似て非なるもの   作:裏方さん

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お久しぶりです。
大分、投稿間隔あいてすみません。

定期的に毎週投稿って思ってたんですが、ご指摘ただいたように
ただでさえ文才ないのにさらに・・・・・

今回は地区大会編です。
さて、オリヒロの運命は。

今回も駄作ですが、辛抱して読んでいただけたらありがたいです。

ではよろしくお願いします。



いざ、地区大会

”ぴよぴよ,ぴよぴよ,ぴよぴよ・・・・”

 

ふぁ~い、 う~ん、今日は土曜日だから学校休みだよ~

なんで目覚ましなんか?

おやすみ・・・・・・・・・・

は!

そ、そうだ、今日は地区大会だ。

やば、早く起きないと。

 

”ガバッ”

 

「ふ~。」

 

昨日の天気予報では快晴だったけどどうかなぁ。

 

”ガラガラ”

 

う~ん、いい天気になりそうだね。

さてっといつものご挨拶。

 

お早うございます、イレギュラーヘッド。

 

”ちゅっ”

 

えへへへ、やっぱかっこいいなぁ。

このポスターのイレギュラーヘッドってサイコー。

包帯だらけの顔から覗く目がす・て・き。

ちょっと、デクが邪魔だけど。

さぁって始めよっか。

 

     ・

     ・

     ・

 

「ふん、ふん、ふ~ん♬」

 

やっぱ、こんな時のお弁当はおにぎりだね。

えっと、こっちのは梅干しで、こっちがおかか、そしてこれは鮭。

へへへ、三大おにぎり完成だ。

 

えっとでも6個は作りすぎたかなぁ。

でもさ、ちょっと小ぶりに作ったから、試合の合間にも食べれるよね。

 

あとは、サバの塩焼きと甘~い卵焼き。

それとあいつの好きなミニトマトを入れて、デザートはグレープフルーツっと。

 

あ、あとさ、練習、よく頑張ってたからさ、ご褒美に飴玉入れておいてあげよっと。

よし、完璧,完璧♬。

 

まったく、手のかかるおとうと・・・・・・・・手のかかる奴だね。

 

「ん、なんだ、今日学校か?」

 

「あ、とうちゃん、おはよ。

 

 昨日言ったじゃん、今日はテニス部の地区大会があるんだって。」

 

「ああ、あのテニス小僧出るんだったな。」

 

「うん。」

 

「そうか、しっかり応援しやれよ。」

 

「そうしたいけど、そうするとさ・・・・・・」

 

「ん?」

 

     ・

     ・

     ・

 

「じゃ、行ってくるね。

 

 とうちゃん、ちゃんとご飯食べてね。」

 

「ああ、いってらっしゃい、車に気を付けてな。」

 

     ・

     ・ 

     ・

 

「あ、戸塚君 おはよ!」

 

「ああ、三ヶ木さん、お早う。

 

 今日ごめんね、マネージャーみたいなことさせちゃって。」

 

「うううん。大丈夫だよ。

 

 マラソン大会とかで手当するの慣れてるからね。

 

 しっかり学校から救急セット借りてきたし。

 

 どんといらっしゃい。」

 

「あ、いや、できればあんまり手を煩わせない様にしたいけど。」

 

「あ、そ、そうだよね。 

 

 それよりさ、いよいよだね。」

 

「うん。」

 

「調子はどう?」

 

「うん、みんな調子いいよ。」

 

「ずばり、県大会への自信は?」

 

「え~とね、ほら、これ今日の組み合わせ。

 

 客観的にみて、三回戦までは何とかなると思うんだ。

 

 問題は準決勝で当たると思う海浜総合だね。」

 

「え、でも練習試合、戸塚君と刈宿君勝ったんじゃ?」

 

「あの時は、レギュラーの人、誰も来てなかったからね。」

 

「え、戸塚君と刈宿君以外は全試合負けたんじゃなかった?」

 

「うん、全敗。」 

 

「そっか、強敵だね。」

 

「僕たちは負けたら引退だからね。

 

 一試合、一試合、後悔しないように、三年間の思いをぶつけていくよ。」

 

「うん。」

 

そうだね。

戸塚君達、三年生にとってみたら三年間頑張ってきたことの総決算なんだよね。

特に戸塚君、一年の時から朝、昼もずっと練習してきたもん。

部活終わってからもテニススクール通ってたんだっけ。

その全てを賭けて挑むんだよね。

 

それに比べたら、わたしが賭けているものなんて・・・・・・

 

「戸塚君、頑張ってね。」

 

「ありがとう。」

 

「あ、おはよっす! 美佳先輩、戸塚先輩。」

 

「刈宿君、おはよう。」

 

「おい、先に戸塚先輩だろ、やり直し。」

 

「あ、いいよ、三ヶ木さん。」

 

「うっす、おはようございます、戸塚先輩、美佳先輩。」

 

「うん、よろしい。」

 

「あははは、ほんとう仲いいね。三ヶ木さんと刈宿君。」

 

「へへ、まだ仮カノですが、今日は県大会決めて本カノになってもらうっす。」

 

「お、おい、狩カノってなんだ。」

 

「え? あ、いやその仮の彼女って意味で。」

 

「仮りの彼女? 仮カノ・・・あ、そっか、なぁ~んだ。」

 

”ベシ”

 

「ぐはぁ。」

 

「おい、いつから仮カノになったんだ、馬鹿者。」

 

「いたた、で、でも今日絶対優勝して県大会にいくっす。

 

 そして、美佳先輩に俺の彼女になってもらいます。」

 

「ば、馬鹿、戸塚君の前で言うな。」

 

「あ、三ヶ木さん、刈宿君から聞いたよ。」

 

”ベシ、ベシ”

 

「うへえ。」

 

「お前、戸塚君に喋ったのか。」

 

「いたたた、つ、つい。」

 

「全く、まだ、仮カノでもなんでもないからね。

 

 調子になるな。 ぷん!」

 

”しゅん”

 

「う、うっす。」 

 

「か、刈宿君、今日は頑張ろうね。」

 

「と、戸塚先輩。」

 

     ・

     ・

     ・

 

「集合! 全員揃ってるね。

 

 選手のみんな、今日は自分に悔いのないよう頑張ろう。

 

 それと他のみんな、今日は試合出してあげられなくてごめんね。

 

 みんなの声援を力に変えて頑張るから、よろしくお願いいします。」

 

「「はい!」」

 

「よし、じゃあ行こう。」

 

「「おう。」」

 

     ・

     ・

     ・

 

「ゲーム高津君、2-0」

 

え、刈宿君、負けてる。

なんか調子悪そうだね。

あ、でも練習試合の時も始めはこんな風だったっけ。

 

「ねぇ、戸塚君、刈宿君っていつも始めはこうなんだよね」

 

「うううん、今日は緊張してるみたい。

 

 動きが硬いし、妙に力んでるから、思ったようにボールをコントロールできていないね。」

 

「え、それってまずくない。」

 

「う、うん。」

 

「ゲーム高津君、3-0」

 

あ、こっち戻ってきた。

えっとポカリ、ポカリっと。

あ、その前に。

 

「ふぅ~」

 

「刈宿君、力が入りすぎだよ。 リラックス、リラックス。」

 

「うっす、戸塚先輩。」

 

「はい、ポカリ。」

 

「あ、ありがとっす、美佳せんぱ・・・・

 

 ぶっ、はははは、な、なにしてんすか。」

 

「うん、飴玉食べてんの。」

 

「いや2個も一度に食べなくてもいいでしょ、ほっぺパンパンじゃないすっか。

 

 まったく。」

 

”ひょい”

 

「あ、そっちわたしのポカリ。」

 

”ごくごく”

 

「ぷはぁ~。 

 

 よし、行ってきます。」

 

    ・

 

”パシッ”

 

”スパァン”

 

    ・

’パシィ”

 

「ゲーム セット アンド マッチ 刈宿君 6-3。」

 

やった~、勝った。

まったく、ひやひやしたんじゃん。

え、わたし勝ってほしいの?

ま、まぁ、一回戦ぐらい勝ってもらわないとね。

 

「美佳先輩、勝ったっす。 

 

 戸塚先輩、次、頼みます。」

 

「うん、行ってくるね。」

 

「戸塚君、頑張って。」

 

     ・

     ・

     ・

”バシッ”

 

「ゲーム セット アンド マッチ 刈宿君 6-1。」

 

ふぇ~、やっぱうまいんだ。

ち、ちょっとやばくない?

このまま勝っちゃったら。

でも、戸塚君には負けてもらいたくなし。

 

「勝ったね刈宿君。」

 

「あ、戸塚君。」

 

「コントロールと観察眼、刈宿君のいいところが出た試合だね。」

 

「え、観察眼?」

 

「うん、相手をよく見てるよ。 苦手なとこに的確に打ち返してる。」

 

「へぇ~」

 

”スタスタ”

 

「おう、刈宿、久しぶり。」

 

「あ、菅、久しぶりだな。」

 

「へぇ~、総武頑張ってんじゃん。 いつも一回戦負けなのに。

 

 それにお前がレギュラーなの?」

 

だ、誰だろう?

中学校の同級生っぽいね。

ちょっとチャラそう。

なんかやな感じ。

 

     ・

 

「ゲーム セット アンド マッチ 戸塚君 6-4。」

 

「よし、戸塚先輩勝った。

 

 二回戦突破だ。

 

 菅、今年の総武は強いからな。」

 

「そうか? まぁ、次はうちとだから、残念だけど夢はここまでだな。

 

 じゃあな。」

 

”スタスタ”

 

「くっそ。」

 

「ねぇ、どうしたの、知り合い?

 

 ごめん、すっごくムカついたんだけど。」

 

「うっす、中学時代のまぁ、ライバルっす。」

 

「ふ~ん、うまいのテニス?」

 

「一回も勝ったことないっす。」

 

「でもライバル? 勝てるよね。」

 

「え、あ、う~ん。」

 

「勝て!」

 

「う、うっす。」

 

はぁ? なにいってるのわたし。

だ、だってチョ~ムカついたんだもん、あのチャラ男。

あのチャラ男だけには、刈宿君負けてもらいたくない。

 

     ・

 

「さぁ、みんな、ちょっと早いけど、三回戦の始まる前にお昼とっておこう。」

 

「「はい。」」

 

”がさがさ”

 

はぁ~、やっぱりコンビニのパンだったね。

まったくこいつの食生活どうなってんだ。

まぁ、思った通りだけど。

まだお母さんと仲直りできていないのかなぁ。

 

「刈宿君、またコンビニ?」

 

「え、い、いいじゃないっすか。

 

 俺、このメロンパン好きなんですから。」

 

「ほれ。」

 

「え、こ、これ、俺にっすか。」

 

「うん。 ほら、そのパンと交換。」

 

「み、美佳先輩、ありがとっす。

 

 か、感激っす。」

 

「お、大げさだよ弁当ぐらい。

 

 あの・・・あ、味は保証しないからね。

 

 そ、その疲労回復、第一で考えたから。」

 

「う、うっす。 うわぁ、美味しそう。

 

 あ、ミニトマト入ってる! やったー

 

 いっただきま~す。」

 

「うん。」

 

”ばくばく”

 

「ぐす、美佳先輩、うまいっす。」

 

「わ、わかったから、ゆっくり食べないと。

 

 それと泣くか食べるかどっちかにしたら。」

 

「んぐ!」

 

「ほ、ほら、馬鹿!」

 

”トン、トン、トン”

 

「ぷはぁ。」

 

「もう、びっくりした。

 

 慌てないで、お茶飲んでから食べなさい。」

 

「うっす。」

 

     ・

     ・

     ・

 

「はは、この試合でうちの勝ち決まりだな。」

 

「・・・」

 

「無視かよ。」

 

「ザ、ベストオブ1セットマッチ 刈宿君サービス プレイ」

 

     ・

 

”バシ”

 

「ゲーム菅君、3-1。」

 

大丈夫かなぁ、なんかあいつのスマッシュ?

めっちゃ早い。

刈宿君、一生懸命拾ってるんだけど、いつもと違って振り回されてる。

 

「ね、戸塚君、どう?」

 

「うん、

 

 相手のボールの勢いに押されてるね。

 

 結構振り回されてる。」

 

「勝てそう?」

 

「わからないよ。」

 

     ・

 

「ゲーム菅君、4-2。」

 

やば、刈宿君、フラフラだよ。

立ってるのがやっとって感じ。

あ、でも、あいつも結構足にきてない?

 

「ね、と、戸塚君、相手結構足にきてない?」

 

「うん、でも刈宿君もきつそうだね。」

 

     ・

 

「ゲーム菅君、5-4。」

 

”スタスタ”

 

「はぁ、はぁ、やっぱり強いっす。」

 

「はいポカリ。」

 

「うっす。」

 

”ごくごく”

 

「戸塚先輩、もしかしたらすみませんっす。」

 

「刈宿君。」

 

”ベシ”

 

「おわぁ。」

 

「おい、何いってんだ、ここからだろ!

 

 とうちゃんが言ってたぞ、勝負は最後のゲームセットまでわからないって。

 

 勝て、絶対勝て。

 

 ・・・・・・・・・・・・・・勝ってわたしを彼女にするんだろう。」

 

「う、うぉー!! 

 

 み、美佳先輩、行ってきます。」

 

 

     ・

 

”バシッ”

 

「や、やったー、勝ったっす!」

 

「ゲーム セット アンド マッチ 刈宿君 7-5。」

 

か、勝った。 あいつ勝っちゃった。

ははは、よ、よかった。

・・・・・あ、ヤバ。

 

「三ヶ木さん、刈宿君勝ったよ。

 

 僕も頑張らないとね、じゃあ。」

 

「み、美佳先輩、勝ったっす。」

 

「あ、あっそ。 良かったね。」

 

「げ、なんか冷たい。」

 

だって・・・・・・複雑なんだよ。

 

     ・

     ・

     ・

 

「みんな、さぁ、準決勝だ。

 

 海浜に勝って決勝行くよ。

 

 あと二つ、頑張ろう。 ダブルス、頼むよ。」

 

「「はい。」」

 

     ・

     ・

     ・

 

「ぐ、痛!」

 

え、ど、どうしたの刈宿君?

な、なんかふくらはぎ押さえてる。

すごく痛そう。

と、戸塚君。

 

「あ、すみません、タイムアウトお願いします。

 

 三ヶ木さん、来て。」

 

「うん。」

 

え、ど、どうしたんだろう?

ふくらはぎ、さっきから押さえてるけどつったのかなぁ。

マッサージしなくちゃ。

 

「ね、ちょっとふくらはぎ見せてみて。」

 

「うっす、戸塚先輩。」

 

「三ヶ木さん、ふくらはぎのこわばってるとこ指圧してくれる?

 

 そのあとテーピングで固定してくれるかなぁ。」

 

「うん、任せておいて。」

 

「刈宿君、歩くことはできるんだね、痛みは?」

 

「うっす。痛みは少しだけっす。」

 

「そう、肉離れではないと思うけど、筋膜炎かなぁ。

 

 仕方がない、この試合棄権しよう。」

 

「だめっす。

 

 ここで棄権したら負けじゃないですか。」

 

「なにいってんだ!

 

 ここで無理をして、肉離れにでもなったらどうするの!」

 

「でも、ここで棄権したら戸塚先輩たち引退・・・」

 

「狩也、すまない。 

 

 俺達ダブルスが一試合でも勝ててたら、少しは負担減らせたんだけど。

 

 ここまでこれたのも部長とお前のおかげだ。

 

 俺達はお前に感謝こそすれ、恨んだりするもんか。

 

 よっぽどお前が肉離れになったほうが後悔する。」

 

「ね、みんな同じ気持ちだよ、刈宿君、棄権しよう。」

 

そうだよ、刈宿君、みんなの言う通りだよ。

残念だけど、棄権するしかないよ。

みんな感謝してるっていってるよ。

 

”チラ”

 

えっ

 

「いやっす。 俺、棄権しないっす。

 

 ほ、ほら、歩けるじゃないっすか。」

 

「駄目だよ。無理したらひどくなる。」

 

「いけるっす。」

 

馬鹿、わたしのことがあるからだね。

まったく、こいつは・・・・・手のかかる奴だ。

仕方、ないね。

ありがとう、刈宿君。

 

「あの、戸塚君、ちょっと二人っきりにしてもらっていい?」

 

「え、あ、う、うん。」

 

”スタスタ”

 

「あ、あの~、美佳先輩?」

 

「あのさ、お前なんか勘違いしていない?

 

 わたしがお前の彼女になるって本気にしてたのかよ。

 

 頭悪いんじゃないの?

 

 そんなわけないじゃん。

 

 なんでこのわたしがお前みたいなガキの彼女にならないといけないんだよ。

 

 冗談に決まってるじゃん。

 

 まったく、わたしはガキは相手しないの。

 

 頼りない男なんて御免だよ。

 

 わたしはしっかりとした頼りがいのある男しか相手しないの。

 

 いままでもさ、退屈だったから適当に話合わせてただけだし。

 

 ね、悪いけど、もうわたしに近寄らないでくれる?

 

 すっごい迷惑なの。

 

 ・・・・・・・・だからさ、さっさと棄権しちまえ。

 

 み、みんな迷惑してるじゃん。

 

 じゃあ、わだじ帰るわ。

 

 あ~あ、どっかにいい男いないかな~」

 

”スタスタスタ”

 

「と、戸塚君、ごめんなさい。

 

 あと刈宿君のことお願いします。」

 

「三ヶ木さん、・・・・・うん、わかった。

 

 ありがとう。」

 

     ・

 

「ね、刈宿君、棄権でいいね。」

 

「いやっす。」

 

「え? い、いま三ヶ木さんと・・・」

 

「なんか痛み全然なくなったっす。

 

 ほんとっすよ、なんか急に力が抜けて、そしたら痛み全く無くなって。

 

 大丈夫っす、俺いけます。

 

 もし、戸塚先輩が見てて様子がおかしそうだったら、棄権にしてもらって結構です。」

 

「・・・刈宿君。

 

 うんわかった、じゃあ、本当に少しでもそんな気配が見えたら棄権するからね。」

 

「うっす。」

 

     ・

 

棄権したよね、大丈夫だよね。

 

”ひょい”

 

え~、何で試合再開すんの?

棄権するんじゃなかったの戸塚君。

 

神様、お願い、もう勝ち負けなんてどうでもいいから、ケガだけさせないで。

お母さん、美紀もお願い力貸して。

とうちゃんも・・・・・・あ、とうちゃん元気だった。

 

     ・

     ・

     ・

 

”バシッ”

 

「ゲーム セット アンド マッチ 刈宿君 6-3。」

 

”スタスタ”

 

「はぁ、はぁ、戸塚先輩、あと頼みます。」

 

「うん、だれか、刈宿君のマッサージお願い。」

 

「はい。」

 

か、勝った。

よかった、ケガも大丈夫だったみたい。

 

はぁ~、もうごめんだよ、苦しくて見てられない。

それにさ、あれだけ言っちゃったから、合わせる顔もないし。

 

次は決勝戦だね。

頑張ってね、でも絶対無理しないでお願いだから。

戸塚君、刈宿君のことお願いします。

 

さようなら、刈宿君。

 

     ・

     ・

     ・

 

「ゲーム セット アンド マッチ 矢部君 6-4。」

 

「はぁ、はぁ、はぁ、ごめん刈宿君、君にまで回せなかった。」

 

「ナイスゲームでした。

 

 戸塚先輩、三年生の先輩方ご苦労様でした。

 

 短い時間でしたけど、ご指導ありがとうございました。

 

 俺、もっと鍛え直して強くなります。」

 

「うん、テニス部、お願いするね。」

 

「うっす。」

 

     ・

     ・

     ・

 

”ちゃり~ん”

 

う~、なけなしの五百円。

先月、前借したから今月は厳しいや。

 

”ガラガラ”

 

神様、戸塚君たちが決勝戦に勝てますようにお願いします。

あ、一番はみんながケガしませんように。

お賽銭、奮発したんだからね。

お願いします。

 

これでよかったんだよね。

もう嫌われたから、戸塚君たちが県大会に行っても。

 

『もうわたしに近寄らないでくれる?』

 

嫌われちゃったよね。

あ、なんか前にも同じようなことが・・・・・・

 

ふぅ~、まあいいか。

 

刈宿君、やさしいんだよ。

それに顔もカッコいいし、スポーツマンだし、それにお金持ちだし。

勉強は・・・・・まぁ、総武高入れたぐらいだからね。

それにお母さん、めっちゃ怖いし。  あ、それはいいか。

わたしとなんか、始めっから釣り合わないんだよ。

 

最後、滅茶苦茶、嫌なこと言っちゃった。

 

君はガキじゃないよ。

ガキは・・・・・わたしのほうだ。

わたしは、わたしはこんなやり方しかできないんだもん。

 

”ポロ”

 

あれ?

 

”ポロ、ポロ”

 

え、なんで?

おかしいな、なんでだろう、なんか涙止まらないや。

やっぱつらいね、嫌われるって。

 

・・・・・ごめんね、刈宿君、酷いこと言ってごめんね。

ご、ごめんなさい。

 

     ・

     ・

     ・

 

”ブ~、ブ~”

 

あ、戸塚君からメール?

 

『決勝戦の結果

 

 ダブルス 0-6 負け

 

 シングル 戸塚 4-6 負け

 

 ごめん、負けちゃった。

 

 (刈宿君、ケガ大丈夫だよ。)

 

 応援、ありがとう。

 

               戸塚』

 

そ、そっか、負けちゃったんだ。

連絡ありがとう、戸塚君。

えっとね、

 

『戸塚君。

 

 三年間、朝から夜までご苦労様でした。

 

 大学行っても、テニスするんでしょ。

 

 これからもガンバ!

 

 応援してるね。

               三ヶ木』

 

送信っと。

 

そっか、負けちゃったのか。

お祈り利かなかったね。

おい、神様、お賽銭返せ。

 

はぁ~、さてっと買い物して帰ろ。

今日、夕飯、何にしようかな。

 

”ぐすん”

 

その前に顔洗ってこなくちゃね。

 

 

 

 

 

‐‐‐‐‐‐‐

 

 

 

 

 

”ガチャ”

 

「ただいま~、とうちゃん遅くなってごめんね。

 

 いまご飯作るからね。」

 

「お帰りっす。」

 

「え? え゛ー

 

 な、なんであんたがうちにいるのよ!」

 

「あ、これ返しに来たらお父さんが中入れって。」

 

「え? あ、お弁当箱。」

 

「おう、美佳、お帰り。」

 

「あ、あのさ、ちょっといい。」

 

「うっす。」

 

”ガチャ”

 

「なんで来たのさ。

 

 わたしが言ったこと憶えてるでしょう。

 

 弁当箱なんてどうでもいいじゃん。」

 

「うっす。」

 

「だ、だったらなんで?」

 

「美佳先輩、俺知ってるっす。」

 

「え? な、なにを知ってるの。」

 

「美佳先輩は、嘘つくとき、必ず、目が右から左に泳ぐんです。

 

 そして、必ず、右手を握り絞めてるんですよ。

 

 今日、そうでしたよ。

 

 それに。」

 

「それになにさ。」

 

「美佳先輩、泣いてたじゃないっすか。」

 

「な、泣いてないもん。」

 

「泣いてたっす。 目にいっぱい涙たまってたっす。」

 

「ぐ。」

 

「まったく、本当は少し傷ついたんですからね。

 

 で、でも、俺、やっぱり美佳先輩が好きっす。

 

 今日は、県大会駄目でしたけど、絶対連れていきますから。

 

 それと、もっと男らしくなります。

 

 美佳せん・・・・・美佳さんに頼られるくらい。

 

 それまでは仮カノっす。 」

 

「仮カノもだめ。

 

 ふぅ~、まったく、手のかかる奴だな。

 

 ほら、行くよ、なにしてんの。」

 

「え?」

 

「晩ご飯食べていくんでしょ。

 

 作るの手伝ってもらうからね。」

 

「う、うっす、美佳さん。

 

 俺頑張るっす。」

 




最後まで、本当にありがとうございます。

前書きでも書いたんですが、ちょっと投稿に追われてたかなぁって
思い、勝手に間隔開けさせていただきました。

ごめんなさい。

ただ、以前のペースだとなかなか伝わらないことも多くて。
今後は、ある程度、まとめてから投稿したいと思います。

不定期になり、申し訳ありませんが、お願いいたします
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