似て非なるもの   作:裏方さん

35 / 79
こんにちは(こんばんわ)

見に来てくれてありがとうございます。

12巻がでるまでと思ってた3.5章ですが、今回で文化祭編の最終話です。

最後まで読んでいただけたらありがたいです。

すみません。それではよろしくお願いします。




やっぱり・・・好き

「お帰りなさいませご主人様。」

 

「は、はい。えっとただいま。」

 

「ご注文はいかがなされますか?」

 

「あ、じゃあ、コーヒーとホットケーキで。」

 

「はい、ご主人様。 畏まりました。」

 

     ・

 

はい、畏まりました・・・か。

あ~あ、わたしもあのメイド服着てみたいなぁ。

黒のワンピース、フリフリのついた白いエプロンとカチューシャ、そして白の二―ソックス。

あ、あの娘、ネコ耳つけてる。 あれ自前だね。

いいなぁ、めっちゃかわいい。

ほら、あの男子なんか見惚れて口開いたまんまだよ。

 

あ、あのね、わが2-Cの文化祭の出し物は、

 

”黒メイド喫茶”

 

ほんとはね、演劇のはずだったんだけど、やっぱり脚本がみんなから総すかんされて。

だってあれまんまパクリだもんね。

ただね、衣装班はもう動き始めてたし、うちのクラスのカースト上位組がさ、メイドにノリノリだから。

結局、黒メイド喫茶ってことに。

 

たしかにみんなカースト上位だてじゃないね、可愛いや。

え、わたし? わたしはこの教室でいまね。

 

「おばちゃん、ホットケーキ焼けた?」

 

「はいよ、焼けたよ。 ちが~う。」

 

この割烹着はなんだ!

なぜ厨房担当は割烹着なんだ。

くそ~、これじゃ確かに給食のおばちゃんじゃないか。

はずかしい。絶対比企谷君には見られたくない。

 

しっかしこの男子達は、さっきから人のことおばちゃんおばちゃんって。

それにさ、働いてるの女子ばっかじゃん。

ふふふ、よ、よしちょっと待ってろ。

 

「あの、焼き具合、ちょっと見てもらっていい?」

 

「あん、おばちゃん、たこ焼きぐらい焼けないのかよ、仕方ないな。」

 

「はい、どうぞ。」

 

”ぱく”

 

「ぐへぇ、か、辛い、み、水くれ~」

 

「わっははは、何やってんだお前。」

 

へへへ、どうよ、ワサビたっぷりいれてやったからな。

この麗しき乙女に向かって暴言はいた報いよ。

 

「あ、三ヶ木さん、ホットケーキ追加お願いしま~す。」

 

「あ、はい。ただいま。」

 

「三ヶ木さん、ご注文頂きました、アイスコーヒーとロシアンたこ焼きお願いします。」

 

「あ、はいはい。」

 

う~、忙しい、男子も働け~。

 

     ・

     ・

     ・

 

「ごめんね、ちょっといい。」

 

「うん、三ヶ木さん大丈夫だよ。」

 

”ガラガラ”

 

はぁ、一服一服。

さて、さっさとおトイレすましちゃおうっと。

 

”どん”

 

おわぁ、なにこの肉の壁は。

はっ、義輝君じゃん。

何やってんだ、扉の前で。

 

「あっ、変質者だ! だれか~」

 

「ひぎぃ、変質者ではないです、ごめんなさい。

 

 ・・・・み、三ヶ木女子ひどい。」

 

「あはは、ごめんごめん。

 

 で、なにしてんの? 教室入ればいいじゃん。」

 

「ぬほん、なんと、我の使命を知らぬとは。

 

 しばらく姿が見えなかったゆえのことであろうが。

 

 異空間にでも飛ばされていたのであろう。

 

 けふこん、我の使命は、この楽園を腹をすかした亡者から守護すること。

 

 我の命に代えてもこの天上界へと繋がるゲートは死守いたすゆえ、安心して作業に励むがよい。」

 

「いや、お客さんのことを亡者はないでしょう。

 それにわたしちゃんと文実いってたから。

 

 まぁ、クラスのほうは顔出せなかったけど。

 

 んで、朝からずっとここにいるの? 」

 

「ふむ。」

 

「ご苦労様、じゃあね。」

 

「え、もう行っちゃうの。 もう少し我と話を。」

 

「うん、また後でね。」

 

やっぱ、たいくつだったのね。

まぁ、後で遊んであげよっか。

ちょっと待ってね、いまわたしもやばいから。

 

”タッタッタッ”

 

トイレトイレッと、あ、比企谷君。

比企谷君も門番?

ん? なんか教室覗いてる。

たしか2-Fはミュージカルって書いてあったね。

よし、わたしもそ~と。

 

「ぼくたちはずっと一緒だ・・・」

 

あ、あれは葉山君か。

こっちの王子様は、え、かわいい、だれ?

 

「ね、王子様だれやってるの、かわいいね女子?」

 

「ああ、あれは戸塚だって、おぃ!」

 

「ん?」

 

「ん?じゃね、ち、近いだろう。 どっから覗いてんだ。」

 

「比企谷君の顔の下。」

 

「いや、お前、そうだけど」

 

「し~、今いいとこ。」

 

「お、おう。」

 

あ~なかなかよかったよ。 

初めからみたかったなぁ。

よ、よし、シフト終わったらって、

あ、やば!

 

「比企谷君、また後から見に来るね。 サラダバー。」

 

     ・

 

はぁ~、すっきりした。

さてと、あんまり休憩長くなったら悪いから戻ろう。

 

     ・

 

げ、入口の前に黒いオーラの塊が。

律儀に立ってるんだね。

でもそのオーラは。

まぁ、こっちは厨房専用の入り口だからいいけど。

 

「よ、衛士殿、ご苦労様。」

 

「またれい、ここを通りたかったら、通行証を見せられよ。」

 

「おい、うざい。」

 

”ぐぅ~”

 

「こ、これはしたり。 まだまだ鍛錬が足りぬ。」

 

「ね、もしかして朝からここ一歩も離れずにいたの?」

 

「ふむ。 大事な役だからって、他にやれる人いないからって頼まれては仕方なかろう。」

 

いや、それって。

まぁ、本人がそれでいいのならだまっていよう。

それより。

 

「それじゃ、お腹すくよね。 ちょっと待ってて。」

 

「いや、これは、その・・鍛錬がね。」

 

”ガラガラ”

 

「お待たせ、ありがとう。

 

 ごめんね、遅くなっちゃった。」

 

「うん、じゃあ、三ヶ木さんわたしもいい?」

 

「うん、ごめんね先行かせてもらって。」

 

”ガラガラ”

 

さてっと、それじゃこの余った粉使って。

 

     ・

 

できた、美佳ちゃん特製ホットケーキ。

いい色に焼けたねぇ。

よしサービスだ、我さんの似顔絵書いちゃおうっと。

チョコペンチョコペンっと。

 

”カキカキ”

 

へへへん、出来た。

我ながら傑作。

昔から、結構うまいんだよね。

これって、絶対、かぁちゃんの血だね。

 

・・・かぁち

 

よ、よし、早速我さんにあげよう。

 

”ガラガラ”

 

「よ、衛士さん、はい通行証。」

 

「お、おう、これは我ではないか・・・・・でもいいの?」

 

「いいから、余った材料で作ったから。

 

 お役目ご苦労様。」

 

「うう。」

 

いや、泣かなくていいから。 そんなに腹減ってたの。

 

「はい、コーヒー。

 

 ゆっくりそこの椅子に座って食べてね、んじゃ。」

 

”ガラ”

 

「あ、そうだ、ねぇ午後も衛士さんすんの?」

 

「いや、いつまでかは聞いていないのだが。

 

 ただここにいてくれとだけしか。」

 

え、そこまで・・・・

ううう、なんか涙が出てきた。

 

「それじゃさ、午後から一緒に回らない。」

 

「ほ、本当?

 

 いや、むはははは、 まぁ、貴殿が是非にというのであればいたしかたない。

 

 ホットケーキの借りもあるのでな、あくまでも仕方なく 」

 

「な、いいよ 一人で回るから。」

 

「いや、一緒に回らせて~」

 

うわぁ、ほんとめんどくさい。

まぁ、わたしも今日生徒会の予定無くなっちゃったから暇なんだけどね。

去年みたいに一人で回るのもなんかさ。

ほら小学校の時みたいに一緒に探検しよう。

 

「けふこん? よかろう、そこまで言うのならついてまいれ。」

 

「へ、三ヶ木女子、キモい。」

 

「お、お前が言うな!」

 

     ・

     ・

     ・

 

「ご苦労さまでした。 交代しま~す。」

 

「あ、ありがとう。お願いします。」

 

はぁ~疲れた。

もうホットケーキはしばらく見たくない。

結構、お客さん来るもんだね。

そんなに男子ってメイドによわいのかなぁ。

今度あの服つくってみようかなぁ。

 

”ガラガラ”

 

「義輝君、お待たせ。 じゃあ行こう。」

 

「うむ。」

 

「よし、材木座探検隊出発。

 

 まず何かお昼ご飯食べよ。」

 

     ・

     ・

     ・

 

「ありがとうございます。」

 

え、それも買ったの。

さっきたこ焼き食べたじゃん。

た、食べすぎじゃない。

 

「すまぬがこれを一つ。」

 

いや、ハニトーはやめろ。

いいかげんカロリー取りすぎだって

 

「義輝君、もうやめな、 食べ過ぎだよ。」

 

「むはははは、我の胃袋を甘く見てるのではないか?

 

 これぐらいは腹三分目。」

 

げ、これで三分目って。

こいつと一緒になったら、食費いくらあっても足りない。

む、無理だ。

でも、作った食事、いっぱい食べてくれたらうれしいかも。

 

     ・

 

「ひぎゃ。」

 

「ぐぇ。 や、やめ、シャツ引っ張るな。」

 

まったく、義輝君がお化け屋敷入ろうっていったのに。

こ、こら背中に隠れるんじゃない。

男だったら前歩きなさいって。

わたしも怖いんだよ。

お、押すなぁ~

 

”ベシ”

 

「げふ。」

 

まったく、こいつは。

 

     ・

 

「はい、あと二人だよ。 参加者いないか~」

 

なんだろう、あ、椅子取りゲームやってんだ。

え、優勝賞品出るの

優勝賞品はっと、あ、アカ俺のポスター。

あれって非売品の奴だよね。

確か雑誌の抽選の奴だ、いいなぁ。

 

「・・・・あれほしいなぁ。」

 

「ふむ。」

 

”ぐぃ”

 

お、おい何? 義輝君ちょっと引っ張らないで。

 

「我らも参加したいのだが。」

 

「はい。 人数揃ったので締め切ります。」

 

「のう、三ヶ木女子、我が優勝してあのポスターを取ってやろう。 」

 

「ほんと、義輝君。 よ、よし頑張って優勝しょう。」

 

えっと、どんな人が参加するのかなぁ。

あ、比企谷君と・・・・・由比ヶ浜さん。

一緒に参加してるの?

だって比企谷君、今日クラスのほうで回れないって。

・・・うそつき。

 

「ひ、比企谷君もでるの?」

 

「おう、お前、材木座と回ってるのか。」

 

「え、あ、う、うん。 義輝君、幼馴染だから。」

 

「そ、そうなのか。」

 

「比企谷君は由比ヶ浜さんと?」

 

「あ、三ヶ木さん。うん、休憩時間合ったから一緒に回ってるんだよ。」  

 

「あ、そ、そうなんだ。比企谷君もしかしてアカ俺好き?」

 

「あ、ちがうよ。 ヒッキーはあの横のやつだと思う。」

 

「え、横のやつってプリキラ―じゃん。」

 

「うん、なんかあれ非売品なんだって。

 

 ヒッキー、プリキラ―大好きだから。

 

 日曜日は絶対午前中は外出しないって小町ちゃんが言ってたよ。」

 

「小町ちゃん?」

 

「あ、ヒッキーの妹さんだよ。」

 

「由比ヶ浜さん、比企谷君のこといっぱい知ってるんだね。」

 

「え、あ、そ、そうかなぁ。 ほ、ほら部活同じだから。」

 

「部活って奉仕部?」

 

「うん、そうだよ。 ヒッキーと、あたしとゆきのんの三人の部活なの。」

 

ゆきのん? ああ、雪ノ下さんね。

いいなぁ。

わたしも生徒会終わったら奉仕部いれてもらおうかなぁ。

 

「はい、それでは説明しますので、参加者の方集まってください。」

 

は、そ、そうだ、いくら比企谷君とはいえ負けられん。

だって、あのポスター、ほらイレギュラーヘッド包帯男バージョンなんだもん。

なかなかないんだよ、包帯男バージョン。

包帯の中から光るあの瞳、うう、しびれる~、絶対ほしい。

 

「えっとルールを説明します。

 

 基本は通常の椅子取りゲームです。

 

 違う点は、椅子のクッションのなかにブ~ブ~クッションが入ってるものがあります。

 

 椅子に座れても、ブ~ってやってしまった人も失格になりますので気を付けてください。

 

 えっと何か質問はありますか? 

 

 無いようですのでスタートします。 位置についてください。」

 

ぜ、絶対負けないからね。

 

     ・

 

チャチャチャラ♬

 

「ピー」

 

”ブ~”

 

「由比ヶ浜。」

 

「いや、ち、違うからね、ヒッキー。

 

 ほ、ほ、ほらブ~ブ~クッションだからね、あたししてないから。」

 

「わかった、わかったって。 そんなに必死にならなくてもいいから。」

 

「ほ、ほんとだからね。」

 

「わ、わかったから。」

 

     ・

 

チャチャチャラ♬

 

「ピー」

 

”ブー。”

 

げ、いまの、義輝君もしかして

そ、それに、く、くさ~い。

 

「お、おい材木座!」

 

「ひぎぃ、ち、ちがう、今のはブ~ブ~クッションで 」

 

「おい、ちげ~だろう。」

 

「中ニ、最低だ。」

 

「義輝君、退場!」

 

「そ、そんな。」

 

まったく、やっぱここは自分だけが頼りだね。

くっそ、負けんからね。

 

チャチャチャラ♬

 

まずはゆっくり椅子の周りを歩いて、ほら前の子との距離が開くでしょ。

そしてわたしの後ろは渋滞。

 

そこで音楽が止まるとね、

 

チャチャチャラ♬

 

「ピー」

 

ほら、目の前の椅子が空いてる。

そんで後ろ詰まってるから、後ろは椅子の取り合い。

へへへん、ほら座れた。

あとはブ~ブ~クッションだけ怖いんだよね。

・・・・だって比企谷君の前でブ~はいやだ。

 

チャチャチャラ♬

 

「ピー」

 

よし、後は、ひ、比企谷君一人。

イレギュラーヘッド、もう少しだよ、もう少し待っててね。

 

「さぁ、残りはあと二人です。

 

 ではお二人に、決勝の意気込みを聞いてみましよう。」

 

「三ノ下、いっとくが絶対負けない。」

 

ひど、まだ名前間違えてる。

は、もしかしてもう勝負始まってる?

これも駆け引きなのかも。

 

「八幡、こういう時は女子に勝利を譲るのか本当の戦士であろう。」

 

「材木座、それは過去の話だ。 

 

 今は男女平等社会、いや女尊男卑の社会。 この勝負は絶対譲れん。

 

 それに、あんな目の腐ったやつのポスターがほしいなんて言うやつに負けるわけにはいかん。」

 

「え、それヒッキーが言う?」

 

「えっと、お取込み中すみません。 こっちの女子、意気込みを。」

 

「き、貴様、わたしのイレギュラーヘッドを馬鹿にしたな。

 

 絶対許せん。 こ、このロリコン変態。」

 

「ばっか、俺はロリコンじゃない。」

 

ロリコンじゃん、どう見たって。

わたし、そっち系の服持ってたかなぁ。

 

「それでは、お二人さん、後ろを向いてください。

 

 さ、さぁ、最後の勝負です。

 

 二つの椅子のどちらかが、ブ~ブ~クッションになってます。」

 

ごめんね。窓ガラスに映ったの見っちゃった。

左のほうがブ~ブ~ね。

 

げ、なに比企谷君その笑みは。

は、もしかして比企谷君も見てたの。

これは瞬発力の勝負だ、集中しないと。

 

それではお音楽スタート。

 

チャチャチャラ♬

 

よ、よし仕掛けてやる

ほらフェイント!

ぐ、引っかからんな。 さすが比企谷君。

 

この環境ではゆっくり歩きも使えないし。

とにかく、音楽に集中するしかない。

 

「イレギュラー・・・結婚・・・なんだ。」

 

ん、独り言? でもイレギュラーヘッドが何とかって?

き、気になる。

なんだ、なに言ってんだ。

 

「イレギュラーヘッドって、結婚して子供もいるんだよな。」

 

「え、うそ。」

 

チャチャチャラ♬

 

「ピー」

 

あ、し、しまった。

く、くそ~、こっちはブ~ブ~さんの椅子。

は、もしかしてブ~さえならなければ、もう一回やり直しってことに。

よし、気付かれないようにお尻を椅子から浮かして。

スカートだから気付かれないよね。

ぐうう、きつ~、足震えてきた。

 

「あれ? おっかしいなぁ、音ならないよね。」

 

ふふふ。さぁやり直すんだ、今度は負けないから。

 

「ははは、三ノ下、勝負あったな。」

 

いや、三ノ下じゃないって。

え、なに? こ、こっちこないで比企谷君。

 

「ご苦労さん。」

 

「いや~、触らないで、変態。」

 

”ぽん”

 

触っちゃだめだって。

 

あ~

 

”ブ~”

 

ま、負けた。 しかも比企谷君の目の前でブ~て聞かれた。

はずかしい。

 

「八幡、貴様血も涙もないのか。」

 

「い、いいよ、義輝君、勝者の当然の権利だよ。

 

 さ、敗者は消え去るのみ。

 

 あ、比企谷君、最後に、さっき呟いていたけど、イレギュラーヘッドって

 

 ほんとに結婚してるの?」

 

「お、おう、本当だ。 だけどよく知ってたなあんな不気味なモノクロ映画。」

 

「へ? な、なんのこと?」

 

「イレイザーヘッドていうモノクロ映画のことだが。」

 

「ひ、ひど。 まぁ、いいや。 おめでと比企谷君。

 

 いこ、義輝君。」

 

くそ、比企谷君卑怯だよ。

まぁ、わたしもフェイントとか使ったけど。

勝負の最中に敵の言葉に惑わされたわたしが未熟だってことだ。

 

     ・

 

「はい、優勝おめでとうございます。

 

 それでは優勝商品をどうぞ。」

 

「・・・・・あ、じゃあこれを。」

 

     ・

     ・

     ・

 

ううう、負けた~

くやしい、なんかドンドン悔しくなってきた。

わたしのイレギュラーヘッドが。

 

「義輝君、くやしいよ~」

 

「三ヶ木女子、元気だすのだ。

 

 そうだ我が何か奢ってやろう。」

 

「え、ほんと。 

 

 じゃあ、まずあのクレープ。」

 

「え、あ、あのぉ、三ヶ木女子、いま、まずって言わなかった?

 

 まずって。」

 

「ほら行くよ。 そんな小さいこと気にしない。」

 

     ・

 

「はい、まいどありぃ。」

 

「み、三ヶ木女子、それも食べるの?」

 

「おう、義輝君、奢ってくれるって言ったもん。」

 

「い、いや、しかしすこし食べ過ぎでは?」

 

「はぁ? まだ腹二分目だよ。 

 

 そんで明日の分も食べとくの、文句ある?」

 

「いや、あ、ありません。 あのぉ、我にも少し頂戴。」

 

     ・

     ・

     ・

 

いや、食った食った。

う~、でも、くそー気が晴れない。

さっさと帰って録画したやつ見よう。

あ、その前に、明日のお弁当の買い物、義輝君の分と三人分

・・・・いや五人分か、買ってこなくちゃ。

奢ってもらいっぱなしじゃ悪いからね。

うんと美味しいの作ってあげよう。

でも、三人分で足りるかなぁ。

 

”ぱこ”

 

い、だ、だれあたま小突いたの

 

「あ、比企谷君。」

 

「ほれ。」

 

「あ、はい。

 

 ・・・・え! こ、これって、でもなんで。」

 

「まぁなんだ、よく見たらあのポスターだが、俺持ってたわ。

 

 二つあっても仕方ないからな。」

 

「ほんと、うれしい、ありがとう。」

 

”だき”

 

「お、おい、ばっかやめろ。」

 

「あ、ごめん。」

 

「いや、もう少しいいけど。」

 

「はぁ?」

 

「いや、なんでもない。 じゃ、じゃあな。」

 

「うん、比企谷君、ありがとう。」

 

 

 

 

‐‐‐‐‐‐‐‐

 

 

 

 

う~ん暇だ。

二日目は朝から生徒会室詰め。

副会長、今日も交代のシフト組んでくれてたけど、今日は絶対わたしがやるんだって

破棄しちゃった。

だって、今日はみんなの高校生最後の文化祭だもん、楽しんでほしいなぁ。

 

     ・

 

しかし暇だな。

あ、そうだ、おトイレの場所わかるように地図書いておこう。

小さい子にもわかるようにっと。

 

・・・

 

”ガラガラ”

 

「お~い、美佳いる?」

 

「あ、めぐねぇ。」 

 

「おう、当番ご苦労様。」

 

”どさ”

 

「あ、ハニトーだ。」

 

「ふふん、差し入れ。 今日ごめんね。でも本当にいいの?」

 

「うん。 折角、副会長がシフト考えてくれたんだけど、今日はわたし一人で大丈夫。

 

 ・・・あんね、だって最後だもん。 みんなが楽しんでくれたほうがうれしい。」

 

「そう。 よし、ほれこれもあげる。」

 

”カタ”

 

「あ、ミルクティ―。」

 

「他に何かほしいもんない?」

 

「え、奢り? じゃあ、焼きそばとたこ焼きとそれに・・・」

 

「ちょっとまった! まったく、タダだと容赦ないね。」

 

「だって育ちざかりなんだもん。」

 

「うん、確かにまだまだだね。」

 

「あ、いまどこ見って言ったの! めぐねぇよりあるんだからね。」

 

「あはは、そうしておいてあげる。 じゃあ、また後から来るね。」

 

「うん、いってらっしゃい。」

 

     ・

     ・

     ・

 

くっそ、本当は電話なんかしたくなかったのに。

ご、ごめんね。

 

「めぐねぇ、行けそう?」

 

「うん、大丈夫。 2-Cの近くにいるからすぐ行くね。」

 

「うん、あ、でもなんか他校の男子生徒らしいんだけど、めぐねぇ大丈夫?」

 

「大丈夫だよ。ちょっと待ってね。」

 

”ピーー”

 

「みんな、いる?」

 

「は、ここに。」

 

「美佳、生徒会のみんな一緒だから大丈夫だよ。」

 

「うん、お願いします。」

 

ふう、みんながいるのなら大丈夫だ。 

でも、ごめんね折角楽しんでるところ。

 

「あ、あのう。」

 

「あ、連絡ありがとう。もう大丈夫だよ、生徒会のみんな向かってくれたから。」

 

「ああ、よかった。 だってクラスの男子ビビッて何もできないんだもの。」

 

「そうだよね。 だけどほんとしつこい男だったもんね。」

 

”ガラガラ”

 

「じゃあ、ありがとう三ヶ木さん。」

 

「うん、今日クラスのほういけないけど頑張ってね。」

 

     ・

     ・

     ・

 

”ガラガラ”

 

あれ、どうしたんだろう? 幼稚園ぐらいかなぁ

 

「なにか御用?」

 

「うぇ~ん。」

 

「泣いてばかりじゃわからないよ。」

 

「お姉ちゃんが犬に追いかけられてるの。」

 

え、犬? どっかから紛れ込んだの?

ちゃんと校門前でチェックしてるのかなぁ。

えっと保健衛生の部長に連絡しなくちゃ。

 

「早く、早く来て、おねぇちゃんが追いかけられてるの。」

 

「う、え~い。 わかった、一緒に行こうね。」

 

えっと、だれか総武高の生徒いないかな。

あ、いた、いた!

 

「あ、あのすみません、この子のお姉さんが犬に追いかけられてるみたいなの。

 

 ちょっとだけ生徒会室の留守番お願いできませんか?」

 

「え?」

 

「すぐ戻りますので、お願いしますね。」

 

「え、あ、ちょっと待って。」

 

「お願いします。」

 

”タッタッタッ”

 

「なんなんですか、もう~」

 

     ・

 

「ね、どこ?」

 

「あのね、そこ曲がったとこ。」

 

「わかった。 ね、ここにいてね。

 

 絶対きちゃだめだよ、危ないから。」

 

ふー、はぁー。

よ、よしいくよ。

顔だけはよしてね。

せ~の。

 

「こら! ・・・・・・・へ?」

 

「きゃん!」

 

「え、いや、きゃんって。」

 

「きゃん、きゃん。」

 

「きゃ~ こっちきた。」

 

「あ、こっちだよ。こっちおいで」

 

あ、あの、あのさこれってチワワっていうやつだよね?

じゃれてるだけ・・・・だよね。

 

「きゃん、きゃん」

 

はぁ~、いや、確かに追いかけられてるけどさ。

まぁ、でもよかった。

だけどさ、どこの犬だろう?

 

「こっちおいで。」

 

うんしょっと。

 

「きゃん、きゃん。」

 

ん、首輪してるね。

まぁ、チワワだもん飼い犬だね。

でも、犬の持ち込みは禁止してるはずだから。

 

「ねぇ、この犬はあなた達の?」

 

「うううん、ここにいたの。」

 

「そう、遊んでるとこごめんね。

 

 他の人の迷惑になるといけないから連れていくね。」

 

「は~い。 じゃ、あっち行こ。」

 

「あ、妹さんそこの角にいるから」

 

「は~い。」

 

「きゃん、きゃん。」

 

”べろべろ”

 

おい、やめろ、顔はやめて。 だってわたし女優だから。

 

     ・

     ・

     ・

 

”ガラガラ”

 

「ごめんなさい、お待たせしました。

 

 あの~、誰も来ませんでした?」

 

「あ、トイレ探してる人来たので、この地図渡しておきましたよ。」

 

「あ、ありがとうございます。

 

 あの~、ごめんね。」

 

「本当ですよ、これから葉山先輩のバンド見に行くとこだったのに。

 

 いい席取られちゃったかもです。

 

 でも、これが言ってたワンちゃんですか。」

 

「うん、なんかじゃれてただけだったみたい。」

 

”べろべろ”

 

「あはは、かわいいですね~。」

 

’なぜなぜ”

 

「まぁ、よかったです、なんともなくて。

 

 それじゃ、もう行きますね。」

 

「あ、ほんとにありがとうね。」

 

「はい。 それではです えへ♡ 」

 

な、なに、かわいい。 めっちゃかわいい。

あんな娘もいるんだね。

多分一年の娘だと思うけど。

雪ノ下さんといい、由比ヶ浜さんといい、この学校レベル高すぎない?

はぁ、いいなぁ。

 

”べろべろ”

 

ひゃぁ、お前、わたしのファーストキッスを。

あ、そんなことしていられないや。

会議室、だれがいたっけ。

 

はぁ! ちょっと待った。

わたしのハニトーが、まだ半分残ってたはずなのに。

 

あ、あのジャリ、くそ~食べやがった。

 

     ・

     ・

     ・

 

"モミモミ”

 

「あ~楽になった。 ありがとねお嬢ちゃん。」

 

「おばぁちゃん、もう大丈夫ですか?」

 

「ええ、お嬢ちゃん、腰だけじゃなく肩を揉むのも上手だね。

 

 すごく楽になったよ。」

 

「ほんと? あのね、いつもとうちゃんの肩とか揉んでるから。」

 

「そう、お父様の肩を揉んであげてるの?」

 

「うん、だってね、とうちゃんのおかげで高校通えてるんだもん、感謝しなきゃ罰が当たるよ。」

 

「お嬢ちゃん、お父様好きかい?」

 

「うん、大好き。」

 

「そうかい、それじゃ、そろそろ行くかね。

 

 ごめんなさいね、すっかり長居しちゃって。」

 

「歩ける? あ、校門まで送るね。」

 

えっと大丈夫だよね。 もうご来場者の方帰られてる時間だから。

誰も来ないよね。

えっと鍵だけかけてっと。

 

”ガチャ”

 

はい、お待たせしました。

 

あ、あれ? あそこにいるの庶務先輩?

なんかきょろきょろっと。

誰か探してるのかなぁ

 

そういえば、なんかめぐねぇが呼んでたような気がする。

あとで、電話して聞いてみようっと。

 

     ・

 

げ、なにあれ?

校門の前に黒塗りの車。

あれってあの関係の車じゃないよね。

 

「あ、お嬢ちゃん、ここまででいいよ。」

 

「会長、お帰りなさい。」

 

「ああ、黒岩、待たせたね。」

 

”バダン”

 

「じゃあね、お嬢ちゃん。 あ、そうだ、孫が入学出来たらよろしくね。」

 

「え、あ~、お孫さんの志望校を見に来たんですか?

 

 入学できるといいですね。」

 

「それじゃあね。」

 

”ブー”

 

は、お孫さんって、名前聞くの忘れた。

ま、まぁいいや。

そうだ、そろそろエンディングセレモニーの時間だ。

体育館行かなくっちゃ。

 

     ・

     ・

     ・

 

え、なにこの雰囲気。

なんか噂話してるけど。

なんか、小学校の時に感じてた雰囲気に似てる。

なんで。

 

あっ比企谷君、椅子運んでるんだ。

わたしも運ぼうっと。

 

「比企谷君ご苦労様。ステージ裏に運ぶんだよね。」

 

「いや、いい。」

 

「え、あ、大丈夫だよ。 わたしこれでも結構、力あるんだよ。」

 

「いらんていってんだろう!」

 

「はっ、ご、ごめんなさい。 う、う、うわぁ~ん、ごめんなさい。

 

 ごめんなさい。ごめんなさい・・・・」

 

「あ、いや、す、すまん。」

 

「うわぁ~ん。」

 

「な、なぁ、悪かった、泣きやんでくれ。」

 

「嫌だ、ゆるさないもん、びっくりしたんだもん。」

 

「怒鳴って悪かった、ゆるしてくれ。」

 

「う、う、んじゃあ、一緒に椅子片付けてもいいなら許してあげる。」

 

「わ、わかった。 そのかわり俺と喋るな、絶対だ。」

 

「え? なんで。 ・・・・わからないけど、わかった。」

 

なんで話したらいけないの。

なんかわけわからないよ。

比企谷君が怒鳴るなんて初めてだ。

ちょっとびっくりしちゃった。

それで、それでね、なんかものすごく悲しくなっちゃって。

でも、でも一緒に椅子運べるから、わたし我慢するね。

 

うんしょうんしょっと。

えっと、あ、この運搬台車に乗せるんだね。

 

む~、もうこれ以上乗らないかなぁ。

あ、上のほう乗せられそう。

うんしょっと。

 

あ゛っ!

 

”ガラガラ、ガシャーン”

 

いったぁ~・・・・くないよ。

なんで?

ん、なんか重たいけど。

 

はっ!

 

「ひ、比企谷君、だ、大丈夫。」

 

「三ヶ木、け、ケガないか? どこか打ってないか?」

 

「大丈夫だよ。 だって比企谷君がかぶさってくれてるから。

 

 ・・・・・え、い、いま三ヶ木って。」

 

「え、あ、いや。

 

 まぁ、お前に怪我がなくてよかった。」

 

「うん。」

 

”きゅん”

 

はぁ、な、なにこの胸の鼓動。

やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい

 

・・・・・やば~い、心臓が飛び出ちゃう。

 

「ひ、ひ、ひ、比企谷君こそ、け、怪我しなかった?」

 

「ああ、大丈夫だ。 こう見えて結構打たれ強いんだ俺は。」

 

「比企谷君♡」

 

「あ、い、いや、なんだ、椅子、も一回積み直さないとな。」

 

「ごめんなさい。」

 

「バッカ気にすんな。 ふ、二人でやればすぐ終わるだろう。」

 

「うん。

 

 ・・・・・あ、あのね。わたし信じてるよ。

 

 何があったかわからないけど、わたしは比企谷君を信じてる。」

 

「はぁ? お前、なんでそんなに俺のこと信じられるんだ。」

 

「だって。」

 

馬鹿、何でそんなこと聞くのよ。

何でって決まってるじゃん。

 

『これお前のだろ。

 

 ・・・今日風が強いだろ、結構飛ばされて。

 

 すまん、なかなか見つからず、大分遅くなっちまった。』

 

『あ、あのな、これ買ったばっかりだから。

 

 まだ一度も着てねぇ~から。

 

 なんだ、嫌でなかったら、これ着ていけ。 』

 

『・・・まぁ、だから俺のことは気にするな。』

 

『・・・お前は生徒会だ。 俺にはどこから見ても生徒会役員にしか見えない。』

 

『その方法だと犠牲者出ちまうじゃねえか。

 

 ・・・お前が掲示班のみんなの楽しみを奪っちゃうんだぞ。俺はやっぱり反対だ。 

 

 まぁ、俺も考えてることがある。 だから、お前は無理、いや、邪魔するな。』

 

『まぁ、お前に怪我がなくてよかった。』

 

へへへ、わたしはもうあなたの優しさを知っている。

わたしが泣いただけでオロオロして。

それで自分のことよりわたしのこと心配してくれて。

 

わたしね、もうわかったの、あなたに・・・・・・・惚れちゃったんだって。

だから、だからね、これからももっとお話ししたい。

もっといっぱいお話して、比企谷君のこと知りたい。

わたしのことも少しでいいからわかってほしい。

だからね、

 

「あのさ、何で信じられるかって? 

 

 決まってるじゃん、その目、目だよ。

 

 イレギュラーヘッドにそっくりなんだもん。

 

 そんな人に悪い人いないじゃんか。」

 

「そ、そんなことでか。」

 

「そ、そうだ、あったりまえじゃん。

 

 だから、頑張って椅子片付けよ。」

 

「あ、ああ。 ・・・・そうだな。」

 

 

 

 

‐‐‐‐そして現在 生徒総会‐‐‐‐

 

 

 

 

はぁ、結局無理ばっかりしてあのバカは。

もう、自分を傷つけないでね。

ってわたしが言っても聞いてくれないよね。

 

でも、ごめんね。

わたしがあのとき、そんなはずないって。

相模さんに委員長の職を全うさせるためだって、もっと強く早めにあの噂を潰せたら。

うううん、原因となったあの二人を口留めできてたら。

いまなら百倍にしてやっつけてやるのに。

 

ちがうちがうそんなんじゃない。

わたしが、わたしたち生徒会がほんとは相模さんをもっとサポートできてたら。

・・・・・ごめんね比企谷君。

あなた一人に押し付けちゃって。

 

わたし、わたしはやっぱり

 

”がた”

 

比企谷君が大好きなんだ。

 

「み、三ヶ木先輩、どうしたんですか?

 

 急に立ち上がって?」

 

「え、あ、あ~ ご、ごめんなさい。

 

 なんでもないです。」

 

”がやがや”

 

「あ、すみません。 他に質問等ないようでしたら生徒総会を終わります。

 

 では会長お願いします。」

 

     ・

     ・

     ・

 

「ふ~、みんな、ご苦労様でした。」

 

えっとなんか忘れているんだよね。

なんだったけ。

ん~、なにかなにかっと。

 

「あ゛ー」

 

「へ、な、なんですか美佳先輩、またしても。」

 

「あ、いえ、な、なんでも。」

 

忘れてた。 そうだあの脇机の中

ず~っと入れっぱなしだった。

つい文化祭忙しくて。

まだあったよね。

 

「会長、さき生徒会室戻ってます。」

 

「あ、はい、じゃ、カギよろしくです。」

 

「はい」

 

     ・

     ・

     ・

 

急げ、走らない程度に急げ。

たしか、入れっぱなしだったんだよ間違いない。

 

”ガラガラ”

えっと脇机の中っと。

 

”がさがさ”

 

ほ、ほらあった。

 

へへへ。

 

「あれ、三ヶ木どこ行くんだ?」

 

「あ、あの、ごめん、ちょっとね。」

 

     ・

     ・

     ・

 

今日は総会終わったら下校だったから、まだ帰ってなければいいんだけど。

えっと2-Fの自転車置き場はここだよね。

あ、あった。 自転車まだあった。

えっとカラオケまではまだ時間あるから、ちょっと待ってよ~と。

 

     ・

     ・

     ・

 

まだ来ないかなぁ、今日、部活に行ってるのかなぁ。

う~ん、ちょっと奉仕部まで見にいこうかな。

よし行ってみよう。

 

あ、来た。 

えっとどっか隠れてっと、ぐへへへ。

 

     ・

 

”どん”

 

「うはぁ、お前あぶね~じゃねえか、後ろから急にはやめろ。」

 

「へへへ。」

 

「な、なに、なんでにこにこ笑ってんだ?」

 

「へへへ、あのさ、あのね、これな~んだ。」

 

「お、おう、それジャガーさんのサインじゃねえか。」

 

「うん、はいあげる。」

 

「え、いいのか。 なんだどうしたんだ。」

 

「受け取ったね、もう返品利かないんだからね。」

 

「お、おう、クーリングオフもないのかよ。

 

 は、まさか金よこせって。」

 

「ちが~う。 まったくわたしのこと金の亡者みたいに思ってない?

 

 あのね、憶えてるでしょ、約束守ってね。」

 

「約束?」

 

「あ~完全に忘れてるじゃん。 ほら、あの文化祭の時の約束。」

 

「ん~? なんだったか。」

 

「一緒に、お・で・か・け してくれるんでしょ。」

 

「はぁ? なにそれ。」

 

「え~約束したじゃん。 ジャガーさんのサインあげたら一緒にお出かけしてくれるって。」

 

「いや、え、そんな約束してたっけ。」

 

「うん、した。絶対、厳密に。」

 

「いや、ほら、たしかお前の誕生日の時、一緒に映画とか。」

 

「あれはあれ。 まだ、サインあげる前じゃん。

 

 ね、どこか行こ。 や・く・そ・く えへ♡」

 

「いや、お前今日どうかしたのか? なんか変なもん食ったんじゃね?

 

 まぁ、約束なら仕方ねぇな。 で、どこでもいいのか?」

 

「うん、あのね、・・・・・・・・比企谷君と一緒ならどこでもいい。」

 

「お、おい、勘違いするようなこと言うんじゃねぇ。

 

 なに奢ってもらいたいんだ。」

 

「ばっか!」 

 

”ベシ”

 

「ぐはぁ」

 

「あのね、時間とか待ち合わせ場所とかどこでも合わせるから連絡してね。

 

 じゃあ、待ってる。」

 

「お、おう。」

 

やった! 比企谷君、お出かけいいって。

へへ、さっそく服買いに行こう。

だって、折角のお出かけなんだもん。

えへ、その日がいい日になりますように。




今回も最後まで、ありがとうございました。

字数が12000字と話を詰め込み過ぎて読みにくかったものと反省しています。

次話より新章となりますが、もう少し読みやすくできたらと。

今回、改めて八幡への想いを確かめたオリヒロですが・・・・

また、見に来ていただけたらありがたいです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。