とある一族の落ちこぼれ   作:勿忘草

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トワの魔術による『悪役・ゼノ』軍団との対決です。
強化予定が二人います。
ちょっと話数がかかるかもしれません。


『時空からの敵襲』

ヒルデガーンを超サイヤ人4で倒してすぐに神殿へ向かう。

最終的には殺気がなくても攻撃の時に最大の一撃をお見舞いして灰にしてやった。

この力の目の前には魔人ブウもメチカブラもどうしようもない。

だが、そんな俺を待っていたのは機嫌の悪いピオーネだった。

どうやら一緒に戦いたかったらしい。

でも、あんな不健康な状態はなぁ……

 

「でも……胸騒ぎがするな」

 

まだ脅威は終わっていない。

さらなる相手の一手が全員出動の可能性さえある。

そうなると厳しいぜ。

 

「いや、それは間違っちゃあいない」

 

サラガドゥラが口を開く。

どうやら一人倒したが逃してしまったらしく、そいつらが呼んだものが見つけられなかったらしい。

今、水晶玉で見つけに入ってはいる。

 

「見つけても手遅れな可能性はあるな……」

 

同じような奴の反応がいくらもあるらしい。

トワが『時空の異なる奴』を呼んだという事だ。

場合によってはとんでもないことになりかねない。

 

「今のところ、反応は?」

 

険しい顔になっていく。

そして口を開く。

 

「どいつもこいつも邪悪だが……」

 

結構な数があるらしい。

しかもトワの魔術でパワーアップしているようだ。

仕方ないな……

 

「何人呼んでおく?」

 

カカロットやベジータのいずれか一人、ブロリーをそこに加えて五人か?

それとも別の奴にしておくか?

 

「悟空やベジータも疲れている、ここは俺が出よう」

 

そうか、なら今回のメンツはいつもとは全然違った感じだな。

俺たちはすぐに集合させる。

そして集まった面子は……

 

「こんな老兵でも力になれるならばな……」

 

桃白白が苦笑いだが参戦してくれた。

その横には今まで戦ってきていなかった面子もいる。

 

「俺もいつぶりだろうな、修行はしてたがよ」

「そうですね、力になりますよ」

 

ナッパとターブル。

この3人で一つの邪悪に立ち向かう。

 

「俺達も出る」

 

ラディッツさんとニア。

そこにスパーニが加わった3人。

 

「今回ばかりは俺も本気の暴走になるかもしれないからな……」

 

ブロリーもいつになくやる気だ。

単独でやりたいというのもそれが理由だろう。

暴走してしまうとスパーニを傷つけかねない。

 

「単独で俺も行こう」

 

サラガドゥラも頷く。

もとは俺の不始末だと言っている。

それにまだ、メチカブラにも奥の手は残っている。

だからすべて潰しておくべきらしい。

 

「少し準備運動がてらに倒しましょうか」

 

ピオーネが伸びをする。

話を聞くとこの俺が失踪してからの間、鍛錬もなし。

実戦も俺の戦ったヒルデガーンのみ。

ピッコロいわく、だらけまくっていたらしい。

すまない、その全責任は俺だ。

10人がかりとはいえ仮面をつけられた俺のな。

 

「俺とターレス達でもう一つだな」

 

ピッコロも参戦するらしい。

カカロットやベジータは疲れているから今回の参戦はなし。

さらにクリリン達に子供たちは任せておく。

 

「じゃあとにかく今教えてもらった場所に行こう」

 

そう言って神殿から飛び降りる。

お互い戦いが終わればすぐに助けに行くようにする。

犠牲者0で奴らの鼻を明かしてやろう。

その気持ちが全員の胸に宿っていた。

 

.

.

 

「どうやら俺たちの相手だな」

 

小さなフードの相手。

これも呼ばれたのか?

 

「この世界が目当てか?」

 

そう言うと邪悪な気が溢れる。

どうやら野望をがっつり抱いたやつだ。

フードから覗く目が光っている。

 

「お前らの首をとることを手始めにこの星を侵略しよう」

 

笑いながら言ってくる。

随分と甘く見られたものだな。

まあ、そんなガキみたいな奴には一言こういうだけだ。

 

「寝言は寝ていいな」

 

そう言って俺たちは構える。

この3人を一気に相手して勝てると思っているのか?

 

「この世界の支配者であるガーリックJr様に屈服するがいい」

 

そう言うとフードを脱ぎ去って体が肥大化していく。

筋骨隆々の男が目の前に現れた。

 

「どうやら変身型か」

 

そう言ってまずは俺が突っ込んでいく。

コンビネーションの前段階だ。

ターブルに白白、頼んだぜ。

 

「うぉおお!!」

 

手四つで組み合う。

グイグイ押していこうとするが、相手も腰を落としてどっしりと受け止めていやがる。

胸元にある黒い球がこいつらの力の源か。

 

「でも……」

 

一瞬力を抜くと相手は覆いかぶさるようになる。

それに対して腹に膝を叩き込む。

そのまま上へ蹴り上げると白白が奴の体勢を崩していく。

首を足で抱えて錐揉み回転をして落下する、

相手は受け身をとれずに地面へ叩きつけられた。

 

「『鶴首落葉』」

 

むくりと白白は起き上がって距離をとる。

深追いは禁物。

戦いのイロハにおいてはこちとら大ベテランだぜ。

 

「ドーピングで戦闘経験は稼げねえ」

 

相手は背中をつきながら怒りの形相を向けていた。

まだ戦いは始まったばかりだ。

いくら強くなったからって見くびるものじゃあないぜ、小僧。

 

.

.

 

目の前にいるのは武骨な機械。

こちらを見ると向かってくる。

 

「どうやらこれは人造人間のようだな」

 

機械ベースなのかもしれない。

まあ、結構久しぶりの本格的な戦いだ。

気合をいれないとな、

 

「この『ハッチヒャック』にはかなうまい、特に貴様らサイヤ人は念入りになぶってくれる」

 

発明者を見てピンとくる。

この背丈の低さ、そして開発力。

 

「ツフル人か?」

 

ターレスが言う。

俺たちサイヤ人に絶滅させられた先住民。

異なる時空でもその因縁があるのか。

 

「その通り、今こそ貴様らサイヤ人を絶滅させてやる」

 

そう言ってハッチヒャックの前に立つ。

そして胸に手を当てた。

 

「このドクター・ライチーの魂も動力にして、我が怨念で強くなれ、ハッチヒャック!!」

 

そう言うと紫色の泥になるとハッチヒャックの肉体に入り込んでいく。

それが共鳴を起こすように爆発的に圧力が増していく。

まさに復讐のための集大成だ。

 

「いくぞ、全員、気を緩めるなよ!!」

 

俺とスパーニは超サイヤ人となる。

ターレスは界王拳。

ザンギャはそのままの構えだ。

ニアも変身形態となり、対戦の準備は整った。

ハッチヒャックに向かっていくのだった。

 

.

.

 

「異なる時空とはいえ、これはきついな……」

 

俺の目の前にいるのはクウラだ。

胸に黒い球が埋め込まれている。

 

「ナメクジ如きが俺の相手になるとでも?」

 

冷笑するように言ってくる。

俺はあの時、神と同化していなかったからな。

今の俺は努力をしてきた。

そう易々とやられるわけがない。

 

「俺を簡単に倒せると思うなよ!!」

 

ターバンを脱いで全開の体勢をとる。

少しも気は抜けない。

相手も冷静にこっちの実力を見ている。

 

「お遊びなんてものは無しだ」

 

最終形態となって向かってくる。

帝王の兄、クウラ。

たとえ時空が異なろうとも強さは色褪せずさらに鮮明なものとなっているだろう。

俺は集中して相手を見据えるのだった。

 

「はああっ!!」

 

凄い風圧と共に拳が来る。

だがそれを避けて腕を伸ばす。

 

「ふっ!!」

 

その腕を避けるが今度は俺がその腕を奥の方へと縮める。

そうすれば従来とは違い、距離を詰めるのに使える。

 

「成長しないと思うな、『爆力魔波』!!」

 

横っ面に喰らわせてやる。

手応えはあるがこの程度でやられるわけがない。

距離をとって様子を見る。

その間に技の準備をする。

 

「弱い癖にやってくれる……」

 

煙をあげながら睨んでくるクウラ。

しかし、その一撃で済むと思うなよ。

 

「『魔貫光殺法』!!」

 

その一撃の速度に驚くクウラ。

回避をするが睨んだ分対応が遅れたのだろう。

完全に回避できたはずが肩を貫かれていた。

 

「この俺の肩をよくも……」

 

戦闘は知恵を絞ればどうにかなることもある。

一人で勝つのが難しい。

ならば救援を待つ。

俺は今、クウラから冷静さを奪って時間を稼ぐための一手を張りめぐらせていた。

 

.

.

 

「俺の相手はお前か?」

 

海賊のような恰好をした大男。

かなりの実力を誇っているようだな。

はだけている胸から見える黒い球から邪悪な気配がする。

 

「このボージャックに何という態度だ」

 

相手は構えている。

余裕綽々な態度だ。

鼻で笑っている。

 

「貴様こそ…この俺にそんな態度をとっていていいのか?」

 

その余裕をなくしてやる。

全力の力で一気に距離を詰める。

そして拳を奴にめがけて放った。

 

「ぬぅ!?」

 

腕をへし折った感覚がある。

防御していたにもかかわらずだ。

さらに持ち上がってしまう。

奴の足が地面から離れていたのだ。

 

「ごはっ……」

 

うつ伏せになって倒れ込む。

それを持ち上げて放り投げる。

俺はそこへ全速力で追いかけていって……。

 

「貴様には岩盤がお似合いだ!!」

 

ラリアットで岩盤へ叩きこむ。

相手は血を吐いている。

 

「お終いだ」

 

そう言って別の所へ助けに向かおうとすると足が掴まれていた。

相手は姿を変えて全力を出している。

 

「それなら初めから全力で来い」

 

そう言うと突進するように猛烈な勢いで向かってきた。

相手も全力で立ち向かっている。

初めの一撃の重さでこちらの危険度は十分に把握したはずだ。

 

「姿が変わったところで同じだ!!」

 

そう言って拳を顔面へと振るう。

これをどう対処する?

 

「ぬがぁ!!」

 

食らってから拳を出してきた。

こっちの拳に合わせてのクロスカウンター。

口の中が切れたのか血が出ている。

それを吐き出して、相手を見据える。

 

「燃えるなあ……」

 

自分と同格の者がいる。

その楽しさに体がゾクゾクとしはじめる。

さあ、もっと来い。

お互い全力で楽しもう。

 

.

.

 

「はずれかあたりかわからないわね」

 

蒼い肌をした男。

どうやら人造人間のようね。

胸のあたりに黒い球が埋め込まれている。

 

「ソン……ゴクウ……デハナイ、オンナ、ショウサイフメイ……」

 

どうやらお目当ての相手ではないみたいね。

いずれにせよ潰すのだけれど。

 

「分からないまま塵になればいいわ」

 

そう言って駆けていく。

相手も反応をするけれど遅い。

そのまま後ろをとって背中に手刀を突きさす。

 

「装甲が固いから防御が甘いの?、それとも……」

 

私が女だからって見くびっているのかしら?

だったらそのおつむに覚えさせなさい。

私は今、この地球上で最も強い女よ。

 

「ガアッ!!」

 

裏拳を放つが避ける。

そのまま腕をとって受け身をとれないように投げる。

 

「グヘェ!!」

 

起き上がろうとする相手を見下すように見る。

そして笑みを作って手招きをする。

そして一言。

 

「かかっておいで」

 

すると急いで相手は立ち上がる。

相手が煙をあげるように怒りを露わにする。

私は貴方なんかに負けないわよ?

構えて相手を迎え撃つ備えをしていた。

 

.

.

 

「元凶とは言わないが、これがトワの呼んだ奴だな」

 

ふわふわしたような巨人。

だが恐ろしい相手なのだろう。

そう思っていると胸に黒い球が出てきた。

そこから強い魔力と邪悪な力を感じる。

トワは召喚と強化を同時に行なったようだな。

 

「いくぞ」

 

そう言った瞬間、空間が歪む。

魔術が使えるのか。

だが……

 

「歪曲した空間からお前に繋げれば意味はない」

 

そう言って攻撃を仕掛ける。

穴の無いようにするか、バリアーの方がいいだろう。

 

「ジャネンバ!!」

 

身体を柔らかくしてそのまま跳ね回る。

攻撃をバリアーではない方法で無効化したか。

探りを入れずに硬質化させた方がよかったな。

 

「ジャネンバ、ジャネンバ!!」

 

虹色だったり、赤色の球を転がしてくる。

避けていくが玉を浮かせたりしてこっちの距離感を逐一狂わせる。

さっきの空間歪曲とは違うが……

 

「結局は同じことだ、この太っちょ!!」

 

踵落としを放ちながら言ってやった。

瞬間移動がなくても球に乗り移らず、単純な速度で行けばいい。

探るためとはいえ相手に失礼な真似をしたな、遊びすぎた。

 

「ジャネ!?」

 

一瞬、動きが止まってもろに踵落としを受ける。

これで相手の弱点が分かった。

あまりにもあからさますぎた、誤魔化しがきかないくらいにはな。

 

「お前、悪口を言われると全力を出せなくなるんだろ」

 

そう言って首を鳴らす。

そうと分かればすぐにお前をつぶすだけだ。

俺は楽しんではいるが無為に時間を延ばす趣味はないんでな。

 

.

.

 

「トワの奴、二度と見たくない面を用意しやがって……」

 

まさか時空を超えていてもこいつらがいるなんてな。

溜息しか出ない。

相手の嫌がることをすることにかけてはプロフェッショナルだわ。

 

「酷い言い草だな」

 

肩をすくめながら、にやけ面をしているカエンサ。

胸の黒い球が妖しく光っている。

 

「全くだ」

 

その横で腕組みをしながら頷くラブカ。

こっちは煌々と光っている。

きっとこれがトワの施した強化魔術の名残だろう。

 

「この歴史からお前を抹殺してやろう」

 

カエンサがそう言って気が高まっていく。

球が光っていく。

この気の増え方は……

 

「はあっ!!」

 

強化の恩恵を受けすぎだな。

超サイヤ人3とは……

 

「劣等なる存在はここで淘汰されるべきだ」

 

ラブカも同様に超サイヤ人3となる。

トワの奴、やりすぎだな。

きっとデメリットがあるはずだ。

俺からすればどうでもいいことだが。

 

「こいよ、未来からも、異なる世界からもお前らは抹消してやる」

 

そう言って気を高める。

これが異なる時空のお前らも知らない。

究極形態の一つ。

 

「超サイヤ人4だ」

 

それを見た同時に仕掛けてくる。

しかし……

 

「くすぐったい」

 

ラブカの蹴りを食らうが全然効いていない。

足を掴んでそのまま地面へ叩きつける。

 

「グフッ!!」

 

肺の空気を全て吐き出したような呼吸。

只の投げですら、超サイヤ人の必殺技並の攻撃になっている。

 

「くっ!!」

 

拳を振るってくるがそれより圧倒的な速度で拳を叩き込む。

人中や股間といった正中線に。

 

「グヘラッ!!」

 

その攻撃に吹っ飛んでいき、うずくまる。

二人ともこの程度なのか?

 

「『イービル・カンテラ』!!」

 

黒い光による太陽拳だ。

しかしこの程度、通用しない。

そう思っていると…

 

「『シュバルツ・ケージ』!!」

 

黒い気功砲を食らう。

僅かに吹き飛ぶ。

効かないと思って立ち上がろうとすると……

 

「はっ!!」

 

足元を崩されてつまずく。

跳躍する暇もなかった。

 

「『はっ』!!」

 

なるほど、フュージョンで対抗しようとしたんだな。

実力差を埋める方法の為に時間を稼いでいたのか。

 

「これならどうだ!!」

 

そう言ってアッパーを顎に決められる。

体勢を整える前だったから、避ける暇もない。

しかし……

 

「さっきと変わらずくすぐったいだけだ」

 

そう言って立ち上がって相手を見る。

そしてブロリーではないがこの言葉を言ってやる。

慈悲の欠片がまるでないのだと印象付けてやる

 

「お前らを血祭りにあげてやる」

 

そう言って気をふき出させる。

そして奴に向かって歩を進めるのだった。




ちなみに戦いのメンツは
『ガーリックJr・ゼノ』 VS 『ナッパ・ターブル・桃白白』
『ハッチヒャック・ゼノ』VS
 『ターレス・ラディッツ・ニア・スパーニ・ザンギャ』
『クウラ・ゼノ』VS『ピッコロ』
『ボージャック・ゼノ』VS『ブロリー』
『合体13号・ゼノ』VS『ピオーネ』
『ジャネンバ・ゼノ』VS『サラガドゥラ』
『カエンサ・ゼノ&ラブカ・ゼノ』VS『ガタバル』
です。
劇場版から掘り起こしました。

指摘などありましたらお願いします。

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