似て非なるもの 作:裏方さん
投稿、遅くなりました。
(本当、週刊誌連載のマンガ家さんはすごい)
今回、オリヒロの誕生日ということでもないですが、
ちょっと長文になってしまいました。
ごめんなさい、飽きずに最後まで読んでいただけたら
ありがたいです。
それではよろしくお願いいたします。
「ごめんね、美佳ちゃん、少し重たいけどお願いね。」
「うん。 お母さん、ちゃんと渡してきます。」
「あ、それと美佳ちゃん、たまには家に遊びにおいで。
めぐりいなくなってから、旦那と二人だけだから寂しくてね。」
「はい、ありがとうございます。
今度絶対いきますね。
お母さんの作ってくれるオムライス、めっちゃ美味しいもん。」
「そう、じゃあ来るとき連絡してね、ご馳走してあげるから。
それはそうと、美佳ちゃん彼氏できたの?」
へ? 何でいきなり。
「いえ、彼氏なんていませんよ。」
「そう? なんか最近綺麗になったから。」
「え、そ、そうですか。 へへへ、ありがとうございます。」
「あ、社交辞令だから。」
げ、またしても、この人は。
「でも、彼氏いなかったかしら?」
「い、いませんよ。 この17年間ただの一人として。」
「そ、そうなの。 でも、たしか うちの旦那が・・・・・」
やば、めぐねぇに見られてたってことは、あれ見られてたかも。
「あ、そろそろ電車の時間なので行きますね。」
「あ、はいはい。 美佳ちゃん気を付けてね。」
「はい。 行って参りますです。」
”スタスタ”
は、危なかった、さっさとこの場を退散、退散っと。
「あ、そうだ、思い出した。
美佳ちゃん、路上でチューしたらだめだよ!」
げ、いや~、めぐねぇのお母さん、そんな大きな声で言わないで。
やっぱ、見られてたんだ。
そ、それにこんな人ごみの中でなんということを。
ひえ、ほら周りの人の視線つめたー
”ガタン、ガタン”
へへ、めぐねぇの大学か、楽しみだな。
あ、そうだ、連絡入れとかなきゃ。
え~と、
『めぐねぇ、今、総武線に乗ったよ。
東京駅に着いたら、また連絡します。』
っと、よし送信開始。
”ブ~,ブ~”
はや、返信はや! なになに。
『いま学校だよ。 あ、時間だ、ごめんまたあとでね。 』
え、大学ってGW中でも授業あるんだ。
やっぱ違うね。
それじゃあ、ちょっと荷物重いけど、頑張って学校まで行ってみよっと。
‐‐‐‐‐‐‐‐
うは、やっぱ高校とは違うね。
広いな~。
どうしょう、めぐねぇの教室なんてどこかわからないや。
それと、あんまり人いないね。
授業中だからかな。
しゃ~ない、授業おわるまで校門で待ってよっと。
きっとチャイムがなるとか、生徒さんが出てくるとかでわかるんじゃないかな。
そしたら、もう一回連絡してみようっと。
・
・
・
るんるん♬
早く授業、終わらないかなぁ~
「ねぇ、君、待ち合わせ?
さっきから見てるけど、なかなか彼氏こないね。」
「え、あ、彼氏待ってるんじゃないです。」
「あ、そう、じゃあ、ほらそこの喫茶店に入って待ってない?
あそこなら、窓側の席からここよく見えるよ。」
「え、いや、いいです。」
「まぁまぁ、遠慮しないで。
あの喫茶店の紅茶美味しいよ。 奢らせてよ。」
「いや、本当にいいです。
わたし、他人様に奢ってもらう気は全くありませんので。」
「ちぇ、なんだい。 じみ~なくせに気取ってんなよ! バ~カ。」
ひど、なんで知らない人から馬鹿呼ばわりされないといけないの。
・
・
・
「え、なんだよ、ノリ悪いの。」
「おい、こんなやつ、ほっといていこ~ぜ。」
・
・
・
「ね、ミステリー研究サークルなんだけど入んない?
良かったらお茶でもしながら話さない?」
「いえ、いいです。 わたし高校生なので。」
「気にしないよ。」
「気にします!」
何なの!
なんで見ず知らずのあんたらに奢ってもらわないといけないの。
ば、馬鹿にしないでよね。
でも、わたし、そんなに奢ってほしそうな顔してるのかなぁ。
誰にでも奢ってもらってるわけじゃないのに。
はぁ~、なんなん、大学生ってこんな人ばっかなのかなぁ。
なんか少し幻滅。
”ぐぅ~”
は、腹へった、なんか幻滅したら急に腹減った。
今何時? え、もうこんな時間か。
めぐねぇ遅いな。
”ブ~,ブ~”
あれ、めぐねぇから電話?
「お~い、美佳いまどこにいるの?」
「え、学校だよ、校門だと思うけど。
めぐねぇ、授業終わった?」
「授業? ああ、講義のこと?
私、いま自動車学校にいるんだよ。
待たせてごめんね。
今日の学科は終わったから、どこで待ち合わせしようか。」
「自動車学校? 大学じゃないの。
めぐねぇ、腹へった。 もう一歩も動けな~い。」
「わかったわかった。
今そっちに行くから、ついたら昼ご飯にしょう。」
「うん、ご馳走様です。」
「おい、苦学生なめんな、奢らないから。」
‐‐‐‐‐‐‐‐
「おばちゃん、私いつもの定食ね。」
「あいよ。 かわいい妹さんはなんにする?
今日、いい海老はいったから、天丼がお勧めだよ。
ちょっと高いけど。」
う~ん、どれにしょうかなぁ。
悩むな~
え、かわいい妹さん? えへへ、かわいい。
「おし、おばちゃん、天丼で。」
「あいよ。」
「美佳、あんたね・・・・」
・
・
・
「どう、美佳、結構美味しんだよこのお店。」
「うっま~、ほら海老でっかいし。」
「美佳、その海老、本当に美味しそうだね。
ひとつちょう~だい。」
「い、いやだよ。 あ!」
”ぱく”
「う~ん、おいしい♡」
「ひど、うううう・・・・・・」
「な、泣かないで。 もう、ほれ、カツ一切れあげるから。」
「う~、もう一切れ。」
「え~、しゃ~ない、ほら。」
「えへへ、よかろう。 勘弁してあげよう。」
「まったく、うふふふ。」
「えへへへ。」
・
「美味しかった。 やっぱ、ただ飯サイコー。」
「おい、奢らないから。」
「え~、すご~く待ったのに。 荷物重たかったなぁ~
それに、何人も男の人に声かけられて怖かったし。」
「わかった、わかった。奢ってあげるわよ。」
「へへ、ごっつあんです。」
「そんでさ、美佳、どこか行きたいとこある?」
「あ、わたし、めぐねぇの大学行きたい。 あとそれと浅草寺。」
「浅草寺? 何見たいの?」
「うん、あのでっかい提灯と、寅ちゃんのお団子食べたい。」
「美佳、食べることばっかだね。」
「だって、食べたいんだもん。」
「食いしん坊だね。 じゃあ、今日は大学行こうか。
でも、休みだけどいいの?」
「うん。 めぐねぇがどういうとこで頑張ってんのか見たいの。」
「おし、じゃあ行こうか。 エイ、エイ、オー。」
「え、それやんの? オー。」
‐‐‐‐‐‐‐‐
「美佳、今日は疲れたでしょう。
ベッド使っていいよ。」
「え、でもめぐねぇは?」
「クッションあるから大丈夫。」
「だめだよ、わたしもクッションで寝る。」
「じゃあ、一緒にベッドで寝ようか。」
「うん。」
・
・
・
「ね、大学、休みだからあまり面白くなかったでしょ?」
「うううん、楽しかった。
やっぱ、すごく広くて迷子なっちゃうね。」
「ははは、慣れれば大丈夫。」
「ね、ね、ねぐねぇ、そんでさ、大学ってどう?
なんかさ、授業もそうだけど、サ、サークルとかもあるんでしょ?
なんだっけ、あ、ミステリーサークルとか?」
「いや、ないから。 ミステリーサークルってそれイギリスだから。
そうだね、やっぱり高校とは違うね。」
「どんなとこ、どんなとこ、教えて。」
「うん、基本は自由だから、しっかり自分のことを管理しないとね。
流されないように、何のために大学に進学したのか。
自分のやりたいことや夢を実現するために、より専門的な勉強や資格を取っていかないと。」
「へぇ~ めぐねぇ、やっぱすごい。」
「え、やっと気付いたの。 遅~い。
だってね、本当はすっごく大学行きたいのに、あきらめなくちゃいけない娘もいるからね。
その娘も分も頑張るんだ。」
「めぐねぇ、大好き。」
”だき”
「ちょ、こら、美佳、変なとこさわらないの。」
「えへへへ。」
「もう。」
‐‐‐‐‐‐‐‐
”もぐもぐ”
「美佳、あんたそれ何本目?
さっきから食べてばっかじゃん。」
「まだ5本目だよ。 だって美味しんだもん。
わたしは育ちざかりなんだよ。」
「後悔しても知らないよ。
もっとしっかり自分を管理しなさい。」
「でも、・・・・・・甘いもん食べたいんだもん。」
なんかさ、なんか食べてないと、変なことばっか考えちゃいそうで。
マッ缶はやめたんだから、大丈夫だよね。
「まったく。」
・
・
・
「Excuse me.」
へ、な、なに? げ、外人さん
えくすきゅーずみ?
げ、ど、どうしょう、あ、そうだ、死んだふり。
わたし、死んでるから・・・・
「what”s」
「Could you tell me the way to Sensoji
temple?」
「I’ll take you there. Please follow me.
Let’s go together.」
「Oh,Thank you。」
め、めぐねぇが英語で話してる
すごい、伊達に英語の先生目指してないね。
でも、そうやって外人さんと話してるのみると、
なんだか・・・・遠くに行っちゃたみたいでやだ。
”だき”
「へ、美佳?」
「オー、ジャパニーズ、”ユリユリ”」
「オー、ユリユリ。」
「え、いや違うから、こら美佳、はな、離しなさい。」
「いやだ。 だってめぐねぇどっか行っちゃうもん。」
「どこも行かないから。」
「やだ!」
「もう。」
・
・
・
「ココガ、センソウジデスヨ。」
「オー、サンキュー。 サンキューユリユリ。」
「いや、違うから。
ほら、美佳が抱きついてるから、完全に勘違いされたじゃやない。」
「だって・・・・」
「全く、この娘は。
ふぅ~、さ、私たちもいこ。」
”なぜなぜ”
「うん。」
‐‐‐‐‐‐‐‐
”ガタン、ガタン”
めぐねぇ、頑張ってるね。
『わたしは、学校の先生になりたいなぁ。』
絶対、いい先生になれるよね。
あ、それに義輝君も頑張ってるんだった。
でもこっちのほうは・・・・
ははは、みんなすごいや。
わ、わたしもほんとは、ほんとは・・・・・・・
『んで、美佳は何になりたいの?』
『美佳は・・・保母さん。』
『そっか、美佳は妹ちゃんの面倒よくみてるもんね。』
『うん。 美佳、小さい子と遊ぶの大好き。』
・・・・・・保母さんか。
‐‐‐‐‐‐‐‐
う~ん、美味しい。 いいでき。
今日の紅茶はめずらしく完璧だ。
さてと、会長と書記ちゃん達、今日遅いなぁ。
早く来ないかなぁ。
た・い・く・つ
あ、へへ、いいこと思いついた。
”カシャ、カシャ”
「さてと、一応、念のため上書き保存しておくか。
ん、三ヶ木?」
”カチャ”
「お仕事ご苦労様、あ・な・た。 えへ♡」
「え、え゛~」
”カチッ”
「あ゛ー、 し、しまった、消してしまった。
お、お前なんてことを。」
「ははは、元に戻すをクリックすれば大丈夫じゃん。」
「馬鹿、保存する前に消してしまったじゃねえか。」
「ご、ごめん・・・・これあげるから、ね。」
「ん? 雷おこし、どうしたんだこれ?」
「うん、昨日ね、めぐ、城廻先輩と浅草寺に行ってきたの。」
「お、うまい。
ち、仕方ないな。 まぁ、途中までは保存してたからもう一回作り直すか。」
「ほれほれ、頑張れ。」
「ひで、おい、もう一袋もらっていいか。」
「しゃ~ないな。 はい、どうぞ あ・な・た。」
「お前、それやめろ。 冗談にとれるほど余裕ないから。」
”ガラガラ”
「ね、大丈夫だった?」
「うん、いろはちゃん、大丈夫だよ。」
「そ、そう。」
「おまたせ。」
「副会長どうでした?」
「大丈夫だったよ会長。 誰もいなかった。」
「ふぅ。 やっぱり気のせいだったかもです。」
「会長、どうしたの?」
「え、なんか、最近誰かにつけられてるような気がするんですよ。」
「あ、わたしもつけられてるよ。」
「え、美佳先輩もですか。 大丈夫?」
「うん、つけまわしてるのこいつだから。」
「え、うそ・・・稲村先輩キモい。」
「ん? な、なに、え、俺!」
「そうだよ。
この前も昼休み、ずっとついてきたじゃん。
それに抱きついてきたし」
「稲村先輩、そんな人だったんですか。」
「いや、あれは三ヶ木が怪しかったから。
またなんか一人でするんじゃないかって。
それに抱きしめてきたのお前だから。
会長に見つかるからって。」
「わたしに見つかる? 昼休み・・・・・あっ!
美佳先輩、もう少し詳しく話してもらいましょうか。」
「馬鹿村!」
‐‐‐‐‐‐‐‐
「ふう、なんとかできたかな。
ね、馬鹿村君そっちは?」
「うん、予算のほうも大丈夫だと思うって、おい、馬鹿村ってなんだ。」
「べ~だ。」
「はいはい、そこ夫婦喧嘩はやめてくれます、覗き見夫婦。
副会長、そっちのほうはどうですか。」
「はい、こっちのほうも大丈夫です。」
それじゃ、あとはテスト明けの水曜日に、みんなでもう一回見直ししてから
平塚先生に確認していただきますね。
それでは今日はお開きということで。」
「「はい。」」
えっと念のため、誤字ないか家でもう一回確認しておこ。
保存保存っと。
「うん? 三ヶ木、それ持って帰るのか?」
「うん、家でもう一回確認してみる。」
「あ、じゃ俺も。」
「会長、一緒に帰りますか?」
「え、あ、大丈夫ですよ、お迎えが来てますので。」
「そ、そう。」
誰だろう、親かな?
いや、親だと学校に話すだろうから大問題になっちゃう。
”ウェーイ、いろはす~”
あ、いた、戸部君だわ。うん、戸部君だね。
確か、今日ってサッカー部練習してたから。
じゃあ、安心だ。
「三ヶ木、駅まで一緒に帰ろうか。」
「え~」
「何で、え~なんだよ。 思いっ切り嫌そうな顔してるじゃん。」
「だって、身の危険が。」
「おい。」
・
・
・
「だからさ、お前公式をちゃんと覚えろって。」
「う~、ねぇ、そんなことより、どこがテストに出そうか教えてよ。」
「お前なぁ・・・あっ会長。」
「ん? どうしたの。」
「すまん、USBを生徒会室忘れた。 ほれ取りに戻るぞ。」
「え、一人で行きなよ。」
「いいから、こい。」
”ぐい”
ひど、なにこいつ、は、もしかして
「稲村君、誰もいない生徒会室でなにするつもり。」
「・・・・ なにもしないから。」
「すみませ~ん、お待たせしました?」
「ああ、すげ~まった。」
「むか~、なんですか、そこは今来たとこだって言うんですって、
何度も言ってるじゃないですか、まったく。」
「ああ、今来たとこ。 じゃ帰るわ。」
「なんですか。 あ~待ってくださいよ~」
「お前、くっつくな、歩き難いだろう。」
「なんですか、折角、迎えに来てくれたからサービスしてあげてるのに。
こんなかわいい後輩と腕を組めるなんて、先輩にはもうないかもですよ。」
「はいはい、ありがとさん。」
まったくドジなんだから。
生徒会室に入るのには、職員室まで鍵取りに行かなきゃいけないんだからね。
って、なにしてんの。
「あ、あった。すまんすまん、ポケットに入ってたわ。」
「はあ?」
まったくこいつは人騒がせな。
「ホラ、USB貸しなさい。」
「あん? ほれ。」
うんしょっと、
「お前何してんだ。」
”チリン”
「はい、これで大丈夫でしょ。」
「な、なんだこれ?」
「美佳えもん、ほら首のとこに鈴ついてるからね。」
「美佳えもん? お前これ無理ありすぎだろ。
あのキャラの胴体に、これお前か?
ぷぷぷ、似てる。」
「なによ、ひど、いらないなら返して。」
「いや、ありがとう、もらっとくよ。」
「うん、さっきデータ消しちゃったのチャラね。」
「ああ。 お前こういうの作るの好きなのか?」
「うん、子供のころぬいぐるみほしくてね、良く作ってたんだ。」
「へぇ~」
”チリン、チリン”
「うん、気に入った。 美佳えもん。」
「大事にしてね。」
「おう。」
‐‐‐‐‐‐‐‐
なんで、何で、比企谷君がいるの?
え、わたし聞いてないよ。
それに、化粧してないから、あんまり顔見ないでね。
「お前、どうしたんだ?」
いや、比企谷君こそどうしたのだよ。
わたしは、沙希ちゃんに頼まれて・・・・・・・
「・・・」
「あ、そうだった悪い。 すまん、気を付ける。
俺は、今日川崎が塾だから、けーちゃんをみててくれって頼まれたんだが。」
いや、それわたしのほうもだけど。
塾? バイトって言ってたじゃん。
はぁ! 沙希ちゃん、あんた仕組んだね。
「お前いるなら、俺帰るわ。」
そうだよ、さみしいけど、つらいけど、
・・・・・一緒にいたいけど、
うん、けーちゃんはわたしが面倒みてるから大丈夫。
比企谷君帰って、勉強頑張って。
「はーちゃん帰っちゃうの?」
「あ、ほら、みーちゃんいるから大丈夫だろ。」
”くいくい”
「みーちゃん、はーちゃん、帰っちゃうの?」
え、な、なにその目・・・・、そっか、けーちゃん、はーちゃん大好きだもんね。
どうしよう。
ごめんね、けーちゃん、ここは我慢して。
「あのね、けーちゃん、 」
「おう、けーちゃん大丈夫だ、はーちゃんも一緒に行くぞ。」
「はぁ?」
「息抜きだ、このGWは毎日、勉強ばっかりだったからな。
俺史上、かつてないほどに。
たまにはだ。 ・・・・心配するな。」
「えっ。」
よかった。 いっぱい勉強してたんだね。
でも、結衣ちゃんとだよね。
ず~とず~と一緒だったんだよね。
・・・・・へ? し、心配って?
「さぁ、けーちゃん、一緒に学校行こうか。」
「うん、はい、はーちゃん、みーちゃん。」
ん? かわいい手だね。
ほら、手の中にすっぽりと収まっちゃう。
”ぎゅ”
「へへ、はーちゃんとみーちゃんと一緒。」
「な、なぁ、けーちゃんいる時は依頼解除できないか?」
「け、けーちゃんのいる時だけだからね。 ぷい。」
「おう。」
へへへ、今日、来てよかった。
けーちゃん、ありがと。
「ねぇねぇ、みーちゃん、はーちゃんとケンカしてるの?」
え、あ、今の見てたの。
違うのよ、ケンカなんかにもならないよ。
だって、わたし、ほんとはもっともっと一緒にいたいんだもん。
だから、
「け、けーちゃん、大丈夫だよ。
前も言ったじゃん。 みーちゃんは、はーちゃん大好きだって。」
うへぇ~、言っちゃった。
もう顔見れないよ。
この馬鹿、ぼけなす、八幡!
「うん、言った。
それじゃ、はい、仲直りの握手。」
え? え~、けーちゃん、な、なにを
えへへへ
「仲直りだよ、はーちゃん、みーちゃん。」
「す、すまん。」
「けーちゃんの前だから、許してあげる。」
「お、おう。」
”すたすた”
「ふぅ、やっと行ったね。
まったく面倒くさいやつら。
・・・って、あたし、なに隠れてんだろう。」
‐‐‐‐‐‐‐‐
「あ、けーちゃんだ、お~い。」
「あ、みんな、なにしてるの~」
”タッタッタッ”
あ、けーちゃんのお友達?
へへ、みんな小っちゃくてかわいいね。
「ねぇけーちゃん、けーちゃんのお父さんとお母さん、すごく仲良しさんだね。
ずっと手つないでるね。」
ん、手って
あ、えへへ、じゃない。
「いつまで手を握ってるのよ。」
「あ、す、すまん。」
「・・・」
「・・・」
「・・・ぷい!」
”すたすた”
・
・
・
はぁ、はぁ、大丈夫よね。 誰もいないよね
”ぎゅ”
はぁ~、うれしい。
うれしいよ~、やっと話できた。
あれ、なんでだろう、涙出てきた。
バッカじゃないわたしって。
・・・でも、うれしいんだもん。
・
・
・
「・・・」
”スー”
「お、おう、サンキュ。」
「あ、はーちゃん、それなあに?」
「これは、はーちゃんの魂の源だ。」
いや、比企谷君、あなたの頭どんだけ甘いの。
まぁ、いいけど。
「はい、けーちゃん、リンゴジュースでもよかった?」
「うん、ありがとうみーちゃん。」
「うううん、こっちこそありがと、けーちゃん。」
「うん?」
・
・
・
「つぎは幼稚園児のかけっこでーす。
出場されるお子さんは集まってくださ~い。」
あ、けーちゃんの出番だ。
えっとけーちゃんは、はぁ?
”ぷにゅ、ぷにゅ”
”ぷにゅ、ぷにゅ”
え、二人して何してんの?
ほっぺつっつきあって
「おい、変態野郎、純真なけーちゃんになにしてる。」
「い、いや、なんだ。 挨拶だ」
”べし”
「ぐはぁ、久しぶり。」
な、この変態野郎が、なに喜んでんだ。
やっぱ、M男だね。
「さ、けーちゃん、こんな変態ほっといて、かけっこ出る子集合だよ。」
「うん、みーちゃん。
あ、はーちゃん、あのね、けいか、かけっこ得意だよ。」
「おう、応援してるぞ。」
「みーちゃんも見ててね。」
「うん、けーちゃん、ガンバだよ。」
・
・
・
「お、ほら、次はけーちゃんの番だ。」
「・・・」
「・・・す、すまん。」
・
「よ~い、どん!」
「けーちゃん、頑張れ!」
「けーちゃん、ガンバ~」
「お、けーちゃん、早いぞ。」
「う、うん。 早い早い。」
”どた”
「「あ!」」
”ダッー”
「けーちゃん! 」
「けーちゃん、大丈夫か?」
「うん。 えへへ、転んじゃった。」
「痛いところない?
あ、膝擦りむいちゃったね。 大丈夫?」
「うん、はーちゃん、みーちゃん大丈夫だよ。」
「ほれ、けーちゃん。」
「うわ~い、高い高い。」
え、比企谷君、すご。
けーちゃんを軽々と肩車した。
ふぇ~、やっぱ男子だね。
あ、でもけーちゃん、あんまり暴れると危ないよ。
「けーちゃん、あんまり暴れると危ないから。
比企谷君、絶対落とさないでね。」
・
「あら、若いご夫婦さんね。」
「まぁ、うらやましい。」
「本当ね。」
・
「す、すまん。」
「べ、別に・・・・」
へへへ、夫婦だってすごくうれしい。
もうちょっとだけ近く寄ろう。
は、けーちゃん、なに?
「はーちゃんとみーちゃん、ご夫婦さんなの?」
「いや、ち、違うから。」
・
・
・
「けーちゃん、ちょっと染みるけど我慢してね。」
「う~」
あ、やば、けーちゃん泣きそう。
「さぁ、お薬さんがばい菌大魔王をやっつけちゃうぞ。
ホップ、ステップ、アタック。 えい!、えい!
けーちゃんも応援して。」
「うん、お薬さん、頑張れ。」
”チョイ、チョイ”
「はい、よく我慢できました。 えらいね、けーちゃん。」
「お前、俺ん時と全然ちげーじゃねえか。」
「あったりまえでしょ。 あんときは比企谷君が悪かったんだから。」
「いや、そうか。 えっでも俺・・・」
「そうだよ。 べぇ~だ。
あっ」
「ん?」
「・・・・・・けーちゃんの前だけだからね。」
「おう。」
・
「救急箱すみませんでした。」
「あ、そこに置いといて。
あ、そうだ、ねぇ、次の競技のメンバーが足りないの
お二人出てくれない? ねぇ、お願い。」
「え、でもわたし達、町内の人じゃなくて。」
「大丈夫だよ、ねぇ、旦那さんもいいでしょう?」
だ、旦那?
比企谷君が旦那様。
『旦那様。』
『おう、美佳』
な~んてね。 えへえへ。
「みーちゃん、こわい。」
「え?」
・
・
・
「うわ~い、はーちゃん、みーちゃん頑張れ。」
「は~い、次の組のみなさん、女性は目隠ししてください。」
「三ヶ木、目隠しするぞ。」
”ぎゅ”
な、なにも見えん。
目隠ししてるから、当たり前か。
ちょっと不安だな。
変なことされないよね。
ぷにゅ、ぷにゅって、比企谷君、変態だから。
「こ、これは独り言だ。
い、いいか、み、三ヶ木って呼ぶから、俺の声のほうに来るんだぞ。」
「・・・」
”こく”
わかった。 大丈夫、比企谷君の声のほうに行くよ。
わたしが聞き分けられないはずないじゃない。
へへ、それに三ヶ木って名前めったに無いはずだし。
「それではこの組スタートしますので、スタート位置についてください。」
「ほれ、こっちだ三ヶ木。」
「・・・」
ひぇ~、何も見えないよ~
比企谷君、お願いね。
「準備いいですか?
それでは位置について、よ~い、ドン!」
「樋掛(ひがけ)さん、こっち!」
「三宅さん、三宅さん!」
え、ちょっと待って、
お隣、樋掛さんと三宅さん?
えっと、三ヶ木って。
「いや、三ヶ木こっちだ、もっと左。」
「ちが、こっちだ。 そっちは三宅さん。」
どっちなの~
え、右からも、左からも三ヶ木って聞こえるような?
「くっそ聞き取りにくいか・・・・・
ええい、美佳! こっちだ。 こっちこい美佳!」
「え。」
美佳、美佳って比企谷君。
名前呼んでくれた。
えへへ、うれしい、それにこっち来いって。
は、そんな場合じゃないって。
「うん、八幡。」
「こっちだ美佳。」
「わぁ~、はーちゃん、みーちゃん早い。
頑張れ~」
”どさ”
「けーちゃん、膝大丈夫だった?」
「あ、さーちゃん。大丈夫だよ。
あのね、みーちゃんがばい菌やっつけてくれた。
あ、ほら、はーちゃんたち早いよ。」
「ほんとだね。
え、比企谷、美佳って呼び捨てじゃん。
はは、うまくやってそうだ。」
・
「もう少しだ、美佳。」
「う、うん。」
比企谷君の声、良く聞こえる。
でもゴールしたくないな。
もっともっと聞いていたい。
美佳って呼ばれたい。
あんなこといわなけりゃよかった。
でも、もう・・・・・遅いんだよね。
「やった~、はーちゃん、みーちゃん一着だ。」
”タッタッタッ”
「あっ、けーちゃん待って。」
・
「はーちゃん、一着だ。 すごーい。」
「おう、けーちゃん、早かったろ。」
はぁ、はぁ、はぁ。
あ~あ、終わっちゃった。
また、もとに戻らなきゃね。
でも、いま目隠し取ると・・・
”ドン”
「すみません。」
あっ
”だき”
「は、八幡、ありがとう。」
へへ、もう少しだけ抱き着かせて。
・・・比企谷君、さすが男だね。胸の筋肉厚いや。
筋肉? いや筋肉にしては。
”むにゅむにゅ”
「あんた、なに人の胸揉んでるんだい。」
ふぇ、沙希ちゃん? でも、あ、目隠しとって。
「さ、沙希ちゃん。」
「まったく、心配して損した。」
「え?」
「八幡ありがとう、だってさ。」
「・・・」
「それに比企谷も美佳、美佳って連呼してたし。
うわー、暑い暑いねぇー」
「いや、違うから。」
「何が違うのさ、まぁいいや。
ほら、テントに戻るよ。
怪我なかったかい。」
「うん。」
・
・
・
「比企谷、ご苦労さん。 助かったよ。」
「おう、塾終わったのか?」
沙希ちゃん、バイトって言ってたくせに。
やっぱ仕組んだんだね。
でも、ありがと。
とっても楽しかった。
忘れられない思い出になったよ。
「え、塾、あ、あははは。 心配だったから早引きしてきたんだ。」
「そ、そうか。」
”ブ~、ブ~”
「おう、由比ヶ浜か、どうした?」
「ヒッキー、今どこ? ゆきのん機嫌悪いよ。」
「へ? あっ、もうこんな時間か!」
「もう、早く来てね。 先に図書館行ってるから。」
「お、おう、すまない。 いまから行くわ。」
あ、結衣ちゃんからの電話だ。
なんか約束あったのかな。
「わりぃ、由比ヶ浜達との約束の時間だ。
じゃあ行くわ。」
「え、そうかい。
悪かったねえ、ありがとう比企谷。」
そ、そうか。 今から結衣ちゃんに会いに行くんだね。
もう結衣ちゃんに取られちゃうんだ。
いいじゃん、今日一日くらい。
だってずっと一緒だったんでしょ。
・・・ははは、馬鹿だね。
なに言ってんだろわたし。
これじゃ、愛人にもなれないや。
しかも自分で望んだんだろうし馬鹿。
いってらっしゃい、比企谷君。
でも、しっかり勉強してね。
「じゃあな、けーちゃん。」
「はーちゃん、またね。」
「・・・・独り言だ、また学校でな。」
「・・・」
”こく”
・
・
・
「あれ、旦那さん帰ったの?」
「ん、旦那さん?」
「あ、あの、用事あったみたいで。」
「若奥さん、これ旦那さんと奥さんの分のお弁当。」
「え、あ、はい。 でもいいんですか?」
「ええ、ご苦労様。
やっぱ若いっていいねぇ。」
「ね、ねぇ、三ヶ木いつから奥様になったの?」
「い、あはははは。」
「まぁ、そんなことより、早く比企谷に持って行ってやんなよ。
まだ間に合うだろ。」
「沙希ちゃん。」
「それとも、お弁当2個も食べる? ほら、早く。」
「う、うん。」
・
・
・
はぁはぁはぁ。
ど、どこ行ったのかなぁ~
駅のほうで間違いないとも思うけど。
いないなぁ。
・
・
・
はぁ、はぁ~、ふぅ。
駅まで来ちゃった。
電車じゃなかったのかなぁ~
どこ行ったんだろう、追い抜いていないはずだけど。
もう一回、小学校のほう行ってみよ。
・
・
・
どこ、ねぇどこにいるのさ。
いないいないよ~。
そ、そうだ、電話しよう。
『話しかけないで、迷惑なの』
出来ないよね。
馬鹿、バ~カ、馬鹿、何であんなこと言ったの。
ほんと馬鹿。
仕方ない、もうちょっと探してみよ。
「あっ!」
「キャン、キャン。」
”どた”
あいた! いた、痛たたたた。
「お、お前、大丈夫だったか?
こら、急に飛び出したら危ないぞ。
でも、なんともなくて良かったね。」
「クゥ~ン。」
へへ、お前ご主人はどうしんだ?
ふむ、首輪ないね。
そっか、お前も一人なんだね。
さてと、うんしょっと。
「痛い。」
やば、捻っちゃったかな。
と、取り合えずあのブロックまで。
う~、いった~。
「ク~ン。」
なに、心配してくれるの?
ありがと。
「ワンワン、クンクン。」
へ、あ、これか。 お前これが狙いだったのか。
ほら、ちょっと待ちな。
「うんしょっと。」
お前も一人だから仲間だ、喰え!
「キャン、キャン。」
え、お前、子供いたの?
くっそ、この裏切りもの。
へへ、まぁいいや、一緒に食べよ。
・
・
・
「ク~ン。」
え、ああこれはだめだよ。
これは比企谷君のだから、絶対あげられないの。
ごめんね。
さてと、どうしょうかな~
もう、今頃は結衣ちゃんと一緒だよね。
・
・・・よし、家に持って行ってあげよ。
‐‐‐‐‐‐‐‐
”ピンポ~ン”
「は~い、あ、義理チョコさ、いえ三ヶ木さん。
ど、どうしたんですか?
ごめんなさい、兄はいま不在ですが?」
「うん、知ってる。
あのね、今日、川崎さんの地区の運動会があってね。
比企谷君も出てくれたんだけど、お弁当を渡せなかったから。」
「え、それはそれは。
わざわざ家までありがとうございます。
必ず渡しておきますね。」
「うん。 それじゃ。」
「はい・・・・ん? 三ヶ木さん足どうしたんですか?」
「え、あ、大丈夫、ちょっと捻っただけだから。」
「ちょ、ちょっと 待っててください。」
「え?」
”どたどた”
「はい、足出して下さい。 さ、ささ、遠慮なさらずに。」
「あ、いいよ、そんなに痛くないから。」
「だめです。 はい、足出してください。」
「う、うん。」
”きゅ”
「三ヶ木さん、テーピング、きつくないですか?」
「ありがと、小町ちゃん。」
「いえいえ、そんなたいそうな。
でも、念のため、お医者さんに診てもらってくださいね。
・・・え、ど、どうしたんですか?」
「え、あ、ごめん、小町ちゃんがやさしいから。
ほんと、最近、涙腺が弱くてさ、だめだねこりゃ。
小町ちゃん、お兄さんに似て優しいね。
テーピングありがと、じゃあね。」
「は、はい。
え、兄が優しい?」
「うん、とっても優しいんだよ。
あ、でもこれ比企谷君には内緒ね。」
「はて? 内緒にする理由が・・・」
「まぁ、いろいろあるから。
それじゃ、ほんとにありがと。」
「あ、あの~、三ヶ木さん、
よかったらまた来てくださいね。
この前、結衣さんと女子会やったんですけど、
今度は三ヶ木さんも一緒にどうですか?」
「あ、ありがと。
・・・・・・ へ、女子会?、結衣ちゃんと。」
「ええ、兄の赤ちゃんのころからのアルバムで盛り上がって。
結衣さんなんて、兄のすべてをみせてもらうぞ~って。」
「え、小町ちゃん、もう少し詳しく教えてもらっていい?」
「え? いいですよ。 実は・・・・」
最後まで、感謝です。
書きながら、やばいと思いながらもこんな長文に。
書き始めた時は、3000字ぐらいを目標にしてたのに。
次回、実力テスト。
八幡の成績どうしょうか迷ってます。
では、また次話、読んでいただけたらありがたいです。