この報われないホムンクルスに祝福を! 作:元気マックスssさん
「ちゃうちゃう」
現在進行形で俺は非常にテンションが上がっている。
『おいおい、さっきからなんだ?そのキラキラした視線は、ウゼェぞ』
「い、いや!なんというか!ま、まさかグリードの兄貴に会えるなんて!!」
『おうよ、俺は強欲のグリードだ!』
「でも、なんでここに?兄貴はお父様に殺されたんじゃないのか?」
『んあ?あぁそうだぜ、確かに俺はあの時、親父殿に殺された………ここにいるのは俺もわからねぇ』
「へ?」
『気づいたらここにいたんだよ』
「ていうか俺の体、乗っ取ったりしねぇよな?」
『できねぇよんなもん』
「なんで?」
『今のところ俺は前よりも格段に弱ってる、まぁいるだけだ…………できる事と言えば餓鬼の体で喋る事しかできねぇよ』
「へぇ~」
『まぁ、喋れても一時間くらいしか喋れねぇけどな、餓鬼が俺に新しい体を造ってくれんなら話しは別だがな』
「う~ん、いいけどホムンクルスなんて造る気ないし、造るとしたら動物かな」
『ならヤメロ』
「で、どうやったらここから出んの?」
『あぁ、それなら簡単だ、ただ戻るイメージするだけでいいぜ』
「おっけぇおっけぇ」
『そんじゃあな餓鬼、俺はちょくちょく出てくると思うがそん時はよろしくな』
「おぉ、兄貴もこれからよろしくな」
そんな訳でグリードの兄貴が仲間になりました。
所変わってギルドでは。
「来ないわね」
「「あぁ」」
「つかさ、ハードル下げれば?」
大体、上級職だけってのは中々に厳しい。
「そうだぞ駄女神、上級職の奴だけだと俺とアラタの肩身も狭くなるし」
アクアは少し涙目だ、そりゃ募集して誰も来ないのは寂しいけど。
「だってぇ、だってぇ」
とその時、奴は現れた!
「募集の貼り紙、見させてもらいました」
「なに!」
ろ、ロリぃ。
「フッフッフ、この邂逅は世界が選択せし運命!」
なん………だと!
「私は貴方方のような者の出現を待ち望んでいた!」
ダニぃ!
「我が名はめぐみん!アークウィザードを生業とし!」
な…………へ?
「最強の攻撃魔法!爆裂魔法を操る者!」
め、めぐ…………みん?
「あまり強大さゆえ世界に疎まれし我が禁断の力を汝は欲するか?」
めぐみん、ねぇ。
「ならば、我とともに究極の深淵を覗く覚悟をせよ!」
……………………。
「人が深淵を覗く時、深淵もまた人を覗いているのだ」
………ハァ。
「冷やかしに来たのか?」
「ち、ちがわい!」
なるほど、そういう事…………所謂中二病って奴ね。
ここまで重度の中二病はTVの世界でしか見たことないなでも…………ものすごい好みのタイプだ。
断じてロリコンではありません、フェミニストです。
嘘です、ロリコンです。
「その紅い瞳、もしかして紅魔族?」
紅魔族?なにそれ?以下にも紅が好きって感じだな。
「以下にも!我は紅魔族随一の魔法の使い手!めぐみん!」
ほう。
「我の必殺の魔法は山をも崩し!」
へぇ。
「岩をも……く……だ、く」
!!
「おい大丈夫か?めぐみんちゃん!!」
ぐぅー
「へ?」
「もう3日も何も食べてないのです、なにか食べさせて頂けませんか?」
「おし!わかった!!」
俺は掌でパンを錬成する。
「「「へ?」」」
「ほら、これを食べるんだ!めぐみんちゃん」
「へ?あ、ありがとございます」
「おい、アラタ今のは?」
俺はカズマの質問を無視してめぐみんちゃんに質問する。
「その目はどうしたの?もしかしてケガか?直そうか?」
「フッ、これは我が強大なる魔力を抑える、マジィックアイテム、もしはずされる事があればこの世に大いなる災厄が持たされるであろう」
なるほど。
「封印かなにか?」
「まぁ嘘ですが、単にオシャレで着けてるだけ」
「へぇ~、そんなんだ、めぐみんちゃんは可愛いなぁ」
ニマニマ。
「か、かわって…………///」
「おいアラタ、お前、ロリコン?」
「ロリコンでなんか悪いか?いいだろ別に可愛いんだから」
そして、アクアは困ったように説明する。
「あ、あのね、彼女たち紅魔族は生まれつき高い知力と魔力を持ってて大概が魔法使いのエキスパートで皆変な名前を持ってるわ」
「へ、変な名前だとめぐみんだなんてこれ以上のない可愛いすぎる名前だろぉぉぉおおお!!」
何を言ってんだ、変な名前?可愛いだろうが。
『お前、やっぱおもしれぇわ』
グリードの兄貴、いきなりだな。
「か、可愛いだなんて……そ、そんな///」
そして、カズマはめぐみんちゃんに質問した。
「ち、ちなみに両親の名前は?」
両親…………。
「母はゆいゆい!父はひょいざぶろー!」
カズマは目をそらしアクアに言う。
「この子の種族はいい魔法使いが多いんだよな?」
「お、おい!私の両親の名前について言いたい事があるなら、聞こうじゃないか!」
それから、それから数分後。
「ま、いいんじゃない?冒険者カードは偽造できないし彼女はアークウィザードで間違いないわ」
「ふーん」
「まぁ、俺は最初から信じてたし?」
「アラタがこんなにもロリコンだったとは」
「フッ、誉め言葉として受け取るぜ」
『おいおい、流石の俺もちと心配になったぞ』
おわっ、本当にいきなりだな兄貴。
「まぁ、強力な魔法を上級職よ!」
「流石、めぐみんちゃんだ!」
「ふ、ふーん、確かにこの子の魔力値、高いな……ていうかなんでアラタはその子を膝の上に乗せてんだ?」
「フッ、察しろ」キリッ!
「う、うわぁアラタ、お前をマトモだと思った俺がクソ野郎だった」
「それに!彼女が本当に爆裂魔法を使えるなら凄い事よ!最上級の攻撃魔法だもの!」
「めぐみんちゃんは凄いんですねぇ」
ニマニマ。
「おい、この子とか彼女ではなく、ちゃんと名前で呼んでほしい」
「そうだぞ!」
「いや、お前は初対面の子に馴れ馴れしいんだよ!」
ぐぅー
「あ、またお腹が減りました」
「フッ、俺が好きなだけ食べさせてやろう」
それから、数時間後。
俺たちはとある草原に来ていた。
「ジャイアントトード、カズマからある程度、聞いてたが予想以上にデカイな…………俺を殺したヒグマよりデカイ」
「え?お前ヒグマに殺されて転生したの!?」
「うん…………それはもうグチャグチャバキバキと」
「言うな!」
さぁて、ここで初めて俺の能力が試されるな。
「爆裂魔法は最強魔法、その分魔法を使うのに準備があります、その間、あの蛙を足止めしてください」
「おっけぇおっけぇ」
さぁて、あの蛙には打撃が効かないんだったな、そうなれば使うのは傲慢か色欲か強欲の爪だな、まぁブラッドレイの剣錬成して憤怒使うのもありだけど、それは今じゃないよな。
「お、おうやってやる!」
「カズマ!あっちにも!」
「ありゃりゃ、あっちにも蛙がおるな」
ズドンと轟音を鳴らし蛙が近づいてくる。
「に、二匹か」
「こっちは俺が瞬殺するから、めぐみんちゃんは思う存分爆裂魔法撃ちな」
「わかりました」
「さぁて、行きますか」
ズゾゾゾと両手が黒く染まる。
「アラタ、それ!」
「これか?これは最強の盾、使い方によれば最強の矛にもなる」
「おぉ、カッコいいですね!後でじっくり見せてください!」
「見るのこれだけでいいの?これ以外もまだいっぱいカッコいい事できるけど」
「おぉ!!今日は寝かせません!!見せてください!」
「ありゃりゃ、これは嬉しいね」
俺は怠惰を使って、一気に蛙との距離を縮める。
バシュンッ!
「速っ!」
手を手刀のような形にして、蛙の顔面を穿つ。
脳ミソのような物の感触が伝わる、俺は蛙の体内で爆弾を錬成し爆破させる。
「死ね」
バァン!!という破裂音、蛙が肉片となり弾け飛ぶ。
それを見たカズマとアクアは。
「「うわぁ」」
めぐみんちゃんはというと。
「おお!!私ほどの爆裂ではありませんがすごく良かったです!!」
そして、フュオオオーという風が唸り、辺りが暗くなる。
「黒より黒く、闇より暗き漆黒に
我が真紅の混交に望みたもう
覚醒の時来たれり
無謬の境界に堕ちし理
無行の歪みと成りて現出せよ!
踊れ、踊れ、踊れ
我が力の本流に望むは崩壊なり
並ぶ者なき崩壊なり
万象等しく灰燼な帰し、深淵より来たれ!
これが人類最大の威力の攻撃手段!!
これこそが!究極の攻撃魔法
『エクスプロージョン』!!!」
ズドン!!という轟音と共に風が吹き荒れる。
「うおぉ!」
カズマは驚いているが、これは蛙一匹に使う必要あんの?
なんとも非合理的だがそこもまた愛しい。
「それじ…………おもしれぇなあの女!この餓鬼が惚れるのも分かるぜ!ンガッハッハッハ!!」
『あ、おい!兄貴!何勝手に体の所有権奪ってんだよ!』
「いいじゃねぇか、たったの1時間、我慢しろ…………んあ?おいあれ」
『ん?』
「『あ』」
食われてた、愛しのめぐみんちゃんが。
『兄貴!速くめぐみんちゃんの方へ!』
「無理だ!喋る事しかできねぇって言ったろうが」
『んじゃあ、速く変われよぉ!!』
この後…………めぐみんちゃんは正式に俺達の仲間になったよ。
その夜、めぐみんちゃんは。
『可愛い!可愛い名前だろぉぉおおが!!可愛いな!』
「うっ~ーーーー////」
めでたし、めでたし。