似て非なるもの 作:裏方さん
いよいよ、三年生の卒業。
前生徒会、オリヒロの卒業と出発です。
よろしくお願いします。
”ガラガラ”
「はい、みんな揃ってますか?
えっ、なに?
なんでみんな正座してるんですか?」
「会長!」
「は、はい」
”バン、バン”
「ほれ、そこ せ・い・ざ」
「・・・は、はい」
”とん、とん、とん、とん・・・”
「まったく、みんなしてなに考えてるんですか!
手の込んだことして。
ほんとに・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・ほんとにありがとうございました」
”ぺこ”
「・・・もう、びっくりしたじゃないですか。
もういいですか、せ・い・ざ」
「えへへ。
だって一度やってみたかったんだもん」
「ひど~い、三ヶ木先輩、もう」
「まったく、それじゃ本番前の最後の確認しますよ。
ほれ、美佳先輩」
「えへへ、はい。
一応、もう一回、今日のタイムスケジュールを渡しておきます。
それでは確認しますね」
・
・
・
「それでは、各自抜かりなくよろしくです。 えへ♡」
「う~ん、やっぱり調子悪いな。
会長、ちょっとパソコン貸してもらっていいか。
昨日の予行の時から画面がちらついて」
「仕方ないですね、時間もないですしいいですよ。
でも余計なフォルダー開かないでくださいね。
絶対ですよ!」
「は、はい。
ちょっとスライドショーのコピー保存させてもらいます」
「三ヶ木先輩、カンペンよろしくお願いしますね」
「はい、ステージ横に置いとくね」
「では、準備出来次第、体育館集合お願いしますね」
・
・
・
「はぁ、いよいよだな。
だ、だいじょうぶだからね、沙和子。
できる。できるよ・・・絶対。
奉仕部さんが言ってくれたように、気張らず楽しもう」
ーーーー 話は三日前 ----
”とんとん”
「どうぞ!」
”ガラガラ”
「す、すみません。
今、よろしいですか?」
「やっはろー、ふ・・ふじ・・・書記ちゃん。
ようこそ、奉仕部へ。
まぁ、そこに座って」
「ごほん、藤沢さん、どうしたのかしら。
紅茶でよろしくて?」
「はい、あ、ありがとうございます。
いただきます」
”コト”
「どうぞ。
それで?」
「あの、わたし、卒業生を送る会で司会をすることになって、
でも、いままで人前でそんなことしたことないから、
・・・その、うまくできるかなって」
「そう」
「そだね、緊張しちゃうよね。
わかるわかる」
「はい、なにか緊張せずにうまく司会ができる方法はないでしょうか?」
「卒業生を送る会って今週末じゃん。
あまり時間がないよね。
ゆきのん、なんかいい方法ってあるかな?」
「そうね、短期間で解決するには・・・
藤沢さん、司会の台本は準備できてるのかしら?」
「はい、三ヶ木先輩から去年や一昨年のものを頂いて、
いろはちゃんと一緒につくりました」
「そう、それで台本はもう憶えたかしら?」
「はい、一応、内容は憶えました。
わりかし、憶えるのは得意ですから。
それに、三ヶ木先輩がカンペン作ってくれたので、
当日は、いろはちゃんに持っててもらう予定です」
「そう、あとは本来ならば予行練習とかで慣れるのが一番なんだけど、
そんな時間はないわね。
それでは足りない分、場面を想定してイメージトレーニングを繰り返す
のはどうかしら。
あとは本番前には大きく深呼吸をして、
最初の言葉は意識して大きな声をだすよう心がけることね」
「最初の言葉を?」
「ええ、まずは第一声。
それを意識して大きな声を出して言うの。
初めが小さい声だと、なかなか途中から大きな声は出せないのよ。
それができれば、あとは楽しむことよ。
基本的に喋ることは台本で決まってるのだから」
「大きい声?
あ、ヒーロ―ショーなんかで司会の人がやってるやつじゃん。
みんなー、こんにちは!ってやつ。
あれって、絶対もう一回っていうんだよね。
つかみはOKってみたいな感じ。
それとあたしも、書記ちゃん自身が楽しむことが大事だと思うよ」
「は、はい・・・」
「・・・あとな、観客、この場合は生徒だが、書記ちゃんが思うほど
だれもそんなに期待していないってことだ。
まぁ、授業がつぶれてラッキーってことぐらいしか思ってないから。
そんなんだから、あまり真剣に気にしないことだな」
「えっ、び、びっくりしました。
比企谷先輩、そこにいたんですね」
「いや、初めからここにいただろう」
「いえ、その~、気がつきませんでした」
「生徒が全て、そこのかぼちゃ谷君だったらよかったのだけど」
「おい、かぼちゃ谷ってなんだ、かなり無理があるだろうが」
「ヒッキー、それって引くよ。
まぁ、確かに去年なんかもみんなそんな感じだったけどさ」
「比企谷先輩、つまり必要以上に意識するなってことを言われたんですね。
あんまり期待されてないってのは癪ですが」
「そういうことだ。
だれだって、人前で喋るのは多かれ少なかれ上がるもんだ。
ましてプロの司会でもないんだから、別に気負うこともないん
じゃないか」
「はい」
「まぁなんだ、当日は俺がステージの袖にいるから。
もしもの時はマイクが故障しましたって、一色にマイク持たせて
書記ちゃんのとこにいかすわ。
一色なら何とかすんだろう。
だから、もっと楽に考えればいいんじゃないか」
「は、はい、わかりました。
あまり気張らず、できるだけ楽しみます」
「そうね。
それはそうと、一色さんには都度聞いているんだけど。
どう、準備とか問題はない?」
「はい、いろはちゃんが締めてくれてますから、
何とか、間に合いそうです。
あと残ってるのは、会場の飾りつけぐらいですね」
「そう、生徒会だけで大丈夫のようね」
「おまえ、すげー心配してたもんな」
「ええ、当たり前でしょう。
一応、一色さんの依頼があったから。
それに手は出さないって言ったけど、口は出そうと思ってたから」
「大丈夫ですよ雪ノ下先輩。
みんな、奉仕部さんに発破かけられて、滅茶苦茶頑張ってますから」
「そだよ、ゆきのん。
この前の土曜日も美佳っち、みんなへの差し入れだってお弁当もって
いってたし。
美味しそうだったなぁ、あのサンドウィッチ」
「え、差し入れ? 土曜日ってこの前の土曜日ですか由比ヶ浜先輩」
「うん、ヒッキーと小町ちゃんの合格見に行くときに会ってね、
いまから学校行くのって言ってたから」
「あら比企谷君、確か一人で行くって言ってたわね」
「あ、いや、その・・・」
「あっ、ゆきのんごめん」
「・・・土曜日、三ヶ木先輩も来てたんだ。
でも、なんで会えなかったんだろう?」
「ゆきのん、期限直して」
「べ、別に気にしてないわ、由比ヶ浜さん。
・・・法螺谷君、わかってるわよね」
”ぎろ”
「す、すみません」
ーーーー そして今 ----
「さて、書記ちゃんどんなもんかな」
「なんで先輩こんなとこにいるんですか?
はっ、もしかしてまた私と手を繋ぎたくなったんですか?
今、仕事中ですから、終わるまで待っててください。
ほんとう甘えん坊さんですね」
「ば、ばか、違う。
な、なにいってんだ。
いや、ちょっとな」
「はっ、もしかしてクラスからはぶられて、座ってるところ
もないんですか?」
「いや、俺はそれほど認識されてないから。
居ても居なくても気付かれないのは、自信があるから大丈夫だ」
「それ、ちょっと悲しいですけど」
「会長、準備OKですよ」
「はい、美佳先輩了解です。
先輩、あんまり邪魔しないでくださいね。
書記ちゃん、いくよ」
「は、はい」
・
・
・
「み・・さ・、こ・に・・・で・・」
ん~まずいわね。
書記ちゃん、舞い上がっててなに言ってるのかわからないよ。
マイクのスイッチ入っていないんじゃない?
どうしょう、と、とにかく何とかしないと。
”スタスタスタ”
「もしもし、稲村君、聞こえる?」
「ああ、三ヶ木、聞こえてるぞ」
「予備で作ってたスライドあったよね」
「ああ、一応パソコンに落としてきたが」
「わたし、いま、書記ちゃんのとこ向かってるから、
とりあえず、それ映して時間稼ぎして」
「お、おう、わかった」
「頼むわね」
「え~と、どのファイルだったかな。
急いでコピーしたからな。
たしか予備ファイルって名前だったな。
ん、二つあるけど、コピー二つもしたっけ?
副会長、今からスライド映すからちょっとステージの照明暗くしてくれ」
「うん、わかった」
・
・
・
「まずいな。
書記ちゃん、やっぱり意識しちゃったか。
おい、一色、書記ちゃんのマイクが調子悪いようだ。
このマイクを持って書記ちゃんの横にって、
ん、スライドすんのか?」
「「わっははは」」
はぁ、はぁ、はぁ、ん?
なに、なんか会場からすんごい笑い声が?
なんだろう。
ま、いっか。
はぁはぁ、ふぅ、やっとステージについたよ。
「しょ、書記ちゃん、落ち着いてマイクのスイッチがって、
ん? え~」
”あははは”
「だれだよ、あの鹿女。
受ける。」
げ!
な、なに、何でわたしのドアップが
しかもクリパの時のコス着てた時のやつ。
「うふふ、あははは」
へっ、書記ちゃんまでそんなお腹抱えて。
「ふ~
はい、皆さんこんにちは。
えっと、つかみはOKでしたか?」
「「OK!」」
「えっと、ちなみに今のは生徒会のマスコット、鹿ムスメさんです。
それでは、いまから卒業生を送る会を始めます。
みなさん、三年生が入場してきたら、拍手お願いしますね。
一回、練習してみましょう」
”ぱちぱち”
ひぇ~、やば!
ちょ、ちょっと待って~
今、扉のとこに戻るから。
・・・でもさ、書記ちゃん、緊張とれたみたいだね。
よかった。
・・・・・ん? よくな~い!
「お、おい、稲村!
て、てめぇなんてことを」
「いや、すまない。
ちょっと焦って違うスライドを開いたみたいだ」
「焦ってって、よりによってあの写真。
もう、お嫁にいけないじゃん」
「そんなことないぞ。
俺はかわいくていいと思うぞ。
わりかし、好きだけど」
「えっ、か、かわいい? 好き?・・・」
「ん?」
「ば、ばか、なにいってんのよ」
「あの、美佳先輩、稲村先輩。
そんな会話はあとでお二人でしてください」
「は、会長、す、すみません。
いま、扉のとこ戻りましたから」
「じゃあ、始めますよ。
書記ちゃん」
「それでは本番です。
はい、三年生の入場です」
”ガラガラ”
・
・
・
「・・・ということで三年生の先輩方、今日は楽しんでくださいね」
「はい、それでは会長の挨拶に引き続き、各部活さんからの出し物です。
まずは軽音部さんからです。
準備よろしくお願いします」
「い、稲村君、音響OK?」
「大丈夫だ、三ヶ木」
「本牧君、照明は?」
「三ヶ木さんいつでも」
「うん、会長、準備OKです」
「了解で~す。
書記ちゃん、GOです」
「それでは、軽音部さんお願いします」
「こんにちは、軽音部です。
三年生の先輩、ご卒業おめでとうございます。
今迄の感謝を込めて演奏します。
いくよ~」
・
・
・
「えっ、どうしたの?
ダンス部さん?
野球部さんの次だよ。
うん、会長、ダンス部さんはそこで待っててもらってください」
・
・
・
「サッカー部さん来てないの?
うん、わかった。
会長、ちょっと探してきます。
ひぇ~、どこにいるのよ、もう!」
・
・
・
「えっ、女子マネ、一人休みで足りない?
わかった、わかったわよ。
バスケ部さんの踊ってるうしろで、ポンポン振ってればいいのね?
・・・えっ、こんなの着るの。
やだよ。
だって、超ミニじゃん。
これじゃ、わ〇めちゃんだよ、アンスコ丸見えじゃん。
会長やめて~、いや~脱がさないで」
・
・
・
「美佳先輩、ご苦労さまでした。
なかなかの太ももでしたよ、くくく」
「バスケ部~、絶対許さん。
生まれて初めて、あんなミニ穿いたよ」
「まぁまぁ、お疲れさまでした。
次はビデオレターですので、ステージの横で休んでてください。
はい、椅子」
「ステージの横?」
「そこから三年生の反応、観ててくださいね」
「うん、わかった」
・
・
・
「・・・先輩、ありがとうございました」
「はい、以上が各部活さんからビデオレターでした。
最後に生徒会からです。
あの、ビデオレターといいながら、生徒会からは直接ステージからです。
三ヶ木先輩、よろしくです」
「えっ!」
「行ってらっしゃい、美佳先輩」
”ドン”
「ちょ、ちょっと会長?」
「三ヶ木先輩、わたしたちからの最後のドッキリです。
よろしくお願いします。
はいマイク」
え、書記ちゃんマイクって、なにも聞いてないよ。
な、なに喋ればいいのよ。
「あ、あの~・・・」
「よ、頑張れ、鹿ムスちゃん」
へ、鹿ムス? あれはトナカイだって。
ふぅ~、まったく。
会長、最後まであんたたちは・・・ありがとね。
よしっ。
「えっと、生徒会庶務の三ヶ木です。
前生徒会のみなさん。
本当にありがとうございました。
わたしは、前生徒でも庶務をさせて頂いたんですが、
初めての生徒会活動で、なにもわからなかったから
みんなにいっぱい教えてもらって。
時には怒られたり、またあるときは怒られて・・・
あれ、怒られてばっかりだったような。
でも、いつも最後はみんな優しくて。
わたしがドジしても温かく包んでくれて。
わたし、とってもしあわせでした。
みんなのことが本当に大好きです。
できれば、卒業してほしくない。
・・・・・いつまでも一緒にいてほしいよ。
で、でも、
とっても、とってもさみしくて辛いけど、わたしもみんなから
卒業します。
そして今の仲間と一緒に、みんなとの生徒会に負けないよう、
もっともっと頑張ります。
そんで、みんなに胸張ってこれがわたしたちの生徒会ですって、
自慢できるように頑張ります。
だから、・・・・みんな、ご卒業おめでとうございます」
”パチパチパチ”
「美佳・・・」
「城廻会長、もう心配いらないみたいだね」
「うん、ありがとう副会長。
頑張ってね美佳」
「はい、それでは、続いて先生方からの出し物です。
出し物は演劇です。
では厚木先生、よろしくおねがいします。
えっ、厚木先生泣いてるの?」
・
「美佳先輩、ご苦労様」
”だき”
「ううう、やっぱりさみしいよ」
「はいそうですね。
・・・って、先輩、なに見てんですか。
のぞき見なんてキモイんですけど」
「え、比企谷君なんでここに。
やっぱりクラスからはぶられてた?」
「・・・いや大丈夫だから。はぶられていないから。
なんだ、やっぱりって。
まぁ、なんだ、椅子のとこ戻るのがちょっとな。
すまん、もうしばらくここにいさせてくれ」
「やっぱ、はぶられてんだ」
「い、いや、違うって」
・
・
・
「それでは、いよいよ最後です。
三年生の各クラス委員の先輩、前に出ていただけますか」
”わいわい、がやがや”
「それでは、せ~のの合図で、くす玉のひもをひっぱって下さい。
ま、まだですよ。
いいですか、せ~の」
”祝!ご卒業 TO the next Stage”
「ご卒業おめでとうございま~す」
よ、よかった。 去年はくす玉取れちゃったから。
とれて、三年生の頭で割れたんだよ。
大爆笑だったからよかったけど。
今年はなにごともなかった。
「それでは、三年生の退場です。
一年、二年生の皆さん、ご起立して拍手お願いします」
”ぱちぱち”
「美佳先輩、さぁ、先導よろしくです。
急いでくださいね」
「あ、は、はい」
・
・
・
「ご苦労様でした。
書記ちゃん、ばっちりだったよ。
それでは、後片付けちゃちゃとやっちゃいましょう。
あっ、先輩、どこいくんですか?」
「えっ、いや、俺は関係ないだろう?」
「え~、はぶられてる先輩に居場所を提供してあげてたんですけど。
それとも、昨日みたいに手を握ってあげなかったからですか?」
「ば、ばか、おまえ・・・
はい、よろこんで片付けさせていただきます」
はは、比企谷君さっさと帰ればよかったのに。
ん? 昨日手を握ってたって。
この男は、ほんとにすけこましじゃないの?
くっそ~、なんでこんな男にわたし・・・・
まぁ、いいわ。
えっと、まずこの看板だね。
え~と、男子、男子っと。
あれ~、稲村どこいった。
スライドの仕返しにこき使ってやろうと思ったのに。
「三ヶ木先輩、持ちますよ」
「あ、書記ちゃん。
でも重たいよ、大丈夫?」
「わたしこう見えても力持ちなんですよ、せ~の」
「うんしょっと」
・
ふぇ~、重たかった。
「大丈夫、書記ちゃん?」
「はい。
あっそうだ、三ヶ木先輩。
明日の卒業式終わったら、生徒会室で軽く打ち上げしませんか?」
「打ち上げ?」
「はい。
明日は卒業式だけだから、女子で簡単になにか作ってもってきません?」
「う、うん、いいよ」
「やったぁ、それじゃいろはちゃんにも言っておきますね。
えっと、わたし的にはサンドウィッチが食べたいなぁ。
三ヶ木先輩、お願いします」
「へ? あ、う、うん」
「さぁ、まだお仕事残ってますよ」
「ふぁ~い」
ーーーーーーーー
「よ、鹿ムスちゃん、おはよ~」
ぐ、朝からこればっかしだよ。
まったく稲村の野郎、昨日はまんまと逃げやがって。
今日こそは、後でとっちめてやるからな。
絶対、コーヒー奢らせてやる。
「三ヶ木先輩?
顔チョ~怖いんですけど」
「はっ、ご、ごめんなさい」
「ほれ、また三年生来ましたよ。
お仕事お仕事」
「うん」
「ご卒業、おめでとうございます。
リボン徽章付けさせてもらいますね」
”スタスタスタ”
「美佳、おはよ。
前生徒会のみんな来たよ」
「三ヶ木先輩、そっちの団体さんお願いしますね。
他の卒業生の皆さん、こちらにお願いします」
書記ちゃん、ありがとう。
「よ、三ヶ木」
「副会長、おめでとうございます。
あ、あの時のハンカチ、ちゃんと洗ってお返ししますね」
「いいよ、三ヶ木が持っててくれるか?」
「うん」
「まったく、美佳はね・・・って、もう怒れないね」
「三増先輩さみしいです。
三増先輩のおしかりのあとの笑顔が好きでした」
「馬鹿だね、ありがと」
「うん」
「三ヶ木、いいか、お前、使った費用は必ず申請しろよ。
前みたいに自腹はすんなよ。
今の会計にもよく言っておいたから」
「えっ稲村君に。
あ、ありがとうございます。」
「うん。
あ、だけどなんかマッ缶は絶対ダメですって言ってたぞ。
お前、あんな甘いもの飲んでるのか?」
「いえ、あの、それは・・・」
「三ヶ木ちゃん、チョコも大好きなんだろう?
チョコとマッ缶二つはやめときな。
昨日のあの太もも見たら・・・」
「げぇ、庶務先輩、見てらっしゃたの」
「目の前で、ばっちり」
「き、今日から控えます」
「はいはい、そんなにいじめない。
そんじゃみんな行こうか。
会長、あとどうぞ」
「うん、ありがとう副会長」
「めぐねぇ、ご卒業おめでとうございます」
「うん、ありがとう。
美佳・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・うん、わかった」
「よし」
「えっ、いまので分かるの?
三ヶ木先輩と城廻先輩、
な、なにを話していたんですか?」
「えへへ、書記ちゃん内緒だよ、ね、めぐねぇ」
「内緒だね。
あっ、美佳、これ渡しとくよ」
「うん? えっ、このホィッスルいいんですか?」
「あのね、どこかの飛行機乗りさんが言ってたんだけど、
大切なものは目には見えないって。
このホイッスルは、私たち前生徒会の大切な絆。
このホイッスルには、目に見えないものがたくさん詰まってる。
これ、美佳に預けるね」
「めぐねぇ。
うん、預かります」
「じゃあ、いくね」
「うん、めぐねぇ答辞がんばってね」
「おう、任せなさ~い」
”スタスタスタ”
「ご苦労様です。
今のは城廻先輩ですね。
うぇ!
な、なんですか美佳先輩、その顔」
「へぇ?」
「まるでピエロですよ、ほら鏡を見てください」
「え、えー!」
「ほら、しばらく代わりますから、さっさと直してきてください」
「は、はい」
「まったく、美佳先輩ってホント泣き虫だから困っちゃうね」
「でも、いろはちゃんもすごく嬉しそうだよ」
・
・
・
「・・・最後に、ここ総武高校はみなさんの母校です。
いつでも、気軽にお顔を見せてくださいね。
それに今年の文化祭は、去年以上のものになるよう頑張るつもりです。
ぜひ、観に来てくださいね、えへ♡
在校生代表、一色いろは」
・
・
・
「・・・
最後に、先ほど一色会長からご招待頂きましたので、
文化祭、楽しみにしています。
その時には、先生方、在校生の皆様に成長した姿を見せられるように
頑張ります。
では、その時を楽しみに。
だから、さよならとはいいません。
また会いましょう。
卒業生代表、城廻めぐり」
「ううう」
「ちょ、ちょっと三ヶ木さん大丈夫?」
「うん、ごめんなさい」
だ、駄目だ。
めぐねぇの答辞聞いてたら、
な、涙が・・・・止まんない。
もう体中の水分なくなっちゃうよ~
「卒業生、退場」
「めぐねぇ、おめでとう」
・
・
・
ふぇ~、もう運ぶものないよね。
片付けしてたらめっちゃ遅くなったよ。
みんな、もう帰っちゃったかな。
”キョロキョロ”
あ、みんな校門の前にいた。
校門でたら、それぞれの道に分かれて行っちゃうんだね。
またいつか会おうね。
・・・よし、わたしこれからもっともっと頑張るよ。
みんな、めぐねぇ、行ってらっしゃい。
「美佳先輩、見送り行かなくていいんですか?
まだ間に合いますよ」
「うううん、いいの。
みんなとはまた会える気がするから・・・絶対」
「そうですか。
それじゃ、先に生徒会室行ってますね」
「うん」
さて、いまから改めてわたしのスタートだよ。
生徒会頑張ろう。
めぐねぇ、わたし頑張って、このホイッスルに新しい音色いっぱい
加えていくね。
せ~の
”ピ~♬”
ふぅ、さて打ち上げ行こう。
”ばさ”
「呼んだか、三ヶ木」
えっ?
「何の用、美佳」
「どうした、三ヶ木」
「三ヶ木ちゃん、なんかあった?」
え、え~、なに、ど、どして?
みんな、さっき校門でて別れてそれぞれの・・・え゛ー!
「美佳、呼んだ?」
うえ、めぐねぇまで。
「な、なんでもないです。
ちょ、ちょっとこのホィッスル、吹いてみたかったかな~って。
・・・・・ご、ご、ごめんなさい」
ありがとうございました。
なんとか卒業式まで書ききることできました。
オリヒロの大事なものを探す旅、一つ見つけることができました。
そして、いよいよ二つ目・・・・
※、すみません。
また八幡編書けませんでした。
いましばらくお時間を。