似て非なるもの 作:裏方さん
バレンタインの完結編です。
前の話までに、いろんなことですれ違って、
上司との亀裂がさらに深くなってしまいました。
ほんとはお互いに・・・・
では、よろしくお願いします。
なんだろう。
もうこんな時間なのに、あれからず~と顔が熱い。
風邪ひいちゃったかな?
なんか動悸が激しいし。
やっばいかなぁ。
・・・・・・・・これも比企谷菌のせい?
”ぐぅ~”
お腹すいた~。
早く晩御飯つくらなきゃ。
あっそうだ、チョコもらってたんだった。
その前に食べようかな?
『むっか~!』
『ぷぃ!』
そうか、これ会長がつくったんだよね。
いま、食べたくないかなぁ。
まだ、もう少し・・・・・
ーーーーーーーー
「え~、これって生徒会のイベントでしょ?
なんで受付してないの?」
「奉仕部にいったら、もう受け付け終わったって言うし。
なんか信じらんない!」
「ねぇ、私達だけいいでしょ?」
「いや、その~、生徒会では受付してないので」
「おかしいでしょ。
受付してないってありない」
「おい、どうする本牧。
これ収まらないぞ」
「会長はどうした?」
「なんか、卒業式の件で平塚先生、城廻先輩と打ち合わせだって」
「そうだ三ヶ木!
なぁ書記ちゃん、三ヶ木はいたか?」
「あの、電話かからないんで教室に行ってきたんですけど。
体調不良で、今日お休みでした」
「ねぇ、なにしてんのよ!
いつまで待たすのさ」
「いい加減にしてくんない!
さっさと受付しなさいよ」
「信じられない!」
”ガヤガヤ”
「なぁ本牧、この人達だけだったら何とかなるんじゃないか」
「どうだろう? う~ん」
「早くしなさいよ!」
「わ、わかりました。
何とかしてみます」
「お、おい稲村」
「ありがと。
初めからそうすればいいのに」
「やったね、じゃよろしく」
「え、こっちはまだ受付してるの。
じゃあ、私達もお願い」
「あっ、私も」
「えっ、いや、その・・・・」
ーーーーーーーー
「おい稲村、どうすんだ」
「どうすっかな。
まさかこんなに参加者がくるなんて」
”ガラガラ”
「ごめんなさい遅くなりました、えへ♡」
「か、会長、じつは・・・・・」
・
・
・
「な、なんですと! なんでそうなるんですか?
受け付けは奉仕部さんがやるっていってたじゃないですか~」
「会長、すまない」
「でっ、結局何人受け付けたんですか?」
「・・・・20名」
「げ、奉仕部さんの分と合わせて40名以上になるじゃないですか。
それだと調理室では無理だし、材料もかなり追加しないと。
予算的なこともあるし、どうしょう・・・・」
「お、おれ、今から名簿の人に電話して断るよ」
「稲村、おれも電話する。
名簿くれ。」
「なにいってるんですか! そんなことできるわけないじゃやないですか」
「どうしょう」
「う~ん」
・
・
・
「ごめん。
俺が受け付けたばかりに」
「稲村先輩、すんだことは忘れましょう。
それより、なんかできることいっしょに考えましょ」
「書記ちゃんやさしい」
・
・
・
「なぁ、やっぱ三ヶ木さんに電話してみないか?」
「そうだな。
三ヶ木ならなんかアイデアが 」
”ドン!”
「何言ってんすか」
「へぇ?」
「何言ってんですかっていったんですよ! 副会長、稲村先輩」
「いや、三ヶ木ならなんかいい方法あるんじゃんないかと思って」
”ドン!”
「本気ですか?、本気で言ってるんですか!」
「い、いや、何そんなに怒って?」
「あの人に連絡したら、あの人のことだから、
絶対に学校に来るじゃないですか!
それこそ、這ってでも・・・・・・あの人馬鹿だから。
副会長も稲村先輩も、いったい何カ月一緒にやってるんですか!」
「・・・会長すまない」
「・・・ごめん」
「いろはちゃん」
「まったく、もう。
・・・・でも実はわたしも電話しようかなぁって、てへ♡」
「会長~」
「ゴホン。
というわけで、副会長、稲村先輩、書記ちゃん。
ここは、生徒会の底力みせましょう。
三ヶ木さん、・・・・・これ以上、あの人にでかい顔を
されたくないですから。
・・・まぁ、いろいろあるので」
「いろはちゃん、まず問題点を整理してみよ」
「うん。
じゃ、ホワイトボードに書くから問題点挙げてみて。
はい、副会長」
「う、うん。
まずは・・・」
ーーーーーーーー
「はぁ~、わたしの皆勤賞が」
全く、さんざんな目にあった。
くっそ、比企谷菌め。
ただ、単に免疫がなかっただけだからね。
あの女たらしの手にかかるなんて、まだまだ未熟。
もう、熱おさまったからね。
ふん、チョコの1個や2個で、この美佳姫さまの心を
つかもうなんて甘いのよ。
マッ缶ぐらいに甘い! 何ならすべて練乳でできてるぐらい。
ん、すべて練乳、ちょっとやらしい?
馬鹿言ってないで、休んだ分は取り返さないとねって。
わたしはわたしのやることをやるだけ。
ほんとわたしは社畜ね。 たはは。
めぐねぇ、少し力もらうね。
頑張るぞ! おー
よ、よし。
”ガラガラ”
「ご苦労様です。
すみません、昨日休んでしまって。
って、あれ?」
なに、なんで誰もいないの。
生徒会室、鍵開いてるのに?
・
・
・
ん~、それにしても、お・そ・い。
もう、下校時間になっちゃうよ。
うん? これってお料理教室の参加者名簿?
・・・・4、40人いるじゃん!
えっ、わたしポスターに参加者数を書き間違えたのかも。
ちょっと待ってよ。
”カチ”
ん~、早く立ち上がってパソコンちゃん。
”ガラガラ”
「あっ、三ヶ木先輩ご苦労様です。
もうお身体は大丈夫ですか?」
「うん、書記ちゃんありがと。
ごめんね、なんか悪い菌にあたっちゃったみたいで」
「悪い菌?
あっ、三ヶ木先輩。
みんなが来る前に少しいいですか?
じつは二人だけでお話したいことが」
えっ、なに?
放課後、二人っきりの生徒会室・・・・・もしかして告白?
ごめんなさい書記ちゃん、わたしそんな趣味無いの。
・・・で、でも、書記ちゃんかわいいし。
お姉さん、少しだけならいいかも。
ぐふふふ。
「み、三ヶ木先輩、どっか別の世界行ってません?
いま、なんかぼそぼそと。
それにぐふふって」
「へっ、いや、べ、別に。
どこにも行ってないよ」
「まぁいいですけど。
あの、これ見てくれます?」
ん? なに、そのつぶれた箱。
なんか思いっきり足跡がついてるんだけど。
あと、そのはみだしてるのチョコ?
「いろはちゃんが試作会の時に、間に合わなかった三ヶ木先輩の分って
これ作ってたんです」
えっ、あのジャリが。
でも、どうせ男子の分を作った時のあまりでしょ。
「内緒ですけど、男子のチョコはこれつくった時の
余ったやつなんですよ」
うん? 確かに男子のよりでかいかも。
でも残念、ぐちゃぐちゃで原型とどめてないから。
「三ヶ木先輩、いろはちゃんと仲直りしてください。
いろはちゃんも仲直りしたいんです、絶対に」
・・・書記ちゃん。
元はといえば、比企谷君のメモを確認しなかったわたしが悪いんだよね。
なんか、わたしの独り相撲だったみたいな。
「ごめんね書記ちゃん、心配させちゃったね。
このチョコらしきもの? 折角だからいただくね」
”ぱく”
ん、めっちゃ美味しい。
ほんとあのジャリ・・・ジャリっ娘、お菓子作り得意だったんだね。
でも、この靴のあとがなんとも・・・・。
「三ヶ木先輩、いろはちゃんよろしくお願いしますね。
あっ、それとこのチョコのことは絶対誰にも秘密ですよ。
だって、いろはちゃん『このこといったら泣かす!』って
すっごく怖かったんだもん」
書記ちゃん、ほんとに怖かったんだね。
いまも顔が青ざめてる。
もしかして”裏いろは”がでた?
”どたどた”
「あっ、三ヶ木先輩、いろはちゃんだ。
はやく、はやく食べてください」
「え?
あ、い、いや、あの」
”パクッ”
「ほらほら」
「もが、もがもが」
しょ、書記ちゃん待って、口に押し込まないで~。
あの足音は会長と違うから。
ちょ、ちょっと待って。
もう口いっぱいで入らないって。
それにこの足跡のついたとこは食べたくない。
いや~やめて、う~。
「お疲れさま。
あ、三ヶ木さん、もうだいじょ・・・・
あははは、なにその顔。
それにすっごい涙目じゃん」
「ふが、ふがが、ふがっが」
「ご苦労様。
みんないるのか?
お、三ヶ木もう身体は・・・ぷっ! あはははは。
なんだその顔」
しょ、書記ちゃん!
なんてことすんの。
うぇ~ん、もうお嫁にいけない。
書記ちゃん責任とってね。
・・・ぐふふ。
「ご、ごめんなさい、三ヶ木先輩。
だって、バレたら怖いんだもん」
「もご、もご」
”ごくっ”
・・・はあ、ひどい目にあった。
書記ちゃん、わりと暴力的だ!
ふぅ~
”ぱたぱた”
ん、やつだ、やつが来た。
この足音は間違いない。
「お待たせしました! みんないます?
あっ・・・・・・
そ、それでは緊急役員会を始めま~す。
さっさと座ってくださいね」
おい、いきなり目逸らされた。
でも緊急役員会って参加者のことだよね。
それってさ、わたしのミスだからいわなきゃ。
「みんな、ごめんなさい。
なんかわたしポスターを間違えたみたいで・・・」
「いや、違うんだ三ヶ木さん。
じつは、昨日お料理教室の参加申し込み者が
生徒会に押し寄せて・・・・」
「ごめん、三ヶ木。
受け付けたのは俺だ」
えっ、そうだったの。
確かにこの二人、押しに弱いからなぁ。
でも参加者40人か、実際ちょっときついなぁ。
「まぁ、済んでしまったことなので。
お二人には今度それ相応の償いしてもらいますけど、えへ♡」
会長、笑顔だけど、目が笑ってないし声も低い。
これが書記ちゃんを震え上がらした”裏いろは”?
二人ともどんな償いさせられるんだろ。
神様、彼らを見捨てないで。
くわばら、くわばら。
まぁ、それはそうと、
「まずは会場ですね。
参加者40人に生徒会と奉仕部の人数ではちょっと調理室は狭いかも」
”ビシ!”
「はい、本牧君」
えっ、も、本牧君?
「あっ、はい、コミュニティセンター押さえられました。
予定はいってたみたいだけど、なんか他の部屋と場所を
変更してくれたんだ。
前日はホールだけでしたが、当日は調理室もOKもらえました」
「了解です。
あ、後片付けもあるので、できたら翌日の午前中も押さえておいて
下さい。
三ヶ木先輩、次は?」
「え、え~と予算ですね。
材料追加しないといけないし、
いまから参加費の値上げはできないから」
”ビシ!”
「はい、稲村君」
い、稲村君?
「えっ、稲村君って俺も君呼び?
あ、あの予算の方についてだけど、昨日会長とも相談して他校と
合同ですることで解消しようと思ったんだ。
だけど、すまない俺のほうは全部断られた。
会長はどうだった?」
そりゃそうよね。
だって今日が火曜日でしょ。
んで、料理教室が金曜日。
まあ普通は無理でしょうね。
えっ、会長その満面の笑みはなに?
「仕方ないですね~。
やっぱりわたしの出番ですね。
じゃじゃ~ん♬、海浜総合高校から共同開催の了解頂きました、えへ♡
まぁ実際のところ、了解取れたらラッキーかなって感じだったんです
けど。
ほらクリパのこととかあったから。
でも~、やっぱりわたしの魅力っていうか、なんかすっごいフレンドリー
な感じで了解頂きました」
や、やるわねあんた。
あの轆轤使いを手玉に取るなんて。
でも、そんなに胸逸らしても、わたしとあんまり変わらないからね。
そのでっぱり。
「はい、次は?」
ん、なんかすごく挑発されてるような気が。
気のせい?
「あとは告知ですね。
場所変更することを十分徹底しないと」
”ビシ!”
「はい、書記ちゃん」
えっ、書記ちゃんは”書記ちゃん”のままなんだ。
あの二人は一応先輩なんだけど、確か。
「はい、放送部と調整してきました。
早速、明日と金曜日の昼休みですが会長お願いします。
それと三ヶ木先輩は貼り出してあるポスターの修正お願いしますね」
「了解です。
お昼休みの放送は任せてくださいね。
ふふん、三ヶ木先輩、あ・と・は、なんかあります?」
な、なに、その顔、くそ~、腹の立つ。
あと、あとは・・・・
「コミュニティセンターの飾りつけとか」
”ビシ!”
「はい、本牧君、稲村君」
「はい、がんばります」
「ポスター、作ってます」
「よろしい。
あ・と・は? ほれ、ほれ」
ぐ~、ちょ~むかつく!
ん~と、あっそうだ。
「あと、講師ですね。
さすがに40人もいると雪ノ下さん一人では」
「ふふ~ん♬ 大丈夫ですよ。
わたしがちゃんと講師さん追加で手配しました。
それで、あ・と・は? さあ、さあ。」
「・・・・・・ありません。」
くっそー、何かすっごい屈辱感が。
「はい、わたしの勝ちですね~
では、コミュニティセンターの飾りつけとか、材料の
搬送とか当日しかできないので、SHRの後は全員
なるべく早く現地に集合ということで、よろしくです♡」
ま、負け? なんかわたし負けたの。
なにその満面の笑み めっちゃくやし~。
・・・すこしかわいいけど。
まあ、いいか。
ほんとはもう一つ重要なことがあるけど、
それはわたしの仕事だし、それにチョコももらったことだし。
ここはジャリっ娘の勝ちにしといてあげる。
「はい、じゃあ、そろそろ下校時間なので、
今日はこれくらいにしましょう。
それと三ヶ木せ、さん、口の周りチョコだらけですよ。
書記ちゃん、このあとちょっといいかな。
理由、わかってるよね、ニコ♡」
「ごめんなさい。
いろはちゃん、許して~」
書記ちゃん、明日また会えるよね? アーメン。
ーーーーーーーー‐
”ガラガラ”
ん~と、いるかな。 あ、いた。
「広川先生、今お時間いいですか?
じつは手違いで、お料理教室の参加人数が増えちゃいまして。
調理室でおさまらないので、場所をコミュニティセンターに
変更することになりました。
お騒がせしてすみません」
「おう。
そういえば、さっき校内放送で一色がなんかそんなこと言ってたな。
そんなこと気にしなくていい。
それよりまた掃除手伝ってな」
「あんの、それと当日は無理ですが、必ずチョコ持ってきますね。」
「期待をしてるから。
すっごいゴージャスなやつな。
あっ、それと参考までに、料理教室で準備した材料のリストあるか?」
「へぇ、あ、はい。
えっと、これですけど」
ーーーーーーーー
さてと、SHRも終わったし、いよいよ今日は本番ね。
さあ、いざわが戦場へ出発。
”スタスタスタ”
あっ、書記ちゃんみっけ。
「三ヶ木先輩、こんにちは。
いまからコミュニティセンターですね。
一緒に行きましょ。」
うううん、ごめんね書記ちゃん。
わたしにはやることがあるの。
だからいっしょに行けないんだ。
「ごめん、書記ちゃん。
一緒にいけないの。
わたしね・・・・・」
・
・
・
「あ~あ、書記ちゃん怒っていっちゃった。
まぁ、仕方ないか。
さぁ行こうか、お仕事お仕事」
”スタスタスタ”
ん? 不審者。
って、あのコート男は言わずと知れた義輝君ね。
奉仕部の前でなにしてるんだろう?
あっ、ドアに手かけた。
ふふふ、無理よ、今日はそこ開かないよ。
はは~ん、お料理教室で奉仕部いないの知らないのね。
どれ、そ~と近寄って。
「わ!」
「ひゃあ!」
「やった~。
驚いた、驚いた大成功」
「ぬ、ぷふ。
おぬしは三ヶ木女子。
少しひどいではないか」
「あはは、ごめんごめん。
で、どしたん?
こんなところで変質者ごっこ?」
「げふっ!
ち、違う、我はこれを八幡に」
ん、なんか紙、いっぱい手に持ってるね。
あ~、この前言ってた新作というやつ。
確かなんか教本って言ってたけど。
中二病の教本?
いつも奉仕部に読んでくれって持ってくるんだって、由比ヶ浜さん
唸ってたっけ。
仕方ない。
「ん!」
「その手は何であろうか?」
「ん!」
「・・・・」
「ん、ん、んー!」
ほれ、早よよこせ。
いつも奉仕部にはお世話なってるからね。
今日は忙しいだろうから、わたしに貸しなさい。
「今日ね、奉仕部さんはお料理教室でいないから、
今回は代わりにわたしが読んであげる」
「いや、けっ、結構。
我は八幡に 」
「あのね、そりゃ学年三位の人に読んでもらいたいのはわかるけど。
でもね、こういうラノベ? 買ってくれる人って圧倒的に普通の人
じゃない?
わたし、こう見えても国語、学年平均だから、平均。
だから、たまには平均的な感想を聞いてみたら?」
「ふむふむ。
それもそうであるが・・・・・・
さ、さ、最初に言っておく!
も、もし酷評されたら我はもたぬ」
”ドサ”
へぇ、結構書いたわね。
ん~と、これ一日で読みきれるかな。
でも毎回さ、比企谷君はこれ読んでるだよね。
「うん、わかってる。
あっ、そうだ。
ほれ、これあげる」
「ぬぅ? これはなんであろうか」
「チョコ。
もうすぐバレンタインでしょ。
同小のよしみ。
さみしい義輝君にあげる。
大事なチロロだから、よく味わってね」
えっ、お~い、義輝君?
な、なに動かない。
「あ、あの~、いらなかったらかえ 」
「けぷこん、けぷこん。
仕方なかろう。
折角の心付け、もらってやろうではないか!
安心せい。
ぬはははは。
ではさらだば」
”ダー”
「ぬほほ!」
お、おい!
ま、まあいいけどさ、それに義理チョコ一つで大げさ。
ほら老化は知ると危ないって。
”ズデン”
あ、ほらやっぱりこけた。
まったく昔っから変わらないね。
あ、そんな場合じゃない。
さてと急がないと。
・
・
・
「え~、なに場所が変わったの?」
「うっそ、聞いてないんだけど」
「バレンタインあてにしてたのよ
もう間に合わないじゃない」
「そうよ! どうしてくれるのよ」
「急に変わったって勝手すぎ!」
ん、やっぱりこうなったか。
やっぱり、ひとりひとり電話するべきだったな~
「ごめんなさい。
ポスタ―や校内放送で場所が変わったことはお知らせはしたのですが。
あっ、今からでもまだ間に合うように連絡しますので、
コミュニティセンターにいかれませんか?」
「なによ、お知らせしたって。
じゃあ、私たちが悪いって言うの」
「ひっど~い、信じられない」
「いまからコミュニティセンター行けって?」
どうしょう。
でも、仕方ないよねみんなが怒るの。
わたしが逆の立場だったらやっぱり怒るかも。
・・・・・・今できるのは、謝ることぐらいしかできない。
ここは土下座しないとね。
でもゆるしてれくれるかなぁ。
「みなさん。 あの、今日は場所が 」
「お~い、みんなごめんな。
職員会議で遅くなった。
さて、今、調理室の鍵を開けるからまってね」
えっ、ひ、広川先生。
「さぁ、チョコレート教室
・・・・お料理教室を始めるから好きな席に座って」
「はぁ~い」
・
”カシャカシャ”
「もしもし。
あ、うん、俺俺。
いや、サギじゃないから。
俺どっちかというとタカ派だし。
あの首捻るとこかっこよくない?
いや、そんなことより、今コミュニティセンターだろ?
すまない、大至急お願いしたい。
理由は後で話すから、今からいうものをそこから学校の調理室まで
もって来てくれないか。
うん、ちゃんと説明する。
・・・・・・いけるか? すまない頼む」
広川先生? あの~、なんか話が読めない。
どうなってんの?
「おい、三ヶ木、まずは調理室にある材料でなんとか時間つなぐ。
この前の懇親会用の材料がまだ少しあるから。
今、コミュニティセンターの材料を学校に運んでるから、
届き次第すぐに調理室に運べ。
急げよ」
「はい!」
「さぁ、みんな座ったか?
まずは基本編からだからね。
できる人も初めからやるよ、何事も基本が大事だからな。
基本ができてないと、全然口触りとか変わってくるんだからね」
「はぁ~い」
・
・
・
「先生、できましたよ。
どう? 会心の出来栄えよ」
「どれ、おぉ、さすがだね」
「わたしも出来た」
「先生、次は?」
・
・
・
材料まだかな。
お願い、早く来て・・・・・・お願い。
”キキー バタン!”
「ふっ、待たせたな三ヶ木。
おっ、台車準備してるのか」
「せ、先生!」
・
・
・
”ザワザワ”
「やばいな、そろそろ時間待たないな。
どうすっか。
やっぱりここは俺のサイン会でも」
「せ、先生、ざ、材料届きました」
「グッジョブ! 三ヶ木。
さぁ、みんな、次は中級編だ。
これができれば野郎どもはメロメロだぞ!
バレンタインは頂きだ」
「よっしゃ。
頂くぞ!」
「やだ~、先生」
”ワイワイ、ガヤガヤ”
「さぁ三ヶ木、お前も座れ。
あとは任せろ」
ふぇ~、何とか間に合った?
よ、よかったよ~。
でも、腕がパンパン。
よくこんだけの荷物持てたな~。
広川先生、お願いします。
ーーーーーーーー
「先生、さようなら」
「先生、頑張るね」
「おう、気をつけてな。
みんな頑張れよ!」
”ガヤガヤ”
みんな、笑顔で帰ってく。
・・・よかった。
わたしの土下座じゃこうならない。
「せ、先生、ありがどうごじゃいました。
ううう、う゛ぇ~ん」
涙、止まらないよ。
ありがとう。
また助けてもらった。
先生、先生、先生。
「ばっか、泣くな。
全く変わってないなお前は」
「だってぇ~」
「いいか、三ヶ木。
お前、簡単に土下座しようと思うなよ。
少なくともお前の近しい人がそんな姿みたらすごく悲しむんだぞ。
わかったな」
「はい」
「おう、それよりそのチョコもらっていいか?」
「へぇ、でもあんまり上手にできなかったよ、これ。
腕がパンパンでさ」
「お前、真剣に作ってたじゃん。
俺のために!
それで十分だ。
くれ!」
「いぇ、自分で食べたくて、先生のことはこれっぽっちも。
1μgも考えてませんでした。
まぁ、仕方ないな~
特別に美佳ちゃんの特製チョコあげます。
・・・・・・先生、ありがとうね」
「おう。
いや、普通チョコもらった俺がありがとうだろ」
「だって、先生・・・・・・普通じゃないもん。
あっ、それと平塚先生が『ギトギトだぞ』って伝えてくれって」
「うぇ~、俺はあっさりのほうがいいんだが。
ま、いっか。
それと三ヶ木、もう帰るのか」
「いぇ、このあと生徒会室で少しやってから帰ります。」
「ご苦労さん。
だが、もう遅いから帰る時、声かけろ。
送っていくから」
「・・・・・・」
「お、おい!
な、何警戒してんだ!」
ーーーーーーーー
「葉山先輩こっちも食べてみてくださいよ~」
・
・
・
「ふぅ~。 これでひと段落。
・・・でも、なんか足りないような?」
「なぁ、一色。
今日、三ヶ木来ていないのか?」
「へぇ?
三ヶ木さんなら、どっかに転がってるんじゃないですか?
いつもこういうイベントの時はどこかに。
そうだ、そのごみ箱の裏は?」
「おま、それひどいだろ」
「冗談ですよ。
でもそういえば・・・・いないですね。
書記ちゃ~ん」
「うん?
どうしたの、いろはちゃん」
「ねぇ、三ヶ木さん知らない?」
「あ、あの、じ、じつは三ヶ木先輩は・・・・・」
ーーーーーーーー
「じゃ、先輩、お疲れさまでした。
副会長、稲村先輩、書記ちゃんもご苦労様」
「会長、みんなお疲れ様」
「お疲れ」
「い、いろはちゃん。
あんまり怒らないでね」
・
・
・
”ノシノシノシ”
「・・・・まったく、あの人は!
本当に勝手なことばっかりして!
一度痛い目にあわせないと、ぷぃ!」
”ガラガラ、ドン!”
えっ、な、なに?
うしらからなんかものすごい音が。
「なにやってんですかぁ!
なんで来なかったんですか!」
えっ、か、会長。
ひぇ~、目が吊り上がってる。
声もちょ~低い。
なんかものすご~く怒ってらっしゃる。
「い、いぇ、あの~間違ってこっちに来る人がいるといけないから。
それから、年度末の資料も少しだけって」
「ふぅ~!」
あ、あのう会長、お気を静めなさって。
書記ちゃん、こわいよ~。
「んで、いつ終わるんですか? それ。」
「へぇ、あ、あと十分ぐらい・・・かな?」
「あっ、そう!
どっこいしょっと」
”カシャカシャ”
え、どっこいしょって、いきなりそんなとこでスマホいじってる。
う~プレッシャーが。
さっさと帰ればいいのに。
・
”カチャカチャ・・・・・・カチャカチャ”
ふぅ~、あとちょっとかな。
「くぅ~、くぅ~」
へ?
って、おい寝てんのかい!
仕事してる人の目の前でまったくこのジャリっ娘は!
・・・・風邪ひくでしょ。
仕方ない、これかしてあげる。
このブランケット高かったんだからね。
さてっと。
・
”カチャ、カチャ”
よし出来た、保存完了っと。
「会長、一応終わりました」
「ふぇ~。
は、はぁ~い」
なにこれ、ふぇ~ってかわいい。
ジャリっ娘、あんた素でもかわいいじゃない。
もう、素で行きなさい素で。
「じゃあ、行きますよ、三ヶ木先輩」
「へぇ、ど、どこへいくの?」
「海浜さんから聞いたんですけど~
なんか、ものすご~く美味しいケーキ屋さんが
あるそうじゃないですかぁ・・・駅前に」
「あっ、え、えっと~なんか海浜さん言ってました?」
「えぇ、いろいろと」
ふぇ~あの轆轤使い、変なこと言ってないよね。
「さぁ、鍵閉めますよ」
「は、はい」
「・・・・・三ヶ木先輩。
その、きょ、今日はわたしのおごりです。
打ち上げですし、一応わたしが会長ですから。
やっぱり部下には奢らないとじゃないですか~」
「・・・・・費用、請求しない?」
「しません!」
「でも、そこのケーキ屋さんめっちゃ高いよ」
「えぇ~、高いのはだめですよ!
あと、先週の金曜日、比企谷先輩とイチャイチャしてたじゃないですか~
いろいろ聞かせてくださいね、ニコ♡」
「あ、あの、わたしのおごりで結構です。
い、いえおごらせて下さい、お願いします」
あのね、会長。
・・・・・・わたし変われるかなぁ。
少し、ほんの少しでもいいから変わりたい。
この生徒会で。
”スタスタスタ”
・・・・・・・ん、なんか忘れているような?
ん~、なんだったけ?
まぁ、いいか。
「三ヶ木先輩、お・そ・い」
「あ、うん」
・
・
・
「へっくしょん!
ふぅ~、三ヶ木まだ頑張ってんのかな?」
ありがとうございました。
更新が遅くなってしまいすみません。
書きながら、寝てしまいました。
気がついたら、お昼まわってました。
おかしいな。 わー〇んぐまでは起きてたのに。
なんか、わー〇んぐも、チョコでした。
なんとか、書記ちゃんに仲直りさせてもらいました。
強引な話ですみません。
十二巻なかなかでませんね。
次話以降、どうしょうかな?
頭ひねって頑張ります。