とある一族の落ちこぼれ   作:勿忘草

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久々の日常回です。
最後に人造人間編の部分をちらりと書いています。
トランクスも言いましたがパラレルワールドみたいなものなので
全然今歩んでいる歴史とは違う感じに未来はねじれています。


人造人間編
『戦いの後』


ナメック星での戦いから全員の居住が決まる。

ベジータ王子とナッパさんはカプセルコーポレーションへ。

ターブルは近々地球に定住予定という事で一時的に宇宙を経由して戻ることになった。

当然、その行く方法は俺の瞬間移動である。

フリーザたちも同様に無くなった宇宙船を調達しなければいけない。

だからナメック星人とサイヤ人以外は地球にとどまらなかった。

 

「で……なんでみんなここに集まってんの?」

 

ところせましと女が3人、男が4人。

ターレス、パラガス、ブロリー。

ニア、スパーニ、ピオーネ。

俺を含めた7人が俺の家にいる。

広い家とはいえ密度がきついわ。

隣に家建てておくか?

 

「俺たち、地球の金がないし……」

 

おう、それだったら働けや。

お前らこのまま居候を許すと思うなよ。

 

「まず地球の構造をよく知らないからな」

 

それこそうろつけ。

お前ら、結構家にこもってばっかりじゃないか。

 

「とりあえず、バイト受かりました……」

 

何で狂戦士のはずのお前が一番まともに行動しているんだよ……。

ちなみに女性陣はすでに全員アルバイトか何か職についている。

あいつらの順応性の高さに驚くわ。

 

「とにかく働け」

 

そう言うととぼとぼと出ていく二人。

ブロリーは通帳を作るといったので同伴した。

とりあえず、地球の常識を学んで来い。

 

「それにしても、ドラゴンボールの使用あれだけして問題ないんですか?」

 

そうだよなぁ……

俺は頭を抱える。

生き返った奴らの事を考えれば桃白白とラディッツさん、母さんを蘇らせる。

その後、ナメック星のみんなを星に帰す。

それでいい。

だがこの短期間で3回もの使用。

いい加減にしないと恐ろしい事が起こってしまう。

 

「まあ、それでも今回は仕方ないか」

 

ため息をついてどうしたものかと悩む。

しかし解決策はどうしようもない。

しいて言うならば控えるしかないだろう。

 

「そう言えばカカロットは?」

 

そう言えばお前、戦いたがっていたもんな。

今やりあっても圧倒的にお前が勝ってしまうだろう。

運が悪ければあいつがそのまま死んでしまうぞ。

 

「ああ、あいつなら今頃は……」

 

.

.

 

オラは久々に悟飯と一緒に出掛けていた。

ウパやボラに会いに来た。

聖地カリンもカリン塔以外の場所は本当に久々だ。

 

「悟空さん!!」

 

ウパが出てくる。

それに続いてボラが出てくる。

 

「久しぶりだね」

 

そういって手を差し出してくる。

オラも手を出して握手をする。

 

「それでここに何のようで来たんだい?」

 

ボラが言ってくる。

確かに何の用事で来たのかは伝えていねえなぁ

 

「オラ達もおめえらのような生活をしばらくやってみようって思ってよ、悟飯もいるから久しぶりにな」

 

せっかくの休みだ。

戦いもしばらくないだろうし、地球の時の約束。

釣りでもしようって奴を思い出したからな。

 

「いいだろう、民族の衣装だ、着るがいい」

 

そう言って服を渡される。

昔はもっと少なかったイメージなんだけどなぁ

 

「いやー結構スースーすんなぁ」

 

今になって着てみると風通しがいい。

しかししっかり隠せている。

なかなかいいもんだ。

 

「こんなに軽装なの初めてです」

 

悟飯も道着ぐらいだもんな。

上半身に羽織るだけでズボンのみなんつう格好はしたことねえもんな。

 

「山でキノコや獣をとり、湖で魚をとる、そういった生活だ」

 

何だ、オラが昔山奥でやってた生活と一緒か。

悟飯もピッコロに修行つけてもらったのと変わらないと言っていた。

 

「まあ、やってみっか」

 

そう言ってオラは山に猪か熊を取りに行ってみる。

悟飯は湖で魚をとる予定だ。

しばらくは気持ちをさっぱりさせていかねーとな。

そうしねーとナメック星やサイヤ人で疲れちまっているからボロボロになったままじゃ何もできない。

チチにも理由は説明している。

オラたちは久しぶりの親子の時間を満喫するのだった。

 

.

.

 

「今回の戦いに置いて俺たちは無様だった」

 

そう言って俺はナッパとともに修行をしていた。

ガタバルの奴が口うるさく『働かざるもの食うべからず』というのでブルマの仕事を手伝っている。

とは言っても力仕事ぐらいのものだ。

時折、試作品の実験に付き合っている。

精密機械とか言うのは俺達には扱いがわからないからな。

壊してはいけないということぐらいだ。

 

「確かに手も足も出なかったな」

 

ナッパも頷く。

フリーザとの戦いの時点でお前は脱落していたからな。

 

「ヤツに頼み込んで修行をつけてもらうか……?」

 

ガタバルの奴に頼み込む。

いずれは奴を超えるために。

最強のサイヤ人であるためにな。

 

「あいつの修行って甘いんじゃないのか?」

 

それは無いだろう。

あの弱虫ラディッツをわずか1年でお前と互角になるまで引き上げた。

言ってみれば名伯楽。

あいつほど指導力がある奴もいない。

それにお前も体験したはずだぞ?

 

「重力室を作ってもらうしかないな」

 

そう言うと俺はブルマの父親に頼み込む。

カカロットより厳しい環境での修業。

300倍の重力室だ。

超サイヤ人をやらずに慣らしていけば基礎の戦闘力も上がる。

あいつ曰く壁を超えるには戦闘力の向上が必須らしいからな。

 

「慌てずに開発してくれとは言ったが……」

 

焦りがあるのは事実。

今度にあり得るフリーザとの戦い。

伝説の超サイヤ人と呼ばれる、俺達とは一線を画した存在。

あいつを超えてみたい。

そう言った思いが渦巻いている。

 

「今のところは今まで通りの修行をするしかないだろうぜ、ベジータ」

 

そう言ってナッパが模擬戦のために構える。

お前が仮に超サイヤ人になった時どんな見た目になるんだ?

 

「そうだな……」

 

俺も構えて容赦なくナッパへ攻撃を仕掛ける。

いずれ来る巨悪に備えて。

 

.

.

 

カリンでの生活も1週間が過ぎた。

初めこそリフレッシュや落ち着きはできたが徐々に慣れすぎていく。

十分お互い堪能したし、ウパやボラにいってカリンから去っていった。

その後、チチの言いつけで悟飯の勉強の邪魔をせず、オラは仕事を探すことになった。

結局仕事は見つけられず自給自足で多少は賄うってことで、家の近くの山を切り開いて農家をしようという話をつけた。

 

「お父さん、お母さんからお弁当です」

 

悟飯が弁当を届けてくれる。

気弾とかなしで木を切り裂いたりなんて手間がかかる。

チチからするとその木も立派なもんだからやめろって事らしい。

 

「しかしさすがにこれだけ広いとすぐには無理ですね」

 

まあな、亀仙人のじっちゃんの時はすでに畑があったもんな。

クリリンの気円斬使ったら早く済むんじゃねえか?

そう思ったオラは悟飯には黙ってもらって技を使ってみた。

 

「『気円斬』!!」

 

上部分と根っこに近い部分。

その箇所を落とすために2つ放つ。

 

ズバズバと音を立てて綺麗に切り揃えられていく。

倒れそうなやつを全部抱えて別の場所へと運ぶ。

あっという間に一区画が整地された。

それを久々に手を使って掘り起こしていく。

綺麗な形にはなるころにはお昼ご飯の時間だった。

 

「今日もうめえなあ」

 

あっという間に弁当箱を空っぽにしたオラはまた気円斬での整地をする。

このペースなら一週間もすりゃあ、畑の前の状態になるだろう。

あと、ガタバルから瞬間移動を教えてもらわないとな。

あれはオラもやってみたい。

絶対に役に立つだろうしな。

伸びをしながらにやりと笑った

 

.

.

 

あれから一か月以上の時間が過ぎていった。

結局ターレスは建築系統の仕事に就いた。

パラガスはカジノのディーラーをやっている。

二人ともどうやら上司に気に入られているようだ。

ブロリーは警備員で凶悪犯罪者を取り押さえている。

 

「ただなあ……」

 

あいつらが金を入れてくれるのはいいが家を買ってくれと思う。

厄介払いではないがいつまでこの家にいるつもりなんだ?

宇宙為替でそれなりの財産ぐらいあいつらも持っているだろ?

 

「憂鬱な顔をしてるね、お兄ちゃん」

 

スパーニが話しかけてくる。

スパーニは飲食店のウェイトレスで働いている。

整った顔立ちとかわいい仕草で、今やスパーニ目当てでくるお客さんもいるらしい。

 

「だって……母さんもここに入ったらさすがに寝るところがなあ」

 

そう、ドラゴンボールで蘇った後に住むにはもはや広さがな。

その為にも近くに家を建てるしかないだろう。

 

「女性宅、男性宅ってのも地味にきついぞ……」

 

家事担当が俺とピオーネ、そしてスパーニ。

男女にいるが、俺にも仕事がある。

残った男性陣、あいつらの家事の出来なさは異常だからな。

ブロリーは柄物の服と白い服を一緒に洗濯。

ターレスは皿を割りまくる。

パラガスは黒い炭のような物体を作りやがった。

 

「まだブロリーさんは……」

 

ブロリーのミスは解決策があるからな。

ネットにさえ入れれば問題はない。

他の2名に至っては力加減と調理のイロハの無さ。

マジで部下任せだったんだなとダメな方向で感心する。

 

「ニアもまだましな方だよ」

 

ニアは今動物園の飼育員をしている。

ニアがやってしまったのは掃除箇所の順番ミス。

床をやってから天井をしたぐらいのミスだ。

それは普通に言えば治せる範囲内。

だからあの男二人が完全に足を引っ張るだろう。

 

「ピオーネさんは完璧に近かったね」

 

色々な所で文化を学んできたのだろう。

俺ほどではないが家事全般が高い水準でできていた。

今、あいつは国王直々の警備を行っている。

俺よりも上の立場になってしまった。

今やこの地球で最強の軍隊を率いている俺をも超えている。

 

「あいつ、本当にどうやって自分を売り込んだんだろう?」

 

謎しかそこにはない。

俺の名前を出したのだろうか?

それならばなれる事もあるのだろう。

今の護衛よりもどう考えても格上だからな。

 

「普通に真正面から殴り込みにいって直訴をしたそうだよ」

 

あいつも地味に地球の常識が欠如していたか。

警察が出てくるレベルだぞ。

まあ、国王がフォローしたから何ともなかったんだろう。

 

「まあ、働いているし問題でもないからいいか」

 

そう言って今日の晩御飯を考える。

食費というかエンゲル係数が非常にやばい事になっている。

貯蓄があって本当に良かったと胸をなでおろしてる俺がいた。

 

.

.

 

「やっとだな」

 

あのナメック星の爆発から130日。

ようやくあの地球での戦いで失った命を生き返らせられる。

この間の3か月にある程度の整理は行っておいた。

あいつらが職を見つけて、有能なのか正社員に格上げされた。

そして広さを考えて家も別々になった。

当初の予定の隣ではなく1キロほど離している。

流石に物音も筒抜けというのは困るからだ。

部屋割りは俺とピオーネ、パラガス、ターレス。

ニア、スパーニ、ブロリー。

何とか家事は全員が平均レベルになった。

正直に言えば、部下に気弾を教えるよりしんどいと思えた。

ちなみに部下たちには気弾や舞空術についての説明は行っている。

と脱線したが……願いを叶えるか。

 

俺が今回願いを叶えるための言葉を発する。

ナメック星の時以来だな。

そのことをブルマさんに言ったら怒られた。

確かにナメック星にブルマさんがいかなくてもよかったもんな。

 

「『タッカラプト・ポッポルンガ・プピリットパロ』!!」

 

叫ぶと空は暗くなり大きな光の柱が出てくる。

それはたちまち竜の姿へと変わっていった。

 

「『ドラゴンボールを7つ集めしものよ、願いを3つまで叶えてやろう、言うがよい』」

 

相変わらずの口上だな。

今回はきっちり使って終わりにするぜ。

何回も使うのは嫌だからな。

 

「『まずは地球でサイヤ人の襲来によって死んだ、もしくは殺されたものの人数の上限を消してほしい』」

 

これで一度に皆を蘇らせられる。

これをしないと一人ずつで待たせるばっかりだからな。

 

「『分かった、その願いを叶えよう、今この瞬間から蘇生人数の上限はなくなった』」

 

時間経過はなく、ただ制約をポルンガの中ではずうという感じだった。

それじゃあ、2つ目の願いを叶えさせてもらおうか。

 

「『地球でサイヤ人の襲来によって死んだ、もしくは殺されたものをここで蘇生させてほしい』」

 

この願いで目的は達成できた。

あの時に死んでしまった奴ら全員問題なく可能なはずだ。

別に極悪人とか種族などの制限は設けていないからな。

 

「『分かった』」

 

そう言うとヒュンッという音とともに三人がここに現れる。

ラディッツさん。

桃白白。

ちなみに自爆していたが肉体と服はサービスで元通りにしてくれたようだ。

いい仕事するなぁ。

そして、母さんが現れた。

三人とも抱きつかれるか囲まれて叩かれる。

 

ナッパさんやベジータ王子はラディッツさんを。

天津飯と餃子は桃白白を。

母さんはスパーニが。

俺も祝福したいが、優先しないとな。

 

さて……最後の仕上げだな。

 

「『最後の願いだ、ナメック星人全員を居住可能な惑星への移動をしてほしい』」

 

それを言うと驚いていた。

一人ずつ蘇らせるから自分たちは後になるだろうと思っていたのだろう。

最長老様は分かっていたのか笑っていた。

 

「あなたは相変わらずですね」

 

最長老様が声をかけてくる。

優しい声色で包み込むように。

 

「また、いずれ会いましょう」

 

そう言うとみんなナメック星人が消えていく。

あれ、ナメック星人としか言っていないから……

 

ピッコロの方を見るがそんな事は無かった。

よかった、ポルンガがそこは空気を読んでくれたみたいだ。

 

「『では、さらばだ』」

 

石になっていき、ドラゴンボールもナメック星へと移動していった。

これですべての清算は終えた。

そんな事を考えていると、久々に頭の中にぼんやりとした未来が見える。

俺が誰かと戦っている未来。

その正体は……

俺はある一点の方へ視線を向けて呟いていた。

 

「山吹色の道着だったが……悟飯か?」

 

その呟きの答えは誰も知り得ることの無いもの。

新たなる戦いの予感がそこにはあった。




まさかの働かないサイヤ人が全員定職に就くという驚き。
メカフリーザ襲来はたぶんなくなってしまいました。
指摘、ありましたらお願いします。

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