とある一族の落ちこぼれ   作:勿忘草

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第6宇宙メイン回です。
一気に選手が減っています。
少しずつ巻きながら、あとの勝負のメンバーを厳選しています。


『最後の仕事』

「下らねえ奴らばかりで飽きちまうぜ」

 

見回すが今までの奴らに手応えがない。

第3宇宙のボラレータ。

第4宇宙のガノス、マジョラ。

第9宇宙のオレガノ。

第11宇宙のクンシー。

既に5人も落としてやった。

 

ヒットも第3宇宙の奴を一人。

キャベも第4宇宙の奴を一人。

 

俺に憧れていたあいつの姿もちらちらと見える。

第2宇宙の奴を一人。

第3宇宙の奴を一人。

第9宇宙の奴を一人。

第10宇宙の奴を一人。

 

合計で7人は落としていやがる。

 

「もう3分の1は落ちただろ」

 

60名だったがこの攻防で11名落ちているのが確認できる。

残りは49名。

 

「ふん……」

 

視線を感じる。

遠いがわかってしまう。

あいつは俺と戦いたいんだろう。

だがそれはできない。

 

「あいつが先客だろうからな」

 

弩級の戦いになるだろう。

徐々に近づいている。

どちらかは落ちかねない。

 

.

.

 

「最強が不在で殴り込みとは舐められたもんだな」

 

団体で来ていた。

気の大きさとしてはどこかにある気の方が大きい。

私たちを狙うためだろう。

おおよそ標的を見つけたから同時に気を発揮した。

きっとキャベかベリーだろう。

 

「どうも奇妙な格好だな」

 

私たちの格好を見て言ってくる。

惑星サダラの戦闘服。

そして腹部が僅かに盛り上がっている。

この盛り上がりと、伸縮自在な服が秘密兵器に必要なものだ。

 

「格好で強さが決まるのかよ?」

 

そう言うと笑って散開しやがる。

5人だろうが10人だろうが引くつもりはねぇぜ。

 

「いくぜ、ケール!!」

「はい、姐さん!!」

 

超サイヤ人2になる。

ケールも変身をする。

前に出てきた二人が私たちの相手をする。

 

「ハアッ!!」

 

後ろにいる奴が変な力で閉じ込めやがった。

どうとでもしやがれ。

そんなちゃちなことしなくても逃げねえし、助けなんか呼ばねえよ。

 

「『ジャスティス・ウィップ』!!」

 

ケールの奴に気でできた縄を投げて縛り付ける。

しかしそんな強くは思えねえな。

 

「このまま落とされれば傷つかなくて済むぞ!!」

 

そう言ってギリギリと強めていく。

しかしサイヤ人にとって傷つかなくて済むなど馬鹿な事を言うもんだぜ。

 

「うぉおお!!」

 

ケールは力を入れて縄を引きちぎる。

そしてその相手を殴り飛ばした。

 

「『ジャスティス・ツイスター』!!」

 

小さい奴が勢いよく回って竜巻になる。

私に向かって迫ってくるがつまらない技だと思う。

今の私たちを…

 

「竜巻なんかでどうにかできるかよ!!」

 

恐れる事もなく竜巻に手を突っ込む。

角を持って地面に思い切り叩きつける。

バウンドした相手は息が荒い状態で恐怖の顔になっていた。

 

「くっ……こうなったら6人で同時に打つぞ!!」

 

2人がダメージを負わされている。

一人ずつじゃ無理と思ったんだろう。

 

「終わるがいい!!」

 

6人が一斉に力を合わせて放ってくる。

統率が取れているんだろう。

でもな……

 

「6人がかりでも私とケールの絆に比べたら大したことねえんだよ!!」

 

私とケールの全力の一撃は赤と緑の太い波動。

6人がかりの気弾を呑み込んでいく。

相手もまさかここまでお相手とは思っていなかったんだろう。

私らをなめすぎだっての。

 

「まさか……こんなはずでは!?」

 

全力の気の一撃で吹き飛んでいく。

場外まで真っ逆さまだ。

こうも綺麗にできたら爽快なもんだぜ。

 

「閉じ込めたり、小細工なんて私らにゃあ意味ねえのさ!!」

 

それを最後に言ってやってケールとハイタッチをする。

一気に6人も落ちていった。

思ったんだけどこういった場合は誰が落としたことになるんだ?

まあ、いずれにしてもこれで一気に私たちが有利になったぜ。

 

.

.

 

「来るがいい」

 

そう言う相手に超サイヤ人2で相手をする。

しかし相手はそれを悠々と待ち構えている。

随分と余裕があるようだが……

 

「はあああ!!」

 

攻撃を繰り出す。

右足の蹴り。

ヒョイと避ける仕草をしてきたのでフェイント。

 

「そら!!」

 

左に切り替えて上段前蹴り。

それを片手で受け止められる。

 

「『ジャスティス・ブーツ』!!」

 

自分よりも強烈な前蹴りを喰らい吹っ飛ばされる。

起き上がろうとしたところを……

 

「『ジャスティス・ラリアット』!!」

 

さらに強烈な一撃。

意識を持っていかれそうになる。

 

「うぉおお!!」

 

しかしなんとか踏みとどまる。

相手が向かってきている中、気を高める。

全身全霊の一撃を放つ。

 

「『スタート・スパーク』!!」

 

相手に直撃する。

十分な手応えがあった。

しかし次の瞬間……

 

「お前が全身全霊の一撃を放っても私を倒すには足りていない!!」

 

そう言われて後ろから組みつかれる。

あれを煙をあげた程度のダメージで抑えるなんて、とても頑丈な相手だ。

それに、肉体の大きさに見合わないとてつもない速さ。

相手の実力を感じ取る。

 

「『ジャスティス裸締め』!!」

 

締め付けられていく。

徐々に力を加えられる。

 

「このまま気絶をさせて放り投げてやる!!」

 

意識が遠のく。

力を入れて抵抗をしてもまるで動かない。

 

「だったら……」

 

掌だけでも相手に向ける。

そして……

 

「うおお!!」

 

相手に連続で打つ。

相手の体と自分の隙間が空いていく。

 

「ぬがぁ!!」

 

その合間から、何とか抜け出す。

しかし代償は大きなものだった。

 

「はあはあ……」

 

息を切らせている自分を見て相手が勝負をつけに来る。

一気に爆発的な速度で接近される。

回避行動すらおぼつかない。

 

「私を倒すにはお前は未熟なのだ!!」

 

腕を交差して耐えられていたのだ。

そして反撃が始まる。

 

「『ジャスティス・ジャッジメント』!!」

 

両肩を砕く鉄槌の一撃。

その痛みに呻く暇もなく、腹部へ掌底を叩き込まれて、無防備に吹っ飛んでいく。

実力差をまざまざと見せつけられる結果となった。

.

.

 

 

「ぐあっ!!」

 

受け流せず、速度に反応できていない。

本来ならばできることがなぜできないのか。

それはすぐに荒い息とがくがくとした体で悟った。

あの。最強の相手との戦いで食らった体のダメージが深刻だ。

 

「二人の秘密兵器のために最後の仕事を……しなくては」

 

二人は何とか閉鎖空間から出てきて五人も落とした。

それに続いてこの人を落とす。

 

「ジレンにボロボロにされた体でこのディスポには勝てない!!」

 

速度だけではどうしようもない

そんなもので勝てるわけがない。

だがそれは疲弊していないときの話だ。

直線的な動き。

それを見抜いてカウンターを叩き込んではいるがそれ以上にダメージの楔が大きい。

 

「ぐっ……」

 

膝をついてしまう。

相手がその状態を見て速度を上げる。

 

「くっ!!」

 

足を引っかける。

それで相手がこけそうになったところへ膝蹴りを叩き込む。

 

「この……雑魚が!!」

 

殴られて場外近くまで飛ばされる。

そこへ追撃の一撃を放とうとしてくる。

 

「フンッ!!」

 

受け流して体勢を入れ替える。

これで相手が追いつめられた形。

今、この機会が秘密兵器のための準備。

手に気の球を作り出す。

これは通常のものと違って特殊な力を持った気の球である。

 

「はっ!!」

 

それを上空に向かって放り投げていく。

その一撃は当てる事は前提にしていない。

 

「遅い!!」

 

笑いながら余裕綽々でかわしていく。

それは攻撃の気弾ではない。

 

「…て…れ……」

 

息も絶え絶えに言葉を言う。

何故ならばあの気の球を作るには体力をかなり使う。

 

「なんて言っているんだ?」

 

相手は聞き返している。

いつでも落とせるから腕まで組んでいる始末だ。

 

「弾けて混ざれぇええ!!」

 

その態度もすぐに吹き飛ばされるだろう。

これで終わりというわけではない。

 

「あと……」

 

突撃をして相手に組みつく。

そしてそのまま落下していく。

目指すのは場外。

成功させれば残りは第11宇宙は2名。

時間切れも考えたらもはや風前の灯火だ。

 

「貴方ごと落ちるのが僕の役目だぁあああああ!!」

 

油断を最後までしてくれて本当に良かった。

力いっぱいに締め上げて脱出をさせないようにする。

さっきのような失敗はするわけにはいかない。

骨すら圧し折ろうと力を込め続ける。

 

「超速の動きで……!?」

 

相手が超速で外そうとした瞬間。

僕は容赦なく首を絞めていた。

こうなってしまうと……

 

「首を絞めたままやっても、少しでも失敗したら重力とかの兼ね合いで首が折れて死ぬ、

それを始めるより早く指に力を籠めれば折れる……消されてもあの人の為なら殺しも厭わない!!」

 

ルールを破ってでも第6宇宙を勝たせる。

それが信じてくださったシャンパ様への恩返し。

そしてバーダックさんへの恩返し。

 

「ちくしょう……ちっくしょー!!」

 

無抵抗のまま、僕とディスポが落ちていく。

そしてベンチに戻ってきたとき11宇宙の方にディスポがいるのを確認して、安堵の息を吐き出した。




短めで申し訳ありません。
ベリーの行動が秘密兵器に大きく関与します。
器具使っていないからルールの疑惑もない第6宇宙強化です。

現在までの脱落者:
()内は落とした人間

第2宇宙:
リブリアン(ガタバル)、ロージィ(ピオーネ)、カクンサ(ガタバル)、ビカル(ピオーネ)
プラン(ベジータ)、ハーミラ(ベリー)、ラパンラ(ガタバル)

第3宇宙:マジ・カーヨ(ジレン)、ビアラ(ベルガモ)、ボラレータ(バーダック)
ナリラーマ(ヒット)、ザ・プリーチョ(ガタバル)

第4宇宙:ダーコリ(亀仙人)、キャウェイ(亀仙人)、ガノス(バーダック)
マジョラ(バーダック)、モンナ(キャベ)

第6宇宙:フロスト(ジレン)、ドクターロタ(ジレン)、マゲッタ(ピッコロ)、ボタモ(悟飯)
ベリー(ディスポ)、キャベ(トッポ)

第7宇宙:亀仙人(ジレン)、ピッコロ(ジレン)

第9宇宙:バジル(ベジータ)、ベルガモ(ジレン)、ラベンダー(ジレン)
オレガノ(バーダック)、チャッピル(ガタバル)

第10宇宙:ザマス(ガタバル)、ナパパ(ガタバル)

第11宇宙:クンシー(バーダック)、ディスポ(ベリー)、カーセラル(カリフラ)
タッパー(ケール)、ゾイレー(カリフラ)、ブーオン(ケール)、ケットル(カリフラ)
ココット(ケール) 

現時点:40名脱落
残り40名

撃墜数 ()内は落とした選手の数
ジレン(7),ガタバル(7)
バーダック(5)
ケール(3),カリフラ(3)
ピオーネ(2),ベジータ(2),亀仙人(2),ベリー(2)
悟飯(1),ピッコロ(1),トッポ(1),ベルガモ(1),ディスポ(1),キャベ(1),ヒット(1)

指摘などありましたらお願いします。

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