復讐者の世界周り Weltdrehung des Rächers   作:ダス・ライヒ

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前回のあらすじ。
フェイタリティ・・・!

自分が知っている氷タイプの戦士

氷の造形魔道士 グレイ・フルバスター

護廷十三番隊十番隊隊長 日番谷冬獅郎

海軍大将 青キジ

スタンド使いのハヤブサ ペットショップ

エックスメンの一人 アイスマン

上げると面倒臭いので他多数。


絶対零度

 マリは、チェコの自動拳銃CZ75をこちらへ向かってくる黒と青のツートンカラーの服装をしている背丈188㎝の男、絶対零度(サブ・ゼロ)に対し、引き金を引いて銃を撃つが、発射された銃弾は凍気で凍らされ、堅いコンクリートの上に落ちる。

 続けて発砲するも、目の前の忍者のような男に対しては全くの無駄であり、近付かれたサブ・ゼロに拳銃を持つ右手を攻撃され、CZ75を手放してしまった。

 次に左手でポケットナイフを取り出して、突き刺そうとするも、これも左手を殴られてはたき落とされてしまう。

 

「チッ」

 

「武器はそれだけか?」

 

 武器を全て無くして舌打ちをしたマリに、サブ・ゼロは余裕を見せながら告げる。このサブ・ゼロの態度がマリを少し怒らせたのか、彼女は相手の背後に瞬間移動し、後頭部を殴ろうとする。

 

「甘い!」

 

 瞬時に後ろから攻撃してくるマリに気付いたサブ・ゼロは己の分身を氷で作り、攻撃を回避した。氷で作られた分身は攻撃で砕けるが、砕けた氷の中からサブ・ゼロの拳が飛んで来た。回避できる筈もなく、胸部に重い拳を食らい、後ろへ蹌踉ける。

 吹き飛ばされずに倒れこそはしなかったが、かなりのダメージを食らった。唾液を吐いて体勢を立て直したマリを見て、サブ・ゼロは右手で彼女を指差しながら告げた。

 

「この程度のパンチで蹌踉けるとは、この先の戦いは乗り越えられないぞ!」

 

 言い終えれば反撃をする隙も与えようとせず、片膝を付けて両手を合わせて氷の闘気を溜め、それをマリに向かって掛け声と共に放った。

 

「トリャア!」

 

 サブ・ゼロの両手から放たれたボールのような冷気の塊は凍気波(フリーズショット)と呼ばれており、当たった敵を凍らせる効果のある技だ。

 勢いよく飛んでくる凍気波を、マリは下を蹴って上手く回避したが、サブ・ゼロは続いて氷流脚と呼ばれる堅いコンクリートを凍らせ、威力の高いスライディングアタックを彼女に仕掛ける。

 

「クッ!」

 

 辛うじて回避に成功し、体勢を戻そうとするサブ・ゼロに反撃を試みるも、受け止められてしまう。

 

「腕は良い・・・だが、遅すぎる!」

 

 マリの拳を受け止めながらサブ・ゼロは空いている手で凍気を溜め込み、彼女の足下を凍らせ、移動不能にした。

 

「う、動けない・・・!?」

 

「遅い・・・!相手はそうそう待ってはくれないぞ!」

 

 必死で氷から出ようとする相手に、急げば回避できた筈の攻撃を回避しなかったマリに激怒し、サブ・ゼロは強力な蹴りを彼女の腹に食らわせた。

 攻撃を受けた途端、マリの足首ごと凍らせていた氷が解け、彼女は吹き飛ばされ、地面に倒れる。倒れたマリは唾を吐いて立ち上がり、左手で口元を拭ってから口を開く。

 

「だって、あんたみたいなのと戦ったこと無いもん」

 

「そう言えばそうだったな・・・」

 

 もっともなマリの答えに、サブ・ゼロは冷静になって彼女を見て口を動かす。

 

「(ちょっと動きづらい)」

 

 今マリが着ている白いブラウスと黒いスカートは余り戦闘に向いてない衣服の所為か、動きづらかった。

 思い切った彼女はブラウスとスカートを破り、綺麗な腕や脚、腹の辺りが露わになった黒いノースリーブとスパッツの姿となる。この動きやすく露出度が増えたマリの姿を見たサブ・ゼロは、腕を組みながら場違いなことを問う。

 

「なんだ、誘惑でもしてるのか?」

 

「違うわよ。ちょっと動きやすい服装にしただけよ」

 

 豊満なバストを揺らしながら準備運動をするマリは、的確な突っ込みをサブ・ゼロに入れる。ツッコミを入れられた氷の戦士は「それもそうだな」と一言入れ、凍気波を放った。

 即座にマリは先程脱ぎ捨てた衣服を投げ、攻撃を防いだ。この防ぎ方にサブ・ゼロは感心したのか、彼女にお褒めの言葉を告げた。

 

「ほぉ、脱いだ衣服で防いだか・・・だが、これはどうかな?」

 

 両手に氷の槍を作り、それをマリに向けて投げた。身軽になった彼女はその攻撃を軽々と回避し、続いての攻撃を瞬間移動で回避して、サブ・ゼロの顔を殴り付ける。

 吹き飛びはせず、ただ地面に足を付けながら数㎝ほど下がっただけだ。空かさず追撃の一手をマリは掛ける。

 

「ごぉ!?」

 

 サブ・ゼロの腹にパンチを入れ、さらに蹴りを加えて左へ吹き飛ばす。倉庫の壁の方へ向かって飛んでいくが、凄い速さで体勢を変え、サブ・ゼロは壁に両足を着けた。そのまま勢いを付けて壁を蹴り、マリへの反撃に出る。

 僅かな滞空時間でまた体勢を変え、マリに蹴りを食らわせようとした。だが、これも避けられてしまい、マリの攻撃を受けてしまうが、サブ・ゼロの狙いはそこだった。

 両腕をクロスさせて攻撃を受け止め、衝撃で後方へと少し飛んだ。受け身を取って地面に身体が着けば、即座に立ち上がって凍気波をマリに向けて放つ。

 

「とりゃあ!」

 

「また!?」

 

 今度はスカートを投げて凍気波を防いだが、突如と無く凍ったスカートが割れ、無数の欠片の中からサブ・ゼロの拳が飛んでくる。咄嗟に左手を出して防御し、攻撃を防いだ。

 

「クッ・・・!」

 

 攻撃が重かったのか、左手に強い痛みを感じ、サブ・ゼロから距離を離した。簡単には逃さない筈もなく、相手は追撃を掛けてくる。

 マリは反撃をするしか無くなり、続々と繰り出される拳を受け止める事となる。やはりサブ・ゼロは人間の範囲を超えているためか、一発一発が重たい拳であり、さらには打つ速さも凄まじく、反撃もままなら無い。

 

「(こいつ・・・どんだけ強いのよ・・・!)」

 

 心の中でそう思いながら、次々と繰り出される拳を受け止めるしかなかった。状況を打開する為、サブ・ゼロの顔面に向けて唾を吐いた。

 吐き出された唾を防ぐためか、拳を打つのを止め、顔の目の前でマリから吐き出された唾を凍らせる。その隙を見て、マリはサブ・ゼロの顔面を思いっ切り殴る。

 

「グッ!姑息な手を使う・・・!」

 

「私、正々堂々と勝負しないタイプなの」

 

 殴られた頬を抑えずに問い、反撃に出るサブ・ゼロに対し、マリは余裕の表情をしながら答えた。今度は蹴りを入れての打ち合いとなり、両者とも互いを譲らずとなる。

 唾を掛けられたことに少し根を持ったのか、サブ・ゼロはマリの足下を凍らせ、バランスを崩そうという手を取る。

 

「わっ!?ちょ・・・!」

 

「そちらが唾を掛けるなら、私はお前の足下を凍らせるまでだ!」

 

 バランスを取ろうとするマリに、容赦なくサブ・ゼロは攻撃を入れる。マリは軽装になったとは言え、防御力は極度に低下している為、攻撃力が馬鹿にならないサブ・ゼロの攻撃を受ければ思い一撃となる。

 凍った足場から瞬間移動で離れ、後ろを取って蹴ろうとするが、蹴ったのは氷分身であり、蹴るために使った左足が凍ってしまう。

 

「ぐぁ・・・!」

 

 左足を抑えて解凍しようとしている最中に、後ろからスライディングで迫ってきたサブ・ゼロの攻撃を諸に受け、衝撃で上に吹き飛んだ。反撃の出来ない彼女を右手で顔面を殴り付け、さらに右脚の肘で背中を打つ。

 

「ガハッ!」

 

 目を見開いて口から唾液を吐き、鼻血を出しながら空中に少し滞空するマリであるが、サブ・ゼロは容赦なく左腕の肘攻撃を胸に食らわせ、彼女を地面に叩き付けられた。

 

「ガッ、ゴホッ!ゴホッ!」

 

 叩き付けられたショックで咳き込むマリであるが、そんな彼女に対して、サブ・ゼロは慈悲もなく、腹筋もない腹を踏み付け、罵倒の言葉を浴びせる。

 

「どうした、お前はその程度か?先程の威勢は何処へ行った?」

 

 踏み付けながら罵倒するサブ・ゼロに、マリはただ声を上げて苦しむ。だが、サブ・ゼロは致命的なミスをしてしまった。

 相手の両腕と両脚を凍らせおらず、地面に付けている足を晒してしまったのだ。直ぐにマリは左足を掴んで相手を転ばせ、踏んでいる右足が離れれば、瞬間移動である程度の距離まで離れ、地面を蹴って反撃に移った。

 地面に倒れることなく立ち上がったサブ・ゼロは、殺意の篭もった瞳で見ながら殴り掛かってくる金髪の女に身構えた。長くて細い腕から連続で素早く放たれる拳を相手は冷静に受け止め続ける。ただひたすら繰り出されるパンチを受けながらサブ・ゼロは考え始めた。

 

「(何かのスイッチが入ったかのようだな。暴走してる)」

 

 殺気に満ちる瞳をし、無表情で攻撃してくるマリを観察しながらそう脳内で判断する。蹴りを入れてバランスを崩そうとしたが、足で受け止められてしまう。アッパーしてマリから距離を離し、凍気波で凍らせようとするも、瞬間移動で回避される。

 再び向かってくるマリに、このままでは膠着状態になると察したサブ・ゼロは、無力化する事にした。

 

「少しは認めてやろう・・・」

 

 そう呟いて手から冷気を放ち、自我を失っているように見えるマリに向かった。

 凍気で長い棒を作り上げ、マリの攻撃を回避し、足を凍らせて動けないようにして、後頭部に思いっ切りその棒を叩き付けた。足下を凍らせていた氷は解け、後頭部を殴られたマリは気絶し、地面に仰向けになって倒れた。

 

「実力は良かったが、自我を保てないのが残念だな」

 

 持っていた氷の棒を消し、倒れるマリに続ける。

 

「尤も、自我を保てていれば、この攻撃も避けられていたら、完全に合格だ」

 

 最後まで言い終えた後、やって来た弟と合流し、火薬庫から騎士のような格好をした銀髪と雪のように白い肌の少女を連行して出て来るアリア、キンジ、巫女服姿の白雪に視線を向けた。

 

「あんた等、何者よ?それにそいつ・・・」

 

 開いている左手から出した45口径の自動拳銃コルト・ガバメントを向けながら二人のサブ・ゼロに問う。キンジも身構え、白雪は腰に差してある日本刀を抜く素振りを見せていた。

 

「貴方は・・・!?」

 

 連行されている少女は、サブ・ゼロの姿を見て、驚いた表情を見せた。

 

「おぉ、君か・・・どうやら負けたようだな。”ジャンヌ・ダルク”の子孫よ」

 

「はい・・・貴方の教えも適わず、彼等の見事な連携で敗れました」

 

 暗い表情を見せる“ジャンヌ・ダルク”の子孫と名乗る少女に、サブ・ゼロは「そんなことはない」と励ます。

 

「君は全力で戦った。恥じることはない」

 

 この言葉が嬉しかったのか、少し顔を赤らめた。次にアリアがサブ・ゼロに問い掛けてくる。

 

「ねぇ、あんた等。ジャンヌとどんな関係?と、言うか何者?」

 

「なに、ただ氷の使い方を教えただけだ。そこの後ろでマスクを脱いでいる男は私の弟だ」

 

 後ろでマスクを脱いで、厳つい風貌の素顔を見せる弟に手を翳しながら答えた。その後、やって来た警備部隊にジャンヌの身柄を引き渡した。サブ・ゼロ兄弟はアリア達が目を離した瞬間に消えており、何処へ消えたか分からなかった。

 先程の学園島で大規模な戦闘を行っていたZEUS(ゼウス)と組織のメンツは、警備部隊が動き出したと同時に姿を消しており、あるのは多数の月光の残骸とマジェスティックに雇われた柄の悪い者と傭兵の死体が転がっているだけだったと言う。

 そしてマリはと言うと、警備部隊に引き渡され、迎えに来たワルキューレの者達に施設へ送還となった。

 

 数時間後、夕焼けが上った頃、マリは白いベッドの上で目覚めた。

 

「あぁ、間に合わなかった・・・」

 

 窓から見える夕焼けが上る横浜の景色を見ながらそう呟く。横のタンスの上に置かれている手鏡を取って自分の顔を見てみると、サブ・ゼロに殴られた頬にガーゼが張られていた。

 

「治るまでいつになるかしら?」

 

 顔の傷を確認しながら呟いていると、ノエルと京香が部屋に入ってきた。

 

「傷の具合はどうですか、皇帝陛下」

 

 入ってきたノエルは、不安そうな表情を見せながら問い、ベッドの上に居るマリは頷いて答える。

 

「それは良かった・・・聖女の顔を傷付けるとは・・・一体どれほどの無礼な奴か・・・」

 

 安心しきった後、ノエルが小声でブツブツと呟いている言葉が耳に入った。京香にも聞こえていたらしく、彼女は苦笑いしながら上官を宥める。あの後、どうなったのかをマリはノエルに聞いた。

 

「ZEUSと呼ばれる勢力と組織との戦闘がどうなったかって?双方とも学園島から逃走したそうです」

 

 資料を見てから報告するノエルに、京香が上官の持っている資料を覗きながら続ける。

 

「それも煙のように消え去って・・・痕跡は組織に雇われた付近に居る・・・DQNと金に目の眩んだ暴力団員、麻薬中毒者、外国から集めた傭兵の死体と、異世界から持ち込まれた多数の無人機の残骸だけです。生きている何名かは、こちらの息の掛かった警備部隊が拘束し、当基地に連行し、尋問中であります」

 

 報告を終えた京香は少しやりきったような表情を見せ、隣にいたノエルは、出番を取られて少し不機嫌な顔付きになる。

 

「へぇ・・・そうなんだ・・・」

 

 そんな二人を気にすることなくマリは頷くと、あることを思い出し、それを口にした。

 

「あぁ、そうだ。あの学園島に潜入したいんだけど、装備ある?」

 

 突如発せられた信じられない言葉を聞いたノエルと京香は顔を青ざめ、口を震わせながら辛うじて動かす。

 

「せ、潜入って・・・!?」

 

「な、なに考えてるんですか!?」

 

 京香が真っ青にしながら言った後、ノエルがマリの肩を掴んで、目を見開きながら何故そのようなことをするのかを問う。表情からして冷静さを失っており、マリの事を病人だと忘れているようだ。

 

「ど、どうして潜入するんですかぁ!?幾ら私達がスポンサーだからとは言え、問題起こせば上の人が・・・!」

 

「はいはい、落ち着いて。誰も殺さないし、何も壊さないから・・・」

 

 涙目で言い寄ってくるノエルに、マリは冷静に答えた。

 

「うぅ・・・分かりました・・・命令書作成して兵站部に装備貸し出しして貰います・・・」

 

 言葉と優しげな表情でなんとか納得したノエルは、涙を拭きながら部屋を出て行った。残された京香は、上官であるノエルが置いていった資料を確認した後、特に報告することもなかったので、出て行くことにする。

 

「では、自分もこれで」

 

 病室を出た二人の部下を見送った後、マリは窓から見える景色に視線を戻した。

 一方、日が沈んで月の光が差し込めてくる頃、二人のサブ・ゼロは何処かの倉庫の前にいるフリッツの元を訪れた。

 

「どうだった、あの女の実力は?」

 

「あぁ、実力と才能は悪くないが、自我を保てないのが難点だ」

 

 兄であるサブ・ゼロが、フリッツの問いに答えた。

 

「そうか、”ハン”。それで、”カイ”。スコーピオンは襲撃してきたか?」

 

「いや、彼は来なかったよ。取り敢えず今日は運が良かった」

 

「それは良かった・・・では、次の世界へ行くか」

 

 次に問われた弟のカイは即座に答え、それを聞いたフリッツは「次の世界へ行く」と二人に告げた。

 

「それもそうだな、ここのワルキューレの部隊なら十分に組織は食い止められる。我々が居る必要はない」

 

「では、次も厄介な仕事が来た。しかも急な仕事だ。ここで油を売っている暇はない。行くぞ」

 

 尤もなことを兄であるハンが言うと、フリッツは懐からペンを取り出し、それを何もない場所に下に走らせると、空間が歪み、人が入れるほどの大きな穴が現れた。フリッツを始めとした他のZEUSの面々が出来た穴へと入っていき、最後にサブ・ゼロが入ると、穴は閉じ、元の何もない場所へと戻った。

 物陰から気配を消して見ていた人影があったが、彼等は気付くことなく新たな戦場である世界へと向かった。




なんか微妙なお色気と戦闘描画・・・
モーコンのもう一人の看板キャラであるスコーピオン出そうかと考えてたけど、ややこしくなったので取り止めに。
次回は東京武偵校へ潜入する(するとは言ってない)予定です。はい。

今回もまた思い浮かばないので中断メッセージはお休み。

ビッテンフェルト「おのれぇ・・・悪劣な・・・!」
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