転生したら滝本ひふみの彼氏になった件について   作:飛び方を忘れてるカラス

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どうもです。最近、コウちゃんが夢に出てきましたチバチョーです。


決心 後編

 

【前回までのあらすじ】

 

「鍵が…ない」

 

以上。

 

–––––––––––––––––––––––––––––––––––––

 

ああなんてこった。パンナコッタじゃねぇよマジで困ってるんだよ。

 

「…マジでどうする?」

 

「………」

 

いやホントにどうしよ。

鍵がない。多分落としたのだろう。

 

「とりあえず…交番に行くか」

 

「………うん」

 

謝罪の念がこもった応答を聞き届けた俺は、交番に向かって歩き出した。

 

結果は、とりあえず鍵は交番の方には届いていなかった。

見つかって届いたら連絡がこちらに届くようにと伝えた。

 

そして今は公園だ。

 

「どうする?明日も仕事だが…」

 

「………」

 

さっきからずっとこんな感じなのだ。

顔をうつむかせて黙りっぱなし。

多分鍵を落としたというショックと、俺に迷惑をかけたという罪悪感からだろう。

 

「会社の近くのホテルにでも泊まるか?金足りなかったら俺がもつよ」

 

「………」

 

「………」

 

もう、なんだろうね。流石の俺も心が折れそうだわ。

もう12:00近いのだ。これ以上公園で話してるわけにもいかない。

この現状を打破するには…。

 

「あっ」

 

思いついた。だがそれ実行するか?

もし実行したら相当ヤバいやつ…いやでもワンチャンいけるか。

 

「今日、俺の家で泊まるか?」

 

「……え?」

 

「いや忘れてくれ」

 

撃沈。ハイ撃沈。

疑問の言葉であり、万国共通で通用するであろう「え?」を言われた時点でこの案はもうボツだ。

 

「え、あの…」

 

「忘れていいよ、つーか忘れてマジ忘却して」

 

「その」

 

「もういいから掘らなくていいから、俺も頭おかしいんじゃねぇの?って思ってたからぁぁぁぁ!」

 

「あの、話…聞いて?」

 

「お前が嫌だと言うなら俺は全っ然構わないよ?むしろいいえの選択肢を選んで?」

 

「私…別に、いいよ」

 

「いいえってマイナスな感じがするけど、実際は重要な選択肢であって、決して必ずしもバッドエンドに向かうわけじゃ………え?」

 

いま、なんと?

 

「だから…戒くんの家なら、いいって言ったの…」

 

赤面で目を泳がせながら言う。

 

「おお、テレジア…」

 

なに、ここにテレジアが現れたんだけど。どこのゾーネンキントですか、どこの黄金の獣のひ孫なんですか貴方は?

…と、あまりに愛い姿に思わず荒ぶってしまった。

別に「一緒にお風呂に入りましょう」とか変態神父的発言は考えなかったから。

 

「えーと、え?OKなの?」

 

「………」

 

コクリ、と頷く。

えーっと……言い出しっぺがこう言うのも何だが、マジでどうしよ。

 

 

 

 

その後、なんやかんやで俺の家に。

 

「ここが…」

 

「とりあえず適当にそこらへん座ってていいぞ。俺は風呂沸かすから」

 

リビングのソファに座り、落ち着かない様子で辺りを見回している。

そりゃそうだ。何気にひふみがこれの家に来るのは初めてなのだ。

 

そしてさらに時は経った。

 

「………」

 

「………」

 

何これ。もう軽く地獄じゃん。

気晴らしにつけたテレビの音がガーガー鳴っているだけだ。

横長のソファに2人座っているが、距離感がすごい。なにこれ中学生かよ。

と、しばらく地獄が続いていると、風呂が沸いたということを知らせる音が鳴る。

 

「…風呂沸いたぞ。先入れよ」

 

「……先…入れ…」

 

何故だ。ひふみが俺の発した「先に入れ」という言葉をずっとこだましているのだが…。

ん?()()()()

何かどこかでひっかかって…。

あ、そういえば倉橋が…。

 

ーーー夜の営みをする時は、女を先にシャワーを浴びさせるんだぜ(ニカッ)

 

「ちょ…そういう意味で言ったんじゃないんだっ!断じて違う断じて!」

 

「………」

 

「本当だって!ただの厚意!君に気を使って言っただけなのよ信じてぇぇぇぇ!」

 

俺が謝罪の叫びをしていると、ひふみはザッと突然立ち上がった。

 

「……お風呂、入るから…覗かないでよ」

 

「覗きません。神に誓います」

 

俺の言葉を聞き終えると、ひふみは風呂場へと向かって歩いっていった。

 

「大丈夫なのか、これで…」

 

無事に同棲生活できる不安になってきたわ…。

 

 

ひふみが風呂から上がり、俺も風呂に入った。

「ここにひふみがいたのか…(ゴクリ)」とか思ってないから、断じて思ってないからな!

ちなみにひふみの服は俺のシャツを貸した。

 

さて、次に生じた問題なのだが…。

 

「寝床はどうする…?」

 

「………」

 

どこぞのゲンドウよろしく司令官の如く顔の前で手を組んで考えている。

 

「私はこの家の人じゃないから…戒くんがベッドでいいよ」

 

「いや、客人を無下に扱うのもな…、俺はソファで寝るから、お前はベッドでゆっくり寝てろ」

 

「それは…ここまでよくして貰ってるから、せめて寝る時は…」

 

ここで頑固モード発揮かよ…。

ならばどうするか。

 

「…戒くんと、2人で寝るっていうのは…?」

 

「それだ!……はい?」

 

え…いやいやいやいや!!

 

「何言ってるんすか!?それはマズイですよね!?」

 

いきなりそれはハードル高すぎるでしょ!

いやまあウチのベッドのデカさ的に2人分寝れるけれど!

 

「私は…戒くんにも、ちゃんと寝てもらいたい…」

 

「そこは妥協してくれないかな…」

 

「……いや」

 

ああ、まいったな。こういう状態のひふみは何を言っても聞いてくれなくなるのだ。

これ以上続けても埒があかない。

 

「あーもうわかった!寝るよ、一緒に寝るから!」

 

「…………った」

 

そこで小さくガッツポーズするなよ可愛いなこんちくしょう。

 

 

 

そしてベッドに。

ひふみは右に、俺は左に。お互いに顔を背けて横になっている。

 

「……起きて、る?」

 

「現在進行形で寿命が縮んでるよ」

 

「……ごめんなさい」

 

「………もういいよ。これからの同棲の予行練習って思えば、案外ツラくはない」

 

再び会話が途切れる。

もう少しコミュ力上げた方がいいかもな。会話が続かなすぎる。

 

「…戒くん?」

 

「なんだー?」

 

一度言うのを躊躇ったのか、唾を飲み込む音が聞こえた。

 

「………今はダメだけど、そういう事したい時は、言ってね」

 

「…………そういうの、反則だろ……」

 

理性がヤバそうなので、とりあえず立ち上がって洗面所に向かう。

冷水を顔にいっぱいにかけて、冷凍庫から氷を2個取って口に入れてなんとか落ち着かせた。

 

 

鍵の方は、無事翌日に見つかった。

そしてそれから暫くは、俺とひふみは顔を合わせられなかった。

 




ラブコメやらかしましたね〜。
次回からはまた本編に入ります。
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