似て非なるもの   作:裏方さん

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今回もありがとうございます。

よろしくお願いします。

スキー合宿も最終日。

スキーは滑れても、話が滑りませんように。

では、よろしくお願いします。


過去とこれからの時間

「ふぁ~」

 

手足伸ばして入れるなんて、やっぱおっきいお風呂は最高。

 

う~、極楽、極楽。

今日一日の疲れが吹っ飛ぶね~。

ほんと、今日はけーちゃんに振り回されたよ。

 

『好き。 大好きなの』

 

・・・ぐはぁ。

なんであんなこと言っちゃたの。

は、恥ずかしい。

馬鹿だねぇ、わたし。

 

”ぶくぶく”

 

うん、気をつけないと。

だって、わたしが選ばれることないんだから。

 

わかってる。

 

期待するほど辛くなるから。

でもさ、なんであいつこんなにもてるんだろう。

結衣ちゃん、雪ノ下さん、ジャリっ娘に、なに、沙希ちゃんって。

数といい、質といい。

どこがぼっちなの。

やっぱりぼっち王の称号は、わたしのものだね。

わたしはチロロちゃんと甘ーい人生を生きるの。

 

うん、決めた。

 

それにね、わたしは・・・・・

幸せになれる資格ないから。

はぁ、けーちゃんと一緒にいたら思い出しちゃった。

ぐすっ。 封印してたのに。

 

     ・

     ・

     ・

 

”ガラガラ”

 

はっ、誰か入ってきた。

大丈夫だったよね。

ここ女湯だったよね。

う~ん、トラウマだよ。

 

"バシャ”

 

「ふぅ~」

 

あ、ジャリっ娘。 

やばっ、こんな顔を見られたら何を言われるか。

 

”バシャバシャ”

 

うん、よし。

 

「あ、美佳先輩、 お邪魔しますね」

 

”ドボン”

 

「う~ん、やっぱり、露天風呂っていいですね」

 

「そ、そうだね」

 

大丈夫よね、泣いてたってわからないよね。

 

「美佳先輩、あ、あの~」

 

えっ、なに、ばれた?

目赤かったかなぁ。

 

「美佳先輩、あのですね・・・ス、スキー・・、

 いえ、美佳先輩! わたしの勝ちですね、えへ♡」

 

な、なに。わたしなんか負けたの?

ん、どこみてんの?

・・・はっ!

ま、負けてないから、よし。

 

”ぎゅ”

 

「いえ、会長、わたしのほうが勝ってます。

 ほら」

 

「むぅ、美佳先輩、卑怯です。

 余分なお肉よせてるじゃないですか。

 なんか背中のお肉まで持ってきてるし。

 えぃ!」

 

”ビシャ”

 

「きゃ」

 

くそ このジャリっ娘、よくも。

 

”ビシャ”

 

「な、なんですか、もう!」

 

”ビシャ、ビシャ”

 

や、やる気?

わたし小さいころから手水鉄砲は得意なんだからね。

ず~とお風呂に入ってる間やってたんだから。

・・・何回のぼせたことか。

 

「ふん!」

 

”ビシャ、ビシャ、ビシャ”

 

「や、やりましたね」

 

”ビシャ、ビシャ、ビシャ、ビシャ”

 

あまい、数を撃てばいいってもんじゃないのよ。

みよ、この的確なコントロール。

 

”ビシャ、ビシャ、ビシャ、ビシャ、ビシャ”

 

「きゃっ」

 

ふ、ふ、ふん。

年季が違うのだよ、年季が。

 

「こうなったら、奥の手です」

 

”バシャ”

 

ん、奥の手?

えっ、どこ行くの?

 

「いきますよ~」

 

「えっ、か、会長、ま、待って。

 湯桶もOK? や、やめて~」

 

’どばぁ”

 

「ふぇ~、ま、参りました」

 

「美佳先輩、まだまだですね」

 

「いや、会長、湯桶は・・・・」

 

「えへへ♡」

 

「ふふふ」

 

ふぅ、ありがと会長。

少し気が晴れました。

へへ、楽しかった。

 

”ガラガラ”

 

「あっ、美佳っち、いろはちゃん」

 

「げ、・・・結衣先輩、反則です」

 

「反則だね」

 

「ん、反則って?」

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

”ゴク、ゴク”

 

「ぷはぁ」

 

風呂上がりの牛乳最高。

しっかし、くっそ~

結衣ちゃん、あんた反則だからね。

ほんとに・・・・・いいなぁ、あれ。

何を食べればあんなになれるんだろう。

 

”スタスタ”

 

あ、雪ノ下さん。

ん~、雪ノ下妹さんだね。

めんど。

もう、魔王と女王で区別していい?

 

「雪ノ下さん、今からお風呂?」

 

「ええ」

 

あ、でも、いま結衣ちゃんが入ってるんだよね。

 

「ご愁傷さまです」

 

「えっ?」

 

だってぇ、ねぇ。 

 

「あっ、いや、なんでもない。

 ごゆっくりね」

 

今、少しだけ優越感にしたってるわたし。

よかった、牛乳好きで。 

さて、歯磨いて寝よっと。

 

     ・

     ・

     ・

 

「美佳先輩、お帰りなさい」

 

「うん、ただいま。

 今日は少し寒いね」

 

今夜は冷えるのかな?

なんか昨日より寒いや。

 

「あ、美佳先輩。

 なんか、暖房の調子悪いみたいですよ」

 

え、そう。 

そんな日は、さっさと寝るに限る。

寝よ寝よ。

 

「会長、おやすみなさい」

 

「おやすみです、美佳先輩」

 

     ・

     ・

     ・

 

「・・・やっぱり、少し寒いですね」

 

うん?

 

”ばさ”

 

え、な、なに、何でわたしのベッドに入ってくるの?

もしかして、えっ、うそ。

 

「あ、あの~、会長?」

 

「寒いから仕方ないです。

 美佳先輩、変なことしないで下さいね」

 

・・・・はい、少しだけ変なこと考えてました。

ごめんなさい。

 

     ・

     ・

     ・

 

「美佳先輩、もう寝ました?

 ん~、寝たのかなぁ、どれどれ」

 

”コチョ、コチョ”

 

な、なに?

会長こそ変なことしないで。

も、もう、わたしは寝たの。

く、くすぐったい、我慢、我慢。

 

「うん、寝たみたいですね。

 ふぅ。 

 え~と、美佳先輩、スキー合宿に一緒に来てくれて

 ありがとうございます。

 とってもうれしかったです」

 

ジャ、ジャリっ娘。

 

「うん♡」

 

「な、なんですか!

 ひど、起きてたんですか。

 寝たふりなんて人として最低です。 

 まったくもう。

 ふん!」

 

えっ、なんで? だ、だってあんたがくすぐるから・・・・

 

”ばさっ”

 

「まったく、美佳先輩は~ 」

 

ん、どこへ行くの、会長?

 

「会長、なにを」

 

「え、暖房の設定、もどしてるんですよ」

 

えっ、設定って、暖房故障してたんじゃないの?

 

「会長、暖房、調子悪いって言ってなかった?」

 

「え、そんなこといいました?

 美佳先輩、お耳悪いんじゃないですか~

 さ、さっき聞いたことも空耳ですからね。

 おやすみで~す」

 

お、おい。

空耳って・・・

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

”ゴシゴシ”

 

「よしっと、最後のトイレ掃除終了」

 

今日も頑張ったからね。

ほら見て見て、ピッカピカ。

もう、汚したら承知しないんだからね、男子ども!

でもさ、これだけ頑張ったんだから、女神さまも見ててくれたよね。

どれどれ、鏡、鏡っと

・・・・・女神さまの嘘つき!

ちっとも綺麗になってない。

な~んてね。

そんなんで綺麗になるんなら、世界中、美人だらけだもんね。

さてと、馬鹿やってないで後片付けしなくっちゃ。

うんしょっと。

 

”どさ”

 

ふぅ~、結構余った。

あっ、平塚先生、いいところに。

 

「先生、すみません。

 この食材とか持って帰るものを、お車に積んでもいいですか?」

 

「あぁ、三ヶ木か、ご苦労。 

 ほらカギだ、場所は覚えてるな」

 

「は~い、ありがとうございます。

 あの、ちなみに生ごみもいいですか?」

 

「おい!」

 

「すんません」

 

     ・

     ・

     ・

 

うんしょ、うんしょっと。 結構重いね。

あ、あれ、結衣ちゃん?

へぇ~、かっこいい。

あ、あの前を滑ってるの、比企谷君の妹さん。 

たしかお米ちゃんだっけ。

いえ小町ちゃんです、はいお約束。

みんな上手だね、楽しそうだなぁ~

 

「みーちゃん!」

 

えっ、あ、あれ、けーちゃんだ。

す、すごい、ちゃんと滑ってる。

あっ、こけた。

 

「えへへ」

 

かわいい。

はぁ~、さっさと荷物もってこ。

 

     ・

     ・

     ・

 

う~ん、うでが筋肉痛だよ。

みんな楽しそうだな~。

わたしもやってみようかな。

いくらすんだろう。

ちょっと見てこよっと。

 

     ・

     ・

     ・

 

ふ~ん、レンタルで4,000円か。

どうしょうかなぁ。

今日は二時に集合だったね。

あと、四時間か。

う~ん・・・うん決めた。

だって折角、ここまで来たんだもん。

今月、あと苦しいけど、な、なんとかなるよね。

 

     ・

     ・

     ・

 

えへへ、か、借りちゃった。

でも、どうやって履くんだろう?

え~と、動画は観てきたんだけど。

たしかこの金具に足先からっと。

そして、うんしょっと。

 

”カチ”

 

は、履けた、う~ん感激。

よ、よし、もう片方も。

 

”カチ”

 

やったぁ、これで滑れる。

へへ、ぼっちの観察力をなめんなよ。

よ、よし、いくよ。

ついに白銀の世界にデビュー。

えっ、え~、足が広がる~。

 

”どでん”

 

「いったぁ~」

 

「ははぁ、これは立派なしり型がとれたね。

 う~ん、推測で86、7ぐらいかな?」

 

「へ? め、めぐねぇ」

 

「よ、美佳。

 ほれ、立ってみそ」

 

「う、うん。

 うんしょっと」

 

”スー”

 

えっ、うそ~

 

「ひゃ~。」

 

”どでん”

 

「あはは、美佳のしり型二個めの出来上がり。

 う~ん、でっかいねぇ」

 

「ひど~い。 めぐねぇと一緒ぐらいだもん」

 

「あはは、ほら手を出して」

 

「うん」

 

「それじゃ、ゆっくり立って。

 立てたら、まずは足をハの字にして」

 

「うん、うわ~」

 

”どでん”

 

「それはVの字でしょ、反対。

 美佳から見てハの字だよ。

 これじゃスキー場が美佳のしり型だらけになっちゃうよ」

 

     ・

     ・

     ・

 

「よし、いいよ美佳。

 それでね、止まるときは足のハの字をゆっくり広げて」

 

「と、止まれた」

 

「さっ、うまくなるまで徹底的にしごくよ。

 覚悟しな」

 

「うん。

 頑張るぞ、お~」

 

「それ、わたしのセリフ。

 もう、お~」

 

へへへ。

だって一度やりたかったんだもん。

 

     ・

     ・

     ・

 

「あの、あのさ、めぐねぇ。

 やっぱり、4月になったら東京に行っちゃうの?」

 

「うん、そうだよ」

 

「さみしいなぁ」

 

「ばっか、すぐ近くじゃん。

 それにゴールデンウィークには帰ってくるよ」

 

「うん、連絡してね」

 

「了解。

 ・・・・・それより美佳、やっぱり卒業したら働くの」

 

「うん。

 とうちゃんに負担ばっかりかけられないもん」

 

「でも、美佳、保母さんになるのが夢だったんでしょ」

 

「ち、ち、ち、めぐねぇ、現実はあまくないのだよ。

 わはははは」

 

「美佳」

 

『ねぇ、めぐねぇ。 めぐねぇは大きくなったら何なるの?』

 

『わたしは、学校の先生になりたいなぁ』

 

『めぐねぇ、あたまいいから絶対なれるよ。

 あのね、うちのクラスの義輝君も先生になるんだって。

 なんかお話を書く先生だって』

 

『ふ~ん。

 ね、義輝君って美佳の彼氏? やるね』

 

『ち、違うよ。

 あのね、いっつも愚図だから美佳が守ってあげてるの』

 

『んで、美佳は何になりたいの?』

 

『美佳は・・・保母さん』

 

『そっか、美佳は妹ちゃんの面倒よく看てたもんね』

 

『・・・うん。

 美佳、小さい子と遊ぶの大好き』

 

「そう、美佳は一度決めたら頑固だもんね。

 よし、頑張ってね」

 

”バシ”

 

あっ、うそ~、押しちゃダメ~

いや、誰か止めて~

 

”どでん”

 

め、めぐねぇ~ ひどい。

 

「あちゃ~、またでっかいしり型が」

 

     ・

     ・

     ・

 

「な、なんですか、あの雰囲気は。

 あれじゃ、ちょっと声かけられないじゃないですか」

 

「あれ、一色ちゃんじゃん。

 なに見てんのかなぁ」

 

「あ、陽さん先輩。

 いぇ、なにも見てませんよ」

 

「あぁ、めぐりと三ヶ木ちゃんか。

 相変わらず仲いいね」

 

「陽さん先輩、お二人のこと知ってるんですか?」

 

「あの二人は小っちゃい頃からの幼馴染みだよ。

 なんかほんとの姉妹みたいだね」

 

「むぅ、そうですか。

 でも、普通じゃないですか、普通」

 

「なに? 一色ちゃんやきもち?」

 

「嫌だなぁ~

 そ、そんなんじゃないですよ」

 

「それじゃ、足元のストックの跡は何なのかなぁ~

 ほら、そんなにいっぱい刺した跡」

 

「・・・あっ、そうだ。

 わたし先輩を探してたの忘れてました。

 それでは、し、失礼しますです、えへ」

 

「一色ちゃん、積み重ねられてきた時間で育まれてきた関係は、

 誰にも替えられない本物。

 だけど、これから積み重ねていく時間で育んでいくもの、

 それもいずれ本物になるんだよ」

 

「なんのことですか?

 美佳先輩は、わたしにとって生徒会活動をスムーズに進行するための

 ただの駒ですよ、駒。

 わたしが、やきもちなんか妬くはずないじゃないですか~」

 

”どでん”

 

「あいた~」

 

「えっ、美佳先輩」

 

「あちゃ~」

 

「折角、かっこよく滑っているところを見せようと思ったのに」

 

「美佳、急に滑ったら、危ないじゃないの」

 

「ご、ごめんなさい。

 会長たちの姿が見えたから、つい」

 

またこけちゃった。

こけただけだからね。

 

「ほら美佳先輩、大丈夫ですか?」

 

「あ、ありがと、会長。 

 ははは、わたし何やってんだか」

 

「美佳、もう急に滑ったらだめだよ」

 

「うん、じゃぁ、めぐねぇ、あっち滑ってみる」

 

「よし、行くよ」

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

「会長、全員揃ってます」

 

「はい、それでは。

 皆さん、今回はご苦労様でした。

 電車を降りる場所がそれぞれなので、ここで解散しますね。

 よく言われますが、家に着くまでが合宿ですので、

 最後まで気を付けてくださいね、よろしくです」

 

”ガタンガタン”

 

あっ、電車入ってきた。

んじゃ、みんな気を付けて帰ってね。

わたしは、ちょっとね。

 

「あれ、美佳っち、乗らないの?」

 

「うん、生徒会のみんなのお土産を買うの忘れちゃった。

 今から、買ってくるから先帰ってて。

 わたし、次の電車で帰るよ」

 

「あたしも一緒に行こうか?」

 

「いいよ。

 ほら、比企谷君待ってるよ」

 

「えっ、うそ。

 じゃぁ、また学校でね」

 

「うん、またね」

 

     ・

     ・

     ・

 

うん、これ美味しい。

やっぱ、味見って最高。

タダだよ、タダ。

今月厳しいから、今のうち一杯食べちゃおう。

 

     ・

     ・

     ・

 

「どこにいるんだろう?」

 

「ん、一色、誰か探してるのか?」

 

「あっ、先輩。

 美佳先輩見てません?

 どこいったんだろう」

 

「あっ、いろはちゃん。

 美佳っちなら、生徒会のみんなへのお土産忘れたって、

 一本後の電車で帰るっていってたよ」

 

「げ、お土産・・・・・やば。

 でも、どうしょう。」

 

「ん、お前もお土産忘れたのか?

 んなら、三ヶ木に電話して買ってきてもらえばいいんじゃないか?」

 

「えっ、お土産なんて、わたしの思い出話で十分じゃないですか~

 それに、ほら、この雪だるまの写真もありますし」

 

「おま、それはやめて、削除して」

 

「だめです。

 それに、美佳先輩、バッテリー切れてるみたいで連絡つかないんですよ~」

 

「一色、それは嫌わてるんじゃないか。 

 『ごめんなさい。もう寝てたから』って、明日メールくるんじゃないか」

 

「・・・・・・」

 

「・・・・おい、一色?」

 

「やっぱり、嫌われたのかなぁ。

 わたし、ひどいこと言ったから。

 聞こえてなければいいんだけど。

 せ、先輩、聞こえてたらどうしょう?」

 

「何を言ったのか知らんけど、由比ヶ浜、ちょっと電話してみてくれ」

 

「えっ、ヒッキーも番号知ってなかった?」

 

「着信拒否中だ」

 

「比企谷君、あなたのほうが問題じゃない?」

 

「理由はわからんが。

 まぁそういうわけだ由比ヶ浜頼む」

 

「うん」

 

”プー、プー”

 

「やっぱり繋がらない」

 

「だっそうだ。

 一色、安心しただろう。

 お前が嫌われて 」

 

「逆です! 先輩、馬鹿じゃないですか。

 わたしの電話に出てくれないほうがましです。

 結衣先輩の電話にまで出ないって、何かあったかも

 しれないじゃないですか」

 

「あっ」

 

「もう。

 結衣先輩、一本あとで帰るって言いってたんですね。

 ありがとうございます」

 

「うん」

 

     ・

     ・

     ・

 

よし、やっぱこのクッキーが一番美味しい。

君に決めた。

書記ちゃん、機嫌直してくれるかなぁ。

このスキーのキーホルダーもいいかなぁって思ったけど、

あの二人、受験生になるからね。

さてっと帰ろうか。

 

     ・

     ・

     ・     

 

”ガタンガタン”

 

ふぅ、良かった座れたよ。

混んでたからどうかと思ったけど。

あとは駅に着くまで、一休みだね。

 

『ただの駒ですよ、駒』

 

・・・・・駒っか。

 

『なんだ、もしかして友達になれるって思ってたのか』

 

な、なによ、思ってないわよ。

どこにいるの。

どっから聞こえてくるの。

 

『しょせん、お前なんかいい様に利用されてるだけなんだよ』

 

し、知ってるもん。

 

『だれもお前のやってることなんて見てないんだよ』

 

・・・・・そうだね。

みんな、会長、頑張ってるねっていうもんね。

わたしのことなんて誰も見てない。

ははは、駒っか。 

もともとわたしが望んでたものじゃん。

最近、図に乗りすぎだったんだよ。

ばっかみたい。

 

     ・

     ・

     ・

 

”プシュー”

 

ついた。

あ~疲れた。

さぁ電車降りて帰ろう。

もう、真っ暗だね。

 

”ビュ~”

 

う~さぶ~。

はぁ~明日から学校か。

・・・・行きたくないな。

このまま、どっか行こうかなぁ。

 

”チャリ”

 

ふっ、あと五百円ちょっとしかないや。

どこにも行けないね。

 

「美佳先輩!」

 

「へぇ?」

 

”パン!”

 

いっ、いったー

いたい、いたい、いたい、あいた~。

右のほっぺが・・・

 

「な、なにすんのよ!」

 

「馬鹿ですか、美佳先輩は。

 あんだけ勝手なことはしないでって言ったのに」

 

「い、いいじゃない。

 わたしは、お土産を買いに・・・・・

 会長?」

 

「勝手にいなくなるから、勝手にいなくなるから 

 心配したじゃないですか!

 わたしが、わたしがあの時ひどいこと言ったから」

 

「えっ、なにもひどいこと言ってないよ。

 会をまとめる会長にとって、わたしはただの駒でいいんだよ。

 それで生徒会活動がスムーズに進行できるならわたしは本望」

 

”パン!”

 

いったー

今度は左のほっぺ。

 

「城廻先輩にもそんなこと言ったんですか!」

 

「めぐねぇは・・・・・」

 

「わたしは、美佳先輩を駒だって本気で思ってません。

 わたしの大切な仲間です。

 だ、だからひどいこと言って、ご、ごめんなさい。

 う、う、ううう」

 

「会長・・・・・」

 

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめ 」

 

「会長、もういいって。

 本当に気にしていないから。

 わたしのほうこそ、勝手な行動をしてすみませんでした」

 

「美佳先輩」

 

「会長」

 

”だき”

 

「う、う、う~、美佳先輩の馬鹿」

 

「うぇ~ん 会長こそ」

 

”ジー”

 

「ふふ、どうやら、会えたようね」

 

「あぁ、そのようだな」

 

「よかった。

 よかったね、美佳っち」

 

「それじゃ、帰りましょう。

 邪魔にならないうちに」

 

     ・

 

「ご、ごほん。

 もう、勝手な行動はご免ですよ。

 そこは反省してくださいね」

 

「はい、会長。

 すみませんでした」

 

「勝手な行動した罰です。

 生徒会へのお土産は、二人からのってことでお願いします」

 

「へぇ?」

 

「はい、五百円」

 

「いや、あの~足りないんですが」

 

「えぇ~、それは、その分は、

 美佳先輩がわたしを心配させたことでチャラということで、

 よろしくで~す」

 

え~、なんで。

もとはあんたが・・・しゃ~ないか。

これがわたしの会長だもん。

 

「はい、わかりました」

 

「えへっ、それじゃまた明日、学校で」

 

「うん、学校で。

 会長、気を付けて」

 

     ・

     ・

     ・

 

「ただいま~、とうちゃん」

 

「お帰りって、おい、美佳?」

 

なによ。そんなにじ~と見つめて?

は、もしかしてわたしの顔、忘れちゃったとか。

 

「なに、も、もしかして、

 ほんとにわたしの顔を忘れちゃった?」

 

「いや、お前、またおたふくになったのか?」

 

「へぇ?」




最後まで、ありがとうございます。

やっと、オリヒロにスキーをさせることができました。

スキー合宿も終わり、いよいよ卒業生を送る会。

二年生での、最後の生徒会イベント。

でも、追試が・・・・

次話も読んでいただけるよう頑張ります。

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