次回からZに入っていきますが、その5年間の間の話でいくつかやっていこうと思います。
100%を運よく防御できて被害少ないのは再生持ちのピッコロさんだけでした。
第一試合の熱戦の声援はすごかった。
前回優勝者の天津飯。
その兄弟子の桃白白。
それに恥じない戦いぶり。
もしあの場で思いやらずに一撃を叩き込めたなら勝てただろうが、殺す可能性があった。
去年までの殺し屋だった桃白白ならまだしも、今の武道家である桃白白にあの場面で攻撃をする事はできない。
「さて、次の試合でも見るか…」
俺は立ち上がってカカロットの試合を見る。
動きから見てあいつも重りをつけているな。
それでもあの女性には勝てるだろう。
天津飯相手ならば外さないと無理だろうが。
試合が進んでいくと衝撃の事実が出てくる。
会った事のある女性の事を忘れているとか、『お嫁さん』にもらうとか。
あいつ、絶対『お嫁さん』の意味わかってないよ……。
そして案の定、クリリンに聞いている。
その瞬間、転がってしまったわ。
結論としては勝利したら名前を教えてもらえるという事でカカロットが拳の風圧で場外まで飛ばした。
あいつもかなり強くはなっているな。
桃白白じゃあ今のカカロットには勝てなかっただろう。
というよりもしかしたらあのナメック星人以外は無理じゃないのか?
自分は抜いたうえで考えた結論だが。
そしてさらに試合後に衝撃が。
約束を守る形とはいえ武舞台で結婚宣言。
……あれ?
もしかして俺、年下のサイヤ人に恋愛面において追い抜かれたって事じゃね?
これはちょっと由々しき事態だ。
今まで戦ったり放浪した付けがこんな場面で、目の前で起こるなんて!!
でも、ほら……20数年で会った異性なんてピオーネしかいないし……
だからそこは情状酌量の余地あるよね。
そんなこと考えていたら俺の試合だ。
クリリンも調子狂っちゃうとか言っていた。
その気持ちわかるよ。
「クリリン、3から100までの数字で好きなの言ってくれ」
舞台にお互いが立つ前に質問しておく。
速い話、この数字に合わせた実力にするだけだ。
1ならこっちが負けるし2なら前回とさほど変わらない実力になる。
その為下限を3にしての質問だ。
「じゃあ……俺たちの試合の数字ってことで3でお願いします」
3%……384だな。
まぁ、仮に高い数字を言われたら死なないように気を付けたらいい話だし。
徒手空拳の一撃で貫通させなきゃいい。
あとは両手を使わないで勝負するぐらいか。
「試合、始め!!」
その言葉と同時にクリリンがこっちに来る。
横に避けると、跳躍でこっちの動きについてくる。
全ての攻撃は防いでいるがまだまだ相手の勢いは止まらない。
とにかく俺に攻撃を出させないようにしていく算段か。
じゃあ、そろそろギアを上げるか。
「ふん!!」
腕を掴んで頭突きをする。
その腕を振り回して場外の壁に向かって投げる。
なんと、場外に行くと思ったが宙に浮いているじゃないか。
だが、それがどうした。
一瞬でその上に行って膝を腹部に蹴り入れる。
手ごたえは十分だ。
しかしまだまだ粘るようでかめはめ波で武舞台まで戻る。
だがもう終わりだ。
なぜならその場所に先回りをしているからだ。
その状態から後頭部に拳を振り下ろしてやる。
そのまま叩きつけられてしまいダウンだ。
「これが実力差だぜ……」
気功波を全く使う事もなくクリリンを叩きのめす。
これでも3だ、もしもおでこの焼き印と同じ6とか言ってたらこの倍の強さでやっていたことになる。
「ぐぐっ……」
立ち上がって続行するようだな。
構えるがクリリンは上空に飛び上がる。
それを追うように俺も上空へと飛んでいく。
「波ー!!」
俺に向かってかめはめ波を放つ。
最後の手段と言いたいようだが甘すぎる。
教えておいてやるよ。
格上相手に隙を作らずに大技は決まらないってことを……
息を大きく吸い込んで迫ってくるかめはめ波に向かって。
「かあっ!!!」
気合を放ってかき消した、
そしてそのまま懐に潜り込んで腹部に拳を叩き込む。
蹴りと拳両方喰らってしまえばさすがに限界だったか。
白目をむいてしまっている。
抱えたまま、武舞台に降りて実況の人に見せる。
何が悲しくて男を抱えないといけないんだ。
「クリリン選手気絶しております、よって勝者…ガタバル選手!!」
あっけない試合だったからなのか、みんなが黙り込んだような形になってしまった。
あれでもまた実力には程遠いんだよな。
次のナメック星人の時はどうする?
因縁があるようだしカカロットと戦わせてみるか。
それとも倒して俺がカカロットと再戦をするか。
「まぁ、カカロットにここは譲るか」
因縁の対決を優先する。
俺だってフリーザが他人に倒されたら納得できない。
そういうものだ。
きっとカカロットもあのマジュニアと戦うつもりでいるだろう。
とりあえず俺は片隅で見てみることにした。
「隣いいか?」
桃白白が聞いてくる。
別に構わない。
俺は無言で頷き少し場所を開けた。
始まると無名のシェン選手の動きがすさまじいものだと分かる。
だが変な違和感もあった。
まるで本来の人間の力じゃないような……
行ってしまえば憑依をしているような感じだ。
「両方とも今の私より強いな」
桃白白が言ってくる。
確かに今のお前よりは強いだろう。
しかもマジュニアの動きを見ると重りをつけていやがる。
「魔封波だ!!」
シェンが大きな声で技を言う。
その前に取り出していたものは酒を入れるとっくりという奴ではないか?
そう言って放つ技は渦を巻いたような波動だった。
段々とマジュニアに迫るが……
「魔封波がえし!!」
なんと跳ね返したのだ。
まさかそんな技術まで持っていたとは驚きだ。
そしてそれを食らったシェンからナメック星人が出てきてとっくりの中へ入っていく。
すぐさま出てこられないように栓をした。
そのまま気絶していてシェンは10カウントを数え終えてから目覚めた。
その体を使っていたナメック星人がいなくなったんだから、本人は何が何かわからないままだった。
これで4人が出そろった。
まず次の試合で決勝戦に行くのはカカロットだろう。
天津飯との試合が始まった。
最初は天津飯が押したり拮抗している状態だ。
だがまだ重りを外してはいない。
それに息を切らしていない。
そしてカカロットに対して天津飯が3年前から、スピードがあまり変わっていないといって速度で翻弄する。
ちゃんと相手の攻撃や動きを観察しておけば違和感を感じるだろうに。
気の大きさを察知できていないのかもしれない。
カカロットが道着を脱ぎ始めた。
ついに本領発揮といった所か。
全て合わせて100キロの重り。
外した分、どれだけ力が上がったんだ?
目で追う事が出来ず天津飯は帯を取られる。
この一連の動きで確信した。
5%も出したら勝てるだろうと。
つまりまだカカロットたちの戦闘力は1000にもなってはいない。
天津飯は4人に分かれた。
これを見て俺はため息を、桃白白は怒りをあらわにした。
きっと俺たちは弱点に気づいたのだろう。
フュージョンに自分を使えるのはなかなか面白いが……。
一度はカカロットをとらえるが、その直後にカカロットが弱点を2つも見つけたといっていた。
俺たちは天津飯がお前に技を食らわせる前から見抜いていたぞ。
1つは桃白白も言っていたが『目が良すぎるから頼ってしまい察知ができない』こと。
もう1つは『4人に分かれたことによる戦闘力の分散』
『太陽拳』という技を使ってカカロットは天津飯に視界を奪う。
そしてそのまま4人の天津飯を確実に1人ずつ場外に落としていった。
「やはり孫悟空が残ったか、残念だ……」
桃白白はどうやら弟弟子である天津飯に残ってほしかったようだ。
まぁ、気持ちがわからないわけではない。
さて……行ってくるか。
武舞台に上がると不敵な笑みでこっちを見ている。
そしてマジュニアが口を開いた。
「お前を塵にしてやろう……」
できるならやってみろ。
俺が大サービスで10%ほどの実力で相手をしてやる。
10%となると1280か。
「始め!!」
実況のおっちゃんの一言で勝負が始まった。
「はああっ!!」
マジュニアが迫ってくる。
拳を足で受け止めて、そのまま踏み台にして跳躍。
踵落としを決めようとするが避けられた。
用心深い動きだ。
「なかなかいい動きをするな」
そうはいっているが重りを外す。
戦力の差の分析は上手なようだな。
「しゃっ!!」
腕を伸ばしてくるが、その腕を掴んで動かせないようにする。
そのまま引っ張ってこっちの間合いに誘い込む。
「ちぃっ!!」
目から光線を放つがブリッジで避けて腹をけり上げる。
空中に舞っている間に一気に跳躍で追い越した。
「そらっ!!」
地面へ叩きつける。
そのまま急降下で再び腹部へ攻撃。
頭突きでズンッと響くような音を立てていた。
「げほっ!!」
とっくりが腹から出てきた。
拾ったのはいいがこいつをどうしようか。
「ガタバル、こっちにくれー!!」
カカロットが言うから投げ渡した。
マジュニアの奴はしまったという様な顔をしている。
「許さんぞ、バラバラにしてくれる……!!」
怒りに震えているようだ。
だが実力差は感じているだろう。
今のお前では俺には勝てない。
勝利を譲る形であっても、勝負はしておかないと格好がつかないんでな。
「かぁっ!!」
巨大化をしたようだが……
的がでかくなっただけでしかない。
「死ね!!」
拳を振るってくるが受け止める。
重量はあるがこの程度でやられる俺ではない。
お返しという様に顔面に一撃を食らわせる。
場外にはならないがたたらを踏んで後退する。
「がはっ……」
血を吐き出し体の大きさをすぐに縮めてきた。
だが、今から何をする気だ?
「かぁっ!!」
手から気功波を出す。
それを難なく弾くがむやみやたらに投げつけてくる。
「貴様をとらえるにはこういう方法しかないんでな、新技だ、『魔空包囲弾』!!」
そう言って腕を動かすと一斉に俺に向かって迫ってくる。
まさか戦いの中で閃かせてしまうとはな。
だがこれならば、まだ耐えられる。
「どりゃあ!!」
そう思っていた最中、いきなり後頭部に衝撃が走る。
マジュニアがこの気弾とともに俺の背後に忍び込んでいたのだ。
「くそっ!!」
実力差がいくらあっても、相手に対して後手に回って戦っている以上対応するのが主になる。
本来、自分から仕掛けにいって主導権を掴みに行くのだが、そうじゃないからな。
「流石だな……んっ?」
俺の雰囲気が一変したのを感じ取ったのか。
その通りだ。
「もう……いいや」
もう、自分のペースで戦う事が出来ていないことに苛立ちを感じている。
一撃だけ、本気の100%でお見舞いしてやる。
「終わりだ……」
音を置き去りにするように、一瞬で懐に忍び寄る。
マジュニアは何とか体を動かす。
聴覚の良さで風を割く音でも聞いたか。
しかし遅すぎる、そんなもので避けられるか!!
「ふんっ!!」
拳は何とかショルダーブロックをしていたマジュニアの肩ごと引きちぎった。
観客は悲鳴を上げるがマジュニアはにやりと笑って腕を生やす。
まさかナメック星人にそんな能力があったとはな。
「さっきのは全力の一撃だった、あれをそんな方法で対処されたらこっちの負けだ」
もっともらしい理由をつけて場外へ飛び降りる。
この瞬間、マジュニアの決勝進出が決まった。
マジュニアは納得いかない顔をしている。
こんな武舞台で場外負けのルールじゃあお前も俺も本気を出せないだろう?
「どうしても白黒つけたいなら、この武闘会が終わってからだ」
そう言って控室に戻っていく。
10分後、俺は決勝戦をいい席で見ようと舞空術で屋根の上まで行った。
決勝戦というだけあって見事なものだ。
お互いが実力を測りながら初めはやりあう。
その後に動きを速めていき、徐々にボルテージが上がっていく。
カカロットの超かめはめ波の一撃を食らいマジュニアのターバンがなくなってあたりが騒然とする。
それよりさっきの腕再生の方がよっぽど騒然としそうなものなんだが……
戦いが佳境に入ってくるとお互いが策もない殴り合いになってくる。
巨大化も使えないし、気功波の無駄うちも体力の意味を考えるとできない。
最後にマジュニア改めピッコロが大きな賭けに出た。
体中の気を爆発させて、その強烈な一撃でカカロットを吹き飛ばそうとしたのだ。
……結果はカカロットがこらえてそのまま一気にラッシュ。
その後、地面に大の字になっていたピッコロへかめはめ波を放つ。
ピッコロの気を感じる以上、まだ生きているな。
カウントで有頂天になっていたところをピッコロの不意打ちにやられて肩を貫かれる。
そこからピッコロの逆襲は始まる。
カカロットを転ばせたら、瞬く間に両足を膝で折る。
そして最後の腕を光線で痛めつけた。
その後、上空からカカロットを狙うが、お互いに詰めが甘い。
殺せない以上、カカロットは仕方ないが、ピッコロも飛び上がらずに馬乗りの状態で延々と殴るなど地味なやり方でも殺す、もしくは勝てただろうに。
最終的にはカカロットが舞空術で人間砲弾と言わんばかりに勢いが強い頭突きをピッコロにくらわせて場外へ押し出した。
これで第23回天下一武闘会は終わりとなった。
勝利後にカカロットが変な豆で傷を治し、ピッコロにも与えると傷が治った。
今日のところはおしまいだと言い、そのままピッコロは去っていった。
去り際にこっちを見ていた。
いつでも来るといい、俺は待っているぞ。
カカロットはどうやら神様になるのを拒んだようだ、
そのまま綺麗な奥さんと一緒に雲に乗って飛び立っていった。
桃白白はしばらくは仕事を探すため、亀仙人のところに行くらしい。
鶴仙人と全く違う道を歩んでいるという事で嬉々として迎え入れていた。
……さて、俺も帰るか。
ピッコロとの約束もあるし、今見える未来が真実ならば強化は急務だ。
肩を回し、未来に対して気合を入れて家路につくのだった。
今回はちょっとごちゃごちゃです。
みにくければ申し訳ございません。
これで無印部分は終わりです。
Zでようやくフリーザや因縁の相手などが書けます。
指摘などありましたらお願いします。