復讐者の世界周り Weltdrehung des Rächers   作:ダス・ライヒ

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長くなったので、二話分に分けて投稿します。

今回はHALOからUNSCとコブナント軍が登場し、自分で考えたオリジナルのリアルロボ物の戦闘ロボが登場します。

名前はチャット仲間に決めて貰いました。まぁ、名前は被っちゃうけど。

※機体に統一性が見られないとして、書き直しました。


空で一番ヤバイ奴

『こちらブラックキャッスル。全機、降下用意。降下後、地上の敵の掃討に当たれ。ヴァンキッシャーのGとE小隊は地上支援に当たれ。オーバー』

 

宇宙における戦闘が終わった後、マリとヴァンキッシャー隊は軽空母から揚陸艦に乗り換え、惑星アスターの地上における残敵排除に加わった。連戦で披露している筈のヴァンキッシャー隊だが、前にも連戦に次ぐ連戦を経験してきたのか、少しの休憩で体力が回復したようだ。

 マリは(ゼータ)ガンダムからスペックがさらに劣る戦術機に乗り換える。機種はEF-2000タイフーンと同じ名を持つ第三世代機だ。またあの専用の強化装備を着用しているので、不満を抱いている。

 ちなみに、乗っていたZガンダムは宇宙の戦闘で操縦系統が異常を来し、受理された整備場へ送り返された。

 ヴァンキッシャー隊の所持していた機体も損傷が激しく、余っていた機体にそれぞれ乗り合わせていた。

 第1中隊のA小隊はティラノサウルス型ゾイドであるジェノザウラー、B小隊は百式と呼ばれるMSの改良型の量産機である量産型百式改、C~D小隊は戦術機ラファール。

 第2中隊のE~G小隊は可変戦闘機のVF-11Cサンダーボルト。H小隊はハーディガンと呼ばれる半永久機関レインボーエネルギーで動く連邦・同盟に現役の人型兵器に乗り込んでいる。

 ザシャだけは大戦時ドイツ空軍の単発爆撃機Ju87スツーカとフォルムが似た新型可変機であり、他三人はラタトスクと呼ばれる全長23m可変系攻撃機型ハーディガンだった。大隊長もハーディガンだが、地上専用機で他二人の中隊長はG小隊と同じVF-11である。

 

「バラバラね・・・」

 

 格納庫から見える機種がややバラバラな各機をカメラ越しで見たマリはそう呟く。降下まで残り数分となり、目の前のハッチが開いた後、降下中止を知らせる通信が入る。

 

『ブラックキャッスルより各降下部隊に告ぐ、降下は中止だ。降下予定ポイントにこの星から脱出しようとする同盟軍の艦艇を確認、コブナント軍だ。航空戦力のみ発艦せよ』

 

『おいおい、大型の艦艇まで侵入してのかよ。絶対防衛線ゆるゆるじゃねぇーか』

 

 通信にツチラトの突っ込みが入り混じった後、航空機が可能な戦力が揚陸艦から発進していく。

 

『テーゼナー少尉。貴官の搭乗機は、大戦下のドイツ空軍の単発爆撃機ユンカースJu87スツーカを模した可変系ハーディガンだ。搭載されている機銃や爆弾は現行の物でミサイルも付いている。二人乗りは出来ないが、急降下爆撃も行え、ジェリコのラッパも鳴ると言う機能も備えている。完全に開発者の趣味で混じった新型機だ』

 

「なにそれ。完璧にネタ機体じゃない」

 

 チムーロヴィッチの通信を聞いていたマリは、ザシャが乗る新型ハーディガンを「ネタ機体」と表した

 

『無理に急降下爆撃をする必要はない。そいつの実戦データの収拾がお前の任務だ。鳥になってこい!』

 

『了解』

 

 ザシャがそう返答すると、彼女は部下達やG小隊、他の航空部隊と共にカタパルトで大空に舞う。開いたハッチの外から見える大空では、本隊の航空部隊と敵機との交戦しているのが見える。航空部隊が全機飛び去った後にマリは機体を動かし、G36を模した突撃砲を同機から奪ってハッチまで走る。

 

『おい、返せよ!』

 

 同じタイフーンに乗る衛士がマリの乗る機体の肩を掴んだが、彼女は振り払う。ハッチの直前に立つと、通信機から管制官の怒鳴り声が聞こえてくる。

 

『レッヒャー1!まだ降下命令は出ていないぞ!!直ちに配置に戻れ!』

 

 怒鳴り声が聞こえてくるが、マリは無視して飛び降りようとしていた。

 

『誰かあの女を止めろ!ハッチを閉めろ、馬鹿が飛び降りようとしている!』

 

 管制官はマリを止めようと、手近な機体に指示を出し、ハッチを閉め初めた。だが、彼女の方が早く、マリが乗ったタイフーンはハッチから飛び降りた。

 

『ジャンプユニットを使って降りろ!レッヒャー1!!聞いているのか?!』

 

 未だに通信機から管制官の怒鳴り声が聞こえてくるが、マリは無視して真下にいる敵艦へと向けて降下する。異種な形の航空機がワルキューレの可変戦闘機や可変MS、航空機と死闘を繰り広げられていた。

 コブナント軍の主力戦闘機セラフ達の中に、ザフトが開発したディンと呼ばれる大気圏用MSや、似合いそうなヴェイガンのガフランやバクト、ドラドまで居る。

 さらにネオゼネバス帝国のカブトムシ型小型ゾイドサイカーチス、エイ型小型ゾイドシンカーすら居た。

 着々とコブナント軍の空母まで降下していくマリのタイフーンであったが、敵が見逃すはずもなく、異形の戦闘機が攻撃を浴びせてくる。

 

「凄い激戦じゃない」

 

 直ぐに両手に握った二挺の突撃砲で迎撃し、数機以上を撃ち落とす。続いてコブナント軍が保有する大気圏用MSやゾイドが襲い掛かってきたが、マリやワルキューレの機体に次々と堕とされてしまう。

 

『なにやってる!?早く母艦へ・・・』

 

 近くで友軍機のVF-11が変形して空中静止し、戻るように伝えた途端、敵機に撃墜された。撃墜したのは複数のディンであり、マリに向けて重突撃機銃や対空散弾銃、ミサイルを撃ってくる。他にもガフランやバクトまで現れ、ビームの弾幕を浴びせる。

 飛来してくるシンカーを足蹴にして、攻撃を巧みに回避する。空かさず反撃し、何機か撃ち落とした後、1450m級のコブナント軍の超空母へ着地した。

 

「なんて無茶苦茶な人なの・・・!?」

 

 危なっかしい方法でも、一発も被弾もせずに空母へと着地したマリの腕前を見て、ザシャは驚きの声を上げた。そんな彼女にも、複数の敵機が襲い掛かる。上からディンやガフランに、後ろからはサイカーチスにシンカーだ。

 どれもこれも従来の航空機から空を奪うような機体ばかりで、さらに戦闘ヘリのようなMSであるザンスカール帝国が開発したトムリアットや、同国で開発されたアインラッドと呼ばれるタイヤ型支援用メカに乗り込んだブルッケングまで来た。

 

「こんなふざけたのが空を飛んでるなんて・・・」

 

 空を飛ぶタイヤの集団を見て、ザシャは苦言を漏らした。彼女が乗っているのはスツーカの模した可変系ハーディガンであるが、後方機銃など付いているはずもなく、後方から迫る多数の敵機からビームの弾幕を受ける。

 

『変形しろ!ザシャ!!』

 

 シャロンが乗るVF-11が複数の敵機を堕としてからザシャに変形するよう命ずるが、彼女は無視して上や後ろから来る敵機の攻撃を回避し続ける。目の前で照準に入った敵機には、躊躇うことなく機銃攻撃を浴びせて撃墜した。

 

『隊長!援護します!!』

 

 チェリーが乗っている攻撃機型ラタトスクが変形し、後ろからザシャを追い回す敵機へ向けてビームマシンガンを撃ち始める。千鶴、ペトラの搭乗機も駆け付け、ある程度撃墜してザシャを包囲しようとしていた敵機を追い払うことが出来た。

 

「ありがとう。チェリーちゃん、千鶴ちゃん、ペトラちゃん」

 

 自機の後ろで編隊を組んだ三機にザシャは礼を言う。自分の上官が乗るVF-11が接近してきて、通信でザシャを叱った。

 

『ザシャ、人型形態は何のためにある!追尾から抜け出すためにある物だろう!』

 

「す、すみません・・・今度からします・・・」

 

 上官であるシャロンの叱りに、ザシャは小さく謝った。謝ったのを聞いたシャロンは編隊から外れて戦闘に戻る。一方の空母へ降りたマリは、飛行甲板から出て来る敵を次々と撃ち倒していた。

 惑星同盟参加国の一つバララント同盟で開発されたカエルのような外見を持つファッティーと呼ばれるATが携帯式四連装ロケットランチャーを撃つも、避けられて蜂の巣にされる。

 ちなみに太っちょ(ファッティー)は敵対同盟のギルガメスが付けた蔑称であり、本当はカエル(フロッガー)と呼ばれている。

 

「ゾロゾロと・・・!」

 

 エレベーターから他の陸戦兵器と共に出て来るフロッガーが出て来るのを見て、苛立ちを覚える。下の階へ降りるエレベーターへ向けて、左腰から戦術機用の手榴弾を掴み、それを投げ付けた。18m級の人型兵器に合うほどの手榴弾がエレベーターに落ち込み、大爆発を起こす。

 もう一度手榴弾を取り出し、エレベーターへ向けて投げ込んだ。大きな手榴弾は煙を上げるエレベーターへ入り込み、再び大爆発を起こした。ダメ押しに突撃砲の銃身下部に着いている滑腔砲を手当たり次第に撃ち込む。

 近い全長のMSジンやネオジオンで開発されたガザEが出て来たが、滑腔砲の直撃を受けてやられる。爆風が弾薬庫に引火したのか、飛行甲板の各所で爆発が起こっていた。

 

「ちょっと不味いかも」

 

 フロッガーが爆風に飲まれて吹き飛ぶのを見て、マリは急いで超空母からの脱出を決めた。空母がバランスを崩して傾く中、ジャンプユニットを使って全力で外を目指す。全力で張飛すると、乱戦状態の空中へと飛び立った。

 コブナント軍の空母が沈んだにも関わらず、未だに敵味方乱れての航空戦力が飛び交っている。地上へと落下しながら、推進剤の残量を確認した後、周囲の状況を確認した。

 

「まだ戦闘が続いてる。っ!?何か来る・・・?」

 

 警告音が鳴り響き、画面上部に「ミサイル接近」という警告文章が出る。下から飛んできたミサイルを回避すると、B-2爆撃機に似た大型航空機が複数通り過ぎた。

 

「今度は国連宇宙軍(UNSC)か!?」

 

 人型形態になったムラサメのパイロットが、編隊を組んで飛んでくるロングソード級迎撃機と呼ばれる多目的戦闘機を見て叫んだ。ロングソードの編隊から来る大口径機関砲の弾幕には耐えきれず、ムラサメやVF-11が撃墜される。

 さらに別の世界で開発された連邦軍の戦闘機セイバーフィッシュ、ジェット・コア・ブースター戦闘爆撃機、ヘリック共和国空軍の翼竜型小型ゾイドプテラスとテラノドン型中型ゾイドレイノス、ギルガメスや連合軍の戦闘機がロングソードの編隊に混じって飛来してくる。

 その後ろからはクワガタ型ゾイドダブルソーダを先頭に、統合連邦参加国の主力MSヘビーガンやGキャノン、ジェムズガン、シャベリン、ドートレスに航空能力を持たせたフライヤータイプ、大気圏飛行能力を持つバリエント、ジェットパック装備のダガーLやウィンダム、連邦製のハーディガン多数が飛来してきた。

 どうやらワルキューレが保管していた鹵獲機を倉庫から連邦軍の捕虜達が引っ張り出してきたのだろう。脱出用のためか、クラップ級巡洋艦やUNSCを初めとした統合連邦参加国の艦艇が続いてきており、コブナントの艦隊ごと艦砲射撃を浴びせてくる。他の勢力やワルキューレの艦艇まで混じっているが、彼等からしてみれば背に腹は代えられない。

 

「新手ね!」

 

 マリは飛んできたドートレスに張り付き、味方の居る一まで戻ろうとした。

 

「艦艇多数、航空機・機動兵器多数接近!れ、連邦軍です!我が艦隊へ向けて突っ込んできます!!」

 

「連邦軍だと!?コブナントのみならず連邦軍までこの星に!」

 

 アスターへ降りた艦隊の旗艦のブリッジにて、その艦隊の提督であるピーチ・グラフム・ロデリオンは通信士からの知らせに驚きの声を上げる。隣に立っている副官が、自分等の艦隊へ突っ込んでくる混成艦隊の構成員の人員を教える。

 

「おそらくこの星に収容されていた捕虜達でしょう。アスターは多数の捕虜収容所がありますからな」

 

「なるほど、それで納得が付く・・・」

 

「では、艦隊戦でもしますか?」

 

「艦隊戦?大気圏内の戦闘で艦隊戦をするのか?我々の任務は地上支援だぞ」

 

「そうです。現状の艦載機では対処が限界です」

 

 ピーチは親指の爪を噛んだ後、立ち上がって指示を飛ばした。

 

「艦隊戦だ!敵艦隊へ向けて一斉射撃。車線上にいる降下部隊は直ぐに離れろ!一斉射撃、撃てっ!!」

 

 降下部隊の揚陸艦や護衛部隊が車線上から離れると、彼女の艦隊が様々な艦艇で編成された脱出艦隊へ向けて一斉射撃が放たれた。間に挟まれたコブナント艦隊は既に壊滅状態となり、全滅は時間の問題であった。

 

「滅茶苦茶ね・・・」

 

 別の敵機に張り付いていたマリは、敵と味方の艦隊が撃ち合っているのを見てそう呟く。

 

「あれは・・・!変形は嫌だけど!」

 

 敵機に張り付いていたマリのタイフーンに気付いたザシャは機体を変形させ、彼女を助けようとする。コクピットは前部から腹筋の部分へと移動し、戦闘爆撃機用グラスコクピットから、周りがモニターに囲まれたようなコクピットへ移り変わる。

 操縦桿も、左右に操縦桿があるタイプに変わっていた。ヘッドアップディスプレイ、通称HUD(ハッド)はそのままで、目の前に敵機に対する情報は表示されている。

 変形した可変系ハーディガンスツーカは、女性フォルムが特徴的な人型形態へと変形した。右手には専用のライフル、左手には盾が握られている。

 

「あのヒヨコマークが付いたスツーカみたいなのが変形したぞ!」

 

「新型機みたいだな。各機、収容所での憂さ晴らしだ!ワルキューレに一泡吹かせてやる!あのヒヨコマークの女みたいなのを堕とすぞ!」

 

 変形を目撃した連邦のパイロット達は、ザシャが乗るハーディガンへ向けて攻撃を始めた。ニェーバと呼ばれる連邦製空戦用ハーディガンがライフルを撃ちながら突っ込んでくる。

 警告音が響き始めた物の数秒で気付いたザシャは飛んでくる銃弾を回避してからニェーバを撃墜した。通常のパイロットとは違う反射神経を見せた為、統合連邦兵達は些か動揺する。

 

「早いぞ!」

 

「数で押せ!敵はあの二機だけだ!!」

 

「りょ、了解!」

 

 数十機単位がビームや戦車砲クラスのライフル弾を撃ちながら接近してきた。ザシャはライフルを連射して、弾幕を張りながらマリの元へ向かう。

 彼女が乗ったタイフーンを引き離そうとしているウィンダムの元へ到達し、敵機を蹴り飛ばして上手くマリの機体の手を空いている手で取った後、連合国軍の最新鋭機をライフルで蜂の巣にして撃墜した。

 

「大丈夫ですか?」

 

「えぇ。それより、敵の集団に投げてくんない?」

 

「はい?」

 

 マリを助けたザシャであったが、彼女は突然「敵へ向けて投げろ」と命じられた。その間にマリはハルバートタイプの長刀を抜き、いつでも投げられる準備をしていた。

 

「投げた瞬間、私に集中すると思うから。あんたは私に気を取られてる奴を堕としなさい」

 

「良いですか?投げちゃって」

 

 未だにこちらへ向けて攻撃してくる敵機の集団の中に、助けた同姓を投げる事を躊躇ったが、モニターに表示されたボディラインがえらく強調された強化装備を身についているマリの声で決心した。

 

『良いから早く!』

 

「は、はい!」

 

 指示に応じてザシャはマリのタイフーンを敵機の集団へと投げた。突然飛んできた全高18mの敵機に驚いた連邦兵達は、マリが乗ったタイフーンへ意識を集中させてしまう。飛ばした先にいたジェムズガンは、左腕に搭載されたビームシールドで防ごうとするも、タイフーンが持つ長刀に左腕ごと胴体を切り裂かれ、撃墜された。

 投げ飛ばされてきた敵機に気を取られてしまった連邦軍の人型兵器達は、ザシャの人型形態のスツーカによって次々と撃墜される。ようやく気付いて反撃に移ろうとするも、彼女の方が早すぎて反撃する間もなく堕とされていく。マリの方は爆風を利用して、近場にいたヘビーガンを盾ごと切り裂き、爆破寸前の機体を蹴ってGキャノンも切り裂いて見せた。

 

「お、俺だけかよ!?」

 

 最後に残ったシャベリンのパイロットは絶叫し、味方の元へ逃げようとしたが、ザシャのスツーカが瞬時に接近してきて、盾から取り出したフランベルジェに似たビームの剣で後ろからコクピットを突き刺され、融合炉を停止して地面へ落ちていった。

 向かってきた敵機を全て堕とした二人は、降下部隊へと戻ろうとする。補給のために自分等の揚陸艦へ戻ると、かなり苛立った管制官からの通信が入ってくる。

 

『上級大尉、何故降下した?戦術機は戦闘機の名を持っているが、空中戦は出来んぞ』

 

 苛立った声がマリの耳に入るが、彼女は気にせずヘッドセットを外して座席の近くにある糧食キットからドリンクを取り出し、ストローを口に含んで中の飲料水を飲む。未だに管制官の説教は続いているが、マリは全く話を聞かず、地上の戦いがどんな物なのかで頭がいっぱいであった。

 説教が終わった後、適当に返事をして撃った残弾や推進剤、動力の残量が全て満杯になっている事を確認し、降下の合図を待つ。補給の為に一度戻ってきたザシャ達を初めとした航空機組は、補給を終えて直ぐに戦闘へ戻った。その時に降下のカウントダウンが始まる。

 

『降下用意、五秒前。四、三、二、一・・・降下、降下!』

 

 合図と共にハンガーに居た人型兵器達は一斉に対空砲の弾幕が飛び交う外へと飛び出した。マリも直ぐに外へ飛び出し、空と同じく激戦状態の地上へと降り立つ。

 味方の陣営の方へ視線を向けてみると、イギリス陸軍の現用装備のチャレンジャー2やFV510ウォーリア歩兵戦闘車、WAH-64アパッチ戦闘ヘリの集団と後ろで続く歩兵の大群が見え、その後方からは人型兵器らしき物が多数見える。

 地上のすれすれの所まで到着すると、ジェットを噴かして衝撃を和らげた。

 

『おぉ、なんだこりゃあ?地上も戦争博物館かよ!?』

 

 再出撃して向かってくる様々な新古揃いの敵機を見たツチラトは通信越しから叫んだ。彼の言うとおり、ワルキューレを含めた他の勢力の兵器群が自分達に向けて攻撃してくる。

 

「結構、暴れられそうね」

 

 周りからゾロゾロと出て来る敵機を見てマリは呟き、突撃砲を敵機の集団に向けて撃ち始めた。近場にいた同盟製のハーディガンがマリのタイフーンが放った攻撃を受け、地面に豪快に倒れる。敵機が地面に倒れた途端、マリは面白いように敵機に弾を当て続けた。

 ヴァンキッシャー隊の方も派手に撃って、次々と敵機を撃破していく。空の方では連邦軍の捕虜混成艦隊はワルキューレの艦隊によって全滅し、残った敵航空戦力との掃討に移り変わっていた。

 

「うっひょー!面白いように敵が潰せるぜ!マジでヌルゲーじゃねぇ?」

 

「ポイントを稼ぎたい放題だな!」

 

「説明書読んだのか?」

 

「これならエース部隊の転属だって可能だぜ!」

 

「やっぱしこういう連中を潰すのは気分良いな!」

 

 余りにも弱すぎる敵を簡単に潰せることで、調子に乗るヴァンキッシャー隊の隊員達であるが、一緒に降下した他の機体が堕とされるのを見た隊の長であるチムーロヴィッチは、これに怒りを覚え、部下達を叱る。

 

「調子に乗るな!ここは戦場だ!!他の隊とはいえ、降下中に友軍機が何機か撃墜され、今でも味方がやられているんだぞ!」

 

 この言葉に、部下達は態度を改めて真面目に取り組んだが、A小隊のラディスラオと取り巻き達は態度を改めなかった。

 

「こんな訓練用の動く的のような相手に真面目にやれだと?それに味方がやられただけで、競争相手が減って良いじゃないか。それに俺はさっさとこの隊を出て俺だけの部隊を持つんだ。お前等、こんな機会激戦区ではないと到底来ない!行くぞ、お前達!」

 

『はっ、アルタミラーノ中尉!』

 

 ヴァンキッシャー隊の中で高火力を持つゾイドであるジェノザウラーに乗り込んだA小隊は、出て来る敵を薙ぎ倒しながら敵が集中している方向へと向かった。一方のザシャは飛行形態に戻ったスツーカで、他の小隊や部下達と共に地上支援へと回る。

 味方の地上部隊を砲撃しているトーチカや砲撃陣地に向けて、対空砲の弾幕を避けながら小型の爆弾をばらまく。落とされた爆弾は敵の陣地やトーチカに落ち、爆発を起こした。

 敵の民兵が爆風で吹き飛ぶ光景や、全身火達磨になった民兵が声にもない声を上げて藻掻き苦しみながら出て来るのを見たザシャは、気分を害してしまうが、地面にいる複数のスコープドックからの攻撃でそれどころじゃなくなる。

 巧みな操縦技術で回避するも、部下達はついてこられないようで、少し被弾し、人型形態に変形して反撃に出た。装甲の薄いATでは、戦車砲ばりの大口径ライフル弾に耐えられるはずもなく、無惨な形となって大破する。

 次にジェノアスⅡやアデルと呼ばれる別世界の連邦製MSがザシャの乗るスツーカにビームライフルよりも強力なドッズライフルを撃ち込んできたが、乗っているパイロットと彼女の技術の差がありすぎ、避けられて部下達の攻撃で撃破される。

 

「ありがとう。みんな」

 

『いえいえ、これくらい出来ますよ』

 

『どうってことはない・・・』

 

『別に。アンタが雑魚に構うはずもないから私達がそうしただけ』

 

 この返答で全員が少し強くなっていることを確認したザシャは次なる支援を待ち、地上を飛び回る。対空砲は後続の部隊や降下した部隊が破壊してくれ、無事にこの地区に留まれるほどの安全な飛行が出来ている。敵側の抵抗も殆ど無くなり、銃声や砲声が少なくなると、敵の民兵達が武器を捨て、手を挙げてこちらへ向かってきた。

 

「なんだ、降伏か・・・?」

 

 民兵ばかりではなく、地上兵器は砲を撃つのを止め、人型兵器も武器を捨てて投降の意思を示している。どうやらこれ以上抵抗を続けても無意味と判断し、降伏を選んだのだろう。だが、降伏を選んだ彼等を許さぬ者達が居た。

 武器を捨てたハーディガンの胸に穴が開き、地面へと倒れた。民兵や歩兵達の後ろからミサイルが落ち、彼等を無惨な姿へと変える。

 

『貴様等ァ!それは命令違反だぞ!!』

 

 拡声器でも使っているのか、味方を撃った正体の人物の声が聞こえた。

 

『祖国のため、貴様等は最後の血の一滴まで戦え!敵を一人でも多く道連れにし、我らの愛国心と我が祖国ジンニアの恐怖を植え付けるのだ!!』

 

 降伏しようとする者達の後ろから督戦隊らしき者達が銃を突き付け、戻るよう怒鳴り散らしているのが見えた。これに応じなかった者達は撃ち殺され、逃げようとした者達も同様に始末された。人型兵器も同様で、武器を取らなかった機体は次々と味方に撃たれて破壊される。

 

「胸くそ悪い光景だ・・・!味方を撃つなんて・・・」

 

「こいつ等、頭おかしいじゃねぇか?」

 

 この光景を見たジョンとツチラトは酷い惨状を見てそう表す。

 

『隊長・・・これ・・・』

 

『酷い・・・!』

 

『胸くそ悪い』

 

 ザシャの方も部下達のショックの声で同様のショックを受けた。だが、マリの放った言葉でなんとか持ち直す。

 

「要は一人じゃ寂しいから、(みんな)ついてきてって事ね。まぁ、私はついていかないけど!」

 

 先に動いたのはマリであり、敵陣の中に突っ込み、敵や督戦隊機を次々と撃破していた。これを見て、ヴァンキッシャー隊を含めた味方機も続々と敵陣へと突入していく。

 

『隊長!』

 

「分かってる。みんな、行くよ!」

 

『了解!』

 

 たった一機で敵陣の中に突っ込んだ友軍機を支援するべく、ザシャは部下と共に敵陣へと突っ込んだ。敵は玉砕命令で以前より強くなっていたが、マリとザシャ、士気が向上したヴァンキッシャー隊を初めとした他の部隊を止められなかった。

 次々と陣地や防衛線を突破されていく。叛乱軍が押される中、そこへイレギュラーが乱入してきた。

 

『敵陣後方からアンノウンが急速接近!警戒してください!!』

 

「アンノウン?一体何が・・・?」

 

 戦闘オペレーターの知らせを聞いたザシャは、レーダーに映っている正体不明を表す白い点が来る方向を見た。

 

「あいつ等・・・!」

 

 イレギュラーが来る方向を見たマリが唸る。そのイレギュラーの正体はフォウドヴィッスを襲撃し、陥落させた組織の人型兵器群であった。

 空には大多数のSPTブレイバーやMFソロムコ、TS(テラー・ストライカー)と呼ばれる無人人型兵器スカルガンナー、大気圏専用MSエアリーズ、旧ガイロス暗黒大陸軍ドラゴン型大型ゾイドガン・ギャラドが飛び。

 地上では地上専用SPTドトール、MFガンステイド、暗黒軍仕様の恐竜型小型ゾイドマーダやスティラコサウルス型中型ゾイドダークホーン、エレファント型大型ゾイドエレファンダー、サソリ型小型ゾイドガイザック、ヘビィ級ATスタンディングトータス、同ヘビィ級ATエルドスピーネ、ライト級ツヴァーク、MSリーオーが迫ってきている。

 現れた第三勢力は、壊滅状態の叛乱軍を無視してワルキューレに攻撃を始めた。




この二次元作でもやられ役にされるヘビーガンとGキャノンェ・・・
そしてATの扱い・・・
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