似て非なるもの 作:裏方さん
ほんとありがとございます。
えっともう季節は秋ですね。
すっかり季節感のない更新になりすみません。
今回は林間学校編の最後です。
またしてもセリフばかりです。
しかも16000字に(上下にしたほうがよかったかも)
読みにくいと思いますがご辛抱いただければ。
よろしくお願いします。
『ごめんお願いがあるんだ。
この後のフォローお願いできないかなぁ。』
フォローお願いっか。
あいつが望んでいること。
なぜ、真犯人を知っている三ヶ木や俺が、自分が犯人という解決の道を望んだのか。
いや、選ばなければならなかったのか。
そういうことなんだよな、三ヶ木。
わかった、お前の依頼引き受けた。
”ガラガラ”
「お早うございま~す。
今日もよろしくです。」
「お早う、会長。」
「あ、いろはちゃん、やっはろ―」
「え、あ、あの~」
「やっはろー、いろはちゃん。」
「や、やっはろーです、結衣先輩。 はぁ~」
「な、いきなりため息つかれたー」
「一色さん、ごめんなさい。 早速だけど始めていただけるかしら。」
「は、はい。 それでは今日の段取りの打ち合わせをって、
あれ、美佳先輩はまだですか?」
”ガタ”
「そのことなんだが、みんなに話がある。
一色、少し時間いいか?」
・
・
・
「はぁ? な、なんですと!」
「今言った通りだ。 甘草塚を、いや俺も含めて助けるため、
三ヶ木は自分が犯人だと名乗り出ることを選んだんだ。」
「比企谷君、この件はあなた昨日はわかったって言ったのではなくて。」
「す、すまん。」
確かに昨日、俺はわかったと嘘をついた。
だが、なぜだろう。
なぜ昨日会ったばかりの甘草塚を助けたかったのか。
それは多分、甘草塚に昔の俺のことを重ね合わせてしまったのだと思う。
誰にも信じてもらえず裏切られ続けたことで、人を信じるということの意味を
信じれなくなった俺と。
雪ノ下や由比ヶ浜、それと三ヶ木。
俺はこいつらと出会えたことで、人を信じるという意味をすこしは信じたいって
そう思うことができた。
そんな俺だから、甘草塚のこと何とかしたくなったんだと思う。
”ガタン!”
「なぁ、比企谷。
お前、その本を持ってきたやつらの顔見てるって言ったよな。
だったら、ちょっと俺と来い。」
「何をするつもりだ、稲村。」
「決まってるだろう、真犯人を探し出して三ヶ木の無罪を証明する。」
「稲村、それはできない。」
「なんだと! おい、来いよ、探すんだよ!」
”ぐぃ”
「出来ない、三ヶ木はそれを望んでいない。」
「望んでいようがいまいが、どっちでもいいんだよ。
真犯人とっつかまえて、三ヶ木の無罪を証明すんだよ。
ぶん殴っても連れていくぞ、おら!」
「殴りたければ殴るんだな、だが俺は協力しない。」
「て、てめぇ!」
「ま、待て稲村。」
「止めるな本牧、俺は前々からこいつが許せなかったんだ。
こいつが、こいつがいると三ヶ木がいつも辛い想いをする。
俺はあいつに辛い想いをさせる奴を絶対許さない。
俺は、あいつにいつも笑っていてほしいんだ。」
「待てって。
なぁ比企谷、真犯人を探さないって、何か理由があるんだろ。
さっき、三ヶ木さんが望んでないとか言ってけど、わかるように話してくれないか?」
「昨日、雪ノ下が言った通り、俺達には確実な証拠がない。
直接、見ていた本を確認したわけではないからな。
確実な証拠がない以上、違う本だと言い逃れされれば俺達には否定できない。
それに俺や三ヶ木は既に自分が持ってきたって偽証してるんだ。
俺たちの証言に信憑性はない。
その後はどうなる?
甘草塚はそのことを根に持ったあいつらのいじめの標的になるんじゃないか。
林間学校にいる間は俺達が庇ってやれても、学校に戻れば庇うことはできない。
だから、三ヶ木は真犯人を探すことを望んでないと俺は思う。」
「だが、だがな、だけど。」
「稲村、俺は真犯人を探さない。」
俺は真犯人を探さない。
お前が俺に依頼したフォローってこのことだよな。
この問題はここで終息する。いや、終息させる。
「一色さん、奉仕部はこの件に関してこれ以上何もしないわ。
いえ、何もできないって言うことが正しいかしら。
比企谷君の証言がなければ犯人はわからない。
あなたは、生徒会はどうするの?」
「そんなの決まってるじゃないですか。
この件、美佳先輩の無実が証明できないというのなら、
・・・・・・・・美佳先輩には現時点をもって生徒会をやめてもらいます。」
「はぁ? いやちょっと待ってくれ、一色。
今言った通りなんだ、三ヶ木は俺達を庇って 」
「関係ないです、そんなこと。
結果として美佳先輩は生徒会に、いえ総武高の名に泥を塗ったことになります。
そんな人を生徒会に置いておくわけにはいきません。
庶務解任です。」
「いや、しかし 」
「それとも先輩、真犯人を探しますか?
美佳先輩が犯人じゃないということにならない限り、やめてもらいます。
どうしますか、先輩。」
生徒会は三ヶ木にとって一番大事なものなんだ。
そんな大事なものを。
三ヶ木、俺はどうすればいいんだ。
『わたしが望んだんだ。』
『これはわたしがわたしの為にやりたくてやったこと。
やりたいと思ってやらないことのほうがすごく後悔するよ。
・・・・・・・・もう、文化祭の時のようなの嫌なんだ。』
『へへへ、これがわたしなんだ。 じゃ、後よろしく!』
そうだな、三ヶ木。
お前が俺だとしてもこうするよな。
俺もお前を守りたい。
だからこんなことぐらい何でもない。
”どさ”
「え、せ、先輩?」
「一色、俺は真犯人を捜さない。
だが、三ヶ木のことは許してやってくれ。
勝手なことばっかり言ってるのはわかってる。
頼む、この通りだ。」
「ひ、ヒッキー、土下座なんて。」
「お、おい比企谷。」
「・・・・・先輩、頭を上げてください。」
「い、一色、それじゃ 」
「お断りします。
さ、この件はこれで終わりにしましょう。
副会長、今日の段取りの説明、お願いします。」
”バン!”
「待ってくれ会長、
三ヶ木が庶務を解任されるなら、俺も会計を解任してくれ。」
「はぁ? な、なに言ってんですか稲村先輩。」
「俺は三ヶ木対策本部長だったよな。
三ヶ木が何か仕出かしたら、俺も同罪だって会長言ったよな。
だったら、俺も同罪だ、会計を解任してくれ。
解任しないなら辞任する。」
「はぁ~、稲村先輩、あなた馬鹿ですか。」
「な、」
「そんなことをして、美佳先輩をさらに苦しめたいんですか?
いいですか、会計は庶務と違って会長が決められないです。
会計に欠員が出た場合、まぁ前代未聞のことですが、新しい会計を選出するため
選挙をしなければいけないんです。
そうしたら今回の件が学校中に知れ渡ってしまうじゃないですか。」
「あ、」
「それに、稲村先輩が会計やめるって、それ美佳先輩が一番悲しむことじゃないんですか。」
「・・・・」
”ドン!”
「まったく、わたしが平気でこんなこと言ってると思ってんですか?
わたしは会長なんです、生徒会会長なんです!
わたしの気持ちもわかってください、もう!」
”ガラガラ、ガタン”
「沙和子、頼む。」
「うん。」
”ガラガラ”
「まって、いろはちゃん。」
一色、お前、お前なりに三ヶ木のこと思って。
だが、このままではまずい。
なにか方法はないのか。
あの本が三ヶ木のじゃないって証明すれば。
・・・・くそ、だめだ。
なんで三ヶ木、本の内容知ってたんだ。
そのことが決定的じゃねえか。
「稲村、少し落ち着け。
まったくお前は三ヶ木さんのことになると冷静さが無くなるんだな。
奉仕部の皆さん、それに材木座君、こんな状況になってすまない。
すまないついでだが、今日の段取りについて打ち合わせさせてくれないだろうか?
正直、もうあまり時間がないんだ。」
「ええ、本牧君わかったわ。
元はといえば奉仕部の部員が元凶、こちらこそごめんなさい。」
・
・
・
”ガラガラ”
「お~い謹慎中の三ヶ木、暇か?」
「げ、なんですか広川先生。
暇なわけないでしょ、ちゃんと反省文書いてます。」
「そっか、謹慎中の三ヶ木、それもう終わりそうか?」
「・・・・まだです。」
「謹慎中の三ヶ木、反省文書くの慣れてんだろう。
稲村から聞いてるぞ。
いままでも3、4回は書いてるそうだな。
さっさと書いちゃえよ。」
「く、あのバカ、なにいらんことを。」
・
「できたか? 謹慎中の三ヶ木。」
「あ~謹慎謹慎ってうっさい。 な、なに、何か用?」
「おう、それ終わったらこっち手伝ってほしいなぁ~って。」
「わかったから、もう、ちょっと待って下さい。」
”カキカキ”
「終わった?」
「いや、まだだって。」
”カキカキ”
「終わったか?」
「まだ。」
”カキカキ”
「ねぇ、まだ~?」
「も、もう。 あんたは子供か!
もういいや、ほれ終わった。」
「ほほう、どれどれ見せてみろ。」
「はい。」
「ふむふむ・・・・・・・・
は~、よくもこんな出任せの反省文を書けたもんだな。
却下。」
「なんでですか!」
「誰がこんな嘘の反省文を書けって言った?
エッチな本持ってきてごめんなさい?
静ちゃんが言ってた反省文ていうのは、違うことについてだろ。
お前はわかっているはずだ。 だめ、書き直し。」
「だってぇ。」
・
・
・
一色、戻ってこないか。
まじ怒ってたもんな。
俺が勝手なことしたせいで、あいつにまで迷惑かけちまった。
それに三ヶ木の無罪、証明してほしかったんだろうな。
だが、それはできない。
戻ってきたら謝らないとな。 そしてもう一度三ヶ木のこと・・・・
「ということで、今から男子はキャンプファイアーの会場準備を、
女子はフォークダンスについて、先生方との打ち合わせお願いします。」
「わかったわ。
あとは、そう、一色さんが言ってた肝試しはどうするのかしら?」
「それは、こんな状況だから、ちゅ 」
”ガラガラ”
「やるに決まってるじゃないですか。
全て予定通りに行います。」
「「会長。」」
「これは会長命令ですから絶対です。
こんな状況ですからこそ予定通りに行います。
ではでは皆さんよろしくです。」
「「了解です。会長」」
「会長!
会長すまない、俺。」
「稲村先輩、わ・た・し絶対ゆるしませんよ~。 ニコ♡」
「えっ。」
「会長に楯突いた罰です、稲村先輩、会計と庶務との兼任を命じます。
これからは、コピーとか雑用とかもよろしくです。」
「うそー」
「あ、ついでに、ちゃんと紅茶の淹れ方、勉強しておいてくださいね。」
「い、一色、あのな、」
「先輩、却下です。」
・
・
・
「広川先生殿、お願いします。」
「どれどれ、ふむふむ。 ん~、お前な、もうちょっと・・・・・
まぁ、どうでもいいや。」
「どうでもいいのかよ!」
「だって時間ないんだもん。
ほれ、三ヶ木これ頼むわ。」
「え、クレヨン? 先生、これなにするの?」
「これ粉々に潰してくれ。 お前潰すの得意だろ。
あ、色ごとにわけてな、絶対混ぜるなよ。」
「う、うん。」
・
・
・
「あちぃ」
つい声に出ちまった。
だけどほんとに暑い。
こんな暑い中での肉体労働なんぞ、俺が本来一番嫌うものだ。
だが、今は何もかも忘れられていいかもな。
ずっとこの木を積み上げていくことだけ考えていられたら。
「比企谷、薪はここに積んでおけばいいかなぁ?」
「おう本牧、去年もそこらに積んでたからいいと思うぞ。」
「八幡よ、こうやって木材を積んでるとジェンガのようだの。」
「木材座、あ、違った材木座、ジェンガは一人でやるものじゃないって知ってたか?」
「な、なにを言ってる八幡、ジェンガは一人で行う精神修行ではないか。」
違うんだ、材木座。
ジェンガとはいろいろ駆け引きを使って相手を陥れるゲームなのだ。
ふふふ、なんど小町を泣かしてきたことか。
由比ヶ浜とも勉強の合間にやってみたが。
まぁ、なんだ、あのテーブルの上のメロン、ぜってぇ反則だろう。
安定感バッチリじゃんか。
それに俺の目のやり場が・・・・
「材木座、そこの薪をちょっと貸してみろ。」
・
・
・
「ぬほほん、八幡あきらめろ! もう抜けるとこはあるまい。
我の勝ちのようだな。」
ぐ、くっそ、いやどこか、どこかにまだ抜ける薪があるはずだ。
材木座にだけは負けるわけには。
は、こ、ここだ。
この薪にすべてをかける。
「材木座、俺があきらめることをあきらめろ。」
す~、は~
あと、5cm、これさえ抜けば。
あと1cm、ざ、材木座、俺の勝ちだ。
”ガシャ”
「お、おわぁ! な、なにするんだ。
げ、雪ノ下!」
「あら、サボり谷君、みんなが頑張って働いているのに、なに一人で遊んでいるのかしら?」
「え、あ、材木座、いつも間に。
ま、まて雪ノ下、ちゃんと仕事は終わってるぞ。
ほら見てみろ、ちゃんと井桁組んであるだろう。」
「あら、そうね。
まぁ、仕事はしてたみたいね。
はい、ご苦労様、マッ缶。」
「お~、ここでも売ってたのか。
あきらめていたんだが、どこの自動販売機だ。」
「それは、三ヶ木さんが準備してくれてたの。
持ってきたクーラーボックス、他の飲み物とは分けてあったから気が付かなかったけど。」
「・・・そ、そっか。」
まったく、あいつはどこまで気が付くんだ。
そうなんだ、あいつは気が付きすぎて、それで勝手なことばっかするんだ。
今回ばかりじゃない。
人気投票の時も、俺の成績が下がったってときもあいつは勝手に。
俺のせいでお前が傷ついて、それで俺が平気だと思ってるのか。
しかも今回はお前の一番大事にしてたものまで犠牲に。
くっそ! それなのに俺は何もできないのか。
「比企谷君、どうかしたのかしら。」
「い、いや、なんでもない。」
「そうかしら。 いつも以上にあなたの目が腐ってるのだけど。」
「お、おい。 いつもと一緒だ。
・・・・・あのな、雪ノ下、聞いてくれるか?」
「そろそろなにか聞いてほしくなるんじゃないかって思ってた。
私も、あなたを見てきたのよ。
これでも少しはあなたの気持ちわかるつもり。」
「そ、そうか。 すまん。
俺は、俺の目の前であいつが・・・・
大切な人が俺のために自分を傷つけるのを見てとても悲しかった。
それなのに、何もできない自分が悔しかった。
しかもあいつが一番大事にしていたもの、俺は守ることができなかった。
お、俺はなにやってんだろうな。」
「比企谷君。」
「雪ノ下。
俺の勝手な思い込みかもしれんが、いまならわかるような気がする。
お前らもこんな感じだったんじゃなかったのか。」
「比企谷君、ハンカチ。
涙拭きなさい。
まったくよく泣く男だこと。」
「俺、いつから。」
「私は、私も何もできなかった、見てることしかできなかった。
そんな無力な自分に苛立ってたのかもしれない。
それでいつのまにかあなたに依存して・・・・」
「雪ノ下。」
「比企谷君、今のあなたのその痛み、三ヶ木さんに伝えなさい。
彼女が傷つくことで傷つく人がいるのだということを伝えなさい。
これはあなたにしか出来ないことよ。」
「そっか。」
「そうよ。」
・
・
・
「お、終わった。 クレヨン粉々にするの終わったよ先生。
あ~疲れた。」
「ご苦労、謹慎中の三ヶ木。」
「いや、もうそれやめて。」
「ほれ、次は青色だ。」
「げ、まだあるの?」
「赤色の次は青色、そして緑色。 これは常識だ。」
「そんな常識知らない! ふぇ~」
・
・
・
”バシャ、バシャ”
「きゃ、冷たい。 由比ヶ浜先輩やめてください。」
「ほれほれ。」
「も、もう、反撃です。」
”バシャ、バシャ”
「きゃ~」
「書記ちゃん、割とスタイル良いな~
まあ、由比ヶ浜さんにはかなわないが。」
「おい稲村、ジロ見するんじゃない。」
「あ! ちょ、ちょっと待て本牧。
お前、それ書記ちゃんとペアじゃないか。」
「は、いや、たまたまだ。 偶然かなぁ~ あははは」
「くそ~」
く~熱かった。
お、おう、いや~いい風景だ。
川辺で戯れる女子二人。
由比ヶ浜はわかっていたが、書記ちゃんもなかなか。
まさに今の俺の心の癒しオアシス。
ん、二人?
一色はどこ行ったんだ?
あ、いた。
・・・・・あいつやっぱり気にしてるのか。
”スタスタスタ”
「一色どうした、川入らないのか?」
「ちょっとお腹痛いんです、ほっておいてください。
なんですか、それともわたしの水着姿をみていやらしいこと想像したいんですか。」
「い、いや、それはない。」
「なんですか、それ。 もういいです、あっち行ってください。」
「あ、あのな一色、けさ 」
”プルン、プルン”
「ヒッキー、バレーボールやるよ。」
お、おお、ゆ、由比ヶ浜。
いや、今は一色に・・・・・だめだ! 目、目が自然に。
「ヒッキー?」
「由比ヶ浜、ど、どれがボールだ。」
「へ? ひ、ヒッキーのスケベ!」
・
「一色さん、ここいいかしら?」
「え、あ、どうぞ。」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「あの、雪ノ下先輩。
わたしの判断って、間違っていたでしょうか?
美佳先輩は、甘草塚君って子を庇っただけで、それを考えると。」
「後悔してるのかしら?」
「いえ、あの、雪ノ下先輩ならどうされたかと。」
「一色さん、私もあなたと同じ判断をしたと思うわ。
あなたの判断は生徒会会長として間違っていない。」
「ありがとうございます。」
「一色さん、あなたもう立派な生徒会会長だわ。」
「そ、そうですか。」
「そうよ。」
「で、でも・・・・・・・・・・・正直、辛いです。」
”だき”
「雪ノ下先輩、辛いです。
辛いです、辛いです、辛いです・・・・・・わたし辛いんです。」
”なでなで”
「あなたは強いわ。 大丈夫よ。」
「う、は、はい。」
・
・
・
「広川先生、あきた、腹減った。」
「ばかもの、これも罰なんだからしっかり作れ。
もうあんまり時間ないんだからな。」
「だって、さっきからクレヨンの潰すのばっかだもん。
もうこんだけあればいいじゃん。」
「いま、コーヒーでも淹れてきてやるから。」
「美味しいやつね。」
「わかった。 わかったからほれ緑色。」
「う~」
・
・
・
「それでは、今から肝試し始めますね。
えっと、これから二人一組でこのコースを1周してきてもらいます。
それで中間地点にある神社に、このお札の入った箱を置いてきましたので、
このお札を取って来てください。
各組は前の組が出発してから5分間隔で出発して、ここに戻ってくるまでの
時間を競います。
えっと、先輩、ズルはだめですよ、ズルは。」
「そうだよ、ヒッキー、ズルはだめだよ。」
「ズル谷君、だめよ。」
「お、おいちょっと待て。 なんで俺がズルすることが前提なの。」
ま、まぁ、ズルしようと思ってたんだが。
え、なに、俺の行動読めるの三ヶ木だけじゃないの?
まぁしかし、ペアが由比ヶ浜か書記ちゃんなら誤魔化せそうだが、雪ノ下や一色は無理だな。
一色、少しは吹っ切れたようだ。
なんか雪ノ下と抱き合ってたようだが、あれ以来、急に仲が緊密になったようで何か怖いんだが。
「はい、それではペアを決めますね。
この箱の中に数字が書いてあるカードが入ってますので、同じ数字の人同士がペアです。
副会長、男子の分お願いしますね、
女子はわたしの箱から引いてください。」
・
「比企谷で最後だな。」
「ああ。」
ふふふ、余り物には福があるというからな。
え、俺が余りものって意味じゃないよ。
今回はちゃんと人数あってるから、あぶれないよね。
「はい、それじゃ、番号見せてくださいね。
えっと、1番は稲村先輩と結衣先輩、2番は材木さんと書記ちゃん。
3番・・・・・・・・副会長と雪ノ下先輩。
4番はわたしと先輩です。」
「な、なになんでそんな嫌な顔してるの一色さん。」
「・・・・」
「いや、何で無言。」
「まぁ、いいです。
じゃあ、稲村先輩、結衣先輩、準備はいいですか?」
「うん。」
「それではスタートよろしくです♡」
・
・
・
「三ヶ木。」
「いや~、もうクレヨンいらない。」
「いや違うから。 ほらコーヒー飲むか?」
「え、あ、コーヒー。 ありがとうございます。」
「おう、ご苦労さん。」
”ごくごく”
「ふ~、美味しい。」
「ふふふん、当たり前だ。俺が淹れたんだからな。」
「先生って何者? へへ、気持ち休まるね。」
「休まったか? じゃあ、はい次これ。
タコ糸、これと同じ長さに切ってくれ。」
「・・・・・鬼!」
・
・
・
「仕方ない、ほら先輩行きますよ。」
「お、おう。」
”スタ、スタ”
「・・・・・」
「・・・・・」
「な、なあ、一色。」
”サッ”
「はい。」
「え、なにこの手。」
「ふつう、こういう場合、男子が女子を引っ張っていってくれる決まりじゃないですか~
だからですよ、はい。」
「え、そ、そうなの。」
”にぎ”
「ひゃい。」
「な、なに?」
「いえ、な、何でもないです。
湿っぽいからキモかったんです!」
「そ、そう。」
湿っぽくてごめんね。
いきなりキモイって俺泣きそうなんだが。
ま、まぁいい。
ん、一色の手って、こんなに華奢なんだな。
”ぎゅ”
へ、い、一色?
ま、まぁ、暗くなってきたし女子には怖いか。
まぁ、一色も一応女子だからな。
”ぎゅ”
「先輩、なに力入れてるんですか、すっごくキモイんですけど。」
「へ、いや、お前が」
「はぁ?」
な、なにその顔。ほんと嫌なの?
”ニコ”
か、可愛い。
は、くそ、はめやがったな。
・・・こいつらしいわ。
まぁ、なんだ、二人切りになれたんだ。
折を見て三ヶ木のこと、もう一度話してみるか。
・
”ガサガサ”
「きゃ~、先輩、怖いです~」
”だき”
「あざとい、あざとすぎる。」
「なんですかそれ。
ここは俺が守ってやるから大丈夫とかいうところじゃないですか。
折角チャンス上げたのに、信じられないです。」
「何のチャンスだ。
そんなのいらん。 後が怖いわ。」
「ひど、後が怖いってなんですか。
まったく先輩は、わたしのことどう思ってるんですか。」
「一色はあざとさとあざとさ、そしてあざとさ、それに少しの可愛さでできている。」
「な、あざとくなんかないですよ、これは全て素です・・・・・え、かわいい?
な、な、な、なんなんですかいきなり。
は、もしかしてこの肝試しという追い詰められた雰囲気で、吊り橋効果を狙ってるんですか。
わたし的にも嬉しいんですが、可愛いじゃなくてもっとはっきりした言葉で告ってください。
ごめんなさい。」
「え、また俺振られたの?
まぁ、なんだ。 俺はかわいい後輩だと思ってるぞ。」
「先輩、それ微妙なんですけど。
後輩ってとこは余計じゃないですか、もう。」
「ん? いや、お前後輩だろう。」
「もう、いいです! この唐変木。」
「へっ?」
「・・・・」
”スタスタ”
「それで、唐変木先輩、一昨日は美佳先輩と何してたんですか。」
「は? いや、何のことだ。 俺は三ヶ木とは会っていないぞ。」
「・・・・・先輩、蚊取り線香のにおいプンプンでしたよ。」
「はっ。」
「まったく、なんで嘘ついたんですか。」
「え、あ、いや」
「も、もしかして後ろめたいことしてたんですか?
はっ、まさか嫌がる美佳先輩にエッチなことしてたとか。」
「ば、馬鹿。 エッチなことなんてしてないから。
ただ雨宿りしてただけだ。
服がびしょ濡れだったんで、風邪ひかない様に温めてただけだから。」
「はぁ? 参考までにどういう風にです?」
「いや、ほらお互いの体温でだな、はっ!」
「お互いの体温、ほほう、じっくり聞かせてもらいましょうか。」
・
・
・
「せ、先輩、なんていうことしてたんですか!
この変態。」
「いや、これは生きるためだ。 あのままでは二人とも凍え死んでたかもしれん。
か、風邪は間違いなくひいてた。 そ、そうだ、それは間違いない。」
「言い訳なんて聞きません。 このエロ八幡。」
「いや、あの、あ、雨がだな。 そ、そうだ雨が悪い。」
「先輩、美佳先輩じゃなくて、わたしでも同じことしてました?」
「・・・・・」
「美佳先輩だからなんですね。
先輩は、先輩は美佳先輩のことどう思ってるんですか。」
「どう思ってるって。」
「先輩は、美佳先輩のこと・・・・・好きなんですか。」
「お、俺は 」
「本当のこと言ってくれないと、美佳先輩と裸で抱き合ってたって、
雪ノ下先輩達に話しちゃうかもです。」
「お、お前、それ卑怯だぞ。」
「いいんです。 で、どうなんですか?」
「お、俺は・・・・・・・
俺は多分、あいつのことが好きなんだと思う。」
「うそ。」
「だ、だが、それがどんな意味で好きなのか、まだわからないんだ。
ただ、そばにいてほしいと思ってた。」
「思ってた・・・・ですか?」
「今日のことで思ったんだ。
あいつは俺のために自分が辛い思いをすることを厭わない。
今回も俺なんかのために、あいつは一番大事にしていたものを犠牲にしちまった。
あ、お前を責めているわけじゃないからな。
お前の判断は会長としては正しいと思ってる。
稲村の言う通り、俺といるとこれからもあいつに辛い思いばっかさせて
しまうんじゃないかと思うんだ。
そんな時、多分あいつは笑いながら俺に言うんだ、わたしが望んで勝手にやったんだよって。
今日もそうだった。
俺はその笑顔が辛かった。
俺はあいつがしてくれること以上のものを返せるんだろうか。
・・・・・・・・・・・・俺は自信がない。
だから俺はあいつのそばにいないほうがいいんじゃないかって思ってる。」
「先輩、それマジ言ってるんですか!」
「あ、お、おう。」
「好きな人のためなら何かしてあげたい、それって当たり前のことじゃないですか。
それでもなんかいろいろ迷って行動できない人が多いのに。
相手を傷つけることが怖がっていては、人なんて好きになれないじゃないですか!」
「いや、だが、俺は傷つけたくない。
大切に思う人が傷つく姿を、俺は耐えられないんだ。」
「先輩がそれを言うんですか。
先輩は勝手すぎます。
それで、それが原因で遠ざかれていったら、美佳先輩、もっともっと傷つくじゃないですか!
だったら、せ、先輩なんてずっとぼっちでいればいいです!」
「・・・・・」
「もういいです、そんなに一人がいいなら、ここからは先輩なんて一人で行ってください。」
”タッタッタッ”
「お、おい、一色。」
駄目なんだ。
俺にはできないんだ。
人を好きなることがその人を傷つける覚悟をするぐらいなら、俺は人を好きにならない。
俺は誰も傷つけたくない。
・
・
・
「なんですかあの唐変木は。
どれだけ捻くれてるんですか。
もう、一生、ぼっちでいればいいんです。
・・・・・・・・・まったく優しすぎるんです、馬鹿。」
”スタ、スタ、スタ”
「ん? えっとどっちでしたっけ。
あ、地図、先輩が持ってたんだ。
まぁ、こっちの道だよね。」
・
・
・
「あ、稲村君、書記ちゃん達来たみたいだよ。」
「おい、材木座、どうしたんだ? 顔色悪くないか。」
「じょ、女子は怖い。」
「え? しょ、書記ちゃんなにを。」
「だ、だって、材木座先輩、ずっとなんかわけのわからないこと言ってるから、つい。」
「怒ったの?」
「はい。 あの~、少しだけですよね、材木座先輩。」
「あ、は、はい。 少しだけです、決して殴られてません。」
「たはは、殴ったんだ。」
「ちょ、ちょっとだけですよ。」
「・・・、あ、ゆきのん達も来た。」
「結構早くないか。」
「ゴール。 雪ノ下さん、大丈夫?」
「ええ、大丈夫よ。 さすがね、頼もしかったわ。
それに割と早かったんじゃないかしら。」
「ああ、昨日オリエンテーリングで一度回ってるからね。」
「お、おい、本牧。」
「え?」
「ほら、書記ちゃん機嫌悪いぞ。」
「ふん!」
「あ、いや、沙和、しょ、書記ちゃん、違うんだ。」
・
・
・
「あ、ヒッキー、こっちだよ。」
「おう。」
「あれ、いろはちゃんは?」
「え、一色来ていないのか?」
「ヒッキーと一緒だったんじゃないかったの?」
「ああ、途中で一人で先にいったはずなんだが。
まだ来てないのか?」
「まだ来てないよ。」
「追い越したはずはないんだが、一度戻ってみるわ。」
「ヒッキー、あたしらも行くよ。」
「待ってくれ、由比ヶ浜さん。
雪ノ下さんすまない。
女子はキャンプファイヤーでのフォークダンスがある。
万一のことを考えて、女子はそっちのほうに行ってほしいんだがいいかな?
幸い、男子は準備以外予定がない。
ここは男子で探してみようと思う。」
「そうね。 わかったわ由比ヶ浜さん、藤沢さん、ここは男子に任せて
私達はキャンプファイヤーのほうに行きましょう。」
「すまない、頼みます。
書記ちゃん、会長の代役、いけるか?」
「うん、やってみる。」
「稲村、俺はスタートしたほうから探してみる。
稲村はもしかしてのことがあるからログハウスとか、野外炊事場のほうを
探してくれないか?」
「ああ、わかった。」
「材木座君、君はここで待機していてくれないか?
もしかしたら会長帰ってくるかもしれないし、ここは電波がよく届くから
ここで基地の役目をしてほしいのだが。」
「我は待機なのか。」
「ああ、君がここにいてくれると助かる。 都度、ここにいる君に連絡するようにするから
司令塔の役目をしてほしい。 君が頼りだ。」
「ぬほほほ、任せられい! 我がここにでんと構えているから安心して探してくるがよい。」
「うん、頼む。 いくぞ稲村。」
・
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「あれ、おかしいな。
こっちの道であってたと思うんだけど。
もうそろそろ神社だったはず。
おかしいな。
えっと、副会長に連絡連絡っと。
え、うそ、ここ圏外。」
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・
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「先生、もう準備するものない?」
「ああ、三ヶ木、助かった。今から体育館に持っていく。」
「あの、先生。 この準備してたのってもしかして。」
「ああ、廃油キャンドルを作ろうと思ってな。 ほら、これ試作品。」
「だから、さっきから油こしてたんだね。
でも広川先生、この試作品の色は趣味悪い。」
「う、うるさい、いろいろ色を混ぜてたらそうなったんだ。」
”ガラガラ”
「あ、すみません、こっち会長来てませんよね。」
「あ、稲村君、会長? こっちには来てないよ。
なにかあったの?」
「あ、いや、オリエンテーリングのコースで肝試しをしてたんだが、
会長が戻ってこないんだ。
それで手分けして探してるんだが。」
「電話は?」
「つながらないんだ。」
「だったら、まだオリエンテーリングのコースにいるはずだよ。
だって他のところはちゃんと圏内だったもん。」
「お前確認したのか?」
「うん。オリエンテーリングのコースだけ圏外だよ。」
「オリエンテーリングのコースは、本牧と比企谷が探してるんだが。」
「う~ん、あ、そうだ。
あのね、オリエンテーリングのコースで何か所か、他のとこに出ちゃう場所があるんだ。
昨日、ロープ張ってこようと思ったんだけど、張りきりれていないとこが何か所かあるんだ。
もしかしたら、そこからコース外れて迷ってるかも。」
「場所どこだ、俺がいってくる。」
「急がないと、もう外暗いよ。 手分けしないと。
せ、先生、広川先生、
お願い、一緒に探しに行かせて下さい。」
「三ヶ木、お前は謹慎中の身だ。」
「だ、だけど、 」
「ほれ、このキャンドルの材料を体育館に運ぶぞ、稲村も手伝え。」
「せ、先生。」
「途中でオリエンテーリングの入り口のところ通るから、それまでおとなしくついてこい。」
「広川先生。」
「それとこの試作品持っていけ。
三ヶ木、稲村、暗いから注意するんだぞ。」
「うん。」
「はい。」
・
・
・
”ガサガサ”
「ひゃ。 もう、どこなのここ。
早くしないとキャンプファイヤー始まってしまうのに。
あ、こっちは行き止まりだ。
もう、なんなんですか!」
”ガサガサ”
「へ、今度は何?
は、せ、先輩じゃないですか?
心配になって探しに来てくれたんですね。
仕方ないです、今回だけ許してあげますから、早く出て来てください。
せ、先輩?」
「ウー」
「は、い、いや、うそ。」
「ウー、ワン!」
「うそうそうそ、な、なんで。」
「ワン、ワン、ワン」
「い、こ、怖いです、先輩、た、助けて下さい。 せんぱ~い。」
「ガゥ!」
「いやー、噛まないで!」
「うりやー、こらーあっち行け! 」
”ブン、ブン、ブン”
「ウー」
ボコ、
「うりゃ、うりゃ、うりゃ!」
”ボコボコボコ”
「キャン、キャン、キャン。」
「ばかー、もうくんな! このコーンでも食らえ、えい!」
”ボコ!”
「ギャン」
「み、美佳先輩。」
「ぐぁいぢょう~、こわかったよ~」
「う~、美佳先輩、わたしもです。」
”だき”
「「うわ~ん!」」
・
「「うぇ、うぇ~ん」」
「ぐす、美佳先輩、そろそろもどろ。」
「うん。」
「で、どっち行けばいいんですか?」
「あっ」
・
・
・
「はい、みんな廃油固まったかなぁ。」
「「は~い。」」
「それじゃ固まったら、集いの広場までいくよ。
みんなキャンドルもってクラス毎に集合だ。」
・
・
・
「なんですか、何で助けに来たくせに道忘れるんですか!」
「だ、だって、犬の吠える声してたから、慌てたんです。」
”ガサガサ”
「きゃー」
「か、風です風、美佳先輩。」
「暗いからよくわからないよ。」
「美佳先輩、その腰のビニール袋のものなんですか?」
「え、あ、これあったんだ。
ちょっと待ってください。」
”ぼっ”
「あ、キャンドル。」
「うん、これでちょっと明るくなったね。」
「でも、その色、趣味悪いです。」
・
・
・
「はい、それじゃ、キャンドルもって白線の位置に並んで座ってください。」
「「は~い。」」
「それじゃ、順々にキャンドルに火をつけるから。
火傷しないように気を付けてください。」
「「は~い。」」
・
・
・
「美佳先輩、本当にこっちですか?」
「・・・・おそらく。」
「なんかさっきもここ通ったような。」
「気のせいです。」
”ボッ、ボッ、ボッ・・・・ボッ”
「あ、会長あれ!」
「あ、あかり。 あれってハート? あ、ハートが二つ繋がってる。」
「うん。 あれ考えたの広川先生なんだろうね。」
「ハートが二つ横に繋がってるってそれって。」
「よかった、やっぱりこっちでよかったみたいです会長。」
「・・・・・あ、あの、美佳先輩。 あのですね、美佳先輩、実は今日、」
「あのさ会長、初めて会った時のこと憶えてる?」
「え? 確か、わたしが会長になって生徒会室にいろいろ運んでる時ですね。
城廻先輩と一緒だったはずですね、それで庶務させてくださいって。」
「うん。わたしね、初めて会長にあったとき、なにこの娘、何でこんなのが会長?
って思ったの。」
「ひど、そんなこと思ってたんですか!」
「うん。 でもね、今日ね稲村君に話聞いて、わたし嬉しかった。」
「えっ、嬉しかったって。」
「会長、誰が何と言おうと、一色いろははりっぱな生徒会会長です。
わたしは、一色会長の下で働くことができて、ほんとよかったと思います。」
「美佳先輩。」
「今回、わたしね、こんな事したら学校に、うううん、生徒会に迷惑かけることに
なるってわかってた。
そんでね、もしかしたらこうなるんじゃないかって思ってた。
でも、ごめんなさい。
それでもわたしは、わたしはあの人が・・・・・・あの人が傷つくの嫌だったの。
ぐすん。 会長、ご迷惑お掛けしてすみませんでした。」
「で、でもそんなことまでしても、その人が美佳先輩を好きになってくれるって
保証ないじゃないですか?」
「うん、わかってる。 でもそれでもいいんだ。
わたしは、わたしはなにもしないで後悔するよりも、わたしなりに精一杯やってみたい。
・・・・・それでも駄目な時は仕方ないじゃん、へへへ。」
「美佳先輩。」
「会長、三ヶ木美佳、会長のご判断を受け入れます。
今まで生徒会、とっても楽しかったです、ありがとうございました。
それと、いつもご迷惑をお掛けしてばかりですみませんでした。」
「美佳先輩、ま、待って。」
「で、でも、もう一つだけ、お願いあります。」
「な、なんです、あ、も、もし、あのもう今後絶対に 」
「会長、せめて学校に帰るまで生徒会でいさせてください。 お願いします。」
「美佳先輩。」
・
・
・
「藤沢さん、もう時間引き延ばせがないわ。
そろそろお願いしていいかしら。」
「そ、そうですね。 わかりました、始めましょう。」
「大丈夫?」
「はい、卒業生を送る会の時に比べたら何でもないです。」
「そう。」
「はい。 それじゃ始めましょう。」
「すみませ~ん、道に迷って遅くなっちゃいました。」
「いろはちゃん!」
・
・
・
「一色、ご苦労さんだったな。」
「あ、平塚先生、どうもです。」
「うむ、これで林間学校のイベントも無事全て終了だ。
あとは明日帰るだけだな。」
「平塚先生、わたし頑張りました。」
「うむ。 そうだな、いろいろとよく頑張った。」
「だ・か・ら、ご褒美がほしいです。」
「ご褒美?」
‐‐‐‐‐‐‐
「な、何でだ。 本牧、なんでまた川辺に集合なんだ。
もう帰るんじゃなかったのか?」
「会長命令なんだ。
ほら、会長、昨日お腹痛くて水遊びできなかっただろう。」
マジか。
マジそんな理由だけで帰る時間変更されるのか。
一色、恐るべし。
「本牧、全員いるか?」
「ああ、稲村。 男子は全員いるが、女子はまだ雪ノ下さんだけだ。」
「由比ヶ浜さんは、ちょっと遅れるそうよ。」
「そ、そうか。 じゃあ始めるか。」
「始める?」
「会長、始めますよ。
それじゃ、いまから生徒会水着コンテストを始めます。
男子は生徒会の女子のだれが一番水着が似合ったか、この紙に名前を記載してくれ。
まずは、一番はその控えめな優しさは生徒会のオアシス、
そう例えるなら椿の花、藤沢沙和子さん。」
「お、おい、稲村。 その前振りなんだ。」
「いや、だって会長がこれを言えって。」
”スタスタスタ”
「おお、書記ちゃん可愛い。
昨日も見てるが、それでもやっぱ可愛い。」
な、なぁ、稲村。」
「お、おう。」
「お前ら、あんまりジロジロ見るんじゃない。
比企谷、稲村、お前ら仲悪かったんじゃないのか。」
「「それとこれは別だ!」」
「そ、そうか。
・・・・材木座君、なに震えてるんだ。」
「はい、次は知る人ぞ知る、いや誰もが知っている生徒会の黒幕。
その腹黒さはまさに闇!」
「ひど、馬鹿村、書記ちゃんの時と全然違うじゃん。」
「いや、三ヶ木、だって書いてあるんだ。」
「く、くそー、あのジャリ。」
「花に例えるなら、え? あ、生徒会のアサガオ、三ヶ木美佳。」
「お、おー」
「み、みか、三ヶ木、エロ。」
「三ヶ木さん、だ、大胆。」
「美佳っペ。」
「あ、あんまりジロジロ見るな!」
な、なんて大胆な水着だ。
それ横から、む、胸見えるんじゃねえのか。
よ、横は紐だけじゃねえか!
ちょっと横から見ようかなぁ、いいよな。
”どん”
は、こいつ鼻血だして倒れてるのか。
「ざ、材木座、し、しっかりしろ。」
「も、もういいよね。 恥ずかしい。」
「三ヶ木、今写真撮るから待って。」
「うっさい、馬鹿村!」
”ベシ”
「ぐはぁ、で、でもなんだかいい感じ。」
「変態。」
「さ、最後は・・・・・・・・・」
「ど、どうしたんだ稲村。」
「最後はわが生徒会の太陽、いや、女神様、そう、まさにその可愛さは奇跡。
生徒会のユリの花、わが生徒会会長、一色いろは。」
「ジャジャーン。」
「ごめんなさ~い、遅くなりました。」
”プルン、プルン”
「「オー」」
な、なに、自然と目がひきつけられる。
恐るべき万乳引力!
「ゆ、由比ヶ浜、またバレーするのか?」
「え、バレー? 今日はボール持ってきてないよ。」
「そ、そうか。」
「な、なんですか、みんなどこ見てるんですか!
わ、わたしの方見てください!」
「いや、でもな。なぁ」
「お、おう」
「・・・・・」
・
「全員書いたか?
まだ出してない奴いないよなそれじゃ発表するぞ。
えっと・・・・・・・・・・あっ。」
「どうしたんですか、稲村先輩。」
「いや、あ、あの~」
「なんですか、ちょっと見せてください。」
「えっと、結衣先輩、結衣先輩、結衣先輩・・・・・・・・・書記ちゃん。」
「な、なんですと! 結衣先輩は生徒会じゃないじゃないですか!
まったく、このスケベども。」
・
・
・
「全員乗ったか? じゃ、帰るぞ。」
「広川先生、安全運転で頼む。」
「ああ、静ちゃん、あ、いや平塚先生も気を付けて。」
「ほれいくぞ、三ヶ木、稲村。」
「な、なんで、わたしはジャンケン弱いんだ。」
「仕方ないだろ、ほら行くぞ三ヶ木。」
「うん、稲村君。」
・
・
・
「ああ、いまパーキング出るとこだ。
予定通り、もう少しで学校につくと思うよ。
うん、じゃ後で。
お待たせ、それじゃ行こうか。」
”ブー、キュルルル”
「稲村君、あんね、お願いがあるの。」
「ん、なんだ?」
「ちょっとだけ、胸かして・・・・くれる?」
「ああ、こんな胸でよかったら。」
「ありがと。
うううううううう、うわーん。」
”なでなで”
「うわーん、嫌だよ、わたし、生徒会やめたくないよ。」
「三ヶ木。」
「あ、静ちゃん? 俺。
ごめん、道間違えたみたいだ。
ちょっと遅れるから学校ついたら先に解散しててくれ。
ああ、稲村と三ヶ木は俺が家まで送るわ。」
「せ、先生?」
「すまん稲村、ちょっと遠回りすっから。」
「はい。」
・
・
・
「広川先生、あの~、ここ千葉村だよね。」
「・・・・・・」
「おい!」
「す、すまん、道間違えた。」
最後までありがとうございます。
オリヒロ、生徒会やめさせてしまいました・・・・・・どうしよう。
次回、夏物語、夏真っ盛り ‐花火大会編‐です。
ほんと季節感ないです。
このままだと夏物語終わるの真冬かも。
更新遅くてすみません。
また次話、読んでいただけたらありがたいです。