転生したら滝本ひふみの彼氏になった件について   作:飛び方を忘れてるカラス

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毎度毎度の深夜投稿すいません。
僕が書いているもう1つの作品の「Grimoire〜Deus ex machina〜」というのがあるのですが、そのDeus ex machinaという意味は、どうやらご都合主義の他に超展開という意味もあるらしいです。
この作品のためにあるような言葉ですね。


告白と無色

あれから数日が経った。

あの日以来から俺は滝本さんと目を合わすことが出来なくなっていた。

我ながら情けないものだ…。

別に生前は彼女がいなかったわけではないのだが、ここまで本気で人のことを好きになったのは生前でもなかったのだ。

あー…どうすればいいのだろうコレ。

二度目の生でここまで悩んだのは初めてだ。

思い切って伝えてしまえばいいのではないかとも思ったが、あの日の会話で彼女には別に好きな人がいるのだ。

玉砕するのをわかってて相手に突っ込むほど強いメンタルを俺は持っていない。

 

 

 

帰りのHRが終わっても俺は悩んでいた。

誰かにこのストレスをぶちまけてやりてえ…

ここまで悩んでいると、もはや病人レベルだ。

…学校で考えても埒が開くわけでもないか。

俺は鞄を持って帰ろうとすると

 

「あれ、お前まだいたの。何してんの?」

 

大橋だ。

 

「…考え事だ。今から帰ろうと思ってたとこだ。じゃあな」

 

そう言って教室を出ようとすると

 

「まあ待て。お前、なんか悩みがあんだろ?」

 

…こいつ。

なんでこういう奴はこう、こういうことにやけに鋭いのだろう。

 

「話してみ、友人のよしみだ。俺でよければ相談に乗るぜ」

 

「……」

 

あまり乗り気ではなかったが、ストレスをぶちまけてやりたいと思っていたのも事実。

…言うだけ言ってみるか。

 

「ちょっと人に伝えたいことがあってだな。だけどそいつには…その、別の事情的な何かがあるんだ。それで俺は伝えることができずにつまずいてて…」

 

自分で何を言ってるのかわからなくなった。

国語は得意な筈だったのだが…

だが大橋はその意味不明な言葉に「はーはー」と頷き

 

「えーと。つまりお前はとある人に伝えたいことがあるが、なんか事情があってそれを伝えることができない…ってことでOKか?」

 

「…まあOK」

 

あながち内容は間違ってなかったので、肯定しておいた。

 

「んー…まあ俺からの助言を言おう。さっさと伝えろ」

 

またざっくりな助言をする相談役がいたものだ。

だが次に大橋から発せられた言葉は、予想外にマトモな言葉だった。

 

「伝えることは重要だぞ。人間、伝えることができなくて後悔するなんてよくある。お前はそうなんな」

 

ど正論だ。

 

「まあつまり、体に溜めるのは毒ってことだ。お前にとっても相手にとっても、な」

 

その助言は「伝えろ」というシンプルな言葉だったが、俺にとっては十分な助言だった。

第三者から見てもそういう答えになるのか。

 

「…そうか、助言サンキューな。一晩考えてみるわ」

 

とりあえず家で考えるか。

と、教室を出る直前

 

「なーるほど。とりあえず、言いたいこと全部言っちまえよな」

 

何かを察したかのような大橋の声が聞こえた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

風呂から出て、自室のベッドに寝転んで考える。

あーあ…やっぱり伝えた方がいいのかね…。

考えれば考えるほどわからなくなる。

生前、自分から告白というのをしたことがなかった俺が恨めしい。

それから暫く考えて、1つの結論に至った。

 

「…するしかねえわな」

 

正直、このまま溜め込むのも俺の性格的にも黙ってられない。

なにより。

 

「2度目の生だ。でっかい後悔は残したくねえしな」

 

″ーーお前はそうなんな″

 

大橋からの言葉を思い出す。

あいつの言葉に従うような形になってしまうのは癪だったが、まあ仕方ないということにしとこう。

 

そう思い、俺は部屋の電気を消して寝ることにした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その日、俺は授業そっちのけで告白の文を頭の中で考えていた。

…思いつく限りの言葉を記憶するが、これといって良いというのが出なかった。

くそ、これヤバイかもな。

…もしかしたらスベって終わりになるかもしれない。

 

そんなこんなで昼休みになった。

相変わらず俺はジュースを飲み、滝本さんはパンを食べてる。

このタイミングで伝えるのはさすがに無いか…。

隣でパンを食べてる滝本さんに声をかける。

 

「あのさ…放課後、ちょっとここ(屋上)で話があるんだけど…いいかな?」

 

極めて自然にそう話しかける。

 

「…?いいけど」

 

頭に?をつけたかのように、首をかしげる。

OK、ここまでは完璧。

あとは…俺の心の準備が放課後までに整うかだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

帰りのHRが終わる。

俺の心の準備は…整ってない。

自分でも心の整理は得意だと思っていたのだが、そうでもなかったらしい。

 

「立花ー。プリント運ぶの手伝ってくれ」

 

放課後に予定があることを知らずに、担任が声をかける。

このクソ担任。

俺は前の人生を含めて初めて、担任の教師に殺意を覚えた。

 

さっさと終わらせて、俺は屋上まで走る。

屋上までの階段を3段飛ばしして、扉を開ける。

そこには滝本さんがいた。

まあ俺が呼びつけたので当然といえば当然なのだが。

亜麻色の髪が風になびいている。

ああ、綺麗だな…。

っと、惚けている場合ではない。

 

「ハァッ…ハァッ…遅くなって…ごめん…!」

 

全速で走ったため、息が切れてる。

 

「…大丈夫。先生から呼ばれたなら仕方ない」

 

滝本さんは許してくれた。

 

「で、話って?」

 

早速…か。

だがウジウジしてられない。現にもうここまで来てしまってるのだ。

 

「…その…ッ!」

 

ここまで来て俺はやらかした。

告白の文を忘れた、否、忘れてしまった。

緊張のしすぎか…。

自分のメンタルの弱さが恨めしい。

滝本さんが俺を見てる。

早く言わないと…早く…!

だが思い出せない。

どうする…どうする…!?

その時、悪友の言葉が俺の頭をよぎる。

 

″ーーとりあえず、言いたいこと全部言っちまえよな″

 

…そうだ。そうだな大橋。

ーー言いたいことは全部言っちまえ。

そうだよ、お前の言う通りだよ。

…改めて感謝するよ。

助言サンキューな。

わざわざ考えなくたっていい。伝えたいことはたったの2文字。

なんでその何倍もの長さの文を考えていたのか。

自分のバカさにため息をつく。

ーーこんなもん、一言で済ましてやる。

 

 

 

「俺、滝本さんが好きだわ」

 

 

 

 

いつもと変わらない口調で言う。

その言葉に滝本さんは予想外の反応をした。

 

「……え、え…?」

 

驚きながら涙を流していた。

いや、ちょっと待て!

 

「え、え!?」

 

オウム返しのようになってしまうが、俺もそういう反応しかとれなかった。

俺が1人であたふたしてると、滝本さんは落ち着いたのか、口を開いた。

 

「ごめんなさい、突然のことでつい、驚いちゃって…」

 

驚いたのはわかるが、あんた前に別の奴に告られた時、無表情で無言状態だったじゃねえか。

などという野蛮なツッコミは口に出さない。

涙を手で払い、滝本さんは続けて口を開いた。

 

「返事だけど…うん、私も…好き」

 

…え?ちょい待ち。

ワタシモスキ?

それって…え、どういうこと?

 

「…あーっと、滝本…さん?あなた別に好きな人がいるんじゃ…」

 

俺は今生じた疑問を聞く。

 

「…うん、それってね、君のこと」

 

えーっと、つまり…どういうことだってばよ。

少し頭を巡らせる。

俺は滝本さんを好きになったけど、滝本さんには好きな人がいた。でも俺は玉砕前提で告った。そしたらその好きな人が俺だった…。

冷静になってやっとわかった。

…そんな漫画みたいなことってあるもんなんだな。

 

「ハ、ハハ…。じゃあつまり、俺らこれで…」

 

「うん、そうだね…恋人、でいいんだよね…?」

 

そこで疑問符をつけられても…。

 

 

ともあれ、俺は2度目の生で初めて恋人というのが出来た。

それは前の生のとは違い、本気の恋人だった。

俺が本気で恋し、本気で告白し、手に取った。

そしてその恋人ーー滝本ひふみが、無色だった俺の2度目の生に、色を付けてくれた人になった。




これ書いてきながら「リア充滅べよ」と思いました。
というわけで、今回の話で学生編終了でございます。
次回は原作編!…かと思いましたか?残念、もうちょい原作前が続きます(本当にすいません)
次回から原作登場人物が出てくるはずです。
投稿はいつになるかわかりませんが、近いうちに投稿できればと思っております。
感想&誤字脱字報告も絶賛受付中でございます!
それでは!
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