似て非なるもの   作:裏方さん

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ありがとうございます。

こうして読んでくれる人がいると、原作の力、やっぱりすごいと

改めて実感します。

今回は彼と彼の戦友と彼女(オリヒロ)との話です。

これからもっと彼女の物語を広げられたらと思います。

原作の力に頼らず、少しでも内容で読んでいただけるよう

頑張りたいと思います。




彼・・・・・・達(?)

「もははは。 我が戦友であり、宿命のライバル、比企谷八幡!

 どうやら、貴様とのこの長き死闘に終止符をうつ時が来たようだな!」

 

えっ、なに、材木座、まさかここで裏切るつもりか。

まずい、恐らく、俺たちが最後尾のはず。

こいつを引き留めなければ、悲惨なことになる。

あの忌まわしき黒歴史が俺の中で蘇る。

 

あれは、中学初めてのマラソン大会。

少しばかり足に自信のあった俺は、

あの娘の前でいい恰好を見せるべく、先頭のほうでスタートの合図を待っていた。

だが、そう、スタートの合図とともに、全女子が見守る中、そうあの娘も見守る中、

前の生徒のコケるのに巻き込まれて、派手にこけたのだ。

足ひっかけられたわけじゃないからね! 前の生徒がこけただけだから。

そう、お前、お前だ、サッカー部のさわやか少年”永山”。

俺の絶対に許さないリスト、No.4

おかげで俺は足を捻ってしまい、結果、最後尾。

つまりビリで走っていたのである。

 

傷つき、足を引きずりながらも必死でゴールを目指す姿。

なに、もしかして、俺、悲劇の主人公じゃない? 

巻き込まれたとこ、みんな見てたし。

もしかしたら、この姿にあの娘も惚れたりして。 ぐふふふ。

そんな純朴少年(?)のあま~い気持ちは、ゴール地点である校庭に

着いた途端、はかなく飛散したのだ。

 

『え~なにぃ、まだ走ってる人いたの。 さっさとゴールしてよ』

 

『後始末できないんですけど。 体育委員なめてない?』

 

『足、怪我してるんなら棄権すればいいのにー』

 

あれ? おかしい、おかしいな。

少し前(後ろから二人目)を走ってたサッカー部の”永山”。

 

そう、この悲劇を引き起こした張本人。

あいつ、確かみんな(主に女子)から”頑張って”って

励まされてたような気が?

 

その瞬間、純朴少年は社会の不公平に涙し、立派なぼっちマスターに

なるべく道を歩み始めたのであった。

 

もう絶対に先頭に並ばないから! それと人込みは嫌いだ。

と、そんなことを言ってる場合ではない。

このまま一人で走って、残っている生徒の注目をあびるのは、

何としても避けたい。

ぼっち道には反するのではない。

ぼっち道とは目立つことを避けることからである。

なっ、なんとかこの生贄、いや材木座を引き止めなくては。

 

「そ、そうだ 材木座、そろそろ新作できたんじゃないか?

 いやぁ~ 読むの楽しみにしてたんだよな~、読みたいな。

 このまま走りながらでも読みたいレベル」

 

「ぬほほん。 八幡、いやわが信者よ。

 それほど我の教本を待ち侘びていたか。

 うむ、そうなのだ。  教本はもうじき完成するぞ。

 それまで首をながくしてまっておれ。 

 もははは! では、さらばだ、八幡。

 この勝負、我の勝ちだ!」

 

「まて! 材木座、じっ、実は素晴らしいアイディアが~」        

 

くそ~いっちまいやがった。

まずいまずい、さっきみた中学の時の光景が蘇ってきた。

このまま棄権するか。

今更だけど膝痛いし。

 

『比企谷、必ずゴールしろよ。 私がゴールで待ってるからな。

 今年は私がマラソン大会の担当なんだ。

 こういう係は若手にお鉢が回ってくるんでな。

 若手に! わ・か・て・に!

 もし、ゴールに来なければ抹殺の・・・  』

 

はぁ~ ゴールさせていただきます。 なんか体育の点数がなんとかって

いってたし、仕方ねーな、いくか。

 

     ・

     ・

     ・

 

この角を曲がるとゴールとなる海浜公園だ。 ここは百八の特技の一つ、

ステルスヒッキーを発動してって、無理だな。

さっさとゴールしてマッ缶で魂の補充を、

 

ん、誰もいねぇ、なんでだ。

いや一人、ゴールに結構かわいめの女子が、じょ・・・  じょし?

あっ あのジャージ姿、平塚先生か?

新鮮というかなんかかわいい。

まぁ、この場合、白衣はないもんな。

まじでもう十年早く生まれて、そして出会えてたら、俺は・・・

 

「うむ、比企谷、ご苦労! 膝は大丈夫か?」

 

「大丈夫っす。 それより、先生、ジャージ姿、割と似合いますね。

 そこらのアイドル顔負けですよ!」

 

「ば 馬鹿者、それよりさっさと救護テント行って来い。

 救護班には連絡済みだから待ってるはずだ。

 それと体育の厚木先生にはちゃんと

 ゴールしたこと伝えとおくからな。

 ご苦労」

 

「どうもっす」

 

「・・・これから、ジャージにしょうかな。

 見合いの時も、もしかしたら・・・」

 

いや、先生、見合いの時はよしましょう。

せめて学校の内だけで。

救護テントか。 そういや、中学の時はカットバンもらっただけだったな。

足捻ったんだけど。

 

「優勝者の葉山隼人さん、壇上に・・・ 」

 

はぁ、なにやってんだ あいつ。

って、生徒全員ここにいたのか。

 

「・・・、優美子といろは、ありがとう」

 

って、おい葉山、

 

『そのことについてなら心配ない。・・・』

 

お前の答えはそれか。

三浦はいいとして、一色は振ったばかりだろ。

結局、三浦と一色を女よけに使ってるだけじゃないか。

 

「葉山、やっぱり俺はお前が嫌いだ」

 

それにしても、一色、そんなに照れて。

まぁ、あいつ葉山狙いだからな。

 

”ズキッ” えっ何、いってぇなぁ、膝が。

膝だよね。 うん膝。

なんなら全身膝!

 

「すみませ~ん、カットバンありますか?   

 ・・・て、だれもいね~や。 

 やっぱり保険委員、葉山のところいってんのか。 

 ちっ、お前ら仕事しろ!」

 

はぁ、学校もどるか。

 

「どこ行くの? それに、し、仕事してるわよ」

 

おぅ、びっくりした、どこにいたんだ。

ってお前、よだれ。

完全に寝てただろ。

 

「なに、その疑いで満ちた腐った眼は!

 ずっとここにいたんですけど!

 はぁ、まぁいいわ。

 比企谷君、さぁ、そこに座って」

 

「いや、カットバンもらえるか?

 えっ何、おれの名前知ってるの?」

 

「当たり前でしょ、初対面でもないでしょうに。

 さぁ、早くそこ座って」

 

「いや、たいしたことないから、カットバンもらえればそれで」

 

「私ね、平塚先生から連絡もらってね、ずっとこの寒~いテントの中で

 ひとりで待機していたんですけど(嘘だけど。 雪ノ下さんごめん)。

 なに、カットバンだけくれ? ふ~んカットバンの箱だけ置いて

 さっさと帰ってればよかったなぁ~」

 

うぇ~、なんかしらんけど”ぎろり”と思いっきり睨まれてる。

えっ、今、眼鏡の奥、光った。

氷の女王まではいかないがコェって。

 

「いや、あの、すまん、お願いします」

 

「よろしい。 そこに座って~♬」

  

破れたほうのジャージを膝まで引き上げられると、

ふぇ~結構派手にこけてたのね。 八幡ショック!

いやそんなことより、

 

「あの、どこかでお会いしましたでしょうか?

 同じ学年のようだけど」

 

”ピキッ” えっ何、なんか割れた?

 

「うぇ~ 染みるー

 もう少しやさしくっ・・・ はっ、いぇ、何でもないです」

 

こえ~ 何、また睨まれてる。

 

「まったく、やっぱり私って覚えられてないのねー。

 影薄いっていわれるもん。

 でもさー、文化祭以来、何回も会ってるのに。

 くっそー 腹立ってきた、もう一回」

 

こいつ、今なんかぶつぶつ言ってた?

いてっ~ 染みる、染みるって。 

 

「すっ、すまん。なんか知らんけど、俺が悪かった。 

 だからもう少しやさしくお願いします」

 

「あっ、ごめんなさい、消毒しすぎて骨が見えてきた」

 

「うっ、うそ・・・・」

 

「冗談よ、改心すればよろしい。

 どれどれ優しくしてあげよう。

 ほれほれっと。 

 でも、比企谷君、あなたM男ね」

  

「いや、ち、違うから。

 極めてノーマル、ノーマルすぎて認識されないレベル。

 へぇ~ だけど、なんか本当は手際いいんだな」

  

「二年も続けてね、救護班担当やってればなれるわよ。

 去年はなぜか三年生の怪我が多かったのよね。

 ほんとはね、保険委員の子がいるはずなんだけどね」

 

「何、お前二年続けてやってんの。

 そんなに人の傷口に消毒液塗り付けるの好きなのか?

 やっぱりSだな。 お前、S子だろ」 

 

 ”ピキッピキッ” 

 

 え、何、またなんか割れた?

 

「ぐぇ~ いてぇ~ 染みる。 本当、染みるから!」

 

「まったく、好きでやってんじゃないわよ。

 私の上司(ボス)にね、

 

 『ほぇ~三ヶ木先輩、去年も救護班担当だったんですか~ 

  それじゃ、ベテランさんですね。 

  今年もよろしくです! えへっ♡ 』

 

 って押し付けられたの」

 

なに、それ。 どこかで聞いたことがあるような。 あっ

 

「お前の上司って、一色か?」

 

「わかった? 似てたでしょ」

 

「いや、ちぃ~とも似てなかったけど、”えへっ♡”でわかった」

 

なに、こいつ、生徒会? いやクリスマスの時はいなかったはずだ。 

たしか女子はあと書記ちゃんだけだったが?

 

「ところで、奉仕部の依頼はうまくいきそう」

 

「何で知ってるだ?

 まぁ、なんとかなったと思う。自信はないけど。

 そろそろいくわ。

 なんかいろいろとすまなかったな、それと、手当ありがとう」

 

「えっ、何、聞こえないけど」

 

「いや、なんだ、手当ありがとう」

 

「あれ~おかしいな。

 なんも聞こえない、もう一回」

 

いや、お前、絶対聞こえてるだろ。

 

「S子」

 

「なによ、M男」

 

「やっぱ、聞こえてるじゃねか、もう行くわ」

 

「あぁ、面白かった。

 じゃあ、義輝君、ちゃんと送ってってね」

 

”義輝?” いや、なんで材木座、お前そこにいるの。

隠れてるつもりだろうけど腹がはみでてるぞ、腹が。

いきなり、名前呼ばれてきょどってるけど、キモイ。

 

「けふん、けふん。

 よかろう、古来より勝者は敗者をいたわってやるもの。

 さあ八幡、我の腕につかまれ」

 

「いらん」

 

「へぇ、八幡。 いや遠慮せず、さぁさぁ。

 は、八幡、怒ってる?

 おぬしが読みたがってた、我の新作を一番に読ませてやろう。

 いや、読んでください・・・  お~い、はちま~ん」

 

「いや、いい 自分で行く。

 お前の力は借りん!」

 

「あっそうだ。

 比企谷君、学校戻ったら保健室によってもらえない? 

 先生にこっちはもう引き上げるって伝えてもらいたいの? 

 先生とは入れ違いになるかもしれないけど、その時は保健室にいる人

 でいいから伝えてくれない?

 わたし、これから、ステージとか音響とかの片付けあるから」

 

「おう、わかった。 保健室によって伝えておく」

 

「はぁ、わたしもお節介だね。

 まあ、雪ノ下さんには名前覚えててもらったからね。

 さぁ片付け片付け。

 本当、あのジャリ、いらない仕事を引き受けて。

 生徒会が個人的な依頼で活動すんじゃないって。

 ちょっとしめといたろか!」

 

なに、なに怒りながら歩いてんだあいつ。

途中で性格変わってない?

しかし全く思い出せん、誰だっけ?

 

「はちま~ん。 我の腕に、さぁ我の腕につかまって~」

 

「いらん!」




最後まで、ありがとうございます。

材木座って、やっぱり八幡の親友ですよね。

八幡のことを一番理解しているのかと思います。

次回はオリヒロ(彼女)の本領発揮させたいと思います。

読んでもらえるよう、知恵を絞りつくしますので、よろしく

お願いします。





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