転生したら滝本ひふみの彼氏になった件について 作:飛び方を忘れてるカラス
遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。
エイプリルフール特別ストーリー
場所は帝国軍本部。
「反乱軍によるレジスタンスは激化する一方だ……どうすればいいと思うかね、うみこ・ベイダー」
「そうですね…ここはひとつ、戒・スカイウォーに対応してもらうのはどうかと。彼はイーグルトルーパーの中でもトップクラスの成績を収めています。ここは彼に向かわせるべきかと、葉月・シディアス卿」
「そうか…君ならそう進言すると思ったよ。入りたまえ」
「…!?」
葉月に呼ばれ、入ってきたのは1人の青年。
「お呼びですか、シディアス卿」
「聞いての通りだ。今から君には反乱軍の基地に潜入してもらう」
「基地に…ですか…」
「ああ。詳細は追って説明する。では下がりたまえ」
「はっ…」
困惑の表情を浮かべながらも、戒は言われるがままに退室した。
「お疲れ様。なに話してたの?」
退室した戒に話しかけてきたのは、同じくトルーパーのコウ・ケノービ。
「新しい任務だ。反乱軍の基地に潜入せよとのことだ」
「うわっ、そりゃまた重要な役を」
「ああ、荷が重すぎるぜ俺には」
「まあそういうわけだ。今日はもう準備に入るから、じゃあな」
「ああ、うん。じゃあ…」
そう言って2人は別れた。
翌日、準備を終えた戒は、すぐに出発となった。
反乱軍が基地としている星に、潜入し、反乱軍と親密な関係となり、有益な情報を引き出すこと。これが今回の任務だ。
しかし、戒は移動法の飛行機に、なぜか2人ぶんの席があることに困惑をしていた。
「私が乗るぶんだよ」
背後からの声に振り向くと、そこにはコウの姿が。
「おまえ…なんで」
「心配だからついてきた。だいじょーぶ、上の方には言っといてあるから」
「よく通ったな」
「私たち、トルーパーのトップ2でしょ?だから」
「なるほど」
無駄口を叩き合いつつ、戒は飛行機を発車させた。
反乱軍のレーダーに感知されないように注意を払いながら、なんとか着陸に成功する。
戒とコウは、パイロット服を脱ぎ、そのまま現地住民の服に着替えた。飛行機を岩陰に隠し、2人で歩き始めた。
辺り一帯は砂漠。水分補給をこまめにとりながら歩く。
「しかし…上手くいくのかねぇ、こんな任務」
「上手くいかせるのが俺たちの役目だ」
「まあそうなんだけどさ…」
「無駄口を叩かない。ほら行く…ずぉぁっ!」
と、戒が足を滑らし、砂丘をすごい勢いで滑り落ちて行く。
「ちょっ…戒!?」
「のわああああああ!!」
ズルズルと無様に滑り落ちていき、尻餅をついたことでようやく止まった。
口に入った砂を吐き出しながら、上を見る。
「だいじょーぶー!?」
「問題ない!怪我も特になし!」
「そー!なら私も降りるから!」
「気をつけろよー!」
まだ痛みが残る尻をさすりながら、なんとか立ち上がろうと腰をあげると、手を差し出された。
「…!?」
「大丈夫…ですか?」
突然の声に驚きつつも、ゆっくりと顔を上げていく。
そこには、亜麻色の髪をした、女性がいた。
「なんだか落ちてたけど…」
「だ、大丈夫だ。問題ない」
その美貌に見惚れかけつつも、なんとか意識を戻す。
と、そこで彼女の二の腕についてるワッペンを見た戒は聞いた。
「それは…君は反乱軍なのか?」
「はい一応…下っ端ですけど」
「そうか…」
「大丈夫ー?」
と、そこでコウが間に入る。
「…誰?」
「ここの人だ。名前は…あー…?」
「ひふみです」
「ひふみ?名字は?」
「ありません…というより、覚えてない」
「あー…それはまた…」
やや複雑そうな顔をするひふみに、コウはやってしまった、という顔をする。
「それより、俺たちは反乱軍に入りたくてここに来たんだが…」
「反乱軍ですか…?わかりました。なら基地に案内します」
「してくれんだ!」
「当然です。新しく仲間が増えるのは、とても嬉しいことですから」
そのひふみの笑顔を見た戒は、これから裏切るという行為を想像し、少しだけ複雑な顔をした。
場所は変わり反乱軍基地。
「どうしましょう、青葉・オーガナ姫」
「なんでこんな偉い役になっちゃってるんだろ……あー…とりあえず入れましょう」
「よし」
「意外と上手く行くもんだね」
戒とコウは小声で声を掛け合う。
『これからよろしくお願いします』
『よろしく、よろしく』
と、2人に声をかけてくる機械音。
見ると、そこには2台のロボットが。
「紹介します。こちらの黄色い方がYUN-3PO。青い方がHAZIME-D2です」
『ゆんって呼んでください〜』
『はじめでいいですよ〜』
「ああ、よろしく」
ロボットにしては馴れ馴れしいな、と戸惑いつつも握手を交わした。
それから数ヶ月は反乱軍として生活した。
こまめに帝国軍への連絡をしつつ、反乱軍の確実な情報を得るために日々を生活していた。
しかし、その中で戒の心のうちが変化していった。
彼に手を指し伸ばした女性…ひふみのことを、気がつけば目で追っているのだ。
どうすればいいのか、わからなかった戒は、コウに話を聞くことにした。
「…どうすればいいと思う?」
「うーん…とりあえず、黙り込むことが一番だと思う。私情をもたらしたら、何かトラブルに繋がるかもしれない」
「そうか…わかった」
「…この事は、りん・ソロには言わないようにしとくよ」
「ああ、ありがとう」
そういってその日は別れた。
しかし、黙りこめば黙りこむほど、戒の中の心の想いは強くなっていった。
これは任務だ、私情を持ち込むな。
戒は自分自身に言い聞かせるが、効果はまるっきり感じない。
すると、ひふみが彼の元を尋ねてきた。
「あの…どうかしたの…?顔色悪いけど…」
「…いや、大丈夫だ」
突然現れたひふみに驚きつつも、戒は平静をなんとか保つ。
しかし、ひふみの顔を正面から見た戒は、その気持ちが抑えきれなくなった。
ドクンドクン、と鼓動が鳴る。
知らず知らずの内に、口が開く。
「俺…おまえが好きだ」
言って、初めて自分がなんて言ったのかに気づいた。
「す、すまん!今のは忘れてくれ!」
「え…私のことが…?」
「い、今のは…!」
と、戒が言い訳を言おうとすると、パン、と乾いた音が戒の声を遮った。
「…やっぱり、言っちゃったか…」
「コウ…」
「え…コウちゃん…?」
「私情を持ち込んじゃったら、もう邪魔になっちゃうかも」
「なにを…?」
「…ミイラになって」
「…っ!?」
パンパン、と弾を2発撃ち出す。
戒はひふみに覆いかぶさる形で避けることに成功する。
「コウなにをっ!?」
「任務に私情を持ち込んだら、なにかしらのトラブルに見舞われるかもしれない…」
「ちっ…」
戒も隠し持っていたハンドガンで応戦しようとするが、長年の戦友を前にすると、引き金が引けない。
「撃たないの…?」
「撃てるかよ…!」
コウの一方的な攻撃を避けつつ、言葉を交える。
「撃ちなさいよ…戦場なら、仲間を撃つ覚悟ぐらい持たないと!」
「くそっ…!」
岩陰に隠れ、銃弾の嵐をなんとかやり過ごそうとする。
「私だって…言われたかったのに…」
連射しながら、コウは涙を流しながら言う。
「私だって…私だって…!」
その姿を見た戒は、ある決心をした。
カチッカチッ、と弾が切れたことを証明する音がなる。そのタイミングを見計らった戒は、岩陰から出てくる。
「なに…?」
「弾切れか。ならこれを使え」
そう言って持っていた銃をコウの足元まで放り投げる。
「なっ…」
「戒くん!?」
「それで俺を撃て」
「…っ……!」
コウは銃を拾い、照準を戒の胸へと合わせる。
手が震えながらも、コウは狙いを定める。涙が頬を伝う。
「うわあああああああ!!」
声をあげる。
ひふみは目を瞑る。
しかし、いつまでも発砲音は鳴りひびかない。
何事かと目を開けると、そこにはへたり込んだコウの姿があった。
「できない…私には……」
そんなコウに、戒は寄り添う。
「俺だって出来ないよ。なんせ、俺とお前は戦友だからな…」
その日、コウは生まれて初めて大声で泣き、涙を流した。
ひふみと戒は、ただその光景を見ていることしかできなかった。
しばらくして泣き止み、コウは反乱軍を抜けて帝国軍に戻ることを2人に話した。
「戒は…ここに残るの?」
「ああ…帝国軍に戻る理由も、なくなったしな」
「なるほど…ひふみんはいいの?目の前に帝国軍がいるけど」
「できることなら、戦って捕まえたい」
「勝てると思ってるの?」
「ううん。…だから、戦略的撤退」
そのひふみの答えに、コウは豪快に笑った。
「それは賢明な判断!…じゃあ、そろそろ行くわ」
「ああ。報告の方は、そちらで好きにしといてくれ」
「うん。面白い死因考えとかなきゃ」
「お手柔らかに頼むよ」
「うん。…じゃあね」
「ああ。会えたらまた」
「また、一緒に…」
2人の声を聞いたコウは飛行機に乗り、飛び去っていった。
姿見えなくなるまで送った2人は、帰路へ着いた。
「…そういえば、反乱軍のみんなにはなんて?」
「帝国軍だってことは言わないでおいた」
「そうか…さーて。また頑張って働くか」
「うん…頑張って、私の彼氏さん」
その日、戒は本当の意味で反乱軍の一員に、そしてひふみの恋人となった。
…エイプリルフールだから記念ストーリーでも作ってみるか、って勢いで書いて見たらこんなことに……なんでこうなった!
自分でも訳がわからん!ストーリー支離滅裂すぎるだろ!