後継者達と世界の運命   作:AZΣ

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どうも、皆様。お久しぶりです。
最近暑かったり寒かったりと、気候が安定しませんね。
皆様も身体には気を付けて下さい。

今回はラティスの剣の名前が明らかになります。

では、第七話スタート!



第七話-戦闘

燃えている木々の隙間を縫うようにして、マゴトの部下である猿の化け物達がこちらに少しずつだが、迫って来ていた。

 

この化け物達は、見た目通りに知能が低い。身体もあまり大きい個体もいない。

 

しかし、それを補って余りある程の力があり、そして、何よりも数が多い。

 

しかし、この化け物達の主人であるマゴトは全くの逆で、頭が良い。

 

単純な力勝負なら、大体の奴があいつに勝てるが、能力が非常に危険だ。昔、聞いた話によると、マゴトにはあいつだけの特別な能力が使えるらしい。

 

詳しい事は分からないが、空間を歪めて異次元に来れる訳だから、おそらくは重力を操るものだろう。

 

つまり、無闇に化け物達を倒すと、マゴトに重力で潰されるか、異次元に放り込まれるのがオチだ。

 

とすると答えは一つ、マゴト本体を狙うべき!

 

俺は化け物達を切り裂いてマゴトへ一直線に向かって行った。邪魔をする奴には容赦はせずに切り捨てる。

 

俺の背後には、血と内臓、そして、脳漿(のうしょう)(あふ)れ、それは剣にも付いていく。

 

剣の汚れを振って飛ばしながら、周りを確認する。碧愛は幸いにも、ティアとエスメラルダの側にいた。

 

碧愛の事は彼女達に任せるとしても、あまり、時間はない。

 

エスメラルダは植物の精霊なので、森が燃えている事で力が奪われているのか辛そうだ。この森からしたら、何百分の一にも満たないだろうが、早く助けた方が良さそうだ。

 

ティアも様々な動物を召喚している。一度に四、五体まで召喚しているのだ、体力と精神力が多く奪われるだろうし、何より自分達が暮らしてきた森が燃えているのだ、そのストレスも良い方向には働かないだろう。

 

俺も化け物達を、かなりの数は切ってきたはずだが、敵の元の数が多過ぎて一向に進めない。

 

その時俺はある事実に気付いた。自分には当たり前過ぎて、それを忘れる程の事実。

 

何故マゴトに魔法が使えるか?奴の魔法でここに来たからだ。そして何より、次元が歪めているのは奴の魔力なのだから、俺が使えない道理はない。

 

落ち着いて考えてみれば、マゴトは自分の魔力を使って次元に穴を開けている。奴に使えるのならば、俺も本来の力が使えるという事だ。

 

よし、それなら……俺は納得するとすぐさま、水の魔法を使って、碧愛達の周りに群がっている化け物達を水の牢に閉じ込め、一掃する。

 

そして、それと同時に森の火を消した。そして、土の魔法で壁を創って彼女達を守り、それと同時に火の魔法を、風の魔法で範囲を広げて、化け物達を燃やす。

 

さらに風の魔法の出力を強くして、雲を呼び寄せ、雨や雷を降らせる。

 

流石に一、二発では化け物達は死なないが、一瞬動きを止めるには充分だ。

 

俺は魔法を使いつつ、剣で化け物達を切り裂いていく。どれ程こいつらに力があろうが、知能もなく、相手に触れる事も出来ないのならば、全くの無意味。

 

マゴトは上空で目を見開いて唖然(あぜん)としている。散々人を馬鹿にして、(あなど)って止めを刺さなかった慢心(まんしん)の結果がこれだ。

 

マゴトの顔がだんだん真っ赤に染まっていった。やつの顔が屈辱(くつじょく)に歪んでいるのがよく分かる。

 

とりあえず、化け物達は半分くらいは殺したはずと思った頃、突然残った化け物達が浮遊(ふゆう)し始めた。

 

マゴトの仕業か! 厄介な事を……だが、今の俺には好都合だ。

 

俺は一度大きく飛び上がり、化け物達を踏み台にしつつ、風の魔法を使って、自分の身体を浮かべていく。

 

マゴトはまだ(はる)か上にいるが、魔法が使える状態の俺ならば、決して届かない距離じゃない。

 

俺は魔法と筋力を存分に使って、マゴトと同じ高さまで一気に飛び上がる。

 

そして、やつの眼前に俺が携えていた剣を(かざ)して見せた。

 

「この剣に見覚えはないか?」

 

すると奴の表情が、驚きと恐れに支配されていく。

 

「なっ! それはまさか……デュランダル!? い、いや、そんな馬鹿な! それは貴様が使える物ではないはずだ!」

 

そうこの剣は聖剣、"デュランダル"。かつて、高潔な人間が使った、光の象徴。

 

本来、悪魔が持とうものなら、剣の、その汚れなき力にその身を焼かれる。

 

「正解だ。何故使えているのかは俺もわからんがな!」

 

そう言うと俺は、マゴトの右腕の(ひじ)から下を切り落とした。その瞬間、右腕の傷口から(おびただ)しい血飛沫(ちしぶき)が上がる。

 

「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

マゴトのような固有の能力は大体の場合、発動に時間が掛かる事が弱点。それを考慮(こうりょ)しなかったやつの悲鳴が森に木霊する。

 

「ぐっ……ぁぁぁぁぁぁぁぁ!! ……はぁっ!……はぁっ……馬鹿な! 馬鹿な馬鹿なぁ! おのれ……次こそは貴様のその全身を原型も分からぬ程に潰してやるぁぁぁぁ!」

 

そう言ってマゴトは次元の穴に逃げ帰っていく。残った化け物達も主人の後を追って、元のの世界に帰って行った。

 

俺も出来る事なら追いたかったが、ここまでの戦闘は(しばら)く行ってこなかったため、身体が動かなかった。

 

どうやら、知らない内に(なま)ってしまっていたらしい……

 

「「「ラティス!!!」」」

 

三人が一斉にどうやら無事のようだ、良かった……彼女達も多少傷を負っているが、大した事はないようだ。

 

「今日から何日か、済まないが休息を取らせてくれ……もう身体が動かないんだ……」

 

そう言って俺は、彼女達が全員無事だった事による安心で、痩せ我慢をしていた身体が、悲鳴を上げながら倒れた。

 

「次までには、皆を守れるようにもっと力をつけておかねば……ううっ……」

 

そう最後に小さく(つぶや)くと、俺の意識は優しい眠りに包まれるように、緩やかに消えていった……




どうだったでしょうか?デュランダルは神話などから取りました。能力はその名の通り、絶対に破壊出来ない剣です。
それでは今回はこの辺で。応援や質問、感想等もお待ちしております。
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