似て非なるもの 作:裏方さん
前回ようやく選挙戦に立候補できたいろはす。
今話からいよいよ選挙戦開始です。
でもその前に・・・ちょっとだけ。
ではよろしくお願いします。
「う~ん、やっと塾終わった~」
”ぽよ~ん”
お、おお!
”ゴクッ”
こいつわかっててやってるんじゃないだろうな。
いや、こいつは無意識にやっているから一層たちが悪い。
そんな体のラインがわかるようなニット着て、俺の目の前で背伸びするん
じゃない。
いやでも胸に目が行くじゃねえか。
だ、だめだ、どうしても目が、目がその一点から離れない。
恐るべきガハマさんの万乳引力。
「あ、そうだ。
ね、ヒッキー♡」
「あ、は、はい、ありがとうございました」
「え、ありがとうって?」
「あ、い、いやなんでもない。
で、な、な、なんだ」
「ん?
あ、あのね、ヒッキー今日午後からは塾無いよね。
よかったらご飯、お昼ご飯一緒にどうかなぁ~って。
それで、その後にららぽで買い物とかさ」
「あ、いや、すまん。
今日は今から行くところがあるんだ」
「そっか。
・・・・・うんわかった。
じゃまた今度ね。
あ、早応大の件、忘れないでね」
「おう、わかってる。
それじゃまたな」
”スタスタスタ”
今日は絶対に譲れない予定があるのだ。
今日は待ちに待ったあのラノベの最新刊発売日。
長い、長かった。
もう出ないのではないかと諦めていたんだ。
まさかこんな至福の日が訪れるとは。
こうしてはいられない、さっさと手に入れて暗唱できるぐらいに
熟読しなければ。
本屋だ、本屋へ急がないと。
・
・
・
「ジミ子先輩、今日は朝からありがとうございました。
大まか選挙期間中にやることはわかりました。
でも先輩、選挙に出たことないのに、なんでこんなことまで
知ってるんですか?」
「うん、一昨年にめぐ・・・し、城廻先輩が会長に立候補した時、
少しでも力になりたくていろいろ勉強したから。
まぁ、結局信任投票になったからあんまり力になれなかったんだけど。
あ、あとこれね」
「え、あ、これって」
「へへ、昨日ちょっと作ってみた。
よかったら使ってみて。
でもごめん。
やっぱり、その、表立っての応援はちょっと・・・」
「わかってますよ。
わたしも一色が立候補するなんて思ってませんでしたから。
もし知ってたらわたしだって」
「え、舞ちゃん?」
「あ、い、いえ何でもないです。
それじゃそろそろ稲村先輩が塾終わる時間なので、出待ちしてきますね。
今日こそは、絶対お昼ご馳走してもらうんだから」
「あはは、頑張ってね舞ちゃん」
「はい!」
”スタタタタ”
「さてと、わたしも」
・
・
・
”プシュ~”
「いらっしゃいませ」
く、くそ、これで3軒目だ。
どこに行っても売り切れって、どれだけみんなが心待ちしてたんだ最新刊。
こ、今度こそ、この本屋にはあるよな。
”キョロキョロ””
えっと、ラノベのコーナーはどこだ?
あ、あったあの奥か。
”スタスタスタ”
あれ?
無い! 無い無い無い無い・・・無い!
12巻までしか無い。
なぜだ、なぜ無いんだ。
ま、まさかまたしても売り切れなのか!
くそ、あの後の展開が非常に気になって仕方ないのに。
読めないとわかると、余計に続きが気になって勉強手につかないだろうが。
・・・はぁ~、仕方ない今日は諦めて帰るか。
あ、そうだ。
三ヶ木、アメリカ旅行に行きたがってるって言ってたな。
推薦人の件でも助けてもらったし。
何か旅行の参考になるような本を買ってお礼にするか。
べ、別にそれぐらいしてもおかしくないよな。
それぐらいならあいつも受け取ってくれるよな。
それで話ぐらい・・・
”スタスタスタ”
・・・・・でもアメリカってアメリカのどこに行く気だ
広い広すぎんだろ。
西海岸か? グランドキャニオンか? ラスベガスじゃないよな。
ハワイ、ハワイか!
くそ、材木座の野郎、もう少し詳しく教えろ。
何かいい本ないか?
ん、これならいいんじゃないか。
いろんな旅行先を幅広くカバーしてる。
その分それなりに値段が高そうなんだが。
まぁいいか、どれいくらだ。
「あっ、あった!」
「え?」
「あっ!」
「三ヶ木」
「比企谷君」
”クル”
「お、おい三ヶ木?」
”ダー”
「み、三ヶ木、まっ 」
「お客さん、本、本!
お勘定!」
「え? あ、は、はい」
・
・
・
”スタスタスタ”
はぁ~やっぱり三ヶ木電話出てくれない。
刈宿はああ言ったけど、やっぱり俺嫌われてるんじゃないのか。
あの推薦人の件だって一色のためにじゃないのか。
・・・・・最新刊も手に入らなかったし、今日はおとなしく部屋で勉強
してるか。
”ガチャ”
「ただいま~、帰ったぞ小町」
「お帰りなさい先輩」
「え! あ、す、すまん間違えた」
”バタン!”
あれ、俺なんで一色の家に?
え、えっと~。
”キョロキョロ”
いやここ俺の家だよな、うん俺の家だ。
それに今お帰りなさいって。
”ガ、チャ”
「先輩?」
め、目の錯覚じゃない。
間違いない、やっぱり一色だ。
一色が三つ指ついて座っている。
しかもちょっと顔傾けて。
・・・・・いや、君それめっちゃ可愛いんだけど。
で、でもなんで一色が俺の家に?
「何やってるんですか先輩?」
「お前こそ何やってんだ。
何でお前が俺の家の玄関で、しかも三つ指ついて出迎えてるんだ」
「い、いえ、ちょっと練・・・やってみたかっただけです。
そんなことより、ほらさっさと上がってください。
いつまで玄関にいるつもりですか?」
「お、おう。
だがお前なにしてるのマジで」
「なにって、ほら来週から本格的に選挙始まるじゃないですか~
そこで作戦会議です、作戦会議!」
「・・・・・」
「ほら先輩何やってるんですか、遠慮しないで上がってください。
あ、お昼ご飯もうすぐできますから。
ちゃんと手を洗ってきて下さい、先輩♡」
「いや遠慮も何もここは俺の家だが。
え、なにお前が昼飯作ってるの?」
「そうですよ、小町ちゃんに言われて。
ほら早く手を洗ってきて下さい」
「お、おう」
・
”るんるんるんるん♬”
はぁ~、女子の料理してる姿ってやっぱりいいよな。
こいつ割りとエプロン姿が似合うじゃねえか。
いい奥さんなるんだろうな。
「はっ! な、なに見てるんですか先輩」
「い、いや、ちょっとな」
「もしかして裸エプロン期待していたとか。
でもいきなりそれはちょっと・・・」
「しねえ~よ。
まぁ、お前エプロン姿似合うなってな」
「は、は、はぁー!
な、なに言ってるんですか。
ほ、ほら手元が狂っちゃうじゃないですか。
馬鹿!」
「す、すまん」
「もう、そこで見ていられると気が散るので、出来るまであっちに行ってて
下さい。
しっ、しっ!」
「お、おう」
・
・
・
「え、これマジお前作ったの?」
「はい」
い、意外だ。
味噌汁に焼き魚、卵焼き、じゃこと大根のおろしたの。
もっとパスタとかサンドウィッチとかだと思ってたが、
和風、純和風じゃねえか
「あの、冷蔵庫にあった材料だからちょっと朝食風になっちゃいましたけど、
よかったらどうぞ召し上がってください」
「お、おう。
あ、でも小町の分は?」
「あ、小町ちゃんなら、ちょっと前になにか急用ができたって外出しましたよ」
「はぁ! じゃ、い、今お前と二人きりなのか?
いやそんなことより、俺が帰るまでお前ひとりでこの家にいたのか?」
「はい」
「いや、はいってお前」
「なにか問題でも?」
問題だらけじゃねえか。
他人の家に一人でいるって、君平気なの?
いや、それより一人で置いていった小町も小町だ、不用心だろ。
まぁ、一色だからかもしれんが。
でもいったいどこに行ったんだ。
「先輩?」
あ、いや、そのことより今この家に俺と一色二人きりっていうほうが
問題じゃねえか。
今日の一色、いつもとちょっと違うっていうかなんていうか・・・
「冷めちゃいますよ?」
「お、おう。
それよりお前、男の家のなかで二人きりってよく平気だな。
やっぱりリア充ってそういうの平気なのか?」
「・・・平気じゃ、平気じゃありません。
今だって心臓バクバクしているんですよ」
”にぎ”
「は、い、いやお前、な、なにを。
なんで俺の手を」
「先輩、触ってみて下さい。
すごくバクバクしているんですから」
え、うそ、触るって胸!
胸触っていいの。
いや、そ、それはまずくない?
ただでさえ二人きりなんだから、そんなことしたら・・・
まずいけど、で、でも折角だから。
”ピタ”
へ?
”ドクドクドク”
「ね、脈すごく早いでしょ、先輩」
「は、はい、手の脈、すごく早いです。」
ま、まぁそんなわけないよな。
確かに脈は早いよな。
・・・え、えっと一色さんそろそろ手を。
ん? なにしてるの君?
「先輩、先輩の脈もすごく早いですよ」
いやそうやってずっと手を握られているから。
そろそろ話してくれない?
脈が早くなるだけでなく、変な汗もかきそうなんだが。
”ジー”
え、な、なに一色さん?
やめてー、そんな上目遣いで俺を見つめないで。
勘違いするだろうが。
「せ・ん・ぱ・い♡」
お、おい、なぜ目瞑る。
ね、眠たいのかなぁ~
お願い! 目開けて、ね、い、一色さん。
この雰囲気はちょっとまずいんだが。
「・・・先輩。
女子に恥かかせないでください。
これでも精一杯頑張っているんですから」
「い、一色」
恥かかすなって、キス、キスってことだよな。
う、一色の唇、プルッとしてて艶やかで。
な、なに言ってんだ俺。
「先輩♡」
”ゴク”
・・・・・え、えっと~
い、一色。
”そ~”
『比企谷君♡』
『・・・・比企谷君、好き』
『今までも大好きでした。
そんで、これからもずっと・・・』
あれ、おかしい。
な、なんでこんなに胸が痛いんだ俺。
・・・・・確かに、確かに俺はあいつに嫌われたのかもしれない。
だけど、それでも、それでも俺は三ヶ木のことが。
「い、一色、すまない俺は 」
「ちっ!」
「へ?」
「パコパコパコー!
はい、そこまで」
「え? こ、小町?
お前なにしてるの?
確か外出したはずじゃ、あれ?」
「いろはさん、やっぱりわたしの勝ちですね。
兄は理性の化け物の上に、チョ~ヘタレですから」
「あ、あの~、一色さん、小町。
君たちいったい何を?」
「先輩が悪いんですよ!
この前、先輩がわたしのこと妹扱いしたから!
だから小町ちゃんと賭けをしたんです。
でも信じられないです。
普通、ああなったら絶対キスしようとするはずなのに。
本当にヘタレ!」
「俺をなめるな。
いやまて、ヘタレってお前、もし本当に俺がキスしようとしたら
どうするつもりだったんだ?」
「その時は小町ちゃんが止めてくれる手筈だったんです」
「小町はちゃんとわかってましたから。
お兄ちゃんは絶対キスしないこと」
「む~、先輩、そんなに魅力ないですかわたしって」
「い、いや、そ、そんなことは」
「もういいです、どうせ先輩なんか先輩なんですから。
ほら、チャッチャッとご飯食べて下さい。
食べたら選挙の作戦会議やりますからね!」
「いや、言われなくても俺は確かに先輩なんだけど。
ま、まぁ頂くわ」
”もぐもぐ”
「ん? う、美味い」
「いいですよ、そんな社交辞令は」
「いや、マジだ、マジ美味い」
「そ、そ、そうですか。
し、仕方ないです。
仕方ないからまた作ってあげますね、えへ♡」
・
・
・
”ガチャガチャ”
「ふぅ~、洗い物よしっと。
先輩、お待たせしました。
作戦会議お願いします」
「おう。
あ、ちょっと待ってろ一色。
コーヒーぐらい淹れるわ」
「え、いいんですか?」
「ああ、昼飯ご馳走になったからな。
これぐらいやらせろ。
えっと豆はっと」
”カチャ”
「あ、はい。
それではお願いします」
「おう」
”テクテクテク”
「・・・・・えっと、待ってろっていいましたけど~
どこでとは言ってませんよね。
それではです」
”テッテッテッ”
・
”ガチャ”
「どれどれ。
へ~、結構綺麗にしているんですね」
”スタスタスタ”
「でも、先輩も男の子ですから」
”キョロキョロ”
「えっとー、机の上にはなにも無し。
それでは本命のベッドの下!」
”サッ”
「む~、なにもない。
では、クローゼットの中は・・・なし。
引き出しの中!・・・・なし。
ふぅ~、なにも無い。
先輩、女の子に興味ないのかなぁ。
さっきもキスしなかったし。
はっ、そういえば先輩は戸塚さんのことが大好きって結衣先輩が言ってた。
も、もしかしてそっち系?
だったらどうしょうかなぁ」
”キョロキョロ”
「ふ~ん、でも本当に本いっぱいあるんだ。
それもなんか教科書に出てくるようなのばっかり。
先輩らしいとえばそうなんだけど、なんか詰まんない。
・・・っと言うことで、お決まりのベッドにダイブ!」
”ドサッ”
「ふぅ~。
でも、ロリなのは間違いないから、全然女の子に興味が無いってことはないか。
ん?
なにこの紙袋?
なに入ってんだろ?」
”ガサガサ”
「えっと、ん、白い布?
これってどこかでみたような・・・・・・はぁ!!」
・
「待たせたな、い・・・・・しき?」
あれ、あいつどこに?
トイレか?
・・・はっ、も、もしかして!
”ドタドタドタ”
げ、俺の部屋のドア開いてるじゃねえか!
ま、マジか!
ここにいるのか一色。
やばい、ベッドには返そうと思ってたあいつの。
「い、一色お前なにや・・・
げー!」
「先輩、これなんですか」
”ヒラヒラ”
「あ、い、いやお前 」
「正座!
そこに正座してください」
「え?
い、いやあの~ 」
「さっさと正座する!!」
「はい!」
”チョコン”
「これ、女物のパンツですよね。
どうしたんですかこれ?」
「あ、い、いや 」
「どうしたんですか!」
「そ、それはだな、その・・・・・」
「下着泥棒なんて最低です」
「いやち、違う、下着泥棒なんてしていない」
「それじゃこれどうしたんですか?
はっ、もしかして自分で買って・・・頭から被っているんですか!
変態!」
「ば、馬鹿をいえ。
俺にそんな趣味はないぞ」
「じゃあ、これなんなんですか!
もう信じられない、最低です!」
「いや、何でお前がそんなに怒って 」
「せんぱ~い、う、うううう」
「い、いやお前が泣かなくても。
そ、それはだな・・・・・み 」
”ドタドタドタ”
「あー! やっぱりお兄ちゃんのところに交じってたんだ。
いろはさん、それ、わたしの・・・パンツ」
「え? 小町ちゃんの?」
「いや~、うちの母はそそっかしいんですよ。
この前も小町の下着の中にお兄ちゃんのパンツが混じってて。
まぁ、共働きで時間がないってこともあるんですけど」
「そ、そうだったんだ」
「いろはさん、それいいですか?
そんなに広げられてるとちょっと恥ずかしいです」
「あ、ご、ごめんなさい。
はい、小町ちゃん」
「お騒がせしました」
「あ、いえこっちこそ
・・・あ、あの~、先輩ごめんなさい。」
「お、おう。
わ、わかればいいんだ一色。
あ、そ、そうだ、ほら選挙の作戦会議するんだろ。
リビングに行くぞ、ほら」
”ぐぃぐぃ”
「も、もう、そんなに押さないでください、わかりました、わかりましたから。
先輩の部屋の探索はまた次回にします」
「断る!
次回なんてない。
これ以上、この部屋の中を探しまわされてはたまらん」
「ちっ!」
・
・
・
「・・・で、選挙公約はなんだ?」
「何にしましょう?」
「はぁ? お、お前公約考えてないのか」
「えっと、ほら推薦人の件でそれどころじゃなかったじゃないですか~
何がいいと思います?」
「いや、それお前が考えろ。
俺は今後の運動スケジュール考えるから」
「先輩のけち」
「・・・・・」
まったく、公約も考えてなかったのか。
まぁ実際のところ、一色の言う通り立候補できるか危なかったからな。
さてそれより、今後の活動どうするかだが。
”パラパラ”
ふむ、一色が選挙管理委員会からもらってきた資料を見ると、
再来週の水曜日、投票直前の最終演説、これが勝負のポイントだな。
それまでにやっておくことっていうと。
知名度の点では心配はない。
まぁ、これは蒔田にも言えることだが、伊達に1年間生徒会会長やってないからな。
それに人気投票は総武高女子2位だから。
課題はやっぱり女子票だな。
一色は男子票についていえば、蒔田より勝っている。
それは人気投票の集計結果にも表れていた。
そうなると課題はやっぱり女子票だ。
去年は葉山を応援演説に立てることによって対策することができたが、
今年はどうするかだなぁ。
「なぁ一色、応援演説はもう頼んだのか?
できるなら、女子の受けがいいやつが 」
「先輩お願いしますね」
そうそう、先輩さんとか。
・・・・・お、おい、マジ、マジか!
無理だろう俺では応援にならんぞ、いやむしろ逆効果だ。
「一色、俺では 」
「わたしは先輩に応援演説してもらいたいんです。
先輩でなければダメなんです」
「い、一色」
「よろしくお願いしますね、先輩」
「・・・わかった」
はは、これだけ頼られていたら断るわけにはいかないか。
そうか、まぁなんだかんだ言っても、こいつはかわいい後輩だからな。
任しておけとは言えないが、頑張ってそれなりの応援演説考えるか。
「内容とかは別にどうでもいいですよ。
あ、出来るだけしょぼいのでいいです」
「え?」
「ほら、先輩のしょぼい演説の後だと、わたしが一層引き立つじゃないですか~
よ! さすが引き立て谷先輩」
「・・・・・」
やっぱりそうか、それが狙いだったか!
少し感動した自分が腹立たしいわ!
それに引き立て谷って誰だ!
くそ、えっと、あと他に何かうつ手はなかったか。
一色が蒔田より有利な点・・・・・・・・実績、か。
「なぁ、一色、生徒会活動の記録の写真とか持ってないか?
選挙に使いたいんだが、何かあればありがたい」
「えっと、それなら書記ちゃんがずっと活動の記録を撮ってますよ」
「撮ってる?
写真あるのか、それ手に入るか?」
「あ、じゃあ、書記ちゃんにもらっておきますね」
「ああ、頼む」
生徒会会長としての実績、これを前面に立てて戦うしかない。
蒔田も文実委員長としての実績があるが、さすがに生徒会会長の実績の
前では霞んじまう。
後はそれを使うタイミングだ。
・
・
・
「それでは先輩、月曜日からよろしくお願いします。
小町ちゃん、今日はお邪魔しました」
「ああ。
まぁ気をつけて帰れよ」
「いろはさん、また来てくださいね」
「ありがとうございます。
それではです」
”スタスタスタ”
ふぅ~やっと帰ったか。
くそ、人の部屋までズカズカと踏み込みやがって。
・・・まぁ、でもなんだろうな。
一色に頼られると、不思議と何とかしてやりたくなるんだよな。
由比ヶ浜に知られたら、また”いろはちゃんに甘すぎ”って
言われそうだな。
さてっと、すごく疲れたからリビングでマッ缶飲みながら
プリキラーの録画観るか。
「お兄ちゃん、ちょっと話があります。
何の件かわかってるよね」
”ギロ”
「え? あ、」
忘れてた!
小町に没収されていたんだ。
げ、小町すごく怒ってる。
はぁ~まさしく一女去ってまた一女。
いや、それを言うなら一男去ってまた一男。
ち、違う、男じゃなくて難だ。
と、とにかく今の小町って滅茶苦茶コエ-。
これやばすぎだろ。
「ほらさっさと家に入る!」
「い、一色、やっぱり駅まで送るわ」
”ダー”
「お兄ちゃん!」
--------
”ギ~コ~、ギ~コ~”
「ふぅ、学校着いた。
この自転車、ちょっと油差さないといけないなぁ。
今度お父さんにやってもらおう。
それはそうと、みんな来てるかなぁ。
勝手に立候補してって結構怒ってたし。
真希なんて、”なんで相談ひとつしないの!”って、めっちゃ怒ってたもんな。
はぁ~誰も来てなかったらどうしょう。
やっぱり、今からでもジミ子先輩に来てもらおうかなぁ。
離れたところで見ていてくれててもいい。
居てくれるってだけで心強いし」
”ギ~コ~”
「遅い!」
「え?」
「まったく、立候補した張本人のあんたが一番遅くてどうすんの」
「ま、真希、ちと、笑子!
みんな来てくれたんだ」
「舞、ほらさっさと自転車片付けて」
「あ、う、うん」
「今日からのお昼休みのお菓子は、ぜ~んぶ舞ちゃんもちでよろしくね」
「げ、りょ、了解」
「舞、ほらさっさと準備する。
他の生徒来ちゃうって」
「あんた、はやく自転車置いてきな」
「おいっす」
・
「みんなお待たせ」
「じゃ始めよっか、ちと、笑子準備いい?」
「あ、真希、ちょっと待って」
”ゴソゴソ”
「ん? なにしてるの舞ちゃん」
「えへへ、たすき装着完了!」
「お、おお~
舞、それ自分で作ってきたの?」
「うううん、三ヶ木先輩が作ってくれたの」
「三ヶ木?
あ、ああ、あんたが仲良くしている先輩だっけ?」
「うん。
それと、ほら!」
”きゅっ”
「おお、ハチマキまで。
舞、似合ってるよ」
「よし勇気百倍! みんなよろしく!」
「「おう」」
・
「先輩、遅い遅い遅いです~
もう蒔田達は校門のところにいたじゃないですか」
「す、すまん。
ちょっと寝坊した」
「はぁ~、ほら急いで下さい」
”タッタッタッ”
「あ、ほら蒔田達始めてるじゃないですか~」
「生徒会会長候補の蒔田舞です。
よろしお願いします」
「「お願いしま~す」」
げ、向こうは女子軍団か。
なんか華やかなんだよな。
こっちはまぁ一色は問題ないとして、横にいるのが
引き立て谷君。
大丈夫か。
「お、おい、やっぱり俺いないほうがいいんじゃないのか?
向こうは女子ばっかりで、こっちもお前だけのほうが」
「い、今さらなんですか。
先輩でいいですから、枯れ木も何とかです」
「・・・
まぁいいか、それじゃ始めるか」
「あ、ちょっと待ってください」
”ばさっ”
「ん、どうしたんだ、そのたすき」
「へへ、美佳先輩が作ってくれたんですよ。
似合います?」
「お、おう。
まぁ、いいんじゃないか、それらしくて。
それじゃ、始めるか」
「はい!
生徒会会長候補の一色いろはです。
よろしくお願いしま~す」
「・・・っす」
「先輩、ちゃんと声出してください!
なんですか”っす”って
も~」
・
・
・
「蒔田舞です、よろしくお願いします」
「「お願いしま~す」」
「舞ちゃんがんばってね」
「応援してるよ」
ふむ。
やっぱり分が悪いな
向こうは蒔田はじめ、結構かわいい女子の4人組だもんな。
そういえば蒔田もトップカーストだったんだよな。
それに比べこっちは俺だからな。
一色の引き立て役にもなってないんじゃないか?
・・・・・ほ、ほんとうに向こうの女子かわいい。
特にあの茶髪の娘、ちょっとキツメで。
「へへへ」
「な、なんですか先輩。
なにニヤケてるんですか!」
「い、いや、ニヤケてなんていないぞ」
「ヒッキーやっはろー!」
「お、おう」
「あ、結衣先輩やっはろーさんです」
「うん、いろはちゃんやっはろー
生徒会選挙頑張ってるね。
あたしも一緒に応援していい?」
「あ、ぜひぜひお願いします。
先輩、向こうの女子見てニヤケてばかりで、全然戦力にならないんですよ~」
「い、いや、ニヤケてたのはちょっとだけだから」
「ニヤケてたんだ。
まぁいろはちゃん、頑張ろう」
「はい、よろしくです」
「生徒会会長には、いろはちゃんをお願いしま~す」
・
「一色さん、選挙さん頑張ってね」
「はい、ありがとうございます♡」
さ、さすがだ由比ヶ浜。
由比ヶ浜が来てから一気に盛り返しやがった。
まぁ、一色と由比ヶ浜が並んでいれば、蒔田派にも全然引けを取らない。
いや、男子に限って言えばこっちのほうが勝ってるんじゃないか。
「頑張ってね一色さん、俺応援してるよ」
「はい、よろしくです♡」
「いろはちゃんをよろしくね」
「えへへへ、はい。
おわ!」
「よろしくっす」
き、君、今俺の方見て驚いていなかった?
・・・・・ま、まぁ、すこし離れていようかなぁ~俺。
しっかし、一色はやっぱり男子に結構人気あるんだよな。
それなのに何でクラスで推薦人集められなかったんだ?
クラスでは何かあったのか?
「頑張ってね一色さ、うゎ!」
俺もっと離れてていいよね。
何ならお家に帰ろうかなぁ。
”ワイワイ、ガヤガヤ”
「ねぇあれって
ちょっとまずいよね」
「そうね。
ね、後でちょっといい?」
「ええ」
・
・
・
「さて、今日も昼休みは我の魂の安息場で惰眠をむさぼるとしょう。
む、あれは三ヶ木女子。
ふむふむ、今日もまたあの本を読んでいるのだな。
八幡は何も聞いていないとは言っていたが、やっぱりアメリカ旅行を
考えておるのではないか。
・・・ここは我が聞くしかあるまい」
”スタスタスタ”
「今日こそはちゃんと言わないとね。
わたしは・・・行くって決めたんだから。
ちゃんと準備してきたんだから。
勇気出して踏み出さないと。
いつまでもこのままじゃいけない。
よ、よし!」
「のう、三ヶ木女子」
”ガタ!”
「え、あの・・・三ヶ木女子?」
”スタスタスタ”
「三ヶ木女子どこへ」
”スタ、スタ”
「チャンス!
今、図書委員はあの娘一人だ。
あの頭に大きなシニヨンしている女の子しかいない」
”タッタッタッ”
「あ、あの」
「はい、なにか?」
「ごめんなさい!
この本汚しちゃいました。
つ、つい爆睡しちゃって、そ、その‥・・・ヨダレが本に」
「げっ!」
「そ、それでちゃんと新しいの買ってきました。
これで弁償させてください。
ごめんなさい!」
「あ、はい。
じゃここに学年と名前書いておいて下さい。
後で先生に伝えておきますから」
「あ、あの、とにかくごめんなさい」
・
”トボトボトボ”
「で、では、三ヶ木女子はあの汚した本を誰にも見つからないようにするため、
ずっと昼休みに読んでいたのか?」
「う、うん。
だって恥ずかしいじゃん・・・よだれって。
ううう、自分のことながら情けない。
なるべく早く本を買って返そうって思ってたんだけど、なかなか見つからなくて。
ようやく土曜日に見つけたんだよ。
ふぅ~これでやっと安心できる」
「そうか、そうだったのか
我はてっきりだな、三ヶ木女子がアメリカへ旅行にでも行きたがってるのかと
思っておった」
「・・・・・」
「ん? み、三ヶ木女子?」
「・・・義輝君、わたしアメリカ行ってみようかなぁ」
「ふむ、まぁ自分の視野を広げるっという意味で我はいいことだと思う。
で、春休みにでも行くつもりなのか?」
「・・・あ、うん。
でもそうしたら、しばらく会えないよね。
さびしい?」
「まぁ日帰りで行けるものではないであろうからの。
一緒に行ければいいが、ちょ、ちょっと金銭的にの。
まぁ、その時はお土産をよろしく頼む」
「あ・・・・・・・・・・う、うん」
・
・
・
「よし舞ちゃん、ポスター出来たよ」
「へ~、やっぱり笑子って絵描くの美味いね」
「どれどれ、あ、本当だ、この似顔絵なんか舞にそっくり」
「ふ~、ひと仕事したらはお腹すいた~
舞ちゃん、お菓子」
「はいはい、笑子画伯の好きなポッキー。
その調子であと3枚お願いね」
「ぐぅえ~、人使い荒い~
ブラック、ブラックだ!」
”ガラガラ”
「ただいま!
ん、何見てんの?
ああ、選挙用のポスターか」
「あ、真希お帰り。
どうだった?」
「ああ、ちゃんと放送部と話してきたよ。
選挙運動最終日の放送枠予約完了!」
「ご苦労様。
ありがとう」
「へ~それにしてもこのポスター、あんたにそっくりじゃん。
ん? あ~笑子、あんたポスターに自分の名前書いてる。
ほら、作 荏子田笑子って。
「え~!」
「だって、折角の力作なんだもん。
もったいない」
「い、いや、名前消しなさい。
まぎらわしいから、ポスターにはわたしの名前だけでいいの」
「やーだ!」
「消せ~」
”ドタバタ、ドタバタ”
「ね、それぐらいならいいじゃない?
あまり目立ってないし。
それよりさ、あんた選挙公報の原稿できたの?
確か今日までじゃなかったっけ」
「い、今書いてたとこ」
”ガラガラ”
「ん?」
「あ、あの、蒔田さん。
わ、わたし達も何か手伝うことない?
ほら、推薦した手前、なにもしないってことは」
「え、ああ大丈夫ですよ。
ほらみんなと同じクラスの一色さんも立候補しちゃったから。
こっちのほう手伝ってもらうとなにかと、ね!」
「あ、う、うん。
そ、そうだね、それじゃ頑張ってね」
「ありがとうございます」
”スタスタスタ”
「ねぇ、舞。
折角だからあの人達にもなにか手伝ってもらったら?」
「うううん。
やっぱりやめておいたほうがいいと思う。
ほらクラス違うから」
「そう。
それじゃ、わたし早速このポスター張ってくるね」
「うん、ちと、お願いね」
「おう、任された。
あ、真希も手伝って」
「あいよ」
”ガラガラ”
「ふぅ~。
本当は人数は多いほうがいいんだけど、ジミ子先輩があの人達は
絶対外しなさいって。
ジミ子先輩が言うんだもん、なんかあるんだろうなぁ~」
”チョイチョイ”
「ん?」
「舞ちゃん、お腹すいた。
ポッキーおかわり!」
「げ、笑子、もう一箱食べたの?」
・
・
・
「せんぱ~い、ポスター出来ました?」
「ま、まだだ。
もう名前だけでいいよな」
「え~、わたしの可愛らしさをアピールできるようなのにしてください」
「・・・・・」
いや、そんなに凝ってる時間はない。
あと3枚も書かないといけないんだが、もうあとはコピーでいいよね。
あと他にすること忘れていなかったか?
あ、そうだ。
「おい、放送部との打ち合わせはしたのか?
できるだけ校内放送日は投票日に近いほうがいいぞ」
「先輩よろしくです」
「・・・」
”ガラガラ”
「一色さん、選挙公報の原稿頂きに来ました」
「え?
あ、せ、先輩できてます?」
「いや、俺ポスターしか頼まれてねえだろう」
「え、マジ!
すみません、ちょっと待ってもらっていいですか?
あの、明日までとか」
「なるべく早くお願いしますね」
「はい」
・
・
・
”スタスタスタ”
「会長も舞ちゃんも、頑張ってるかなぁ~
今回はどっちも手伝えないからちょっと心配だ。
あ、でも応援演説!
どうしょうかなぁ」
「美佳さん、今帰りっすか」
「あ、刈宿君。
うん、刈宿君も部活終わったの?」
「うっす。
駅まで一緒に帰りましょう」
「あ、うん」
「荷物、自転車のカゴに入れてください」
「うん、ありがと」
”スタスタスタ”
・
「それじゃぁな一色。
俺、塾あるから」
「え~、駅まで送ってくださいよ~
もう今日は疲れてクタクタなんですから。
よいしょっと」
”ドサッ”
「お、おい、かってに荷物をカゴに入れるな。
それに二人乗りは 」
「いいですから。
ほら先輩しゅぱ~つ!」
「・・・ちゃんと掴まってろよ」
「はい、よろしくです」
”ぎゅっ”
あ、いや、君抱き着きすぎだから。
はぁ~、背中に感じる一色のぬくもり。
外が寒いから余計に暖かく感じる。
”もぞもぞ”
「ん、お、お前何やってんだ」
「先輩、割りと腹筋あるんですね。
すごく硬いです」
「お、降りろ!
いいからすぐ降りろ!」
「え~、な、なんでですか~
そんなに・・・・ん、あれ美佳先輩と刈宿君」
「えっ」
”スタスタスタ”
「へ~、そうなんだ」
「うっす。
最近、俺は肥満度ヒーロー、ファットさんに凝ってんでんがな。」
「あははは、でんがなって」
「へへ」
「あ、でもアメリカに行ったらアカ俺観れないんだ」
「ネットで観れるっす、大丈夫っす。
心配ないっす」
「そっか。
よかった、それならアメリカに行っても平気だね」
”スタスタスタ”
「へ~、なんか結構いい雰囲気ですね、あの二人。
えっ! せ、先輩?」
「・・・」
「先輩?」
「一色、自転車貸してやる。
駅にでも止めておいてくれ。
鍵は明日学校でもらうから」
”スタスタスタ”
「せ、先輩?」
・
・
・
「ただいま」
「あ、お兄ちゃんおかえり。
パソコン借りてるね」
「げ、お、お前勝手に。
でも、なんでパスワード知ってんだ」
「・・・お兄ちゃん、小町の誕生日をパスワードのするのやめてね」
「い、いや絶対忘れないのにしたから。
それより変なファイル開けてないよな」
「うん、開けてないよ。
まぁ、開けたら今までとは同じ関係でいられなくなるからね」
「お、お、おう。
け、賢明な選択だ。
で、小町何見てんだ」
「ん? あ、これ裏総武高のホームページ。
今ちょうど生徒会選挙の仮想投票とかやってるみたいだよ。
あ、それと結構古い書き込みも見れてさ、去年のとか。
お兄ちゃんこっちの世界では結構有名人なんだね。
すっごく沢山書き込みあったよ。
妹としてちょ~うれしい。
はぁ~」
「・・・・・よ、喜んでもらって光栄です。
で、仮想投票のほうはどんな感じだ」
「ん、会長選以外は信任投票だからね、まぁ小町は当選確実かなぁ」
「そ、それより会長は、会長選のほうは?」
「ん~、だいぶ接戦だよ。
ほら見て。
仮想投票、今のところ6:4で蒔田さんだよ」
「6:4か、まぁ妥当なところだな。
それで書き込みもあるっていったよな。
なんか書いてあるのか?」
「い、いや見ないほうがいいと思うけど」
「え、何かまずいこと書いてあるのか?
そんな風に言われると余計気になって仕方がない。
いいから見せてみろ、どれどれ」
”カチャ、カチャ”
『あの一色の横に立ってたやつだれ?
スゲ~キモかったんだけど』
『そうそう! なんか目つき超気持ち悪くない?』
『俺一色やめて、蒔田に投票するわ』
な、なんだと。
お、俺が思いっきり一色の足引っぱってるじゃねえか。
仮想選挙で蒔田に負けてる原因は俺、俺なのか。
「・・・・・」
「まぁ、お兄ちゃんだもんね」
「・・・・・そ、そっだな」
・
・
・
”チャポ~ン”
アメリカか。
あいつ本当にアメリカ旅行に行くつもりなんだろうか。
それに下校時の会話、もしかして刈宿と旅行に行くのか。
もちろん日帰り旅行じゃないよな。
つまり二人で行くってことは・・・
くそ!
”バシャ、バシャ”
「お兄ちゃん、まだお風呂入ってるの?
小町まだだから早くしてね」
「ああ、わかった」
・
・
・
”ゴクゴク”
ふぅ~やっぱり風呂上りのマッ缶は最高だ。
この甘さが嫌なことを全て忘れさせてくれる。
できればマッ缶の風呂に入りたいぐらいだ。
どっかにないかなぁ。
ん、小町パソコンそのままで風呂行きやがった。
”カチャ”
今のところ会長選は6:4か。
まぁ、こっちは準備とか全然不足しているからな。
特に運動員。
それなら早めに手を打つか。
なんか俺が一色の足を引っ張っているみたいだし。
”カシャカシャ”
「ふぁ~い、なんですかせんぱ~い。
いったい何時だと思ってるんですか~」
「いや、まだ十時前だろ。
お前もう寝てるのか 」
「今日はとっても疲れたんです。
先輩に置いてけぼりにされたし。
で、なんですか~
は! もしかしてお前のことを考えると眠れなくて、
お前の声が聞きたいとか、寝る前に甘い会話がしたいとか。
わたしのこと想ってくれてるのはありがたいのですが、今はちょ~眠いので
明日にしてください、ごめんなさい」
「い、いや、そんなのいいから」
「む~。
で、なんですか、マジ眠たいんですけど?」
「一色、この前言ってた生徒会活動の記録、書記ちゃんからもらえたか?」
「はい、ちゃんとUSBに保存してもらいましたよ」
「そっか。
それ貸してもらえるか?」
「え、今から持って来いと。
つまりそれは選挙運動にかこつけて、わたしにお泊りをさせようとする
魂胆ですか。
ちょ、ちょっと強引すぎです先輩」
「い、いや違うから
明日学校ででいいから」
--------
「へぇ~、生徒会って結構活動してたんだ」
「な、なにどうしたの?」
「あ、いやほら生徒会の活動って写真張り出してあるんだ」
「こんな行事あったっけ?」
「あ、おい、ほらここに俺写ってる」
”ワイワイ、ガヤガヤ”
ふふふ、成功だ。
この実績は本物だからな。
この実績を前面に押し出せば勝利は間違いない。
まぁ心配なのは一色の写真、あざといやつしかなかったことだ。
・
・
・
「ただいま~」
”ドタドタ”
「お、お兄ちゃん、大変大変だよ」
「どうした小町?」
「早くこっち来て、これを見て」
「おい、お前また俺のパソコンを勝手に」
「いいから早く」
「お、おう?」
なにを見ろって言うんだ小町。
ん? これは裏総武高のホームページ。
なんだ?
『わたしスキー合宿があったなんて全然知らなかった』
『みんな知らないよね。
だってあれ一色の気分で勝手にやったことらしいよ』
『葉山君もいたんじゃなかった?
いいなぁ~わたしも行きたかった』
『一色が葉山君を無理やり連れて行ったんだって』
『酷~い』
『あ、それになんか総武高生でない人もいたよね。
あと小っちゃい子も。
あれって一色の知り合いばっかり?』
『そうみたいだよ。
あ、それにこのロッジも生徒会の権限を利用して借りたんだって。
しかも格安で』
『生徒会の完全に私物化だよね、サイテー
だからまた会長になりたいんだ』
『あ、そういえばこの前・・・』
お、おい、なんだこれ。
延々と一色に対する批判が書き込まれている。
「お兄ちゃんこれやばくない?」
「・・・」
”ブ~、ブ~”
ん、あ、一色からか。
あいつもこれ見たのか。
”カシャ、カシャ”
「もしもし」
「先輩、大変大変大変なんです~」
「お、おう。
裏総武高の件だな」
「そうです。
これどうしましょう」
「すまん。
俺のミスだ。
明日掲示板にこれはスキー同好会の活動で、
生徒会はそのお手伝いだって張り出しておく。
幸い、スキー合宿の写真に生徒会で写ってるのお前だけだ。
三ヶ木写ってないし、他の奴らは行ってもいないしな」
「うまくいくでしょうか?」
「わからん」
・
・
・
”カチャ、カチャ”
「ん~ダメだ
反論書き込む度に袋叩きになっちゃう。
どうしょう、ジャリっ娘の悪口で炎上しちゃって止められない。
このままじゃ、選挙終わったあともジャリっ娘・・・・・
何とか止める方法ないかなぁ」
「お~い、美佳、まだ起きてるのか?」
「あ、うん、もうちょっと」
「勉強もほどほどにな」
「・・・う、うん」
--------
”うとうと”
「三ヶ木さん!」
「あ、は、はい!
ご、ごめんなさい」
「あなたやる気があるのかしら?
今日これで3回目よ」
「ご、ごめんゆきのん。
昨日ちょっと夜更かししちゃって」
「それは勉強していたからということかしら?」
「・・・・あ、あの~」
「全くあなたは。
ところで三ヶ木さん、あなたが行きたい大学って洋和女子大と厩戸大学だったわね」
「うん」
「なぜその大学に行きたいと思ったのかしら?」
「えっと、比企谷君が補助金とか授業料免除とかいろいろ探してくれて。
この大学が一番お金かからないから」
「そ、そう。
それであなたこの大学オープンキャンパスとかには行ったのかしら?」
「い、いえ。
あ、でもネットでいろいろと確認は」
「呆れた。
あなた一度も学校見に行っていないの?
ちょっと待ってなさい」
”カシャ、カシャ”
「ふむ」
「あ、あの~ゆきのん、パソコンでなにを?」
「大人しく待っていなさい」
「あ、はい」
”カシャ、カシャ”
「三ヶ木さん」
「あ、はい!」
「来週の土曜日と次の日曜日、あなた空いているかしら」
「うん、別に何もないよ。
勉強しないといけないし」
「だったら」
”ガ~、ガ~”
「はいこれ。
大学までの行き方とオープンキャンパスのスケジュールよ。
まず勉強の前にあなたのその目で見てきなさい。
あなたが通うはずの学校を」
「う、うん。
あ、でもゆきのん3枚あるよ。
へへ、ゆきのんそそっかしい」
「もう1つは滑り止めの大学よ。
最悪のことも考えなさい」
「う~」
--------
”ワイワイ、ガヤガヤ”
「舞ちゃん応援してるよ」
「頑張って~」
「・・・・・はい」
「どうしたの舞」
「あ、う、うん。
今日も一色来てないな~って」
「ああ、いつもあの目つきの悪い先輩といたのにね」
「あ、舞ちゃん、それ、多分ネットの所為だよ」
「ネット?」
「なんだ、あんた知らないの?
ネットの裏総武高ってやつで、なんか一色すごく叩かれているから、
出づらくなっちゃったんじゃない?」
「え、なにそれ?」
・
・
・
”トボトボトボ”
「う~ん、どうしょう。
わたしじゃあの書き込みやめさせられない。
一所懸命反論書き込んでるんだけど、逆に火に油を注いでいるみたいだし。
やっぱり彼にお願いしてみるしかないよね。
彼だったらなんか、方法あるような気がする」
”キョロキョロ”
「えっと、どこにいるんだろう。
お昼は教室以外で食べてるのかなぁ」
「おい、お前何してんだ人の教室覗きやがって。
一色なら昼休みはどこかに行っていないぞ」
「あ、いた。
ね、お願い、力貸してほしいの」
最後までありがとうございます。
今回もセリフばかで読みにくかったかと。
ごめんなさい。
次話ようやく生徒会選挙最終編。
投票結果は?
また八幡とオリヒロの関係が?
また読んでいただけたらありがたいです。
ではでは。