転生したら滝本ひふみの彼氏になった件について 作:飛び方を忘れてるカラス
20万本突破の大ヒット!
フェアリーズストーリー大好評発売中!
ビルにかけられてる垂れ幕を見る。
「まさか、ここまで売れるとはな」
誰に向けるわけでもなく呟く。
俺が勤めている会社「イーグルジャンプ」は、新作の「フェアリーズストーリー」を2ヶ月ほど前に発売した。当初は無名の会社ということもあり、注目されていないかったが、口コミやネット上でのレビューによりジワジワと売り上げ本数を伸ばしていき、今では予想を遥かに超えるヒットを叩き出していた。
「…行くか」
自分達が作ったゲームが売れようが売れまいが変わらず、俺は今日も会社へ出勤する。
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「暦は十二月、英語で言うとDecember。
そして十二月といえばクリスマス。
さて、ここで問題。クリスマスといえば何でしょう?」
「イエス・キリスト降誕の日」
「ちげぇよ!正解はリア充が街に溢れかえる日でしたー!」
「うるせぇよ黙れよ彼女つくれ童貞野郎」
「そう簡単につくれてたら苦労してねえわい!」
12月22日。
只今、日本はクリスマスムード真っ只中。
街中では至る所にクリスマスカラーの看板や装飾品が飾られている。
「いいよなー。リア充であるおまえは肩身狭く暮らさなくてよー」
さっきから倉橋が妬みをネチネチネチネチ俺にぶつけてくる。そんなんだから彼女できないんだよおまえには。
「いいか、クリスマスにはリア充も何も関係ないんだ。堂々としてろ、開き直れ。気持ちを高く持っておけば、リア充なんかゴミに見えるぞ」
「クリスマスの過ごし方についてアドバイスをしているのか、俺を貶してんのかどっちなんだ」
「どちらかと言うと後者だ」
「キリストの如くロンギヌスに槍を突き刺されて死ね!」
「その場合、俺は三日後にザオリクするぞ」
「そん時はメガンテ喰らわせてやる!」
メガンテ出したらおまえ死ぬぞ。
などと倉橋とドラクエの呪文会話をしているが、実際問題俺もクリスマスをどう過ごすか決まってない。
ひふみとは付き合い始めて3年経つが、実はクリスマスを一緒に過ごしたことがないのだ。
理由は、クリスマスの日はひふみが家族と共に親戚の家に行くからだ。
だが、今年からは社会人。ひふみも俺も一人暮らしだ。
今年はクリスマスを一緒に過ごせるのだが…。
まあそれもひふみの方の事情等などによって変わる。
…あとで話すか。
そして時刻はPM8:00。
ひふみと一緒にカフェにいるのだが…。
「……」
「……」
席に座ってから十分ほど、何も話さず黙り合っている。
この異様な雰囲気からか、店員も周りの客も俺らに関わろうしない。
そもそも何故我々はカフェにいるのか?
説明すると、俺がクリスマスにどう過ごすのか、と聞こうとひふみに聞こうとしたら。
「わたしも…戒くんに話があって…」
そう言われた。
お互いに話すことがあるため、だったら帰りにカフェにでも寄って話し合おうということになった。
なのだが…
「……」
「……」
何をどこで間違ったのか、さっきからひふみはずっと黙っている。
このままでは埒があかない。意を決して話しかけよう。
「えーっと、話って何?」
「…リ……ス…」
「え?」
よく聞こえないぞひふみよ。
「だ、だから…クリスマス、どう過ごすの…?」
oh…。
まさかお題がお互い同じとは。
「あー、それね。実は俺もそのことで話が…」
「ほんと!?」
ガタッ、とひふみが机に身を乗り出す。
落ち着け落ち着け。少しキャラが崩れて…いや、こういう感じもたまにはアリか?
などとくだらないことを自問自答していると、ひふみも周りの視線に気づいたのか、顔を赤くして座り込む。
…なんか、本当にこの子は行動が小動物みたいだな。
「あー…俺としては、君と一緒に過ごせれば…と思っているんだけど…」
なんだこの歯切れの悪いお誘い文は。俺ってそんなキャラだったっけか?
「わ、私は…いいよ」
どうやらOKらしい。
「…そう。ならよかった」
断られたらどうしようかと思った。倉橋から妬みを延々と聞かされる最悪のクリスマスになってしまうのではないのかとドギマギした。
そしてその後、当日に何をするか、どこに行くかなどの予定を決めた。
ああ、楽しみだ…。
とりあえずクリスマスまでは絶対に死ねないな。
たとえ死んでもゾンビの如く生き返ってやる。
俺は強い決心を胸に抱いて、帰路を歩いた。
…その最中に、ひふみへのクリスマスプレゼントをどうするかを思い出してテンパったが。
どうも、久しぶりの投稿になってしまいました。
前回がコウちゃんヒロイン回だったので、これからはひふみん回へと突入する予定です!(前言撤回もあるので注意)
ちなみに僕の中でのクリスマスは一人で過ごすものです。