とは言っても戦力的には力になれないですが……。
スーパードラゴンボールヒーローズで出てきた魔神ダーブラと魔神トワ。
オリ設定で出すことにしました。
さらにオリキャラ魔神で完全に相手をする面子が揃いつつあります。
「……」
全力でヒルデガーンとかいう奴と戦った結果がこれか。
傷はあるがヒルデガーンに比べれば綺麗すぎる。
だが、違和感を感じる。
さらなる災厄が待ち受けていそうなそんな感じだ。
そんな事を考えているとバビディの声が響く。
「『よくやったよ、ヒルデガーン、魔人ブウの復活だー!!』」
そう言った瞬間、宇宙船から桃色の煙が黙々と立ち上る。
それは徐々に形を作っていく。
なるほどな。
ヒルデガーンが与えたダメージは少ないが一撃は弩級。
いつの間にかエネルギーは溜まりきっていたのか。
「ブウー!!」
そんな言葉とともに現れたのは桃色の風船に手足がついたような奴。
柔和な笑みが不気味だ。
界王神の奴だけが知っている姿。
それに怯えるような目を向けている。
どうやらあいつが魔人ブウで間違いはない。
「僕を裏切ったダーブラと遊んでくるんだ、殺したってかまわない」
封印するぞと脅したりしてブウに言う事を聞かせている。
こいつは見る限り、不安定というかサラガドゥラと同じ掴み所のない気だ。
あと、こいつは無邪気なだけだ。
善や悪とかの線引きがない。
「あそぶぞ」
そう言って向かっていく。
こいつは速い。
超サイヤ人2では太刀打ちできない。
「おのれ、舐めるな!!」
拳を放つが避ける。
そして残酷な一撃を放つ。
「ほい!!」
なんと目潰しを使いやがった。
目から血が出ている、失明する一撃だ。
それを蹴り飛ばしていく。
「おまえ、つまんないぞ」
セルくらいの強い奴を『つまらない』の一言とはな。
しかし、メチカブラが奴に指令を飛ばす。
「『時間を稼げ』」
そう言うとメチカブラは全員を集めてダーブラの方へと向かっていく。
ミラの奴だけサラガドゥラと共闘のようだ。
「勝負だ、魔人ブウ」
ミラが構えるとにやりと笑う。
だがそんな構えなど戦いの合図ではない。
ここは殺し合いの場だ。
「……」
それを魔人ブウに教えるように顔面に蹴りをサラガドゥラがぶち込む。
続いて腹。
そして拳を開いて気を集中させる。
「……」
腹を貫く気弾。
そして蹴り飛ばす。
だがそんな程度で緩めはしない。
気弾の雨を降らせてブウへの追撃をする。
「お前、容赦ないな……」
ミラもここまでやるとは思っていなかったらしい。
『時間を稼げ』でまさか倒すなんて予想外もいいところだ。
「……いまのはいたかったぞ」
怒っている。
だがその笑みは楽しそうだ。
「おまえをクッキーにしてやる!!」
そう言って光線を放つ。
サラガドゥラは気弾をぶつけて後ろへと回り込む。
気弾が丸形のクッキーに変わっていた。
「……」
バックドロップでブウの頭を地面に埋める。
地面から出てきたブウは怒り心頭だ。
ころころと表情を変えやがる。
「おまえなんか……きらいだー!!」
気の大爆発だ。
それを超サイヤ人3の俺とカカロットで防ぐ。
サラガドゥラが対抗して同じ技で抑え込もうとする。
「バリアー!!」
バビディも防いでいる。
俺達も自分の気を全力で注ぎ込んで難を逃れようとする。
「ふう……」
満足げな顔を浮かべているブウ。
しかし、次の瞬間その笑みをさらに広げた。
無傷な状態で立っているサラガドゥラ。
「おまえ、おもしろいな」
そう言ったブウにミラが横から殴り掛かる。
ブウの体を貫いたがこれで怯みはしない。
「おまえもあそんでくれるか?」
腕をとって放り投げる。
それを追い越して地面へ叩きつけると気弾をミラに向かって投げつける。
「舐めるなよ!!」
その気弾を弾き飛ばすとブウは腕に気を集中させてさらに殴り飛ばす。
それをサラガトゥラがかき消す。
そんな中、あいつらはダーブラを治療して、儀式を始めようとしていた。
止めようとしても最強の壁が阻む。
しかも魔人ブウとの諍いに首を突っ込むことになってしまう。
「ダーブラ様のさらなる高みに至るための贄こそが我ら」
痩せた緑色の剣士と赤いマッチョの男。。
二人が跪きその体は光の粒子となる。
「トワ様の為にこの身を捧げると誓いました」
手に熊人形をつけた少女と洋装少女。
そいつらも重ね合わさるようにトワの近くに寄る。
「『溶融せよ』」
その言葉を発すると光の粒子となった奴らが入り込んでいく。
気の高まりを感じる。
さらに三面六臂の奴、双子、褐色肌の女、白肌の女の五人も重なっていく。
「気を付けろ……」
光が晴れた時に感じた気で抱いたのは一つ。
最悪の場面だという事。
超サイヤ人3と同格かそれ以上になりやがった。
まだトワとミラはましな方だが。
無理をしてでも止めるべきだったか。
「人から神に至ったようだな」
姿ががらりと変わったダーブラ。
だが変わって間もないから不安定なのだろう。
トワも同様だ。
一人、巨躯の女へと変わった魔神もいる。
「魔神リーサです……」
界王神が呟く。
どうやら、滅茶苦茶な存在だったらしく来るべきの時に備えて力をセーブするために分かれていたようだ。
こいつはブロリーに任せた方がいいかもな。
「来るか?」
超サイヤ人3で俺は構える。
だがメチカブラが一度自分の陣営をちらりと見た後……
「みんな、不安定だからな、まずは再度整えるか」
そう言って、杖で地面を叩いた瞬間、黒い渦が出てくる。
これが暗黒魔界への扉というわけか。
一気に突入するのもいいが……
「『戻れ、帰るぞ』」
「はっ!!」
メチカブラがサラガドゥラに言い切る前に界王神がサラガドゥラへ超能力を放つ。
一体何を考えているんだ?
「くっ、小童が……こうなっては再度回収せざるを得ない」
徐々に渦へと沈んでいくメチカブラ。
ミラは来るものだとばかり思っていたから既に渦の中だ。
誰も回収はできない。
そしてメチカブラたちは一度、暗黒魔界へと帰っていった。
「一体何をしやがった、界王神?」
何でサラガドゥラが戻らなかったのか。
体の動きが止まっていたのは分かっていたが……
「彼の聴覚を一時的に遮断したんです」
聴覚の遮断。
つまり、命令部分にメスを入れたわけか。
「『戻れ』と言い終わった瞬間に遮断しました、これで彼の本能がどう作用するか……」
帰巣本能というわけか。
突っ立っているサラガドゥラはまるで電池が切れた玩具のようだった。
「おい、どうした、うごかなくなったぞ?」
ブウがポンポンと叩いている。
そして……
「きえちゃえ」
気を高めていく。
少なくともヒルデガーンの時は悟飯を助けている。
極悪人ではない。
「うぉおお!!」
それを感じ取った悟飯が横蹴りを入れる。
ブウが地面に転がる。
「お前なんか、僕がやっつけてやる!!」
そう言った瞬間、悟飯から荒れ狂うような気が溢れる。
やはり、こいつは……
「感情の爆発力が他の比じゃない」
だが、それでも……
そんな事を考えていると新しい影が来る。
何でお前らはここにきてしまったんだ。
「悟天、トランクス……帰れ!!」
これは子供の入る余地ではない。
悟飯はかつて俺達と五歳の時に対峙している。
だがそれとは規模が違う。
力が段違いだ。
「ピッコロ、二人を連れていけ」
俺は悟天とトランクスをここから引き離すようにピッコロに言う。
ここから先は俺達でないと厳しい。
「クリリンもここはオラ達に任せてくれ」
カカロットもクリリンに退却するように言う。
その言葉に頷いてピッコロについて行き退却する。
「あのデカブツも治っているからなぁ」
ズシンズシンと音を立てていやがる。
しかもパワーがさっきよりも上がったようだ。
「少しだけ手伝ってあげるわ」
ピオーネが屈伸をして構えをとる。
正直、時間経過によっては俺たちの敗走もあり得る。
「逃げる準備はしておけよ!!」
そう言って各々の相手へ駆け出す。
しかし相手は超弩級の化け物。
ブロリーが引き寄せて、ピオーネが一撃を叩き込む。
「ぐあっ!!」
悟飯が魔人ブウとやりあっている。
ブウの方が有利になっている。
時折、界王神がフォローを入れるもまるで効いていない。
頑丈さが段違いだ。
「『かめはめ波』!!」
頭をぶち抜きやがった。
それでも再生しやがる。
こいつを倒す方法は再生できないくらいに粉々の状態にすること。
だが煙が起こらないようにしないといけないとも感じている。
復活の時は煙で出てきたからだ。
「もうおまえはあきたぞ、きえちゃえ」
悟飯にだけ集中させている。
サラガトゥラに放とうとした気弾の一撃だ。
でかい一撃が放たれる。
悟飯は回避の体勢をとろうとするが後ろを見て諦めた。
「くそっ、ピオーネさんに……」
受け止める気だ。
悟飯は避けられない。
よければ当たってしまう。
ピオーネにそんな技が効くわけがないのに。
悟飯に直撃しようとしたその刹那……
「……!!!」
声にならない叫びが響く。
悟飯より遥か速くに割り込んでいた。
悟飯を庇ったのか、それともピオーネを庇ったのか。
それは分からない。
しかし無防備という事は……
「………!!」
二人とも気弾の餌食となる。
ダメージこそサラガドゥラがでかいが、悟飯もかなり受けるだろう。
身動きをとれずに空を飛んでいく。
「くっ!!」
界王神が気弾を超能力で爆発させた。
速く救出してやってくれ。
「行きますよ、キビト!!」
そう言っていこうとする界王神を追いかけようとするブウ。
その姿に向かって俺は言い放つ。
「次は俺が遊び相手だ、ブウ」
こっちを向いてバウンドしてくるブウ。
やる気はあるようだな。
「おまえ、たのしませてくれるのか?」
嬉しそうな笑みを浮かべやがって。
無邪気だからこそ厄介だ。
こいつにブレーキを掛けられる存在さえいれば……
「それはお前の感じ方次第だ」
頭の触覚みたいな場所を掴んで殴る。
カカロットは邪神の相手をしていやがる。
ここは俺が踏ん張る。
「だりゃりゃりゃ!!」
肘。
頭突き。
膝。
目にもとまらぬ位の連撃を頭部に集中させる。
流石に脳みそが揺れるだろう。
「ふんっ!!」
ポコンと小気味のいい音を立ててへこんでいた箇所が戻る。
こいつの構造は本当にどうなっていやがるんだ。
「心臓ならどうだ!!」
左半身に狙いを定める。
流石にこれならば……
「『ビッグバン・アタック』!!」
左半身を消しとばす。
ここで追撃をやめない。
「『ギャリック砲』!!」
次は頭を吹き飛ばす。
まだまだ終わりはしない。
再生が始まる前に肉片すら残さんほどの攻撃の嵐をお見舞いしてやる。
「『魔閃光』!!」
悟飯の技を借りて、右半身を吹き飛ばす。
あとは下半身だけか。
「『ファイナル・フラッシュ』!!」
下半身も消しとばす。
手応えはあった。
五体がこうもバラバラになれば流石に……
「……」
無言でムニュムニュと肉片が動き始める。
それは小さな魔人ブウとなっていきやがる。
それが徐々に集まっていき、またあの姿へと戻りやがった。
こいつを消す方法はもはや一つだけという事が判明した。
「クソッタレ……」
それと同時にどっと疲れが噴き出してくる。
力が抜けていくのがわかる。
大技をこの形態でかなり放っていたからな。
「くそっ、時間切れだ……」
気が萎んでいきやがる。
3の制限時間を俺もカカロットも超えやがった。
不死身の肉体を細胞一つ残さずに消しとばすには火力が不足していやがる。
これじゃあ3の気を最大まで貯めて消し飛ばすのもできん。
体力の消費が想像以上に著しい。
「どうしてもどったんだ?」
不思議な顔をしていやがる。
まあ、いきなり見た目が変わったらわからないな。
「時間が決まっているんだよ」
苦笑いをする。
つまらなくなったという理由でやられるだろうからな。
「お前の不死身の肉体に今の俺では対抗できない」
戦えても持久戦になると無理だ。
一つだけ手はあるが……
ピオーネやブロリーでもきっとこいつを倒すことはできない。
俺たちの方が戦力的には上だろうが不死身の肉体となるとな……。
「そうか……バイバイ」
とどめを刺そうと気を高める。
だがカカロットは諦めてはいない。
頭に手をかざして……
「『太陽拳』!!」
ブウとヒルデガーンの目を晦ませる。
その隙に俺の手を掴んでいる。
ピオーネもブロリーの腕を掴んでいた。
「仕方ないな……」
そう言って神の神殿に戻った。
クリリンやピッコロ。
悟天やトランクスもいた。
「パパ!!」
トランクスが寄ってくる。
どうやらすでに避難はしていたようだな。
「まさか負けたの?」
トランクスが不安な顔をする。
その頭に手を置く。
「不死身の肉体をどうにかすれば勝てる、気にするな」
あれさえなければ勝てる相手だろう。
色々な手を試そうとした結果、時間切れだ。
「そう言えば悟飯さんは?」
聞いてくるか。
チチもいるし隠すべきじゃないな。
「大ダメージを負っていて、界王神が探しにいった」
サラガドゥラが庇った事も言っておく。
あの二人は敵同士ではないから問題はない。
「死んではいないが、気が感じられない以上、界王神たちがどこかに連れて行ってるかもな」
考えられるのはかつてカカロットが修行した界王星。
それを聖域にしたような場所だろう。
「界王神様たちの世界だろう、遠い宇宙かもしれないな」
ピッコロがそう言う。
チチも安心している。
「だが脅威は終わってはいないようだがな……」
下界の方では地響きがする。
邪神と魔人の最悪の行進が始まろうとしていた。
次回は悟飯視点のゼットソード振り回し回になります。
老界王神の登場ですね。
帰巣本能とか動物扱いのサラガドゥラ。
彼については次回掘り下げます。
指摘などありましたらお願いします。
由来:
リーサ:『魔法使いサリー』