似て非なるもの   作:裏方さん

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すみません。

見直し前に投稿になってしまいました。
な、なんとか見直ししましたが、誤字があったらすみません。
(都度見直しいたします)
反省です。 なに触ったんだろう。

見にきていただき、ありがとうございます。
(毎回同じですみません。)

今回から新章です。
時期、ちょっとずれててすみません。

物語はいよいよ夏本番へ。
今回、またしてもセリフばっかりでごめんなさい。

最後まで読んでいただけたらありがたいです。




第5章 夏物語
夏のはじまり -林間学校 前編-


「取材、ありがとうございました。

 

 部活、頑張ってくださいね。」

 

”にぎ”

 

「あ、ありがとう。 えっと~。」

 

「新聞部の蒔田舞です。

 

 あの、キャプテンさんに名前を憶えて貰えるとうれしいです。 にこ♡

 

 あ、一年生の皆さんも来月の一年生大会、頑張ってくださいね~」

 

「「あざーす。」」

 

     ・

 

「へへへ、これでバスケさんの7割ぐらいの票は堅いですね。」

 

「いや、野球部の時もそれやってたでしょ、にぎにぎって。

 

 あんたほんとあざといから。」

 

いや、ほんと、うちの会長並みあざとい。

いや、それ以上かも。

だって、部員一人一人に笑顔振りまくわ、握手しまくるわって、あんた政治家か。

大岡君もメロメロだったもん。

絶対、バスケ部の何人かも勘違いしてるよね。

 

「え~、だって文化祭まであと二カ月ぐらいしかないですよ。

 

 わたし、人気投票、必死ですから。」

 

「いや、でもさ、あんた・・・・・・・まぁ、いいけどね。

 

 それより記事間に合うの?

 

 前回も大変だったでしょ

 

 今回は夏休み前だし、締め切り大丈夫?」

 

「大丈夫ですよ、今週末まで待ってもらってますから。」

 

「え、よく待ってもらえたね。」

 

「はい、ジミ子先輩の名前だしたら、いちころでした。」

 

「お、おい。」

 

瀬谷君、ごめん。

また徹夜になりそうかも。

ごめんね、こんど差し入れもっていくから。

はぁ、全く手のかかるやつ、紹介しちゃったよ。

 

「いいじゃないですか、使えるものは使えですよ。

 

 それより、この後行くんでしょ。」

 

「う、うん。」

 

「それじゃ、レッツゴーです。」

 

     ・

     ・

     ・

 

「ジミ子先輩、こんなのどうです?」

 

「ぶへぇ、だ、駄目に決まってんじゃん、馬鹿~」

 

「え~、大丈夫ですよ、顔とか結構地味なんですから、これぐらいしないと。」

 

「ば、馬鹿者、ほとんど生地ないじゃん。なにこのちっちゃな三角形は。」

 

「もう、折角選んだのに。」

 

「お願い、ちゃんとしたの選んで。」

 

「じゃあ、これは。」

 

”ベシ”

 

「いた~い。」

 

「紐しかないだろう、それ。

 

 もういい、あんたに頼んだわたしが馬鹿だった。

 

 自分で選ぶ。」

 

「だってジミ子先輩が悪いんですよ、セクシーなのっていうから。

 

 どうせ、刈宿君とプールか海に行くんでしょ。

 

 いいなぁ、自分だけ。」

 

「ち、ちがうから。 生徒会でさ、林間学校のサポートに行くことになって。」

 

「え、なんですかそれ。 林間学校でなんで水着なんですか。」

 

「あ、ちょうど近くに河原があってね、水遊びできるんだって。

 

 そんでうちの会長が、生徒会で誰がスタイル良いか、水着で決着つけようっていうから。」

 

「な、なんていう企画なんですかそれ。

 

 あ、もちろん、稲村先輩も行くんですよね。」

 

「う、うん。」

 

「ジミ子先輩、このワンピースにしなさい。 これがいいです絶対。」

 

「そうこのワンピース似合うかなぁ

 

 ・・・・・・・おい、これどうみてもアラフィフ向けだろう。」

 

「ジミ子先輩はそれでいいんです、ぷぃ。」

 

「いや、何で怒ってるの?

 

 あっ」

 

     ・

 

「せんぱ~い、これなんてどうです。」

 

「い、いや、もう何でもいいから。 俺あっち行っててよくない?

 

 ここにいるだけで、さっきから通報されそうなんだが。」

 

「え~だめですよ、ちゃんと意見聞かせてください。」

 

「もうそれでいんじゃないの。」

 

「なんですか、もう。

 

 ほれ、ほれこれなんてどうですか~。」

 

え、な、何で会長と比企谷君が。

会長セクシーな水着持ってるって言わなかったっけ。

げ、さっきの極小水着。

あ、比企谷君、照れてる。

くそ~、うらやまし。

ま、負けないからね。

 

「いや、それ、小さすぎじゃね。」

 

「え~そうですか、これぐらいふつう・・・・

 

 は、もしかして、俺以外にはそんな水着姿見せたくない、俺と二人きりの時だけ

 にしてくれっていうことですか。

 残念ですがそういうことはちゃんと告ってからにしてしてください、ごめんなさい。

 

 でも、まぁ、先輩がそう懇願するのなら仕方ないですね。」

 

「い、いや、懇願してないから。」

 

「それじゃあ、やっぱりいま持っている水着にしておきます。

 

 期待してくださいね。 えへ♡」

 

「いや、だったら何しに来たの。」

 

「いいんです。 ほら、次行きますよ。」

 

”ぎゅ”

 

「くっつくな、歩き難いだろうが。」

 

「なんですか、もう。」

 

”スタスタスタ”

 

「はぁ~。 」

 

「ジミ子先輩?

 

 あれ、生徒会の会長さんと備品先輩じゃないですか。」

 

「う、うん。」

 

「え、でも備品先輩ってジミ子先輩と・・・・ふふ~ん、そういうこと。

 

 修羅場、またしても修羅場。

 

 生徒会会長と庶務の血で血を洗う地獄絵。」

 

「お、おい、ちょっとまて、地獄絵ってなんだ地獄絵って。」

 

「これは、ぐふふふ。」

 

「な、なに、その笑顔、はっ! ま、まて、それはやめろ。」

 

「かいちょ 」

 

「待て。」

 

「ふぐふぐ、んー 」

 

”どたばた”

 

は、危なかった。 やっぱこいつ危険だ。

なに会長に声かけようとしてんだ。

い、行ったよね、会長と比企谷君。

もう、大丈夫だ。

 

「ぷはぁ。

 

 な、なにするんですか、危なく窒息死するとこじゃないですか!」

 

「うっさい、いま何しようとしてた、お前。」

 

「な、なにって、べ、別に。 ちょっとおもしろいかなぁって。」

 

「お、おい。」

 

「はぁ~、あの会長が相手か、これは厳しいですね。

 

 水着で決着って、そういうことならそうと言ってくれればいいもの。」

 

「え?」

 

「ほい、ちょっと失敬。」

 

”にぎにぎ”

 

「え、うぇー、あんたなにを。」

 

「ふむふむ。

 

 えっとこっちのほうはどうかなぁ。」

 

”もみもみ”

 

「ひゃっ。」

 

「ふ~ん、そうですか。 それならば、え~とですね。

 

 うん、これがいい。

 

 これにしましょう、ジミ子先輩。」

 

「え、で、でもこれも結構きわどい。」

 

「大丈夫ですよ、ジミ子先輩。 先輩はスタイルはまぁそこそこいけてますから。

 

 あ、それから、この水着を着る時は。」

 

”ひょい”

 

「えっと眼鏡外して、そしてこのぼさぼさの髪をこんな感じでアップにすれば。

 

 ほらね、ちょっとそこの鏡、見てください。」

 

「う、うん。 あっ。」

 

「まぁ、顔は仕方ないから、あきらめて。」

 

「お、おい、そこあきらめるの?」

 

「大丈夫、身体で勝負です。

 

 ジミ、うううん、三ヶ木先輩、会長さんに負けたらだめですよ。」

 

「いや、あんた身体で勝負って。

 

 まぁ、うん、ありがと、舞舞。」

 

「な、なんですかそれ、絶対やめてください。」

 

「ジミ子より、いいじゃん。」

 

 

 

 

‐‐‐‐‐‐‐‐

 

 

 

 

「ヒッキー♡」

 

「う~ん。」

 

「ヒッキー、ヒッキー♡」

 

「由比ヶ浜、なんだ、どうした。」

 

「ヒッキー、ヒッキー、ヒッキー♡」

 

「お、おう? いや、わかったから、そんなに何回も呼ばなくていいから。」

 

「比企谷君♡」

 

「え、あ、雪ノ下。」

 

「比企谷君、比企谷君、比企谷君♡」

 

「いや、なにお前まで。」

 

「ヒッキー、ヒッキー・・・・・・ヒッキー。」

 

「比企谷君、比企谷君・・・・・・比企谷君。」

 

「な、なに、え、やめて。 そんなに頭揺らすのやめて、そんなに揺らすともげちゃうから。」

 

”ぼき”

 

「ぐわぁー!」

 

”ばさっ”

 

「あ、やっと起きた。 ヒッキー、今何時だと思ってるの?」

 

「え、な、あれ?」

 

「もう永眠したのかと思ったわ。」

 

「・・・・・・あ、あの~、何で君たちが俺の部屋にいるの?」

 

「ヒッキーが遅いからじゃん。」

 

「予想通りね、まだ寝てると思ってたわ。」

 

「遅いってなに? 何んかあったの今日。」

 

「げ、ヒッキー、マジ?

 

 き、今日は林間学校の日だよ。」

 

「林間学校? あ!」

 

「やっと思い出したようね。」

 

「や、やばい、こんな時間じゃねぇか。

 

 お、おい、着替えるから出て行ってくれ。」

 

「うん、早くね。」

 

”ばたん”

 

「はぁ~、すっかり忘れてた。 急がねぇとな。」

 

”ぬぎぬぎ”

 

「ん、最近、筋肉ついてきたんじゃねぇか。

 

 ふん、ふん、ふんっと。

 

 我が上腕二頭筋にかけて負けはせん!ってな。」

 

”ガチャ”

 

「あっ、ヒッキー、それとね、・・・・キモ!」

 

「え、あっ、そ、その・・・・・・由比ヶ浜さん、ノックぐらいしようね。」

 

「・・・そだね。」

 

     ・

     ・

     ・

 

「あ、来た! 先輩、遅いです~。」

 

”タッタッタッ”

 

「・・・え、あれ? なんで。」

 

「お早う、一色さん。」

 

「やっはろー、いろはちゃん。」

 

「あ、お、おはようございます、雪ノ下先輩、結衣先輩。

 

 こ、今回もよろしくです。」

 

「うん、よろしくね、いろはちゃん。」

 

「ごめんね、遅くなって。

 

 もう、ヒッキーがいけないんだからね。

 

 迎えに行くまで寝てるなんて信じられない。」

 

「まったく、常識がない男ね。」

 

「いや、勝手に俺の部屋まで入ってくるお前たちはどうなんだ。」

 

え、結衣ちゃん達、比企谷君の部屋に入ったの。

しかも寝起き突撃?

な、なんていう・・・・・

わたしも今度行こうかなぁ。

 

「あ、でも、ちゃんと小町ちゃんの了解とったし。」

 

「いや、俺の了解は。」

 

「小町さんの了解を取れた以上、あなたの了解がいると思うの?」

 

「いや、まぁ、そうなんだが。」

 

「えっと~、

 

 まぁ、それはそうと、せんぱーい、ちょ、ちょっといいですか?」

 

”ぐぃ”

 

「え、あ、お、おい。」

 

「あの、なんで雪ノ下先輩や結衣先輩もいるんですか?」

 

「い、いや、お前、その目怖いんだが。

 

 この前、人手足りないって言ったろ。」

 

「だからといって、お、お二人とも受験生じゃないですか!」

 

「いや、俺も受験生なんだが。」

 

「先輩はいいんです。」

 

「え、いいのか俺。 あ、だが、平塚先生の了解はとってあるぞ。」

 

「え、そ、そうなんですか。

 

 ・・・・・まったく、なんであのお二人なんですか、もう。

 

 あの、美佳先輩、ちょっといいですか!」

 

「え、なに? 何で怒られてるのわたし。」

 

「林間学校での担当の割り当ての件ですが・・・・」

 

     ・

 

「お早う、みんな集まったかね?」

 

「あ、いえ、すみません、もう一人。」

 

「え、美佳先輩、他にまだいましたっけ?」

 

遅いなぁ。

昨日ちゃんと確認したのに。

ちょっと電話してみようか。

えっと、スマホ、スマホっと。

ん? あ、あのコート。

暑くないのか、おい! ま、マジでその格好で行くの?

 

「けふこん、待たせたの。」

 

「げっ。」

 

「あ、中二だ。」

 

「材木座、お前、どうしたんだ?」

 

「へ、い、いや、我はだな、あれ?」

 

「あ、あの~、ほ、ほら男手足りないかなぁって思って、わたしが声を・・・・

 

 だって、なんかキャンプは任せておけって。」

 

「ふむ、我が来たからには安心するがよい。

 

 三ヶ木女子に頼まれては、我が手助けしないわけにはいくまい。

 

 ほれ、八幡、これを見るがよい。

 

 ちゃんとキャンプについてはシュミレーション済みである。 任せておかれい。」

 

「お前、このアプリ、キャンプ場を経営するやつじゃねえか。

 

 キャンプ場を発展させてどうすんだ。」

 

「え、違うの?」

 

「材木座、ご苦労だった。 もう帰っていいぞ。」

 

「ひぎぃ、八幡、せ、折角来たのだ、家族も我を置いて旅行に行って誰もおらぬ。

 

 い、一緒に連れて行って~」

 

”だき”

 

「くっつくな、わかった、わかったから。 冗談だ、冗談だから離せ。」

 

「もう、いいかね。」

 

「うぃっす。 あ、でも先生、これだけの人数、そのワンボックスだけでは無理でしょう。

 

 どうやって行くんですか?」

 

「ん、いや、もう来ると思うんだが。」

 

”ブ、ブー”

 

「ああ、噂をすればだ。」

 

「「え゛ー」」

 

「ん? どうした稲村、三ヶ木。」

 

「ひ、平塚先生、来たって。

 

 待ってたの、ひ、広川先生のことですか?」

 

「ああ、そうだが?」

 

「「・・・・・」」

 

     ・

     ・

     ・

 

「それでは広川先生も来たので、そろそろ出発するとしよう。

 

 私の車と広川先生の車に分かれてくれたまえ。」

 

”スタスタスタ”

 

「え、どうした私の車に全員は乗れないぞ。

 

 すまんが、あと二人は広川先生のほうに乗ってくれ。」

 

「だって、広川先生の車ってトラックじゃないですか~」

 

「そうね、どうみてもトラックね。」

 

「なんかお尻痛くなりそう。」

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

「美佳先輩? 稲村先輩? どうしたんですか~。

 

 なんか顔色、すっごく悪いですよ。」

 

「だ、大丈夫だから。 ね、ねぇ。」

 

「あ、ああ。 大丈夫だ、会長。」

 

「そ、そうですか?

 

 それじゃあ、公平にジャンケンで決めましょう。」

 

「「ジャンケン、ポン。」」

 

は、う、うそ。

 

「げ、い、いやだ~」

 

”ダー”

 

嫌だ、嫌だ、嫌だ、まだ死にたくないよ~。

だれか嘘だといって、嘘だと~

 

「み、三ヶ木、帰ってこ~い。」

 

「絶対いや~」

 

     ・

 

「よし決まったようだな。

 

 それでは出発しようか。 広川先生、向こうまでよろしくお願いします。」

 

「ああ、しず、平塚先生、向こうでまた。

 

 さぁ行くぞ、乗った、乗った。」

 

ううう、なんでわたしジャンケン、弱いんだろう。

し、仕方ないね。

こうなる運命だったんだ。

あ、その前に、昨日準備していたんだ。

 

「書記ちゃん、これ車の中のお菓子とか飲み物。

 

 みんなの分あるから、中で分けてね。

 

 あ、あとUNOとかも入れておいたからよかったら使ってね。」

 

「あ、はい。 三ヶ木先輩、いつもご苦労様です。」

 

「書記ちゃん、短い間でしたけど、お世話になりました。」

 

「え? あ、あの~三ヶ木先輩?」

 

「さようなら~」

 

     ・

 

”カキカキ”

 

はぁ、これでいいかなぁ。

 

「なに書いてんだ三ヶ木。」

 

「遺書。」

 

「お、おい。」

 

「稲村君、ジャンケン勝ったんだから、無理しなくてもよかったんだよ。」

 

「いや、お前がこっちなら、俺もこっちに乗るさ。」

 

「そ、そう。」

 

「た、ただな、こ、今回は高速を使うんだよな。」

 

「高速、使うんだよね。」

 

「「・・・・・」」

 

「よし、稲村、三ヶ木行くぞ。

 

 シートベルトしろって、あ、もうしてるんだ。」

 

”キュルルル、ブー”

 

「せ、広川先生、安全第一で行きましょう。」

 

     ・

     ・

     ・

 

「せ、先生? もう少しゆっくり行きません?

 

「稲村、ここは高速だ。 高速でゆっくり走ったら危ない。」

 

「で、でも広川先生、ちょ、ちょっと飛ばし過ぎじゃ、きゃー。」

 

「せ、先生、トンネルだから、ライト、ライトつけて。」

 

「お、おう。」

 

”ビュッ“

 

「いっ! そ、それウィンドウウォッシャー!」

 

「み、三ヶ木、し、死ぬときは一緒だからな。」

 

「いやだ、死ぬなんて言わないで~、馬鹿ー!」

 

「あ、す、すまん。

 

 すまんついでに、な、なぁ、手、握っててくれないか?」

 

「う、うん。 い、今だけだからね。」

 

 

 

 

‐‐‐‐‐‐‐

 

 

 

 

”バタン”

 

「う~ん、結構景色良いいね。」

 

「うん、空気美味しいね、いろはちゃん。」

 

「ゆきのん、なんか去年のこと思い出すね。」

 

「そうね、もう一年も前のことなのね。」

 

「いや、あまり思い出したくはないのだが。

 

 それはそうと、先生今年はなぜ、前のりなんですか?」

 

「うむ、去年も誰かさんが遅かったこともあって、割とギリギリだったんでな。

 

 今年は安全を考えて余裕のある日程にしたんだ。

 

 それと一色から聞いていると思うが、三年生は今日と明日の夜は勉強会だ。」

 

「え~、あたし聞いてないよ。」

 

「いや、しっかり伝えただろう。」

 

「だって。 ・・・・・あたし勉強道具持ってこなかったし。」

 

「由比ヶ浜さん、私の貸してあげるわ。」

 

「由比ヶ浜よかったじゃねえか。

 

 お前の場合、平塚先生にマンツーマンで教えてもらえ。」

 

「ヒッキー、酷い。」

 

「平塚先生、勉強会は何かやること決まってるんですか?」

 

「いや、雪ノ下、基本的に自習だ。

 

 わからないとこは、私と広川先生に聞いてくれ。

 

 ああみえても、大学の成績は私より上なんだ。」

 

”キュル、キュル、キキ―”

 

「あ、来たか、思ったより早かったなぁ。」

 

”ガチャ”

 

つ、着いたよ。

こ、怖かった~、寿命50年は縮んだからね。

 

「み、三ヶ木、生きてるか?」

 

「い、稲村君こそ生きてる?」

 

「ああ、なんとかな。」

 

「美佳先輩、お疲れで~す。

 

 ど、どうしたんですか二人とも。

 

 顔真っ青じゃないですか~、はっ、手繋いでる。」

 

「あ、い、いやこれは、違う、怖かったの。

 

 おい、馬鹿離せ、いつまで握ってるんだ。」

 

「いや、お前が離してないんだろう、ほら。」

 

「あ、そうか。」

 

     ・

     ・

     ・

 

「それでは荷物を本館に置いたら食堂に集合だ。

 

 明日からのスケジュールと役割の確認をする。」

 

「「は~い。」」

 

はぁ、まだくらくらするよ。

なんか足が地についてないって感じ。

あ、みんな行っちゃう。

早く行かないとね。

 

”ひょい”

 

え、それわたしの荷物。

 

「大丈夫か? なんかフラフラしてるぞ。」

 

「あ、比企谷君、ありがと。

 

 うん、少し休めば大丈夫・・・・だと思う。」

 

「そっか。」

 

「うん。」

 

     ・

     ・

     ・

 

「それなんですか? 美佳先輩。」

 

「あ、これ、蚊取り線香だよ。」

 

「いや、それはわかりますけど。」

 

「へへ、便利だよ、携帯できるんだ。

 

 とうちゃんが山は蚊が多いからって持たせてくれたの。」

 

「え~、虫除けスプレーがあるじゃないですか~」

 

「絶対こっちのほうが経済的だから。」

 

「でもそれ臭いが結構きつくないですか~。」

 

「え、いい匂いじゃん。」

 

「あの、部屋では使わないでくださいね。」

 

     ・

     ・

     ・

 

「えっと、先生、基本的には去年と同じスケジュールということですね。」

 

「ああ、そうだ。

 

 ただ、すまん、連絡が遅れたんだが、今年は肝試しは中止になった。」

 

「平塚先生、それは去年のことが。」

 

「いや、今年の生徒の保護者からな、暗い中、驚いて走ったりしたら危ないんじゃないかとの

 

 意見があったらしい。」

 

「いや、みんな、笑っていたような。」

 

「まぁ、そういうことだ。 その代わり広川先生が何か考えているらしい。」

 

「え~、でも折角いろいろ準備したんですよ~

 

 なんか、去年はしょぼかったって聞いてたので。

 

 ん~、あ、そうだ。 わたしたちだけでもやりましょう。

 

 平塚先生、よろしいですか~」

 

「まぁ、キャンプファイヤーまでは自由時間だ。

 

 キャンプファイヤーに間に合えばいいだろう。」

 

「はい。 それでは肝試し決定です。」

 

雪ノ下さん、去年のことって何かあったのかなぁ。

そういえば戸部君が何か言ってたような。

まぁ、いいや。

 

えっとそれじゃ、まずは明日のオリエンテーリングか。

後で危険な場所ないか下見してこよう。

それと他には・・・・

あ、そうだ。

 

「先生、オリエンテーリングの時なんですが、

 

 オリエンテーリングの班と昼食の準備班に分けてもいいですか?」

 

「ああ、そうだな、いいだろう。」

 

「会長、どうします?」

 

「そうですね、それでは昼食の準備班はわたしがやりますので。

 

 ・・・・・まぁ、マジ暑いですから。

 

 副会長、副会長はオリエンテーリング班のリーダーをお願いしますね。

 

 その他の皆さんの振り分けは、明日までに考えておきますのでよろしくです。」

 

なんか、いま暑いからとか言わなかった?

まぁいいや、それが終わったらカレーか

カレーの材料は各班ごとに分けておかなくちゃね。

よし、今のうちに分けておこうっと。

 

     ・

     ・

     ・

「ご馳走様でした。」

 

ふう、ご飯美味しかった。

この晩ご飯、あの値段でどうやって作ってるんだろう。

満腹満腹。

思わず、おかわりしちゃった。

 

あれ? みんなどこに行ったんだろう。

 

”がやがや”

 

あ、戻ってきた。

勉強道具持ってきたんだ。

まじ勉強するんだね。

 

「美佳っち、やっと食べ終わった。」

 

「三ヶ木、お前食べ過ぎだろう。」

 

「さて、始めるか。」

 

「あら、始めるってあなた読書?」

 

「ああ、今から集中するから話しかけないでくれ。」

 

「ヒッキー、それってラノベだよね。」

 

「比企谷、それは没収だ。」

 

「い、いや、俺の勉強道具ってこれだけなんだが。」

 

「衝撃のファーストブリット!」

 

「ぐはぁ。」

 

「ね、比企谷君、マジで他に持ってきてないの?」

 

「お、おう。」

 

「じゃあ、ちょっと待ってて。」

 

”ダ―”

 

「お、おい、三ヶ木。

 

 なにか嫌な予感がするのだが。」

 

     ・

 

”ダ―”

 

「はい、これ、読んで。」

 

「はぁ?」

 

「む、それは我の新作ではないか。」

 

「これの添削と感想よろしく。 いいですか平塚先生。」

 

「お、おい。」

 

「ふむ、そうだな、これならよかろう。 ちゃんと感想文提出するように。」

 

「み、三ヶ木。」

 

ふふん、比企谷君、あとよろしく。

まぁ、一応最後まで読んじゃったからね。

でも、なんだヒロインのあの扱いは!

確かに、石像から人間に戻ったけどさ。

あの野郎、ゆるさん。

 

「よ・し・て・る君、後で話があるから。」

 

”ぼきぼき”

 

「ひぎぃ。」

 

     ・

 

「広川先生、ここの問題ちょっとわかりにくいんですが。」

 

「ああ、物理やってのか稲村。 どれだ。」

 

「ヒッキー、なに勉強しようかな~ 」

 

「全部だ。」

 

「ううう。」

 

「雪ノ下さん、この英文、この訳し方であってるかなぁ。」

 

「そうね、ここの訳し方が少し違うわ。 ここはこう訳するのよ。」

 

”ぎゅ~”

 

「い、痛い!

 

 え、な、なに沙和、書記ちゃん。」

 

「え、別に。」

 

へぇ~、みんな頑張ってるね。

いいなぁ。

みんな志望校、受かるといいね。

頑張れ!

 

わたしはっと。

・・・・あ、そうだ、オリエンテーリングの下見するの忘れてた。

 

「あ、広川先生。」

 

     ・

     ・

     ・

 

「先生、ご無理言ってすみませんでした。」

 

「いや、こういうのもいいと思う。

 

 そうだな、こいつらはもう来年はいないんだな。」

 

「はい。 正直、そのことを考えるとすこし寂しいです。」

 

「そうか。

 

 ん、三ヶ木はどこだ?」

 

「え、あれ?

 

 ね、ねぇっ書記ちゃん、美佳先輩知らない?」

 

「あ、さっき、外のほうに行きましたけど。」

 

「外? どこいったんだろう?」

 

「あ、先輩、美佳先輩どこにいったか知りません?」

 

「え、いないのか?」

 

     ・

     ・

     ・

 

えっとやっぱりここは危ないかもね。

明日、ロープ引っ張っておこう。

 

えっとこっちの道に行っちゃうと違うとこ出ちゃうから、コーンとか貼り紙とかしておこうっと。

あ、ここいくと河原に出るんだ。

ちょっと行ってみようかなぁ。

 

”がさ”

 

「おい、三ヶ木。」

 

「あ、比企谷君。 どうしたの?」

 

「どうしたのじゃねぇ、お前いなくなるから心配したんじゃなぇか。」

 

「え、あ、ごめん。

 

 あのね、ちょっと明日のオリエンテーリングの下見に。」

 

「全く、ちゃんと言ってから行けよ。」

 

「え、言ったよ、広川先生に。」

 

「そ、そうか。」

 

「ね、ちょっと河原行ってみない?」

 

「ああ。」

 

     ・

 

「あ、蛍。

 

 ほ、ほら、比企谷君、みてみて蛍。

 

 うわぁ~、蛍がいっぱいだ。」

 

「お、おお。 綺麗だなぁ、なんか癒される。」

 

「へへへへ。」

 

「ん、どうした? なんか変なこと言ったか俺?」

 

「うううん。 あのさ、今ね、わたしが会長だったら、

 

 なんですか先輩、そこは蛍も綺麗だが一色のほうがもっと綺麗だっていうとこですよ!

 

 って言いそうかなぁって思ったら。」

 

「く、はははは。 そ、そうだな、言いそうだ。

 

 それにお前、今の似てるぞ。」

 

「えへ♡」

 

「あ、それは似てないわ。」

 

「あ、そう。 ふん。」

 

「あ、いや、お前のほうが蛍より・・・・・」

 

「いいよ、比企谷君、わたしは自分のことわかってるから。

 

 そんなこと言ったら、蛍に悪いもん。」

 

「お前。」

 

     ・

 

「なぁ、知ってるか?」

 

「なに?」

 

「蛍のあの光って、コミニケーションの一つでな、求愛の光なんだと。

 

 蛍ってすげー寿命短くてな。

 

 オスが3日ぐらいで、メスが6日ぐらいしか生きられないんだ。

 

 だからその間に相手を見つけないといけないんで、必死なんだそうだ。」

 

「へぇ~、だからあんなに綺麗なんだね。 

 

 短い時間しか生きられないから、あんなに一所懸命に求愛してるんだ。

 

 そっか。

 

 人もね、蛍みたいになにもとらわれないで、ただ純粋に愛してますって言えればいいのに。」

 

「まぁ、それが人の人たるゆえんだな。

 

 それに人がそんなことになったら、葉山とかモテる奴だけモテることになるだろうな。

 

 俺や材木座なんか一生一人で終わるじゃねぇか。」

 

「・・・・・それマジで言ってるの?」

 

「え?」

 

まったく、人がこんなに苦しんでるってのに。

このハーレム王が。

 

蛍、一生懸命なんだね。

大好きだ、大好きだってあんなに。

だから綺麗なんだね。

 

「わたしも蛍になりたい。」

 

「え?」

 

「あ、い、いや何でもない。」

 

「なぁ、ちょっと調べてみたんだがな。

 

 お前、保母さんなりたいって言ったよな。

 

 ほら、これ、保育士の取れて自宅通学できる千葉の大学だ。

 

 それとその大学でやってる減免処置制度と、利用できる奨学金制度の一覧表だ。

 

 この大学ならうまくいけば、入学金や授業料がかなり免除できるかもしれん。

 

 まぁ、あとはバイトすれば何とかなりそうだぞ。」

 

「え、比企谷君、調べてくれたの?」

 

「ああ、折角調べたんだ。 一度目だけでも通してくれないか。」

 

「う、うん、ありがと。」

 

わたしのためにわざわざ調べてくれたんだ。

うれしい。

ありがと、比企谷君。

で、でもわたしね、やっぱいけない、いくわけにはいかないんだ。

 

・・・・・ごめんね。

 

「比企谷君、あのね、」

 

”ドバァー”

 

「「え?」」

 

「うわー、お、おい三ヶ木、いくぞ、どっか雨宿りだ。」

 

「う、うん。」

 

     ・

 

”ガチャ、ガチャ”

 

「だめだ、やっぱ鍵開かないか。

 

 なぁ、雨はしのげるが、大丈夫か?」

 

「う、うん。 でもちょっと寒い。」

 

「ああ、山の夜は冷えるからなっていう・・・・・ピンク。」

 

「はぁ? ピンクって? え、あー!」

 

”ベシ”

 

「このスケベ。」

 

「いや、透けてるんだから仕方ねえだろう。

 

 悪いのはこの雨だ。」

 

「うう、あんまりジロ見すんな。」

 

「あ、ああ、すまん、つい。」

 

「・・・・・・・・・見たいの?」

 

「・・・・・。」

 

「どスケベ。」

 

「お、おい。」

 

     ・

     ・

     ・

 

「雨、やまないね。」

 

「そうだなぁ。」

 

”ブルブル”

 

「お前大丈夫か?」

 

「さ、寒いね。 

 

 あ、ほら、これ触ってみて。 少し温かいから。」

 

「蚊取り線香か、まだ消えてなかったんだな。」

 

「へへ、やっぱいいでしょ、蚊取り線香。」

 

「ま、そうだな。」

 

「ふ~。

 

 ほら、赤くなった。」

 

「ああ、なんかほっとする。」

 

「ふ~」

 

へへ、なにやってんだか。

でも、なんか蛍みたい。

好きだよって。

このあかり、わたしの気持ちだよ、気持ち届くかなぁ。

 

「ふぅ~」

 

”ジ~”

 

は、な、なに? なんか、し、視線が。

げ、比企谷君になんか見つめられてる。

えっと・・・

 

「あの~、比企谷君。」

 

「あ、い、いや、すまん。 つ、つい。」

 

「え?」

 

「ほ、ほら、その息吹きかけてる顔って、まぁなんだキス顔だから。

 

 す、すまん。

 

 気持ち悪いこと言った、本当にすまん。

 

 忘れてくれると助かる。」

 

え、キス顔。

そ、そっか。

・・・・・・・そっか、見とれてくれたんだ。

うれしい。

もしかして気持ち届いたのかなぁ。

 

「あのね・・・・・・はい。」

 

「はぁ? お、お前何やってんだ。 いや、その顔やめろって勘違いすんだろう。

 

 お、おい目を開けろ。

 

 わ、わかった、俺をからかってんだな。 ど、どこかに、い、一色が隠れてんだろう。」

 

「・・・・・・キスしていいよ。」

 

「は、はぁ? な、な、な、なに言ってんだ。」

 

「うれしかった。

 

 こんなわたしなんかに見とれてくれたんだもん。

 

 あのね、わたしわかってる。

 

 わたしなんかじゃ、結衣ちゃん達の足元にも及ばないって。

 

 だから、本命じゃなくていいんだ。

 

 あ、あ、遊びでもいい、全然気にしないから。

 

 た、たまにね、わたしのほうを見てくれるだけでいいんだ、それで十分。

 

 でも、うううん、だからかも。

 

 わたしね、わたしのファーストは、わたしの一番好きな人にもらってほしい。

 

 だ、だから、そ、そのね、・・・・・いいよ。」

 

「な、お、おい三ヶ木。お前この寒さで頭どうかしたのか?」

 

「・・・・・」

 

「お、おい、三ヶ木?」

 

「だ、だめかな。 やっぱり、わたしなんかじゃ。」

 

「いや、その、なんだ・・・・・」

 

「・・・・そ、そうだよね。

 

 へへ、なにやってんだかわたし。

 

 馬鹿だ。」

 

「いや、まぁ、あ、あのな。」

 

「ちゅっ」

 

「へ、お前、それって。」

 

「ははははは、なによ比企谷君が教えてくれたんじゃない。

 

 えっと欧米では、と、友達同士のあいさつはほっぺ同士をくっつけて、

 

 口でチュッて言うんだって。

 

 と、友達・・・・だもんね。」

 

「え、あ、い、いや 」

 

「へ、変なこと言ってごめんね。

 

 わたしのほうこそ忘れてくれるとありがたいっす。」

 

「お、お前。」

 

「馬鹿、 きらい!」

 

”ダ―”

 

「お、おい、待てって三ヶ木。

 

 雨降って地面滑るから、走ったらあぶねぇって。」

 

「はぁ、はぁ、はぁ」

 

馬鹿だ、わたし、なんてことを。

馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、ほんと馬鹿。

 

も、もう比企谷君の顔みられないじゃん。

わかってたはずなのに。

あんなこと言うつもりなかったのに。

わたしは、そばにいるだけでいいって思ってたのに。

なんで、なんで、なんで。

 

もうやだ。

 

”ギュッ”

 

「ちょっと待てって。」

 

「いや、手離してよ。 もうほっといて。」

 

「いや、走ったら危ないって。」 

 

「離せっていってんだろ! 馬鹿、変態、すけべ、離せー」

 

「お、おい、落ち着けって。」

 

「離せ、離せ、離せ、離せって、馬鹿! もういやだ、離してよ。」

 

”だき”

 

「お願い、離して。もう嫌なの・・・・・・」

 

「三ヶ木。」

 

「あんなこと言うつもりなかったのに。

 

 自分のこと、わかってたはずなのに。

 

 あの蛍、あの蛍の光の点滅一つ一つが、一生懸命好きだって頑張ってんだなぁって思ったら。

 

 何考えてんだろう、わたし馬鹿だ。」

 

「なぁ、三ヶ木。

 

 すまん、もう少しだけ待ってくれないか。」

 

「も、もういいから、大丈夫だから。

 

 ご、ごめんね。 受験勉強で大変なのに。

 

 もう忘れて。」

 

「まぁ、待てって。

 

 少しだけ、少しだけ聞いてくれ。

 

 俺な、俺は人の言うことって、絶対なにか裏あるんじゃねえかって思ってしまうんだ。

 

 まぁ、今までいろいろあってな。

 

 だけど、お前は、お前の言うことは、なぜか素直に信じられたんだ。

 

 まるで自分の言葉のように。

 

 だから、お前には、本当に自分でも信じられないんだが、

 

 俺のこと、普通の俺のこと少しでも知ってもらいたいって思った。

 

 三ヶ木、俺はお前にそばにいてほしい。

 

 でもそれが友としてなのか、それとも別のものなのかわからないんだ。

 

 ただ、お前と刈宿、お前と稲村が話しているところを見たり、いろいろ聞いたりするたび、

 

 なんだろう、こうなんか胸が締め付けられて、その場から逃げ出したくなっちまう。

 

 こんなの初めてなんだ。

 

 さっきお前に好きって言われて、素直にうれしかった。

 

 だから、いや、だからこそこんな気持ちのままでお前に・・・・

 

 キ、キ、キスできない。

 

 ましてや、お前の大事なファーストなんだろう。

 

 うわ~、なに言ってんだろう。 俺、キモイよな。

 

 だが、すまん、多分、これが俺の本心なんだ。

 

 だから、もう少し時間をくれないか。

 

 一度、しっかり気持ちを整理して考えて、そして答えを見つけてお前に向き合いたい。

 

 もしかしたら、お前の気持ちに答えられないかもしれないが。

 

 それでも、それでもこの中途半端な気持ちのままじゃ駄目なんだ。

 

 三ヶ木、それまで待ってもらえないか?」

 

「・・・・・蛍みたいにいかないね。」

 

「すまん。」

 

「うううん、ありがと・・・・ごめんなさい。」

 

”ブルブル”

 

「あ、おい、お前ふるえてるじゃないか。

 

 おい、屋根の下に戻るぞ。」

 

「う、うん。」

 

     ・

 

「大丈夫か?」

 

「はは、天罰だね。 ちょっと寒いかも。」

 

「三ヶ木、服脱げ。」

 

”ベシ”

 

「お、お前、な、なんてことを。

 

 い、いくら好きって言ったからって、そこまで要求するのか。」

 

「いや、ばっか、ち、違うから。

 

 そんなびしょぬれの服じゃ体温を奪われるだけだ。

 

 なにもしねえから。」

 

「う、うううう。

 

 こっち見ないでよって、げ、なんであんたも服脱いでるの。」

 

「まったく、本当に、お前が悪いんだからな。

 

 こんな雨の中、駆け出すからびしょ濡れだろうが。

 

 ほら、後ろ向いて体操座り。」

 

「へ? 体操座りって。

 

 ほんと、変なことしない・・・・・でね。」

 

うんしょっと。

なんだ、体操座りって、なにするつもりなんだ。

でも、ちょっとやばい。

マジ寒くなってきた。

 

”だき”

 

「え、ひ、比企谷君。」

 

「すまん、目はつむってるから、しばらく我慢しろ。」

 

え、いや、そういう問題じゃ・・・・・まぁ、いいか。

あのままじゃ、と、凍死しちゃうからね。

 

えへ、温かいや、比企谷君の温もり。

 

「比企谷君、目、開けたら殺すからね。 えへ♡」

 

「お、おう。 そ、それ怖いんだが。」

 

「あのね・・・・・ありがとう、あったかい。」

 

「そ、そうか。」

 

「うん。」

 

     ・

 

は、よく考えたらわたし達、上半身ほぼ裸で抱き合ってんだ。

ま、まぁ、ブラはしてるけど。

 

さっきはなんか時間くれって言ったけど、も、もし、比企谷君、変な気になって

はっ、このまま押し倒されたりしたら・・・・

 

ど、どうしよう。

い、一応、処理はしてきたけどさ。

 

やばい、心臓ドキドキしてきた

そ、その時は、す、少しは抵抗しないとね。 形だけでも。

 

で、でも、もしここで既成事実つくっちゃったら・・・・ひ、卑怯だよね、そんなの。

比企谷君が一番嫌うやつだ。

 

で、でも、わたし・・・・・

 

”ス~、ス~”

 

へ、ひ、比企谷君?

は、寝てるのか。

この状況で寝れるのかお前。

 

ふふ、比企谷君らしいや。

 

へへ、寝顔ゲット。

しあわせだ、この時間が永遠ならいいのに。

お願い、このまま雨やまないで

 

     ・

     ・

     ・

 

「ふん、ふん、ふふふ~ん♬」

 

あ、雨やんできた。

もうやんじゃうんだ。

神様の馬鹿~

延長お願いします。

 

「う~ん、雨やんできたな。」

 

”ベシ”

 

「目を開けるんじゃない。」

 

「いや、違う、ほら音だ、雨音。

 

 雨音でわかるだろうが。

 

 それに目つむってるほうがいろいろ想像してやばいんだが。」

 

「おい。」

 

「あ、いや、あ、開けてないからな。

 

 それより帰るか。 門限マジやばいぞ。」

 

「うん。 服着るから、まだ目開けちゃだめだよ。」

 

「お、おう。

 

 な、三ヶ木、あ、あのな、8月の花火大会、一緒に行かないか?」

 

「え、いいの?」

 

「ああ、あのな、その時、ちゃんと答えるから。」

 

「う、うん。 怖いけどわたし待ってる。」

 

「帰るか。」

 

「うん。」

 

”にぎ”

 

「おま、手。」

 

「いいじゃん。」

 

     ・

     ・

     ・

 

「げ、やば。

 

 あれ、ロビーにいるの会長だよね。」

 

「ああ。一色だな。」

 

「ひ、比企谷君、先行って。」

 

「いや、お前が先に行ったほうがいいんじゃないか。

 

 風邪ひかないように、早いとこ風呂入れ。」

 

「あ、う、うん。 比企谷君も早くお風呂入ってね。」

 

「ああ。」

 

「じゃあ、また明日。」

 

「おう、じゃあまた明日な。」

 

”タッタッタッ”

 

「あ~、美佳先輩帰ってきた。

 

 どこにいってたんですか~、すっごく心配してたんですよ。」

 

「ごめん、ちょっとオリエンテーリングの下見してたら、急に雨降ってきちゃって。」

 

「本当に心配したんですよ。」

 

「ごめんなさい。」

 

「びしょ濡れじゃないですか。 さっさとお風呂入ってくださいね。」

 

「うん。」

 

     ・

 

「あ、先輩戻ってきた。 もう門限ですよ、なにしてたんですか。

 

 は、まさか女子風呂の覗きとか。 最低です。」

 

「おい。

 

 三ヶ木いないから探しに行くって言ってたろ。

 

 三ヶ木帰ってきたのか?」

 

「え?・・・・・・・あ、は、はい。

 

 あの~、美佳先輩に会わなかったんですか?」

 

「ああ、どこに行ってたんだろうな。」

 

「そ、そうですか。」

 

「ん、どうした?」

 

「え、あ、な、なんでもないです。

 

 さ、さっさと寝てください。

 

 明日はいっぱい働いてもらいますからね。」

 

「マジか。 じゃあな。」

 

「はい、お休みです。」

 

”スタスタスタ”

 

「先輩、お二人でなにしてたんですか。

 

 先輩、蚊取り線香の臭い染みついてるじゃないですか。

 

 ・・・・・・・・先輩の嘘つき。」




最後までありがとうございます

すみません、見直し前に投稿になりご迷惑おかけしました。

次話、林間学校の続きです。
会長に気付かれて・・・・・・

すみません。
また見て頂けたらありがたいです。


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