似て非なるもの   作:裏方さん

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す、すみません。

投稿、遅れてしまいました。

前回、八幡と念願のデートにこぎつけたオリヒロですが・・・

オリヒロの決断は。

よ、よろしくお願いします。




特別な関係

「あの、会長、三ヶ木です。

 お疲れ様です」

 

「もう、美佳先輩、遅いです。

 どこに行ってたんですか?

 ちゃんと電話には出てください。

 ・・・あの、あのですね、お誕生日おめでとうございます」

 

「あ、ありがとう」

 

ん、声の感じからは怒りは感じられないね。

ち、違うのかな。

 

「え~と、なにか御用でしたか」

 

「美佳先輩、明日の放課後は暇ですか?」

 

「いや、あの、明日はちょっと野暮用が 」

 

「暇ですよね、暇」

 

「は、はい、・・・ごめんなさい、暇です」

 

「それじゃ、明日、放課後、生徒会室集合よろしくです。

 たまには、書記ちゃんと三人で女子会ってことで」

 

「は、はい、わかりました」

 

「それじゃ、また明日です」

 

「は、はい」

 

書記ちゃんもって言ったもんね。

よかった。バレてなかったんだ。

まあ、地方番組だったからね、みんなが観ているわけじゃないよ。

ふぅ、よかった。

いや、まてよ、ジャリっ娘のことだ。

油断させといてってこともある。

一応、書記ちゃんになんか聞いてみようかな。

 

「お~い美佳、ご飯にしないか?」

 

「あ、は~い。

 いまご飯作るね。

 ちょっとまってて」

 

”どたどた”

 

「ごめんなさい。

 急いでつくるねって?

 ど、どしたの、このお寿司」

 

「美佳、お誕生日おめでとう。

 ほれ、ケーキもあるぞ」

 

「とうちゃん、ありがとう。 

 奮発したね」

 

「おう、ほれ、ケーキにロウソク立てな」

 

「うん。

 へへ、1本、2本、3本・・・・

 17本、ん? とうちゃん、ケーキが見えくなっちゃった」

 

「ん? そうか、ちょっと小さかったかな」

 

「まぁ、二人だけだからね。

 余ったらもったいないもん」

 

「お、おう、じゃあ、火つけるぞ」

 

「うん。

 ・・・とうちゃん、ケーキが燃えてるね」

 

「おう、電気消すからな。

 蝋が垂れるから一気に吹けよ」

 

”ぱち”

 

「とうちゃん、消したら歌。

 定番の奴ね」

 

「やっぱ歌うのか、しかたね~な。

 えっと、ハッピーバースデートゥーユー♬、

 ハッピーバースデートゥーユー♬

 ハッピーバースデー 〇△□× 美佳♬

 ハッピーバースデートゥーユー♬」

 

「あ~、ごまかした。

 もう一回」

 

「何だったけ?」

 

「とうちゃん、仕方ないねよく聞いといて。

 自分で自分のこと歌うの、めっちゃ恥ずかしいんだからね。

 せ~の、ハッピーバースデートゥーユー♬、

 ハッピーバースデートゥーユー♬

 ハッピーバースデー 〇△□× 」

 

「お前も知らないんじゃないか」

 

「ん~とにかく、

 ハッピーバースデートゥーミー♬」

 

”ふぅ~”

 

「おう、おめでとう、美佳。

 じゃあ、電気つけるぞ」

 

”ぱち”

 

「と、とうちゃん!

 ・・・ケーキ蝋だらけだ」

 

「お前が、しつこいからだぞ。

 ほら、蝋取れ」

 

「うん。

 えへへへ」

 

「わははは。

 しかたね~な」

 

「うん。 

 んじゃ、頂きま~す」

 

「おう、くえ」

 

”ぱく”

 

「げ~、とうちゃん、この寿司ワサビはいってる~」

 

「ははは、もう17なんだから、大人の味になれろ。

 そのため仕方なくだからな」

 

「うそだね、ワサビ抜きっていうの忘れたろ」

 

「・・・・・・・わかる?」

 

「もう。

 よし、く、くうぞ、大人の味

 ・・・・・くぅ~、大人ってつらいね」

 

うへぇ~辛え、涙目だよ。

わたしもまだまだ子供だね。

 

”ピンポ~ン”

 

ん、お客さん、だれだろうこんな時間に?

 

「は~い、今行きま~す」

 

うんと、

 

”がちゃ”

 

「はい、どなたさまで、

 あ、めぐねぇ、ど、どうしたの」

 

「美佳、お誕生日おめでとさん」

 

「うん、ありがとう」

 

「美佳も17だね。 

 ほれ、お誕生日のプレゼント」

 

「ほんと? ありがとう。

 えへへへ、めっちゃうれしい。

 めぐねぇに会えただけで十分なのに」

 

「ほれほれ、あけてみ」

 

「うん、でもよかったら上がって」

 

「いま東京からの帰りなんだ。

 お父さん、外で待ってるからごめんね」

 

「う~残念。

 泊まってってほしかったのに」 

 

「あはは、美佳こそ泊りにおいで」

 

「え、いいの」

 

「あったりまえでしょ。

 さ、おいで」

 

「うん、あ、やっぱ今日はいいや。

 とうちゃん、泣いちゃうから。

 春休み、いってもいい?」

 

「いいよ。

 一応、3月末まではこっちにいるからね」

 

「うううう・・・、やっぱ行っちゃうの」

 

「まったく、東京にも来ていいから」

 

「うん、やったぁ。

 絶対行く」

 

「ほれほれ、そんなことよりあけて東京土産だよ」

 

「うん、あっ、エトボンのメイクセット。

 こ、これ、ちょー高かったんじゃない?

 わたし、高くて通販で買えなかったんだ」

 

「ふふふ、かわいい妹のためだ、奮発したんだよ」

 

「めぐねぇ」

 

「美佳、あんた化粧品って、口紅以外は試供品ばかりでしょ。

 これからは、少しは気を使いなさい」

 

「う、うん。

 えへへ、どうしよう、めっちゃうれしい」

 

「うん、じゃあね、お父さん待ってるからそろそろ行くね」

 

「うん。

 ほんと、ほんとにありがとう」

 

「おう、じゃあね」

 

「うん、おやすみなさい」

 

”がちゃ”

 

「あ、それと、美佳。

 さっきも言ったけど、もう17なんだからね、

 少しは大人の女を意識しなさい。

 デートにクマさんのパーカーはやめときな」

 

「へぇ?」

 

「それと、比企谷君によろしくね」

 

「うっそ、見てた?」

 

「うん、車の中からばっちり。

 じゃあね」

 

「いや、ち、ちがうの、まって、まってめぐねぇ~」

 

「照れない、照れない」

 

ど、どないしょう・・・・・

まずいまずい、めぐねぇに見られてた。

も、もしかして”ちゅ”も。

ど、どないしょう・・・・・

 

     ・

     ・

     ・

 

”ちゃっぽん”

 

「ふあぁ~」

 

温まるね。 やっぱお風呂最高。

参ったね、めぐねぇに見られてたとは。

・・・比企谷君か~

確か、最初に意識したのは、文化祭だったなぁ。

比企谷君、すんごく真面目で。

ぶつぶつ文句いいながらさ、結局、一日も欠かさず、

実行委員に来てくれたの。

それに終わった後も、最後まで会場の後片付け手伝ってくれてさ。

うれしかったな。

体育館、最後は、あなたとわたしの二人だけだったんだよ。

だから、わたし、わたし的にとびっきり笑顔で、

 

『ありがとう。 遅くまでごめんね』

 

って言ったのに、なにさ、

 

『おう』

 

って、そっけなくてさ、さっさと行っちゃうんだもん。

文化祭の後、嫌な噂聞いたけどさ。

わたしめぐねぇから聞いたよ。

ごめんね、ほんとはわたし達がしっかりサポートしなけりゃいけなかったのに。

だからさ、だから、マラソン大会で怪我したあなたを待ってる時、

いろいろお話しできるかなぁって、すんごくうれしくてさ。

へへ、保健委員の子、追い出して・・・・・

いや、ち、違うもん。

あれは、あの子たちが葉山君のとこ行きたがってたからだよ。

だから、

 

『いいよ。 後は任せて行ってきな』

 

っていっただけだもん。

はぁ、それなのに、あんた、完全、完璧にわたしのこと、

憶えていなかったでしょ?

いや、確かに髪切って眼鏡もしたけど、

二人で、一緒に椅子とか運んだ仲じゃん。

くそ、だから、あの消毒は罰だからね、罰。

わたしのこと、二度と忘れないように。

でもね、フリペの時、思い知らされたんだ。

あなたには、あなたの隣には、もういたんだね。

わたし、あの部屋、入れなかった。

はじめて、マッ缶買ったのに。

わたしは、あの扉が開けられなかった。

あの時から、わかってたんだ。

だから、頑張ってあきらめよって。

折角、折角、決心したのに。

結衣ちゃんが悪いんだからね。

なによ、勝手すぎるよ、返事は一年後って。

それまで、わたしにどうしろっていうの。

こんなわたしだって、すこし期待したくなるじゃん。

もしかしたらって。

だって、わたしは、わたしは、やっぱりあいつが・・・・・・好き。

・・・結衣ちゃん、つらいんだ。

わたしね、あんまり賢くないから、つらくてあたまおかしくなりそう。

だって、結衣ちゃん、あなたは大事な友達。

それに約束したんだもん、応援するって。

どうすればいい? 

明日、話したら、教えてくれる?

 

「お~い美佳、生きてるか~」

 

「あ、ごめん、とうちゃんいまあがる」

 

”ばしゃ”

 

     ・

     ・

     ・

 

”ゴクゴクゴク”

 

「ぷふぁ~、やっぱ風呂上がりの牛乳はチョ~うま」

 

ふふふ、ちょっと成長したかな。

ほら、気持ち的、大きくなったような。

へへん、会長、絶対わたしの勝ちだからね。

よ、よし、今日は牛乳、もう一本。

 

”ブ~、ブ~”

 

ん、はっ、比企谷君からメールだ。

どれどれ

 

”カシャカシャ”

 

『すまん、言うの忘れてたわ。

 誕生日、おめでとさん』

 

えへへ、ありがと。

 

『あと、お前、なんてことしてくれんだ。

 おかげで、小町にさんざん問い詰められたじゃね~か。

 この、ビッチめ』

 

げ、ひど!

ビ、ビッチだとー

な、なんてことを。

あの野郎、人のことビッチって。

・・・比企谷君、わたしのことどう思ってるのかな。

この前はただの知り合いって。

今日だって、プリキラ―じゃなかったらわたしとなんか・・・

知りたいな。

よ、よし、まだそんなに遅くないよね。

とうちゃんも風呂入ってるし。

 

”カシャカシャ”

 

「もしもし、比企谷君」

 

「お、おう、なんだ真夜中に。

 お前、もう少し常識があると思ったんだが」

 

「な、こんな真夜中に人のことビッチ呼ばわりするよりましだし」

 

「いや、ビッチをビッチといって何が悪い」

 

「な、なんでビッチなのよ。

 あんなの欧米じゃ普通でしょ。

 あ、挨拶よ、あ・い・さ・つ」

 

「ばっか、あれは頬を付けているだけでキスはしていね~ぞ。

 口で”ちゅ”って言ってるだけだ」

 

「うっそ・・・・・知らんかった」

 

「お前、みんなにあんなのしてたんじゃねえだろうな。

 やっぱ、ビッチだ」

 

「ひど!

 ・・・忘れなさい。 

 今日のことは忘れなさい、今すぐ忘れなさい。

 分かった?

 じゃないと、警察に訴えるから」

 

「いや、あれは、お前が・・・・」

 

「今日のこと、結衣ちゃんに行っちゃおうかな」

 

「わ、わかりましゅた。

 な、なにも憶えてない」

 

「よろしい。

 それに、わたしビッチじゃないからね。

 ・・・・・初めてだからね、あんなことしたの」

 

ばか、これでも一生懸命だったんだよ。

必死だったんだよ。

だ、だって今日は特別な日、誕生日だったんだもん。

 

「ま、まぁ、なんだ。

 この場合、なんていうんだ。

 あ、ありがとうなのか?」

 

「ぷぷぷ、ありがとうだって」

 

「くそ~、も、もう切るからな」

 

「あ、ちょ、ちょっとまって。

 あ、あのさ、一つだけ聞いていい?」

 

「一つだけだからな」

 

「けち。

 あ、あのさ、もし、もしだよ。

 わたしがね、比企谷君の前から突然消えたらどう思う・・・かな」

 

「はぁ? お前、転校するのか?」

 

「いや、違うんだけど。

 ほ、ほら、めぐ・・・城廻先輩、東京行っちゃうんだなって思ったら」

 

「・・・どこにも行かないでほしい」

 

えっ、な、なんて言ったの?

わたしの聞き違い?

 

「なに?」

 

「いや、お前にはどこにも行ってほしくない。

 俺もそばにいてほしい」

 

な、比企谷君、ほんと?

わたしにそばにいてって・・・

うそ!

はは、うそだよね。

ははぁ~、またわたしのことからかってるんだ。

 

「本気で言ってんの」

 

「ああ、本気だ。

 チョ~本気だ。

 お前どこにも行くな」

 

し、信じていいの。

いま、どこにも行くなって。

な、なに身体が熱い、めっちゃ熱い。

ど、どうしょ、え~。

 

「ほんとにわたしでいいの? 結衣ちゃんとか雪ノ下さんとかじゃなくて」

 

「お前じゃないとダメなんだ」

 

わたしじゃないとって、それって

あ、ありがとう。

 

「ひ、比企谷君、あ、あの、わ、わたしも 」

 

「だから、絶対、夏休みまではどこにも行かないでくれ」

 

「うん。・・・・・・・・え?」

 

なんか、こいつ、いま変なこと言わなかった?

聞き違いかなぁ?

なんだろう、なんか意味不明なこと言ったような。

 

「あ、あの~、もう一回言ってくれるかなぁ?」

 

「はぁ?

 だから、夏休みまではどこにもいかないでくれ」

 

「夏休み・・・まで?」

 

「おう、そうだ。

 ほら、今日予告編でやってたろ。

 夏休み劇場公開決定って。

 しかも、また映画館限定のフィギュア発売するんだぞ。

 今回は臨海学校バージョンだ」

 

「あの、あのさ、なんでわたしじゃないとダメなの?

 結衣ちゃんでも雪ノ下さんでも、誘えばいいじゃん」

 

「よく考えてみろ。

 由比ヶ浜や雪ノ下にプリキラ―の映画行かないかって

 誘ったらどうなるか。

 あいつらの嘲笑に、俺は耐えられる自信がない」

 

「あはは、だからわたしなんだ。

 わたしなら平気なんだね。

 ・・・だから何だね」

 

「まぁ、なんだ、あいつらは、俺にとって特別なんだ。

 友達とは違う特別な。

 おまえは違う。

 なんかこ、もっとみじ 」

 

「もういい」

 

「え、」

 

「もういいよ」

 

これ以上、言わないで。

あなたにとって、あの二人は特別なんだね。

わたしはいくら頑張っても、あの二人のような存在にはなれない。

わかっってた。

 

「ん、いや、まて、お前なんか勘違いしてないか?」

 

「・・・わかった。 

 大丈夫だよ、わたし夏休みまではどこにも行かない」

 

「いや、ちょっと待てって」

 

「もう、とうちゃん、お風呂から上がるから切るね。

 今日は、ホントにありがとう。

 へへ、一生、忘れられない誕生日になったよ。

 あのさ・・・さようなら」

 

「お、おう」

 

”ぷー、ぷー”

 

ははは、笑っちゃうね。

わたし、なに考えてたんだろう。

でも、よかった。

比企谷君に必要だっていわれたんだよね。

夏休み、映画に付き合うまでは。

うん、よかったよかった。

よかった、比企谷君の気持ち聞けて。

ははは。

・・・・・・も、もうやだ、つかれたよ。

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

「お~い、美佳、遅れるぞ」

 

”ガバッ”

 

へ、うそ、もう朝、げ、六時半。

 

「と、とうちゃん、ごめん。

 いま、なんか作るから」

 

「いいぞ、ケーキの残り食った。

 お前も準備しろって、どうした、その顔」

 

「へぇ?」

 

えっと、鏡、鏡。

あ、あなたはだれ?

なに、この鏡にうつった顔、うへぇ、ひで~。

ま、瞼が腫れあがってる。

 

「美佳、なんかあったのか?」

 

「うううん、心配ないよ。 

 ちょっと漫画読みすぎて寝不足になっただけ」

 

「そ、そうか。

 じゃ、行ってくる」

 

「と、とうちゃん、ごめんね弁当は?」

 

「ん、なんか買って食べる」

 

「うん、気を付けてね」

 

「おう、ほれ」

 

「ん?」

 

「行ってらっしゃいのキス」

 

「とうちゃん」

 

”ベシ”

 

「ぐはぁ、いって~

 はは、眼覚めた。

 じゃあな」

 

「ばかもの。

 ・・・で、でもさ、あんまり無理しないでね、とうちゃん」

 

”ガチャ”

 

ふう、どうしょう、この顔?

なんとかごまかさなくては。

めぐねぇ、さっそく使わせてもらうね。

 

     ・

     ・

     ・

 

「それじゃ、この問題は明日の授業までにやってくるように」

 

ふぅ~、な、なんとか午前中もった。

えらい、よく寝なかった。

でも、授業の中身、ぜんぜん憶えてない。

げ、なにこのノート、なに書いてあるの?

 

”ブ~、ブ~”

 

あ、結衣ちゃんからだ。

 

「あ、美佳っち、いま教室?」

 

「うん、教室だよ。

 今そっち行くね」

 

「うん、待ってる」

 

     ・

     ・

     ・

 

い、いた。

あのお団子は結衣ちゃんだ。

 

「やっはろー、結衣ちゃん」

 

「へぇ? あ、やっはろー、美佳っち」

 

「お待たせ、じゃあ行こ」

 

「そ、そだね」

 

”スタスタスタ”

 

ん、これって屋上にむかってるの?

でも、鍵掛かってなかったっけ。

 

”ガチャン”

 

あ、ここのカギ壊れてるんだ。

へぇ~、次から利用しようかな。

 

「あのね、美佳っち・・・・・」

 

「うん」

 

「お、おたんこなす」

 

「・・・まぁ、そだね」

 

「あ、ち、ちがう、お誕生日おめでとう。

 これプレゼント」

 

「へっ、あ、ありがと、憶えててくれたんだ。

 で、でももらっていいの?」

 

「うん、一日遅れだけどごめんね」

 

「ありがと」

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

「・・・・・、あのね、美佳っち。

 言いたいことわかる?」

 

「ん、分かってる。

 あのね、結衣ちゃん、聞いてくれる?」

 

「美佳っち、話してくれるの?」

 

「結衣ちゃん、ごめんなさい。

 昨日、わたし、比企谷君とデートしちゃいました。

 でも、でもね、はっきりわかったんだ。

 わたしと比企谷君は、恋愛っていう関係じゃない。

 関係にもなれない。

 ほんとだよ。

 わたしと比企谷君は恋愛じゃなくて、親愛なんだと思う」

 

そうなんだよ、比企谷君にとって、特別なのはあなたと雪ノ下さん。

わたしは、いくら頑張ってもだめなんだよ。

だから、わたし、もういいの。

 

「親愛?」

 

「うん、彼にとって特別なのは、結衣ちゃんと雪ノ下さんだって

 はっきり言われちゃった。

 へへ、結衣ちゃん、うらやましい。」

 

「み、美佳っち、でも 」

 

「だからね、わたし、結衣ちゃん応援するね。

 頑張ってね、結衣ちゃん」

 

「美佳っち。ほんとにそれでいいの?

 平気なの?」

 

「・・・・平気じゃないよ、そんなの当たり前じゃん。 

 わたし、これでも頑張ってんだよ。

 頑張ってなっきゃ、わたし、わたし・・・」

 

”だき”

 

「美佳っち、ご、ごめん」

 

「なんで結衣ちゃんが謝るのさ。

 誰も悪くないもん。

 わたし、大丈夫だよ。

 それよりさ、結衣ちゃんって、なんかおかあちゃんみたい。

 温かくて、こうしているとなんか落ち着く」

 

「うん、いつまでもこうしていていいよ。

 美佳っちが落ち着くな  」

 

”ぐうぅ~”

 

「へぇ? み、美佳っち?」

 

「だ、だって、今日、朝ごはん食べてないんだもん」

 

「あはは、美佳っちらしい。

 それじゃ、部室で一緒にご飯食べよ。

 ゆきのん、美味しい紅茶淹れてくれるよ」

 

「うん、美味しい紅茶飲みたい」

 

「おう、いこ~」

 

「うん」

 

「・・・美佳っち、いつまでも友達でいてくれる?」

 

「え~、いやだ」

 

「え、うそ」

 

「でも・・・親友ならいいよ」

 

「あはは、了解。

 うん、ありがとう」

 

     ・

     ・

     ・

 

ひえ~、遅くなっちゃった。

だって、お腹いっぱいなったから、午後の授業寝ちゃったんだもん。

そんで平塚先生にチョー怒られた。

なんか、いびきうるさいって。

 

”スタスタスタ”

 

あれ、放課後に生徒会室っていったのに、なんか静かだな。

まだ、会長も書記ちゃんも来ていないのかな。

ん、でも鍵あいてそう。

 

”ガラガラ”

 

「美佳先輩、お誕生日おめでとうございます」

 

「三ヶ木先輩、おめでとうございます」

 

「三ヶ木さん、おめでとう」

 

「三ヶ木、以下同文略します」

 

「おい稲村、略すんな!」

 

「ははは、おめでとさん」

 

「うん、みんなありがと」

 

「じゃじゃじゃ~ん、昨日、書記ちゃんと一緒に作ったケーキですよ。

 どう、ほらどうです?

 はやく感想を述べてください」

 

「うわぁ、美味しそう。 

 なんか、ほんとお店で売ってるのみたい。

 会長、ほんとすご~い」

 

「実は、お店で買ってきました」

 

「げ、や、やっぱり」

 

「違います、うそですよ」

 

「三ヶ木先輩、昨日、いろはちゃんといろいろ相談しながら

 作ったんです。

 本当は、三ヶ木先輩の好みも聞きたかったんですけど」

 

「ご、ごめんね、電話気付かなくって。

 ほんとすご~い、写真撮ってもいい?」

 

「どうぞ、美佳先輩なら1枚500円でいいですよ」

 

「ひど、お金とるの!

 まぁ、でもそれぐらい価値があるよ。

 はい500円」

 

「いや、美佳先輩、冗談です。

 本当に払わないでください」

 

「えへへへ、じゃ写真撮るね」

 

”カシャ、カシャ”

 

「あ、そうだ、紅茶淹れるね。」

 

うんしょっと。

へへ、うれしいな。

こんなに祝ってもらえるなんて、生まれて初めてだよ。

えへへ。

 

     ・

     ・

     ・

 

「三ヶ木さん、これ、俺から」

 

「え、本牧君ありがとう。

 開けてもいい?」

 

げ、チロロチョコ詰め合わせ。

ま、まただ。

 

「おい、本牧、お前いつそんなもん準備してたんだ」

 

「いや、昨日、藤沢さんから聞いたから」

 

「きったなぁ~、俺だけじゃん。

 ちょっと待てよ、三ヶ木」

 

「いや、いいよ。 

 気持ちだけで十分だって」

 

”がさがさ”

 

「あった! ほれ、数学パズル。

 これ結構はまるぞ」

 

「いえ、数学はもう結構です。

 って、これ答え書いてあるじゃん。

 一度使ったやつでしょ」

 

「そ、それはサービスだ」

 

「まったく、でもありがとう。 

 でも、頂いて大丈夫?」

 

「おう大丈夫だ、もう全部といたから」

 

「さぁ、ケーキ食べましょ。

 美佳先輩、切り分けてもらえますか」

 

「うん。」

 

へへへ、

わたし、ほんと幸せだよ、みんなありがとう。

わたし、わたしにもあったんだね、特別な関係。

・・・わたし、頑張るね。

 

「あっ、そうだ。

 しばらく、生徒会、暇じゃないですか~

 春休み、みんなでどこか行きません?」

 

「いろはちゃん、それいい。

 どこ行こうか?」

 

「そうだ、スケートってどうですか?

 わたしやったことないんですよ」

 

「ぶはぁー」

 

「な、なんですか、美佳先輩。

 吹き出さないでください、もう」

 

「ご、ごめんなさい」

 

「どうだろう、東京ディスティニーランドというのは」

 

「う~ん、ディスティニーですか。

 わたし的にはあんまりいい思い出がないんですが。

 まぁ、とにかくどこかに行くってことで、よろしくです♡」




最後までありがとうございました。

今回、どうしようかなって悩んでるうちに、
とうとう水曜日に。
何通りかあったんですが、このルートにしました。
二年生もあとわずか。
クラス替えどうしよう・・・また眠れない。
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