転生したら滝本ひふみの彼氏になった件について   作:飛び方を忘れてるカラス

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見事に雪が降りました。
これにより昨日投稿出来たはずが、除雪の疲れにより今日に…本当にすいません。


メールのミスは幾つになっても恥ずかしい

涼風ちゃんのラッキースケベ(?)と、憧れの人との運命の出会いの二大イベントを見届けた俺は、自分のデスクに向かっていた。

 

と、そこで

 

「あ、立花先輩おはようございます」

 

「篠田か、おはよう。つか、お前またギリギリかよ」

 

俺に挨拶をしたのは篠田はじめ。ショートカットで、女性にしては長身の部類に入る、要はボーイッシュな後輩だ。

 

「ギリギリこそが我が人生ってヤツですよ」

 

「あぁ?」

 

「…ナンデモナイデス」

 

ちょっと腹の立つ答えが返ってきたので、ドスのきいた声を出した。

 

「ま、まあそんな事より、駐車場にバイクがあったんですけど、アレってもしかして先輩の?」

 

「お、気づいたか。今日からバイク通勤だよ」

 

「おー!やっぱ先輩のだったんですか!」

 

篠田は普段、自転車で通勤している。おそらく自転車を置いた時にでも目に入ったのだろう。

 

「…つか、今お前さらっと話逸らしたよな。そろそろ自重しないと、遠山の堪忍袋も切れるぞ〜」

 

「遠山さんの怒った顔…」

 

篠田が呟くと、彼女の怒った顔を想像したのか、血の気が一気に引いて青くなる。

まあ確かに、普段は物腰の柔らかい人がマジで怒ったら確かに怖いわな。俺でもビビる。

 

「…その想像通りにならんよう、お前も気をつけろよな。…そうだ。お前ってひふみと同じ所だよな」

 

「へ?はいそうですけど…」

 

篠田はモーション班なのだが、モーション班の席が空いていない為、キャラデザ班の余った席で仕事をこなしている。まあそこでひふみとは顔見知りという訳なのだ。

 

「今日からそこに新人が入ったぞ。つうか今いるぞ。お前の初めての後輩だぞ〜」

 

「後輩…私が先輩…先輩…。うぉぉぉ、なんか変な感じだー!」

 

うん、やっぱ篠田は弄り甲斐が八神並みにあるな。うん、面白い。

 

「ま、肩に力入れずに、自然体で接してやってくれ。あの子えらい緊張してたから。この会社にはお前みたいな奴もいるって事を新人ちゃんに教えてやれ」

 

「ちょ…私みたいってどういう事ですか!?って先輩!無言で手を振りながら早歩きで去っていくなー!」

 

これ以上あいつと話していると戻れなくなりそうだったから無言で戻った。

 

 

そしてそれから暫く後。

 

 

 

「…おはよう」

 

「…ん?ひふみか。おはよ」

 

後ろから声をかけられた。

声の主は滝本ひふみ。俺の恋人だ。

 

「…あ、今日からそっちに新人入るらしいぞ」

 

「…!?」

 

いや何で新入社員が入るだけで、そんなのび太がジャイアンに殴られた時みたいな顔をするんだ。

…まあ、人見知りだから仕方ないか。

 

「…くれぐれも、あんまり無愛想に返すなよ。あの子、何か変に緊張してたっぽいし。そんじゃ」

 

ひふみの頭をポンと叩いてデスクに向かう。

 

…しかし。ひふみのやつ大丈夫か?なんか心配しか覚える事が出来ない…。

そう感じながらも、俺は背景班リーダーとしての記念すべき1日目を失敗しないように、「ひふみなら大丈夫」と自己暗示しながら仕事に励むことにした。

 

 

–––––––––––––––––––––––––––––––

 

新入社員って今日からだったの…?

…マズイ、緊張してきた。

これまでにも何人かの新入社員と話すことはあったが、結果はまあ、良好とは言い難かった。

そういう昔からの結果を考えると、不安になってくる。

昔ほどひどくはなくなった人見知りも、まだ完治した訳ではない。

まだ初対面の人と話すと緊張はするし、知らない人から声をかけられてもテンパってしまう。

 

…というより、そろそろこの固定概念的なのは捨てた方がいいのかな。

「私に話しかけない人は良い人」というのは。

戒くんからも捨てておいた方が絶対に良いって言われてるし…。

 

と、なんやかんや考えていると、自分のデスクに着いていた。

はあ…腹をくくるしかないのかな…。

 

「おはようございます」

 

挨拶をして席に座ろうとする。

と、その直前に

 

「お、おはようございます!」

 

「…あ、うん…え?」

 

珍しく挨拶を返されたので、少し驚きながらも返事をしようと声のした方を向けば、そこには女の子が立っていた。

いや、女の子なのは別にいい。

問題は体格と顔なのだ。

身体は随分と小さい。身長150…無いかもしれないぐらいの低身長だ。

私は160を超えているため、必然的な見下ろす形となってしまう。

極め付けはその顔だ。

俗にいう童顔なのだが…前述した低身長もあってか、中学生か、もっと言うと、小学生にしか見えないのだ。

 

「……?」

 

何故こんなところに子供がいる?という結論に至った私は、必然的にそのまま席に着いてしまう。

 

「あ、あぅ…」

 

なんだかよく分からないが、女の子は落ち込んだ様子で席に座る。

…っていうか、なんで座ってるの?

もしかして社会見学?

この時期に?まさか。そもそも知らされてすらいないし。

…いやでも、コウちゃん事なら「あ、言ってなかったっけ」って後から言うのが簡単に頭に浮かぶ。

それとももしかして、この子が例の新入社員?

…いや、それはない。

だってどっからどう見ても子供だし、中学生だし。

 

「ひふみさん、ひふみさん」

 

小声で話しかけてきたのは、私の隣の席の飯島ゆんちゃん。関西弁で話す、さっきの女の子ほどではないが小柄な可愛い後輩だ。

 

「なに?」

 

「あの今の子、新入社員なんですけど…」

 

「へー…………え?」

 

「ですから、あの子が新入社員なんですよ」

 

「え…あー…」

 

あー、これはやってしまった。

人と話すのが苦手とかそういうベクトルじゃなかった様だ。

 

私は今この瞬間、人を見かけで判断するものではないということを学んだ。

 

–––––––––––––––––––––––––––––––

 

私、本当にこの会社でやっていけるのかな…。

なんか突然立ち上がったかと思えば、ライトセイバーみたいなの振り回すし、下着姿で寝ている人いるし、その姿見慣れてるっぽい人もいるし…。

 

今日入社した私が言うのもなんだけど、この会社変人が多すぎない?

いや、本当に新入社員の私が言うのも失礼なんだけど。

 

ポツン

 

「え?」

 

机に顔を突っ伏して項垂れていると、パソコンから不思議な音が。

画面を見ると、そこには「メールが届いてます」の文字が。

誰からだろ…。

開封にマウスを合わせてクリックする。

メールの内容は…

 

〈はじめまして。

後ろの席の滝本ひふみです!気軽に下の名前で呼んで!( ◠‿◠ )

さっきは挨拶を返せなくてごめんなさい!つい新入社員さんじゃないかと思ってしまって…m(。≧Д≦。)m

話しかける時はメールでよろしくお願いします!

これからよろしくね!ヨロシク(゚0゚)(。_。)ペコッ〉

 

「ひふみ先輩…!」

 

顔文字を使うのがちょっと意外だったけど、ちゃんとした人がいてくれた…!

よーし、早速返信だー!

 

〈新入社員の涼風青葉です!よろしくお願いします!

さっき八神さんから渡された参考書に選択したオブジェ以外を非表示にできるって書いてあるんですけど、そのツールボックスが見つからないのですが、どこにありますか?〉

 

さっき八神さんから渡された参考書を進めててわからないことがあったので聞いてみた。

すると程なくして返信は返ってきた。

 

〈ショートカットのCtr+Hでできるよ!( ´∀`)〉

 

わかりやすく、しかもフレンドリーに教えてくれるひふみ先輩。ひふみ先輩マジ先輩です!

 

早速試そうと言われた通りキーボードをいじると、なんとあれだけ悩んでいたのが馬鹿みたい、簡単に出来てしまったのだ。

 

〈ありがとうございます!やってみたら出来ました!〉

 

〈それはよかった!これからもよろしくね!(`・∀・´)〉

 

ひふみ先輩が素晴らしすぎてもう…。

しかしともあれ第一の私の壁は先輩からのアドバイスによってクリアすることができた。

ふっふっふっ…これは八神さんも驚くでしょう…。

よーし、報告送っちゃえ!

 

〈参考書の指示のあった項目を進めてます。

よゆーデス( *`ω´)b〉

 

そして送信をする。

さーて、どんなリアクションをするのか楽しみだなー。

 

––––––––––––––––––––––––––––––––

 

「な…なんだこれ…」

 

画面とにらめっこをしていたこと五分。

突然普段送られることのないメールが送られてきた。

その内容を見てみると

 

〈参考書の指示のあった項目を進めてます。

よゆーデス( *`ω´)b〉

 

「涼風ちゃんか、これ…」

 

差出人を見てみれば案の定″涼風青葉″の名が記されていた。

大方八神にでも送るつもりだったのだろう。そこで慣れないパソコンによって間違ってしまったと…まあこんな感じだろうか。

ここは弄ってやろうかとも思ったが、さすがにそれは酷だなと思い、素直に指摘することにした。

 

〈送るところ間違ってるぞー。

全然よゆーなんかじゃなかったな(笑)〉

 

前言撤回。

書いてたらいつの間にか弄ってた。

そして送信した。

 

その後暫くしてテンパった涼風ちゃんの返信が来たのは語るまでもないだろう。




上手いことオチが見つかんない結果これですよ。
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