ベル君が月山さんみたいになるのは間違えてるだろ。 作:くるしみまし
「ああ神様、 今日も美味し・・・美しいですね」
「へ、へぇ!? も、もうベルくん、どうしたというんだ! 君は最近積極的すぎないか!?」
アイズに助けられ、帰ってきたベルはずっとこんな調子である
そんなベルの監視役を務めているのはベルのファミリアの主神、ヘスティアである
見た目は幼い女の子であるが出るところは非常に出ている上、とても整った顔たちをしている文句なしの美少女である。
神様と言うのは比喩でも例えでもなくそのままの意味である
この世界では神様の多くは地上に降臨しており、バイトやファミリアの軍資金などで生計を立てている
ファミリアと言うのは眷属の意であり、神達が恩恵(ファルナ)と引き換えに、人々を集め組織するものである。 恩恵をあたえられた人間は様々な事柄から経験値(エクセリア)を取得する事で能力を引き上げることが出来る
ベルが所属しているのは「ヘスティア・ファミリア」ヘスティアを主神とするファミリアであり、団員はベルしかいない弱小ファミリアである
「いったいどうしたというんだベルくん? ここ最近ずっとその調子じゃないか、僕でよければ話は聞いてあげるよ?」
「フフフッ、何を心配しているんだいヘスティア? 僕はこのとうり絶好調さ」
「ヘスティア・・・! い、いや呼び捨てて貰えたのを喜んでる場合じゃないだろ!」
そう言うとヘスティアは頭をブンブンと振る、長く伸ばしているツインテールが顔に当たっていて痛そうだ
「ベルくんはダンジョンに帰ってきてから明らかに様子が可笑しいぞ! 何があったのか話たまえ! 神様命令だ!」
「・・・仕方ないなぁ。 この話は僕の中に留めておきたかったんだけど・・神様、僕は・・・」
「僕は・・・・?」
「エンジェルにあったんだ・・・・・!」
「・・・・・・はあ?」
ヘスティアは訳が訳が分からないという風に首をかしげる
「いや!! あの人は天使などというレベルではない! そう、まさに神! 彼女こそ美の女神だったんだ! ヘスティアもそう思うだろ!?」
ベルはヘスティアの肩をグワしと掴む
「え・・・ちょ・・!?」
ヘスティアは急に肩を掴まれ顔を近づけられた為、顔を真っ赤にさせている
ベルは肩を掴んだかと思うと今度は手を交差させ自分の肩に置く
「ああアイズさん!アイズサアアアアア!「ねえベルくん」なんだいッ!?」
愛の咆哮を上げていたらヘスティアから声がかかる
「アイズって・・もしかしてアイズ・ヴァレンシュタイン?」
「そのとうり! 彼女はミノタウロスに殺されそうになった僕を光のようなスピードで駆けつけ、風のような剣技でミノタウロスを屠り僕を助けてくれヒイッ!?」
熱く熱弁しているとヘスティアの目から光が消えてき行き、恐らく怒気によってツインテールが逆立ちウヨウヨと蠢いている
「ふ〜〜ん・・つまりベルくんは死にかけてるところをバレンなにがしに助けられて、うっかり恋に落ちちゃったと」
ヘスティアは俯き、肩をフルフルと震わせている
「あ、あの〜ヘスティア?」
「ベルくんは僕の知らないところで恋に落ちたと! 僕以外の誰かにっ!!」
「も、もしかして・・・怒ってる?」
少しビクビクしながらヘスティアに尋ねたら、ヘスティアの震えが止まる
「お、おーい」
近づきヘスティアの肩に手をかける
ヘスティアは顔を勢いよくあげると、目に涙を浮かべワナワナと震えていた
そして
「ベルくんの・・・バカアアアァァァ!!」
ヘスティアの拳が顎を捉える
「ブベラッ!?」
吹き飛ばされ壁に頭をぶつけ、そのまま意識を手放す
ふぁさふぁさ
もにゅもにゅ
「・・・う、うーん・・・」
顔に何かが当たるような感覚で目が醒める
目が醒めて一番最初に目に飛び込んできたのは
「・・・んぅ、・・ベルくん・・・」
愛らしい少女の寝顔だった
頭の後ろに柔らかい感覚があるのを認識し、ヘスティアに膝枕されているのを理解する
なんで膝枕をされていたのかを冷静になった俺は思い返す
そしてベルは完全に思い出した
自分の言動を、自分の行動を
「・・・・・・・・・」
とりあえずヘスティアをソファに寝かせる
静かに風呂場まで行き、桶の中に水をためる
ここでまた自分がした行動を思い出す
意味のわからない言動、行動
その中でもアイズさんが渡してくれたハンカチを顔に押し当てトレビァアアンと叫んだのは鮮明に記憶に残っている
ベルは桶の中の水に顔を沈め
「ウ゛ェブエバエ゛アアアアアアアアアアアアア!!!」
あらん限りの咆哮をあげる
(恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!!?)
理性を取り戻したベルは自分のした行動を思い出し余りの羞恥に悶え苦しんだ
「正気に戻ったみたいだね・・・・・」
ヘスティアは風呂場に入って叫んでいる少年の声に聞き耳を立てていた
「はあ・・・とりあえずはいつものベルくんに戻ったのを喜ぼうかな」
ヘスティアの読み通りベルはおかしくなっていた、ベルはまだ知らないがヘスティアはすでに理由を知っていた
ヘスティアは自分の胸元から一枚の紙を取り出す
ヘスティアはベルをノックアウトしてしまったのを悪く思い、ベルが寝ている間にステータスの更新を済ませていた
( そしたらこれだもんなあ)
ベル・クラネル
LV,1
力:i77→i82
耐久:i13
器用:i93→i96
敏捷:h148→h172
魔力:i0
《魔法》
【】
《スキル》
〈憧憬一途・異常執着〉
・早熟する
・懸想(おもい)が続く限り効果持続
・懸想(おもい)の丈により効果向上
・対象に対して感情が高ぶるのに比例しステータスが一時的に上昇する
・対象に対して感情が高ぶると独占欲が湧き、心情に変化が生ずる
「〈異常執着〉ってなんだよベルくん・・・・」
(憧憬一途の方は百歩・・いや、千歩・・いや、万歩譲って納得するとして、異常執着って・・・・ベルくん、あんな顔してどんな心の闇を持っているんだ・・・・)
少女はショックで初めて見たときのように考えるのをやめる
風呂場では少年が未だに叫び声を上げていた
しかし二人は知らなかった、このスキルが世界を救い少年を英雄にする一端を握っていることを
執筆のためにダンまちの原作を読み直したのですが、初期のベルくんも大して変わらなかった