似て非なるもの 作:裏方さん
ほんとに、週刊誌の先生ってすごい。
あ、すみません、今回も見に来ていただいてありがとうございます。
今回はvs奉仕部(というほどでもありませんが)
よろしくお願いします。
”ズキッ”
まだ痛い、やっぱこの前走ったのがいけなかったのかなぁ。
安静にしなさいって言われたのに全然守れてないや。
こりゃ長引くかなぁ。
「三ヶ木!」
ん? 今の声はたしか、えっとどこだ?
「ここだ。 ほらこっち。」
「あ、稲村君、へ、待っててくれたの?」
「ああ、高校まで送るから後ろ乗れ。」
「うん、ありがと。 はっ、待てよ、い、いくらなの。」
「いや、お金とらないって。
まだ、足痛いんだろう。」
「うん。 じゃぁ、お願いします。
うんしょっと。」
「しっかり掴まってろよ。」
「了解! 稲村君、出発しんこ~、なすのおし 」
「それ、まずいからやめろ。」
‐‐‐‐‐‐‐‐
ん~、稲村君、来てくれて助かった。
あ、ちゃんと段差避けてくれてるんだ。
へぇ~感心感心。
「なぁ、三ヶ木。」
「ん?」
「お前太ったろ。」
げ、そうなんだ、最近クレープの試作ばっかりやってたから。
ちょっとお腹周りやばいかも。
どうしよう、夏近いのに。
「・・・・・・・・・やっぱり、わかる?」
「いや、適当に言っただけだが。」
”ベシ”
「いたぁ。」
「くそ、少しでも気を許したわたしが馬鹿だった。」
「ははは。 まぁ、話は変わるけどさ、ちゃんと勉強してるか?」
「はぁ、なに? し、してるわよ・・・たぶん。」
「そうか。 進学しないからっといっても、ちゃんと勉強はしておけよ。
絶対自分のためになるから。」
「う、うん、そうだね。 もう赤点取りたくないもんね。
それはそうと、稲村君はもう志望校決めてるの?」
「ああ、俺は千葉工大だ。 あ、みんなには内緒だぞ。 二人だけの秘密だ。」
「え、秘密? わたし口軽いよ。」
「おい。 まぁ、いいけどさ。
あ~あ、夏休みはずっと塾通いだ。」
「ね、塾ってどんなの? 学校の授業みたいなの?」
「三ヶ木、塾行ったことないのか?」
「うん。 だからどんなのかなぁ~って思って。」
「そっか。 なぁ、今度見に来ないか?
見学は無料だから。」
「え、無料? でも塾行かないんだよ?」
「まぁ、ほら、知っておいても損はないだろう。
そうだ、その時、帰りにコーヒーでも奢ってやるよ。」
「ほんと? め、珍しい。
じゃあ、行ってみようかなぁ。」
「ああ、じゃあ都合のいい日、連絡な。」
「うん。」
‐‐‐‐‐‐‐‐
"どさっ”
「これで最後か?」
「えっと、そうだね、それで最後だ。
広川先生、お待たせしました。」
「もう積み残しはないか?」
「はい。」
「じゃあ、三ヶ木、後でな。」
「え?」
「稲村、一緒に乗って行ったらどうだ?」
「先生、軽トラって三人は無理でしょう?」
「いや、これ軽トラじゃないから。
まぁ、ちょっと狭いかもしれんが三人乗りだぞ。」
「稲村君、一緒に行こ。
自転車、荷台に乗るじゃん?」
「ああ、じゃ、お願いします。」
・
”キュルキュルキュル”
「きゃっ。」
”ギュ~”
「あ、ごめん稲村君。
広川先生、も、もう少し安全運転で。」
「お、おう。」
”キュルキュルキュル”
「うぉっ。」
”ギュ~”
「あ、すまん三ヶ木。」
「う、うううん。 せ、狭いからね。
き、気にしてないよ。」
”キュルキュルキュル”
「ひぇ~。」
”ギュ~、ギュ~”
「い、稲村君、ご、ごめんね。
ひ、広川先生、もしかして運転久しぶり?」
「あ、ああ、大学以来。」
「せ、広川先生、と、止めて、降ろして~」
”キュルキュルキュル”
「うわぁ~」
”ギュ~”
「す、すまん、三ヶ木。」
「だ、大丈夫だから。 き、気にしてないから。」
‐‐‐‐‐‐‐‐
”ばたん”
はぁ、やっと着いた。
うぇ~なんか酔ったみたい。
げ、稲村君、固まってる。 あっ
「ね、ねぇ、稲村君、大丈夫?
あのさ、鼻血出てるよ。 はいティッシュ。」
「え、あ、す、すまん。」
「さ、先に荷物運んでるね。」
「あ、ああ。 ごめん、今行くから。」
「稲村、ちょっといいか?」
「へ? あ、はい。」
「三ヶ木からいろいろ聞いてる。
いつも悪いな、またあいつがなにか仕出かしそうだったら、叱ってやってくれないか?」
「え、あ、わかってます。
まぁ、俺は俺なりのやり方であいつと向き合っていきます。」
「すまんな。 あいつはすぐ一人で暴走しちまうからな。」
「わかってます。 あ、でも先生には負けるかと。」
「す、すまん。」
「お~い、なにしてんの? 行くよ~」
「あ、いま行く。」
・
・
・
「あ、おはようございます。
今日はよろしくお願いします。」
「ああ、おはよう。
えっと三ヶ木さんだっけ?
今日はよろしくね。」
「はい。」
「あ、でも、本当にテントの位置、あれでよかったのかい?」
「ええ、ご無理言ってすみませんでした。」
「いいよ、クレープの差し入れ貰ったし。
あれ、美味しかったよ。
じゃあ、頑張ってね。」
「は~い。」
「三ヶ木、お前テントの位置ってなにしたんだ?」
「行けばわかるって。 さ、ちゃっちゃっと運んじゃうよ。」
・
「げ、三ヶ木、これマズイって。」
「こんでいいんだよ。」
「いや、だめだろう、ステージ挟んで隣同士って、嫌でも張り合うことになるって。」
「迷ったんだけど、はっきり言ってさ、奉仕部さんとこやばいじゃん。
そりゃ雪ノ下さんが作ったクレープなら絶対美味しいけど、
今日は二人だけだからね。」
「だったら、なおさら。」
「だから最悪の場合、わたし奉仕部のフォローに入るね。
そのためにも見えるとこにいてほしかったの。」
「でもそれじゃ会長が黙ってないし、それに奉仕部さんも素直に受け入れないだろう。」
「そうだろうね。 でもさ、こんなの嫌だからさ。」
「・・・、まぁ、そうだな。 奉仕部さんにはいつも世話になってたし。
だけど三ヶ木。」
”ゴン”
「いったぁ。」
「だから、一人で勝ってに動くな、相談しろ。
まぁ、その時は協力するから、こっちは任せとけ。」
「う、うん。 へへ、稲村君ならそう言ってくれると思ってた。」
「さっさと運ぶぞ。 ほら、あそこ、本牧が待ってるぞ。」
「あ、いた。 お~い、本牧君。」
・
・
・
よしっと、準備は完了っと。
後は焼き始めるだけ。
それにしても、会長と書記ちゃん、遅いね。
”ボン、ボン”
「え~本日は総武商店街ふれあい祭りにようこそ。」
あ、始まった。
会長来ないけど始めないと。
「ね、本牧君、そろそろ始めよっか。
お客さん来ちゃうとね。」
「そ、そうだね。 じゃあ、始めよう。」
「うん、本牧君、稲村君、練習した通りの作業の分担でお願いね。」
「了解だ、三ヶ木さん。」
「ああ。」
”スタタタタ”
「お待たせです♡」
「ごめんなさい、遅くなりました。」
え、会長、書記ちゃん、それはメイドさん。
その準備してたの?
わ、わたしのは、ないんだよね。
ひど、わたしも着たかった。
文化祭の時からあこがれてたのに。
で、でも、悔しいけど・・・・
「可愛い。」
「ああ、そうだな。 かわいい。」
「・・・」
「お、おい本牧?」
「あ、本牧君、何か変かなぁ」
「い、いや、沙和、いや、書記ちゃんすごくいい。」
「副会長、わ、わたしはどうです?」
「え?、あ、いいですね。」
「な、すごくいい加減じゃないですか~
もういいです。
さぁみんな、ガンガン作ってくださいね。
書記ちゃん、売りまくるよ~」
・
・
・
「「いらっしゃいませ。」」
「あの、いちごクリーム2つ。」
「はい、ご主人様。
美佳先輩、いちご2つお願いします。」
「あ、こっちはチョコクリーム一つ。」
「はい、畏まりです、えへ♡」
う、やっぱりジャリっ娘、適役だね。
ふ~混んできた。
急がないと間に合わないや。
昨日のうちに生地だけでも準備しておいてよかった。
しっかりなじんでるし。
「稲村君、本牧君、焦らないようにね。
いい、丁寧に、品質のグレードを落とさないようにね。
時間は気にしないで、そのために会長達いるんだから。」
「「お、おう」」
だけど、こっちがこれだけ混んでるってことは奉仕部のほうが。
げ、やっぱそうだ。
奉仕部さんのほうお客さんいないじゃん。
ま、まぁ、販売担当が比企谷君とうちの会長じゃこうなるよね。
・
「比企谷君、しっかり売りなさい。」
「いや、売れって客いないから。」
「いなければ、呼び込みしなさい。」
「俺が呼び込みして客来ると思うか?」
「はぁ、仕方ないわ。
あなたが作りなさい
そこにさっき準備した生地あるから、それを使って焼きなさい。」
「あ、おう、これか。」
・
・
・
えっと、なんかお客さん減ったような気が。
あ、奉仕部さんのほう、お客さん並んでる。
「なぁ、あっちのクレープ屋のひと、すごく綺麗だぞ。」
「え、あ、本当だ。」
ん? あ、雪ノ下さんが販売担当に替わったのか。
さすがだね。
はぁ、ここから見てても綺麗だわ~。
げ、ジャリっ娘、機嫌悪そ~。
「む~、雪ノ下先輩、さすがですね。
このままじゃまずいですね。
やっぱり水着とかじゃないと。」
お、おい、いま水着って言わなかった?
そ、そこまでしなくてもいいって。
ほ、ほら、本牧君、顔青ざめてるし
あ!
”ゴン”
「いってぇ。」
「なに嬉しそうにしてるの。」
「え、い、いやしてない・・・・・・・・ごめんなさい、ちょっと期待してました。」
「全く、この馬鹿村は。
まって会長、水着って何でそこまでするの?」
「だって、この売上げって福祉団体に寄付するじゃないですか~。
ほら、その時、新聞に写真載りますよね。
毎年、会長だけですけど、今年は生徒会役員全員の写真にしたいんですよ。
みんなを載せるんだったら、しょぼい金額では嫌じゃないですか~」
「「会長。」」
「会長、大丈夫だって。
水着になんかならなくても、客足は戻ってくるって。」
「え、なんでそんなことわかるんですか。」
「あのさ、雪ノ下さんが、お客様に愛想ふるえると思う?
例えばさ、”写真いいですか?”とかいわれても、”ここはクレープを売る店よ。
クレープいらないのなら帰って頂戴。”とか言いそうじゃん。
それに、今クレープ作ってるの比企谷くんじゃん。
雪ノ下さんにはかなわないけど、クレープの美味しさじゃ負けないから。
だから、今のままで大丈夫だって。」
「そ、そう?」
「そう。 それよりさ、ちょっと早いけど、交代でお昼とかとっておこう。
えっとね。」
”がさがさ”
「はい、おにぎりと漬物だけど、良かったらみんなの分作ってきたから。」
「あ、わたしもみんなのお弁当作ってきたよ。」
「げ、書記ちゃんまで。
わ、わたしは、ほ、ほら、あんまり沢山お弁当持ってきて残したらと思って。
だから、我慢して作ってこなかったんですよ。
あ、なんですか、美佳先輩、その目は。
さ、早速ですから、交代で頂きましょう。」
「「頂きま~す。 会長、留守番よろしくです。」」
「えー、な、なんでですか、みんなして。」
・
・
・
”がやがや”
「なぁ、雪ノ下、生地なくなりそうだから、ちょっと作るわ。」
「ええ。 できるわよね。」
「まぁ、やってみる。」
・
「すみません、写真いいですか?」
「お断り。 ここはクレープを売ってるの。
クレープいらないのなら帰っていただけるかしら。」
「え、あ、じゃあ、バナナクレープ一つください。」
「比企谷君、バナナクレープ一つ。」
「お、おう。」
「はい、どうぞ。」
「あ、はい。」
”ぱく”
「げ、なんか粉っぽい、生地焦げてるし。」
・
・
・
「あ、あっちのクレープ、なんか美味しくないって。」
「え、本当?」
「なんか焦げてたり、破けてたり、それに待ってる時間チョー長いんだって。
あ、それと、店の人綺麗だけど、愛想悪いって」
・
・
・
「すみません。 チョコクリーム二つお願いします。」
「はい、畏まりです。 ありがとうございます、えへ♡」
「か、かわいい~、ね、ねぇ、写真いい?」
「え~、いいですよ。 でも可愛くとってくださいね。」
「は、はい。」
げ、やば、チョー忙しい。
やっぱり客足戻ってきたね。
生地はいっぱい準備してあるから大丈夫っと。
あっ、奉仕部さんのほうは・・・・やっぱりね。
悪いけど、今の奉仕部さんにこの生徒会が負けるはずがない。
だって今日はピースが足りないんだ。
だから絶対生徒会が負けることはないんだ。
だけどこのままじゃ、あっちやばいよね。
「ねぇ、稲村君。」
「ああ、わかってる。 行って来いよ。」
「ごめんね。」
「会長に見つかったら何とかごまかしとくわ。
え~と、大きいほうとか。」
”べし”
「いたっ、じょ、冗談だって。」
「馬鹿者。 まぁ、ありがと。」
・
・
・
「まったく、あれだけ練習したのになぜこうなるのかしら。」
「いや、あれだけお客が並んでたら、さすがに焦るだろう。
それに、時間つなぐのはお前の役目だろう。
写真ぐらい撮らせてもいいんじゃないか。」
「あら、私たちはクレープを売ってるのよ。」
「いや、しかしだなぁ。」
あ、やっぱ雰囲気悪くなってた。
ここはやっぱ断られるかもしれないけどさ、いやだもん、こんなの。
「あ、あの 」
「ヒッキー、ゆきのん、ほら、お客さま待たせてるよ。
いらっしゃいませ。
えっと、なににします?」
「あ、あの~、バナナチョコを一つ。」
「はい、ありがとうございます。
あ、少し時間がかかるかもしれないんですけどいいですか?」
「え、あ、はい。」
・
「へぇ~、すごいんだ。」
「そ、そう?」
「由比ヶ浜さん、お待たせ。」
「あ、はい。 すみません、お待たせしました。」
「ありがとう。 あ、楽しかったです。」
「ありがとうございます。 また来てくださいね。」
「はい。」
「もう、ヒッキーもゆきのんも、お客さま待たせて何やってんだ~
ほら、ゆきのんは次の準備して。
ヒッキーは・・・・・・・えっと、そう雑務担当。」
「俺、雑務かよ。
でも、お前、今日は昼から三浦たちと出かけるんじゃなかったのか?
たしかカラオケ行くとか。」
「え、ああ、えへへ、来週に変更。
だって、あたしだけのけ者は、やっぱりやだ。
あたしも奉仕部だからね。」
「そ、そうか。」
「そうだ、そうなのだ。」
「由比ヶ浜さん、ありがとう。」
「ゆきのん、ヒッキー、さぁ、頑張るよ。
でもさ、なんで生徒会と別々なの?」
「まぁ、いろいろとあってだなぁ。 なぁ、雪ノ下。」
「・・・・・・・」
ゆ、結衣ちゃん、さすがだ。
やっぱり結衣ちゃんがいると奉仕部ちがうね。
はぁ~、やっぱりこの三人の間には入り込めないや。
比企谷君が大事にしてるものってこの雰囲気なんだ。
やっぱ、特別なんだね、比企谷君にとって。
げ、まてよ、やば、ピースが揃っちゃったじゃん。
・
・
・
「あれ、三ヶ木、もういいのか?」
「あ、う、うん。
やっぱりあの中には入れなかった。」
「そ、そうか。
なぁ、三ヶ木。」
「うん?」
「おかえり。」
「え、あ、た、ただいま。」
そうだ、わたしには生徒会のみんなが。
ここがわたしの居場所。
わたしにとって特別な場所。
ありがと、稲村君。
「むむむ、あれは結衣先輩じゃないですか。」
「えっと、なんかお客さん減ったね。」
「Tシャツにあの胸は卑怯ですって。
ほら、奉仕部さんのほうのお客様、男の人ばっかりじゃないですか。」
「まぁまぁ、会長、次のステージはちびっ子ダンスとキャラクターショーですから。
そこで挽回しましよう。」
「ふむ、次は幼児向けのステージが続くんですね。」
「ええ。 あ、会長、ほら、ちびっこ向けのハーフサイズ作ってみました。
え、会長、聞いてる?」
「・・・・・・・・・・ふむ、書記ちゃん、最終兵器の出番みたいです。」
「いろはちゃん、いつでも準備OK。」
え、最終兵器?
さっき水着っていってたから、え、もしかして最終兵器っては、はだか?
じゃ、ジャリっ娘、それはだめだって。
「会長、も、もっと自分を大事に。 へ?」
”がし”
え、なに? ジャリっ娘、書記ちゃん、へ、な、なにするの?
「行くよ、書記ちゃん。」
「はい、いろはちゃん。」
”ダー”
え、な、なに? どこ連れてかれるの?
「ちょ、ちょっと会長、ど、どこに行くの?」
「いいからです。」
・
・
・
な、なんでこ、こうなった。
「あ、鹿ちゃんだ。」
「鹿ちゃん。」
”わいわい”
ち、違うから。
鹿じゃなくてトナカイだから。
なんでトナカイのコスを。
ジャリっ娘、わざわざ学校から持ってきてたの。
く、くそ~、これ暑いんだからね。
だってクリパの時のだもん。
「いらっしゃ~い、鹿ムスメのクレープ屋さんだよ。
鹿ムスメがクレープ作るよ。
さ、美佳先輩。」
くそ~、このジャリめ、お、覚えてろよ。
え~い、やけくそだ!
「し、鹿ちゃんだよ、美味しいクレープ焼いてるよ。
よかったら食べていってね。
ほら、ちびっこサイズもあるからね。」
「あ、鹿ちゃんクレープ焼いてる。」
「鹿ちゃんかわいい。」
「お母さん、一個買って。」
「すみません、ちびっこサイズのイチゴ1つください。」
「は~い、鹿ちゃん、ちびっこサイズのイチゴ一つお願いします。」
「は、はい。」
・
「な、あれ三ヶ木か。」
「あ、あの着ぐるみ、ほらクリパ―の時のじゃん。」
「暑そうね。」
「ダンス終わった子たちでいっぱいだね。
へへ、美佳っち嬉しそう。」
「そうね。 三ヶ木さんってああいうの向いてそうね。」
「うん。 あのね、美佳っち、保母さんになるのが小さいころからの夢だったんだって。
職場体験の話した時もさ、すっごく嬉しそうだった。」
「やっぱり、あいつそうなんだよな。」
”わいわい”
「でも、あれは反則だろ。
クレープ買う買わないにしろ、子供ほとんどあっちいったじゃねぇか。」
「仕方ないわね。
比企谷君、あなた、ランニングシャツに半ズボンになりなさい。」
「お前マジで行ってるのか?
それって、某千葉のゆるキャラだろう。
あれ、かわいくねぇぞ。 この場合、逆効果だ。」
・
・
・
暑い、暑い、暑いよ~
も、もうすぐキャラクターショーだ。
そ、そこまでは。
で、でもさ、なんか、なんかさ。
「は~い、ほらチョコクレープできた。」
「うわぁ、鹿ちゃん上手。」
「わたしもほしい。」
「ちゃんと並んでね。」
「「は~い」」
へへ、やっぱ小っちゃい子ってかわいい。
職場体験、思い出すな~
あんときもいっぱい遊べてたのしかったなぁ。
わたし、小っちゃい子大好き。
あ、あの子、よそ見して走ったら危ないよ。
”ずでん”
げ、転んだ、大丈夫?
「うぇ~ん。」
「やば、い、稲村君、あと頼んだ。」
「へ、お、おい。」
”ダ―”
「だ、大丈夫?」
「うぇーん、痛いよ。」
「どれ、あ、足ちょっと擦りむいたね。
ほかに痛いとこない?」
「うん、うぇ~ん」
「男の子がこのくらいで泣いてちゃ駄目だぞ。
ほら、医務室までおんぶしてあげる。」
「う、うん。」
「うんしょっと。
よし、えらいぞ。 もう少し頑張ってね。」
「うん。鹿ねぇちゃん、ありがとう。」
いや、トナカイだから
ふぅ~、まぁいいか。
「よし、鹿ねぇちゃんにちゃんと掴まっててね。」
・
・
・
「鹿ねぇちゃん、バイバイ」
「うん、もうよそ見して走ったら駄目だぞ。」
「うん。」
膝擦りむいただけだった。
やれやれ、たいしたことなくてよかった。
さ、仕事に戻らなきゃ。
「あ、こんなとこにいた。」
「へ?」
「さ、急いで、何やってたの。」
「え? あの~」
「ほら、時間ないよ。 すみません、いました。」
「?」
・
「ほら、出番です。」
”ドン”
「でたな、怪人。」
「え、あ、あの~わたし、怪人?」
「な、なにをとぼけてるんだ。
いくぞ、商店街の平和を守る商店街マンのキックを受けてみろ。
とりゃ。」
「きゃっ」
”ひょい”
あ、あぶな。
なにこの人、いきなりキックって。
”ズデーン”
「「わははは」」
「な、何でかわすの?」
「え、だって痛そうだもん。」
「ちゃ、ちゃんとやって。
くそ、よくもよけたな怪人、ほら商店街マンチョップ!」
”べし”
「いた~い。」
・
「あの~、すみません。 トイレ行ってたら遅くなっちゃって。」
「え、あれ? 怪人役の人?」
「あ、はい。」
「え、じゃあ、あれは?」
・
「よし、とどめだ。 いくぞ商店街マンキックだ。」
痛いよ。
あの人本気でぶつんだもん。
やだよ、キックってめっちゃ痛そうじゃん。
「鹿ねぇちゃん、がんばって!」
え、あ、あの声はさっきの男の子。
「鹿ちゃんがんばれ。」
「鹿ちゃんをいじめないで。」
「鹿ちゃ~ん。」
「商店街マンのバカ~」
「え、いや、あっち怪人だよ。
俺、ヒーローのはずだけど。」
「「鹿ちゃん、鹿ちゃん、鹿ちゃん」」
みんな、ありがと。
よ、よし、もう怒ったからね。
よくもさっきから何発も。
「いくぞ、偽物ヒーロー、よくもいじめてくれたわね。」
「え、ちょ、ちょっとまって。」
「もう、ゆるさん。 抹殺のラストブリット!」
”ボコ!”
「ぐはぁ、いてぇ」
”どさ”
「「やったー、 鹿ちゃんが勝った」」
「正義は必ず勝つ! みんなありがと。」
・
・
・
「くくく、三ヶ木、ご苦労さん。」
「あ、稲村君、散々だったよ。 」
「怪人がヒーローに勝ってしまうなんて前代未聞だぞ。
大丈夫だったのか?」
「なんか、来年も出てくれって。
商店街のゆるキャラにするって。」
「へ、出るのか?」
「もう勘弁。 それにこのトナカイさんは生徒会のキャラだって断ってきた。」
「そ、そうか、残念。」
「へ?」
「前もいったろ、俺はあのコスプレかわいいっと思ってたから、来年も見たいなぁって。」
「かわいい? 馬鹿、もう、汗だくで大変だったんだよ。」
「ほれ、ポカリ。 でもやせたんじゃないか?」
「え、そそうかな。 へへ、ありがと。」
「いや、冗談だ。そんなに簡単にやせるか」
「き、貴様。」
「ははは、テント戻るか。」
「うん、そうだね。」
・
・
・
「はぁ~」
え、ジャリっ娘、なんかすごく落ち込んでる。
えっと、あ、集計してたのか。
で、売上げどうだったのかなぁ。
「会長、どうでした?」
「美佳先輩、どうしよう。」
「え?」
「売上げ、材料費の分も出ないんです~」
「やっぱりね。」
「やばいです、やばいです。 とても寄付どころじゃないですよ。」
「ね、いろはちゃん、赤字だった分、みんなで補填しよう。」
「そうだね。みんなで割ろう。 おい稲村、計算。」
「あ、ああ。」
「あの、それ大丈夫だよ。」
「「え?」」
「美佳先輩、大丈夫ってどういうことですか?」
「あれ、言ってなかったっけ。
ほらこの件は厚木の伝達ミスでしょ。
だから平塚先生の前で厚木問い詰めて、学校で材料費は全部持ってもらうことにしたの。」
「え、き、聞いてませんよ。
でも、じゃあ、これって売り上げ全部寄付に回せるってことなんですか?
し、心配して損したじゃないですか~」
「す、すみません。
あ、余った材料は広川先生が預かるそうなので。」
その代わり、平塚先生に個人的に条件付けられたけどね。
『この件は、確かに教師側の伝達ミスだ、
しかしな、三ヶ木、この行事は決まっていたのだろう。
確認を怠っていた生徒会にも責任があるんじゃないか。』
『そ、そうですけど、でもこのままじゃ多分、寄付なんて。』
『ふむ、そうだな。 ではこうしよう、材料費のかかった分は学校側でもとう。
その代わり君にはだな 』
はぁ、あの条件、気が重いや。
まぁ、今は考えないようにしようっと。
「あ、三ヶ木先輩、だとしたら奉仕部さんの分もですか?」
「うん。 ちゃんと比企谷君に伝えてあるよ。」
「あ、いろはちゃん、奉仕部っていえば勝負はどう?」
・
・
・
「一色さん、なにか大きなこと言ってなかったかしら。」
「ぐ、結衣先輩、反則です。」
「え、あたし?」
「だって、Tシャツにその胸、男の人みんなそっち行っちゃったじゃないですか。」
「あら、そこの鹿なんとかさんはどうかしら?
なにかすごく子供に人気だったみたいだけど。」
「ガキ、いえ、子供と大人じゃ、購入単価が違いますよ。」
「まぁ、それぐらいにしとけって。
それにこっちも由比ヶ浜が来てくれなかったら、やばかったんだから。」
「まぁ、そうね。
じゃあ、一色さん、これ今日の売上げよ。」
「え、これは?」
「福祉団体へ寄付するのでしょ。
もともとこの活動は生徒会の活動だから。
私たちは自主的に協力しただけ。」
「雪ノ下先輩。」
「さ、いろはちゃん、後片付けは一緒にしよう。」
「はい、結衣先輩。 じゃあ、みんなよろしくです。」
‐‐‐‐‐‐‐
「はい、皆さん、新聞に乗せる写真撮りますので、集まってください。」
「先輩、先輩はこっちです。」
「いや、俺は端でいいって。」
「ダメです、わたしの横です。」
「なんでだよ。」
「決まってるじゃないですか~、わたしが引き立つからです。」
「おま、はぁ~、まぁいいわ。」
「スケベ谷君、鼻の下伸ばすのやめなさい。」
「いや、伸びてねぇって。」
「ヒッキー、後で話があるから。」
「はは、比企谷、モテるんだな。」
「本牧、お前に言われたくない。」
”がやがや”
「なぁ、三ヶ木、お前は隣行かなくていいのか?」
「うん、わたしは端っこが好きだよ。」
「そうか、じゃあ、今日は俺の横で我慢しろ。」
「うん、今日だけ我慢してあげる。」
「ああ、我慢しろ。」
「みなさん、もういいですか?」
「あ、すみません。」
撮りますよ、はい、チーズ!
”カシャ”
「あ、カメラマンさん、見せてもらっていいですか? えへ。」
「あ、どうぞ、会長さん。」
「・・・・・・先輩、やっぱりキモいです。」
「おい!」
最後までありがとうございました。
最近原作を読む時間がなくて、原作の感じがうすれてきたような。
(もともとですけど)
Blu-ray 早送りで確認したいかと。
第4章もそろそろ終盤。
また見て頂けたらありがたいです。