ベル君が月山さんみたいになるのは間違えてるだろ。 作:くるしみまし
言いたいことはわかります。
なので先に言っちゃいます。
失踪したと思った?残念生きてましたm(^д^)m9プギャー
いや、まじすいませんでした。
理由は単純に話が浮かばなかったのと、スト5を買って格ゲーデビューをしたら予想以上にはまっちゃいました。
前の投稿から約3ヶ月も経ったから覚えてる人なんていないとは思いますがこれからもがんばります。
〜ヘスティアサイド〜
ここは僕のファミリアの拠点である古びた教会。
そこで僕は自分と、ベル君の朝ご飯を作っていた。
鍋の中のスープはコトコトと煮え、ジャガ丸くんを潰したサラダを皿に盛り付ける。
貧乏なため質素ではあるが、僕はベル君と共に食卓に並べるだけで十分すぎるほど幸せだ。
「ご飯できたよー?」
まあ今はそのベル君が
「神様・・・僕はダメなやつです・・・。」
なぜかすごく落ち込んでいるのだけれど・・・
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〜ベルサイド〜
『まだ落ち込んでいるのかい?』
もう一人の『僕』が話しかけてくる。
ただ、今は余り『僕』とは話したくない。
こんなに自分に自信を持てなくなったのは久しぶりだ。
少しだけ時間を遡る。
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『オオオォオォォ!!』
殺意の込められた爪が僕に迫ってくる。
目を見開き、その爪がどんな軌道を描くのか予想をし体を捻る。
爪を交わしたところで僕に敵対していたモンスター【ウォーシャドウ】の喉元にナイフを突き立てる。
「ふう・・・よし!」
ここはダンジョンの6F。
1週間前までの僕ならエレナさんから止められていたレベルの階層なのだが、ステータスを見せたらしぶしぶ了承してくれた。
ちなみに攻略は恐ろしく順調である。
相手の動きはよく見えるし、ナイフはすんなり通る。ステータスが急増したおかげか自分の体が羽のように軽い。
(これならもう少し下のフロアにもいけるかも・・・)
いままで被弾もないし、ポーションも残っている。
(・・・やめとくか)
体力的にはまだ大丈夫だが、今日は長くダンジョンに潜ってるからアイテムがいっぱいいっぱいだ。
一度地上に戻り換金しようと思ったところで
『テメェええええ!!』
「わっ!?」
ダンジョンの奥から野太い怒号が飛んできた。
「びっくりしたぁ・・・」
思わず情けない声が出てしまう。
僕は初めて聞いたがダンジョンの中において怒号や罵声が飛ぶことはよくあるらしい。
エレナさんから聞いたものでは、
ある者は気合いを入れるため。
ある者はモンスターに恨みがあるため。
ある者は仲間を守るため。
ある者は恐怖を隠すため。
様々な理由はあるが、中でも多いのが・・・
『・・・キャアッ!』
仲間割れである。
(いまのは・・・!)
怒号が聞こえた方向から今度は女の子のか細い悲鳴が聞こえる。
すばやく手に持っていたナイフを腰にしまう。
それと同時に僕の足は声の方向に駆け出そうとする・・・
しかし
《君はバカかい?》
『僕』の声が頭に響き足が止まる。
足がまるで自分のものではなくなったかのように動かなくなる。
理由は恐らく、もう一人の僕が邪魔しているんだ。
(こんな時に邪魔しないで!? いま向こうから悲鳴が・・・!)
《ああ、聞こえたね。》
僕と感覚を供給しているのであっさりと『僕』は認める。
「だったら・・・すぐ行かないと!」
また駆け出そうとした時にまた声をかけられた
《だけど、他人だろ?》
だけど今度はもっと深いところに伝わってきた。
腹の奥から何かがこみ上げてくる。
この感情はあの時、ベートさんに馬鹿にされたときに似ている。あの時ほどどす黒くは無いがそれでもふつふつと湧き上がってくる。
今までそんな感情と付き合うことが無い生活を送ってきたため確証をもてなかったが、最近わかった。
この感情は<怒り>だ。
「・・・なんでそんなことを言うんだ。」
いつもより数トーン低い声で話しかける。
《だって君にはなんの関係もない娘だろ? ハーレムに入れるつもりもないのに助ける理由が見つからない。第一、ここオラリアでは仲間内の揉め事は珍しくないんだろう?パーテイーの問題に他人のきみが顔を突っ込んでどうするんだい?》
「・・・・・っ。」
正論だ。
パーティー内の小競り合いなら命の心配などは恐らくない。
僕が顔を突っ込んでヒーローヅラをしても迷惑になるだけかもしれない。
僕に助けるメリットは一つもない。
利己的な考えかもしれない、しかし逆をいえば自分に悪くなる要素もない。
「関係・・ないか。」
《うん。 関係ない。少なくとも僕は行くべきではないと思うよ?》
まるで子供の頃聞いた育て親の言葉のようにスッと耳に入ってくる。
《助けたとしてどうしたい?惚れさせてハーレムに入れる?僕はアイズ一筋なのに君と君のおじいさんのハーレムという夢に付き合っているだけなんだ、これ以上他の女性に時間をかけるのは余り好ましく思わないんだが・・・どう思う?》
今度は『僕』が、ほんの少しだが声に怒気を含んで話しかけてくる。
きっと『僕』はアイズさんが欲しくて仕方ないのだろう。
最近は神様、シルさん、エイナさん、ナーザさんとは会ったけどアイズさんとは会う機会がなかった。自分からホイホイ会えるような人ではないのだが『僕』にとってはストレスだったのだろう。
「・・・あはは。」
(そうだ・・・よく考えたら僕にはアイズさんがいるじゃないか?他の女性に構ってる暇は・・・)
先ほどまでの怒りがうそのように消え去り、自分でも驚くほどあっさり割り切ることが出来た。
これ以上僕はここにいても仕方がないと思い、地上に戻ろうと階段に足をかけた。
『本当にそれだけかい?』
ふとある言葉を思い出した。
これは神様と初めて出会い、「ハーレムを作りにオラリオに来た」と言った時に呆れ顔で神様がした質問だ。
「・・じ、実は、もう一つなりたいものが・・・えへへ」
神様の質問に対し僕はこう答えた。
そのあとは・・・あのあと僕はなんて言ったんだっけ・・・?
自分の中で何かが引っかかる。
何か・・・とても大切なことを忘れている気がする。
《チッ・・・今度はどうしたんだい? まだ何かあるのか?》
『僕』が今度は明らかに怒気を含めた声をかけてくる。
意識が覚醒する。
自分でも気がつかないうちに足を止めていたらしい。
なぜ足を止めたのか自分でも分からない
だけど
「・・・確かに僕はハーレムを作るためにオラリオに来た・・・いまでもその気持ちは変わらない・・・だけど」
なぜか言い切れる。
《だったらさっさと》
「ここで逃げたら何かを失う!!」
僕は叫んだ。
みっともなく、子供が駄々でもこねるように。
そして僕は間髪入れず声のした方向に走り出した。
偉そうに叫んだくせに何になりたいかなんて思い出せない。
でも
「目標を先延ばしにしてでも僕は『コレ』を失いたくない!」
勝手に何かを中途半端に思い出し関係ない人に怒鳴る。自分でも意味がわからない。
それでもこの判断を間違えたとは今でも思わない。
ただ・・・・
こんな僕に対して、『僕』がどんな反応するかが少しだけ怖い。
呆れてため息でもつくのか、それとも激怒して声を上げるのか。
ドキドキしていると
《・・・フッ》
気のせいかもしれないが、少し笑ったように聞こえた。
そのまま僕は声の方向に走り出した。
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「で、結局、もうそこには誰もいなかったと。」
僕はテーブルを挟んで神様と向き合って座っている。
神様の問いに対して首を小さく縦にふる。
そう・・・僕は結局間に合わなかったのか、探し回ったが人っ子一人いなかった。
神様にはそのことを細かく話した。
「正直に言おう。きみの判断はあまり正しいとは言えないね。」
「うっ・・・!」
神様の容赦ない言葉が胸に突き刺さる。
「あくまで他のパーティーの問題だからね、それに君が首をつっこむことによって君に危険が及ぶかもしれない。」
「・・・は、はい。」
神様の言う通りだ。
確かに今回の僕の行動は考えが浅かったのかもしれない。
だけど・・・今回僕が落ち込んでいるのは間に合わなかったことや、『僕』と喧嘩したことだけじゃなく。
たった一瞬、『僕』にそそのかされたとはいえ一瞬だけでも・・・【見捨てる】という選択肢が自分の中に浮かんだのが少し、いや、かなりショックだった。
一応自分はハーレムを目指すものとして、どんな女性にも分け隔てなく優しくするつもりでいた。それなのに女の子の悲鳴を聞いてノコノコ帰ろうとした自分が情けなくて仕方ない。
・・なんか考えれば考えるほど泣きそうになってきて俯いてしまう。
「・・・はぁ〜〜。」
そんな僕を見て神様が深くため息をつく。
神様がどんな表情を浮かべているのか見ようと顔を上げる。
するといつの間にか神様は反対のテーブルから僕の前にまで近づいてきていた。
そして
フワッ むぎゅ
僕の顔をそのふくよかな双丘に抱え込む。
「わ、わ、あ、ちょっ、神様!?」
「君は失敗したかもしれない。」
神様の普段とは違う諭すような声を聞いて息を呑む。
「けれど君の判断は間違えていないよ。むしろそのまま帰ってきたら僕は君の事を軽蔑していたかもしれない。だから自分のことを責めないでやってくれ。」
神様が僕の頭をなでながら語りかけてくる。
「・・・・ははっ。」
ああ・・・この人は本当に神様なんだ。じゃなかったらこんなに人の心を癒してくれる人なんかいるはずが無い。
強張っていた体から力を抜き、神様に体を預ける。
「それにね?」
あまりにも居心地がよく意識がボーっとしだした、そして強い眠気が襲ってくる。
「もう一人の君も今の君の事を責めないだろうよ?」
「・・・・はい。」
そして僕は意識を手放した。
~ヘスティアサイド~
「お休みベル君。」
そういってベルをベットのうえに寝かせる
今は少しでもこの子を休ませたかったため上の人たちに気づかれないレベルで神の力を使いベル君を眠らせた。
(今回の件でこの子の危うさが改めてわかった。これからは僕がしっかりベル君を導いてあげないとね。)
少女は一人決意した。
ふと少年に目を向ける。
「それにね・・・。」
先ほどと同じような言葉をつぶやき少年の耳元に口を寄せる。
「そんな君だから僕は君を好きになったんだよ?」
そう囁き、神はとても女の子らしい笑顔を浮かべた。
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