ベル君が月山さんみたいになるのは間違えてるだろ。   作:くるしみまし

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明けましておめでとうございます!

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お気に入り登録が70人突破。
いやーめでたいですね!

自分もこんなに伸びると思ってなかったので正直胃が痛いです!
でも頑張ります!


謝罪 豊穣の女主人編

ヘスティアファミリアでの出来事

 

ベルはある程度泣いたところで神様に抱き寄せられているのを気恥ずかしく感じ離れてもらったところだ。

 

離れる際に舌打ちが聞こえたのは気のせいだろう。

 

「まあ、なんだ! 強くなるためにはやっぱりステータスの更新が必要だよね! 体が痛むようなら今日は止めとくけど・・・」

 

神様は先程のまるで聖母のような雰囲気は一切なくなりいつもの神様になった。

 

「いえ、大丈夫です。今日やっちゃいましょう」

 

傷は痛むが我慢できないほどではないのでとりあえず頼むことにした。

 

「ほいほい、それじゃあそこにうつ伏せになってね」

 

神様が指差したベットに言うとうりうつ伏せに寝る。

 

そうすると神様は僕の上に跨り手慣れた手つきで背中に刻まれたステータスをチョチョイといじり始める。

 

背中のステイタスが変化している時の独特な感覚に身をまかせる。

 

ヘスティアは今までのように更新したステイタスを紙に写し始め。

 

そして神様が動いている気配がなくなる。

 

「あのー・・・神様ぁ!?」

 

後ろを向こうとした瞬間背中に鋭い痛みが走る。 どうやら神様が僕の背中を握りしめているようだ。

 

「痛い痛い痛い! どうしたんですか!?」

 

そこで神様はハッと覚醒する。

 

「ご、ごめん。 ・・・一応ステイタスの更新終わったよ」

 

神様はどこか浮かない顔をしている。

 

今まで見たことのない神様の反応に戸惑う。

 

・・・・ステイタスの伸びが悪かったのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

ステイタス更新直後のヘスティアは憤怒と混乱の入り混じった奇妙な表情を浮かべていた。

 

それというのも・・・

 

 

 

ベル・クラネル

 

LV, 1

力: I 82→G 212

耐久:I 13→F 342

器用:I 96→H 182

敏捷:I 172→E401

魔力:I 0

 

 

(このふざけたステイタスの伸びはなんだ!!?)

 

ベルのありえないステータスの伸び方を目の当たりにしたせいだ。

 

本来ベル程度の冒険者が一度探索に行って得られる経験値は微々たるもので、多くても10そこら程度しかステイタスに変化は現れないはずである。

 

しかし何度ステイタス表を見直し、計算してみても、

 

(トータル900近くのステータスの上昇・・・)

 

本来ならこんな数値はありえない。

 

大型のファミリアが長期間ダンジョンに潜り続けレベル上げ、新地発見を目的とする『遠征』でもここまでの伸びはないだろう。

 

考えられるとすれば

 

(このスキルのせいか・・・)

 

《憧憬一途・異常執着》

・早熟する

・懸想(おもい)が続く限り効果持続

・懸想(おもい)の丈により効果向上

・対象に対して感情が高ぶるのに比例し、ステータスが一時的に上昇

・対象に対して感情が高ぶると独占欲が湧き、心情に変化が生ずる

 

このスキルはベル君がバレンなにがしに助けられた時に発言したものだ。

 

おそらくこの『早熟する』効果のおかげで、このステータスの変化が現れたのだろう。

 

それでも普通ここまでの変化が現れるものだろうか。ヘスティアはどうしても気になり聞こうとしたがベルの先ほどまでの様子を思い出し言葉を飲み込む。

 

さて・・・・このステイタスをどうしたことか

 

いくらなんでもベルくんに不審がられるだろう、とりあえず成長期ということで納得させて口止めさせておくか。

 

「はいベルくん。これが今の君のステータスだよ」

 

ベルくんの上からおり、紙を手渡す。 もちろんステータスの欄にはなにも記入しないでおいた。

 

ベルくんはステータスの書かれた紙に目を通し、

 

「ありがとうございました・・・・・・・え?」

 

固まる。

 

まあ仕方ないだろう。僕も最初は思考が止まったしね。

 

「え?あの・・これ・・チョッ・・・え!?」

 

「まあまあ落ち着いてベルくん。 そのくらいで動揺していたら立派な冒険者になれないぞ?」

 

「そのくらい・・・じゃあもしかしてこのくらい誰にでもあることなんですか?」

 

「勿論! 考えてもみてよ。今の君みたいに成長が加速する成長期がこなかったらアイズなにがし君みたいな若い子がレベル5になれるわけがないだろう?」

 

ベル君はそれを聞いて納得のいった様な顔をする。

 

「それもそうですね! なんかやる気出てきました!」

 

「うん。ならよかった!」

 

もちろん成長期なんてものは嘘だ。

 

スキルの効果だと伝えても良いけど、ベルくんはなんだかんだ抜けてる部分があるから何処かで他の神にでもばれたらベルくんが引き抜かれかけない。

 

ただこのまま騙し通すのにも限界はあるだろう。

 

その時はちゃんと伝えよう。 このスキルのこと・・・・僕の気持ちを。

 

「とりあえずベルくん。 これからどうするんだい?」

 

「ええと・・・とりあえずシルさんの所に行こうかと」

 

シル・・・昨日ベルくんを運んできたメイド君のことか。確かに彼女と彼女のお店には迷惑がかかっただろうしベルくんを運んできてくれた恩もある。

女の子のところにベルくんを行かせるのは不安もあるけど仕方ないか

 

「分かった、それなら僕も行こう。ミアハのところにも行きたいし」

 

「そうですね。 それなら一緒に行きましょう、神様」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

てな訳で僕と神様は『豊穣の女主人』までやってきた。

まだ朝早いというのに中からは少女や冒険者街の声で賑わっている。

 

「・・・・・・・・・・」

 

近くによると食欲をひきたてられる匂いがする。

探索後の冒険者などはこの匂いを嗅いだだけで無意識のまま店内に足を運んでしまうだろう。

 

「・・・・・ベルくん?」

 

「なんですか? そろそろ中に入らないと別のお客さんの邪魔になっちゃいますよ?」

 

「いや・・・うん、それはわかってるんだけどさ・・・」

 

神様は苦笑いを浮かべている。どうしたんだろう・・・と思ったけど、すぐ気付いた。

 

『豊穣の女主人』の店の前の道の有様に。

いたるところに大小様々な血痕、ふみ割れた道のタイル。誰がどう見ても事件現場である。

 

冷や汗が流れてくる。

 

「もしかして・・・これにベル君が関わってたりしないよね?」

 

「え!? いや、あのー・・・えへへ」

 

笑って流せないか試みてみる

 

「笑ってごまかさない! 可愛いけど! 抱きしめたいくらい可愛いけど!」

 

失敗

 

「い、良いじゃないですか。ほら中に入りますよ!」

 

神様に色々聞かれる前にもう中に入ってしまおう。

 

きっとシルさんと話しているうちは安全だろうと思い扉を開け中に入ると目の前にキャットピープルの少女が立っていた。

 

「あ、どうもこんにち「ゾンビだにゃーーーー!」えぇ・・・」

 

普通に挨拶しようとしただけなのに初対面の女の子にゾンビ呼ばわりされた・・・折れそう、僕の中の何かが折れそう。

 

しかも店中の人が皆僕をありえないものを見たという表情で見てくる。

 

少々居心地が悪いので要件をさっさと済ませようと思う。

 

「あのー・・シルさんとミアさんはいますか?」

 

「シルとミア母ちゃんかにゃ? 了解にゃ!そこで待ってるにゃ!」

 

そう言うとキャットピープルの少女はピューと厨房の中に消えていった。

 

すると1分もしないうちに厨房からシルさんが飛び出てきた。こちらを向くと全速力でかけてくる。

 

「あ、シルさん昨日はどうもすみませんでしたアアアアアア!?」

 

謝罪のために頭を下げたと同時にシルさんが首めがけて抱きついてくる。そうそれは見事なラリアットだった。

 

「ベルさん! 心配したんですから! もしかしたら死んじゃったんじゃないかと・・・本当に心配したんですからね!」

 

現在進行形で死にそうではあるが、どうやら本当に心配してくれていたらしい。目の下にはクマがあり、目にいっぱいの涙を浮かべている。

 

忘れてはいけないが、僕とシルさんは長年の友人でもなければ、幼馴染でもない昨日知り合っただけのただの冒険者とウェイトレスだ。

しかしその昨日知り合っただけの人をここまで心配できる彼女の優しさに感動した。

 

ほら、あそこで行方不明のはずのおじいちゃんがお花畑の向こうで感動して手を降っている。

 

待っててねー今行くよー

 

「君ぃ! 早く離したまえ!良い感じに首がしまって・・・ああ!ベルくんの目が死んでいく!」

 

「え? うわあ! ごめんなさい!嬉しくってつい!」

 

シルさんが慌てて離れる。

 

「ついじゃないだろう! ベルくん大丈夫かい!?」

 

今度は神様が慌てて僕を抱きかかえる。

 

「うう・・・神さま・・・」

 

「どうしたんだいベルくん!」

 

僕は消え入りそうな笑みを浮かべ

 

「女の子って・・・良い匂いがするんですね」

 

「 君はこんな時までぶれないね! まあそこが君の良いところだけど!」

 

そこにミアさんがため息を吐きながら近づいてくる。

 

「あんたら何やってんだい・・・こっちは忙しいんだ! 用があるならさっさとしな!」

 

僕はそこでようやく本来の目的を思い出す。

 

「そ、そうでした! あの、これ昨日の分のお代です!」

 

そうなのだ。僕は結局気絶してお代を払えずにヘスティアファミリアにまで送られた。

思い出したのはよかったけど、もしも忘れていたら・・・恐ろしいことに

 

「おお! ちゃんと持ってきたのかい。 忘れていたら一回シメに行こうと思ってたんだよ!」

 

「あはは・・・」

 

ほらね

 

「あのー、ベルさんはもう大丈夫なんですか?」

 

シルさんが僕とミアさんの間にヒョコッと顔を出してくる。さっき抱きつかれたのを思い出し少しだけドキドキする。

 

「は、はい。まだ体は痛むんですけど出歩く分には問題はないです。」

 

「そうですか・・・よかった〜」

 

ミアさんも感心したような顔を浮かべる。

 

「ほお・・・ベートのやつにあんだけやられたのに大したもんじゃな・・・い・・か」

 

「本当ですよ! 私もあのときは本当に心配したんですから!」

 

ミアの目の前ではシルがキャッキャッとはしゃいでいる。まるで恋する乙女のようで可愛らしいが今のミアには全く見えていなかった。

 

なぜなら

 

先ほどまでの人懐こそうな、守りたくなるような雰囲気だった少年がまるで心を失ったかのように無表情になっていたからだ。

 

その時ほんの僅かに、注視しなければ分からないほど小さくだが唇が動いた。

 

「そうだベルさん。 ベルさんのアドバイザーの方がベルさんを探していましたよ?」

 

シルはそんなこと知る由もなく笑顔で尋ねる。するとさっきまでの雰囲気が嘘のように元の少年に戻っていた。

 

 

「エイナさんが?」

 

エイナさんはハーフエルフのギルドの職員だ。エルフの血がはいっているのもあり容姿端麗、仕事も一人で数人分の仕事をこなすなど、ここまで才色兼備という言葉が似合う女性も珍しいだろう。

ギルドの女性職員の仕事は冒険者からの質問に答える事などが基本だが看板娘としての役割も多いため、どの女性も容姿に優れている。

 

「はい。昨日噂を聞いたのか慌ててお店に話を聞きにきたんですよ。ある程度話し終えた後はそれはもう恐ろしい表情で帰って行きましたよ」

 

「ヒイッ!」

 

エイナさんは普段はとても優しく面倒見の良い人だが一度怒ったら信じられないくらい怖い。

 

「か、神様!すぐギルドに行きましょう! じゃないと僕の命に関わります!」

 

「あ、ああ! それじゃあ邪魔したね!」

 

そう言うと二人は急いで店を飛び出た。

 

「いやぁ〜面白い人たちでしたでしょう?」

 

シルは二人を見送ったあとニコニコしながらミアに尋ねた

 

「・・・そうだね」

 

そこでミアは自分の手を見る

 

手は汗でじっとりと濡れていた

 

(さっきあの坊や・・・『あいつだけは許さない』て言ってたよね・・・いつぶりだい、私がゾッとしたなんて)

 

ミアはもう一度ベルが出て行った扉を見つめる。

 

 

「面白い坊やだったね・・・・」

 

 

 




もうちょっと投稿ペースを早めたいなあ。
全然話が進んでなくてイライラしている人もいるかもしれませんが我慢してください。
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