似て非なるもの   作:裏方さん

30 / 79
今回もありがとうございます。

またしても遅くなりました。

だめだ、だんだんペースが遅くなる。

第三章の最終話です。

次章に向けてあの男も。

最後まで我慢して読んでいただけたらありがたいです。

よろしくお願いいたします。



宣戦布告

"ギ~ゴ~、ギ~ゴ~”

 

「比企谷君、その階段の下で止めて。」

 

”キキ―”

 

「なぁ、これ少し油さしたほうがいいぞ。

 

 じゃ、俺ここで待ってるから。」

 

"トン、トン、トン、・・・、トン”

 

大丈夫よね。

そんなに散らかってなかったはず。

わたしの部屋にさえ入られなければ。

よ、よし、頑張れ美佳。

 

”ガチャ”

 

「さ、どうぞ。」

 

「いや、ここで待ってるって。

 

 マズイだろ。 今、家に誰もいないんだろ。」

 

ふふふ、そう言うと思った。

だからね、ちゃんと考えてんだよ。

 

「うん、だけどさ、そんなとこに立ってられると、

 

 絶対、ストーカーに間違われそうなんだけど。」

 

「は、そ、そうか。」

 

「うん、通報なんかされたら、なんか面倒くさい。」

 

「わ、わかった。 すまん、失礼する。」

 

”トントントン・・・トン”

 

やった! 作戦大成功、比企谷君がとうとう我が家に。

へへ、緊張するなぁ。

 

「どうぞ。 狭いけど我慢してね。」

 

「だから、それは言うなって。

 

 そんなことより、な、なぁ、三ヶ木。

 

 あんな一人の時は、その、なんだ、男は部屋に入れないほうがいいぞ。」

 

「へ、あったりまえじゃん。」

 

「いや、だけど俺は部屋入ってるんだが。」

 

「比企谷君だけだよ。」

 

「あんだよ。 それは、あんに俺は小心者の安全パイだとか言ってんのか?」

 

「うううん、そんなんじゃないよ。

 

 まぁ、そうだね。 比企谷君に襲われたら、嬉しいかなぁって。」

 

「お、おい。 馬鹿、いま現実に二人だけなんだぞ。」

 

「だってさ、比企谷君ってなんか理性の化け物って言われてるでしょ。

 

 比企谷君に襲われるってことは、わたしの魅力が比企谷君の理性に勝ったって

 

 ことだから。

 

 わたしって結構いい女ってことになるじゃん、へへへ。」

 

「お前、そんなことのために俺に襲われていいの? 」

 

「うん。 ・・・・・・・・・・・・・ねぇ、襲う?」

 

「ばっか、襲わねぇ。 俺の理性をなめんな。」

 

「はいはい、そう言うと思った。

 

 じゃあ、パソコン持ってくるから、ここでちょっと待ってて。

 

 あ、絶対この襖、開けちゃだめだからね!」

 

「お、おう。」

 

”スゥー”

 

ふぅ、なにをはしゃいでるんだろうねわたしは。

ばっかだね~、恥ずかしい。

 

・・・・・ま、そんなことよりパソコンパソコン。

えーと、コードは机の下だね。

あ~もう、こんがらがってる。

は、ごきちゃん!

 

”どん”

 

「あいたた!  あ、消しゴムじゃん。」

 

”スゥー”

 

「おい、三ヶ木どうした、大丈夫か?

 

 うぷ、なんだこの白い布は?

 

 これ、どこかで見たような気が。

 

 ふむ、収縮性があって、なんかすべすべしてて・・・

 

 こ、これは、パ、パン 」

 

は、比企谷君、なに、何で入ってくるの。

ばか、その手に持ってるのわたしのパンツ。

いや、見ないで、触らないで。

 

「こ、この野郎、なにすんだ、衝撃のファーストブリット!」

 

”ボコ”

 

「ぐはぁ!」

 

「なんで部屋に入ってくるし、この変態 馬鹿、エロ八幡、出てけ~」

 

”バタン”

 

「いや、おい機嫌直せって。」

 

見られた、見られた。

いや、それだけじゃなくてあのバカ、なに触ってんだよ。

で、でも触られたの、高かったやつだからよかった。

 

「変態。」

 

「いや、だってまさか部屋にパン 」

 

「い、言うな。 仕方ないじゃん、外に干せないんだから。

 

 外になんて干したら、すぐ無くなるんだ。」

 

「そ、そうなのか。」

 

なんで男って、そんなもんほしがるんだ。

そんな布切れでなにがうれしいんだよ。

おかげで、出費きつくてきつくて。

今だから言うけど、1回だけノーパンだったんだからね。

・・・まぁ、ジャージはいてたけど。

 

「うんしょっと、はい、お待たせ。」

 

「おい、お前、パソコンってデスクトップか。」

 

「そうだよ。」

 

「お前これどうやって学校に持ってくる気だったんだ。」

 

「これぐらい頑張ればなんとか。」

 

「まったく、付いてきて良かったわ。 ほら行くぞ。」

 

「うん、お願いします。」

 

 

 

 

‐‐‐‐‐‐‐‐

 

 

 

 

”ブ~、ブ~”

 

ん、稲村君?

なんだろう、もう予算のほう終わったのかぁ。

 

「この電話は現在使われて・・・・おりま~す。 って、どしたん?」

 

「なんだそれ? まぁいいや、いまどこだ、もう駅ついたか?」

 

「うん。 いま改札出たとこ。」

 

「わかった。」

 

「ふぅ、重たかった。 お前これひとりでなんて絶対無理だったろ。」

 

”拭き拭き”

 

「ふぅ~、いいか、何でも一人でやろうとするな。」

 

「いや、それあんたが言う? まぁいいけどって、あ、おい!」

 

「どうしたんだ?」

 

「お、お、お前、その手に持ってるものはなんだ。

 

 な、なにで汗拭いてるんだ!」

 

「なにでって、ハンカチ あ、いや、これはちがう。

 

 あ、あのとき、手に持ったままだから 」

 

「死ね、撃滅のセカンドブリット!」

 

”ボグ”

 

「ぐふあ」

 

「こ、この下着泥棒、変態馬鹿。」

 

いつの間にこの変態野郎は。

それ、わたしのお気に入りだったんだからね。

すごく高かったんだから。

もう使えないじゃん。

でも、男の子ってその~、ほしいのかなぁ。

 

「・・・・・・・あ、あのさ、そんなに、ほ、ほしいんなら言えばあげるのに。」

 

「い、いや、違う、違うから。 そんなんじゃないって。」

 

「あ、いたいた。お~い三ヶ木。」

 

「あ、稲村君。」

 

「おう、え、比企谷もいたのか ん?

 

 ど、どうしたんだ、二人とも顔真っ赤だぞ。」

 

「い、いや、稲村、なんでもない。」

 

「そ、そうか、ほら三ヶ木パソコン貸せ。 持って行ってやる。」

 

「あ、うん。 ・・・でも。」

 

「あ、比企谷、後は俺が持っていくわ。」

 

「いや一人では危ないだろう。 ディスプレィ頼む。」

 

「あとは、生徒会でやるから、部外者はいいって。」

 

「いい、気にすんな。 折角ここまで俺が持ってきたんだ。

 

 最後まで持ってくわ。」

 

え、なに? 比企谷君も稲村君もそんなにパソコン持ちたいの?

ね、そんなことより早くいこうよ。

どっちでもいいんだけど。

 

「それじゃ行くぞ、三ヶ木。」

 

「いや、比企谷君、お前パソコン重たそうだろ。 三ヶ木、こっち乗ってけ。」

 

え、な、なに。今度はわたし?

二人してこっち睨まないで~

ど、どうしよ。 パソコンみたいにわたし分割できないし。

あ、そうだ二台並んでもらって、横になって乗れば

・・・・落ちて死ぬわ、どないしょ。

 

「あ、ジミ子先輩だ。 どうしたんですか~

 

 え、あ、しゅ、修羅場だ、お邪魔しました。」

 

「待てぃ!」

 

「ぐへぇ。」

 

「いいとこに来たね舞ちゃん、悪いけど学校までよろしくね。」

 

「な、なにすんですか、急に制服を引っ張らないでください!

 

 嫌ですよ、やっと駅まで着いたのに、なんでまた学校に戻らなきゃいけないん

 

 ですか。」

 

「ま~いちゃん、なんか聞いたんだけど、わたし瀬谷君の胸ぐら掴んだんだってねぇ~

 

 んで、吊し上げたろうかって脅したらしいんだけど、なんか知らない?」

 

「あ、いや、そ、それは、その~」

 

「うんしょっと、ほら、学校行くよ。」

 

「ふぇ~、マジっすか。」

 

「うん、マジ。 よろしくね、えへ♡」

 

「ううう、かわいくない。」

 

「それ、しゅっぱーつ。」

 

「ふぇ~、ちょ、ジミ子先輩、変なとこ触らないでください。

 

 駄目だって、いや~。」

 

     ・

 

「・・・・行こうか。」

 

「ああ、行こう。」

 

     ・

     ・

     ・

 

「はい、ご苦労さん。 もう行っていいよ。」

 

「ひど、ひどすぎ。

 

 ジミ子先輩、借しですからね借し。 

 

 絶対、忘れないでくださいよ!」

 

「わかった、わかった。

 

 舞ちゃん、ほんとにありがと いろいろと助かった。」

 

「ジミ子先輩、ほんと気を付けてくださいね、いろいろと。

 

 じゃ、帰ります。」

 

「うん。 またね。」

 

ありがと、舞ちゃん。

また一緒に部活の取材行こうね。

あとさ、ごめんね、刈宿君のアドまだ教えてないね。

舞ちゃん、本気だったら、今度、今度ね。

 

     ・

     ・

     ・

 

”カチャ、カチャ”

 

「ふう、大分できた。 そっちはどう? ごめんね、協力させて。」

 

「ああ、もう一息だな。 気にすんな。」

 

     ・

 

「あ、稲村君、帰ってきてた。

 

 ねぇ、ここ計算違ってるよ。」

 

「え、あ、ごめん、今見直すよ。」

 

     ・

 

”カタ”

 

「比企谷先輩、ありがとございます。

 

 コーヒー、ここおいて置きますね。」

 

「お、おう。 ありがとう、書記ちゃん。」

 

”ゴク”

 

「にっがー。 これ無糖じゃないよね。・・・微糖っか。」

 

”カタ”

 

「ん? お、こ、これはマッ缶。」

 

「ほれ、交換してあげる。」

 

「あ、いや、それ飲みさし。」

 

”ゴクゴク”

 

「はぁ~、もう慣れたからいいけど。」

 

へへへ、確信犯だよ。

比企谷君の関節キッスゲット。

 

は、な、なにか寒気が。

なんだろう、げ、雪ノ下さん睨んでいらっしゃる。

目、絶対合わさないように。

自然体、自然体っと。

いや~、怖い。

 

     ・

 

「あ、稲村君、これ一桁打ち間違えてるよ。」

 

「え、うそ。 あ、ごめん。」

 

 

 

 

‐‐‐‐‐‐‐‐

 

 

 

 

「はい、皆さん、ご苦労様でした。

 

 内容、問題ないので、今から平塚先生のところ持って行ってきますね。」

 

「うへぇ~、もうしばらく数字みたくな~い。」

 

「由比ヶ浜さん、ご苦労様。」

 

「うん、ゆきのんもね。」

 

 

「なぁ、稲村、今日はどうしたんだ?

 

 やけにミスが多かったようだが。」

 

「あ、いや、何でもない。 すまなかったな。」

 

「副会長、稲村先輩、三ヶ木先輩どこに行ったか知りませんか?」

 

「いや、あれ、どこいったんだろ?」

 

     ・

     ・

     ・

 

「う~、つっかれた、脳内の糖質、全部使い果たしたわ。

 

 こんな時は、やっぱりマッ缶だな。」

 

”ガチャン”

 

「へ?」

 

「お疲れ。 これタクシー代ね、ありがと。」

 

「お、おう。 じゃ、ご馳走になっておく。」

 

”ガチャン”

 

「ふぅ、なんとかできたね、ありがと。

 

 わたしね、文化祭の時のこと思い出しちゃった。」

 

「ああ俺もだ。 もう二度と思い出したくなかったんだが。

 

 あの時はいくら処理しても次から次へと仕事増えたからな。」

 

「そうだったね。」

 

「だが、お前いたのか?」

 

「ひど、ちゃんと文実と学校との調整やってたじゃん。

 

 知ってんだからね、スローガンのこと、人と書いてって

 

 あれめっちゃうけたんだから。」

 

そうだよ、比企谷君らしいって思った。

それでね、その時のさがみんの顔見たらもうおかしくって

でも、さがみんほんと変わったよね。

でもカラオケ誘ってくるのに、”嫌いだからね”はないよ。

いつまで嫌われ続けるのわたし。

 

「うけてたのか、それはどうも。

 

 ・・・なぁ、三ヶ木、今回の件、どう思う。」

 

「今回の件って、ウィルス送ったやつ?

 

 まぁ、わたし犯人は大体わかってるけどね。」

 

「本当か、お前すごいな。

 

 もしかしてお前、ボクっ子女子高生探偵?」

 

「はあ? なにそれ、キモ。」

 

「いや、あの探偵アニメにでてくる、え、なに知らない?

 

 ほら、見ためは大人、頭脳は小学生って。 」

 

「知らん、それに比企谷君、それまずいでしょ。

 

 あのね、まずこの学校の生徒だね。

 

 だって比企谷君の名前を知ってるから間違いない。」

 

「おい、それひどくないか? まぁ、その通りだが。」

 

「だしょう、それで比企谷と会長が仲がいいことを知ってて、

 

 でも、比企谷君が女子のこと名字でしか呼べない小心物ってことを知らないこと。

 

 この根性なし。」

 

へへ、わたしこの前、思いっきり美佳って呼ばれた。

結衣ちゃんでも呼ばれてないのに。

わたしだけ、へへへなんか優越感。

は、寒気が、い、いないよね。

 

「待て、俺と一色は仲良くないぞ、俺が一方的にこき使われているだけだ。

 

 それに今、なんかどさくさにまぎれて罵ってない?」

 

「あとは、多分、このGWぐらいに会長となんかあった奴で、最後にパソコンに

 

 詳しいこと。」

 

「何でGWっていえるんだ。 一色なら年中、なんか揉め事ありそうだけど。

 

 あいつあざといから。」

 

「うん、会長が言ってたんだ。 

 

 GWのころから誰かにつけられてる気がするって。」

 

「そ、そうか。」

 

「そんでね、それらが当てはまる奴は一人しかいないんだけど・・・」

 

「証拠がないっか。」

 

「うん。」

 

「三ヶ木、証拠がなければ、」

 

「「つくればいい 」」

 

は、はもった。

やっぱ考えることは比企谷君らしいね。

って、わたしも同じ考えか。

そうだよね。

おそらく、メールとかアドレスとか消去してるよね。

証拠はむずかしいからそれしかないよね。

 

「まったくお前は。」

 

「へへへ、まったく比企谷君だね。

 

 で、どうすればいい?」 

 

「あん?」

 

「比企谷君のことだから、なんか、もう方法があるんでしょ。

 

 いってみ。 お姉さんが聞いてあげる。」

 

「まて、いつからお前お姉さんになったんだ。」

 

は、しまった。 最近、刈宿君と話してることが多いからつい。

だって毎日電話してくんだもん。

電話代だって馬鹿にならんだろうが。

 

「まあまあ、いいから。 ほら聞いてあげる。」

 

「何で上から目線。 まぁお前ぐらいにしか言えないけどな。」

 

     ・

     ・

     ・

 

「どうだ。」

 

「さすが比企谷ね。 うん、いいかも。」

 

「はは、そんなこといってくれるのお前ぐらいだ。

 

 こんなこと雪ノ下に言ってみろ。

 

 絶対罵詈雑言の雨を浴びせられてる。」

 

「結衣ちゃんに言ったら、絶対悲しむね。 泣いちゃうんじゃない。」

 

仕方ないじゃん。

彼女たちはあなたのこと、その、・・・・す、心配してるからね。

わたしは、どうなんだろう。

心配よりもおもしろいと思ってしまう。

心配してないわけじゃないんだけど、なんか同じこと考えてるんだって

嬉しくなってしまう。

 

「だがこの方法にはだな、 」

 

「一つ課題があるんでしょう、この方法は。」

 

「そうだな。」

 

「いいよ、それわたしがやる。 まあ、わたししかいないけど。」

 

「無理だ。 お前可愛くない。」

 

「ひど・・・・・確かに会長や書記ちゃんに比べると可愛くないけど、

 

 面と向かって言われるほどじゃないと思ってんだけど。」

 

「すまん、無理だ。

 

 一色や書記ちゃんなら成功する確率は高いんだが、お前では。」

 

「ひど、ほんとにひど。

 

 こうなったら意地でもわたしがやるよ。

 

 まぁ、こんなことあの二人にさせるわけにはいかないもん。

 

 大丈夫、可愛くない分は・・・・・なんか腹立つけど、根性みせるから。」

 

「いや、根性って。  なぁ、一つ聞いていいか?

 

なんでそこまでするんだ。 生徒会ってそんなに大事か?」

 

「あのね、わたし託されたんだよ、めぐ、城廻先輩に。

 

 だから、わたしは生徒会を守るためなら、泥水だってすすってみせる。」

 

「おまえ、何でそんなにめぐり先輩のことが大切なんだ。」

 

「城廻先輩は、わたしの憧れ、それに大事なお姉ちゃんだもん。」

 

「え、いや、顔全然似てないぞ。

 

 似てればもう少し可愛いくなるはず。  なに腹違いとか?」

 

なによ、さっきから可愛くない可愛くないって。

わかってるってんだよそんなこと。

・・・比企谷君に言われると、余計に傷つくじゃんか。

まったく、何でこんなやつのことが・・・・くっそ。

 

”べし”

 

「て、てめぇ、さっきから可愛くない可愛くないって。」

 

「ぐはぁ。 ・・・わかった、だが絶対無理すんな。」 

 

「うん。 でもいざといいうときは助けてくれるんでしょ?

 

 比企谷君がいるから心配していないよ。」

 

「おう。 あ、それとこのこと一応、生徒会には話しておけ。

 

 絶対だぞ。 お前にあんときの俺のようになってほしくない。」

 

「・・・・・う、うん。」

 

だめだよ、話したら絶対止められるよ。

わたしでもね、こんなわたしでも、ジャリっ娘、心配してくれるんだ。

でも、これはわたしの役目。

 

生徒会はわたしが守るんだ。

 

 

 

 

‐‐‐‐‐‐‐‐

 

 

 

 

始めるよ。

頑張れ美佳。 生徒会を守るためだ。

根性出せ。

 

”ガラガラ”

 

「あ、あの、パソコン同好会はこちらでよかったですか?」

 

「そうだけど何か用か。」

 

しめた。比企谷君の言う通り一人だね。

へへ、あの掃除用具入れの中にいるんだ。

頑張ってね。

 

「あ、あの、わたし、生徒会の三ヶ木美佳って言います。」

 

「生徒会?」

 

「突然でごめんなさい、助けてほしいんです。

 

 もう頼れるのパソコン同好会しかなくて。」

 

「いや、話が分からないんだけど、なにを助ければいいんだ?」

 

「じつは昨日メールが届いて、その添付ファイルにウィルスが入ってたんです。

 

 うちの会長、可愛いんだけど、頭も可愛くてファイル開いちゃったんです。」

 

会長、ごめんなさい。

でも可愛いのはほんとだし。あ、顔のほうね。

ファイル開いたのもほんとだからね。

 

「それで、今度の生徒総会の資料が全部消えちゃって。

 

 昨日は徹夜して資料作ったんだけど・・・・もう眠くて眠くて限界。」

 

「そ、そうだったんだ、大変だったんだな。」

 

「うん、ありがと。

 

 でもね、その後もメールが何回も届いて、今日も届いてたの。

 

 それでね、もし会長がまたファイル開いちゃったらと思うと。

 

 お願い、助けてくれませんか?」

 

”にぎ”

 

「え、手? あ、あのさ、メールが送られてくるんだね、今も。」

 

「うん、さっきも届いていたから怖くて、だからお願いに来たの。」

 

「ファイル開かなければいいじゃないか?」

 

「そうなんだよ。 ふつう絶対開かないよね。

 

 だけどあの会長、比企谷君にべた惚れだから、駄目だっていっても開いちゃうの。

 

 ねぇ、お願いです、助けてくれない。」

 

”にぎにぎ”

 

「わ、わかった、見てあげるよ。 ちょっと待って」

 

「ほんと、ありがと。 じゃあ、早く来て、早く。

 

 今日、会長たち遅いって言ってたから、今のうちに。 」

 

「わ、わかった。」

 

よし、比企谷君、あとお願いね。

スクリーンセーバーの前に。

 

     ・

     ・

     ・

 

”ガラガラ”

 

「生徒会の人、誰もいないんだな。」

 

「うん、どうぞ座って。 あ、ほらメールがまた来た。」

 

「どれ ・・・・ はぁ、な、なるほどな。」

 

「ね、いつも同じメールが届くんだよ。

 

 なんとかならない?  絶対、会長またファイル開きそうで。」

 

「ちょ、ちょっと待ってくれるか? 

 

 なにか方法ないか調べてくるから。」

 

「うん、お願いします。」

 

”ガラガラ”

 

「比企谷君、そっちいったよ。」

 

「す、すまん、添付されてたウイルスファイルを見つけたんだ。

 

 コピーしてるから、もう少しだけ引き留められないか?」

 

「え、わ、わかったやってみる。」

 

で、でもどうやって引き留めれば。

どうしょう。

ええ~い、根性見せろ、三ヶ木美佳。

 

”ガラガラ”

 

「あの、ちょっと待って。」

 

「え、えっと三ヶ木さんだっけ、な、なにか?」

 

”にぎ”

 

「あ、あの、本当に助けてもらえますか?」

 

「まぁ、できるかどうかわからないがやってみるよ。」

 

「やった! ありがとうございます、うれしいなぁ。」

 

”だき”

 

「え、えへへへへ、いや~やってみないとわからないけど。」

 

「うううん、話聞いてくれただけでもうれしい。

 

 なんか心細くて。」

 

「そ、そうか」

 

”ぎゅ~”

 

げ、こいつ、調子に乗りやがって。

く、くそ~、やだよ、キモいよ。

が、我慢だ、ちくしょ~。

 

 

「うん、あれ三ヶ木じゃないか?

 

 あんなとこでなにを。

 

 え、抱き着いた。 はぁ? なにやってんだあいつは!」

 

 

「じ、じゃ、生徒会室でちょっと待っててくれるかな。

 

 それと、今日、部活終わったら、ららぽでも行かないか?」

 

「うん、行く行く。 じゃあ、後で校門でね。」

 

「わかった。」

 

うへぇ、キモかったよ。

は、まだこっち見てる。 笑顔笑顔。

頑張れ、わたしは女優。

 

「何してんだあいつ。

 

 何であんなやつと・・・・・・」

 

「稲村君じゃね、生徒会の。」

 

「え、あ、戸部君か。」

 

「ちょ~ど良かったわ~

 

 わりいけど、これいろはすに渡してくんない。」

 

「ん、これは?」

 

「あんよ、いろはすに頼まれて、いろはすを付けてるやつみつけてたんだわ。

 

 ばっちり写真撮ってから。 

 

 じゃあ よろしく頼むわ。」

 

「あ、ああ、わかった。 ありがとう。」

 

 

     ・

     ・

     ・

 

”ガラガラ”

 

「おかしいな、あの生徒会に送ったメールは消去したし、アドレスも。」

 

”カチャカチャ”

 

「げ、なんでこのメールがあるんだ、これ、ちゃんと消去したはずだ。

 

 あ、さっきのメールもある。

 

 だ、だれが俺のパソコン使って、ウィルスのメール送ったんだ。

 

 くっそ、俺しか知らないはず。」

 

”ガラガラ”

 

「ね、生徒会に送ったメールって何のメールのことかしら?」

 

「は!、三ヶ木さん、どうしたの、生徒会室で待ってていたのに。」

 

「あ、ちょってどいて。」

 

”がさがさ”

 

「はい、これボイスレコーダ。 えっと再生っと。

 

 『おかしいな、あの生徒会に送ったメールは消去したし、アドレスも。』

 

 うん、ばっちりだね。」

 

「おまえ、最初から、じゃあ、このメールも。」

 

     

 

「あら、スト谷君、こんなとこでなにしてるのかしら?

 

 部室を覗くって本当にストーカーにでもなったのかしら。」

 

「あ、いや何でもない。」

 

     

 

「そうだよ。 それにそのパソコンに保存されてたウィルスの添付ファイルも

 

 コピーしたわ。

 

 ねぇ、比企谷君、もういいよ。入ってきて。」

 

   ・

 

「え、 あれ?」

 

「・・・誰も来ないじゃないか。

 

 おい、このメールはお前が俺を犯人にでっちあげるため、お前が俺のパソコンから

 

 送ったんだ。

 

 お前が犯人だ、だからそのボイスレコーダよこせ!」

 

「いやー!渡さない。」

 

いやよ、絶対渡さないんだから。

比企谷君、早く、早く来て。

くっそこの野郎、じょ、女子に対してなにすんだ。

か、髪引っ張んな。

 

「よこせってんだ、このくそ女!」

 

”ガラガラ”

 

「おい、俺の三ヶ木に何するんだ!」

 

「い、稲村君。」

 

”ガラガラ”

 

「・・・遅い、比企谷君。」

 

「す、すまん。」

 

「おい、お前がメール送ったやつだろ。

 

 それにほれ、この写真にお前がうちの会長を付け回してるところが

 

 バッチリ映ってるぞ。」

 

”バサ”

 

「破っても無駄だぞ。 データーに残ってるからな。」

 

「・・・だって、あの女が悪いんだ。

 

 なにが生徒会とマネージャーで忙しいだ。

 

 嘘ばっかじゃね~か。

 

 この前も、そこの目つきの悪いやつとデートしてたじゃね~か。」

 

「え、ほんと? 比企谷君、後で話があるから。

 

 まぁ、それはおいといて、あのさ、清川君、会長は無理だよ、あきらめな。

 

 だって、会長ああ見えて割と一途だもん。

 

 それに本命って・・・・・あの葉山君だよ。

 

 君、葉山君に勝てる?」

 

ごめん、葉山君。 また利用させてもらった。

君はほんといいやつだよ。

知らないだろうけど。

 

「また、葉山かよ。 なんだよどいつも葉山、葉山って。

 

 くそ、お前もかよ。」

 

「う~ん、葉山君はいい人だけど、わたしはちょっと違うかな。」

 

”ちら”

 

「まぁ、なんだ、そんなことよりどうすんだ。」

 

「まずは会長に報告してからだね。

 

 それと、このパソコンは没収しておくからね。 学校のものだし。」

 

「・・・・・くっそ、横暴だ。」

 

 

 

 

‐‐‐‐‐‐‐‐

 

 

 

 

「痛い、痛いって稲村君、腕はなしてよ。」

 

”ガラガラ”

 

「あ、ご苦労様です、稲村せんぱ  え。」

 

「ど、どうしたんだ稲村。」

 

”パシッ”

 

「痛~い。」

 

「お、おい、稲村、何やってんだ。」

 

「三ヶ木先輩大丈夫ですか?」

 

「うぇ~ん、痛い、痛い、痛い。」

 

「三ヶ木、なにやってんだ。

 

 そんなに俺たちが信用できないのかよ。」

 

「・・・」

 

「お前、俺が聞いた時に言ったよな。

 

 生徒会が終わっても、高校を卒業しても

 

 みんなとのつながりをもっていられる関係でいたいって。

 

 これがそうなのか。」

 

「わ、わたしは生徒会のこと思って。」

 

「こんなのお前の自己満足じゃね~か。

 

 なんともなかったから良かったけど、なんかあってからじゃ遅いんだぞ。

 

 俺はこんなやり方、絶対認めないからな!」

 

「なによ、なによ、馬鹿。

 

 じょ、女子に暴力ふるうなんて最低なんだからね。 とうちゃん言ってたもん。

 

 馬鹿村、あんたなんか大嫌いだ、ばかばかば~か!」

 

”ガラガラ”

 

「み、三ヶ木先輩待って! 眼鏡ここに。」

 

「おい、稲村、やりすぎだろ。 」

 

「うるさい。 俺は絶対認めないんだ。」

 

「お疲れ様で~す。 え、ど、どうしたんですか?」

 

「いろはちゃん、おそ~い。 じつは今 」

 

 

 

 

‐‐‐‐‐‐‐‐

 

 

 

 

「ふ~ん、また美佳先輩やっちゃったんですか。

 

 まったくあの人は。」

 

「会長、すまない。 でも俺はあいつのやり方が許せなくて。」

 

「・・・稲村先輩、本当にそれだけが理由ですか?

 

 勝手にやったことだけが理由ではないんでしょう。」

 

「・・・」

 

「昨日も変にいら立ってませんでした? 

 

 勝手に駅まで迎えに行ってしまうし、それにいつもはしないミスばっかりして。」

 

「会長、おれ・・・」

 

「まぁ、わたしも時々思うんですよ~

 

 なんでもっとわたしのことみてくれないんだって。

 

 いっつも、あざといあざといって誤魔化して。

 

 すっごいむかつくから、あのアホ毛引っこ抜いてやろうかって。」

 

「アホ毛?」

 

「でも、手を出したら駄目です。

 

 わかりますよね。」

 

「ああ、そうだと思う。 俺が悪かった。」

 

「はい、それじゃ、この忘れ物届けてあげてください。

 

 これは美佳先輩が前の生徒会の先輩からもらった大事な眼鏡なんですよ。

 

 早く持って行ってあげてください。

 

 それに眼鏡が無いと、美佳先輩怪我するかもですよ。」

 

「あ、ああ。 ありがとう会長、すまない。」

 

「ど~もです、えへ♡」

 

     ・

     ・

     ・

 

”ジャー”

 

うへぇ、痛い。 あの馬鹿村、思いっきり引っ叩きやがって。

 

ほっぺ腫れてるの見られたら、とうちゃんすげぇー気にするだろうが。

 

さましたら腫れひくかな。

 

「三ヶ木!」

 

げ、なにしに来やがったこの暴力男。

 

「なによ、また引っ叩きに来たの。」

 

「いや、違うんだ。 俺、俺な。」

 

「何よ、痛いんだからね。 見てみ、真っ赤じゃん。」

 

「す、すまん。」

 

「もう、絶交だから。 

 

 とうちゃんが女子に暴力振るう奴とだけは付き合うなって言ってたんだから。」

 

「三ヶ木、話を聞いてくれ。」 

 

「いやだ。」

 

「俺、俺やっぱりお前のことが好きなんだ!」

 

「へ?」

 

「俺は、お前が好きだ。」

 

「ばっか、なに言ってんのよ。 そんなことで騙されないんだからね。」

 

「だから、俺、あんな奴に抱き着いたお前が許せなかった。

 

 それにお前と比企谷が話してるの見て、すごくイライラして。

 

 なんか、頭が爆発しそうで。」

 

「な、なに言ってんかわからないし!」

 

「こうなったら何回でもわかるまで言ってやる。  お前が好きだ。」

 

「・・・本気?」

 

「ああ、本気だ。」

 

「あのね、生徒会内で恋愛は禁止なの。」

 

「いやでも本牧と書記ちゃんだって。」

 

「その本牧君と書記ちゃんを廻っていがみ合ってたのだ~れ。」

 

「いや、あれは。」

 

「だから、生徒会役員同士の恋愛は禁止。」

 

「生徒会が終わったら?」

 

「あのね、わたし・・・・・多分、まだ。」

 

「わかってるつもりだったんだ。

 

 でも、いや、だから俺の気持ち伝えたくて。

 

 返事は生徒会終わった時でいいから。」

 

「わかった。

 

 ・・・あのね、それと今日のこと、わたしのほうこそごめんなさい。」

 

「いや、今日のことは暴力をふるった俺が悪い。」

 

「ほんとはね、稲村君が心配してくれて、だから本気で怒ってくれたってわかってたんだ。

 

 とってもうれしかった。

 

 ・・・だからね、目を閉じてくれる?」

 

「目? え、うそ。 ああわかった。」

 

「あの・・・もう少し背を低くして。」

 

「背? こ、このくらいか。 え、でもいいのか?」

 

「うん、あのね、稲村君・・・・・・・とりゃあ!」

 

”パシッ”

 

「ぐはぁ! いってぇ。」

 

「あ~すっとした。 これでチャラね。」

 

「チャラって、期待した俺が馬鹿だった。 いって~。」




すみません。

今回もお付き合いいただきありがとうございます。

ほんと、文がまとまらなくて、つい長々と。

次章に向けて、決意表明した二人。

またグダグダな展開が続きますが、読んでいただけたらありがたいです。


※最近、夜が眠たくて、油断すると寝てしまう。

 何とかしなくては。

 もう少しで12巻発売。

 内容にあわせて以降の展開見直しいたしたく、ちょっと次話過去に戻ります。

※※すみません。
  一部修正出来てませんでした。
   希望(ひかり)→憧れに修正しています。
 


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。