似て非なるもの 作:裏方さん
今年も読んでいただけたらありがたいです。
オリヒロ、前話でとうとう着信拒否解除。
スタートライン・・・たてるかな。
でも、その前にもう一つの大事なものが・・・
では、よろしくお願いいたします。
「一色、書き直しだ」
「ふぇ~、なんでですか」
「自分の言葉で書けといっただろう。
まったく、比企谷はお前に甘いな」
”ガラガラ”
「失礼します。
先生よろしいですか」
「城廻、答辞の原稿できたのか」
「はい、先生お願いします」
「ご苦労、預かっておこう」
「平塚先生、原稿チェックしないんですか?」
「一色、これは清書したやつだ。
すでにチェックは終わっている。
それより、城廻、東京に引っ越す日は決まったのか?」
「えっ、城廻先輩、東京に引っ越されるんですか?」
「うん、そうだよ。
先生、日にち決まったら連絡しますね」
「ああ、そうしてくれ」
「それでは、失礼します」
「うむ、ご苦労さん」
・
・
・
”タッタッタッ”
「はぁ、はぁ、はぁ、し、城廻先輩、ちょっといいですか?」
「うん、一色さん、どうしたの」
「あの、城廻先輩。
美佳先輩と城廻先輩ってどんな関係なんですか?」
「えっ、う~ん、美佳とは子供のころ家がご近所さんだったから、
よくいう幼馴染ってことになるかなぁ」
「それ以外に、なんかあったんじゃないですか?
スキー合宿の時もそうでしたけど、
なんかお二人には特別なものを感じます」
「・・・一色さん、それを知ってどうするの?」
「わたしは、そ、その、会長として部下のことを
知っておくのは当然じゃないですか」
「そういうことなら教えられない。
でも、本当は違うんでしょ」
「えっ、あの~」
「・・・じゃあ、行くね」
「わたしは知りたい! 知りたいんです。
うまくいえないけど、
美佳先輩は、わたしの生徒会の大事な仲間なんです。
うううん、美佳先輩だけじゃなく、副会長や稲村先輩、書記ちゃんも。
いまもこれからも、一緒に少しづつ時間を積み重ねて
わたしたちの本物を育んでいきたいんです。
そのためには、そのためにも、
わたしは知っておかなければいけないって思うんです」
「あのね、やっぱり私からは言えない。
でも、一色さん・・・・・・いろはちゃん、
美佳のことそう思ってくれてありがとう。
多分、いろはちゃんにならあの子の方から打ち明けると思うよ。
もう少し、待ってあげてくれるかな?」
「城廻先輩」
「一色会長、お願いがあります。
あの子は、過去を引きずっているの。
小っちゃいころから今も。
私はその過去を知ってる、近くで見てたから。
だから、私ではあの子を変えられない。
知りすぎているの。
変えられるのは、過去のしがらみのないあなた。
ごめんね、やっかいなことお願いするけど、
もう少し、あの子を見ててくれないかな?」
「・・・正直いって、なんかよくわからないです。
でも、仕方ないですね、城廻先輩の頼みですもん。
城廻先輩、了解です」
「うん、ありがとう」
「あっ、そうでした。
城廻先輩、わたしからもお願いがあります。」
ーーーーーーーー
ふぅ、今日のお勤め終わった。
さぁ、生徒会頑張るぞ。
あ、でもその前に会長にあやまらなくちゃ。
昨日、会えなかったから。
さてと。
”ボコ”
「あいた。
えっ、なに? カバン?」
「もう、美佳先輩、教室から出てくるの遅いです。
はい、これ」
「えっ、あれ、どうして、これ破れたんじゃ?」
「ごめんなさい」
「ちが、会長、わたしのほうが大人げ無かったから」
「そうですよ、大人げないんです。
まったく仕方ないですね。
・・・・・ふたりして」
「会長、ごめんなさい」
「さぁ、行きますよ。
お仕事いっぱいありますから、しっかり働いてもらいます」
「うへぇ~」
・
・
・
”ガラガラ”
「「会長、お疲れ様です」 」
「あ、みんな揃ってますね。
それじゃ、早速はじめましょう。
まずは、現状確認です。
美佳先輩。」
「はい、え~とまず出し物のほうですが・・・」
「本牧、何ともなさそうだな」
「ああ、そのようだ」
「そこ!、副会長と稲村先輩、うるさいです」
「す、すみません、会長」
・
・
・
「それじゃ、来週月曜日の各部活さんとの打ち合わせで
最終、段取り詰めましょう。
美佳先輩、手配よろしくです」
「会長、お願いしてました先生方の出し物はどうですか?」
「あ、あの~、まだです。
だってぇ、先生方の窓口はあの厚木なんですよ。
わたし的にちょっと苦手なんですよ~」
「仕方ないですね。
打ち合わせ終わったら一緒に行きましょう。
え~と、厚木の弱点は・・」
「は~い、よろしくです。
って、そのメモ、この前シュレッダーにかけたはずじゃ。」
「あ! やばっ」
「あ、あの~、いろはちゃん、やっぱりわたし司会?」
「美佳先輩、メモ渡しなさいって!
あ、うん、書記ちゃん頑張ってね」
「・・・」
「はぁ、はぁ、美佳先輩、これはシュレッダーです。
それじゃ、副会長、稲村先輩、引き続きビデオレターお願いしますね。
編集もあるので、遅くても来週火曜日までにはお願いします」
「うへぇ、おい、稲村行くぞ」
「お、おう」
”ガラガラ”
「それじゃ、わたしたちは会場の飾りつけの準備しましょうか」
「・・・会長、厚木のとこいきますよ」
「や、やっぱり。
はぁ、書記ちゃん、先に看板用の花つくってて」
「うん」
「ほれ、いきますよ会長」
「ふぁ~い」
ーーーーーーーー
「う~さぶ」
こんな寒い日の休日は、炬燵でアカ俺のDVD観てたいなぁ~。
やっぱ、イレギュラーヘッド先生、最高だね。
あ、でも、マイティオールのトゥルー状態時の目も最高。
よし、今日は早く帰ってDVDを観よっと。
「やっはろー、美佳っち」
「ん? こんにちは、結衣ちゃん」
「・・・」
わ、わかったわよ。
恥ずかしいんだからね、もうやけくそ。
「やっはろー! 結衣ちゃん」
「やっはろー」
う~、これでわたしもやっはろ族になっちまった。
「どこ行くの、美佳っち」
「うん、学校。
今日ね、副会長と稲村君がビデオレター撮ってるから、
差し入れ持ってくとこ」
「ふ~ん、どれどれ。
お~、サンドウィッチだ。
美味しそうだね」
「結衣ちゃんは?」
「うん、ヒッキーと待ち合わせ。
ほら、今日ね小町ちゃんの合格発表じゃん。
一緒に行こうかなって」
えっ、比企谷君と待ち合わせ。
いいなぁ。
わたしもやっぱり比企谷君が・・・
黙ってるなんて卑怯だよね。
でも結衣ちゃん、わかってくれるかな。
「あ、そうだ、今日合格発表だったね。
受かってるといいね」
「うん、じゃあね」
「ゆ、結衣ちゃん・・・ あのね、わたし、あのね」
「ん、どしたん?」
頑張れ、わたし。
わたしもスタートラインに立ちたい。
「わたし、ひ・・・・好き」
「へ?」
「わたしね、ひ、ひき・・・好き」
「ひき? 好き?」
「わたし、ひ、ひき・・・ひき肉大好き」
「んん、ひき肉?」
「だって、ハンバーグとか美味しいじゃん」
「そ、そだね。
たははは・・・・・・ん~?」
「じゃあね」
”た、た、た、た”
ひぇ~、言えないよ、やっぱ言えない。
だめだ、わたしって。
・
・
・
う~ん、どこにいるのかなぁ。
今日は文化部中心に廻ってるんだったと思うけど。
合唱部か演劇部あたりかな。
”スタスタスタ”
ん? あれは書記ちゃん。
どこ行くんだろう?
あ、あの手に持ってるのはもしかして・・・
ちょっとついていこ。
・
・
・
「ご苦労様です」
「あ、書記ちゃん、どうしたんだ?」
「藤沢さん、ご苦労様」
「うん、みんなでお昼食べようと思って。
はい、お弁当」
「えっ、俺の分もあるの?」
「うん、三人で食べよ」
やっぱり、お弁当だった。
あちゃ~、かぶっちゃったね。
どうしょうかな。
”わいわい”
しゃない、あの雰囲気壊したくないもんね。
なんかいい雰囲気だよ、いいなぁ。
・・・体育館でも行こう。
・
・
・
「はい、みんな集合。
じゃあ、今日はここまでにしておこう」
「はい、ご苦労様でした」
「つかれた~
戸塚先輩、厳しい~」
ふ~ん、戸塚君、頑張ってるね。
いつも昼休みの時間も練習してるし。
”ぱく”
ふぅ、もうお腹いっぱい。
ちょっと作りすぎちゃったかなぁ。
あとは、晩ご飯にしよっと。
ふふふ、とうちゃん、今日の晩御飯は
サンドウィッチだよ。
”がやがや”
ん? なんか外が騒がしくなってきたね。
どれどれ。
あ~、そろそろ集まってきてる。
あ、あれは比企谷君だ、それと隣にいるのは結衣ちゃん。
え~と小町ちゃんはっと。
あっ、いたいた。
でも何でそんなに離れてるの比企谷君。
はは~、さては小町ちゃんには内緒で来てるね。
小町ちゃんの隣で喋ってるのは、誰だろうあの男の子。
はっ、沙希ちゃん。
沙希ちゃんまでなに隠れてんの。
あ、あの男の子にみつかった。
はは、怒られてるみたい。
おそらく弟さんだね。
まったく、あの二人シスコン、ブラコンってほんとだね。
へへ、みてて面白い。
いいなぁ~、兄妹って。
・
”スタスタスタ”
あっ、平塚先生。
大変だね、また役押し付けられたのかな。
ん? 後からついてくるのは・・・広川先生だ。
うわぁ、眠そう。
あれ、平塚先生にたたき起こされたんだね。
おい、寝ぐせぐらいなおしてこいよ。
あっ、こけた。
ふふふ、ほんといいコンビだね。
もう、はっきりしてあげればいいのに。
って、いよいよ発表だ。
・
・
・
”ごく”
が、頑張って小町ちゃん。
勇気出して結果を確認して。
ど、どうありそう?
へ、小町ちゃん・・・・
だめだったのかなぁ。
なんかうつむいては知りだした。
あっ、比企谷君、小町ちゃんそっち行ったから。
抱きしめてあげてしっかりと。
・
沙希ちゃんのほうは。
あれ、あの男の子どこ行った?
あ、いた。
なんか走ってる。
な、なにどうしたのそんなに慌てて。
ああ、小町ちゃん探してんの。
うん、そこ、もう少し先だよ。
あっ、見つけた。
でもどうしたんだろあの男の子。
えっ、小町ちゃん男の子に抱き着いた。
ゆ、結衣ちゃん、比企谷君とめなきゃ危ないよ
だって超シスコンだから。
・・・・・て、二人抱き合って喜んでる。
比企谷君も結衣ちゃんもうれしそうだね。
もしかして、小町ちゃん、受かってたのかな?
いいなぁ。 わたしも隣にいたかったよ。
『なに、ショック受けてんだよ。
わかりきってたことだろう。 バ~カ!』
な、なによ、わかっていたわよ。
わかっていたけど・・・
『お前が由比ヶ浜に勝てるわけないだろう、何一つ。』
うっさい。
『さっさと失せろよ、このストーカー女』
わかってるわよ。
もう、帰るわよ。
でも、もうちょっとだけ、ここにいさせてよ。
だって、こんな顔でどこにも行けないじゃん。
・
・
・
ふぅ~、しゃ~ないね、うん。
さ、帰ろっと。
げ、もう三時じゃん、めっちゃ遅くなっちゃた。
帰ってイレギュラーヘッド先生観るんだ。
「おっ、三ヶ木、いいとこにいた」
げ、厚木。
「な、なんでしょうか?」
「今日は一色は一緒じゃないんだな」
なによ、何でそんなにがっかりしてんのよ。
まぁ、知ってるけど。
あんたわりとうちの会長に気があるでしょ。
ふふふ、三ヶ木レポートをなめるなよ。
「残念ですね、先生」
「はぁ?、なに言ってんだ。
そんなことより、ちょっと手伝え」
「え、手伝えってなにを」
「これと同じ段ボールが職員室にあるから、
体育館倉庫まで運んでくれ」
「え~」
「生徒が先生の手伝いをするのは当たり前だろ。
さっさと運べ、いいな」
「ふぁ~い」
まったく、今日は何という日なんだろう。
くそ、厚木め、憶えてろ。
”ガラガラ”
「失礼します」
ん、二個もあるって聞いてないよ。
わたし、これでも女の子なんだよ。
まったく、広川先生といい、なんでこんなかわいい女子に
重たいもの運ばせるんだろう。
かわいい? うん、かわいいんだよ、いいじゃん。
「うんしょっと」
げぇ、前見えないよ、もう。
扉、いいよね、手塞がってるもん。
・
・
・
ひぇ~、結構重いよ。
ひどい、ひどすぎる。
腕、腕しびれてきた。
指がちぎれそうだよ~。
「よいしょっと」
へぇ、なに厚木?
「三ヶ木先輩、もちますよ」
ん、だれこいつ?
「あ、あの~」
「入試依頼ですね、あの時はありがとうございました」
ん~と、入試入試と。
あっ、
「あっ、もしかしてあんときのスリッパ君」
「いや、三ヶ木先輩、スリッパ君はちょっと」
「あはは、ごめんごめん。
えっと、ヤドカリ君だね」
「ひどい!
刈宿です、刈宿」
「わかってるよ、刈宿狩也君。
おひさ」
「あ、はい。 おひさです。
あ、あの、めっちゃうれしいです。
名前憶えてもらってて」
ん? 確か三ヶ木先輩って。
「ヤドカリ君、受かったんだ」
「刈宿です、まったく。
はい、三ヶ木先輩のおかげで受かりました。
あのラッキースリッパ、効果絶大です」
「ヤドカリ君の実力だよ」
「刈宿です。
もういいや、ヤドカリで」
「えへへ、ごめんなさい刈宿くん」
「へへへ」
なに、なんかいいなぁ。
弟がいたらこんな感じなのかなぁ。
この子と話してるとなんか心が暖かくなる。
「ありがとね、刈宿君」
「ええ、なんでもないですよ。
で、どこまで運びます?」
「うんと、体育館倉庫まで」
「お安い御用です」
・
・
・
”スタスタスタ”
「・・へぇ、テニスやってんだ」
「はい、高校でもやろうかなって」
「部長さん、きついわよ」
「えっ、そうなんですか」
「あっ、厚木先生、ここでいいですか?」
「おう、そこにおいといてくれ」
「はい」
「ありがとね、刈宿君」
「全然いいですよ。
俺、三ヶ木先輩のためなら何でも手伝いますよ。
なんかあったら呼んでください。
これ、俺のアドレスです」
「えっ、あ、ありがとう」
「それじゃ、俺帰りますね」
「うん、気を付けてね」
え、あ、アドレスもらっちゃった。
ど、どうしょ。
別に何でもないよね。
いまどき普通だよね、普通。
登録しておこう。
・
・
・
”ブ~、ブ~”
ん、結衣ちゃんからだ。
「あっ、美佳っち、いま大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ」
「あのね、小町ちゃん合格したの。
そんでね、ゆきのん家で合格のお祝いするんだけど、
美佳っちもこない?」
結衣ちゃん、ごめんいけないよ。
わたし、わたしもそこにいたかったの。
あなたのその場所に。
だから、いま、二人が一緒にいる姿見たくない。
・・・あきらめたくないから。
「ごめんね、今からとうちゃんとご飯食べに行くの」
「あ、そうなんだ。
残念だけど仕方ないね。
じゃあ、また今度ご飯食べにいこ!」
「うんまた今度。
じゃあね」
・・・わかってる。
いまのわたしって最低。
ーーーーーーーー
「稲村君、あれ会長さんだよね。
なんか呼んでるよ」
「えっ、あ、会長。
なんだろう、ありがとう」
「かわいいね会長さん」
「外見はね」
”スタスタ”
「何か御用ですか会長?」
「稲村先輩、聞こえてんですけど。
まあいいですけど。
それより、今日のお昼休み時間になりましたら、
生徒会室に集合よろしくです、えへ♡」
「へ、あ、はい、了解です」
・
・
・
”ガラガラ”
「ご苦労様です」
「あぁ、お疲れ」
「みんないますね」
「いや、三ヶ木さんがいないけど」
「いいんです。
今日はみんなに相談したいことがあります」
・
・
・
”きょろきょろ”
よし、今日は会長いないね。
ふぅ~、やっぱこの前のいきなりカバンは
きつかったよ。
心臓飛び出るかと思ったって大げさだね。
・・・・・・でも、ほんとは少し期待してたりして。
馬鹿言ってないで、生徒会いこ。
いよいよ、明日卒業生を送る会か。
今日中に、会場の飾りつけ終わらせないとね。
よし、頑張ろう。
・
・
・
「会長、ここでいいか」
「は~い、稲村先輩、おまけの先輩、看板そこでいいですよ」
「いや、何で俺が手伝わされてんの。
それに俺、おまけ?」
「すまん、比企谷」
「いいんですよ、稲村先輩。
先輩は基本、いつも暇ですから」
「おい!
まぁ今日は暇だからいいが」
「藤沢さん、真ん中の椅子もう少し間を開けようか。
三年生通りやすいように」
「うん、そうだね」
「ご苦労様です」
「あっ、吹奏楽部さん、ご苦労様です。
明日はよろしくです」
「はい。
あ、会長さん、吹奏楽部の場所はここでいいですか」
「はい。
どうです、スペース行けます?」
「大丈夫です」
・
・
・
ふぅ、大体こんな感じかな。
くす玉も吊れたし、スポットや音響もOKっと。
わりと早く終わったね、それじゃ飲み物っと。
・
・
・
「はい、それでは集合してください」
「ご苦労様でした。
本牧君、冷たいのと温かいのどっちがいい?」
「あ、じゃ三ヶ木さん、冷たいのもらうよ」
「おれ、この微糖のやつもらうよ」
「わたし、ミルクテーにしとこ」
「はい比企谷君、マッ缶」
「おう、俺のもあるのか。
サンキュ」
「みんな、ご苦労様でした。
なんとか会場の準備できたようですね」
「あとは明日だね、会長」
「あの~いろはちゃん、やっぱりわたしが司会?」
「頑張ってくださいね。
ん~、でもなんかちょっと飾り付けさみしいですね。
あ、そうだ」
”ごそごそ”
ん、なに、なに探してんの会長?
「あった。
三ヶ木先輩、このスライドショーの準備に使った写真なんですが、
折角、学校行事と部活動にわけていいやつ選んだんですよ~
なので、使わなかった写真もこの模造紙に貼って
会場に飾っておいてください。
よろしくです」
「え~、今から?」
「はい、明日までに」
「・・・」
「じゃあ、よろしくです」
「あ、三ヶ木わりい、俺これから塾なんだ」
「三ヶ木さん、すまない。
僕も今から演劇部さんとこで、明日の打ち合わせがあるんだ」
「三ヶ木先輩、ごめんなさい。
今日、お母さん調子悪くて」
はぁ? な、なに、みんな帰っちゃうの。
わたし一人?
一人でこれやるの?
あ、比企谷君。
「しゃね~な、三ヶ木さっさとやっちまおう」
「うん」
えへへへ、比企谷君と一緒ならいいかなぁ。
「先輩! 大変です。
送辞、今から書き直しだそうです。
すぐ来てください」
「いや、それはお前が自分で、いててて」
「ほれ、もう時間ないんです」
「耳を引っ張るな。
い、いや引っ張らないでください、一色さん。
痛い痛い」
な、なんで。
わたし一人でやるの。
無理だよこんなの、終わらないよ。
・
・
・
「おい、一色、これはどういうことだ
送辞の書き直しじゃないのか」
「いいんです、先輩は黙っててください」
「お前、この前の写真のこと、まだ怒ってんのか?」
「それも少しあるんですけど・・・別の意味で」
・
・
・
はぁ~。
さむいよ~ 誰もいなし。
な、なんかわたしみんなに悪いことしたのかなぁ。
げぇ、まだ写真こんなにある。
・
・
・
こんなの、終わるわけないじゃん!
みんな自分勝手!
なにさ・・・・
ふぅ、馬鹿だね。
わたし、知らないうちにみんなのこと頼りすぎてたのかな。
やっぱ、わたしは一人があってるよ。
だって、この前も、あの三人のなかに入って行けなかったじゃん。
同じ生徒会なのに。
わかってるよわたしなんて。
ううう・・・
おかしいな。
なんでだろう、わたしっていつも・・・こんなんだ。
「う、ううううう」
・
「おい、一色、もう無理だ。
三ヶ木泣き出しちまったじゃないか。
俺はいくぞ」
「だめです。
絶対、行かせません」
「はぁ? 一色、おれはお前を見損なった。
そこどけ!」
「先輩、絶対どきません。
もう少しだけ 」
”ピー”
「へ?」
「おう、美佳ご苦労」
「め、めぐねぇ!
それに前の生徒会のみんな。
な、なんで? どうしたの?」
「ほれ、三ヶ木ハンカチ。
涙拭け」
「副会長、ありがと」
”ち~ん”
「お前、人のハンカチで鼻かむな」
「あ、つい」
「まったく、ドジは変わらないね」
「はぁ、眼鏡して少しは変わるかなって思ったのに」
「ははは、眼鏡じゃ性格まで変わらんって」
「みんなひど!
えへへへ」
「よ~し、みんな、さっさと片付けて
カラオケ行くよ~
頑張るぞ! お~!」
「「「お~!」」」
「ひ、久しぶり♡
おー!」
”わいわい、がやがや”
「い、一色、これってお前が」
「ふぅ、よかった、間に合った。
会場の準備がわりと早く終わったので、ちょっと心配だっだんですよ」
「すまない。
てっきり俺はお前の意趣返しかと」
「はぁ、先輩、わたしのことそんな風に思ってたんですか。
なんかものすご~くショックです」
「すまん」
「もう立ち直れません。
先輩、責任とってください」
「お、おう」
「それじゃ、ちょっと手握っててくれますか」
「はぁ? なんで、いや、なんの裏があるんだ」
「裏なんてありません。
すこし、やきもちかもです、美佳先輩たちに。
なんか・・・・・・
いいですから、はい、手!」
「お、おう。
ほれ、一色」
”にぎ”
・
・
・
「よし、終わったかな。
あれ?
ね、美佳、ここ真ん中のとこあいてるよ?」
「めぐねぇ、わたしその場所にこの写真を貼りたいの」
「え、これいろはちゃんが言ってた破れた写真じゃない?
たしか、わたし同じなの持ってたから渡したけど」
「うん、これね、あとで会長がセロテープで直しておいてくれたの。
わたし、この写真大事なの。
だからこの真ん中に貼りたい。
めぐねぇ、いい?」
「当たり前でしょ。
うん、この写真のほうがいいね」
「うん」
・
・
・
「なんか、なんか、やっぱりなんかです先輩!」
「ど、どうしたんだ一色」
「城廻先輩、今日だけですからね!
美佳先輩は、わたしの庶務なんですから、ぷい!」
「一色、お前・・・・・」
「・・・先輩、わたしいい会長になれると思いますか?」
「いまでもいい会長だと思うぞ」
「そうですか。
そういってもらえると・・・正直少しうれしいです」
「おう」
「でも先輩、手、湿っぽくてチョ~キモいんですけど!」
「・・・すまん」
”にぎ”
「ん?」
「でも、嫌いじゃないですよ。
・・・だからもう少しこのままで」
「おう」
ありがとうございました。
次話ではいよいよ卒業式です。
三年生だけでなく、オリヒロも。
※お正月、今まで投稿した話を見直してます。
誤字脱字の多さに申し訳なく。
随時、誤字脱字の修正しまくります。