復讐者の世界周り Weltdrehung des Rächers 作:ダス・ライヒ
数時間、輸送機に揺られながら治療を終えたマリは、ずっと窓から外を眺めていた。左足から出血は、彼女が少し医療知識のある御陰で治まっている。
協力者であるガイドルフはコクピットの操縦席のシートで寝ており、膝に置いた左手の中にはモーゼルC96があった。どうやらマリが自分を殺すのではないのかと警戒している様子だ。輸送機が北部大陸まで来ると、領空へと入ったのか、通信機から声が聞こえてくる。
『そこの大型機!機は領空に侵入している!所属を表せ!それと飛行プランもだ!』
その声でガイドルフは目覚め、ヘッドフォンを身に付け、欠伸をしながら答える。
「ファ~、こちらは・・・自由商人だ。今し方命辛々異世界からの侵略者の手から逃げてきた。難民が多数乗っている。受け入れてくれ」
「難民・・・?」
ガイドルフの言葉にマリは貨物室に入り、全てあるコンテナの中身を調べ始めた。子供の声がする方へ向かい、コンテナを開けると、中には一人の三十代の女性と複数の幼い少年や少女が居た。
「ヒッ!こ、殺さないで・・・!」
女性は兄妹であろう幼い少年と少女を抱き締め、マリを怖がった。他の子供達も彼女を怖がり始める。
彼女等が座る床を見てみると、食べ物の食べ滓が残っており、おそらくガイドルフが与えたのだろうとマリは思った。コンテナを開けたままにしておき、彼女は朝食を取りに行った。自分の分も取って、先程のコンテナまで行き、震える彼女等に朝食を無言で差し出す。
「あ、ありがとう・・・ございます・・・」
震えながら先程の女性が、マリから手渡された全員分の朝食を取り、全員に手渡していく。マリもコンテナに凭れ掛かって、取ってきた朝食を口にし始める。
食事を終えれば、全員分の飲み物とコップを取りに行き、珈琲を入れてから再び戻る。入れ立ての珈琲を呑んでいると、一番年上の少女がマリに近付き、話し掛けてきた。
「あの、貴女も私達と同じくこの機体に乗っていたのですか・・・?」
視線を向ける少女からの質問に、マリは顎に人差し指を付いて答えた。
「いや、私はあの男と一緒に・・・」
「あの男・・・?あの人はお兄さんですか?それとも妻ですか?」
「違うっ!」
マリは嫌いなガイドルフの「妻なのか?」と興味津々な少女に勝手にされたので、怒りが篭もり、叫ぶように否定した。そのマリの怒りに満ちた返答に、少女は震えて謝り始める。
「ごめんなさい!へ、変な質問しちゃって・・・!」
怯えているのは少女だけではなく、幼い子供達も震えている。それを見た彼女は、少女と幼い子供達に謝った。
「ごめん・・・ちょっと感情的になりすぎた・・・」
謝ったマリは、少女等が居るコンテナから離れ、別のコンテナに凭れながら珈琲を飲んだ。少し飲み続けていると、負傷して包帯を巻いたままの左足に冷たさを感じた。
「うん?」
下を見てみると、凭れているコンテナから血が流れ出ていた。中に人影を察知した彼女はコンテナの中身を確認するため、まだ残っている珈琲を床に置いて、右手にUSPを持ちながらドアを開けた。中には血塗れの戦闘服を着たワルキューレの軽歩兵が三人居り、内一人は右脚を無くすほどの重傷を負っており、赤く染まった包帯から血が流れ出ている。他の二人は傷口からの出血を必死で止めようとしているが、まるで意味をなしていない。
マリに気付いた二人は怯え、震える手でドイツの短機関銃MP5の小型版であるMP5kとアメリカの小型自動拳銃SW M39を向けた。床にもスウェーデンの短機関銃カールグスタフM/45が二挺程置かれていたが、右脚を無くした若い女性兵士の血で数分ほど血に浸っているので、清掃しないと使い物にならいだろう。
「く、来るな!」
拳銃を持つ女性兵士が叫ぶと、マリは医療道具を取りに行った。脚を無くした女性兵士の顔を見れば、後数時間ほどで出血死するレベルと悟ったからだ。
丁度ガイドルフが管制官からの返答を終え、食事をしながら医療道具と大量の止血剤を持つマリに声を掛けた。
「そんなに止血剤を持ってどうした?」
もちろんマリは急いでいるので、ガイドルフは無視して重傷の軽歩兵の元へ向かった。
「やれやれ、まるで反抗期の娘だな・・・」
無視して過ぎ去っていくマリを見ながら、彼はコクピットから見える北部大陸を見下ろした。貨物室には先程のマリに質問していた少女が、他の子供達と共に外に出て、血塗れのコンテナの中を心配そうに見ていた。医療道具と大量の止血剤を抱えた貨物室に来たマリを見て、少女は質問する。
「あ、あの女の人・・・大丈夫ですよね・・・?」
「さぁ、死ぬんじゃない」
この問いに、マリは適当に答えて重傷者が居るコンテナの中へと入った。未だに中の二人の軽歩兵は彼女に警戒していたが、医療道具と大量の止血剤を見て、警戒心を解き、止血剤を手にとって女性兵士の無い脚の傷口に掛け始めた。焼け石に水を掛けるような物だったので、医療道具箱から止血帯を取り出して、右脚に巻く。出血は止まったが、ずっと止めていたら壊死する可能性があるので、ある程度血を流すように二人に伝える。
「あんた等、ずっと止めっぱなししてたらこの
『は、はい!』
二人の軽歩兵が返事をすると、マリは朝食を二人に与えた。
「ほら、あんた等食べてないでしょ?一応食べておきなさいよ」
「あ、ありがとう・・・ございます・・・」
小型の短機関銃を持っていた女性兵士が礼を言えば、二人は袋を開けて食べ始めた。重傷の兵士に対しては、マリが口の中で食べ物を細かく砕き、柔らかくして兵士の口の中に直接入れ込んだ。
虚ろな目でマリを見ていた重傷の兵士は、突然キスされて驚き、口の中の物を流し込まれた。周囲の者達はそれに驚き、少女は子供達を遠ざけた。いつの間にかガイドルフが来ており、腕を組みながらコンテナにもたれ掛かり、口を開く。
「俺のことは無視して、女には積極的か・・・まるで女好きの野郎だな」
笑みを浮かべながら告げると、朝食を食べていた軽歩兵がガイドルフに向けて銃を構え、マリは睨み付けた。
「よせよせ、おたく等を殺しに来たんじゃない。もうすぐこの機は着陸する。そこの脚を無くしたお嬢さんも適切な治療が受けられるだろう。なんだって空港にはワルキューレの部隊が駐屯してるからな。さぁ、衝撃に備えてくれ」
用件を伝えると、ガイドルフは操縦席に去っていった。その後、無事に着陸し、輸送機からマリ達がコンテナと共に降りてきた。
空港内は英国の戦闘機であるスーパーマリン スピットファイアやデ・ハビランド モスキートが並べられている。流石にレジプロ機では駄目なのか、同じ国のジェット戦闘機であるトーネードADVも並べられていた。
「重傷してるの!脚が無くなってるから早く来て!!」
輸送機から降りた重傷の兵士と一緒に居た女性兵士が叫び、衛生兵が担架や看護師と共に貨物室に流れ込んだ。同じく降りていたマリは、少女と子供達と別れを告げ、家路につこうとしたが、ガイドルフに声を掛けられる。
「戻っても追い出されるかと思うぞ」
「はっ?」
「能力を失って、不死でも神様に等しい能力を持ってないあんたを追い出されると言ったんだ」
「どういう意味よ?」
「仕方がない・・・行って確かめるんだな。俺はこれを済ませてから街で一杯やってるよ。後で文句を付けるなよ?」
そうマリに告げてから、ガイドルフは入国審査官と入国警備官に顔を向ける。ガイドルフの言葉が後に当たる事を知らず、マリは空港を出て、ヒッチハイキングで乗り継ぎ、家路についた。
数時間後、インペリウム国境近くまで来た。荷馬車の男がマリに降りるよう告げる。
「悪いが、お嬢さん。ここで降りてくれないか」
「良いわよ」
「すんなりと言うな・・・あの国の人間が怖くないのか?」
「別に」
「気を付けるんだぞ。最近、中央大陸で、でかい戦争があったからな!それとあの国の連中は危険だぞ!」
荷馬車の男の忠告を無視し、マリはインペリウム国境の検問所に近付いた。門の中に入ろうとした瞬間、ハルバートを持った二人の警備兵に止められる。
「止まれ!貴様、ここを皇帝陛下の聖なる土地であるインペリウムであるぞ!」
「許可や報告にもない者は通せん!大人しく帰れ!」
追い払おうとする二人の警備兵に、マリは自分の名前を言った。
「私はあの帝国の皇女の母親だけど、連絡を入れてみてよ」
それに対し、二人の警備兵は相談し合った後、国内にいるもう一人の警備兵に連絡するよう命じた。
「おい、お前!本部に連絡してこい!」
「分かりました!」
「その詳細については、本部からの返答を乞う!連絡が来るまで、暫くそこに居ろ!」
警備兵はマリにそれを告げると、連絡が来るまで睨み付けて監視している。その間に彼女は何処からか調達した煙草を吸いながら、待つことにする。
暫くして連絡が来たが、顔付きが彼女がさっき見たのとは違っていた。連絡係は直接警備兵に耳打ちし、彼女に聞こえないように告げた後、元の位置へと戻っていった。
「許可が入った。だが、我が帝国の領土を自由に歩き回る許可など無い!向こうの建物まで来るんだ!」
領土内で待機していた警備隊の者達に、マリは連れられ、受付出入国管理施設に送られた。尋問室に入れられた後、椅子に座らされ、そこで暫く待たされることになった。
数分後、出入り口から高級将校の制服を着た男が出て来て、マリの反対側の席に座る。
「やぁ、我が皇帝の偉大な母たるマリ・ヴァセレート様。私はインペリウム特別攻撃軍司令官、ローデアン・ベビン・アーバクロンニーです」
反対側の席に座る男は、中央大陸で掃討作戦を担当していた司令官の一人だ。仮にも皇帝の次に立場が大きい筈のマリに、それに値しない態度で接している。見下すような目線でローデアンはあることを口にした。
「おっと、今の貴女は存在しないんだ・・・」
この発した一言に、マリは理解できずにいた。
「はっ・・・?」
「驚くのは無理もないな・・・説明してやろう。君は4日前に死んでることになる」
副官に持ってこさせた新聞を机の上に置いた。その新聞を見たマリは、思わず驚きの声を上げた。
「どういう・・・こと・・・なの・・・?」
「分からんのか?君はもう死んでいる。古の帝国の手に寄ってな。私はどうして君がここに来て、椅子に座っているか理解できない」
両腕を上げながら告げるローデアンに、マリは苛立ちを覚え、隠していたコルトジュニア小型自動拳銃を抜こうとする。
「おっと、ここで私を殺しても何の特にもならないぞ。亡霊。なんたってお前は不死身じゃないからな」
ローデアンは煽りながら、鏡をマリに見せた。気付かぬ内に顔に小さな擦り傷があり、マリは動揺し始める。
「これは・・・何処かで深く刺さって・・・」
「嘘をつくな。それは脱出する際に受けた傷だな?傷が治るのに人並みに掛からないはずだ。現に私は君の傷の治る速度を記録している」
これにマリは怒り、小型拳銃を抜いてローデアンを射殺しようとしたが、後ろにいた警備兵が持つPMマカロフ自動拳銃で右肩を撃たれて手放してしまう。返り血がローデアンの顔に飛び散り、マリは取り抑えられる。
「気を付けろ、間抜け目!」
「し、失礼しました!」
彼女を撃った警備兵に怒鳴り付けた後、ポケットから取り出したハンカチで顔を拭き終えると、説明を再開する。
「それとだ、誰かの助けを借りようとしても無駄だぞ。みんなお前が死んだと思っている。エンゲラートはお前を助けようと向かった瞬間、敵の四天王に襲われて生死をさ迷う程の重傷だ。それで私はお前の護衛部隊を貰わせて頂いた。メイドと近衛兵、騎士はいらんから何処か適当な労働所に送った」
抑えながら聞いていたマリはショックを受け、抵抗を止めて混乱し始めた。
「そんな・・・嘘よ・・・私が完璧に目を通して作り上げた・・・」
「シューベリアとか言ったか・・・あの魔族の娘もいらん。お前に返してやる」
ハンカチで拭きながら口を動かすと、左手で部下に指示を出し、ピンク色の長髪で、豊満すぎるほどのバストを持つ女性、シューベリアを尋問室に連れてこさせた。
「ちょ、ちょっと!乱暴しないでよ!僕はこの帝国の皇帝の・・・」
「黙れ!この淫売女目!さっさと入れ!!」
連れてきた警備兵はシューベリアの尻を蹴り上げて、マリの目の前に叩き出す。
「いたぁ~い、もう・・・何なの・・・?あっ、マリちゃん」
マリを見たシューベリアは立ち上がり、触れようとしたが、右肩の傷が治っていない事に気付く。
「マリちゃん・・・どうしたの・・・!傷が治って無いじゃない・・・!?」
シューベリアはマリを抑えていた二人の警備兵の手を退け、過呼吸を起こす彼女の両手に手を置いて心配する。
「用件は済んだな。さぁ、国境までお送りしろ」
血を吹き終えたローデアンはマリとシューベリアを追い出すよう指示する。それに応じた国境警備隊の兵士達は二人に自動小銃を向け、国境まで送った。
追い出された二人は、検問所から少し離れた場所に送られる。
「よし、ここまでで良いだろう。二度とここへは来るなよ?」
警備隊の面々は検問所まで戻っていった。放り出された二人は、ずっとそこへ座ったまま、呆然としていた。マリの方は立ち直る気配が無い。
「全部、無くなっちゃったね・・・ねぇ・・・マリちゃん・・・?」
隣に座るシューベリアはマリに訪ねたが、その彼女は虚ろな瞳をしており、まるでこの世の全てが終わったかのような顔をしている。
そんなマリをシューベリアは抱き締め、元気付けようとする。
「大丈夫、大丈夫・・・僕、私達は永久に生き続けるの・・・いつか全部取り返せるわ・・・ルリちゃんも取り戻せる・・・大丈夫からね・・・?」
自分の胸にマリを押し付けながら、シューベリアはまるで子供をあやすかのように言う。それを聞いたマリの碧い瞳から涙が溢れ落ち、シューベリアに抱き付き始めた。
「今は甘えて良いよ・・・ムガルの連中もやっつけよ・・・貴女ならやっつけられる・・・だって貴女は強いもの・・・」
頭を撫でながら言うシューベリアにマリは頷き、顔を近付けた。いつの間にか、虚ろだった彼女の表情が泣く少女の表情に代わり、シューベリアの唇を奪い、舌を口の中に入れる。
暫く舌と舌を絡まらせ、理性が飛び掛けたマリが両胸を掴むと、顔を赤くしたシューベリアが、糸を引きながら唇を離す。
「ここでエッチは不味いから・・・あの洞穴でする?」
「うん・・・」
シューベリアが近くの洞穴に指差すと、マリは頷き、そこへと向かい、そこで朝まで情を交わした。
翌朝、一糸纏わぬ姿となったマリとシューベリアは洞穴の中に居た。まず始めに目覚めたのは、シューベリアの胸に顔を埋めていたマリであった。
少し寒気がしたが、ずっと前にも同じ事をしてきた為、慣れている様子だった。
「そうだ・・・私達・・・全てを・・・」
隣で寝息を立てて寝ているシューベリアを見ながらそう口にした。
「夢なら良かったのに・・・」
左手の甲を見ながら、これが夢でないことに気付き、落胆する。再びシューベリアの胸に顔を埋め、両手で自分より大きすぎる彼女の胸を揉んだ。
胸を揉まれたシューベリアは小さく喘ぎ始める。
「ハァ・・・!あぁ・・・!」
そのまま揉み続けようかとマリは思ったが、これ以上夢に浸るわけにも行かず、起きて脱ぎ捨ててある自分の衣服を着始めた。全ての衣服を身に着けると、シューベリアが目覚める。
「おはよう・・・」
「あ、おはよう・・・」
「昨日は激しかったね・・・」
「うん・・・」
恥じらいもないシューベリアからの問いに、マリはそう返して全ての衣服を身に着けた。シューベリアも自分の衣服を身に着け始めた。
「これからどうするの・・・?」
衣服を身に着けながら、シューベリアが問うと、マリは直ぐに返した。
「これからどうするって?決まってるでしょ。復讐のためにワルキューレに入る」
「ワルキューレに入る・・・?入れるの・・・?」
「入れるわよ。あそこ、何でも受け入れるし。私も今の生活に飽きたら来いって言われてるし」
「でも・・・今の貴女じゃ死んじゃうんじゃ・・・?」
「大丈夫よ。あいつ等みんな殺すまで死なないし、ルリちゃんをこの手に抱き締めるまで死ねない。それに失った物を取り戻す手段もあるし」
返事をするマリに、シューベリアは心配したが、いつもに戻ってると思って笑みを浮かべた。
その後、川で朝食と飲料水を済ませると、二人はワルキューレが駐屯する街へと向かった。財布など持っている訳ではないので、何処か適当に拾った棒切れを武器に、街へと脚を進める。
道中、暫しの休憩を入れて、何事もなく街道を進んでいると、旧式のボルトアクション小銃や、粗末なコピー突撃銃を持った人相も悪く、服装も以下にも盗賊な男達がマリとシューベリアの前に姿を現した。
「フッヘッヘッ!すんげぇ体付きの姉ちゃん達じゃねぇか!野郎共、傷付けるなよ!高く売れるからな!!」
中国版AK47である56式自動突撃槍を持つ頭の男が、二人の周囲を囲む部下達に告げる。このような盗賊が飛び出してくる事に、マリは少し怒りを覚えた。
「ワルキューレが居ながらこの様なんて・・・」
「そうでも無いみたい。こいつ等の顔に銃弾の掠り傷がある」
シューベリアの言葉に耳を傾けたマリは、盗賊達の顔を見た。彼女の言うとおり銃弾が掠った跡があり、一部の盗賊が包帯を巻き付けていた。
相手の武器を確認していると、モヒカン頭の男が
「ウッヘヘヘ!もう我慢できねぇ~!早く俺のイチモツをぶち込みてぇ~!イェェェェ!!」
奇声を上げながら二人に襲い掛かってきたが、マリが持つ棒切れに顔面を叩かれた挙げ句に鼻を潰された。鼻を潰されたモヒカンは顔を抑えて悶え苦しむ。
「俺の鼻が!俺の鼻が潰れちまったぁ~!!」
泣き叫ぶモヒカンであったが、山刀を取ったマリにトドメを刺された。
「あべし!」
奇妙な断末魔を上げ、モヒカンは心臓を一突きにされて死亡。まともな武器を手に入れたマリは、周囲を囲む盗賊達を挑発した。
「ほら、仲間を殺したんだから。掛かってきなさいよ」
「くそったれ!銃は使うんじゃないぞ!なんとしても生かして捕らえろ!!」
『応!』
頭の指示で、盗賊達が一斉に襲い掛かった。一見か弱い美女であるシューベリアであるが、魔王の娘であり、魔法は完璧にこなせる。両手に魔力を込めて、カマイタチを放つ。
「はぁっ!!」
「うげ!?」
「ぼわっ!?」
「ま、魔法使いだ!!」
「そんな馬鹿な!魔法使いはこの辺には!?」
魔法を見た盗賊達の戦意が下がり、シューベリアに向けて一斉に銃が放たれた。
「こ、この魔女目!死にやがれ!」
「魔女が銃なんかに勝てる訳がねぇ!!」
「馬鹿野郎!銃なんか使うな!」
手に持っている粗末な銃を撃ち始める部下達に、頭は制止の声を上げるが、銃声で掻き消される。銃弾は真っ直ぐシューベリアに飛んでいくが、党の彼女は防御魔法を展開し、銃弾を弾く。
「銃弾を!銃弾を弾いた!?」
銃を撃った盗賊達は、銃弾を魔法で弾くシューベリアに驚き、手榴弾に手を伸ばしたが、彼女が左手で飛ばした火炎魔法で焼かれる。
「うわぁぁぁぁ!!あ、熱い!!た、助けてくれぇー!!」
一人は燃えながら苦しんで焼死し、もう一人は引火した手榴弾の爆発で爆死した。一方のマリは、斬り掛かってきた盗賊達を次々と斬り捨て、粗末なAK47を殺して奪い、後ろから向かってくる盗賊達に向けて乱射する。
「ぐわっ!」
「ぎゃぁ!?」
「死ねぇぇぇぇぇぇ!!」
斧で斬り掛かってくる盗賊に対し、マリは粗末なAK47をぶつける。
「ゴワッ!?」
腹に突撃銃をぶつけられた盗賊は怯み、その隙を突かれて山刀で首を飛ばされた。二人の恐ろしい強さを見た頭は、まだ無事な部下達と共に逃げ始めた。
「な、なんだこの女共は!?強すぎる!逃げろ!!」
一斉に盗賊達が逃げ出す中、マリはそれを逃さず、瞬間移動して、逃げる盗賊達を次々と殺した。
「うわぁ!?」
「がぁ!?」
「うへっ!?」
「ひっ、ひぃー!?た、助けてくれぇー!!」
殺されていく部下達を見て、頭はマリとシューベリアに対しての威勢は消え、ただ逃げる事だけを考えていた。
だが、そんな盗賊達は、WW2英軍の陸軍歩兵の装備をしたワルキューレの討伐隊に待ち伏せされ、機関銃に撃たれて次々と撃たれて倒れていく。
「うわぁぁぁぁぁぁ!!降伏する!降伏するから撃たないでくれぇぇぇぇ!!」
ヴィッカース重機関銃に撃たれながら頭は降伏すると言ったが、リーエンフィールドNo4やブレン・ガン、ステン・ガンの一斉射を受けて、部下諸共地面に倒れた。
「肝心なときだけ来て・・・」
手柄を横取りしたワルキューレの討伐隊を見て、マリが言うと、シューベリアが近付いてきた。
「マリちゃん、ちょっとあの能力は・・・?」
「え、あれは借り物よ。顔色の悪い男の」
「そうなの・・・はぁ・・・」
走ってきたシューベリアは少し息を整え、マリの返答に納得することにした。
その後、二人はワルキューレの入隊受付の施設に居た。士官に入隊者と言えば、あっさりと施設へと案内し、丁寧にも受付まで案内してくれた。
「次の方どうぞ~」
受付の女性の声に、マリは立ち上がって受付に向かおうとしたが、シューベリアに止められる。
「何よ」
「頑張って」
「分かってるわよ」
まるで母親のように言うシューベリアに、マリは照れながら1から7まである内の4番の受付へと向かう。4番の受付に立つ女性は、受付嬢と表して良いほどの容姿を持つ女性であった。
他の受付の女性も受付嬢であるが、今のマリに取ってはどうでも良いことだ。
「ご入隊ですか?それとも女の子相手のアレ・・・?」
「入隊よ。アイドル活動に来た訳じゃ無いわ」
「あぁ、そうですか。ご希望の兵科は・・・」
「マリ・ヴァセレートって言えば、分かるかしら?」
「へっ?少々お待ち下さいませ~」
マリが放った言葉に、受付嬢はキーボードを叩いて検索し始めた。検索が出たのか、受付嬢は笑顔でマリに報告する。
「検索が出ました。貴女は士官ですね~軍隊で言う少尉から始まる事になってます」
「そう。じゃあ・・・それで・・・」
早い内に入隊手続きが終わった為、マリは席を外そうとしたが、若い女性の声に止められた。
「皇帝陛下・・・?」
自分にとっては懐かしいのか葬るべき過去なのか分からない呼び名に、マリは読んだ本人の顔を見た。
それは佐官クラスの制服を着た金赤色の瞳を持つ若い女性であり、容姿は一緒にいた茶髪の尉官クラスの若い女性と同じく優れている。ワルキューレで言う情報士官を示す襟章を付けていた。
マリの顔をはっきり見たその若い女性情報士官は彼女に近付き、腕を取った。
「あ、貴女は、あのマリ・シュタール・ヴァセレート・カイザーですよね!?」
興奮しながら言う女性将校に、マリは少し引いた顔で返答し、名前を聞く。
「そ、そうだけど・・・あんた誰?」
「私は、私はノエル・アップルビーです!神聖百合帝国陸軍情報部所属少尉、並び国民突撃軍第7小隊小隊長です!!」
「は、はぁ・・・?」
余りにも熱烈的な返答に、マリは戸惑う。
「あぁそうだ!皇帝陛下はワルキューレにご入隊されるのですね?!」
「そ、そうよ・・・だから何なのよ・・・!」
「だったら私の所属になってください!お力になりますからお願いします!!」
突然、ノエルに「入ってくれ」と言われて、頭を下げられた為、マリは困り果てた。周囲が驚いた顔で見ながら、マリは「力になる」という言葉を信じてそれを承諾した。
「良いわよ・・・力になるってホント?」
「本当にホントです!必ずや皇帝陛下のお力に!!」
膝をついて宣言するノエルに、マリは復讐への道がまた一歩進んだと確信した。こうして、マリの復讐の為の世界を渡る旅が始まった・・・
これが今年最後の復讐者の世界周りの更新です。
イメージEDはディスオナードのメインテーマ。
http://www.youtube.com/watch?v=iVlVyi9rKDo
それと私から送るクリスマスプレゼントです。
そして、雰囲気ぶち壊しの中断メッセージ。
~今週の中断メッセージ~
クリスマス!
銀時「クリスマス?あれだろ、性なる夜だ」
エレン「いや・・・聖なる夜で、サンタが子供達にプレゼントを配り回る日じゃ・・・?」
リヴァイ「そうだエレン・・・サンタと言う頭のイカれたジジイがトナカイが引っ張るソリに乗り込み、家宅侵入して、プレゼントを置く」
エレン「合ってるけど・・・何か、違うような・・・?」
みほ「沙織さんから聞いた話では、恋人達の夜って聞いたけど・・・」
銀時「このお嬢ちゃんの言うとおりだよ。カップルが自宅かラブホに行って、ベットの上でズッコンバッコンする日だ。それとボッチが一人寂しくケーキを食う日だ。分かったか?坊主」
エレン「さっきから、下ネタで返してるなこいつ!」
ミカサ「エレン・・・赤い服を着たおじいさんからこれ貰った(コンドーム)」
エレン「おい!サンタ自体が子供の夢をぶち壊してるじゃねぇか!!」
ミカサ「これ付けたら、懐妊できるって言ってた。しかも同じのが10個もある」
エレン「何だよ・・・これ・・・イメージしたのと違うじゃねぇか・・・」
銀時「あのな、クリスマスは性なる夜なんだ。大人しく受け入れろ」
リヴァイ「そうだぞ、エレン。クリスマスは商業的に利用を考える連中によって変えられた。これを打開する為に、バチカンのイスカリオテ機関の礼の神父が動き出した・・・!」
アンデルセン「エェイィメェン!!」
エレン「ヤバそうな予感がする・・・」
ミカサ「大丈夫、エレンは私が守る」
エレン「いらねぇよ!!」
~END~