復讐者の世界周り Weltdrehung des Rächers   作:ダス・ライヒ

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戦う相手は緋アリのアリアなので。
その名にちなんでイメージ戦闘BGMは、モーツアルト作曲の歌劇「魔笛」の第2幕 復讐の炎は地獄のように我が心に燃え。

UPL↓
http://www.youtube.com/watch?v=FIFEj6V6rHg


詠唱歌(アリア)と狙われた巫女

 今マリの目の前にいる少女の名前は、神崎・(ホームズ)・アリア。

 誕生日は9月23日、父親がイギリス人と母親が日本人のハーフで、クォーターの祖母はディムの称号を持つ、王室公認の貴族。

 容姿はピンクのツインテールに小学生のような体型、赤紫(カメリア)の瞳を持つ人形のような愛らしい美少女。

 前の所属はロンドン武装探偵局であり、今の所属は東京武装探偵高等学校2年A組所属。

 背中には見た目からグリーズガンと呼ばれ、第二次世界大戦中、米国で生産性重視して設計された45口径短機関銃M3A1サブマシンガンを腰に付けている。そんな少女にステンレス製な45口径の自動拳銃コルト・ガバメントを向けられている彼女は、子供を迎えに行く親のような笑みを浮かべてアリアに近付く。

 

「貴方・・・小学生?」

 

「ッ!あんた・・・!それ以上近付くと風穴開けるわよ!」

 

 自分を子供扱いするような質問をするマリに強く脅しつけると、アリアは安全装置を外し、もう一つのスチールの同じ45口径の自動拳銃が入った左太腿のホルスターに手を伸ばす。

 それでも尚近付いてくるマリに対し、遂にアリアは引き金を引くことにした。狙ったのは足下であり、これでマリの足を止める。

 

「あら・・・そんなの持ってると危ないわよ?」

 

 また子供扱いされたのか、遂に二挺目の自動拳銃を引き抜き、両方をマリに向け、顔を真っ赤にしながら怒った。

 

「煩い!子供扱いするな!!私は高二だ!!」

 

 怒りの余り引き金を引いてしまう。二発分の銃声が鳴り響き、マリは瞬間移動で回避する。突然目の前で金髪碧眼の美女が消えた為、アリアは驚き、周囲に銃口を向けて探す。

 

「消えた!?何処に・・・!?」

 

「へぇ・・・怒った顔も可愛いじゃない・・・」

 

「っ!あんた一体なにを・・・!?」

 

 いきなり後ろから現れたマリに気付き、直ぐに銃口を向けた。銃口を向けられているにも関わらず、マリは子供のような笑みを浮かべながらアリアの好意の言葉を掛ける。

 

「ちっちゃくて可愛いし、声も可愛い。髪型も可愛い・・・まるでお人形さんみたい・・・」

 

 そう、アリアの周りを歩きながら続ける。

 

「ちょっと私の好みかな・・・?一緒にオシャレしたり、お菓子食べたり、お茶したり、可愛がったり?」

 

 立ち止まってしゃべり終えたマリに、アリアは銃口を向けたまま問う。

 

「言いたことはそれだけ?痛い目に遭いたくなかったら大人しく私に逮捕されなさい」

 

 銃の重みで残弾を確認したアリアは、マリに投降するよう勧告した。

 だが、そう易々と彼女が受け入れるはずも無く、左のショルダーホルスターからチェコ製の9㎜弾仕様の自動拳銃CZ75を引き抜く。銃口に装着されている消音器を抜いてそれを捨てると、アリアに話し掛ける。

 

「抵抗したら無理矢理しちゃう・・・?」

 

「そうに決まってるでしょ。そのCZ社のCZ75を出した時にあんたは抵抗の意味を示しているわ!こうなったら無理矢理にでも連れて行くしかないようね!!」

 

 銃口を構えながら強く告げた後、アリアは戦闘態勢に入る。先に仕掛けず、身構えるアリアに対し、マリは笑い始めた。

 

「アッハッハッハッ!」

 

 突然笑い始めたマリに、アリアはまた驚き、即座に警戒態勢を取る。

 

「あ、あんた・・・一体何なのよ・・・!?」

 

「あぁ、なんでそんなに大きい銃口の拳銃で逮捕するって・・・それじゃあ死んじゃうわよ?もっと貴女でも扱いやすいのにしないとね」

 

「クッ・・・!これ以上減らず口を言わせないわ!!病院送りにするくらいの用量で相手してあげる!私を怒らせたことを後悔するのね!!」

 

 マリの答えにアリアはさらに激昂した。二挺の拳銃をホルスターに戻すと、背中から二本の小太刀を抜き、突っ込んでくる。

 

「あらあら、恐い恐い。まぁ、楽しいお遊戯を始めましょうか?お人形さん」

 

 冗談交じりで告げたマリは、先に銃を撃ちながら突っ込んでくるアリアに今持っている拳銃で撃つ。

 だが、アリアが着ている制服は防弾繊維と呼ばれる特殊な布を用いた衣服なので、マリが撃った9㎜弾は勢いを殺され、弾け飛んで地面に落ちた。

 

「はったりじゃ無かったんだ・・・」

 

 防弾制服を俄に信じられなかったマリであったが、実在することを自分が攻撃をしたことで証明されたので、照準を足に向けるも、奇妙な抵抗感を覚える。その間にアリアに距離を詰められ、危うく斬られそうになる。

 

「おっと・・・!」

 

 直ぐに瞬間移動で回避するが、衣服を着られており、くびれの辺りが見え隠れする。

 

「あぁ、怒られちゃう・・・」

 

 身の危機よりも自分の衣服を心配するマリだが、アリアは容赦なく斬り込んでくる。

 港で戦った鉄の男と同じく怒りで冷静さを失っているが、海に落ちて自滅した男とは違って攻撃は単純ではなく、攻撃は少し読みにくい物となっており、衣服やズボンを斬られて行き、徐々に肌や下着が見えてくる。

 

「あら・・・ちょっとやましい気もある?」

 

 戦っていた屋内から外に瞬間移動で避難したマリは、屋内にいるアリアに勝ち誇った笑みを浮かべながら問う。少女に問うマリの姿はあられもない姿であり、着ている衣服は所々破れ、肌に身に着けている黒の下着と豊満な谷間まで見えていた。

 そのあられもない彼女の姿を見たアリアはさらに顔を真っ赤に染める。

 

「なっ、ななな何て格好してるのよぉ!?」

 

「あら、その姿も可愛い。でもやったのは貴女よ?」

 

 自分で行った行為を相手に問うアリアに最も適切な答えで返したマリだが、目の前の少女に脅威を覚えた。

 

「(服で助かったけど、あの前の馬鹿とは違って侮れない。今はあんなのだけど、後から凄く化けそう・・・)」

 

 開いている左手で銃剣を抜き、建物から出て来るアリアを迎え撃とうとする。

 二本の小太刀を背中の鞘に収め、二挺の大口径の拳銃を構えた小さな少女は、マリを遮蔽物に釘付けにせんと連続で撃ってくる。アリアが読んだとおり、マリは遮蔽物に隠れてしまい、そこで釘付けにされる。

 

「もう少し大きかったら撃てるのにな・・・」

 

 遮蔽物の車に隠れながら呟くマリは、壁越しから拳銃で反撃するも、防弾制服が当たった銃弾の勢いを殺し、弾いてしまう。迎え撃とうとするも、相手も柱に隠れて撃ってきているので、膠着状態となる。アリアの弾切れを待とうとするが、一挺ずつ撃って牽制している。

 

「流石にそうは行かないよね・・・」

 

 自分を撃ってくる相手を見ながら呟くと、何処か回り込める場所を探す。この時、アリアは携帯で応援を頼んでいた。

 

「聞こえるキンジ!今大量殺人犯と戦ってるんだけど、直ぐ応援に来れない?はぁ、何でお前がかって?そんなのどうだって良いわ!今すぐ白雪と共に来ること!!場所は例の売春組織のアジト!今すぐ来なさい!!」

 

 その声は車に隠れるマリにも聞こえており、それを耳にした彼女はクスクスと小さく笑う。

 だが、小さな腰に付いていたM3A1グリーズガンを取り出し、安全装置を外し、マリが隠れる車を撃ち始めた。連射力は低い物の、遮蔽物から動けなくするには十分だった。小さな身体に工具のような短機関銃はフィットしており、射撃は十分に安定している。

 

「機関銃持ってくれば良かった!」

 

 銃弾が当たる車で、身体を小さくして屈みながらマリは後悔した。相手の弾が切れるまで待っていると、銃声が拳銃へと変わる。

 

「これなら・・・!」

 

 好機と見たマリは、瞬間移動で一気にアリアの居る柱まで距離を詰める。

 

「しまった・・・!?」

 

 横から攻められた為、銃を向けるが、マリに無駄撃ちをさせられて弾切れであり、仕方なく小太刀を抜いて応戦する。接近したマリは拳銃を撃とうとするも、床を蹴って接近してきたアリアの峰打ちで落としてしまう。仕方なくM1917銃剣一本で太刀二本と戦うことになる。

 

「(このままじゃ勝てない・・・降参しようかしら?)」

 

 刀身が混じり合い、火花が舞い散る中、マリは戦いながら降参することを考えていた。一方のアリアは勝てると見込み、徐々に振りの速度を速めていく。体格や経験はマリの方が有利なのだが、形勢はアリアの方が有利である。

 銃剣を持つ彼女は、自分より30㎝も小さい少女からの攻撃を一々受け止めるに精一杯であり、いつ敗れるか分からない。蹴りや殺意の波動をしてやろうかと思っても隙がないのだ。

 暫く防戦を行っていると、剣が混じり合う音に混じって、四つ分のタイヤの走行音が耳に入ってくる。

 

「あぁ~、詰んだ・・・」

 

「はぁ?」

 

 道路を蹴って後ろに下がり、膠着状態から抜け出したマリが口にした言葉で、アリアは暑気に取られた。

 銃剣を捨て、両手を上に挙げて戦意のないことを示し、目の前の二刀流の少女に降参した。このマリの態度に対し、アリアは「まだ何かを隠している」と思い、刃先を向け、降参した彼女に問う。

 

「あんた・・・それって、どういう事よ・・・!?」

 

「え、何って?私、降参したんだけど?」

 

「はぁ、あんた何を言って!?」

 

 余りにも不甲斐ない結果に終わった勝負に、アリアは怒りを表したが、東京武偵校所属の車両から男子と女子の高校生二人が降りてきた所で終わる。

 

「なんだ。俺等が来る必要ねぇのかよ・・・」

 

 黒髪で少し顔の整った男子高生は、持っていたイタリアのベレッタ社の自動拳銃M92Fを懐のホルスターに仕舞い、少し機嫌を悪くする。もう一人の長い黒髪で雪のように白い肌と青い瞳を持つ少女は、似合いそうもないアメリカの軽機関銃M60を持ち、手を挙げているマリに銃口を向ける。

 応援の二人が来る頃には勝負が付いてしまっており、取り越し苦労となった。アリアはそんな二人を気にすることもなく、マリに手錠を掛けるよう命ずる。

 

「丁度良いところに来たわね。キンジ、あの女に手錠掛けなさい」

 

「その前にちょっと待て・・・!」

 

「き、キンちゃん・・・見ちゃ駄目!」

 

 少女がキンジと呼ばれる少年の目を両手で塞ぎ、マリのあられもない姿を見せないようにした。

 だが、既にキンジは目を覆い隠される前に見てしまっており、間に合わなかった。この状態もアリアも気付いたらしく、顔を赤くしながら代わりに黒髪の少女に手錠をするよう命じる。

 

「白雪、代わりにあんたがやりなさい」

 

「わ、分かった・・・キンちゃん、上着貸してくれる?」

 

「あぁ、分かった」

 

 白雪は応じ、キンジから上着を貸して貰った後、それを意味もなさない衣服を着ているマリに着せ、手錠を掛けた。

 

「午後20時32分、暴行罪並び器物破損の容疑で貴女を逮捕します」

 

 何の抵抗もせず、マリは白雪に手錠を掛けられ、キンジと白雪が乗ってきた車の後部座席に乗せられた。運転席にキンジが付き、助手席に白雪が座り、後部座席にはアリアとマリが座る。全員が乗ったのを確認すると、キンジは東京武偵校まで車を走らせた。

 少し揺れる車内で、暫し沈黙の空間が続くが、それをマリが口を開いて沈黙を破る。

 

「ねぇ、アリアちゃんって言ったかな。私の携帯取ってくれる?」

 

「子供扱いするな」

 

 自動拳銃を抜いてマリに向けるが、ハンドルを握るキンジに言われる。

 

「アリア、取ってやれ。まだこの人が犯人だと決まったわけじゃない」

 

「クゥ・・・もう、分かったわよ」

 

 悔しがるアリアはマリの身体を探り始めた。肌に触れると、態と声を出すマリであるが、数秒後には奇跡的に無事だったスマートフォンが見付かった。見付けたことを示すため、スマホをマリに見せる。

 

「ありがとう。じゃあ、電話帳からノエルってのを触れて」

 

「分かったわよ・・・」

 

 マリからの頼みに、アリアは慣れない手付きで電話帳を開き、ノエルの文字の書かれた場所を小さな指で触れ、通話を押した。

 

「どうも。じゃあ、耳に当てて」

 

「それくらい自分でやりなさいよ!」

 

 空いている手で拳銃を向けるアリアからそう言われたので、仕方なくマリは手錠の掛かった手でスマホを取り、それを耳に当てる。

 

『カイザー、何用で?』

 

「あぁ、ノエルちゃん?私、武偵に捕まったの。東京の武偵校まで迎えに来てくんない?」

 

『ぶ、武偵校に!?あれだけ言ったのに!!』

 

 連絡相手の可愛らしい怒り声に、マリは小さく笑いながら謝る。

 

「ごめんごめん。Sランクのアリアちゃんとちょっと踊ってたら、勝てなくて降参しちゃった」

 

『もう、どうして貴女はそう・・・まぁ、仕方ないです。迎えを寄こしますから、何も喋らないでくださいね』

 

「大丈夫、喋る気ないから」

 

 諦めたノエルに、マリはそう答えて連絡を切った。

 

 

 

 所変わって旧フォールド王国首都フォウドヴィッス跡地にある建物の一部屋にて、新たな刺客が今マリの居る世界へ送り込まれようとしていた。

 

「弱兵の集団とはいえ、1800人編成の連隊を二つ壊滅させた女だ」

 

 玉座に見立てた椅子に座る腰まである紫色の髪を持つ男リガン・ゾア・ペン・ムガルは、片膝を付く白いタキシードを着て、白いシルクハットを被り、杖を持つ右手を床に付けている190㎝の男と、ポケットに手を突っ込みながら同じくらいの身長な男の目の前で口を動かす。

 ポケットに手を突っ込んでいる男は、リガンを睨み付けるなどの無礼極まりない態度を取っているが、彼は全く気にせず続ける。

 

「さらにこの一ヶ月で能力を三つも取り戻しておる。とても油断はならん、早急に手を打つ必要がある」

 

「と、言うことは、この私、元魔法王国の王子マジェスティックプリンスの出番ですね?」

 

 顔を上げ、自分の名を口にした男は、自信に満ちた表情を浮かべながらリガンに問う。

これに対し、リガンは頷く。

 

「うむ。祖国を滅ぼされ、次元の狭間で漂流していた貴様を拾ってやった恩、聖女の死体、首、それか生きて私の前に差し出すことで示して見せよ」

 

「御意にございます、皇太子様。このマジェスティックプリンス、聖女の生死は問わず、必ずや連れて参り、貴方様に拾われた恩をお返しします」

 

「うむ、その息だ。貴様は一個中隊を預ける。現地の部隊と協力し、その言葉通り必ずや討って見せよ」

 

 リガンからの命令に応じたマジェスティックプリンスは、立ち上がり、頭を下げるなどの礼をし、この部屋を後にした。次にリガンは失礼な態度を取る男に目を向ける。

 

「貴様も頼むぞ。ミレニアム」

 

「大先輩だコラ。てめぇ、誰に向かってその口聞いてんだぁ?」

 

 目上の者に対して余りにも無礼すぎる男は、さらにリガンを睨み付けた。

 

「フッ、それなら先輩の意地を見せよ」

 

「チッ、分かったよ!見とけよ、あんな調子扱いた後輩よりも先に”せいじょ”てっのを先に仕留めてやる!」

 

 リガンからの覇気で、あっさりと受諾したミレニアムという男は、マジェスティックプリンスと同じくこの部屋を後にする。二人が出て行った後、リガンは椅子の肘掛けに手を置きながら、予備の戦力を投入する必要も考えた。

 

「予備として、十人格の候補者も送っておくか・・・」

 

 

 

 一方、東京湾の浮島にある東京武偵校に連行されたマリは、取調室へと連れて行かれる所だった。

 

「降りなさい」

 

 45口径の拳銃を向けながらアリアはマリに降りるよう指示する。代わりの生徒が車両を倉庫に戻すため、キンジと白雪も降りてアリアに同行した。マリが辺りを見渡し、武偵校の周囲を確認していると、アリアに銃を突き付けられる。

 

「何処見てんのよ」

 

「偵察?」

 

 答えたマリは視線を正面に向け、先に進むキンジの後へと続く。またも沈黙の空間が生まれそうなので、マリは白雪に話し掛けた。

 

「ねぇ、貴女。どう見ても前線に出るタイプじゃないけど、そこの付き添い?」

 

「喋るんじゃないわよ」

 

 またアリアに銃口を突き付けられたが、キンジが宥める。

 

「おい、そんなに銃口を突き付けんな。武偵法を破る気か?」

 

 言われたアリアは舌打ちをし、マリを睨み付けながら黙り込んだ。連行した金髪の女から問われた白雪は適当に答えた。

 

「なるべく人手が多い方が良いかな?て思って」

 

「そう。貴女、何か狙われている感じがするんだけど」

 

 この何気なくマリが言った事で、三人が驚いたような顔付きをした。言った本人は本当に何気なかったが、三人がした表情を彼女は逃さなかった。

 

「ね、狙われてませんよ。私・・・」

 

 白雪が答えを噛んだことを、マリは図星と悟った。だが、アリアに自分を疑わせる要因を作ってしまう。

 取調室に連れ込んで、マリの正体を確かめてやろうと考えるアリアであったが、間が悪かったのか、取り調べる予定だった犯人の迎えが来てしまった。

 

「居ました!」

 

「おう、居たか。連れてさっさと引き上げんぞ!」

 

 バラクラバを被り、フランスのブルパップ式突撃銃FAMASを持つ淺緑色の戦闘服を着た女性兵士の声が聞こえてくると、次に男の声が聞こえた。

 

「(ノエルじゃない?)」

 

 男の声を聞いてマリはノエルが来てないと分かると、教師らしい男と共にやって来た灰白色の髪の男が目に入った。女性兵士と同じく、腕にワルキューレの所属を表すワッペンを付けている。

 

「おぉ、そいつだ。そのほぼ半裸状態の女。なんか着る物持ってこい」

 

 写真を見ながら男はマリを指差して、近くにいた部下らしき先の兵士と同じ銃と戦闘服を着た女性兵士に指示を出す。男は写真をポケットに入れて、同じ身長のマリに近付き、睨み付ける。

 

「おうおう。良くもまぁうちに迷惑掛けてくれたなぁ?」

 

 手にポケットを突っ込み、マリを睨み付けると、女性兵士が持ってきた上着を手に取る。次にキンジを目に付けると、「外せ」と顎で指示する。

 

「おい、そこの餓鬼。手錠を外してやれ」

 

「あっ、はい・・・」

 

 キンジは直ぐにマリの手に掛けられた手錠を外した。だが、アリアは納得できないようで、男に噛み付く。

 

「ちょっと、どういう事!なんで連れて行くのよ!?もう少しでこいつがデュランダル・・・」

 

「あぁ!?ウッセーぞ糞チビ!お子ちゃまはうちに帰って寝る時間だろ!」

 

 言っている最中に男がアリアに怒鳴り付け、口喧嘩が始まりそうになるが、教師に止められる。

 

「止めなさい!では、この方で良いですね?」

 

「あぁ、その女だから。よし、ヘリまで行くぞ」

 

 キンジの上着から男の部下が持ってきた上着に着替えると、マリは向かえ男と二人の女性兵士の後へ続いた。アリアは向かえの男の後へ続くマリを睨み付ける。

 男が乗ってきた乗用車まで来ると、形が違う女性兵士と同じ色の戦闘服を着て、帽子を被った男性兵士がドアを開け、先にマリを乗せた。他の女性兵士がマリと同じ後部座席に乗り、男が助手席に座ると、全員が乗ったのを確認した兵士は運転席に座り、ハンドルを握った。エンジンを掛けて運転手がアクセルを踏むと、連絡橋へ向けて車を走らせる。

 周りを武装した女性兵士に囲まれ、自分らの乗る連絡橋を走る中、マリはアリアが言った「デュランダル」と言う単語が気になる。

 

「(もしかしてそのデュランダルってのがあの娘を狙ってる奴かな?)」

 

 心の中で右の窓から見える東京湾を見ながらそう脳内でマリは考える。視線を正面に戻すと、迎えの男はマリが持っているとは違う別機種のスマホを懐から取り出し、触り始めた。

 

「(後で調べてみようかしら?」

 

 心の中で呟いたマリは、基地に帰れば調べることにした。




~中断メッセージ~

回収ミッション!

カズ「スネーク、今回の任務は・・・」

BIG BOOS「あぁ、分かっている。あれだろ」

カズ「今回は、ワルキューレの基地に潜入し、重要な書類を回収する任務(ミッション)だ」

BIG BOOS「済まないがカズ。端末で調べてみたんだが・・・これはただグラビア写真集じゃないか・・・」

カズ「スネーク、何を勘違いしている?」

BIG BOOS「はぁ?」

カズ「その写真集は決して表では手に入らない大変貴重な写真集だ。それを俺達は手に入れなければならない」

BIG BOOS「どうてもか?」

カズ「あぁ、どうしてもだ!何故ならマリ・ヴァセレートとシューベリア、合法ロリBBAのルリ・カポディストリアスの水着・下着写真集だからだ!!」

BIG BOOS「そこまで熱く語るとは・・・じゃあ、取ってきてやる」

カズ「ありがとうございます!!」

BIG BOOS「ただし、どんな事になってても知らないぞ?」

カズ「なるべく・・・無傷で頼む・・・」
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