ベル君が月山さんみたいになるのは間違えてるだろ。   作:くるしみまし

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やっぱりどうしても遅れる・・・。

なんとか早く投稿できるようになりたいなぁ(小並感)


主神は土下座 その頃ベルは。

「ただいま帰りましたー」

 

いつも通りダンジョンに潜り食費だめ兼、経験値を貯めに行っていた僕は廃教会の扉を開け帰宅する。

 

しかし、いつもとは違うことが一つある。

 

「・・・・まだ帰ってきてないのかな。」

 

おかえりと声が聞こえてこない。

 

いつもダンジョンで疲れた僕を出迎えてくれる神様が二日前に「友人のパーティに行くから何日か留守にする。」といったきり帰ってこない。

 

まだ二日しかたっていないが正直さびしく感じる。

 

今は午後6時ごろ。

ご飯はシルさんのところで済ませてきたため必要は無い。かといって寝るにはまだ早い。

 

「・・・どこかで時間でも潰してこようかな。」

 

特に行く当ても無いがこのままここにいても意味が無いのでとりあえず外に出ることにした。

 

 

メインストリートに出るころにはすっかり空は夕焼け色に染まっていた。

 

オラリオにはメインストリートと呼ばれる大通りが8つ存在する。町の中心から放射線状に八方位、ちょうどオラリオを八分割するように町の外側の壁にまで続いている。ここ北のメインストリートはダンジョンの近くにあるため、どの時間帯にも冒険者の姿が多く見える。とりわけ今の時間帯はダンジョン帰りの冒険者が多いため、メインストリートは人がごった返していた。

さらにここには、冒険者のみに客を絞ったお店が多いため、右を向いても左を向いても酒屋や武器屋などしかない。ちなみにここに『豊穣の女主人』もある。

 

『豊穣の女主人』の前を通ったが、僕(と言うよりベートさん)が以前壊した道路や壁などは綺麗さっぱり直っていた。

 

冒険者同士の喧嘩が絶えないこの街では、あのくらい普通なのだろうか・・・?

 

そんなことを考えながら、さまざまな冒険者が身に着けている自分よりはるかに優れた装備を横目にぶらぶらと当ても無く歩き回る。

 

「おーい!そこにいるのはベルではないか!」

 

「ん? あ、ミアハ様!」

 

後ろから声をかけられ振り向くと桁外れの美男子が手に紙袋を携え此方に走ってくる。

 

その青年は長身でイケメンぞろいのエルフですら勝負にならないほどの美貌を誇っており、その体からは膝を突きたくなるようなオーラをかもし出している。

 

あのお方は僕が唯一神様以外に親交を持っている神、ミアハ様だ。

 

「ははは。私自ら買出しに出てみたら見たことのある白髪が見えたのでな。何をしていたのだ?」

 

「お金は無いのでお店を眺めながら、町をぶらぶらしていただけです。」

 

「お互い貧困だと物悲しいなぁ!ハハハ!」

 

ミアハ様の屈託の無い笑顔を見て、此方も思わず破顔してしまう。

 

ここでふと神様のことを思い出す。

 

「あの・・・ミアハ様は神様たちのパーティに参加しなかったのですか?」

 

「む?ああ、ガネーシャが開いた宴のことか。極貧のファミリアゆえにな、ひっそりと調合にいそしんでいたのだ。」

 

ミアハ様のファミリアもうちに負けず劣らず極貧のファミリアだ。だからこそこうして底辺同士、親交を持てているのだろう。

 

「そうだ! ここに出来たてのポーションがある。これをベルにやろう!」

 

ミアハ様はそういうと手に持っていた紙袋の中から青い液体のはいった試験管を2本差し出してくる。

 

「そ、そんな悪いですよ!?」

 

「いやいや。数少ない顧客にゴマすっているだけのことだ。」

 

ミアハ様は僕の手に試験管を握らせると、横をすり抜け背を見せる。

 

「あ、ありがとうございます!」

 

ミアハ様は片手を挙げそのまま去って・・・・いかずに片手を挙げた姿勢で固まった。

 

そしてこちらを振り向き、僕のことをまっすぐ見据えてくる。

 

そしてもう一度僕のほうに歩いてくる。

 

「どうしました?」

 

「・・・うむ。やはり渡しておこう。」

 

そういうとミアハ様はもう一度紙袋をあさり、今度は赤い液体の入った試験管を1本差し出してくる。

 

「それは・・・!」

 

「そうだ。以前ベルに試してもらった痛み止めだ。生産コストが高いため大量生産は出来ないが、あの時からもう一本だけ作ったのだ。」

 

この薬は以前ミアハ様が、ベートさんとの喧嘩で傷ついた僕の体を心配して飲ませてくれた薬だ。

 

この薬は飲むと確かに一気に体の痛みが引き楽になる。・・・ただこの薬には問題が一つあり。

 

「やっぱりこの薬を飲むと・・・?」

 

「ああ。あの副作用はあえて残してある。」

 

この薬を飲むと、自分が最も望んでいる幻覚を見るという効果がある。

 

しかし効果は一瞬だけ、その後も体に異常をきたすようなことは無かったから問題は無いのだろう。

 

それに・・・ミアハ様が『あえて残してある。』といったんだ。おそらくこの効果に何か思うことがあるのだろう。

 

「・・・ありがとうございます。」

 

特に断る理由もないのでありがたくいただいておこう。

 【注】消し忘れか、前段文頭想定?問題ないようでしたら差し戻し下さい

 

 

「他に用はあったか・・・・そうだベルよ!お主はモンスターフィリアには行くのか?」

 

ミアハ様が手をポンと叩き訪ねてくる。手に持たれている紙袋からガシャンと危ない音がする。

 

モンスターフィリア・・・聞いたことのない言葉だ。

 

「あのー・・モンスターフィリアとはいったい・・・?」

 

「む?ああ、ベルはまだオラリオに来て日が浅かったな。モンスターフィリアとはな、簡単に言うと・・・」

 

 

説明中・・・

 

 

「ダンジョンから出したモンスターを見世物にする・・・ですか。」

 

「うむ。正確には調教師などの腕前の披露、モンスターへの苦手意識の低下などが目的で行われる祭りだ。毎年ガネーシャファミリアが開催していてな、オラリオの中でも最も人気の高い宴だ。」

 

ミアハ様の説明を聞き顎に手を当てる。

 

「それは・・・」

 

「それは?」

 

僕は顔を上げ

 

「とても面白そうな祭りですね!」

 

笑みでそう告げた。

 

しかし

 

ミアハ様は表情を消し、どこか案じるように、しかし見定めるように、僕を見てくる。

 

僕は思わず呼吸を忘れてミアハ様の顔を見てしまう。

 

(な、なんで?)

 

今まで見たこともないようなミアハ様の顔に体が萎縮してしまった。

 

ミアハ様は僕の様子を見てハッとしたのか、顔を抑え下を向く。

 

しかし、ミアハ様はすぐに顔を上げいつもの笑顔を浮かべていた。

 

「今日はもう遅いから帰りなさい。ヘスティアも帰っているかもしれないぞ?」

 

「え?あ、はい・・・分かりました。」

 

僕はミアハ様の態度に違和感を覚えながらファミリアに帰ることにした。

 

(なんだったんだろう・・・?)

 

最後にミアハ様に一礼をして僕は帰路に着いた。

 

 

 

「これで良かったのか?」

 

ミアハはとあるカフェに入り一人の女神に対し声をかける。

 

「ええ・・・ありがとう。」

 

その女神は、同じ女神のヘスティアとも全く違う雰囲気を持っていた。

ヘスティアはとても親しみやすい、甘えたくなるようなオーラを持っている。

しかし、この女神は違う。

あまりにも美しく、あまりにも美しく、あまりにも神々しいこの女神は近寄ることさえ恐れ多い。そんなオーラを醸し出していた。

 

これが人だったら・・・いや、ミアハでなければ、余りにも美しいその姿に理性をなくし襲いかかっていたかもしれない。

 

この女神の名は『フレイヤ』。オラリオ最強とも言われる【フレイヤファミリア】の主神だ。

 

フレイはミアハに対し、向かいの席に座るよう進める。

断る理由もないミアハはすっと席に座る。

本人達は特に意識していないが、このツーショットはおそらくこの地球上で最も美しい光景だろう。

 

「貴方から見て、『あの子』はどう見える?」

 

「ベルか・・・」

 

そう、フレイアは何故かは知らないがベルに目をつけていた。

 

「うむ・・・正直に言うと面を食らったな。」

 

「へえ・・・面をねぇ・・・。」

 

フレイアは心の底から楽しそうに微笑んだ。

 

「私はベルが『モンスターフィリア』のような見世物はあまり好きではないと思っていたのでな。だから・・・いや、すまない。そうではないな。」

 

そう。それだけなら祭りが好きなだけ。それだけで説明はつく。

 

だが

 

「あの時ベルが浮かべた笑み・・・あれは、見世物を本気で好いている奴が浮かべる邪な笑みだ。」

 

そう。あの表情だけはありえない。

少なくとも私が知っているベルは無理矢理モンスターを連れ出し、戦わせる。それを楽しむような少年ではないはずだ。

 

「そう・・・邪だとは私は思わないわね。」

 

フレイアは微笑みを浮かべたままミアハの意見を否定してきた

 

「何?」

 

「私にはとても純粋なように見えたわね。まるでオモチャを見つけた子供みたいに。」

 

ミアハは顎に手を当て思考する。

 

「それに、あの子の光は二つに綺麗に分かれているわ。神が人の光、魅力を否定してどうするの?」

 

フレイアの言葉を聞いたミアハは苦笑いを浮かべ

 

「・・・・それを言われるとなぁ。」

 

頭を抱えてそうぼやいた。

 

「ふふ・・・私達は子供達が輝くように手伝ってあげればいいの。それがどんな方向でも。」

 

 

そう言って神は笑った。

 

 

 

 

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