似て非なるもの 作:裏方さん
すみません、更新遅れ気味です。
花火大会編の中編、よろしくお願いします。
またしても字数が1万字超えてしまい、読みにくいと思いますが、
最後まであきずに読んでくれたらありがたいです。
では、お願いいたします。
”ひゅるるる~ どーん、ばらばらばら”
「うわぁ、きれい。 きれいだね比企谷君。」
「ああ、綺麗だ。」
真っ暗な夜空に眩く広がる光の花。
打ち上げられてから、ほんの一瞬に己の全てをかけて煌き、そして暗闇へと消えていく命。
人はそのはかなさに美しさを感じるのだろうか。
これが延々と煌き続けるものだとしたら、人はこのような美しさを感じることがなく、
逆にうっとうしさを感じるのではないだろうか。
なぜなら夜は闇のものである。
「ほんときれいだなぁ、見に来てよかった。」
俺の隣で花火の美しさに感動している女子。
花火の煌きにより映し出される笑顔。
かわいい。
俺は素直にかわいいと思う。
どこがというとこはないのだが、その笑顔は眩くすさんだ俺の心を照らしてくれる。
この笑顔をずっと見ていられたら、いや見ていたい。
だが、それももうすぐ見れなくなるんだ。
俺の手によって。
この花火が終わるとき、俺はこいつに俺の結論を告げなければならない。
あの林間学校での答えを。
その時、この笑顔は終わりを遂げるんだ。
こいつのことだ、笑顔を崩すことはないだろう。
気丈に、きっと俺の前ではこの笑顔を振舞い続けるに違いない。
でも、そこには、もうそこには今のこの笑顔のような眩さは・・・・・もう無いんだ。
俺って馬鹿じゃないの。
結論なんて適当に誤魔化せばいいじゃないか。
何度も、何度もそう考えたんだ。
誤魔化せば、今までのようにこいつとの関係を続けられるんじゃないかって。
俺はこの関係を続けたい。
いつも俺のそばにいてくれて、俺の馬鹿馬鹿しい考えを理解してくれて。
そして、いつも自分のことより俺のことを考えてくれて。
だからこのままこの関係を続けたい。
でも、だめなんだ。
こいつは勇気を奮って俺に自分の気持ちを伝えてくれたんだ。
その気持ちを誤魔化すことはこいつを裏切ることなんだ。
だから、だから俺は告げなければならない。
それがたとえ、たとえこいつからこの笑顔を奪うことになっても。
くそ、なんで時間が止まらないんだ。
今この時間を止められるのなら、俺は悪魔にでも魂を売り渡すって言ってんだろう。
くそ。
頼むから、花火、終わらないでくれ。
「あ、比企谷君。次で花火フィナーレだって。
フィナーレは7000発のスターマインだって。
なんかすごそ。」
「ああ、店じまい在庫一斉セールみたいだな。」
「いや、新年初売りセールだよ。」
「そ、そうか。」
「えへへへ、そうだよ。 あ、始まるよ。」
”ひゅるるる~ どーん、ひゅるるる~、ひゅるるる~ どーん、どーん
ひゅるるる~ どーん”
「ね、すご~いね。」
「あん? 花火の音でよく聞こえないんだが。」
”ちょいちょい”
ん、なんだ。
ああ、聞こえるように少ししゃがめっていうのか。
そらこれでいいか。
「す・ご・い・ね。」
「うひゃ、お、おう。」
ば、ばっか、耳元でいうな。
なんか、感じちまうだろうが。
俺は耳が弱いんだからね。
”ひゅるるる~、どどーん!、ばらばらばらばら”
お、おう、最後の奴めっちゃでかかったじゃないか。
”ぎゅ”
え、な、なんだ。
こいつなに俺の腕にしがみついてんだ。
Tシャツだから、う、腕にその柔らかい二つの山がギュって。
「あ~、怖かった。 最後のすっごく大きかったね。」
「ああ、そうだな。」
”し~ん”
最後の花火が終わって、夜空が闇に飲み込まれていく。
それに伴い、人々の移動が始まった。
いつも間にか、俺たちの周りには誰もいなくなり、静かな闇の世界へと
変わっている。
もう花火が終わってしまったんだ。
”どく、どく、どく、どく”
な、腕から伝わる鼓動? これこいつの心臓の音なのか。
すごく早い。
え、震えてるのか?
「どうした、寒いのか?」
「うううん、あのね、もう、花火終わっちゃったね。」
お、おい、そんな潤んだ目で俺を見るな。
笑顔、引きつってるじゃねえか。
答え・・・・告げなきゃいけないんだよな。
最後にもう一度だけ、お前の笑顔見せてくれないか。
”ジー”
「あ、あの、なにかついてるかなぁ? にこ♡」
「い、いや、すまん。」
もう、心残りはない。
俺はお前に答えを告げる。
「三ヶ木、お前が俺のこと好きって言ってくれて心の底からうれしかった。
これは間違いようのない俺の本心だ。
俺の答えを言う。
俺は、俺はお前とは 」
「あっ 刈宿君、もう遅いじゃん!
花火終わっちゃったよ。」
「は? え? か、刈宿?」
「美佳先輩、無理っすよ、めっちゃ人いたじゃないすっか。」
「馬鹿者! 愛情が足りないんだ。」
「うっす。」
「仕方ないな~、もう。
あ、比企谷君、ごめんね。 わたし、刈宿君と付き合うことにしたの。
だから、もうそばにはいられない。」
「え、あの~、はぁ?」
「じゃ、そういうことだから。
行こ、刈宿君。」
「うっす。
美佳先輩、花火間に合わなかったお詫びに、今日のホテル代は俺がもつっす。」
「ば、馬鹿、こんなとこで言うな。」
「うっす。」
「えへへへ、優しくしてね。」
「当たり前っす。 やさしく、激しくっす。」
「馬鹿。」
はぁ? な、なんだ、なにが、え?
い、いや、ちょ、ちょっと待て三ヶ木。
ホ、ホテルって、お、おい。
お前らホテルで何を。
「み、三ヶ木、ちょ、ちょっと待て、待てって。」
お、おい。
なに嬉しそうに腕組んでんだ。
くそ、お前ら足早すぎだろ。
何で追いつかないんだ。
”ガチャ”
へぇ? な、何で扉が?
”パン!”
「美佳先輩、おめでとう。」
”パン!”
「三ヶ木先輩、おめでとうございます。」
「な、泣くなって稲村。 仕方ないだろう。」
「だ、だけど本牧、お、俺は三ヶ木が。」
”カラ~ン、カラ~ン”
「美佳っち、本当におめでとうね。
刈宿君、美佳っちを頼むからね。 泣かしたら承知しないからね。」
「任せといてくださいっす。 絶対幸せにするっす。」
「美佳先輩、キッス、キッス、キッス。」
「え、やだよ~、恥ずかしいよ。」
「美佳先輩、キスいいですか。」
「う、うん・・・いいよ。」
はぁ? な、なんだこれ、おかしいだろ。
三ヶ木、お前何でウェディングドレス着てんだよ。
お、おい、や、やめろ。
ほんとにキスするつもりか。
なに見つめあってんだ。
「三ヶ木、馬鹿、やめろ、やめろって! あ、ああ~」
”ばさ”
は、え? な、なに?
”きょろきょろ”
こ、ここ・・・・・・俺の部屋?
はっ! ゆ、夢だったのか?
な、なんていう夢なんだ。
ま、まだ心臓がバクバクいってる。
ほ、本当に夢なんだよな。
えっとスマホ、スマホっと。
8月9日 3時42分・・・・・・・はぁ~夢だったか。
くっそ、なんなんだ、まったくなんなんだ。
何であんな夢を。
俺はあいつと付き合わないんじゃなかったのか。
それなのに。
付き合えないが、ずっと一緒にそばにいてほしい。
・・・おぞましい、そんなの気持ち悪い自分勝手な願望じゃねえか。
‐‐‐‐‐‐‐
”タッタッタッ”
「はぁ、はぁ、はぁ、よ、良かった、まだ来てないっすね。
えっと、8時30分か。
ふ~、まにあ おわぁ!」
”ぼこ”
「な、浮輪?」
「おそ~い、刈宿君。」
「え、いや、まだ30分前じゃないすっか」」
「海に行くときは2時間前集合が当たり前じゃん。」
「いや、2時間前って7時じゃないですか、無理っす。」
「へへ、冗談だよ。
おはよ刈宿君。
あのね、海に行くって思ったら、なんかあんまりよく眠れなくってさ。
目が覚めちゃったんで、ちょっと早く来ちゃいました。 えへ。」
「そうなんすか。 まぁ、それはそうとして・・・・・・
あの~美佳さん、なんで浮輪膨らまして持ってきたんすか?
めっちゃ邪魔っすよ。」
「だって、早く来すぎたから何もすることなくて、つい待ってる間に。」
「仕方ないっすね、はい。」
「え?」
「俺が持ってくっす、歩き難いでしょう。 ほら。」
「あ、うん、ありがとさん。」
「うっす。 じゃ、バス乗り場までいきましょうか。」
「うん。」
・
・
・
「ふあ~、あ、お兄ちゃんおはよ。
ふむ、感心感心。
ちゃんと起きれたんだね。」
「・・・まぁ、いろいろあってな、目が覚めた。」
そうなんだ。
あの後、すっかり目が覚めちまって一睡もできなかった。
本当にそうか? 目が覚めたからだけなのか?
怖かったんじぇねえのか、また同じ夢を見るんじゃないかって。
「ん? お兄ちゃん、どうしたんのその目の下のクマ。
それに今日は一段と眼が腐ってるような。」
「お、おい、朝から喧嘩うってんのか。
目はいつもの通りだ、これ以上は腐りようがない。」
「ふ~ん、まあどうでもいいや。
それよりさ、これアイロンかけておいたから、ちゃんと美佳さんに渡してね。」
「お、小町、洗濯してくれたのか。」
「当たり前じゃん。 少しでもお兄ちゃんの好感度がアップするように小町願ってるんだよ。
あ、今の小町的にめっちゃポイント高い。」
「まぁ、ありがとうな。
じゃ、行ってくるわ。」
「いってらっしゃい、美佳さんによろしくね。
あ、晩ご飯抜きだからなにか食べてきてね。
なんなら、今日帰ってこなくてもいいから。」
「いや、映画行くだけだから。」
”ガチャ”
ふう~、いい天気だ。
空は雲一つなく晴れわたっているが、時折、心地よい風が吹いている。
俺の脳裏に浮かぶあの悪夢を振り払ってくれるように。
今日は、はやくあいつに会いたい。
あってこの悪夢を完全に消し去りたい。
”スタ、スタ、スタスタ、スタスタスタ、タッタッタッ”
自然と歩くスピードが速くなっていくのを感じる。
どうしたんだ俺。
・
・
・
「あ、ほら、海だよ海、海見えてきた。
うわ~、綺麗だな~、キラキラ光ってる。
あ、そうだ、どこかでスイカ買っていこ。」
「へ、スイカって?」
「だって、海といったらスイカ割りじゃん。
これ日本の夏の定番だよ。」
「重たいから無理っす。」
「ぶ~。」
「美佳さん、それよりカニ、カニ捕まえましょう。 おれチョ~得意っす。」
「いや! 絶対いや。」
「な、そんなに力んで言わなくても。」
「わたし、カニとかクワガタムシとか挟むやつ大嫌いなの!」
「そ、そっすか。」
「刈宿君は何か苦手なものあるの? あ、お母さんは抜きで。」
「いや、別に苦手じゃないっすから。
俺の一番苦手なのは美佳さんの泣き顔っす。」
「キモ! 今のめっちゃキモイ。」
「え? だ、だって。」
「えへへ、でもありがと。」
「うっす。」
・
・
・
えっと、まだ三ヶ木は来てないな。
はぁ~、でもどんな顔して会えばいいんだ。
夢は夢だとしても、昨日あいつのアパートの前で・・・・・
あれって夢じゃないんだよな。
「あっ、ヒッキー!」
は、由比ヶ浜と三浦達じゃねえか。
ば、馬鹿、よせ。
この人込みの中で、そんな大きな声でヒッキーって呼ぶな。
お、俺は引きこもりじゃねぁ。
今日だってほら、ちゃんと家の外にいるだろう。
ちなみに昨日も塾にいってたぞ。
「ねぇ、聞いた? ヒッキーだってさ。」
「はは、うける。 きっとちょ~暗い奴じゃないのか。
どいつがヒッキーか、当てようぜ。」
ほら見ろ、ヒッキー探しが始まったじゃねえか。
幸いまだ誰も俺に気付いていない。
ここは知らんふり、俺はあいつのことなんて知らん。
「お~い、ヒッキ~!」
さ、さぁ、なんのことかなぁ~
知らん、知らん、知らん、他人だ他人。
この人込みを利用して、視界から消えなければ。
「ヒッキー、ねぇ、ヒッキーってば!」
”ワイワイ、ガヤガヤ”
や、やめてくて由比ヶ浜。
そんな大きな声で何度もヒッキーって呼ばないでくれ。
この世の中にヒッキーなんて名前の奴はいない、いないんだ。
や、やばい、何人かこっち見てるような気がする。
あ、あの娘、クスクス笑ってるじゃねえか。
「ヒッキー、もう、何で無視すんだし!」
”タッタッタッ”
や、やばい、あいつ走ってきやがった
ここで、駄目押しであの挨拶なんかされたら。
「ヒッキー、やっは 」
”スタスタスタ”
「ちょ、どこ行くし。」
”スタスタスタ”
つ、ついてくるな。
由比ヶ浜、こっちに来ないでくれ~。
げ、ほらあの娘、スマホで撮影してるじゃねえか。
”タッタッタッ”
「ねぇ、ヒッキー!」
”タッタッタッ”
おわ、知らん、知らん、知らん。
俺はこいつのことなんて知らん。
”ダ―”
「え、ヒッキー?」
”ダ―”
や、やめろー、追いかけてくるんじゃない。
”ドン!”
「ぐはぁ。」
「もう、何で逃げるし。」
「お、お前、リュックはやめろ、中になに入ってんだマジ痛かったぞ。」
「だってヒッキーが悪いんじゃん。」
「お前、人込みの中でヒッキーって呼ぶな。
それにやっはろ―もやめろ。」
「な、何でさ、いいじゃん。
ヒッキーはヒッキ―じゃん。」
「いいから、それは学校の中だけにしろ。
本当は学校の中でも嫌なんだが。
で、なんか用事か。」
「あ、え~と、なんだったっけ?
ねぇ、なんだったと思う?」
「知るか! もう行くぞ。
由比ヶ浜、一緒に行くと恥ずかしいから、あとから来い。」
「む、恥ずかしいって何だし。
あ、そ、そうだ思い出した。 ちょっと待ってて。」
”ガサガサ”
「あった。 ヒッキー、はいこれ。」
「ん? な、なんだこれ?」
「あのね、誕生日のプレゼント。
本当はさ、昨日渡そうと思ったんだけど、塾の強化合宿終わるの遅くなってさ。」
「え、お、お前、塾いってるのか、しかも強化合宿って。」
「当たり前だし、あたしも早応大狙ってんだからね。」
「お前人生諦めたのか。」
「な、なんでだ。 あたし、絶対早応大にいくんだからね。」
「由比ヶ浜、行くのと入学するのは違うからな。」
「ひど、ヒッキー馬鹿にし過ぎだ。」
”ぽかぽか”
え、な、なにこれかわいい。
なんか頭なでなでしたくなっちまう。
ふふふ、三ヶ木のチョップに比べればなんも利かん。
ほ、ほらもっとたた、えっ何で涙目なんだ。
「ヒッキーのバカ!
も、もういい。」
「由比ヶ浜、いいか、もう少し自分の実力を見つめ直してだな。」
「絶対合格するからね。
合格したら願い事聞いてもらうって約束、守ってもらうからね。」
えっ、そんな約束したっけ?
まぁいい、それで少しでも由比ヶ浜のやる気になるのならな。
だけど、高価なものはやめてね。
俺の小遣いの範囲内にしてくれ。
ま、まぁ、早応大受ける気で勉強すれば、それなりの大学いけるだろうからな。
「おう、合格したら何でも聞いてやる。 合格したらだがな。」
「ヒッキー、絶対合格できないって思ってるんだ。」
「お、おいそんなことより、三浦達待たせてるんじゃないのか?」
「あ、そうだった。
でもヒッキーは何してたの?」
「今から映画行くところだ。」
「あ、あたしも行こうかなぁ。 なんの映画?」
「プリ・・・・・」
「え、プリ? プリってプリキラー?」
は、なにその目、やっぱり引いてるのか。
まぁ、これが普通の反応だろう。
プリキラ―の良さをわかってくれる三ヶ木は特別なんだ。
あいつ、この前ガン泣きしてたもんな。
「知らんのか? プリチュール・ノーブルだ。」
「プリチュアの? ブル?」
「いやプリチュアのブルじゃねぇから、プリチュール・ノーブル。
小説の映画化だ。」
「そんな映画やってたかなぁ。
なんか難しそう。」
「ああ、期間限定だ。 難しいぞ、だからやめとけ。」
上映してるはずがない。
俺も読んでみたいと思いながらいまだ未読の小説だ。
まったくよく思い出せたものだ。
は、な、なにか鋭い視線とラスボス並みの気を感じるんだが。
「お、おい、三浦こっち来るぞ。
あれ結構機嫌悪そうじゃないか。
俺はとばっちりはごめんだ。」
「あ、マジやばそう。
じゃあ、行くね。」
「おう、プレゼントありがとうな。
ちなみに中はなんだ。」
「あ、プリキラ―の湯飲みだよ。」
「お、おい。」
知ってるんじゃねえか。
それに湯飲みって、お前さっきこれ入ってたリュック、俺に思い切りぶつけたろ。
くそ、湯飲み大丈夫か?
「ヒッキーちゃん。」
由比ヶ浜、いい加減にしろ。
それになんだヒッキーちゃんって。
「おい、由比ヶ浜って、あれ?」
「おはよ~、ヒッキーちゃん!」
え、けー、けーちゃん。?
な、なにヒッキーちゃんって。
まぁ、こっちならいいか、けーちゃんかわいいし。
「おー、けーちゃん、おはよ。」
「おはよー。
あのね、はーちゃん。 はーちゃんははーちゃんなのに、なぜヒッキーちゃんなの?」
え、いや、それは。
引きこもりのヒッキー、じゃないからね。
ほら今日も外出してるし。
くそ、由比ヶ浜の野郎、いや女郎。
こんな幼気な子にそんな言葉覚えさせやがって。
「あ、けーちゃん、それはだな。」
「はーちゃんは比企谷八幡って名前だから、比企谷のヒッキーだよ、けーちゃん。」
「ふ~ん、それでヒッキーちゃんか。 わかったさーちゃん。」
「はーちゃんは、はーちゃんって呼んでほしそうだから、はーちゃんって呼んであげな。
お早う、比企谷。」
「ああ。お おはようさん 川越。」
”ボコ”
「あんた、わざと間違えてるだろう。
いい加減にしないと殴るよ。」
い、いや、川崎さん、もう殴ってんだけど。
三ヶ木といい、最近なんか暴力的な女子増えてない?
「いたたた。
ところで、けーちゃん、今日はさーちゃんとお出かけか?
どこに行くんだ?」
「え、けーか、はーちゃんと映画を観に行くんだよ。」
え? 俺と映画?
俺、けーちゃんと約束してたのか。
いや、そんな記憶は・・・・・
げ、なにその笑顔、約束してないって言えないじゃないか。
ど、どうする。
もうすぐ三ヶ木来ちゃうんじゃないか。
「ねぇ比企谷、その様子だと三ヶ木から聞いてないのかい?
三ヶ木、急用出来たから、代わりにけーちゃんとあたしに映画行ってくれないかって。
ほら、このチケット、昨日の夜持ってきたんだ。」
「そ、そうか。」
三ヶ木急用できたのか。
なにほっとしてんだ俺。
だが、その急用ってなんだ。
だったら、何でおれに電話してこないんだ。
”チョイチョイ”
「はーちゃん?」
「よし、じゃぁ映画行くかけーちゃん。」
「うん、はーちゃん。 はい、おてて。」
「おう。」
”ブ~、ブ~”
「あ、比企谷、ちょっとごめん。
先行っててくれるかい。」
「おう。 行こう、けーちゃん」
”スタスタスタ”
「もしもし、どうしたの三ヶ木。」
「沙希ちゃん、比企谷君に会えた?」
「ああ、今から映画館に行くところだよ。」
「あのね、急に無理言ってごめんね。
わたしがプリキラ―の映画観たくて、比企谷君に無理矢理お願いしたから
なんか断り難くてさ。」
「あ、いいよ、ちょうどけーちゃんもこの映画行きたがってたし。
でもあんた、プリキラ―好きなの。 」
「あ、う、うん。 わたしがプリキラ―大好きなの。
けして比企谷君がじゃ無いからね。」
「ん? わかったけど。
それよりさ、急用ってなんかあったのかい。」
「あ、あのね・・・・」
「美佳さん、お待たせっす。」
「え、あ、あんた、今の。」
「あ、う、うん。」
「あんた、本当にこれでいいの?」
「わからない。 でも今は会いたくないの。」
・
・
・
「ついた、海だ!
ひゃ~、綺麗だね。 よし刈宿君、泳ぐよ!」
”ぬぎぬぎ”
「美佳さん、ますは海の家に荷物置いてから、
おわ、な、なにこんなとこで脱いでるんすか!」
「え? いや早く泳ぎたいから。」
「い、いや、こんなとこで、え?
な、水着きてきたんすか。
はぁ~、ほらまずは荷物置きに行きますよ。」
「うん。 あ、その前に。
ね、刈宿君、どう?」
”くるり”
「うっ、美佳さん、水着すごくいいです。
このまま泳がずにずっと見ていたいくらいっす。」
「へへ、ありがと。
さ、行こ。」
「うっす。」
”ぷりっ、ぷりっ”
「み、美佳さん、後ろ姿とってもセクシーっす。」
「ん? ば、馬鹿~、どこ見てんだ。」
・
・
・
「待たせたな。
アイスコーヒーで良かったか。」
「あ、ありがとう。」
「おう。
けーちゃん大丈夫か。」
「うん、さーちゃん、はーちゃんにポップコーン買ってもらった。」
「比企谷、なんかすまない。」
「いや、気にすんな。 お互い様だ。」
「え? お互い様?」
へへ、ゲットできたぜ。
プリキラ―臨海学校バージョンフィギュア!
けーちゃんには感謝の二文字しかない。
ポップコーンなんか安いもんだ。
心から礼を言う、ありがとうけーちゃん。
いや~、マジで三ヶ木いないからどうしょうかと思った。
川崎には言えないもんな。
「あ、あのねさーちゃん、はーちゃんもお人形さ 」
「け、けーちゃん、ほら映画始まるぞ!
暗くなる前に座席座ろう、な、ほ、ほら早く。
あ、ジュースも飲むか。」
「うん。」
・
・
・
「え、刈宿君、ビーチパラソル持ってきたの?」
「あ、海の家にあるの借りてきました。
えっとここらでいいですか?」
「うん。 じゃあ、レジャーシート敷くね。」
「あ、アカ俺のシートじゃないっすか。」
”どさ”
「へへ、特別のお気に入り持ってきちゃったって・・・・・・おい、お前どこ座ってんだ!」
”ベシ”
「ぐはぁ。」
「貴様、イレギュラーヘッド様の顔、踏むんじゃねぇ!」
「う、うっす。 美佳さん怖いっす。」
「わかればいいんだわかれば。
うんしょっと。
あ、そうだサンオイル塗っておかなくちゃ。
ふふふ~ん、ふふふ~ん♬」
「み、美佳さん、背中塗りましょうか?」
「・・・・・それベタねただろ、スケベ。」
「え、い、いや 違うっす。 背中、ぬ、塗りにくいっかな~って。」
”ジ―”
「す、すみません。 あの~、少しだけエッチなことを。」
”ジー”
「ごめんなさい、100%スケベ心でした!」
「へへへ、はい、お願い。」
「え、い、いいんすか。」
「うん、お願いするね。」
”ペタ”
「美佳さん肌きれいっす。」
「うっさい、いいからはよ塗れ!」
「うっす。」
・
「よしokと。 さぁ刈宿君泳ごう。」
「あ、ちょ、ちょっと今は・・・・」
「え? ほら行くよ。」
「あ、あの~先に行っててください、すぐ追いつきますから。」
「ん? じゃあ先行ってるね。」
「うっす。」
・
「お~い、刈宿く~ん。こっちだよ~」
「はぁ~おさまった。 あ、今いくっす。」
”バシャバシャバシャ”
「はや!
刈宿君って水泳選手でもいけるんじゃないの。」
”ザブン”
「え? ん、刈宿君? お~い刈谷君?」
”バシャ!”
「うわっ」
「へへ、お待たせっす。」
「ひど、びっくりしたんだからね。」
「すいませんす。
あ、それより、ちょっと待っててください。」
”ザブン”
「え? か、刈宿君、お~い刈宿く~ん?」
”し~ん”
「も、潜ったきり出てこない。
は、も、もしかしたら足つったんじゃ
大変だ、いまいくからね。」
”バシャ!”
「うわ、ま、またしてもこの馬鹿!」
”ベシ”
「ぐはぁ。」
「な、何やってんだ、めっちゃ心配したんだぞ。」
「え? あ、す、すみませんっす。
あの~、これどうぞっす。」
「え? うわぁ~綺麗。 綺麗な貝殻。」
「さっき潜ったとき、ちょっと見えたような気がして。」
「馬鹿、無茶したら駄目だよ。 心配したんだからね。」
「うっす。」
「でもありがと、すんごく綺麗。
でも、えっとどうしようかなぁ。
あ、水着の胸のとこ入れとこ。」
”ぐぃ”
「うんしょっと。」
「うぉっ!」
”ぶくぶくぶく”
「え、か、刈宿君!」
・
・
・
おかしい。
なぜだ、あれほど期待していた映画なのに。
面白くない。
ただ、目の前を淡々と映像が流れていくだけだ。
「うわぁ、頑張れ、キラホィップ!」
けーちゃんすげぇー夢中になっている。
この反応みると映画自体は面白いはずだ。
・・・・・なんだろうな急用って。
昨日は、特にそんなこと言ってなかったよな。
帰ってからって・・・・・・・そ、そうなのか。
「な、なぁ、川崎、み 」
「うるさい! 今いいところなんだから、話しかけるとぶつよ。」
「す、すまん。」
こぇ~、なにこいつマジ夢中になってるじゃねえか。
映画、終わってからにしょう。
・
・
・
”ぐぅ~”
「は、や、やっぱ、泳ぐとお腹すくね。」
「いつ聞いても美佳さんのお腹の音ってかわいいすね。」
「いや、違うから、今の刈宿君だから。」
「え、いや、今のは。」
「刈宿君だからね。」
「う、うっす。 お、俺っす。」
「そ、それよりさ、ほんとおにぎりだけでよかったの?」
「美佳さんのおにぎりめっちゃ美味しかったっす。」
「でもさ、昨日も言ったけど、ほら食中毒とか怖いから梅干しだけだよ。」
「へへ、任せておいてください。」
”スタスタ”
「おやっさん、できてます?」
「おう、いま持ってくぞ。」
「ありがとっす。」
”スタスタ”
「ほら、お待ちどうさん。」
「うわ~美味しそう。」
「お嬢ちゃん、美味しそうじゃねぇ、美味しんだ。」
「あ、はい。 わたしイカ焼き大好き!」
”ぱく”
「う~ん美味しい。
この醤油とバターが合うんだよ。」
「おう、よかった。 ほらあとこれだ。」
「え、お、おやっさん、これ頼んでないっすよ。」
「おう、俺からのサービスだ。
お嬢ちゃん、これは今日取れたての蛤だ、これも美味しいぞ。」
「あ、ありがとうございます。」
「おう、まぁ、なんだ、この坊主は、最近のガキに比べると結構マシのほうだ。
真面目で根性あるからな。
お嬢ちゃん、いい彼氏つかまえたな。
すまねえがよろしくしてやってくれ。」
「お、おやっさん。」
「あ、はい。 ありがとうございます。」
「じゃあな。」
”スタスタ”
「・・・・・・・」
「ごほん。 誰が彼氏だって?」
「す、すみません。 あ、な、殴らないで~」
「まぁ、このイカと蛤に免じて、今日は彼女ってことでいいよ。」
「ほんとっすか。」
・
・
・
「けーちゃん、とうとう寝ちゃったか。」
「すまないね比企谷、重くないかい。」
「ああ、大丈夫だ。」
「あ、その荷物持つよ。」
「ん、おう頼むわ。」
「けーちゃん、昨夜からあんたと映画行けるって張り切っててさ、
なんだかよく眠れなかったみたい。」
「そうか。」
”スタスタスタ”
「・・・・・ね、さっき、映画でなに言おうとしたのさ。」
「ん、あ、いや・・・・・・あのな、三ヶ木の急用ってなんだ?
お前、何か知らないか?」
「男とデート。」
「はぁっ・・・・・そ、そうか。」
「うそだよ。」
「お、おい!」
「なにムキになってるのさ。 あんた三ヶ木と付き合ってるのかい?」
「い、いや。」
「悪かった。 なんの用事かまでは聞いてないよ。」
「そ、そっか。」
「ね、あんた今度はいったい何をやらかしたのさ。」
「え、俺が何かしたって前提なのか? い、いやなにもしていないはずだ。」
「三ヶ木言ってたよ、今はあんたに会いたくないって。
いいから話しな、ここ最近あったこと全て包み隠さず。」
・
・
・
「できましたよ、美佳さん。」
「あ、ありがと。 えへへ、一度やってみたかったんだ。
面白そうだったんだもん、海岸で砂に埋めてもらうの。」
「パラソル、この位置でいいすか?」
「うん。」
「あ、そうだ。 もう少し砂を。」
「え、お、おい、貴様、それ何の真似だ。」
「え、いや、あははは。」
「悪かったね、結衣ちゃんみたいに巨乳でなくて。 ふん!」
「あ、い、いや冗談っす。 すぐ取ります。
あ、すみません、俺ちょっとトイレ。」
「あ、うん。 はやく戻って来てね。」
「うっす。」
”タッタッタッ”
「ふ~、海、来ちゃったなぁ~。
・・・・・今頃もう映画終わってるよね。
なにしてるんだろう。
は、馬鹿、なに考えてんだわたし。
そんなこと言ってるとバチが。」
”こそこそ”
「ん、なんだ?」
”サッサッサッ”
「はっ! い、いやだ。 こ、こっち来るな!」
”サッサッサッ、ピタ”
「お、おい、そこで止まるな、あっち行け! ペッ、ペッ。」
”チョキ”
「い、いや~」
・
「美佳さん、お待たせ。 すみません、混んでて・・・・・・え!」
「鼻、痛いよ~、カニ取って。」
「は、はい。」
”ポイ”
「み、美佳さん、大丈夫で・・・・・ぷっ」
「あ、貴様、笑っただろう、絶対笑った。」
「い、いえ、笑ってません。 今、砂から出しますね。」
”どさ、どさ”
「はい、大丈夫っすか?」
”ベシ、ベシ、ベシ”
「いたた、痛いっす、美佳さん。」
「お前、プッって笑っただろう。 もう嫌い。」
「あ、いや、笑ってないす。 笑って、くくくくく。」
「貴様~」
”ベシ”
・
・
・
「はぁ~、まったくあんたは。」
「は、まて、おれが悪いのか?」
「あったりまえでしょう。
まったく、あんたはどうしょうもないね。」
「というと、やっぱり林間学校のことか?
あれは俺もすまないと思ってる。」
「まぁ、それも多少はあるだろうけど違うと思うよ。
それはあの娘が自分で納得してやったことだろ。
あんたに会いたくない理由にならないと思うよ。」
「すまん、教えてくれ。」
「多分、昨日のあんたと妹との会話、聞こえてたんじゃない?
あんたのそのバカげた答えを。
だってその後だろ、三ヶ木急に帰るって言ったの。
それに昨日の夜、あたしの家に来た時、お父さんまた残業だって言ってたからね。」
「だが、もしそうだとしても、俺はそう思ってる。
俺といるとあいつは傷つくんだ。
誰かを大切にするってことは、そのことを覚悟するってことだよな。
だけど俺は、俺はあいつを傷つける覚悟は・・・・・・出来ない。」
「はぁ~、まったく。
あのさ比企谷、あんたはあの娘を傷つけてるっていうけど、
傷つけてることばっかじゃないだろう。
あの娘にとって楽しいこと、うれしいこともあったんだよ。
あんたのこと話してる時のあの娘、本当嬉しそうなんだよ。
人の気も知らないでさ。
遊園地行った話とか、クレープの競争したとか本当嬉しそうに喋るんだよ。
あんたはもっと自信を持ちな。
傷つけることが怖い? 覚悟できない?
傷つけたっていいじゃん。
それ以上に大事にしてやろうと思えばそれでいいんだよ。
あの娘も馬鹿じゃない。
あんたのやさしさは、わかる娘だよ。」
「川崎。」
「あんたがさ、本当にあの娘のこと大事だと思うのなら、
ちゃんと、自分の正直な想いを話してあげな。」
「だ、だがな、あ、あいつは今日おそらく。」
「あんた知ってたのかい?
でもまだ間に合うはずだよ。
あのね、あの娘があなたから飛び立ってしまってからじゃ遅いんだよ。
もう、戻ってきてくれないよ。」
・
・
・
”ザブ~ン、ザザ~”
「はぁ、夕陽、きれいだ~
比企谷君、もう家帰ったかなぁ。
映画、楽しかったかなぁ。
あ、フィギュア、ちゃんと買えたかなぁ。
それから、それから・・・・
馬鹿、なんで比企谷君のことなんか。
わたし会いたくないって言ってたじゃん。」
”ツー”
「ほ、ほら、涙でてきちゃったじゃんか。」
”スタスタ”
「美佳さん、ラムネお待ちどうさまっす。
え、ど、どうしたんすか?
何で泣いてるんすか。」
「あ、ち、違うの。
あのさ、ほ、ほら夕陽がとっても綺麗だから。」
「そうすっか。
・・・・・美佳さん、寒くないっすか?」
「うん、もうちょっとだけこの夕陽をみててもいい?
すっごく綺麗なんだもん。」
「そうすね、綺麗っす。
じゃあ、バスは次の時間に遅らせましょう。」
「うん、ありがと。」
・
・
・
「けーちゃん、お家ついたよ。」
「ふぁ~、あれ? はーちゃんは?」
「はーちゃんはもう帰ったよ。」
「あ、ね、ねぇさーちゃん、さーちゃんなんで泣いてるの?」
「うん? あ、ちょっと目にゴミが入ってね。」
「さーちゃん、けーかが取ってあげる。」
「ありがとう、けーちゃん。 もう大丈夫だよ。」
”ガサ”
「あ、さーちゃん、それはーちゃんのだよ。」
「え、あ、あー、返すの忘れてた。
何入ってるのかなぁ。
えっ、これって。」
「うん、あのね、はーちゃんお人形さん好きなの。」
「・・・・・」
・
・
・
「バス遅いっすね。
それに他にベンチ座ってる人いないっすね。
もうみんな帰っちゃったんすかね。」
”ちょん”
「え? あ、美佳さん寝ちゃったんすか。
そういえば、あんまり寝られなかったって言ってたっすね。
へへ、寝顔可愛いっす。
か、肩ぐらいいいすね。」
”だき”
「ふ~。」
「今日はありがとね、刈宿君。」
「へ、あ、お、起きてたんすか。」
”ぱっ”
「あ、いいよこのままで。
今日は彼女でいいって言ったじゃん。」
「う、うっす。」
「あのね、わたし嫌なことばっか続いててね、ちょっと落ち込んでたんだ。
だから、少しパァッてはっちゃけてさ、嫌なことなんかすっかり忘れたかったの。」
「少しは忘れられました?」
「うん。 明日からさ、もう少し頑張ってみる。」
「そっすか、良かったす。
でもあんまり無理はダメっすよ。」
「うん。」
「俺でよかったらいつでも連絡して下さい。
いつでもそばにいますよ。
俺ストーカーですから。」
「馬鹿・・・・・・・・でもありがと。」
「うっす。
あ、美佳さんバス来たみたいっす。」
「うん。」
・
・
・
「刈宿君、今日はありがと。
それと家まで送ってくれてありがとね。
とってもたのし 」
”だき”
「え、か、刈宿君?」
「美佳さん、俺、俺、美佳さんが。」
「刈宿君。」
「あ、すみません。」
「うううん。」
「あの、あのですね美佳さん。
今度、新人戦地区大会があるっす。
俺、絶対優勝して美佳さん県大会に連れていくっす。
優勝したら、約束通り俺の彼女になってもらえますか?」
「ちょっと待った! あれはもう時効。
時効だからね!」
「え~、時効あるって言ってなかったじゃないすか。」
「あんの!」
「美佳さん、俺、夢があるっす。
今度の大会、県大会も優勝して絶対全国大会に行きます。
それで強化選手になってテニスの専門学校にも入って、将来はプロの選手になるっす。
それでいつかなんかの大会で優勝して、優勝して
・・・・・・・・・・・・美佳さんを嫁にもらいに行きます。」
「はぁっ、な、なに言ってんだお前。
ちょ、ちょっと待って、少し冷静になって。
よ、嫁なんて重いって、重すぎだって。」
「はっ、お、俺何言ってんだ。
すみません、なんか途中でわけわからなくなって。
で、でも俺、それくらい真剣っす。」
「う、うん、わかってる。 ありがと。
こんなわたしなんかをそんな風に思ってくれてうれしい。」
「俺、美佳さんのこと絶対大事にするっす。
絶対泣かせるようなことはしません。
だから俺と、俺と付き合って下さい。」
「・・・・・ごめん、少しだけ時間貰っていい?
ちょっとだけ気持ち整理させてほしいの。」
「了解っす。
気持ち整理して、それで結論でたら電話してください。
それまで、俺からは電話しません。
俺、電話待ってます。」
「う、うん。」
「じゃ、俺帰るっす。
「今日はありがと、刈宿君。
帰り道、気を付けてね。」
「うっす。」
最後までありがとうございます。
次話はようやく花火大会に。
オリヒロが誰と行くことになるかは・・・・・・
季節感、ホントなく申し訳ないですが、また読んでいただけたら
ありがたいです。