後継者達と世界の運命   作:AZΣ

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題名がまんまですね、はい。安直すぎるとは思いますが、中々思い付きませんでした、そろそろネタ切れかな……?と怖くなる毎日です。

それでは第十話スタート!


第十話-鬼の少女

俺は少女と、多分三日三晩は殴り合った。

 

最初の内に碧愛達とは離れた場所に吹き飛ばされた事が、今となっては本当に良かったと思う。彼女達を無理に避難させる事はなかったのだから。

 

俺達の戦いの後は異常な光景だった。まず、俺達から二~三キロ辺りの地面が彼女の馬鹿力と、対抗しようとした俺の力で大きく凹んだ。

 

そして、俺も魔法を使い始めた影響で被害範囲が大きくなり、木々も山にあった十分の一が折れてしまった。

 

勝負がついた理由は、俺の体力が先に尽きたからだ。魔法を使うにも体力を使うし、肉弾戦をしながらだ。(なま)っているのも影響して、流石に持たなかった。

 

俺が座り込んで少女を見ると、少女は満面の笑みを浮かべて、俺を見つめ返す。

 

「お前強いなー! 久しぶりに楽しかったよ!!」

 

少女はこう言うが結果を見ると、何とも情けない、俺の完敗だ。少女が五発殴って、やっと俺が一発程度だった。

 

これだけでも圧倒的なのに、今の俺の力では、彼女にかすり傷を負わせるのが精一杯だった。その事も考えたら、力も強度も桁違いだった。

 

しかし、彼女は戦いの終始楽しそうに笑っていた。恐らく本気ではなかったのだろう、本気になったらどうなるのか考えただけでも恐ろしい……

 

流石は鬼と言った所か……悪魔でもこれ程動ける者は滅多にいない。

 

その身体能力に感心していると、彼女はいつの間にか俺の隣に座っていた。

 

「アタシは暁! 紅 暁(くれないの あかつき)だ! お前は?」

 

「俺はラティス。おそらく気付いているだろうが、人間ではなく、一応悪魔だ」

 

「やっぱりなー! 人間に出来る動きじゃなかったから分かったぞ!」

 

その俺に圧勝したお前は一体何なんだ……と、いかんいかん。そんな事を考えている場合じゃない。

 

「いくつか質問したい事があるんだが、構わないか?」

 

「ああ、構わないよ、アタシに答えられる事だと良いけどな」

 

何とも分かりやすい性格だ。戦って、その後はそいつと語り合うような、打ち解けやすい性格。変に怖がられるよりもマシで、正直助かる。

 

「俺は元々はこことは別の世界にいたんだが、元の世界でやる事がある。だから戻りたいんだ。何か方法を聞いた事はないか?」

 

暁はしばらく考え込んでいたが、表情からして何も知らないのだろう。

 

「生憎だけど、そういう事は聞いた事がないねぇ……アタシはかれこれ千年はこの山から出られてないし……」

 

彼女がこの山に閉じ込められているのは、どうやら本当らしい。俺の問いに対する答えが見つからなかったのは残念だが、もう一つ、俺の願いを伝える。

 

「では、もう一つの方だ。これは俺のお願いなんだが、俺が魔界に戻った時にはかなりの戦力がいるんだ。だから暁、お前さえ良ければ協力して欲しい」

 

「言ったろ?アタシはこの山から出られないって……」

 

「封印を解けば良いんだろう?やれない事はないと思うが」

 

「無理に決まってるだろ!? 鬼のアタシをここに千年間も縛りつけている封印だよ? それをアタシに負けるようなお前なんかに解ける訳が……」

 

「試してみるだけでも随分と違うと思うが?」

 

「――っ分かった」

 

俺は数日前に、俺の元を訪れた青年の言っていた事をずっと考えていた。

 

「この世界には魔法が足りていない」か……意味が分かると、結局彼は俺に答えを教えてくれていたという事がよく分かる。

 

この世界は魔界とは違って、大気中に魔力が満ちていない。よって今まで俺が使っていた、身体の外から魔力を取り入れて使うという方法は使えない。

 

そこで青年は俺に、身体の中にある魔力を使うという方法を示唆(しさ)してくれていたのだ。

 

ここ数日、身体の中の魔力を使う修行をしてみた結果、俺はその条件に気付いた。

 

まだ俺がその方法に慣れていないというのもあるのだろうが、集中しなければ魔力は溜められない。

 

そして溜めても、二十分くらい本気を出してみたら、それから二~三日間は魔法が使えなくなってしまった。

 

俺は集中を乱さないようにしながら、暁にかけられた封印を見る。その封印は何やら良く分からない術式で作られていた。

 

呪いには術式があるのだが、その種類は幅広く、到底一人では把握し切れない。複雑なものだと特にそれが顕著(けんちょ)に表れる。

 

しかし単純なものなら、俺でも大体の術式は知っているので、そこから解き方を逆算して解く事が出来る。それが出来れば、使う力の総量も少なく済むのだが……

 

しかし、暁を縛っている術式は世界が違うせいもあるのか、見た事もないタイプのものだった。しかもかなり細かく、彼女の身体とこの山を(つな)ぎ止めている。

 

こうなると解き方が分からないが、方法は一応ある。

 

それは、全ての術式を強制的に解くというものだ。だが、それには当然の如く、大きなデメリットがある。術者に負担が掛かりすぎるのだ。

 

そして、呪いが不完全に解けた場合、術者を縛る拘束となるという、厄介なものだ。

 

だから俺は呪いが嫌いだし、それを嬉々として使う者の気持ちは理解出来ない。

 

呪いの種類にもよるが、下手をすれば呪いを受けた者は、死ぬ事も許されず、永遠に苦しむ。

 

しかし、どうにかして暁に協力してもらわねば……彼女がいれば皆を守れる。それに、一度知り合った者が苦しむのを見過ごす事は、悪魔だが出来ない性分だ。

 

絶対に彼女の封印を解く。その思いで俺は、封印を解く光属性の魔力を最大出力で放出した。

 

暫く放出した頃、暁の身体と地面から大量の文字が浮かび上がってきた。

 

これが暁をこの山に縛っている呪いか……年月によってら元々複雑な術式がさらに複雑に絡み合っている……

 

だが、やると決めたのだ。やり抜かねば。そう決意し直し、俺は引き続き魔力を最大出力で放出した。

 

するとその直後、暁の身体と地面の文字が一瞬、激しく光ると、彼女を縛っていた文字がみるみる内に消滅していき、そして跡形もなく、虚空へと消えていった。

 

「上手くいったか……」

 

「えっ……あっ!? 封印が……解けた……? や……やったぞー!!! ありがとうラティス! これでアタシもようやくここから出られる!

 

この恩は忘れないよ!お前の目的を叶えるために、アタシは全力で協力させてもらうよ!」

 

暁の嬉しそうな声を聞きながら俺は倒れてしまった。恐らく魔力の使い過ぎと、無理に呪いを解いた副作用だろう……

 

「ラティス!? どうしたんだい!?」

 

暁には申し訳ないが、今の俺にはもう喋る力もなかった。しばらくの間、休まなければ……

 

彼女の焦るような声が聞こえた数秒後、俺の意識は深い眠りへと落ちていった……




久しぶりに投稿した気がします。何故だか分からないけれども、ロリっ子は皆さんには異常な程に人気ですね……もっと出せば読んでくれる人の増えるのでしょうか……

では、本日はこの辺で。いつも通り、応援や質問、感想、その他をお待ちしております!
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