似て非なるもの   作:裏方さん

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GWでお疲れのとこ、見に来ていただいてほんとありがとうございます。

前話にてとうちゃんとケンカして家を飛び出したオリヒロは
八幡の家に。
さて二人の関係に進展は。

またいよいよ文化祭です。
オリヒロは八幡を守れるのか。

す、すみません、前話で2話に分けるといったのにまたしても2万字越え。

長くてお時間いただいてしまうと思います。
無理なさらず読んでいただけるとありがたいです。
(あの、ほんと見に来ていただけるだけでありがたいです。)

ではよろしくお願いいたします。



文化祭編⑤ 疑

「あ、あの、ひ、比企谷君?」

 

「断る。

 俺の目が腐っているうちは、何人たりとも俺の聖域へ立ち入ることは許されない。」

 

「いや、目が腐ってるうちって。

 ・・・・・そ、そっか。

 ごめんねいきなり。」

 

そうだよね。

こんな夜遅くなってから突然家に来るなんて、ほんと常識ないよね。

断られて当たり前だ。

なんでわたし比企谷君の家、来ちゃったんだろ。

気がついたら電車乗っててさ。

会いたかったんだ、一目だけでもいいから会いたくなって。

比企谷君ならわかってくれると思ったから。

だから・・・・・来ちゃったんだ。

 

「三ヶ木、何かあったのか?」

 

「・・・・・」

 

「おい、三ヶ木?」

 

”ブルブル”

 

駄目だ駄目だ。

わたしなに考えてんだろう。

ほんと比企谷君に心配させてばっかり。

ほら、めっちゃ心配そうな顔してるじゃん。

わたし、しっかりしないと。

 

「スー、ハー、スー、ハー」

 

「お、おい、三ヶ木?」

 

う、うし、少しだけ落ち着いたから。

 

”バシバシ”

 

「いたた、お、お前、いきなり背中叩くな。」

 

「あははは、冗談だよ、冗談。

 なんかあるわけないじゃん。」

 

「はぁ?」

 

「あ、ごめんごめん。

 あのね、比企谷君に伝えておかないといけないことがあったの。

 だから学校の帰りに寄ったんだ。

 ・・・・・ただそれだけ。

 ゴホン、実は人気投票で、なんと比企谷君にミス総武高から是非チークダンスの相手にとの

 ご指名がありました。

 いぇ~い、ドンドンパフパフ。」

 

「は、はぁ!」

 

「ど、どう、うれしい?」

 

「うれしいわけねえ。」

 

「なんでさ、ミス総武高からのご指名だよ、ミス総武高からの、ご・指・名。」

 

「いや、そのミス総武高だが、明日はいつも以上に辛辣な言葉を浴びせられる気が

 するんだが。

 それにもし足を踏んだりでもしてみろ。 

 はぁ~、考えただけでもぞっとする。」

 

「・・・・・は、はて何のことかなぁ~」

 

ば、バレてる。

まぁ予想通りだもんね。

でも、そっか~、そっちの対策も必要だったか。

う~ん、そこは比企谷君のメンタルに期待するしかないっす。

 

「まぁいいわ、断ったら断ったで後が怖いしな。

 ・・・・・で、三ヶ木、本当はお父さんと何があったんだ。」

 

げ、比企谷君、なんでわかっちゃうんだ。

あ、でもこれはわたしの問題なんだ。

・・・・・そう、わたし自身の。

これ以上、比企谷君に心配かけさせるわけにはいけない。

だから、

 

「え? ほんとに何もないよ。

 それだけだよ。

 えっと、あとはそうだね。

 あ、そ、そうだ。

 あのね、比企谷君の顔が見たかったんだよ~、えへ♡」

 

「あざとい。

 まぁ何もないのならいいが。」

 

「そだよ、何もないよ。

 じゃあ、顔も見れたことだしそろそろ帰るね。」

 

「あ、ちょっと待て。

 さすがにもう遅いし、家まで送ってくわ。」

 

「いらない!!」

 

「え?」

 

「あ、あ、あの、ほ、ほらほら、一緒にいる時間が長くなるほど寂しくなるかなぁ~って。

 だからここでいいよ。」

 

「そ、そうか。」

 

「そうだ。 

 じゃあね、比企谷君。」

 

「ああ、また明日な。

 気をつけて帰れよ。」

 

「うん。」

 

また明日なっか。

明日はさ、明日は比企谷君はゆきのんと・・・・・

わたしは、わたしは・・・・

あ、いけない。

ここは笑顔、笑顔で。

 

「バイバイ。」

 

「おう。」

 

”トボトボトボ”

 

     ・

     ・

     ・

 

”ブ~、ブ~”

 

「あ、お父さんお疲れ様です。」

 

「お父さん言うな。

 あ、それより比企谷君、すまんがそっちに美佳行ってないか?」

 

「え? あ、さっき学校の帰りに寄ったって来ましたが。

 もうとっくに帰ったはずですけど、もしかしてまだ帰ってないんですか。」

 

「どこかに行くって言ってなかったかね。」

 

「いえ、やっぱり家に帰ってないんですね。

 な、なにかあったんですか?」

 

「あ、い、いやちょっとな。」

 

「お父さん!」

 

「すまん、美佳とケンカしてだな。

 あいつ飛び出して行ったきり帰ってこないんだ。

 それで今探しているんだが。

 どこにもいなくてな。」

 

「はぁっ!」

 

     ・

     ・

     ・

 

”キィコ、キィコ”

 

ふぅ~、比企谷君に嘘ついちゃった。

なんか胸が痛い。

でも心配かけさせたくないから。

 

”キィコ、キィコ”

 

おっ、今日はお月様メッチャ綺麗だ。

へへ、ブランコに合わせて近づいたり遠ざかったり。

行ってみたいなぁ、お月様。

 

「ふぇ、ふぇ、ふぇっくしょん!」

 

やば、やっぱり夜になると少し寒むいや。

ほんと今日はどこで寝ようかなぁ~

今からでも沙希ちゃんに電話してみようかなぁ。

でも、どうしたのとか、なにがあったのっていろいろ聞かれるだろうし、

きっといっぱいお説教されるだろうな~

沙希ちゃん怒ると怖いからな~

どうしよう。

そっだ、今日はそこの土管の中で寝よう。

新聞紙とか段ボールとかに包まれば大丈夫・・・だよね?

 

”ポカッ!”

 

「い、いた~、な、なに?」

 

「おい!」

 

「あっ、」

 

「帰ったんじゃねえのか!」

 

「え、えっと~、あ、ちょ、ちょっと疲れたから一休みしてただけだよ。

 さ、そろそろ帰ろ~っと。

 じゃあね。」

 

”ポカッ”

 

「まったく。

 何やってんだお前。」

 

「い、いた~、また叩いた。

 女子に暴力振るうなんて最低。

 とうちゃんが・・・・・・・とうちゃんが、あのね、とう・・・・ちゃんが言ってたんだ。」

 

「ほら。」

 

「え、あ、紅茶?」

 

「本当はミルクティーにしようと思ったんだがな。

 温かいのが紅茶しかなかったんだ。

 これで叩いたのはチャラだ。」

 

「よ、よしこれでチャラにしてやる。

 ありがたく思え。

 なんちゃって、えへ、ありがと。」

 

”カチャ”

 

「この馬鹿が。」

 

”ゴクゴクゴク”

 

「ほら、冷めないうちにな。」

 

「う、うん。」

 

”カチャ”

 

比企谷君、汗すっごくかいてる。

めちゃ探し回ってくれたんだ。

はぁ~、結局心配かけちゃったよ。

 

「いっただきます。」

 

「おう。」

 

”ゴクゴク”

 

ふぅ~温まる。

なんか心の奥からあったまる。

ほんとにあったかい。

 

「お前、スマホの電源ぐらい入れておけ。」

 

「あ、ごめん、電話出たくなくて。」

 

「そっか。

 で、何でケンカしたんだ。

 やっぱりあの女の人のことか。」

 

「あ、あの・・・・・う、うん。」

 

「そっか。」

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

「・・・・・ごめんなさい。」

 

「・・・逃げてても仕方ない。」

 

「あ、う、うん。」

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

「月、綺麗だな。」

 

「とっても綺麗。

 ・・・わたし行ってみたいなぁ、お月様に。」

 

「行けるんじゃねえの。」

 

「え、ほんと。

 連れてってくれるの?」

 

「いや、そんな金もコネもねえ。

 あのな、A4のコピー用紙あるだろ。

 あれを42回二つに折ってみろ。

 それができれば月にまでたどり着くぞ。」

 

「うそ、たった42回でいいの?」

 

「ああ。

 なんでも1回折ることに厚みが2倍になって、次に折ったらその2倍で、

 まぁ、なんやかんやで42回も折れば月にまでいけるらしい。

 なんかよく知らんがテレビかなにかでやってたような気がする。

 詳しいことは稲村にでも聞いてみろ。」

 

「そっか。

 よし、今度折ってみよう。」

 

「三ヶ木、お前そんなに月に行ってみたいのか?」

 

「うん。

 だってね、月って地球の6分の1しか重力無いんだよ。

 だったらなんかいろんなものから解き放されそうじゃん。」

 

「そ、そっか。

 そうだな、地球の重力に魂を縛られてるって言ってた奴もいるしな。

 月ではいろんなものから解放されるかもしれないな。

 まぁ、頑張って折ってみろ。」

 

「うん。

 でももし月にだどりついたら、わたしそのまま月に帰っちゃうかも。」

 

「お前はかぐや姫か。」

 

「えへへ、実はそうなんだ。」

 

「うそつけ。」

 

「あはは。

 あ、えっとね、あのね比企谷君。

 

 ・・・・・お月様がとっても綺麗ですね。」

 

「ぶふぉ~」

 

「きゃ、きたないな~

 マッ缶吹き出さないでよ、もう!」

 

「馬鹿、お前がいきなり変なこと言うからだ。」

 

「いいじゃん、今さら。」

 

「・・・・・まぁ、いいけど。」

 

「えへへ。」

 

     ・

     ・

     ・

 

”キィコ、キィコ”

 

「・・・・ほんと綺麗だね。」

 

「ああ。」

 

二人してさっきからずっとお月様見てるんだ。

あ~あ、ずっとこうしていたい。

もし神様に一つだけお願いごと出来るんなら、このまま時間止めてほしい。

明日なんて来なければいいのに。

そしたらずっと比企谷君と一緒にいられる。

 

”ちら”

 

「ん? どうした三ヶ木。」

 

「あ、うううん。

 なんでもな~い。」

 

ブランコじゃなかったらもっとくっつけるだけどなぁ。

ほら、ベンチなんかで肩に頭乗せたりして。

もっと近寄りたいなぁ。

あ、そうだ。

 

”スクッ”

 

「ん、どうした?」

 

「ね、比企谷君・・・・・踊ろ。」

 

「は、はぁ? なに言い出すんだお前。

 今日ちょっとおかしいんじゃないの?

 さっきは月に帰るとか言い出すし。」

 

「だってそんな気分なんだもん。

 ほ、ほらそれに明日さ、比企谷君チーク踊らなきゃいけないんでしょ。

 比企谷君は踊ったことあるの?」

 

「ふふふ、馬鹿にするな。」

 

うそ、比企谷君踊ったことあるんだ。

え、誰と、誰とだ。

もしかしてゆきのんとか結衣ちゃんとかともう。

 

「俺はフォークダンスすらエアーだ。

 チークなんぞ踊ったことがあるわけない。」

 

そっちかよ!

ま、まぁ安心したけどさ。

もしかしたら小町ちゃんととか思ったけど。

じゃあいいよね、練習、練習ってことで。

 

「だったら、明日ゆきのんに恥かかさないためにも練習しなくちゃ。

 恥かかせたら大変だよ~

 ほら、わたしがビシビシ鍛えてあげるから。」

 

「おまえ、いま完璧にばらしちゃっただろ、ミス総武高。」

 

「あっ!

 も、もう、いいから! 

 さ、はやく立って。」

 

「仕方ねぇな。

 うんしょっと。」

 

「お、おい、それわたしの。」

 

「いやなに、一度言ってみたかったんだ。

 でも、お前は踊ったことあるのか?

 そ、そのチークダンス。」

 

「チッチッチッ、今どきの女子にとってチークなんて当たり前だよ。」

 

「・・・そうか、お前もビッチなんだな。」

 

「う、うそだよ、ごめん違うって、ほんとだよ信じて。

 きょ、今日陽乃さんと踊っただけだよ。」

 

「は、もしかしてお前そっち系?」

 

「いやそっち系じゃないから。」

 

えっと多分違う・・・・・と思うんだけど。

でも、時々自信なくなる時あるんだ。

さがみんの時はマジやばかったなぁ~

わたし大丈夫・・・だよね。

 

「でもなんでお前チークを踊ったんだ?」

 

「あ、あの、えっと、あ、そうそう、明日の予行練習。

 ほら照明とかの確認。

 それより踊ろ。

 はい、手組んで。」

 

「お、おう。」

 

”ガシッ”

 

「そうそう、両手をガシッて、う~負けるか、この野郎!

 って、おい違う、違うだろう!

 力比べじゃないから。

 ほら、手を組むのはこっちの方の手だけ。」

 

「あ、ああ。」

 

「それで、比企谷君のそっちの手はわたしの腰において。」

 

「え、こ、腰にっていいのか?」

 

「いいの。」

 

”さわ”

 

「きゃっ、そこはお尻。

 馬鹿! 腰はもちっと上。」

 

「お、おう。」

 

「そんでわたしの手は比企谷君の肩において。

 それでね。」

 

”ぐぃ”

 

「お、おい、お前それは。」

 

「なに? ほらもっと密着して。」

 

「あ、い、いや、あの~、ほら俺汗かいてっから。」

 

”ぐぃぐぃ”

 

「お、おい、三ヶ木。」

 

「なに?

 それでね、音楽に合わせてこうやって左右に揺れながら時計回りでね。」

 

「・・・・・」

 

「ラン、ラララン、ラン~♬」

 

”ドクン、ドクン、ドクン”

 

あ、比企谷君の心臓の音が聞こえる。

少しだけ早くない?

わたしのこと一応意識してくれてるのかなぁ。

ごめんね、こんなに汗かかせちゃって。

一生懸命、探してくれたんだね。

 

”ぐぃ”

 

「お、おい。」

 

だってうれしいんだ。

こんなわたしを探してくれたんだもん。

できたらさ、ほんとこのまま、このままずっと。

 

「・・・・・な、なぁ三ヶ木。」

 

「あ、うん?」

 

「お前、いい匂いだな。」

 

ば、馬鹿!

急に何言いだすんだこいつは。

し、心臓、バクバクじゃんか。 

このすけこまし・・・えへへ。

 

「遅~い、今頃気が付いたの?」

 

「あ、ああ。」

 

「へへ、ば~か。」

 

「おい。」

 

「あのさ、明日チーク踊ってる時は絶対ゆきのんだけ見ててね。

 他のものは絶対見ちゃだめだよ。」

 

「は? なんでだ。」

 

「い、いいから。

 あ、それと音楽以外なにも気にしちゃだめだよ。

 周りの雑音とかもさ。」

 

「まぁ、雪ノ下と踊るんだ、いろいろと言われるだろうからな。」

 

それもあるけどさ、それだけじゃないんだ。

ほんとは嫌だけど、そんなの嫌だけど。

でもわたし頑張る、明日頑張るね。

だから少しだけごめん。

 

”ぎゅ~”

 

「お、お前くっつきすぎだろ。」

 

「いいじゃん。」

 

「いや踊りにくいんだが。」

 

・・・・・キスしたい。

は、なにいってんだわたしは。

ほんと馬鹿だな

チ、チークなんて踊ってるからかな。

なんかドンドン気持ちがおかしくなって。

でも、もしかしたら。

 

「比企谷君、あのね。」

 

「ん?」

 

「比企谷君、キ、キ 」

 

”ぎゅるる、ぐるるるる!!”

 

「は、はぁ?」

 

「ご、ごめん、お腹が。」

 

な、なんでだ。

肝心な時にいつもわたしのお腹は!

はぁ~恥ずかしい、めっちゃ恥ずかしいよ~

 

「まぁ自然現象だからな。

 で、なに言おうとしたんだ。」

 

「あ、あの、えっとね、ひ、比企谷君、今日晩ご飯まだなんだ。

 お腹空いたなぁ~」

 

「まったく・・・・・ほら帰るぞ。

 なんか作ってやる。

 あのな、今日だけだぞ。」

 

「え、いいの。」

 

「ああ、お父さんには今日は黙認してもらったしな。」

 

「え、お父さんに黙認って。

 ・・・・ね、もしかして今日するの?

 わたしなにも準備してきてないけど。

 それにもしかしたらわたし声大きいかも・・・小町ちゃんいるよね、聞こえたらどうしよう。」

 

「ば、馬鹿、お前何考えてるんだ。

 黙認ってお前を泊めることだけだ。

 お前は小町のところで寝ろ。」

 

「そ、そだよね。」

 

はは、わたしの馬鹿。

キスとかエッチなこととか、なに考えてんだ。

いや、違う、チークがチークが悪いんだい。

ずっとくっついてゆらゆらしてたから、わたしおかしくなって。

もうチークなんて大嫌い。

 

     ・

     ・

     ・

 

”カタ”

 

「ほれ、できたぞ。

 八幡特製焼き豚チャーハンだ。」

 

「うわ~美味しそう。

 八豚チャーハン。」

 

「違う、焼き豚だ焼き豚、その八豚ってのやめてくれる。」

 

「へへ、いただきま~す。」

 

”パクパク”

 

「お、うっま~い。」

 

「おう、そりゃよかった。」

 

     ・

 

”モグモグ”

 

へ~、比企谷君、さすが専業主夫希望だけあって美味しかった。

ちゃんとお米が一粒一粒パラパラで。

味付けも薄くなく濃くなく。

これ最後の醤油が聞いてるね。

う~ん、満腹満腹。

 

「あ~美味しかった。

 ご馳走様でした。」

 

「おう、皿はそこ置いてくれ。

 あ、風呂沸いてるから先に入ってくれ。

 親父たちはまだ帰ってこないだろうからな。」

 

「え、ひ、比企谷君は?」

 

「あ、後から入る。」

 

「あ、わたしが後でいいよ。

 悪いよ。」

 

「いや、さ、先に入ってくれたほうが何かとありがたいかなぁ~。

 あ、ほら掃除、掃除しないといけないから。

 ほらほら、入った入った。」

 

でもそれって悪いよ、いきなり押しかけたんだもん。

それに比企谷君も汗かいて・・・・・

でもなんでそんなに先に入らせたいんだ?

え、なんでそんなにやけた顔?

掃除、掃除・・・・・はは~ん。

 

「おい、なんか探す気だろ?」

 

「はぁ? な、何のことだ。

 何を探すって言うんだ、お、俺はだな、」

 

「黒くて細くて長いもの。」

 

「黒くて細くて長いもの?

 ば、ばっか! そんなもん探すか。」

 

「ほんと?」

 

”ジー”

 

「あ、い、いや、探すわけ・・・探さないかなぁ・・・さが・・ごめんなさい。」

 

「まったく。

 ・・・・・ほ、ほしいの?」

 

「う、い、いや、その 」

 

「ほしいならあげる。

 ちょっと待って。」

 

「お、おい、まてこんなところで。

 い、いませめて後ろ向くからちょっと待て。」

 

”クル”

 

「え、別に後ろ向かなくても。」

 

「い、いやそんなわけには。」

 

”プチッ”

 

「いたっ!」

 

「だ、大丈夫か?

 そ、その、す、すまん。」

 

「はい、抜けたよ。」

 

「お、おう。」

 

”クル”

 

「はい。」

 

「お、おお、い、いや、別に俺は。」

 

「でも髪の毛なんてどうするの?」

 

「え、か、髪の毛? あれ?」

 

「はっ、そっか食べるんだ。

 DNA採取するんだね。

 でもわたしワン・フォー・オールの継承者じゃないから、DNA採取しても

 何も譲渡できないよ。

 それにちょっとキモいかも。」

 

「た、食べねぇ、そんな趣味はない。

 それに俺はヒーロー志望じゃない。」

 

「え、違うんだ。」

 

「俺はヒーローごっこの時はいつも悪役だったんだ。

 ヒーロー役なんか一度ったりともやったことはない。

 だから悪役のほうにこそ親近感を感じる。」

 

「そ、そうなんだ。

 でもさ、何で髪の毛なんか欲しがったの?

 何かのおまじないに使うつもりだったとか?

 ね、なんで、なんで?」

 

「う、い、いやそれはだな、その~」

 

へへへ、マジ困ってる。

さぁさぁ、なんて言い訳すんだ?

ほれほれ。

げ、もしかしてわたしやっぱりS? S子なのかなぁ。

まぁいいや、比企谷君、M男だから。

 

”ジー”

 

「う、うぐ。」

 

「えへへ、比企谷君のエッチ。」

 

「あー、お前知ってたな、知ってて髪の毛を渡したな。」

 

「さぁ~、なんのことかなぁ。」

 

「ええい、さっさと風呂入ってこい!」

 

「ほ~い。」

 

”スタスタスタ”

 

「あ、でもさ・・・わたしの中ではね、比企谷君はいつも最高のヒーローだよ。」

 

「ば、馬鹿。

 早く行け!」

 

「ほい、行って参るであります。」

 

”ガチャ”

 

     ・

     ・

     ・

 

”チャポ~ン”

 

へへ。

比企谷君の家のお風呂に入ってんだ。

信じられない、こんなことになるなんて。

でも、なんかうれしい・・・な。

うれし・く・・て・・・ね。

 

”ぶくぶくぶく”

 

     ・

 

”ばしゃ!”

 

はぁ、はぁ、はぁ、やば、めっちゃやばかった。

なんかすごっくリラックスして思わず寝ちゃってた。

あっぶなかった。

ずっと忙しかったからなぁ~

 

”トントン”

 

へ?

 

「お~い、生きてっか~」

 

「あ、う、うん、かろうじて。」

 

「ここに、バスタオルと歯ブラシ置いておくから使ってくれ。

 あ、それと今日は小町の部屋で寝てくれ。

 小町には言ってあるから。」

 

「あ、うん。

 あのね、比企谷君。」

 

「ん?」

 

「今日はごめんなさい。

 それとほんとにありがと。」

 

「言っておく。

 礼は形のあるもの以外受け付けない。」

 

「あははは。」

 

「なぁ、明日はちゃんと帰るんだぞ。」

 

「・・・・・う、うん。」

 

     ・

     ・

     ・

 

「駄目です。」

 

「え? でも比企谷君が小町ちゃんの部屋でって。」

 

「はい、確かに兄から承りました。

 しかしですね、しかしですよ、折角のチャン・・・・

 あ、いえ、よくよく考えますと、小町は文化祭の演劇で主役をやらないといけなかった

 のです。

 そのため何としてもセリフを完璧に覚えないといけないのです。

 小町的に美佳さんと一緒のベッドで朝までガールズトークというのも、

 すごく魅力的なお誘いなのですが。

 残念、う~ん残念だな~、いや~残念。

 ということですので。」

 

”ぐいぐい”

 

「え、あ、あの小町ちゃん、そんなに押さないで。」

 

”ガチャ”

 

「美佳さんには、今日はこの部屋で寝て頂きます。」

 

「あ、い、いや、だってここはまずいって。

 まだ心の準備が。」

 

「大丈夫ですよ。

 兄はチキ、いえああ見えても紳士ですから。

 そこは美佳さんのペースに合わせると思いますので。

 あ、それと小町はほらイヤホンしますので、もう何も聞こえませんよなにも、ぐふふ。

 ほぇ~、これ小町的にポイントちょ~高い!

 ではでは、ごゆっくり。

 お・ね・え・ちゃ・ん。

 きゃ~」

 

”ドタドタドタ”

 

「あ、まって小町ちゃん。」

 

はは、参ったな。

ど、どうしよう。

あ、そ、そうだリビングで。

・・・・・いやいやご両親帰ってきたらなんて言えばいいんだ。

し、仕方ないよね。

う、うん、仕方ないもん。

 

”キョロキョロ”

 

へへへ、それにしても二度目の比企谷君のお部屋だよ。

変わってないなぁ~

すごくきれいに片付いてる。

お料理といい、さすが専業主夫希望。

ん?

あっ、しまった着替え。

小町ちゃんに何か借りようと思ってたんだ。

やば、急がないと比企谷君戻ってきちゃう。

 

”ガチャ”

 

小町ちゃんジャージとかしてくれないかなぁ。

ちゃんと洗って返すから。

 

”トントン”

 

「・・・・・」

 

あれ?

返事がない。

いないのかなぁ?

 

”トントン”

 

「・・・・・」

 

えっとほんとにいないの?

 

「・・・殲滅だ、一機残らず殲滅だ!」

 

あ、声聞こえる。

やっぱ部屋にいるんだ。

イヤホンしてるから気付かないのかなぁ。

あの~小町ちゃん、ド、ドア開けるね。

あのさ、

 

”ガチャ”

 

ん?

 

”ガチャガチャ”

 

あ、鍵掛かってる。

お~い、小町ちゃん。

 

”トントントン”

 

「・・・・・」

 

ううう、どうしよう。

 

”スタスタスタ”

 

     ・

 

このまま制服のままで寝ようかなぁ。

や、やっぱやだ。

だってシワシワの制服なんてやだもん。

仕方ない、比企谷君戻ってきたら何か貸してもらおう。

 

     ・

 

う~ん、まだ戻ってこない。

結構長風呂なんだ。

早く戻ってこないかなぁ~

 

     ・

 

”こく、こく”

 

はっ、やば、熟睡してしまうとこだった。

あ、駄目だ駄目だ、このまま寝ちゃったらいろいろとまずい。

なんか起きてる方法ないか、う~ん。

 

「あっ、そうだ!」

 

ふふふ、そうだ、そうなのだ。

わたしは知っている。

あの本棚にはお宝が眠っているのだ。

 

”スタスタスタ”

 

うんしょと。

えっとね、確かこの作者名ごとにきちんと整理されている本棚の中で

唯一バラバラに収納されているとこ。

そう、ここだ!

 

ふふ、もう秘密はバレているんだよ比企谷君。

この本の中身はカバーと違ってだね、ほらあった。

お、新作だ。

この前のロリロリと違う。

えっ、なにこれ、このタイトル。

 ”お持ち帰りシリーズ! 図書館で見つけた黒髪美少女とあんなことこんなこと”って。

女優さん、黒くて長い髪にスレンダー美人。

まんまじゃん。

比企谷君、これ見てるんだいつも。

それってやっぱり・・・・・

 

     ・

     ・

     ・

 

”ペラ”

 

うぉー、こ、これは。

ふむふむ。

ぐはぁ、なんだこれは!

こ、こんなことまでされるのか。

だけどこんな恰好絶対に無理だよ。

え、これ痛くないの。

うひゃ!

 

     ・

 

”ガチャ”

 

「ふぅ~、いい風呂だった。

 くそ、あいつちゃんとチェックしていきやがった。

 しっかし明日は雪ノ下とチークかよ。

 これ絶対ひんしゅく買いまくりじゃねえか。

 はぁ~、明日に備えて心の防御壁、補修しておかないとな。

 今日ボロボロになったからな。

 さてもう寝よ・・・・・え?」

 

「スー、スー」

 

「お、おい、何でお前俺の部屋で寝てんだって。

 小町の部屋に行け、お、おい。」

 

”ゆさゆさ”

 

「ぐぁあー、むにゃむにゃ。」

 

”ゴロン”

 

「い、いやむにゃむにゃじゃない。

 えっ・・・・・お、おい! お前なんでこの本を。

 はっ、まて、まてよ。

 いや、やめてくれ、それだけは!」

 

”ゴトゴト”

 

「あ、あった~、良かったこれは見つかってなかった。

 ふぅ、この本だけは見つかるとやばかったんだ。

 

 ”お持ち帰りシリーズ! 街で見かけた眼鏡の地味っ娘とぐふふふ。”

 

 タイトルみて、思わず買ってしまったじゃねえか。

 よく見りゃ女優さんの顔って全然似てねえのに。

 でも、これが見つかってたら、さすがにすげ~やばかった。」

 

「スー、スー」

 

「はぁ、まったくよく寝てんな。」

 

「むにゃ、むにゃ」

 

「・・・はぁ、普通、男子の部屋で爆睡なんてしないだろう。

 何でこいつこんなに俺のこと信頼してんだ。

 なんかされると思わないのかよ。」

 

「ぐうぁ~」

 

「いやお前、ぐうぁ~はやめろ。

 まったく、おまえ女子なんだからな。

 は、待て、そんな場合ではない。

 お、おい三ヶ木、いい加減起きろ!」

 

”ゆさゆさ”

 

「ふぁ、ふぁ~い、とうちゃん。」

 

「いや、とうちゃんじゃないから。

 いい加減に目を 」

 

”すくっ”

 

「お、起きたのか。

 いいか小町の部屋にだな。」

 

”バサ”

 

「は、お、お前何やってんだ。

 なんで服脱いだんだ。

 ブ、ブラ見えてるって。」

 

”もぞもぞ”

 

「い、いや待て、スカートはまずいって、おい!」

 

”ストッ”

 

「うぉー、こ、これは。」

 

「おやしゅみなしゃい。」

 

”ドサ”

 

「ぐぅぁー、ぐぅぁー」

 

「・・・・・・・ご、ご馳走さまでした。

 まったくいいものを見せて頂いてって違~う。

 た、確かにご馳走様だったが、お、おいお前そんな恰好で俺のベッドに。」

 

「スー、スー」

 

「はぁ~まったく、どうすんだこれ。」

 

     ・

     ・

     ・

 

「う~ん、眠れん。

 む、無理だろ、俺のベッドに下着姿の三ヶ木がいると思うと。」

 

”ガバ”

 

「はぁ~まったくこいつは。

 ほら三ヶ木、布団がめくれてだな、パンツが見え・・・・・」

 

”ゴクッ”

 

「う~ん。」

 

「・・・・・パンツが・・・・・パン・・・」

 

”ドク、ドク、ドク、ドク”

 

「み、三ヶ木。」

 

”そ~”

 

『わたしの中ではね、比企谷君はいつも最高のヒーローだよ。』

 

「はっ!

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「むにゃ、むにゃ」

 

「・・・まったく、こいつは。

 ほら、風邪ひくぞ。

 ちゃんと布団かけて寝ろ。」

 

”バサッ”

 

「俺がヒーローか。

 ま、たまにはヒーロー役もいいかもな。」

 

「・・・・・・いっちゃ・・・・やだ。」

 

「え?」

 

「う~ん、う~ん、やだ。」

 

”なでなで”

 

「どこにも行かない、安心しろ。」

 

「スー、スー」

 

「おやすみ。

 はぁ、で、でも俺今日寝れるのか?」

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

”チュンチュン”

 

ん、ん~、あれここどこ?

えっと~

そ、そっだ、比企谷君の部屋に来てたんだ。

え? なんで、なんでわたし下着なの?

しかも比企谷君のベッドで寝てるって。

ちょっ、ちょっと待った、ま、まさか!

 

”そ~”

 

はぁ~、な、なにもない、なにもなかった・・・んだ。

そっか、なにもなかったのか。

やっぱりわたしなんか。

あ、そんなことより、比企谷君どこ行ったんだ?

あ、床で寝てる。

 

     ・

     ・

     ・

 

よし、えっと準備OK。

ふぅ、比企谷君の部屋、十分目に焼き付けたし、名残惜しいけどそろそろ行かないとね。

一度家に寄ってから行かないといけないし。

あ、でもその前に何か書くものないかな、書くものっと。

ごめん、ちょっとノート貸してね。

えっと、

 

”カキカキ”

 

     ・

 

これでいいかなぁ、もう書き残したことないかなぁ。

 

”ちら”

 

へへ、比企谷君、良く寝てる。

チャンス!

 

”なでなで”

 

比企谷君、ありがと。

いままでもたくさんたくさん、ほんとにありがと。

あのね・・・・・ほんとに大好き。

 

”ちゅっ”

 

今日、頑張ってね。

わたしも頑張る。

んじゃ、行ってきま~す。

 

”ガチャ”

 

あ、そうだ、小町ちゃんまだ寝てるかなぁ~

 

”トントン”

 

「は~い。」

 

”ガチャ”

 

「あ、美佳さん。

 昨日は眠れました?」

 

「うん、熟睡しちゃった。」

 

「へ?」

 

「あ、小町ちゃん、ありがとね。」

 

「いえいえ、また来てくださいね。

 今度はちゃんと両親に挨拶を。」

 

「あ、あははは。

 それじゃ。」

 

     ・

     ・

     ・

 

「お兄ちゃん、学校遅れるよ~

 早く降りてきて。」

 

「お、おう。」

 

”トントントン”

 

「やっと起きてきた。」

 

「なぁ、三ヶ木知らないか?」

 

「美佳さんならもう・・・・・・・あの~お兄ちゃん。」

 

「ん、どうした小町?」

 

「お兄ちゃん、昨日はお盛んだったようで。」

 

「は、はぁ? なに言ってんだ。」

 

「はい、鏡。」

 

「ん? お、おう!」

 

「学校行く前にちゃんと頬のキスマーク消していってね。

 お兄ちゃんけだもの。」

 

「・・・・・・うっせ。」

 

     ・

     ・

     ・

 

「はい、最終チェックはいります。

 会長、聞こえますか?」

 

「OKで~す。」

 

「バカップ、い、いえ本牧君、書記ちゃんそっちは?」

 

「い、いまなんか言わなかった三ヶ木さん、こっちも準備okだよ。」

 

「三ヶ木先輩、後で話がありますから。」

 

「は、はい、りょ、了解です。」

 

げ、し、しまった。

つい、口が滑っちゃった。

書記ちゃん怒ると怖いんだよ、沙希ちゃん並みに。

はぁ~、また正座させられるのかなぁ~

どうしょう。

 

「お~い、三ヶ木~」

 

は、気を取り直さないと。

 

「えっと稲村君。」

 

「こっちも問題なしだ。」

 

「はい、了解です。

 続いて音声さん聞こえますか?」

 

     ・

     ・

     ・

 

「はい、皆さん準備いいですね。

 オープニング10分前です。

 各自なにか問題発生したら、即連絡お願いしますね。」

 

「「了解」」

 

「それではスケジュール通り、よろしくお願いします。」

 

ふぅ、できることはことはやった。

あとは出たとこ勝負だ。

 

「ぶつぶつ。」

 

ん?

あ、舞ちゃん。

なにぶつぶつ言いながら、うろついてんだ。

挙動不審って、さすがにすごく緊張してんだね。

 

「舞ちゃん、準備いい?」

 

「は、はい、い、いえ、そ、その 」

 

ふふふ、ここはだね。

わたしの頑張れって気をすべてこの手に集めて。

あ、それと日頃の恨み辛みも込めて、さがみんのときの1.5倍でせ~の。

 

”バシッ”

 

「い、いった~

 な、なにすんですかジミ子先輩!」

 

「えへへ、ガンバ♬」

 

「え、あ、はい。

 って、もうめっちゃ背中痛かったんですからね。

 痕ついてたら、責任取ってお嫁さんに貰ってもらいますから。」

 

「いや、それ無理、一応これでもわたし女子だから。

 あのさ、舞ちゃんには文実のみんながついてるよ。

 だから頑張って、委員長さん。」

 

「そうですね、はいわかりました!」

 

”バシッ”

 

「い、いったー、ま、舞ちゃん。」

 

「おっかえしで~す。 ふふふ~ん♬」

 

「いたたた、あ、やば。

 開始1分前です。

 会長、お願いします。」

 

「了解、じゃあ、みんな行きますよ~」

 

「「はい!」」

 

「10秒前・・・5、4、3。」

 

2、1、ジャリっ娘、Go!

 

「は~い、みんなやっはろーさんです。」

 

「「やっはろー」」

 

げ、あれ、みんなに一気に感染した。

おそるべしジャリっ娘。

でも、こういうのってやっぱすごく似合ってるね。

めぐねぇもなかなかだったけど、正直それ以上のノリだ。

特に男子・・・お前らノリすぎだろ。

おっと、そんなこと言ってられない。

 

「書記ちゃん、スタンバイ大丈夫?」

 

「大丈夫です。」

 

よしっと。

ジャリっ娘の宣言に合わせて行くよ。

 

「それではいまから総武高文化祭、”自分を認めて明日を見つめて。 ちょっとした希望を胸に

 目指せプルスウルトラ!”始まりです。」

 

「本牧君、ミュージック!」

 

「了解!」

 

「書記ちゃん、Go!」

 

「はい! ダンス同好会さん、チァリーディング部さん、お願いします。」

 

「「イェ~イ」」

 

へへ、始まった、いよいよ始まった。

みんなノリノリだ。

いいなぁ、わたしもあんな風に踊れたら楽しいだろうなぁ~

えっと、ダンスが終わったら委員長委員長っと。

 

「やっぱりこのスローガン、長いです~」

 

えっ、あ、馬鹿ジャリっ娘!

みんなに聞こえてるって。

 

「か、会長マイク、マイク入ってる。」

 

「あ!」

 

「・・・・・・会長、ダンス同好会さんがはけたら、委員長挨拶お願いしますね。」

 

はぁ、まったく。

えっと舞ちゃん、大丈夫かな。

どれどれ様子は?

 

「ふんふふふ~ん♬」

 

あ、なんか鼻歌口ずさんでる。

よし、いけそうだね。

 

”とんとん”

 

「舞ちゃん、そろそろ。」

 

「え、あ、はい。

 ジミジミ子先輩、では行ってきます。」

 

「うん。」

 

お、おい、ジミジミ子ってなんだ、一個増えてるだろ。

もう・・・・・頑張れ、わたし達の委員長。

 

「ご、ごほん、えっとそれでは続いて文化祭実行委員長から開始の挨拶です。」

 

”スタスタスタ”

 

「みなさんこんにちは!」

 

「「こんにちは。」」

 

「舞ちゃんかわいい。」

 

「え、あ、ありがとうございます。

 えっと・・・・もう、なにを言うか忘れちゃったじゃないですか。

 と、とにかく、みんなが楽しめる文化祭を目指して文実全員で取り組んできました。

 文実以外の人も、部活やクラスの出し物で頑張ってくれたと思います。

 だ・か・ら、今日と明日、みなさん文化祭を一緒に楽しみましょう。」

 

「「おお!」 」

 

「これは楽しむしかないっしょ!」

 

「戸部、うっさい。」

 

     ・

 

”スタスタスタ”

 

「は、お、終わった。

 ジミ子先輩、終わったです。」

 

いや、舞ちゃん今始まったばかりだから。

でもこの文化祭通して成長したね。

なんか、お姉さん嬉しい。

 

「な、なんすか、何で泣いてるんですかジミ子先輩。」

 

「年を取ると涙腺弱くてね~

 いや~ご苦労様、舞ちゃん。」

 

「はい、頑張りましたわたし。

 

 そんなわたしにご褒美お願いします。」

 

「え、あ、飲み物? いま、何か持ってくるね。」

 

「違いますよ、ジミ子先輩。

 

 ご褒美は 」

 

     ・

 

あとは各クラスの出し物と文化部、同好会の発表か。

確か小町ちゃんのクラスは明日だっけ。

じゃあ、そろそろいいかなぁ。

 

「会長、えっと三ヶ木です。

 人気投票の準備もあるので、今から生徒会室にこもります。」

 

「はい、生徒会室の当番、よろしくです。」

 

     ・

     ・

     ・

 

”テクテクテク”

 

生徒会室戻ったら、人気投票の準備しなくちゃね。

貼りだし用のプレート作成があと少し残ってるのと、昨日作ったスクリーン用の写真、

あれ確認しておかなくちゃ。

あとはお昼になったら4位までの結果貼りだしっと。

うぇ~忙し、忙し。

 

ん? あ、ゆきのんだ。

パソコン持ってどこに?

重たそう。

ゆきのん、力とか持久力は全くだからね。

よし手伝ってあげよ。

 

「お~い、ゆき・・・・・」

 

「雪ノ下、ほれ貸してみろ。」

 

あ、比企谷君。

やばっ!

って、なんで隠れてんだわたし。

比企谷君待ってたんだ、ゆきのんが来るの。

やっぱりそうなんだよね。

 

”ジ―”

 

「お、おい? なにその目。」

 

「なにが狙いなのかしら。」

 

「いや、なにも狙ってないから。

 ほら。」

 

「え、あ、あの、ありがとう。」

 

「おう。

 ん? お前まだ指に絆創膏してるのか?」

 

「え? あ、ええ。」

 

「しかし珍しいよな、お前が料理で怪我するなんて。」

 

「・・・わたしも初めて。

 こんなのは。」

 

「まぁなんだ、猫も木からずり落ちるだな。」

 

「それは猿も木からじゃなくて。」

 

「まあな。」

 

「全くあなたは。

 ・・・・・・ひ、比企谷君、今日はよろしく・・・お願いします。」

 

「ん?」

 

「いえ、ほら人気投票の件だけど。」

 

「あ、ああ。 三ヶ木から聞いた。

 やっぱりマジか。」

 

「ありがたく思いなさい。」

 

「まぁ、お前がこんなこと頼めそうな男子というと葉山ぐらいだろうけど、

 そうするとお前も葉山も大変だろうからな、いろいろと。

 まぁ、任せろ。」

 

「ちが・・・・・そんな理由じゃない。」

 

「はぁ?」

 

「いえ、なんでもないわ。

 さ、急ぎましょう。」

 

「ああ。」

 

「重たくないかしら?」

 

「おう、大丈夫だ。」

 

”スタスタスタ”

 

はぁ、やっぱりいい雰囲気だなぁ。

比企谷君もゆきのんも頬赤くして。

ゆきのん、まだ絆創膏してるんだ。

ほんといじらしい。

それに比べてわたしは不純の塊だ。

 

あの時、わたし見惚れちゃったんだ。

棘を抜いてる時の二人の姿、抜いた後の見つめあう二人の姿に。

そしてなにより、指の絆創膏をじっと見つめてるゆきのんの姿に。

 

比企谷君には、比企谷君の隣には、わたしなんかよりゆきのんのほうが似合ってる。

そう思っちゃたんだ。

それにね、わたしなんてきっと彼にとって・・・・友達なんだろうな、やっぱり。

だって昨日、わたし比企谷君になにも・・・

 

さ、もう行こ。

わたしはわたしのやることがあるんだ。

そう、わたしにしかできないことが。

 

「はぁ~。」

 

「君は平気なのか?」

 

「え? あ、葉山君。」

 

「ずっとあの二人を見つめていたようだけど。

 君も比企谷のことが。」

 

「え、あ、ち、違う違う。

 ほ、ほら、いい雰囲気だなぁって思ってただけ。」

 

「そうなのか?」

 

「そ、そうだよ。

 比企谷君にとってわたしはただの友達。

 きっとそれ以上でもそれ以下でもないんだ。

 わたし・・・なんか。」

 

「そうだったのか。

 すまない、余計なこと聞いてしまったみたいだ。」

 

「あ、全然大丈夫、気にしないで。

 あ、えっと、わたしまだいろいろすることあるからもう行くね。」

 

「ああ。」

 

”トボトボトボ”

 

「あ、葉山君、今日は後からよろしくお願いっす。」

 

「こちらこそよろしく。」

 

     ・

     ・

     ・

 

”ピタ”

 

よし、ネームプレート準備できたっす。

・・・なんか最近つい刈宿君の口調になっちゃうんだ。

どうしたんだろ。

ま、いっか。

 

あとは時間になったら集計の結果を貼りだしてっと。

あ、集計表、集計表どこだっけ。

あったあった。

 

えっとだけどすごいね舞ちゃん、去年24位だったのに、今年は6位だよ6位。

大躍進じゃん。

さっきのオープニングの時も思ったけど、ジャリっ娘もうかうかしてられないかも。

 

それと、結衣ちゃん安定の4位だ。

でも3位ぐらいはいくと思ったんだけどなぁ。

3年生には男女問わず人気だもん。

 

あと男子のほうは、お、そうだそうだ刈宿君、なんと一年生で7位なんてすごいや。

だって、一年女子の支持、圧倒的だもんな。

・・・・・勿体無かったかなぁ~、家はお金持ちだしスポーツマン。

それに優しいし。

な~んちゃって。

 

ふふふん、えへへへ、3票。

今年は3票もわたしに入ってた。

やっぱあの三人が入れてくれたのかなぁ。

 

ブー、ブー、ブー

 

あ、そろそろ時間だ。

よしまずは4位までの結果を貼りだしてこよっと。

 

     ・

     ・

     ・

 

”スタスタスタ”

 

「あっ、美佳先輩! うっす。」

 

「あ、刈宿君、うっす。

 あ、戸塚君も。」

 

「こんにちは三ヶ木さん。」

 

”クンクン、クンクン”

 

「うわ~いい匂い、そうだったテニス部の屋台ってたこ焼きだったね。

 美味しそう。」

 

はぁ~ソースと鰹節のいい匂い。

お腹すいた~

 

”ぎゅるるる”

 

な、何でわたしのお腹は、もういや。

は、はずかし~

 

「あ、あは、あははは。

 たこ焼き一つください、はぁ~。

 ん、こ、このテニスボール焼きってなに?」

 

「あ、これっす。」

 

「げ、で、でか。

 10cmぐらいなくない?」

 

「このタコ焼き機で作ったっすよ。

 1回に2個しか作れないすけど。」

 

「うえ~1個でお腹膨れそう。

 ・・・・・・あ、そうだ。

 ね、戸塚君、これ出前ってできる?」

 

「え、あ、校内なら大丈夫だよ。」

 

「じゃあさ。 」

 

     ・

 

「ヒ・マ・ダ。」

 

「そ、そだねヒッキー。

 誰も相談来ないね。」

 

「そんなことないわ、午前中に一人来たじゃない。」

 

「おい、あれカウントするのか。

 あれは単に新作読んでくれって来ただけじゃねえか。

 相談じゃない。」

 

「いえ、ちゃんと作家はあきらめなさいという答えを出したわ。」

 

「いや、そうだが。」

 

「うえ~ゆきのん負けず嫌い。」

 

「こんにちは。」

 

「お、と、戸塚~

 さ、なにしてる、そんな入り口にいないで中に入ってくれ。」

 

「あ、う、うん。」

 

「何だ何の相談なんだ。

 遠慮するな、俺と一緒に答えを探そう。

 いや、なんなら二人で答えを探す旅に出よう。

 そうだ、それがいい。」

 

”ポカ”

 

「ヒッキー、いい加減にしろし。」

 

「まったくあなたは。」

 

「は、八幡、大丈夫?」

 

「ごめんね彩ちゃん。

 で、どしたん、何か相談?」

 

「あ、いや、これ三ヶ木さんから頼まれたんだ。

 なんでも奉仕部に差し入れだって。」

 

「え? あ、たこ焼き。

 ありがとう彩ちゃん。」

 

「戸塚君、ありがとう。」

 

「戸塚、俺のは、俺のはないのか?

 戸塚の手作りのたこ焼き。」

 

「八幡には三ヶ木さんから頼まれて特別に作ったよ。

 はい、テニスボール焼き。」

 

「でかっ、彩ちゃんそれ作ったの?」

 

「そ、それはたこ焼きなのかしら?」

 

「うん、僕達の屋台の目玉商品なんだ。」

 

「な、これ、戸塚、戸塚が俺のために特別に作ってくれたのか?」

 

「え、あ、うん。」

 

「おお、ではさっそく。」

 

「あ、八幡。」

 

「なんだ?」

 

「あ、い、いや、なんでも。」

 

「そ、そうか?

 それじゃあ、いただきます。」

 

”パク”

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ぐわぁ~ か、からい、み、水ー!」

 

”ゴクゴクゴク”

 

「どうしたのヒッキー?」

 

「まぁ、これ、このタコ焼きの中って。」

 

「うん、わさび。」

 

「「え?」」

 

「あの、三ヶ木さんの依頼で。」

 

「はぁ、はぁ、はぁ、

 み、三ヶ木の奴、昨日の泊めた恩を仇で返したのか。」

 

「「はぁっ?」」

 

「はい、八幡マッ缶だよ。」

 

「お、おう、サンキュ戸塚。」

 

「あ、いやそれも三ヶ木さんから。

 あとこれは普通のたこ焼き。」 

 

「そ、そうか。」

 

「ねぇヒッキー。」

 

「比企谷君。」

 

「は、な、なんだ?」

 

「ヒッキーさっき何か変なこと言ってなかった?」

 

「はっ! い、いやなんのことかなぁ~」

 

「スケベ谷君、白状しなさい。」

 

「い、いや、な、何のことだ。」

 

「由比ヶ浜さん。」

 

「うん、ゆきのん。」

 

”ガシ”

 

「お、おい、由比ヶ浜何をするんだ、離せ。」

 

「比企谷君、昨日の夜はなにをしてたのかしら?」

 

「や、やめろ雪ノ下、ち、違うんだ、や、やめてくれ~」

 

「比企谷君、口を開けなさい。

 開けないのなら。」

 

「う、や、やめろ。

 雪ノ下、目はやめろ。」

 

”パク”

 

「ぐわー、か、からー」

 

プシュ~

 

「は、はちま~ん。」

 

     ・

     ・

     ・

 

よし、貼りだし完了。

えっと、もう一回チェック。

うん間違いないね。

 

「お、人気投票、貼りだしてあるぞ。」

 

「あ、ほんとだ。」

 

「どうなった、な、誰が一位だ。」

 

「いや3位以上はステージでだろ。」

 

”ガヤガヤ、ワイワイ”

 

さてとまだやることあるんだ。

急がないと時間がない。

 

”スタスタスタ”

 

へへ、いま頃比企谷君、あのたこ焼き、違ったテニスボール焼き食べたかなぁ。

昨日のお返しだよ、べ~だ。

まったくなんにもしないなんて、少しだけ傷ついてんだからね。

でも、ぷぅ、くくくく。

比企谷君の涙目顔、想像しちゃった。

 

     ・

     ・

     ・

 

”バン”

 

「はぁ! なに言ってるの!

 うち、絶対嫌だからね。」

 

「お願い、さがみん。

 こんなことお願いできるのさがみんしかいない。」

 

「三ヶ木、あんたうちが平気でそんなことできる人間だと思ってたんだ。」

 

「違う、平気でなんて思ってない。

 ごめんね、ごめん。

 でも、こんなこと頼めるのって、わたしの最低なとこ知ってるさがみんしかいなくて。」

 

「だからって。」

 

「比企谷君、ゆきのんに指名されたんだよ人気投票で。

 ただでさえ、ゆきのんの相手というだけで僻まれるに決まってる。

 それなに加えて比企谷君、去年の文化祭とか修学旅行の時のこととか、いろいろあるから

 絶対またみんなから妬まれてさ、比企谷憎しってなるに決まってる。

 それを防ぐにはこれしかないんだよ。

 

 葉山君から指名されたわたしが、すごく高慢ちき、嫌な女演じてみんなからのヒンシュクを

 買うんだ。

 みんなが比企谷君のことなんて忘れるぐらいの嫌な女演じて。

 どうよ、わたしはあの葉山君に選ばれたの、あなた達と違うのよって感じで。

 こんな地味なわたしだからきっと効果は抜群。

 ぜったいみんな比企谷君のことなんか忘れてくれるから。

 お願い、さがみん。

 さがみんが口火きってわたしを非難して。

 誰かが口火を切ってくれれば、こんなの一気に燃え上がるから。

 わたし、さがみんにならなに言われても平気だから。」

 

「あんたさ、そんなことしたら比企谷絶対怒るよ。

 あいつは自分では平気でするくせに。

 もしかしたらこのことが原因であんたと比企谷。

 それでもいいの?」

 

「それでもいい。

 わたしは比企谷君が傷つくのをみるのが一番嫌なんだ。

 それに、わたしは、わたしなんか・・・・・」

 

「み、三ヶ木。

 あんた馬鹿だよ。

 なんであいつのこと、そんなに想えるの。」

 

「だって、仕方ないじゃん。」

 

「はぁ~、ほんと馬鹿。」

 

「さがみん、じゃあ。」

 

「絶対に嫌!」

 

「さ、さがみん。」

 

「あんたが比企谷が傷つくのを見るのが嫌なように、

 うちもあんたが傷つくとこなんて見たくない。

 しかもその口火をうちにやれだって、ふざけるな!」

 

「さ、さがみん。」

 

「今度、そんなこといったら引っ叩くからね。

 話はそれだけ?

 もう行くから。」

 

「いい、じゃ、何とか他の人にお願いして 」

 

”バシッ”

 

「い、いた!」

 

「やってみなよ、絶対うちが阻止してやるから。

 そんな奴いたら、うちがぶん殴ってやる。

 それでみんながあんたのことなんか忘れるぐらいの騒ぎ起こして、それで人気投票自体

 ぶっ壊してやるから。

 あんまりうちをなめないでよね。

 ・・・・・うち本気だから。」

 

「・・・・・」

 

「ね、三ヶ木、文化祭終わったらカラオケ行くよ。

 ・・・・・二人でさ。」

 

”スタスタスタ”

 

ありがと、さがみん。

で、でももうこの方法しかないんだよ。

時間ないんだよ。

じゃあ、どうしろっていうんだ、さがみん。

どうすれば彼を守れるってんだ。

 

     ・

     ・

     ・

 

”トボトボトボ”

 

もうこれしかない。

でもうまくいくかなぁ。

はぁ~。

 

”ワイワイ、ガヤガヤ”

 

あ、体育館、ダンス同好会のダンスでノリノリ。

みんな楽しそうに踊ってる。

やっぱミラーボール一つあるだけでも雰囲気全然違うね。

へへ、ミニダンスパーティ大成功だ。

あ、陽乃さんのバンドもスタンバってくれてる。

 

「・・・・・」

 

「ご苦労様、比企谷君。」

 

げ、やっぱご機嫌悪そ。

え、えっと比企谷君はスタンバイokっと。

みんなは準備できてるかなぁ。

えっとインカムインカムっと

 

「遅くなってごめんなさい。」

 

「三ヶ木、どこ行ってたんだ。

 大丈夫か?」

 

「ごめんね。

 稲村君、照明の準備できてる?」

 

「おう、準備OKだ。

 合図あり次第、照明落とすから。」

 

「うん。

 会長、司会の方は大丈夫ですか?」

 

「だ、大丈夫、ちょ、ちょっと戸部先輩!」

 

「いろはす、これで話してるの?

 ちょ~格好いいじゃん

 よ、三ヶ木ちゃんだっけ、こっちは準備OKだわ~

 いつでもいいっしょ。」

 

「あ、は、はいはい。

 今日はよろしくお願いします。」

 

はは、戸部君はしゃぎすぎ。

ジャリっ娘、ちゃんと調整してね。

 

「本牧君、プロジェクター大丈夫?」

 

「OKだよ、三ヶ木さん。」

 

「書記ちゃん、葉山君とゆきのん、雪ノ下さんのスタンバイは?」

 

「大丈夫ですよ、三ヶ木先輩。」

 

「OK、会長オールクリアーです。」

 

「OK、任せてよ~、俺頑張るから」

 

「戸部先輩、いい加減に返してください。

 

 もう、みんなそれじゃ行きます、よろしくです。

 

 稲村先輩!」

 

「了解、会長。」

 

照明消えた。

よしそれじゃスポットライトを戸部君に。

 

「いえ~い

 みんなもうノリノリじゃん。」

 

戸部君、スポットいくまで待って~

スポット早く早く。

 

「それじゃこのノリに乗っかかって人気投票の発表いっちゃうからよ。

 あ、司会は俺、戸部翔 よろしく頼んます。

 それと人気投票4位ありがとさんだわー

 めっちゃうれしんよ。

 それじゃさっそく発表すっからスクリーン注目してっちょ。」

 

本牧君、打ち合わせした通りお願いね。

でもちゃんと映るかなぁ。

あ、映りそう。

 

「まずは男子の部いくっしょ。

 えっと第4位までは張り出してあっからもうわかってると思うけど、

 まだの人は後から見てくれっかな。

 俺4位だから、4位。」

 

はいはい。わかったから。

でも戸部君も人気あんだね。

男子も女子も均等に支持あったもん。

結構好かれてるんだ。

さすがトップカーストだわ~。

え、あれ?

 

「んじゃま、第3位

 ・・・・・・う、うそ。

 第3位、広川比呂紀。

 っておい、これ先生だべ、いいの?

 な、いろはす~いいのかこれ?」

 

「うっさいです、いいんです。

 続けてください。」

 

”ざわざわ”

 

やっぱまずかったかなぁ。

みんななんかどうしたらいいのって顔してる。

 

「なぁ三ヶ木、あれいいのか?」

 

「あはは、やっぱまずかったかな比企谷君。」

 

まぁ、確かに生徒だけって書いてなかったから。

だれも先生なんて書く人いないと思ったんだよ~

 

でも広川先生、人気あるんだ。

まぁ、親身になって相談乗ってくれるからね

話しやすいし、それにいつもケーキとか出してくれるし。

結構女子に人気なんだよ、放課後の喫茶”調理室”。

 

「あのケーキ美味しいからなぁ~」

 

「え、ケーキ?」

 

「あ、何でもない。」

 

うん、あのケーキおいしいから。

問題なし。

 

「そんじゃ続けて第2位の発表だわ~

 えっと、第2位は部ができていらい公式戦未勝利のあのよわちい弱小テニス部を

 見事地区大会準優勝に導いた、そう外見からは想像のできないリーダーシップの持ち主、

 3年F組 戸塚彩加!」

 

「きゃ~、戸塚く 」

 

「「せ~の、彩加ー」」

 

げ、な、なに、なぜに男子の声援が。

女子の声援がかき消された

うひゃ~、やっぱ戸塚君、男子に人気なんだわ。

投票結果もめっちゃ男子票多かったし。

 

「そんじゃ、いよいよ第1位の発表だわ。」

 

「葉山く~ん」

 

「「隼人、隼人、隼人」」

 

「ちょ、ま、まった、まだ発表してないっしょ。

 ま、まぁ、わかりきってるけどよ。

 今年のミスター総武高は、3年F組 葉山 隼人く~ん。」

 

「稲村君、照明。」

 

「了解三ヶ木。

 スポット、体育館後方の葉山をお願います。」

 

「はい。」

 

「おお、スポットライトに注目、まじ隼人君王子様の登場だわ。」

 

「「キャー、キャー」」

 

はは、やっぱ絵になるね葉山君。

やっぱ格好いい。

中央のレッドカーペットを歩く姿もマジ王子様だよ。

 

うわ~フラッシュすごい。

ロープ張っておいてよかった。

文実のみんな、押されない様踏ん張って。

 

「はいはい隼人君、大変なことになってるから早くステージに上がってくれっかなぁ。

 じゃ次は女子の部、発表すっペ。

 えっと第三位、3年F組 三浦優美子。」

 

三浦さん、下級生の票すごかったんだ。

結構面倒見いいから慕われてるんだよね。

比企谷君も”あいつはおかんだ”って言ってたし。

えっと、どこかにいるかな。

あ、いたいた。

なんか髪の毛クルクルしてなんか機嫌悪そうなんだけど。

 

「次々いくからよ、次は第2位。

 2年C組、一色いろは。

 いろはすマジすごくね。

 1位との差が10票もないじゃん。

 いろはす、2位おめでとさん。」

 

”ぼご”

 

「いたた、な、なんで?」

 

「まったく、あの飴玉探しさえなければ。

 絶対あのバカ殿が利いてるんだから。」

 

「いや、いろはすってなんか女子票が少なくない?」

 

”ぼご”

 

「戸部先輩うっさいです。」

 

「いたたた。

 い、いよいよ1位の発表、

 まぁ、もうわかってるっしょ。

 そうミス総武高は、三年連続1位、3年J組、雪ノ下雪乃。

 男子、女子満遍なく票をあつめての堂々の1位だべ。

 さあ、みんな、体育館後方を注視してくれっかな。

 

 今年のミス総武高で3年連続1位、雪ノ下ゆ・・・・・はぁ~すごく、き、綺麗しょ。

 まさに本物、本物のお姫様の登場だわ~」

 

「「おおっ!」」

 

「うわ~綺麗。」

 

「あ、写メ写メ、写メ撮らないと。」

 

へh、綺麗だな~ゆきのん。

わたしでもうっとりしちゃうよ。

はぁ~、あんなの反則だよ。

 

ん? あっ、そ、そうだ。

 

「ひ、比企谷君、そろそろステージの袖にいかないと。」

 

「あ、ああ。」

 

やっぱり比企谷君も見惚れてたんだ。

仕方ないよ、あれだけ綺麗なんだもん。

よ、よかったね比企谷君。

あ、そうそう。

 

「比企谷君、ちょっとこっち向いて。」

 

「ん?」

 

「はい、これ。」

 

”すく”

 

「え、眼鏡? 」

 

「うん、あのね、わたしの眼鏡あんまり度入ってないから大丈夫だよね。」

 

「あ、ああ。

 でもなんで眼鏡なんだ。」

 

「あのね、結衣ちゃんが前に言ってたんだ。

 比企谷君は眼鏡するとすごくカッコよかったって。」

 

「そうか。

 お前もそう思うのか?」

 

「うううん、わたしは普通の比企谷君のほうが好き。」

 

「そっか。

 じゃあ、これは要らない。」

 

「え?」

 

「まぁ、なんだ、お前はこっちのほうがいいんだろ。

 じゃ、眼鏡はいらない。」

 

「比企谷君。」

 

「じゃ、行ってくるわ。」

 

「う、うん。

 行ってらっしゃい。」

 

”スタスタスタ”

 

比企谷君、しっかりゆきのんリードしてね。

絶対、ゆきのん以外見たら駄目だよ。

できるなら耳も塞いでて。

 

「比企谷君、ステージの袖にスタンバイOKです。」

 

「了解です。」

 

バイバイ比企谷君。

さて、わたしも準備しなくちゃ

 

     ・

     ・

     ・

 

「さぁ、インタビューの後は、お待ちかねのチークダンスのお相手を指名してもらう

 しかないっしょ。

 まずはミス総武高、はぁ~近くで見るともっと綺麗だわ。」

 

「戸部先輩。」

 

「あ、ごほん。

 雪ノ下さん、ご指名聞かせてくれっかなぁ。」

 

「誰だよ。」

 

「うらやましい、あんな綺麗な女子と踊れるんだぜ。」

 

「ああ、それもチークな。」

 

「でも、きっと葉山君じゃない?」

 

「それありなの。」

 

「めっちゃお似合いじゃん。」

 

”ざわざわ”

 

「わたしは、わたしは・・・・

 3年F組の比企谷君、お願いします。」

 

「比企谷君?」

 

「誰だ、それ?」

 

「いや知らね。」

 

「あ、ほら去年の文化祭の時の。」

 

「あ~あいつ、うそ、だってあいつ修学旅行でも、なぁ。」

 

「雪ノ下さん脅されてるんじゃねぇか?」

 

”ざわざわ”

 

「え、えっと、ひ、比企谷君、出てきてくれっかな。」

 

”スタスタスタ”

 

「やっぱりあいつだ。」

 

「うへ、なんであいつなんだ。」

 

「おい、やめろ。」

 

「代われ、代われ。」

 

はは、やっぱこうなったか。

予想通り。

さ、次はわたしの出番。

頑張らなくちゃ。

 

「はは、やっぱりなんかすげえわお前。」

 

「あなたも人気者なのね。」

 

「うっせ。

 俺完全にヒールじゃねえか。」

 

「いや、やっぱヒキタニいや、比企谷君だわ~

 でもどうすんのこの雰囲気。」

 

「戸部先輩、次いかないと。」

 

「あ、そ、そうだわ

 はいみんな、葉山君に注目だっぺ!

 隼人君、チークダンスの相手教えてくれっかなぁ。

 ねぇ、誰? やっぱ優美子?」

 

「3年C組、三ヶ木美佳さん、お相手お願いします。」

 

「はっ! 葉山、お前。」

 

「何か問題あるのかい比企谷。」

 

「・・・・・」

 

「は、葉山君、あなた。」

 

”ワイワイ、ガヤガヤ”

 

「誰だ三ヶ木って?」

 

「お前知ってるか?」

 

「いや、知らん。」

 

「えっと確か生徒会にいなかったっけ?

 ほら眼鏡の。」

 

「え? あれは藤沢さんだろ。」

 

「えっと三ヶ木さん、ステージによろしくお願いっす。」

 

よし、行くよ。

三ヶ木美佳、レインディア改行きま~す。

 

「は~い。」

 

「「は、はぁ?」」

 

「あ、鹿ムスメ、じゃないのか?」

 

「え、あ、そうそう、鹿ムスメ。」

 

むっ、違うって。

これはトナカイ。

チッチッチッ、ちゃんと改造してきたからね、トナカイってわからせてやる。

 

「あ、なんか指振ってる。」

 

「なんか出してきたぞ。」

 

ふふふ、見て驚け。

こんな日のために準備してきたのだ。

 

「じゃじゃ~ん。」

 

見よ、赤いスポンジボールで作ったこの鼻を装着。

どうだ、どこからみてもトナカイだろ~

 

”シーン”

 

あれ、あれ、なんか雰囲気微妙。

 

「・・・・・」

 

「ね、葉山君なんであんなの選んだの?」

 

”ガヤガヤ”

 

「み、三ヶ木・・・・も、もうほんと馬鹿。

 ごめん、みんなちょっとうちに協力して。」

 

「え、どうしたの相模。」

 

「ね、あれ最近あんたと仲のいい子じゃない?」

 

「あのね、ちょっと協力して。」

 

     ・

 

やばいやばい、なんかやばい雰囲気。

ひえ、変な汗が。

ど、どうしょう。

だ、だってこれしか思いつかなかったんだもん。

 

「あははは、なに、あのかっこ、うちチョ~受けるんだけど。」

 

「そうだよ、あははは。」

 

「バッカみたい。」

 

「ね、あれ、赤いのって鼻?

 でもシカって鼻赤くないじゃん、げらげら。」

 

え、あ、さがみん。

あ、ありがと。

よ、よし!

 

「あ、なんか背中指さしてるよ。」

 

「じゃじゃ~ん」

 

「あ、背中になんか書いてある、ト・ナ・ヤ・イ。

 トナヤイだって。

 あれ、書き間違えたんだよ、あははは、うちチョ~うけんだけど。

 お、お腹痛~い。」

 

「「わっはははは」」

 

へ、うそ、間違えたの。

うんしょうんしょ、げ、見えない。

 

”ポロ、コロコロコロ”

 

あ、鼻が。

 

”ひょい”

 

「はい、三ヶ木さん。」

 

「あ、葉山君、ありがと。」

 

”ピタ”

 

「あの~、そこおでこ。」

 

「「あははははは。」」

 

”あ、ごめんごめん”

 

”ピタ”

 

「いや、そこほっぺ。」

 

「わっはははは。」

 

よ、よかった。

なんとか会場盛り上がった。

さがみん、ありがと。

それと葉山君も。

 

「まったく三ヶ木ちゃんは三ヶ木ちゃんだね。

 それじゃ、お姉さん達も始めよっか。

 みんな準備いい。

 それじゃ演奏いくよ。」

 

     ・

 

”ポン、ポロロンポン、ポンポロロン♬”

 

あっ、陽乃さん。

よかった演奏始まった。

 

「三ヶ木さん、いいかい?」

 

「あ、はい。 

 お願いします、葉山君。」

 

”にぎ”

 

はぁ、すごく自然に手と腰を。

なんかいい感じ。

やっぱ踊り慣れてるんだ葉山君。

あ、それとこれ昨日チークの練習していた時に陽乃さんが口ずさんでた曲。

 

「ポン、ポロロロン♬」

 

「ん、三ヶ木さん、口ずさん出るけどこの曲知ってるのかい?」

 

「あ、ちょ、ちょとだけ。」

 

「そう。

 それとダンス結構上手だね。」

 

「え、ほんと。

 ありがと。」

 

へへ、葉山君に褒められちゃった。

昨日、陽乃さんと練習してよかった。

 

”ぎゅっ”

 

「い、痛い。」

 

「あ、すまん雪ノ下。」

 

「大丈夫よ、気にしないで。」

 

なんか後ろのほうで比企谷君の声聞こえたけど、大丈夫かなぁ。

もう、昨日あれだけ練習したんだから頑張って。

 

”チラッ”

 

え、葉山君いま”チラッ”て。

 

”ぐぃ”

 

「あ、は、葉山君?」

 

「ん、どうかしたのかい?」

 

「あ、い、いやなんでも。」

 

いや、なんかさっきよりもくっついて。

気、気のせいかなぁ。

 

”ぎゅっ”

 

「い、痛い。」

 

「あ、す、すまん。」

 

「大丈夫、大丈夫だから。」

 

     ・

     ・

     ・

 

「はい、みなさん、この後はこのまま演奏をお楽しみください。

 陽さん、いえ雪ノ下さん、OB,OGの皆さん、演奏よろしくで~す。」

 

”スタスタスタ”

 

お、終わった。

えっとわたし達はステージの左側でよかったよね。

やっぱこの着ぐるみ、めっちゃ暑い。

それになんかゆらゆら揺れて変な気持ち。

 

「三ヶ木さん、はいポカリ。」

 

「あ、葉山君、ありがと。

 ご苦労様でした。」

 

     ・

 

「雪ノ下、すまなかった。

 足大丈夫か?」

 

「ええ、覚悟はしてたわ、足踏みが谷君。」

 

「いや、もうそれやめない?」

 

「そんなことより早く行きなさい。」

 

「はぁ? 行きなさいってどこへだ。」

 

「向こう側の控室よ。

 気になるのでしょう。」

 

「あ、いや、だが 」

 

「あら、わたしは今から着替えをしたいのだけど。

 それとも着替え見ていたいのかしら、ゲスヶ谷君。」

 

「わ、わかった。」

 

     ・

 

「葉山君、今日はありがと。

 おかげで助かった。」

 

「えっと、何のことかなぁ。」

 

「へへ、わかってる

 葉山君がわたしを選んでくれた理由。」

 

「君を選んだ理由?」

 

「葉山君は誰も選べないもん。

 だって選ばれた娘は大変だもんね。

 他の女子からの嫉妬とか嫌がらせとかされそうで。

 三浦さんならそんなの大丈夫かもしれないけど、でもそうするとグループの雰囲気が

 微妙に変わっちゃうかもしれないしさ。

 だからだね、わたしを選んだのって。

 わたしこんなんだからさ、誰も葉山君に本気で選ばれたなんて思わないし。

 生徒会だからとか何か理由をつければ納得すると思うし。

 それにもし何かあったとしても、人気投票を企画した側のそれもその張本人。

 だからわたしもね、わたしが引き受けるべきだと思った。

 それがわたしを選んでくれた理由。」

 

「はは、すごいね君は。

 なんでもわかってしまうんだね。」

 

「あとさ、ほらゆきのんとの会話聞こえてたじゃん。

 だから比企谷君を守るために、葉山君はそれも考えてわたしにチャンスを

 与えてくれたんだ。」

 

「・・・・・」

 

「ありがと。

 おかげで何とかなったと思う。

 えへへ、結局道化師になっちゃったけど。

 あ、葉山君もナイスアシスト、ありがとっす。

 ほんとはね、めっちゃいやな女演じてみんなに嫌われてやろうと思ってたの。」

 

「三ヶ木さん、それは違う。

 俺はそんな理由で君を選んだわけじゃない。

 それでは去年の比企谷と同じになるじゃないか。

 それにそんなことしたら君はきっと 」

 

「あ、う、うん。

 そんな嫌な女はもう彼の横には立てないね。

 うううん、いたらいけない。」

 

「それでも良かったのかい。

 君は比企谷のことが好きなんじゃないのか。」

 

「あ、うん、やっぱわかっちゃってた?

 でもさ、わたしなんかよりもっとお似合いな人がいるんだもん。

 くやしいよ、くやしいけどさ、わたしが認めちゃったんだ。

 だからもしそうなっても、それで比企谷君を守れるのならそれでもいいかなって。」

 

「三ヶ木さん、君って人は。」

 

”スタスタスタ”

 

「でも三ヶ木なんであんなことしたんだ。

 あれってもともと企画してたのか?」

 

”スタスタスタ”

 

「ん、あ、いた。

 お、おい、み、みか 」

 

”だき”

 

「え、は、葉山君?」

 

「・・・・・」

 

「あ、あの、あれ? は、葉山君?」

 

「すまない。

 しばらくこのままでいてくれないか。」

 

「え?」

 

どうしたの葉山君。

えっとなんで急に抱きしめて。

あれ?

 

「葉山、お前。」

 

”くる”

 

「・・・・・」

 

”タッタッタッ”

 

「君はまたそうやって。」

 

え、なに?

何か葉山君呟いた。

誰か後ろの人に向かって言ったような?

誰かいたのかなぁ。

 

「あ、あのさ、葉山君。」

 

「すまない、三ヶ木さん。」

 

”ガバッ”

 

ふう、やっと離してくれた。

え、どこ見てるの。

えっと後ろに誰かいるのかなぁ

 

”クル”

 

ん、誰もいないよね?

 

「あのさ、何でこんなんことしたの。」

 

「・・・・・」

 

「葉山君?」

 

「三ヶ木さん、前にも言ったけど俺は君が思っているようないい奴じゃない。

 ただそれだけだよ。」

 

「は、葉山君。」

 

”スタスタスタ”

 

えっと、なんだったんだ?

なんで急に葉山君わたしを抱きしめたんだ?

チークのせい?

まさかほんとにわたしのことが好きだったりして。

ないない、絶対ないって。

・・・でも、まさかね。

 

     ・

 

”スタスタスタ”

 

「またそうやって逃げるのか君は。」

 

「葉山。」

 

「比企谷、少しいいか話がある。」




最後までお付き合いありがとうございます。
お疲れ様でした。

いろいろあった文化祭編もいよい次話最後です。
文化祭最終日、さて二人の関係はどうなるのか
またとうちゃんとの関係は修復できるのか。

また次話も見に来ていただけたらありがたいです。
それではです。

※またグダグダな展開ごめんなさいです。

※※すみません、誤字修正しました。
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