復讐者の世界周り Weltdrehung des Rächers   作:ダス・ライヒ

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みんなが待ちに待ったIS編。だが、ISのIの字も出て来ない・・・

ここでsakuraさんのザシャの出番は終了です。
IS編にも出そうかと思いましたが、普通の戦闘機でISを堕とすほどの腕前を持ち、専用ISなんて出したら、他の原作崩壊で俺TUEEE!のようになるのでここで・・・

それとsakuraさんは、原作のインフィニット・ストラトスは絶対に読まないと思うし・・・


IS編
支配された世界


 惑星パクスにおける連邦軍による前例の無い大規模な掃討戦の結果が失敗に終わった後、マリ・ヴァセレートは搭乗していたストライクガンダムから降り、回収艇が集結するポイントへ足を運んでいた。

 辺り一面が黒煙を上げる連邦軍機の残骸で埋め尽くされているが、幾つかは横に片付けられている。一見すればスクラップの山だが、それら全てが統合連邦地上軍の現用機であり、回収して余り良い噂を聞かない業者にでも売り付ければ、かなりの額となろう。

 だが、彼女らにそんな暇は無い。

 撤退させた連邦軍の大部隊が、態勢を立て直して再び攻勢に出てくるかもしれない。

 すぐにこの惑星からの脱出が必然だ。

 先ほどは奇跡が起こったが、二度目の奇跡など無い。宇宙で救援に駆けつけてくれた艦隊が持っているうちに回収艇に乗って脱出すべきだろう。

 そうこうしている内に、自分の母艦であるバルキュリャからの回収艇まで辿り着いた。

 回収艇の前に居たのは、ずいぶん長い間に見て居なさそうなノエル・アップルビーと連崎京香の二人だ。他は船内で見た乗員が何人か見える。マリは二人に近づき、何気ない笑みを浮かべて帰宅の言葉を述べた。

 

「ただいま」

 

「おかえりなさい。無事だったようですね」

 

「あら、なにか冷たいんだけど?もしかして、隠してるの・・・?」

 

「いえ、何も隠してなどいません。帝国残党の艦隊がアヌビスに進路を取らなければ、助けには行けなかった所です」

 

 冷たい反応を取るノエルにマリは何か隠している事を見破るが、本人は白を切り、百合帝国残党軍の艦隊がパクスに進路を取ったので、それに賛同したと誤魔化す。隣に居る京香はクスクスと小さく笑いながらマリに口パクで伝える。

 

「(本当はメッチャ心配してました!)」

 

「へぇ、そう・・・心配してくれたの。ありがとう、ノエルちゃん」

 

「し、心配なんか・・・してませんから・・・!」

 

 やはり京香が伝えたのは正しかったのか、ノエルは顔を赤らめ、その顔を見せないようにしていた。どうやら、隠していたのはマリが生きていて嬉しかったことらしい。それを見たマリと京香は、愛らしく顔を隠すノエルを見ながらほほ笑む。

 それを見届けた後、マリはザシャの元へ向かうと二人に告げる。

 

「ちょっと、ザシャちゃんの所に挨拶に行ってくるわ」

 

「えっ!?あっ、はい・・・」

 

 顔を隠していたノエルは、マリにそう告げられれば顔を上げて返事をする。そんな彼女の様子を見た後、マリは戦友達と共に居るザシャ・テーゼナーの元へ向かった。

 

「ザシャちゃん」

 

「えっ?あ、少佐!?」

 

 後ろから現れた少佐以上の位を持つマリを見たザシャたちは、慌てながら直立状態となり、彼女に向かって敬礼する。戦友であるエルミーヌ・レオニー・ド・バルバストルも敬礼し、マリに対しての敬意を見せる。

 敬礼する彼女らにマリは余り良い気がしなかったのか、休むように告げる。

 

「そんなに畏まらなくて良いわよ。それよりもさ、私と一緒に来ない?」

 

「何処へですか・・・?」

 

「次の世界」

 

「はっ?」

 

 休むように告げた後、マリは次なる能力がある世界へ来ないかザシャたちを誘う。

 だが、彼女らは次なるマリの目的地が分かったのか、誘いを断る。

 

「済みませんがお断りしますわ。私達にはまだやらなければならぬ事があるので」

 

 反応が遅れるザシャに代わってエルミーヌが答えれば、彼女もマリの誘いを断る返答をする。

 

「私も断ります。バルバストル中尉同様、まだやらなくてはならない事がありますから」

 

 会話に勤しむ自分の部下達を見た後にそう告げれば、マリは残念そうな表情を浮かべる。

 

「そう、残念ね・・・貴方達も来れば心強いと思ったのに・・・じゃあ、頑張って生き残ってね」

 

『はい、少佐殿!』

 

 マリが告げると、二人とも見事な敬礼で答えた。それを見届けたマリは回収艇にノエルと京香と共に乗り込み、宇宙へと飛び立った。他の回収艇も宇宙へと上がり、衛星軌道上で待つ艦艇のデッキへと入っていく。マリ達が乗る回収艇もバルキュリャのデッキへ入る。

 ちなみに戦闘に参加したイクサ人達は元々パクスを出るつもりであったのか、あらかじめ用意しておいた民間の大型輸送船で、次々と惑星を出て行く。

 

「久しぶりの我が家って感じね・・・」

 

 回収艇から降りたマリはバルキュリャの船内に足を付け、自分の家に帰った気分となり、それを口にする。暫しハンガー内を見渡した後、艦長に会うためにブリッジへと向かう。途中、京香の左ポケットに何か紙のようなものが入っている事に気付く。

 

「っ、紙・・・?」

 

「えっ?私のポケットに!?」

 

 何の疑いも無しにそれを手に取った。自分が知らぬ間に紙を入れられたことに、京香は驚いた表情を浮かべていた。それは紙であり、文章を見せないようにしているのか、折られている。

 文章を読むために折られた紙を開いたマリは、そこに書かれているのが次なる能力がある場所を示す物であった。予想通りの内容であったことに、余り関心がない。

 

「予想通りね」

 

「予想通りって、どういう内容なんです?」

 

 ノエルが聞いてきたが、マリはそれに答えず、バルキュリャの針路を問う形で質問を質問で返す。

 

「ねぇ、この船の針路は?」

 

「え?はい、随伴した艦隊と共に遠征軍本隊にまで戻る予定です」

 

「そう、なら針路変更。残党が向かう先に変更しちゃって」

 

「え、ちょっと!急すぎるんじゃ・・・!?」

 

 針路の先が、自分の目指す場所とは違う場所と分かったマリは、ノエルに針路の変更を告げる。定められた日程を急に「変更しろ」と無茶を言うので、ノエルは戸惑う。

 

「そんなの良いじゃない。私が直に艦長に言って来るから!」

 

「へ、陛下!お待ちを?!」

 

「マジで怒られますって!」

 

 二人の静止の声を聴かず、マリは艦の制御を統括するブリッジへと走った。

 ブリッジへと着けば、守衛を退かして中へ入り、艦長であるオロンピア・カラマンリスに百合帝国残党軍の艦隊と難民船につていていくよう告げる。

 

「あっ、ヴァセレートさん。お久しぶり・・・」

 

「今すぐ針路変更お願い!あのどっかにワープしそうな艦隊についてって!」

 

「はっ?それは・・・」

 

 急に針路変更を告げるマリに対し、操艦手は戸惑う艦長に代わって無茶な支持に異議を唱える。

 

「えっ?困りますよ、急に針路変更だなんて・・・」

 

「良いから!早くしてよ!」

 

 強く告げられた上に何かしらの殺気を感じたため、オロンピアとブリッジクルーは直ぐに針路変更を指示した。

 

「は、はい!針路変更!直ちに百合帝国残党軍の艦隊へ!」

 

「了解!針路変更!」

 

 脅しのような指示に応じた艦長たちは、次元の狭間を開き、何処かへ向かう残党軍の艦隊へ針路を取る。なんとかその艦隊へ追いつくと、共に時限の狭間へと入り込む。

パクスに居る残存部隊の回収を終えたピーチ・グラフム・ロデリオン提督は、全く違う針路を取るバルキュリャに気付いて通信で戻るように指示を出したが、通信は届かず、バルキュリャは次元の狭間の中へ残党軍の艦隊と共に消えてしまう。

 

「艦長、ワルキューレの強襲揚陸艇がついてきますが?」

 

「私たちについて行きたいのでしょう。放って置きなさい」

 

 残党軍もついてきたバリキュリャに気付いたが、入りたいと思うワルキューレの一部隊と認識して特に気にも留めなかった。

 百合帝国残党軍の艦隊は五十一隻であり、五十隻は護衛艦、駆逐艦、巡洋艦、戦艦、軽空母、護衛空母で固められ、旗艦の一隻はバトル級可変ステルス攻撃宇宙空母と呼ばれるマクロス級より300m大きい空母だ。

 要塞級とは違うが、同じく巨大な強行型へと変形する空母だ。球状船首のあたる位置に、マクロスキャノンとなるガンシップがドッキングしている。このガンシップは、強行型となる際、分離されて右手に持たれ、主砲となる。単独での発射は可能だが、威力は低下し、連発もできない。

 連邦宇宙軍の包囲下を崩したのはこの艦隊あってのことだろう。ブリッジからその艦隊を見ていたマリは早く着かないかと待つ中、後から来たノエルにみっちりと説教された。

 それから数時間後、艦隊は次元空間から出て、別の世界の宇宙へと出る。

 

「ようやく出たわね・・・」

 

「ここが残党軍の目的地らしいですね」

 

 ブリッジの外に見える宇宙の光景を見ながら二人は見た感想を口にするが、索敵レーダー手が異常事態を報告してくる。

 

「艦長!残党軍艦隊の前に、敵影多数!これは、同盟軍です!数は我々の八倍以上です!!」

 

『えぇぇぇ!?』

 

 レーダー手からの知らせに、オロンピアと京香は驚きの声を上げた。マリはそんな艦長に代わって戦闘配備を取るように告げる。

 

「驚いてる場合じゃないでしょ!早く戦闘配備!」

 

「は、はい!総員第一戦闘配備!」

 

 マリに言われた艦長は直ぐに戦闘配備を発令する。アナウンスを通じて発令された態勢に、乗員たちはそれぞれの配置に着き始める。

 

「じゃあ、艦載機借りるわ」

 

「え、えぇ・・・」

 

 主任航空管制官は、ブリッジから出て行くマリに艦載機の使用の許可を与えた。出て行く中、マリにノエルは無茶をしないよう告げる。

 

「無茶しないでくださいよ!」

 

「分かってるわよ!」

 

 マリはブリッジの出入り口でノエルにそう返した後、ハンガーへと向かった。

 ハンガーには可変戦闘機のVF-11Cサンダーボルトが追加装備のスーパーパックを装備された状態で何機か駐機されており、幾つかのVF-11の発艦準備が進められていた。彼女はハンガーへの出入り口を開けようとしたが、宇宙服を着た守衛に止められる。

 

「お待ちを!ここから先は宇宙服の着用が必須です!」

 

「あっ、そうだった!」

 

 守衛の言葉に従い、更衣室へ向かってパイロットスーツを身に着けてからハンガーへと向かう。

 ハンガーに入れば用意されたVF-11に乗り込み、機体の動力を起動させてからキャノピーを閉める。計器確認を終えれば、機体をカタパルトまで移動させる。ホイールを発射台に固定させ、管制官からの声を通信越しから聴きつつ、電子掲示板のカウントが0になるのを待つ。

 カウントが0になれば、マリが乗るVF-11は宇宙空間へと飛び立った。

 既に戦闘は開始されており、残党軍の艦隊からも艦載機が発艦し、同盟軍と交戦状態に入っている。先に発艦したVF-11は編隊を組んでおり、敵味方が入り乱れる最前線へと向かっていた。マリは先行部隊を追い越し、先に主戦場へと入る。

 

「結構居るわね」

 

 キャノピーから見える友軍部隊と交戦中の大多数の敵機を見てマリはそう呟く。

 そんな彼女のVF-11に、同盟軍のギラ・ドーガが数十機以上来る。直ぐにビームマシンガンの嵐が来たので回避行動を取り、一機をガンポッドで撃墜する。

 次から次へと来る攻撃を回避しつつ、バトロイド形態に変形して向かってきたギラ・ドーガを一機残らず全滅させた。だが、ここは戦場で敵はこちらの八倍以上の戦力であり、敵機は幾らでも沸いて出てくるくらいだ。十機潰そうが、また十機以上が出てくる。

 

「多すぎでしょ!」

 

 目に見える敵機をガンポッドやミサイルで潰していたマリは、レーダーを覆いつくすほどの赤い反応とモニターから見える大多数の敵機を見て叫ぶ。

 残党軍の保有機体であるリックドムⅡやゲルググ、ゲルググ(イェーガー)、アクトザクが奮闘しているが、異常な数の敵機相手に苦戦を強いられている。それに損害も拡大しつつある。このままでは負けてしまうだろう。

 群がってくる敵機を撃墜しながら、マリは何か来ないかと戦い続けていた。

 残党軍艦隊の旗艦であるバトル級攻撃空母がトランスフォーメーションを始めれば、圧倒的な数の同盟軍艦隊との艦対戦を行う残党軍各艦艇は、損害が半数程度にまで陥ったと認識する。それもその筈、五十隻は居た艦艇は半数にまで減り、搭載機も同盟軍の物量に呑み込まれている。

 流石は圧倒的物量を誇る統合連邦軍と対等に渡り合えるほどの勢力である惑星同盟だと褒めるところだが、圧倒的力の前に踏み潰される。

 

「クッ、百機以上潰してもまだまだ沸いて出てくるじゃない!!」

 

 数えても百機以上は撃墜したマリは、無限にも沸いて出てくる敵機と戦いながら何かしらの援軍が一向に来ないことに苛立つ。強行型へと変形した旗艦であるバトル級がマクロスキャノン発射態勢を取る中、同盟軍はその火力を知ってか、火力を集中させてきた。それに対しピンポイントバリアを張りつつ、砲火を凌ぐ。

 発射態勢は直ぐに整い、砲口を敵の中央に向ける。この報を聞いた同盟軍艦隊の旗艦に乗る提督は、直ぐに回避行動を取るよう命令する。

 

「か、回避だ!急げ!」

 

 命令する提督であるがもはや時既に遅く、強力なマクロスキャノンは発射され、艦隊の三分の一は消し炭となった。だが、同盟軍の旗艦は無事であり、まだ戦況は覆せない。

 万事休すかと思いきや、マリが願っていた援軍が都合よく到来した。

 

「これは・・・!我が軍の暗号通信です!味方です!我々の同胞が助けに来ました!!」

 

「迎えに来た・・・!我が百合帝国の同胞たちが・・・!」

 

 通信士からの知らせに、旗艦バトル級に乗る提督とブリッジに居る全員は歓喜する。旗艦だけでなく、他の残存艦艇でも助けに来た同じ残党軍に同じく歓喜していた。

 

「来たじゃない・・・でも、こいつ等と同様の連中だけど・・・」

 

 やって来た援軍に、マリは余り嬉しくは無い様子であった。少数精鋭で圧倒的数の同盟軍の艦隊を次々と撃沈させる勢力が、随伴した残党と同様の百合帝国残党であるからだ。

 ワルキューレから横流しされた最新兵器を見事なまでに性能を活かし、大多数の同盟軍の機動兵器や艦艇を次々と破壊していく。同盟軍は反撃もままならず、瞬く間に瓦解する。少数の敵に同盟軍の艦隊は成す術も無くやられているのだ。

 

「す、凄い・・・!」

 

 暗い戦闘用ブリッジの中でオロンピアは高い練度と高度な連携、繊細さと大胆さを兼ね備えた圧倒的制圧力を誇る救援に現れた残党軍を見て声を出す。ノエルと京香もただ呆然とするしかない。同盟軍はただやられるしかなかった。

 同盟軍の90%を破壊尽くせば、残った艦艇が降伏の意思を示す白旗を揚げた。さらに全方位チャンネルで、降伏の意思を示す通信を残党軍に送る。

 

『我が惑星同盟宇宙軍第903艦隊所属第3分艦隊は貴軍に降伏する!繰り返す、我が軍は降伏する!』

 

 降伏すると宣言した同盟軍であったが、残党軍はそれを無視したのか、無抵抗な同盟軍機を一方的に攻撃し始めた。

 

「うわぁぁぁ!?やめろぉ!やめてくれぇ!!」

 

 同盟軍製ハーディガンに乗り込む同盟軍のパイロットは襲い掛かるバトロイド形態のルフトヴァッフェカラーのVF-25Aメサイアに告げるが、コンバットナイフを振る手はそれに応じず、無造作に振り落とされる。他の同盟軍機も同様、降伏の意思を示しても問答無用で攻撃され、撃破される。

 

『クソ、こいつら俺達を皆殺しにするつもりだ!』

 

『全機、降伏は止めだ!突破しろ!突破して、うわぁぁぁぁ!!』

 

『畜生!一人で多く道連れだ!近くに敵艦に特攻しろ!!グワァ!?』

 

『害虫風情が!ノワァァァァ!!』

 

 オープンチャンネルで伝わってくる同盟軍のパイロットや将兵の悲鳴が聞こえ、戦闘指揮所(CIC)に居るクルーは余りの惨状ぶりに口を押さえる。

 

「こ、これじゃ・・・」

 

「虐殺じゃないの・・・!」

 

 口々に言うクルーであるが、攻撃を受けていた残党軍も殲滅戦に参加し、混乱する同盟軍機に向けて一方的な砲火を浴びせた。それは殲滅戦とは言い難く、虐殺に近かった。

 流石のマリでも、バルキュリャ防空隊と同様に参加などしない。ただ一方的に敵機や敵艦を沈める残党軍の虐殺を傍観するだけだ。数十分後も経てば、レーダーには敵の反応は無く、モニターかキャノピー越しから見れば、宇宙空間を漂う同盟軍機や艦艇の残骸が浮いているだけである。

 それから物の数秒で、オペレーターから戦闘終了の通信が送られる。

 

『せ、戦闘終了です・・・敵の反応はレーダーには見られません。帰投してください・・・』

 

 この指示に応じ、マリは防空隊と共に母艦であるバルキュリャに帰投した。防空隊の損害は軽度であり、損傷した程度で撃墜されたVF-11は居ない。母艦へ帰る中、マリは他の残党軍と合流して歓喜する百合帝国残党艦隊を眺めた。

 母艦へ帰投したマリ達は直ぐに待機室へと移動し、そこでヘルメットを取って座席に座り、戦闘の疲れを癒す。彼女等がそうしている内に、バルキュリャは他の残党軍艦隊と共にこの世界に潜む残党軍の救援部隊の後へ続く。その間、マリはパイロットスーツのまま、ブリッジへと上がった。

 

「あっ、お疲れ様」

 

 入ってきたマリに気付いたオロンピアはマリに、労いの言葉を掛ける。それに対して彼女は無言で頷きながらブリッジの奥へ進む。窓の外から見える光景を眺めていれば、遠くの方に青い地球らしき惑星が見えた。

 その星が見えれば、マリは近くにいる航海士に地球かどうかを問う。

 

「ねぇ、あれって地球よね?」

 

「さぁ?地球型の惑星じゃないのですか」

 

 航海士は機器を操作し、この世界における宇宙地図の閲覧を始める。数秒もしないうちにマリが言った事が当たった。

 

「ち、地球です・・・そして、ここは太陽系・・・!」

 

「えっ?」

 

「嘘!?」

 

 それを耳にしたノエルとオロンピアは驚きの声を上げた。遠くに見えた星が地球と分かったマリは、窓から残存艦隊が向かっている方向を覗き、月だと言うことが分かる。早速ブリッジにいる者達に知らせる。

 

「今私達、月に向かってる!」

 

「ほ、本当に月への針路を取っている・・・!」

 

 マリからの知らせに、航海士は艦隊が月へと針路を取っている事が分かる。

 この事が分かれば、オロンピアは救援に来た別の残党軍の部隊が、地球から来た部隊だと言うことが分かり、それを口にした。

 

「と、言うことはこの世界の地球は既に・・・」

 

「占領されている・・・!」

 

 オロンピアがその事を口にした後、マリがこの世界の地球が百合帝国残党の手に落ちた事を察した。その事を情報士官であるノエルと京香は知らなかったのか、驚きの声を上げ、衝撃を受ける。

 

「こ、こんなの、聞いてないですよ!」

 

「私も・・・!どうして情報が回ってこないの!」

 

 二人が驚きの声と苛立ちを口にする中、マリはここがアウトサイダーが語っていた女尊男卑の世界だと認識する。

 

「ここが、私の能力がある世界で、女が偉い世界・・・!」

 

 かくして、次なる能力を目指して訪れた新たな世界が、既に百合帝国残党の支配下に陥っていた事実に衝撃を受けるのであった。




他の連載も抱えてるから、ちょっと更新が遅れるかも・・・

~今週の中断メッセージ~

ISを通常兵器で倒せるか?

宗介「簡単だ。多数の火砲を用いて長期戦に持ち込み、絶えず集中砲火を与え続ける。そのISとか言う欠陥品を操るのは人間、それも少女か女だ。なんらかの経験か育った環境、もしくは処置をしていない限り、絶えず来る砲火でいずれ正気で居られなくなるだろう。底を突けば、通常兵器でも正気はある。アームスレイブのラムダ・ドライバが、ISに通じれば、恐らく短期間で決着が付くだろう」

イサム「簡単だぜ。あんなポンコツ、俺ならレシプロ機でもぶっ壊せる!」

ガルド「四方八方からミサイルを与えれば、操縦者はパニックを起こし、正常な判断を失う。そこから絶えず放火を集中すれば、通常兵器でも勝ち目はある」

ルルーシュ「アレに乗っている殆どの奴は、無敵の鎧を着込んだと思い込んでいる馬鹿な女だ。底を突けば、倒す空きが生まれる」
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