復讐者の世界周り Weltdrehung des Rächers 作:ダス・ライヒ
謎の勢力と反体制勢力による襲撃は、フォールド王国を始めとした各中央国家群だけではなかった。地球によく似たこの星の衛星軌道上に展開する宇宙駆逐艦や巡洋艦、戦艦、揚陸艦、空母等を始めとした五十隻以上の艦隊に謎の勢力の機動兵器部隊が襲い掛かる。
「レーダーに反応!所属不明、アンノウン多数!」
「アンノウンが多数?一体何処の馬鹿かしら?」
全長120m代の駆逐艦のブリッジ内にて、レーダー手が艦長に報告する。それを聞いた艦長はレーダーの方角から大多数のアンノウンが来る方向をガラス越しに見た。通信員に旗艦である全長420mの強襲機動特務艦アークエンジェル級に報告する。このアークエンジェル級は別世界の軍艦であり、開発元の許可も取らず、ワルキューレが勝手に複数建造して制式採用した軍艦だ。ちなみに艦隊の構成員は全て女性である。
それに制式採用された機動兵器の種類の一つとして、戦闘機状態のファイター、鳥人間状態のガウォーク、人型形態のバトロイドの三種類に変形する可変戦闘機バルキリーがある。これは別世界の裏取引で入手した名ばかりの戦闘機だ。
「提督、第4戦隊の駆逐艦アレストから、アンノウン多数との報告が」
「そう・・・下界の中央大陸から謎の勢力と反体制派勢力との交戦と繋がっているのかしら?アレストは威嚇射撃。相手が応じないなら即座に攻撃しなさい。他は警戒態勢。それと空母と揚陸艦は搭載している機体をある程度出せと」
報告を受けた旗艦のブリッジ内で、提督が耳にして指示を出す。
「了解しました。旗艦より全艦に通達、警戒態勢を取れ。アレストは威嚇射撃、威嚇射撃に応じない場合、攻撃せよ。空母並び揚陸艦は搭載機を発進させ、戦闘に備えよ」
これに応じた通信員は艦隊の各艦艇に提督の命令を打電する。この指示を受けた各艦艇は警戒態勢に入り、武装の安全装置解除が行われ、先程旗艦に報告した駆逐艦は威嚇射撃に入る。
その間に1200m級の空母や500m級の揚陸艦から様々な種類の機動兵器が射出口のカタパルトから発進していく。50機ほど出たところで、発進は打ち切られた。威嚇射撃を行った駆逐艦であったが、相手はそれに動じず突っ込んでくる。
「命中弾、避けられた模様!」
「熱源、大きいです!これは・・・18mクラスの機動兵器!?」
「何ですって!?第一戦闘配置!!」
レーダー手が向かってくる大多数のアンノウンが機動兵器であることに気付き、その報告を受けた艦長は迎撃態勢を取るよう指示を出す。向かってきたアンノウンは現在中央大陸全土を襲っている謎の勢力と同じ機体であるSPTやMF、それに様々なMSや機動兵器まであった。
「機種、どれもこれもバラバラです!」
「バラバラって・・・どういう事!?通信員、全艦に報告。敵は国籍不明の武装勢力!」
「はい!国籍不明の大規模な武装勢力!繰り返す!国籍不明の大規模な武装勢力・・・」
通信士が各艦艇へ伝えている間、ブルグレンと呼ばれる型のSPTに接近を許し、ブリッジを破壊された。このSPTに乗る
「生き返ってからの人殺しだぜ!それにこんなに獲物は五万といるしなァ!ヌハハハ!!」
コクピット内で不気味な笑い声を上げながら、向かってきた3機の艦載戦闘機や搭載MSのM1アストレイを纏めて撃墜する。数機のジムⅡやVF-11Cサンダーボルトが向かってきたが、ブルグレンのレーザーライフルで次々と撃墜されていく。
『ゴステロ!俺の分も残しておけよ!!』
「ヘッ、早い者勝ちよ!クズクズしてると、俺が皆殺しにしちまうぜ!!」
ゴステロと呼ばれる目が狂った凶漢は、友軍機からの通信にそう答えた後、対空砲などで弾幕を張る巡洋艦に突撃した。
次にアルケーガンダムと呼ばれる擬似太陽光が動力源のアンバランスなMSが、手に持った強大な剣のGNバスターソードⅡで、迎撃機を連続で斬り捨てながら、対空弾幕を張る駆逐艦を切り裂いた後、GNファングと呼ばれるビームを放つ遠隔操作可能な10基の無線誘導端末で、ジムⅢや可変系MSのZプラスやムラサメ、バルキリーのVF-11C、VF-117ナトメアを始めとした数機の迎撃機を撃破する。
こうした腕を持つ操縦者達の手によって次々と、艦隊の艦載機は撃破されていき、艦艇も次々と沈んでいく。中央大陸各地でも謎の勢力による大進撃が始まっていた。
地上では多大なミサイルポッドや超重粒子ビーム、火炎放射器を搭載した重武装のMFガンステイドが列をなして進み、それに先行するかのように地上専用SPTドトール、高性能ATツヴァーク、エルドスピーネ、オーデルバックラーが前を進む。上空にはソロコム、コウモリ型ゾイドザバット、ドダイ改やベースジャンバーに乗ったドムの流れを組むMSドライセン、ガルスJやK、可変契機ガ・ゾウム、空中専用MSエリアーズが、他の輸送機と共に空を埋め尽くすほど飛んでいる。
一方のフォウドヴィッスは、謎の勢力の先遣隊との交戦でフォールド国防軍守備隊はほぼ壊滅。戦っているのは事実上マリの護衛部隊や騎士団を始めとした私兵達とワルキューレの駐屯部隊だけであった。
「クソッ、国防軍の連中は何処へ消えた!?戦っているのは俺達だけか!」
左腕の袖に5の記章を付けた迷彩服を着た兵士が、SG550という高価なスイスのアサルトライフルで応戦していた。他の兵士にも左腕の袖に5の記章が見られる事から、マリの5番目の護衛部隊所属であろう。
彼等が撃っているのは粗末な小火器などで彼等マリの護衛部隊と戦っているようだが、経験と装備の差で一方的にやられまくっている。しかし、数の上では勝っているので、次から次へと5番隊の兵士達に襲い掛かる。
敵の機動兵器群が通報兵器しか持たぬ彼等を圧倒する中、こちらも機動兵器で対抗するべく、また異世界から入手した戦術歩行戦闘機、通称戦術機と旧型のバルキリーVF-1Aを含む多数を迎撃へと向かわせた。ワルキューレの機動兵器群が急行する中、同等の相手が居ないことを良いことに、ザクが手に握る機関砲サイズの120㎜ザクマシンガンで次々と抵抗する者達を肉片へと変えていく。
「ハッハッハッ!相手にMSかそれと同等の奴が居ないんじゃ話にならないぜ!」
そのザクⅡF型に乗り込むパイロットはザクマシンガンの弾丸に当たって肉片へと変わる敵歩兵をディスプレイ越しで見ながら興奮していた。だが、その楽しみの時間は直ぐに終わる。
『気を付けろ、サベン!連中は何処から襲ってくるか分からないぞ!』
頭にレーダー範囲向上のアンテナを付けたザクⅡS型に乗る隊長からの注意にザクⅡF型のパイロットはいい加減に答えた。
「大丈夫ですよ!ここいらの敵の機動兵器部隊は周囲の友軍部隊が止めてますから!」
それがこの男が上官に対しての最後の返事だった。男は調子に乗って、まだ生きているワルキューレの女性徴用兵を掴み、握り潰そうとする。
「フッヘッヘッ、こうやって握り潰すってどう痛いかな~?」
これが最期の言葉とは男は分かってはいない。
マリが突如と無く彼が乗るザクの目の前に現れ、彼が反応する間もなくザクを鉄くずの山と変えてしまった。
その頃、城内では地下から侵入してきたフォールド国防軍の離反軍の兵士達で溢れていた。城内にいた女王を守る近衛兵達は壊滅状態であり、戦っているのはマリとルリに付き添って城に入ってきた忠実なる戦闘メイドを含めた兵士達だけである。戦闘メイドと騎士達が持つ武器は剣や槍、斧、ハンマー等と言った中世を代表するような接近専用の武器ばかりだ。流石に近衛兵は突撃銃や短機関銃だが、ハルバートを持っている物まで居る。
「なんだ、この女共。武装が殆ど原始的だぞ?」
「構う物か、連中の御陰で容易に革命が起こせるんだ。突破しろ!」
離反軍の兵士達は、立ち向かってくる原始的な武器を持つ集団に手に持つAEK-971の銃口を向けた。しかし、その前に先遣隊である屈強な男達が射線の前に出て来る。
「ヒャッハー!女だぜ!しかも全部!!」
「全員美人だ!なるべく生かしておけ!!」
「クソッ!射線上の邪魔だ!!」
照準器に映ったモヒカンの男達に注意する離反軍の兵士達であったが、その無法者達は目の前にいる殺気を放つ美女達に下品な笑い声を上げながら突っ込む。何名かが近衛兵達が持つSG550、HKG41、UMP45、FNP90で撃ち殺されるが、数が多いので中々減らなかったが、全く問題なかった。飛び掛かった男達が槍で突き刺され、剣やハルバート、バルディッシュで斬り殺されていく。
「はなべ!」
目元を斬られた男は奇妙な断末魔を上げ、床に倒れた。男を斬った騎士はそのまま離反軍の兵士達に立ち向かった。
「奴らに白兵戦を挑むな!斬られる前に、グワッ!」
指示を出そうとした下士官を戦闘メイドがモーニングスターで撲殺した。左右からハルバートやバルディッシュ、グレイブ、鎌、その他諸々の武器を持ったメイド達が襲ってくる。
「包囲された!グェ!」
「騎士に接近された!メイドにも・・・!オワァ!!」
接近された離反軍の兵士達はナイフや銃剣を抜いて彼女等と戦おうとするが、接近戦に強い彼女等には適うはずもなく、次々と斬り殺される。辺りは離反軍の兵士達の血で染まり、彼等の無惨な形の死体が周囲に転がっていた。
「うわぁ・・・あぁ・・・この化け物め・・・!」
一人の右腕と両足を切断された兵士が、床に落ちていたPMマカロフ自動拳銃に手を出そうとしたが、気付かれたメイドに腹を思いっ切り切り裂かれて絶命した。ザクをスクラップにして戻ったマリと、城内にいたルリはと言うと、城に飛んできた男達の大半を全滅させていた。
「ふぅ・・・大方片付いたわね。そっちは?」
元の形が想像できないほどバラバラになった男の死体を見ながら、返り血を浴びたマリはルリの居る方向に視線を向け、「片付いたのか」と問う。
「こっちも終わったよ。ちょっとお洋服が汚れちゃったけど」
答えた後、自分の着ていた衣服が汚れている事をアピールする。
「もう・・・こいつ等空気を読むことは脳内に無いのかしら?」
「た、頼む・・・こ、殺さないでクベラ!」
そう言いながらマリはまだ息のあるモヒカンの男を踏み殺した。城へ兵員を飛ばしていたガレッキーは、第三次の砲撃を始めようとしていた。それに気付いたマリは、巨大な筒を亜空間から取り出し、ガレッキーと人間を撃ち出す大砲を狙撃しようとする。
「あれね・・・雑魚共をこの城へ飛ばしてるのは・・・!ルリちゃん、援護!」
「うん!機関銃で飛んでくるのを?」
「そうよ。近衛兵には私が念話で伝えておくから」
「分かった。じゃあ、行ってくる!」
亜空間からFNミニミM249Pや他多数の機関銃を取り出し、飛んでくる男達の迎撃を行った。その間にマリは念話で小火器等を持つ近衛兵達に対空射撃を命じる。
『全近衛兵へ、余裕のある者は直ちに対空射撃を行いなさい。この城には対空兵器も搭載されている。それを使って城へ取り付いてくる敵兵を撃ち殺しなさい。私は指揮官と大砲を狙う』
『御意に!』
近衛兵達からの返答を聞いた後、マリは大きな筒を遠くにいるガレッキー達に向けて発射した。飛ばされたビームのような物は放射線を抱きながら飛んでいき、敵の砲撃陣地へ命中すると、大爆発を起こした。
『うわぁぁぁぁぁ!!』
遠くの方から悲鳴が聞こえてくる。他にも全身に炎を纏って悲鳴を上げながら苦しみもがいて死ぬ者も居り、大砲から撃ち出されて城へ飛んできた男達は対空機銃を撃たれ、次々と撃ち落とされていた。
「ハベッ!」
凄まじい弾幕でハエのように落とされていく男達は、奇妙な断末魔を上げ、肉塊となり地面に落ちていった。
「お、俺の部隊が・・・俺の大砲が・・・南斗人間砲弾が・・・!」
自分の部隊が壊滅状態となっていくのを見ていたガレッキーは戦意を消失。そんなガレッキーを逃すはずもなく、マリはバレットM82A1対物ライフルを取り出し、スコープを覗き、頭に照準をやや上に合わせ、引き金を引いた。
「ホペェッ!」
首を撃たれたガレッキーは断末魔を上げた。狙撃で切断された頭部は宙を舞い、身体が地面に倒れたと同時に首が地面に落ちる。残りのガレッキーの部下達もマリによって狙撃されていき、やがて全滅した。
「これで城に雑魚は来ないわね・・・ッ!?」
一息ついて、対物ライフルを亜空間に仕舞うマリであったが、突如敵の増援が現れた。上空をV-22に似た複数のティルトローター機が護衛機を勤めるブレイバーやソロコムと共にフォウドヴィッスの上空に現れたのだ。秘密の地下通路からやって来た離反軍の兵士達は援軍と叫び始めた。
「例の組織の援軍だぞ!このまま一気に畳み掛ける!!」
『オォー!!』
空中からパラシュート降下で降りてくる謎の勢力の増援部隊を見た士官が叫んだ後、周りにいた将兵達は喊声を上げ、防衛陣地を構築して根強い抵抗を続けるワルキューレの駐屯部隊に突撃して行く。空から現れた援軍である将兵達の正体は、滅亡して何処かに皇帝と共に潜伏していたムガル帝国の生き残り達であった。
近未来的突撃銃や短機関銃、軽機関銃、バックアップとして散弾銃を装備したムガル帝国の生き残り達はフォウドヴィッスへゆっくりと降りていくが、丁度その時、制空権を確保する為に現れたワルキューレのMSやバルキリー、戦術機を含めた航空部隊が現れ、護衛機の部隊と交戦状態になる。
「安心しろ!敵の戦闘機にMS、戦術機は護衛機の連中がやってくれる!地上からの援護もあるから地上に着地することを目指せ!!」
指揮官が周りの降下中の兵士達に告げた後、市街地を暴れ回っていた八機のザクが対空射撃を始めた。城からも対空砲や高射砲が放たれているが、地上からのザクの攻撃を受け、妨害される。市街へ降下したムガル帝国の兵士達は手短にいた国防軍の敗残兵かワルキューレの駐屯部隊とマリの護衛部隊の兵士達に攻撃する。マリが見ている間に城の城門にムガル帝国の将兵達とその祖先達である離反軍の兵士達が取り付いてしまった。
その場を防衛していたワルキューレの軽歩兵中隊は既に全滅しており、城門前には道路を血で赤く染めた彼女等の死体が幾つも転がっていた。
「五分も持たずに百以上を片付けた・・・!?」
その様子を城から見ていたマリは驚きを隠せない。城門前にいる大多数の敵兵達は目の前の大きな門を意図も容易く開き、城内へと続々と入ってくる。
「突撃しろぉー!我がムガル帝国の再建のためにィー!!」
突撃部隊の指揮を勤めるムガル帝国の指揮官が、周りの将兵達と共に叫びながら城内へ溢れ出る。中庭に来たところで彼等の足が止まった。敵兵達の目の前にはワルキューレの衛兵部隊とマリの護衛部隊の兵士達がサーベルや日本刀等を始めとした刀剣や銃器類等を持って立ちはだかる。
「我ら衛兵隊がここを通さん!何処の馬の骨か知らんが、任務の為、ここで奴らを始末しろ!!」
『オォー!!』
衛兵部隊の指揮官である初老の男が、英国の回転式拳銃エンフィールドNo2とサーベルを抜いて、指示を出した後、他の衛兵達もサーベルを鞘から抜いて、目の前にいたムガル帝国と離反軍の両軍の兵士達に喊声を上げて向かっていった。敵兵達もそれに対抗して目の前から来る衛兵達に向けて発砲し始めるが、護衛部隊の兵士達の掩護射撃で次々と射殺されていく。
その一方、城の対空砲と高射砲は黒い可変系型のMSオーバーフラッグによって次々と破壊されていた。ザクとは違った世界のMSであるオーバーフラッグに乗るジョシュア・エドワーズはかなり上機嫌だった。
「ハッ!そんな化石対空火器でこのフラッグが落ちるかよ!!」
調子に乗っているのは彼だけでは無く、MSに対抗するには少し工夫がいる装備の敵兵達を一方的に攻撃するザクⅡF型に乗るジーンもかなり調子に乗っている。
「ヘッ、これ程楽な仕事は無いもんよ!周りが雑魚ばかりで簡単すぎるぜぇ」
ザクマシンガンで抵抗陣地を次々と粉砕しながら市街地を進むジーンのザク。周りからの注意すら無視している。さらに生身でワルキューレの部隊を圧倒する者達まで居た。サイヤ人の最下級戦士のラディッツや、フォウドヴィッス内で大暴れする盗賊集団ジードのボス
「フン!全く相手にならんわ!これがこの国の軍隊の力とでも言うのか!?」
死屍累々と化していたフォールド国防軍の兵士達の死体を踏みつけながらジードは他の者達とは違い、苛立っていた。ラディッツに対しては、えらく調子に乗っている始末である。
「ハハハ!全く相手にならんな!!この星の連中も兵器も!俺一人で十分だぜ!!」
上空を生身で飛びながら、手から放った気弾と呼ばれるエネルギーの塊で敵兵を建物ごと潰すラディッツ。彼等は生前悪行を為し遂げてきた者達であり、他の髪型がモヒカンや肩パットの屈強な男達、ガレッキーのゴールドウルフ軍の兵士達もそれの類であった。蘇って暴れ回る悪人達であったが、これ以降生きることはなかった。
「よし、これから城下を攻撃に、ひでぶッ!!」
「へ、
ジードの巨体をマリがラディッツよりもさらに強力な気弾が内部に入り込み、体内で爆破する。
「ひ、ひぇ~!へ、ヘッドがやられたぁ~!!あわびゅ!」
周りにいたZと言う文字を頭に書いた仲間達の一人が、頭であるジードがやられた事を大声で叫べば、マリの気弾を受けて殺された。その状況を見ていたラディッツは、次々と殺されていくジードの仲間を見ながら嘲笑っていた。
「フン、あの程度の戦闘力を持たない奴に殺されるとは、ここで一番強いのは俺の方だったようだな」
左耳に装着して左目に移されるディスプレイが見える位置に付く、スカウターと呼ばれる戦闘力を計る装置でルリの戦闘力を計っていたラディッツは、彼の戦闘力が自分より低いのを見て、自分が一番強いのだと確信した。
「へぇ~、18m級を破壊するなんて、ルリちゃん結構やるわね。何か買ってあげようかしら?」
オーバーフラッグを撃破したルリを見ながらマリは褒めた。その時、牛の鳴き声を上げる人工筋肉の足を持ち、上半身はM2重機関銃二門を装備した現代戦車並の装甲で覆われた機械部の身体を持つ”月光”と呼ばれる二足歩行型の兵器がマリに向かって飛んできた。
「こいつは・・・!」
月光が踏み殺そうとマリの頭上に落ちてきたが、回避され、掌の中で作った氷の槍を投げた。上部に装備した二門の重機関銃を撃とうとしたが、マリの方が早く、氷の槍に突き刺された月光は重機関銃を撃ちながら大破した。そこを去ろうとしたマリであったが、複数の月光が彼女の行く手を阻んだ。
月光ばかりではない、背中に動力源の液体燃料とされる水色の液体の入ったタンクを付けたトールボーイと呼ばれる機械仕掛けの竹馬の様な装置に乗った全身を金属の鎧で覆った兵士も混じっており、手に持つ弓に焼夷ボルトでマリを射抜こうとしていた。
だが、マリがそう簡単にやられるはずもなく、焼夷ボルトを射抜いた瞬間、彼女の姿が消えた。彼女が元々居た廊下が爆発したが、トールボーイ達や多数の月光はそれを既に見破っている。周囲を見渡し、警戒態勢に入った。
「全員抹殺!!」
物の数秒後、トールボーイや月光の頭上にマリが敵の数と同じ数の光球と共に現れ、それを目の前にいる全ての敵にぶつけた。光球は外れることもなく全ての標的に命中し、その全てを倒した。
「まぁ、こんな所ね。うっ!?」
廊下に転がる残骸を見ながら呟いた後、突如、マリの胸に穴が空いた。丁度心臓の辺りに大きめの穴が空いたことから大口径の狙撃銃とされ、そこからの狙撃に絶好な建物に居た彼女を撃った狙撃手は左拳を握り、勝利を確信していた。
「よし、敵将討ち取ったり!」
隣にいたスポッターとハイタッチを交わし、水筒の水を一口飲んだ。
「案外楽勝だったし、情報通りでも無かったな」
「あぁ、瞬間移動した時は、ヒヤッとしたもんだが、不死身じゃなかったぜ。どうやら不老不死なんて物は無いらしい・・・」
マリを撃った狙撃手は、自慢げに相方に話しながら、その場から離れる仕度をした。次にルリがラディッツを殺そうと、全速力で接近するが、スカウターのセンサー内に入ってしまい、気付かれる。
「むっ、戦闘力78がこちらに接近!?フン、少しは楽しめそうだな!」
全く相手にならない国防軍の敗残兵を始末していたラディッツは、直ぐにルリの迎撃へと向かった。
「どうやら戦闘力はこれ以上上がらないらしいな!」
大鎌で斬り掛かるルリにいきなり強力なパンチを繰り出したラディッツ。ルリはそれを避けることなく腹に食らい、吹き飛ばされた建物に激突した。
「ハッ、戦闘力78と聞いたら、少しは楽しめるかと思ったが、もう終わりか」
建物に激突したまま全く動かないルリを見たラディッツは呆れ、トドメに気功波と呼ばれる強力な気弾を瀕死の少女に向けて放った。
「フン、ゴミめ!所詮、俺に勝る者はここには居なかったようだな!」
余りのルリの弱さに呆れていたラディッツであったが、この後地獄を見るとは思いもしなかった。
「さーて、城の方へ向かうとするか!」
ラディッツは自ら自分の死に場所となる場所へと飛んだ。その頃、マリを撃った狙撃手達は建造物から出た直ぐの瞬間、悪夢に遭遇した。
「あ、あぁ・・・そんな!し、心臓を撃たれて何故生きてる・・・!?」
彼等の目の前に現れたのは、心臓を撃って殺したはずのマリであった。
「あ、あいつは影武者・・・ッ!?」
スポッターの兵士が言い終える前にマリに首を刎ねられた。刎ねられた根本から血が生きよい良く吹き出す中、狙撃手は右手に握られていた大口径の狙撃銃で再びマリを撃ったが、通常の人間とは違うほどの速度で避けられてしまい、心臓を手刀で刺され、上へと上げられる。
「ど、どうして・・・生きて・・・いる・・・!?」
吹き出す自分の血で真っ赤になるマリの顔を見ながら狙撃手は問う。そんな彼女は無表情で答える。
「え、だって、不死身だもん」
手刀で刺した狙撃手の息の根が止まったのを確認したマリは、城へ向かうラディッツを目撃し、物言わぬ死体となった狙撃手を捨てた。
「あいつ城に何しに行くんだろう?」
直ぐ様マリは、ラディッツの目の前まで瞬時に移動した。
「な、なんだ!お、女だと・・・!?戦闘力、グワッ!測定不能だと・・・!?」
目の前に現れた血塗れの金髪碧眼の美女の戦闘力を計ろうとしたラディッツであったが、どうやらマリの戦闘力の高さは測定不能であったらしく、スカウターが耐えきれずに壊れてしまう。動揺しきったラディッツは、敵であるマリに何故か問う。
「き、貴様ぁ!な、何者だ!?その傷で平気でいられるなど!!」
「え、何って・・・私が不老不死だから・・・?」
その問いにマリは軽い気持ちで答え、さらにラディッツは動揺する。
「ふ、巫山戯たことを・・・!死ねっ!!」
動揺を通り越して怒り、我を忘れてルリを殺したと同じ強力な気功波を放ったラディッツであったが、その気功波をマリは指一本で軽く受け止めた。
「ば、馬鹿な!俺の全パワーを使っての攻撃だぞ!?」
「一々煩いわね・・・いい加減に死ね」
自分にとって喧しかったラディッツの渾身の攻撃を倍にして返した。
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
さらに強力な気功波となって返ってきた自分の渾身の攻撃を受けたラディッツは、一つの灰を残さず消滅する。完全にラディッツが消え去ったのを確認したマリは城へ戻り、城内にいる敵の排除の続きを再開した。
地上では一個連隊規模の歩兵や戦闘車両、MS、AT、上空では多数のSPTやMFがマリに攻撃を加えるが、彼女は透明のシールドを目の前に張って全て防ぎ、目の前に見える敵全てに攻撃し、全滅させた。
一方、城内の地下では恐るべき男が来ていた。その男の中性的な容貌で、紅色系のアイシャドウとパープルの口紅で妖艶な施し、紅い髪を背中まで達するウェーブのかかったロングヘアスタイルに左右の髪の一部を編んだ身長183㎝の男だ。地下から来るとされる敵を待ち伏せていた衛兵達が、堂々と歩くその男の行く手を遮るように立つ。
「なんだ、この気色悪い男は?」
「知らん、おそらく大砲で城まで飛んできた無法者共と同じ類だ。躊躇はいらん」
腰に差したサーベルを抜き、左手に拳銃を持つ者は銃口を中性的な容貌の男に向け、引き金を引いた。
「なっ、こいつ。能力者か!?」
銃弾を男が手を振っただけで切断されたのを見た衛兵隊長はサーベルで斬り掛かったが、手刀で放たれた衝撃はで縦半分に切断され、絶命した。
「き、気を付けろ!こいつは、ガァ・・・」
味方に指示を出し終える前に切り裂かれ、その味方も斬撃で次々と斬り殺されていった。
「な、なんだ・・・こいつは・・・!?」
一人、その場から逃げようとしたが、男が見逃すはずもなく、奥義らしき斬撃を受けた。
「
指一本から来た斬撃を受けた衛兵は触れても居ない胸から衝撃から裂けた。この男の使う技は能力ではなく、拳法である。
その名は南斗聖拳と呼ばれ、男が使うのはその数ある流派のトップに値する六聖拳の一つである
証拠にユダに斬り掛かった衛兵達は縦半分に切断されている。本来なら横に切断されるが、南斗紅鶴拳は切断の仕方が違う。襲い掛かってきた衛兵を全滅させたユダは、城の上階まで向かう為、階段に向かうとしたが、騎士に戦闘メイド、銃火器を持つ近衛兵が行く手を遮る。
「フッ・・・」
近衛兵からの銃撃をかわし、斬り掛かってきた騎士や戦闘メイドを斬撃で切り裂く。切り裂かれた騎士やメイドは小さな悲鳴を上げ、バラバラになって床を赤く染めた。彼女達の返り血は、ユダをさらに赤く染め上げる。
「このぉ、死ねぇ!!」
上階から騎士が飛び降り、頭上からユダを斬ろうとしたが、空中で縦に切断され、死ぬ。銃撃を続ける近衛兵に一気に接近し、数名を纏めて斬殺。その調子で次々と襲い掛かる騎士やメイド、近衛兵達を斬り殺していく。
「フン・・・他愛もないな・・・!」
最上階まで来て、そこにいた最後の一人を斬り殺したユダは、その死体を床に捨てた。
「聖女がこちらに来るか・・・」
背中から来る気配を瞬時に感じ取ったユダは、後方に身体を向けた。
「ほぅ、実に美しい・・・!このような美女を殺すとは、リガンは美的感覚が無い男よ・・・」
「(うわっ、こいつ・・・ナルシストっぽい!)」
やって来た敵に気付いたユダはマリの容貌に惹かれていたが、当の本人である彼女は、ユダの容貌を見て、瞬時にナルシストと断定する。
「フフフ・・・お前、俺を美しいか?」
低く笑いながらユダはポーズを取り、マリに美しいのかを聞いたが、彼女は地面に落ちていた破片で答えた。
「うっ、お、お前・・・この俺の顔に傷を・・・!」
「やっぱりナルシスト・・・むしろ気持ち悪いけど。死んでくれない?」
投げ付けられた破片で頬に傷を付けられたユダは怒り、マリは付け足してさらに怒りを煽った。
「ゆ、許さん・・・!こ、殺してやる!南斗紅鶴拳奥義伝衝裂波(でんしょうれっぱ)!」
怒りで我を忘れたユダは離れた敵を切り裂く奥義であるロングレンジ攻撃を連発し、マリの左肩を切り裂いた。
「クッ・・・!」
「切れろ、切れろ、切れろ、切れろ、切れろ、切れろぉ!!」
左腕を持って行かれることは無かった物の、凄まじい程血飛沫を上げる。手傷を負うマリに、ユダは伝衝裂波をひたすら連射した。マリは抜け道を見付け、一気に接近、気付いたユダは直ぐさま迎撃の態勢に入ったが、彼女の方が早く、顔に強力な蹴りを受けて吹き飛ばされる。
「ぬぁぁぁぁぁぁ!!」
蹴りを受けたユダは塔の方まで吹き飛び、激突したが、まだ息はあった。戦闘を終えたマリは、自分の衣服がボロボロになっていることに気付き、着替えようかと考えていたが、それは空高くから降りてきた男の声で変わった。
『ほぅ、中々やるではないか!そやつは我が精鋭である十人格の一人、妖星のユダ!だが、十人格の中では下の方だがな!』
「あんた、誰よ!」
腕組みをしながら降りてきた男にマリは名前を問う。その男は高笑いをしながら答えた。
『私か、私の名はリガン・ゾア・ペン・ムガル。かつて貴様の建国した国に滅ぼされたムガル帝国の皇太子だ!そして私はこの地に戻り、ムガルを再建する!貴様を倒してな!!』
自分専用の剣と盾をどこからとも無く出したリガンは、マリに剣先を向けて宣言した。
ルリとリヴァイ擬き、コルト擬きの戦闘場面を総カットしました。
ルリの所は、第一章終了後に書かれる外伝にご期待下さい。
中断メッセージ
アンドリュー・フォーク(以下アンドリュー「なんですと!?この私の出番がないということはどう言う事です!?」
ダス・ライヒ「知らないのか君は、らいとすたっふルール2004年を?」
アンドリュー「それはご存じですが何故私を省くのです!?どうしてあのゴマすりの日和見主義者であるゲールが私の代わりに!?」
ダス・ライヒ「この作品はルールに違反しているのだ!運営からの削除通告があれば、このあとがきだけ消して許してくれるとは限らないんだ!それに銀河英雄伝説が参戦する作品も考えている。それまで待とうじゃないか・・・」
アンドリュー「う、ぬぅ・・・!」(PAM!
ダス・ライヒ「ウッ!?」
~END~
※作者は撃たれてません
中断メッセージで銀英伝のキャラを出しちゃったけど・・・大丈夫かな・・・?