似て非なるもの   作:裏方さん

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今回も見に来ていただきありがとうございます。

この駄作も折り返し点を過ぎ、いろいろ動きが・・・・

読みにくく申し訳ありませんが、

今回も最後までお付き合いいただければありがたいです。



生徒会室の長い放課後

"ドン”

 

「いた。 おい、急に背後から鞄はやめろ。

 

 むち打ちになるだろうが。」

 

「いつなのよ。」

 

「はぁ? 何のことだ。」

 

”ベシ”

 

「ぐはぁ!」

 

「どこか出かけようって言ったじゃん。」

 

「まて、俺は言ってない。 お前が言ってきたんだろうが。」

 

「約束したもん。」

 

「また、いつかそのうちにな。」

 

「酷い、わたしジャガーさんのサイン巻上げられたんだ。

 

 比企谷君に騙されたんだ。」

 

「おい、やめろ、冗談でなくなるから、通報されるから。

 

 わかってるって、絶対連れていくからちょっと待てって。」

 

「じゃあ、今度の土曜日。」

 

「だめだ。」

 

「え~何か用事あるの。」

 

「用事? まぁ兎に角、今度の土曜日はまだ駄目だ。

 

 まぁ、また連絡するから。 じゃあな。」

 

「う、うん。」

 

”スタスタ”

 

「どこか行く約束か?」

 

「う、うん。 ん? あ、い、稲村君。」

 

「ご苦労さん、三ヶ木。」

 

「あ、あのさ、今の聞いてたの。」

 

「いや、だってほら、生徒会室そこだろ。」

 

「・・・ごめんなさい。」

 

「何で謝る。 生徒会室行くぞ。」

 

”ガラガラ”

 

やば、どこから聞かれてたんだろう。

まさかいるなんて思ってなかった。

 

’ガタ”

 

うんしょっと。

 

「・・・・」

 

稲村君機嫌悪そう。

なんか生徒会室入ったら、ノート広げて勉強始めちゃったよ。

いつもだったら、なんか今日の授業はなんだかんだって、

うるさいほど話しかけてくるのに。

 

で、でもいいじゃん、別に付き合ってるわけじゃないんだから。

わたしがだれと出かけようと勝手じゃん。

 

・・・・だめかなぁ。

 

     ・

     ・

     ・

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

ん~、いつもの通り話しかけてくれない。

なんかこっちからも話しかけにくい雰囲気だし。

そ、そんなに怒んなくてもいいと思うんだけど。

 

     ・

     ・

     ・

 

”カタ”

 

はっ、あ~びっくりした。

シャーペン置いただけか。

う~、でも何で誰も来ないの。

ジャリっ娘、書記ちゃん、本牧君、誰でもいいから早く来て。

い、胃が痛くなってきた。

 

     ・

     ・

     ・

 

ん~、空気が重いよ~。

稲村君、一言も口きいてくれないし。

なんかず~と勉強ばっかりしてる。

どうしょうかなぁ。

やっぱ、謝ろうかなぁ。

で、でもさ、わたし謝るのもなんかおかしいと思うし。

 

・・・・・あ、そ、そうだ。

 

「あ、あのさ、稲村君。」

 

「ん?」

 

「あ、あの、そ、その~、こ、紅茶淹れようと思うんだけど、飲まない?」

 

「ん? ああ、頂く。 頼む。」

 

「うん。」

 

ふぅ~。

や、やっと口聞いてくれた。

よ、よし、めっちゃ美味しいの淹れてびっくりさせてやる。

 

”ガチャ”

 

うわぁ、相変わらず、会長のものばっかりだねこの冷蔵庫。

えっと、おいしい水、おいしい水っと。

あ、そうだ。今日は特別奮発だ。

雪ノ下さんにもらった紅茶使ってみよう。

この前、奉仕部でご馳走になったやつ、あれめっちゃ美味しかったなぁ。

よ、よしあの味を超えてやる。

 

「えいえい、おー!」

 

「ど、どうしたんだ急に?」

 

「え、あ、いや、その~、な、何でもない!」

 

 

     ・

     ・

     ・

 

「ふふふっふふ~ん♬ ふんふんふ~ん♬」

 

へへ、でっきた♡

ん~、いい色だね、琥珀色の宝石。

どれどれ、あ・じ・み。

 

”ゴク”

 

ん~、美味しい。 

やっぱり紅茶の基本は水と温度だね。

あとは茶葉の量と蒸らし時間。

 

やったね、我ながらよくぞここまで。

って、まだまだ、雪ノ下さんの淹れてくれた紅茶には及ばないや。

こんどまた奉仕部に修行に行ってこようっと。

 

でも、今日みんな遅いね。

どうしたんだろう。

ずっと稲村君と二人っきりだよ。

は! な、なに? なんか視線感じるんだけど、も、もしかして。

 

「やっぱ、三ヶ木のその姿良いなぁ~」

 

は、な、なに急に何言ってんだ。

びっくりした。

やっぱりさっきからずっと見てたのかよ、こいつ。

 

「な、なにジロ見してんのよ。 な~んかキモ。」

 

「だってな、そんな風にティーポットとにらめっこしてる三ヶ木って、

 

 いつ見てもなんかいいなぁって思うんだ。

 

 ほんと、その姿、俺は好きなんだ。」

 

「ば、ばっか、 あ!」

 

”ガチャーン”

 

「あちぃ!」

 

「大丈夫か三ヶ木、火傷しなかったか?」

 

「あ、大丈夫だよ、ちょっと熱かっただけだから。」

 

「いや、ほらすぐ冷やすぞ。」

 

「あ、ちょ、ちょっと稲村君?」

 

”ガラガラ”

 

な、ちょ、ちょっと稲村君、大げさだって。

だ、大丈夫だから。

ちょっと指にかかって熱かっただけだから

それに廊下は走ったらダメだって!

わたし達、一応生徒会なんだから。

 

”ジャ~~~”

 

「火傷の時は、念のためよく冷やさないと、跡が残ったりして後悔するぞ。」

 

「うん、だけどほんと大丈夫だよ。 ほら。」

 

「うん、どれ良く見せてみろ。」

 

へへ、そんなに真剣に見つめないでよ。

心配してくれてありがとう。

でも、ほんと大丈夫だよ。

 

”スタスタ”

 

「あ、美佳っち、やっはろ~、あのね今日奉仕部休みだから駅前のケーキ屋さんって、

 

 あ、あっ美佳っち、ご、ごめん。」

 

”タッタッタッ”

 

「え、結衣ちゃん?

 

 あっ、おい、いつまで手握ってんだ、馬鹿もの。

 

 結衣ちゃん、ま、待って~

 

 ち、違うんだよ~」

 

     ・

     ・

     ・

 

はぁ、はぁ、はぁ。

結衣ちゃんってこんなに走るの早かったっけ?

あんなに重たそうなものついてるのに。

仕方ない、電話しようっと。

 

”ブ~、ブ~”

 

へ、あ、結衣ちゃんからメール?

 

『美佳っち、頑張ってね。(∩˃o˂∩)♡ 』

 

絶対、勘違いしてるよ。

もう。

 

”ガラガラ”

 

あ、稲村君掃除してくれてる。

やばいやばい。

 

「あ、稲村君、ごめん、わたしが片付けるよ。」

 

「もう終わった。 指が切れるといけないから任せとけ。

 

 それより本当に指の火傷は大丈夫か?」

 

「うん、心配してくれてありがとう。

 

 ごめんね、いつも心配かけてばっかりだ。」

 

「もう慣れた。」

 

「ひど、そんなに心配かけてないじゃん。」

 

まったく、そんなに心配かけてないはずだよね。

ってどの口が言ってんだか。

でもさ、わたしはあんなやり方しかできないからさ。

これからも心配かけるけどごめんね。

 

「それよりさ、みんな遅いね。」

 

「みんなって、2年生は職場見学だから会長と書記ちゃんは今日来ないぞ。

 

 本牧はなんか先生に呼ばれてたから遅れると思う。」

 

「え、そ、そうなんだ。」

 

げ、うそ~、これってまずくない。

そ、そうだったんだよ。

職場見学の後は自由解散だったんだ。

 

本牧君がくるまで稲村君と二人っきりだ、だ、大丈夫だよね。

変な感じにならないよね。

そうだ、わたしが変に意識をしちゃいけないんだ。

平常心、平常心っと。

 

「えっと紅茶。 あ、稲村君のコップ割っちゃったんだ。

 

 ごめん、弁償するね。」

 

「ああ、安もんだからいいって。 学校にいいもの持ってくるわけない。」

 

「あ、ありがとう。 でも紅茶どうしょっか?」

 

「うん? ああ、じゃあこれでもらうからいいよ。」

 

「え、でもそれわたしのじゃん。

 

 だめ、絶対ダメ。 全く何考えてんだこのど変態。 」

 

ありえないだろう。

何考えてんだこいつ。

ば、ばっかじゃないの。

え、えっとでもどうしょうか、コップ割ったのはわたしだけどさ。

 

「いや、まてよく考えろ。

 

 この場合、取れる手段は3つしかないんだ。」

 

「3つ?」

 

「そうだ、一つは会長のコップを使うこと。

 

 だがその場合、それが会長にバレた時のことを考えたら。」

 

「う、た、確かに。 絶対に稲村君死ぬね、社会的にも肉体的にも。」

 

「だろ、二つ目は書記ちゃんのコップを使うこと。

 

 この場合、飲んでる時に本牧が来てみろ。」

 

「う、た、確かに。 生徒会室が血に染まるね。」

 

「だろ。 だから仕方なく3つ目の方法、三ヶ木のコップで飲むことにしたんだ。

 

 あくまでも仕方なくだ。 」

 

「そ、そうだね。 それが一番被害が少ないかも。

 

 それにわたしがコップ割っちゃったんだもんね。」

 

「そうだ。 それにもうすでに、か、間接キスはすんでるだろ。」

 

「う、うん。 なんか腑に落ちないんだけど、まぁ仕方ないんだよね・・・おそらく。

 

 いま紅茶、もう一回淹れ直すね。 

 

 あ、あんまり見つめないように。」

 

「あ、わ、わかった。」

 

まったく、そういえば元はといえば、こいつが変なこと言うから。

もう、大人しく勉強してろってんだ。

 

”ガサガサ”

 

ん、何か探してる?

 

あ!

 

「それとスマホもだめだからね。」

 

「わ、わかった。」

 

     ・

     ・

     ・

 

「はい、どうぞ。」

 

「ああ、ありがとう。」

 

んっとわたしはどうしょうかなぁ。

書記ちゃんの貸してもらおうかな。

でも、書記ちゃんのコップで飲んでる時に本牧君来たら。

ん? 本牧君、来・た・ら。

 

・・・・・・・・・・あ゛!

 

「おい、貴様、はめやがったな!

 

 本牧のコップ使え、本牧の。

 

 わたしのコップ返せ。」

 

「断る。 なんで男と間接キスしなければならん。

 

 絶対嫌だ、そんな選択肢は無い。

 

 それにもう遅い。」

 

「くそ~、貴様、絶対わかっててやったろ。

 

 まったく・・・・・・・・・・馬鹿。」

 

     ・

     ・

     ・

 

「ねぇ、さっきからずっと勉強してるの。」

 

そうなんだよ。

機嫌悪かっただけかと思ったら、ず~と勉強してんだよ。

こんなに勉強好きだったけ?

そりゃ受験生だし、時間が惜しいかもしれないけどさ。

わたしのこと放置?

 

「ああ、だって来週末から中間テストだからな。」

 

はぁ、ちょっと待て、いまこいつ、なんか不気味なことをいってなかったか。

空耳だよね。

ほんと最近、空耳が多くてさ。

・・・・・・嘘だよね、お願い嘘といって~

 

「え、ち、中間テスト。」

 

「三ヶ木、まさかとは思うが、忘れてないよな。」

 

「だ、だって、この前、テストしたばっかしじゃん。」

 

「あれは実力テストだろ。 今度は中間テストだ。

 

 なぁ、三ヶ木、俺たち三年は受験生だぞ、これからはテストばっかりだぞ。」

 

「うへ~。」

 

「まったく。 で、お前どこ狙ってんだ。」

 

きた。またこの質問だ。

どこの大学って、進学する子ばかりじゃないんだよ。

ま、まあ、総武高じゃ珍しいんだろうけどさ。

また理由とかいろいろ聞かれるんだろうなぁ。

 

「わたしは大学に行かないよ。」

 

「え、・・・・あ、す、すまない、あと4年待ってくれ。」

 

「ん、あと4年って?」

 

「いや、やっぱ、ほら結婚は大学卒業してから、働いて稼げるようになってからにしたい。」

 

「はぁ? ば、ばっかなにいってんのよ。」

 

「え、ちがうのか?」

 

「あったりまえだ。 

 

 どんだけ頭の中お花畑なんだ。

 

 わたしは働くんだよ、就職すんの。」

 

「そうか、頑張れよ。」

 

「え、り、理由聞かないの?」

 

「ああ、お前のことだ、なんか理由あるんだろう。

 

 それに俺がなんか言っても、お前俺のいうことなんか聞かないだろ。

 

 それに、いざというときは俺が養ってやる。」

 

「え、や、養うって・・・・・・・」

 

「俺な、一応理数系でもできるほうだ。 

 

 だから大学卒業したら、一流な企業に入ってだな、そんでお前を養ってやる。」

 

「ははは、できるほうって自分でそれ言う?

 

 そんなこと自分で言うの一人しか知らないよ、学年三位とかいうやつ。

 

 で、一流の企業ってどこ狙ってるの?」

 

「そうだなぁ、地元でいえば雪ノ下建設かなぁ。」

 

「わたし、そこ受ける予定だけど。」

 

「うそ、雪ノ下建設は高校生は募集してないはずだが。」

 

「あのね、雪ノ下さん、あ、お姉さんのほうね。

 

 雪ノ下さんから誘われてるの。」

 

「あの~、俺受ける時、口きいてもらえない ?」

 

「・・・・・ 」

 

     ・

     ・

     ・

 

それにしても、本牧君遅いね。

どうしたんだろう。

暇だなぁ。

稲村君、また勉強始めちゃって、構ってくれないや。

う~、暇だ。 よしさっきの仕返ししてやれ。

 

”ジ―――”

 

ほれほれ、この熱い視線、どうだ。

 

「おい、三ヶ木、そんなに暇なんなら、お前も勉強したらどうだ。 」

 

「え~、だって、大丈夫だよ。

 

 わたし実力出せば赤点なんて取らないもん。」

 

「じゃあ、試しにこれやってみろ。 おそらくこんな感じの問題が出るはずだ。」

 

「ふふふん、任せなさい。」

 

     ・

     ・

     ・

ふふふん、どうよ。こんな数学の問題なんてちょろいちょろい。

この前、教えてくれたじゃん。

数学なんて公式を覚えておけば、ちょろいもんだって。

え、なんか違ったっけ? でもまぁ完璧でしょう。

 

「どうよ、楽勝,楽勝でしょ。」

 

「三ヶ木、悪いこと言わん、すぐ勉強しろ。 ほれ」

 

「げ、0点。 なんでまた。」

 

「だから、ちゃんと公式覚えろって言ってんだろ。

 

 ほれ、ここ、+とー間違えてるだろう。」

 

「い、いいじゃん。ちょっとした間違え。

 

 公式なんてさ、試験までにはちゃんと覚えるからね、えへ♡」

 

「三ヶ木、そこ机寄せろ。 我慢できん、やるぞ!」

 

「え?」

 

     ・

     ・

     ・

 

 

「はぁ、日直で大分遅くなった。

 

 今日は沙和子と会長は職場体験でいないから、三ヶ木さんと稲村の二人っきりなんだよな。

 

 ・・・ま、まぁ、あの二人に限ってそんなことないだろうけど。

 

 でもな、生徒総会の時の二人の雰囲気とか、三ヶ木さん、割りと押しに弱いからなぁ~」

 

”スタスタ”

 

「さてっと。」

 

「あ~ん、稲村君、だめだってそこ。」

 

「え、稲村君って?」

 

「ふふふ、三ヶ木、そんなこと言ってもだめだ。」

 

「もう、ばか。 わたし、初めてなんだからね、もっと優しくしてよ。」

 

「はぁ? 何を言ってんだ三ヶ木さん。」

 

「じゃあ、三ヶ木こっちは?」

 

「あ、そこもだめ。 ひ、ひどい。 ううう~」

 

「わ、わかった、すまん。 三ヶ木泣くなって。」

 

「じゃあ、もっと優しくしてくれる?」

 

「う、わかった。」

 

”ガラガラ”

 

「お、おい、お前ら、生徒会室でなにふしだらなことしてんだ。」

 

「「へ?」」

 

「あれ? え? あ、あの~、何してたの?」

 

「ああ、これか、本牧、これは公式神経衰弱だ。」

 

「公式神経衰弱?」

 

「そうだ、例えばこれ。

 

 こっちが”微分係数の定義”と札に書いてあったら、答えはこの札の公式。

 

 つまり、公式の名前と式があってれば札を得ることができるんだ。」

 

「本牧君、稲村君酷いんだよ。

 

 わたしやったことないのに容赦なくて。

 

 それでやっと覚えた公式のとこに限って取っちゃうんだ。」

 

「稲村、お前数学は学年十傑なんだから、それって少しひどいぞ。」

 

「すまん。ついムキになった。」

 

「わかればいいの。

 

 だけど本牧君、さっき生徒会室で何とかって言ってなかった?」

 

「え、あ、い、いや、何でもない。

 

 いや~今日は暑いね。はっはっは・・・・・・・・はあ~。」

 

 

 

 

‐‐‐‐‐‐‐‐

 

 

 

「じゃあ、お先に。」

 

「うん、書記ちゃんによろしくね、」

 

「え、何で知ってんの。」

 

いや、わかるから。

ずっと時計ばっかり気にしてたじゃん。

こ、このバカップルめ。

さて、わたしも帰ろっと。

今日の夕飯何にしようかなぁ。

はは、勉強よりまず夕飯だよ。

 

「三ヶ木、鍵返してくるんだろう? 俺行ってくるよ。」

 

「うううん、いいよ。 わたし行ってくる。」

 

「じゃあ、俺自転車だから先帰るわ。」

 

「うん、またね。」

 

「あ、ああ、またな。」

 

     ・

     ・

     ・

 

「ん、あれって雪ノ下さん? あ、それに比企谷。」

 

「すまん、雪ノ下、待たせた。」

 

「あら、このわたしを待たせるなんて、いつからそんな大物になったのかしら。 うぬぼれ谷君。」

 

「いや、だから無理矢理すぎんだろそれって。

 

 それに今一緒に部室から出てきたんだろう。」

 

「そうね。 それでさっきの件の続きだけど。」

 

”スタスタ”

 

あれ、稲村君、まだいたの。

何してんだろ?

んっと何か覗いてるね。

 

「お~い、稲村君、なにしてんの?」

 

「あ、い、いや三ヶ木、あ、そうだ、すまん俺生徒会室に忘れ物したんだ。

 

 一緒に来てくれ。」

 

「・・・・・いいよ。 

 

 大丈夫だよ、あれ、雪ノ下さんと比企谷君でしょう。

 

 へ~、あんな雪ノ下さんの顔、普段見れないよ。」

 

「三ヶ木。」

 

「し~」

 

     ・

 

「それじゃ、比企谷君、今度の土曜日に一緒に行かない?」

 

「ああ、土曜日は何も用事は無いからな、わかった。」

 

「あら、あなたに用事なんてある訳ないじゃない。」

 

「ぐ、ま、まぁそうだが。」

 

     ・

 

うそつき

比企谷君のうそつき。

 

用事ないって、土曜日用事ないって。

わたしが誘ったらだめって言ったじゃない。

なによ、雪ノ下さんならいいの。

・・・・当たり前か。

 

「・・・・・三ヶ木、お前、本当にあいつでいいのか。

 

 あいつはお前にふさわしくない。

 

 お、俺のほうがお前を大事にしてやれる。」

 

「・・・・・・」

 

「な、なぁ、三ヶ木、もうあいつのこと忘れろよ。」

 

「忘れようとしたこともあんだよ。 でも、でも・・・・・

 

 それにさ、雪ノ下さんや由比ヶ浜さん、わたしなんて勝てるわけないってわかってんだよ。」

 

「三ヶ木。」

 

「ごめん、稲村君、わたしそれでも、それでも・・・近くにいるだけでいいんだよ。

 

 別に好きだって言ってもらえなくても、わたしはそれでもいいんだ。」

 

「三ヶ木、俺は絶対認めない。

 

 そんなのおかしいって。

 

 お前逃げてるだけじゃんか、告って振られるのが嫌で。」

 

「わかってるよ、だって嫌なんだもん。

 

 告ってそばにいられなくなるの嫌なんだもん。」

 

”だき”

 

「へ、い、稲村君、やめて。 お願いだから。」

 

「三ヶ木、あのな、俺、そんなお前の気持ちを全部ひっくるめて、やっぱりお前が好きだ。

 

 そんなお前が傷ついていくの見たくない。

 

 だから、本当はお前を、力尽くでもお前を俺のほうに・・・・

 

 でもな、お前が、お前がそれを望むのなら、俺はお前の気持ちを大事にしたい。

 

 俺は近くにいて見守ってやる、いつもできるだけ近くにいてやるから。

 

 それでな、どうしようもなくなって、本当にどうしょうもなくなった時は、

 

 俺が元気になるまでずっと一緒にいてやる。」

 

「い、稲村君。」

 

「三ヶ木。」

 

「・・・・・それってストーカーだよ。」

 

「ちがう、違うから何もしないから。 あれ?」

 

ありがとう稲村君。

稲村君はいつもわたしのこと本気で心配してくれる。

いまも自分の気持ち後回しにして、わたしのことを見守ってくれるって。

 

わたし迷惑かけてばっかりだね。

ごめんね。

もし、もしね、比企谷君より先に出会えてたら、わたし、多分。

 

「あ、いっておくぞ三ヶ木、俺あきらめたわけじゃないからな。

 

 明日からもどんどん行くから。」

 

「へ? だっていま見守ってるって」

 

「それはお前のこと。 俺は三ヶ木が俺のこと好きになるようにドンドン行くんだ。」

 

「・・・・・・・おい、意味わからん。 わたしの感動返せ。」

 

 

 

 

‐‐‐‐‐‐‐‐

 

 

 

”ブ~、ブ~”

ん、なんなんだれだよ、こんな時間に。

もう十一時だよ。あ~ねむ。

 

ん、ひ、比企谷君?

なんだ?

 

『中間テスト終わった週の土曜日、空いてるか?

 

 空いてたら予定入れといてくれ。』

 

は、うそ、おでかけ? やったー。

へへへ。

 

『了解!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最後までありがとうございます。

今回は、生徒会室の長い一日でした。

稲村君、あきらめていないので、まだまだ頑張ります。(予定)

次話、八幡とのお出かけ。

またしてもグダグダな展開になると思いますが、読んでいただけたらありがたいです。
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