転生したら滝本ひふみの彼氏になった件について 作:飛び方を忘れてるカラス
今回は大人気キャラのあの人が出てくるよ!(やっと)
似てる人
東京の空気は重い。
人は多く、車も多い。無駄に高いビルに、無駄に狭い道路。
嫌なところしかないが、俺は東京に住む。
何故か。
それは愛しい人と一緒にいるためだ。
住めば都という諺もあるぐらいだ。慣れればどうにかなるだろう。
…そう思っていた時期もあった。
ーー2009年、6月15日。
俺は今日も、会社へと出勤する。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さて、そんな田舎好きの俺は東京に対して文句しか言っていない様に見えるが(実際そうなのだが)、東京にも褒めれるところは幾つかある。
まあ先ほど言っていた文句に含まれていた電車だ。乗り換えなどと面倒くさいこともあるが、それさえ覚えればめっちゃ楽だ。
駅に着き、電車から降り、そして少し歩いて向かうだけ。最高すぎないかコレ。田舎では味わえない優越感っぽいのを感じれる。
そうこうしてる内に会社に着いた。
俺が勤めている会社名は「株式会社イーグルジャンプ」。所謂ゲーム会社だ。
これと言ったヒット作は無い、普通の会社と言ったところだ。
自分の作業席へ着く。
「おはようございます」
「うーっす、オハヨ」
俺の席の後ろの席に座って朝ごはんのパンを食べながら答える。
この会社での俺の先輩だ。
「どうだ、バイクの免許は取れそうか?」
「どうでしょうね。…結構ギリギリ、かもですね」
バイクの免許とは、俺がこの会社への通勤方法として、バイクに乗った方が早く着くのではないかという考えから、取ろうと思っているのだ。
俺の自宅からこの会社までの距離は結構離れている。電車で行っても朝に起きる時間はかなり早めだ。
それでは効率が悪いと思い、先輩に相談したら…
「バイクだな。バイクはいいぞ〜、持ってるだけで女が寄ってくる」
…この発言の後半の内容が免許を取ろうと思った理由ではない。断じて違う。
と、こんな感じである面倒くさいを取ろうと思っているのだが、これがまた難しい。
「まあ気長に頑張ります」
「おう頑張れ頑張れ」
そう言ってパンを食べ終わると、パソコンに顔を向けてマウスをいじる先輩。
俺の役職はグラフィック班である。
昔から背景画などを描くのは得意だったし、趣味でもあった。
そのため、この役職は天命なのではないかと予想した。入ってみたところ、俺の予想は見事に命中。
仕事はうまくやっていけてる。入社2ヶ月目だが、割と上手くやっている方だと俺は思う。
少し遅れてもう1人、俺とあまり歳が変わらなそうな顔立ちをした青年が来た。
「ちわっす」
「おー、ハヨ」
青年の名前は
倉橋はそのまま席に座って作業を始める。それからはずっと各々の作業をしていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
時は経ち、昼時。
「さーてと、飯買ってくっか」
軽く伸びをした先輩が呟き、出て行く。
さてと、俺も昼飯を…
「たーちばな、一緒に飯買いに行こうぜー!」
朝方とは打って変わってテンションが高い倉橋が肩を組んでくる。
「わり、俺今日飯はあんだわ」
「なっ、ま…まさか俺を裏切るというのか!?」
「裏切るって何だよ…」
知り合ってまだ数ヶ月だろ俺ら。
「ちぇーっ、いいよなリア充はー!彼女が飯を作って来てくれるんだからなー!」
わざとらしく声を上げる倉橋。正直うっさい。
「飯作るって言っても、毎日な訳じゃなねえよ。時間に空きがあって作れた時は連絡してくれるんだよ」
「結局リア充なんじゃねえか!」
リア充なのは、まあ事実だし。
「俺たち、一緒に魔法使いになるって約束をしたじゃねえかよ!」
魔法使いとは、30歳まで童貞を守っていれば、魔法使いにになれるというネット上の都市伝説だ。…よく考えれば、これって都市伝説って言えるのか?
「そんな約束した覚えはないし、そもそも俺童貞じゃねえし」
「自慢かコラァ!?」
などと喚いている倉橋を無視し、チラッと腕時計を見る。
そろそろ時間だ。
「そんじゃあな。魔法使い目指して頑張れ」
「嬉しくない声援ありがとう!」
そう叫ぶ同期を背に、俺は飲食スペースへと向かう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
先ほどの会話でもわかる通り、俺には彼女がいる。その彼女は俺の入社時のもう1人の同期だ。というか高校時代からの付き合いだ。
毎日…というわけではないが、今日の様にたまに飯も作って来てくれる。
普段は硬い表情で、感情表現が苦手な奥手な娘なのだが、優しくて気がきく、まあ言うなれば、世の男共が思い描く理想の彼女像をまんま体現したかの様な女性だ。自分で言うのもなんだが、勝ち組だと俺は思っている。
っと、危ない危ない。危うく顔がニヤけるところだった。
そうこうしてるうちに、飲食スペースに着く。
少し奥の方に、俺の彼女は座っていた。
足早に向かい、声をかける。
「悪い。遅くなった、ひふみ」
「大丈夫だよ」
俺の彼女ーー滝本ひふみは、多分この会社内では俺にしか見せないであろう笑顔で返してくれた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ひふみが作ってくれた弁当を食べ終え、談笑をしている。
「どうだ、そっちは上手くやれてるのか?」
「あまり…話し合うのが、まだ上手くいかない…」
「…そうか」
まあそれについては仕方がないだろう。元々性格的に人とのコミュニケーションが苦手な人物なのだ。それにまだ入社して2ヶ月。まだ大丈夫だ。
「あと、1人…話しづらい人がいて」
「話しづらい人…?」
「うん、八神コウって人。一応、私と同期なんだけど…。ちょっと…その、昔の戒くんみたいに、ぶっきらぼう…って言うの?そんな感じ」
「昔の俺…」
昔の俺はぶっきらぼうというか、近寄りがたい人間だったのだろう。2度目の生ということもあり、どこか悟りを開いていてしまったところあったと思うし。
「…でも、私に話しかけて来ないってことは、良い人だと思うんだ」
何だその基準。ってちょい待ち。
「それって俺が悪い人的な感じに聞こえるんですけど…?」
「戒くんは大丈夫。恋人だし、例外だから…」
少し顔を赤く染めて、小声で言うひふみ。
何だこの生物可愛すぎるだろ。こんな可愛い生物が存在して良いのか、どうなんだ神様!マリア様!?
「…あっ、そろそろ時間だ。じゃあまた後で」
腕時計を見るや否や、弁当箱を持って足早に去っていった。
し自分の彼女の可愛さに惚けていた俺は、しばらくその場を動けなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
トイレから出た俺は、仕事場に戻ろうと歩いていると。
「ねえ」
「ん?」
女性の声に呼び止められた。その声の主は、金髪のロングヘアーに、ややつり目な顔をした美人だった。
「えっと…」
俺が戸惑っていると、女性は紙を俺につきだした。
「資料。グラフィック班のリーダーさんに渡しといて。グラフィック班の人でしょ?」
「あ、はい。ありがとうございます、えっと…」
名前がわからない。入社式で見た気もするが…。
すると女性は俺の戸惑いを察したのか。
「八神、八神コウ。それじゃ」
そう言って女性…八神は去っていった。
八神…コウ。
ひふみが言ってた人か。
…確かに、あのぶっきらぼうさ。
昔の俺にちょい似てるな。
ついにコウちゃん登場!
ひふみんと戒くんの入社時期はオリジナルです。原作開始時点で2人は24〜25歳という設定にして、コウちゃんりんちゃんとは同い年ということにしました。ちなみにひふみんは遅生まれです。
前書きでも書きましたが、沢山の評価ありがとうございます!是非これからもよろしくお願いします!