてしまう。
「うわぁ! ビックリした〜…そんなに驚いた?」
「あっ、いや別に…!」
突然の声掛けに驚いたというのもあると思うが、やはり女子に話しかけられるのは滅多にないためつい驚く反応をしてしまう。
「それにしても、爆豪くんってヤケに緑谷くんにつっかかるというか…態度が悪いよね…」
「……た、確かに…かっちゃんは性格悪いし…正直苦手だし嫌だけど……でも凄いんだ」
緑谷はふと爆豪に色んなことを言われたことを思い出した。
『テメェに何が出来るんだ?』
『雄英受けるな、ナードくん…!』
『クソナードがぁ!俺はテメェに助けられてねえ!あぁ!?救けも求めてねぇ…見下すなよ俺を!クソナードがぁぁ!!!』
「僕よりもずっと強いし、目標も、個性も…とにかく凄いんだ…だから…!」
色々あった…でも、だからこそ。
「負けたくないなって…思って」
「緑谷くん…」
緑谷のことを見てて思ったことがある、自分はこの人と似てるって。周りや仲間は自分より強い、もっともっと強いから、負けたくない気持ちがある。だから多分似てるんだと思う。
「その気持ち、わかるよ緑谷くん…頑張ってね!!応援してるよ!」
「あ、飛鳥さ…うおぉぉーーー!!////」
嬉しくてつい大声を出してしまう緑谷であった。
場所は変わり、敵チームの爆豪&飯田ペアは…
「なあオイ眼鏡!!デクは…個性があるんだよなぁ?」
「め、メガネて…!! 君が何を言ってるか分からんが、昨日見ただろう、体力テスト。 何故か個性を使用したら怪我してしまうといった変わった個性を持ってはいるが……」
「……」
爆豪はしばし黙り込んだ後、緑谷が爆豪に今まで無個性だと騙してたと勘違いしてしまう。
(この俺を…騙してたのか……!!)
「クソナードがあぁ!!」
一層怒りを奮発させる爆豪であった。
モニター室では…
「さあ有精卵共!!しっかりと見ておくんだぞ!!」
オールマイトはモニターを見ながらペンと紙を持っている。
(緑谷少年、授業の採点は差別なく厳しくするからな…!!)
今のオールマイトは雄英の教師として勤めている。まあそもそも命に関わる危険なことはさせない為、そこについては大丈夫だろうが……
モニター室では向こう側の声は聞こえなく、また音声はオールマイトのみに繋がっている。
(緑谷くん…頑張って…!)
飛鳥は心の中で応援をしていると。
「うお!スゲェ緑谷のやつ!爆豪に背負い技かませたぞ!!」
「うわっ!緑谷のヤツ個性使わずして入試一位と渡り合ってる!何者だアイツ!?」
モニター室では緑谷と爆豪が戦ってるシーンであり、今まさに逃げ出したところだ。何やら爆豪はイラついてる様子だ。
「何イラついてんだあいつ?怖えー…」
「雲雀、あの人不良みたいに見える…」
まあ事実将来有望不良少年だから仕方がない…
一方…
「おっ、麗日のヤツは核フロアに着いたな!」
「あー、飯田に見つかっちゃったぁ〜…まあでもここからどうするのかが見物だね!」
どうやら二手に分かれて勝負をするそうだ。まあ元はと言えば爆豪が勝手に飛び出したせいだからこうなるのは必然なのだろう…
「あっ!爆豪のやつ緑谷を見つけたようだ!!」
切島が吠えるが、しかし何やら様子がおかしい。さっきの爆豪の様子なら怒りで直ぐにでも殴りかかりに来るハズだが……爆豪は右腕の籠手を緑谷に向けた。
次の瞬間、オールマイトの表情が一気に強張った。
「ストップだ爆豪少年!!!」
「ん?」
皆んなは疑問な表情を浮かべるが…次の瞬間、皆んなは動揺することになる…
「爆豪少年!!緑谷少年を殺す気か!!??」
「えっ!?」
ドガアアアァァァァーーーーーーーーーンン!!!!
爆豪が放った爆発で、モニター室が少し揺れる。建物には風穴が空いてる。
「み、緑谷くん!?」
「授業だぞコレ!!」
飛鳥と切島は大きく動揺し、慌てふためく。心配と焦りの気持ちでいっぱいだ。
「緑谷少年!!大丈夫か!?」
オールマイトが耳につけてる回線から、爆豪の声が聞こえた。
『個性使えよデク…!!!!俺は全力のテメェを、ねじ伏せる!!!』
爆豪勝己 個性 『爆破』 掌からニトロのような汗を流して爆破させる、汗が溜まれば溜まるほど威力も増して強くなる。その威力は絶大。
はい!今回話が長かったですが、キリのいいところでなんとか終わりましたww歪んだ爆豪を見て三人は何を思うのか…ですね!ww
このころの爆豪、性格悪いからなー…