設定としては複雑だったり分かりにくくなるかもしれません。
プロフィールでもまた記述しておきます。
ピオーネとの子育てがひと段落したころ。
あの痣について考える日が多くなっていた。
医学的には特に悪性でもない。
「相談してみるか」
そう言って界王神様やピッコロ。
知恵を持つ人との話し合いをしてみた。
「まず痣は今までになく今回の第二子の誕生に伴って浮き出てきた」
そう言って推測を立てたのはピッコロ。
思ったより速いな。
「超サイヤ人4のサイヤパワー、つまり強い一撃を常に体の中に打ちつけられたことによる潜在能力の開花ではないだろうか?」
仮にそうだとしたら今までのあの強さに合わせて上がっていくのもその前触れだったかもしれない。
それの目覚める強さに達して紋章が浮かんだのか?
「どんな形をしていましたか?」
それも重要な部分だな。
確か形は……
「三又の矛ですが思い当たる節は?」
砂に書くようにして形を表す。
形をしげしげと眺めるが界王神様は首をかしげて思い当たる事は無いと言ってきた。
この人の知識って老界王神様に比べたら少ないよな?
「……まさかの話じゃが」
少し半信半疑といったような感じだった。
いったいどういった事を思ったんだろう。
「お前さん、この宇宙が何個あるか知っとるか?」
こっちの疑問へ答えるのではなく、いきなりそのような事を言い出した。
宇宙が何個?
俺はかつてズノーから聞いたのには俺たちが第七宇宙で、その隣が第六宇宙。
その二つしか知らない。
「まあ、知らんのも無理はない、答えは12じゃ」
応えられないのを察してか。
老界王神様が答えてくれる。
だが次に補足が入る。
「しかし昔は18あったんじゃよ」
今より6つ多かった。
何故減ってしまったのだろうか。
それを感じ取ったのか、老界王神様が話を続ける。
「何故今、6つの宇宙がないのかというとな……」
ごくりと喉を鳴らしてそのことを伝えようとする。
恐れ多いという様に。
怯えよりも軽々しく口にしてはいけないと己を戒めるような感じだ。
「我等より上のお方、『全王』様によって消滅したからじゃ」
多かったこと。
そして惑星の民族のレベルが低い事。
また、危険な存在が跋扈したこと。
「かつての第十八宇宙ではな、破壊神が強さを望み、界王神と共に創生した星の民がおった」
破壊の神が強さを望み、それに応じた創造の神。
恐ろしい考えといってもいい。
どうあがいても目をつけられてしかるべき内容。
「破壊神が望む強さとは自分と同等、そして何が問題であったか」
つまり神の強さを持った人々の創造。
そんなとんでもない事をしたのか……
問題点は何があったのだろう。
「それは『人間レベル』が一番高かったことじゃ」
その人間レベルの高さを利用して最高峰の星と種族の確立を行った。
その結果、普通の宇宙のように数万年、もしくは数重、数百万年という果てしない時間。
それらを要することなく突然変異のようにとてつもない資質と力を持った人々で溢れかえった。
この創生の結果、凶暴なサイヤ人と違い、頭脳面もかなり高く老界王神様も一度若い時に見たがその高すぎるポテンシャルに身震いがしたらしい。
「神殺しを完遂可能と言われた種族、惑星バンヤの民」
つまり少なくてもズノーでかつて聞いた超サイヤ人ゴッド以上の強さになるのか。
その先祖の血が今回のそう言った行為の末に目覚めた。
つまり潜在能力というピッコロの推測はあながち間違いではなかった。
「それがあの女の正体じゃないかのう」
すなわち神の強さを将来的に要する人。
そんな存在が破壊神や全王と呼ばれる方に知れてしまったら……
「しかしキューブを使ったとはいえよく第七宇宙に飛ばせたな、いや……消滅前から飛ばしておったのか?」
老界王神様が首をかしげてうんうんと唸る。
自分がいた時でこんなことが有れば、このような真似はさせなかった。
そういいたげである。
「神の乗り物に乗せてまで残したい存在だったんじゃろう」
しかし、それから悠久の時は過ぎていく。
その過程で破壊神ビルス様たちが気づかぬような辺境の星々に移り住んだ。
元より人間としてのレベルの高さが相まってその星の文化レベルは上がっていく。
それを繰り返していく事でいろいろと特徴的な星は出てきた。
しかし子孫の繁栄が高すぎるがゆえに種族の種を残せず、同族同士での繁栄で純度のみが高まっていった。
まるで蟲毒のような形になってしまい徐々に減っていく。
その結果、神殺しの種族の純度が極限の値まで高くなる。
それが先祖から遠く時が過ぎ去っていき潜在能力、もしくは埋もれてしまった力となる。
その埋もれたものが今回引き出されたというわけだ。
「最後の一人じゃったとしてもお前さんの為に力を使っておるし」
ピオーネが危険ではないと知っている。
仮にかつての埋もれていない状態ならば、繁栄もなく地球やほかの星がその民に侵略されてもおかしくはなかった。
「そう考えると危険ではないでしょうね」
サラガドゥラも頷く。
そう言えばお前も一人は消滅させていたよな?
つまりおまえも神の中ではかなりえげつないんじゃ……
「ビルス様が起きたら相談しておかねばならん」
破壊の対象になるか危険性がないから見逃すか。
あのお方は気まぐれじゃからな。
それだけ言って老界王神様はお茶を飲みに戻った。
「わざわざ手間を取らせてすみませんでした」
きっとピオーネ自身も知らない事。
いつかは打ち明けないといけない事。
それをどう切り出すかを悩みながら神殿へと戻った。
.
.
.
その悩みはすぐに霧散した。
本人も出生を知っていなかったのかきょとん顔だった。
あくまで予想だから何かしらの方法で証明しない事には確約はない。
「これを確実に知る人はまだこっちに向かってはいないからな」
破壊神ビルス様。
そのお方と付き人ならばわかるらしい。
起きてもらわないとな。
それに予知の内容から考えて、何とかしてベジータに超サイヤ人ゴッドになって貰っておくか?
カカロットの奴はきっとなれても最初から本気を出さない悪癖のせいでお怒りを買う可能性まである。
「でも、それなら努力して伸びたり同じぐらい強くなったのも納得だね」
眠っていたのが徐々に起きていたというわけだからな。
もしその純度が高すぎたならば、神をも超えていく。
その為には今まで以上の鍛錬が必要なわけだが。
「とにかく今まで通りでいいよ」
いきなり立ち居振る舞い変わったり、遠慮されると困る。
向こうもいきなりこっちが下手に出たら気分が悪いだろう。
それを分かっているからか頷く。
「それはそうと悟飯君は最近どうなの?」
そう言えばあいつ、サタンの娘と交際しているらしいな。
お互いが初々しいらしい。
ちょっかい出そうとラディッツが考えたがニアに止められていた。
なんやかんやで面倒見がいい。
ただ悪い方向に行くこともしばしば。
ピッコロは見守っているようだが、恋愛自体を知らない。
腑抜けていないかどうかを確認しているだけのようだ。
「交際も続いているし結婚もあるんじゃないのか?」
そうだとしてもまだあと一年ぐらいはかかるだろう。
速くしても、誰も咎めはしないだろうに。
奥手なんだな、あいつ。
「そうなったら誰がスピーチするんだろうね?」
ピッコロだろうな。
肌の色以外は問題ないから何かしらの魔術で見た目変えてもらえばいいのに。
カカロットはあまりこういうのはできない。
もしくはベジータやクリリンあたりか?
「ほとんど消去法しかないのがつらい……」
一般的な人生を送ったりとかしていないからな。
普通なら友人ぐらいに頼めそうなものなのに。
「まあ、何とかなるでしょ」
そう言って家事に戻る。
その時に考えたらいいもんな。
「お父さん」
ターサが声をかけてきた。
どうやら修業のようだ。
俺としてはそこまで強くならなくてもいいと思うんだがな。
事実10歳で超サイヤ人3とかあの日の悟飯以上だし。
「じゃあ組手するか?」
そう言うと頷く。
岩山に飛んでいき、向かい合う。
「本気で来いよ」
遠慮するんじゃない。
そう目で訴えて構える。
その気持ちを汲み取ったのか、一気に超サイヤ人3となって向かってくる。
「ハアアアッ!!」
拳を振るう。
それをひょいひょいと避けていく。
時に手で受け止めてやる。
「やぁっ!!」
跳び後ろ回し蹴り。
交差して受けようとする。
しかし…
「かっ!!」
手から気弾を出す。
その反動でフェイントをかけてきた。
そしてムーンサルトキック。
「ぬっ……」
頭部に蹴りが当たる。
すると地上にターサが降りて指をちょいちょいとする。
地上戦がお望みか。
「良いだろう」
そう返して地上で向かい合う。
じりじりと間合いが詰まる。
お互いの必殺の間合いに。
「ふっ!!」
蹴りを放ってくる。
それを受け止めて後ろに飛び、その勢いを吸収。
勢いのまま、先に着いた足を軸にして蹴りをこちらが放つ。
「むむ!!」
頭を下げて回避していく。
だが……
「があっ!!」
途中で止めて踵落とし。
フェイントだ。
さて、どうする?
「『ギャリック砲』!!」
ベジータの技を放つ。
それを活かして逃げるのではなく、あえて懐まで入っていく。
そして片足を掴んで……
「うぉおおおお!!」
雄たけびと共に俺を上へと投げる。
そして一気に気弾を雨霰のように放ち始めた。
「だりゃりゃりゃ!!」
回避できる速度も混ぜてはいるが……
これはあの技だろう。
何度も見たらわかる。
「『魔空包囲弾』!!」
一気に寄せ集める。
その瞬間、額に指をあてて瞬間移動。
地味にピッコロとベジータの技は人気があるな。
「『太陽拳』!!」
目晦ましをしてくる。
またも、距離を取られてしまう。
「『アルバトロス・ブラスター』!!」
まさか俺の技を使ってくるとはな。
嬉しいがこっちは本家本元。
負けてやる気はさらさらないぜ。
「『アルバトロス・ブラスター』!!」
同じ技がぶつかり合う。
だがそれは実質違っていた。
大きさが違う。
練磨されてきた度合いが違う。
まるで雛鳥を食いちぎるかのように。
一方的にその一撃に打ち勝っていた。
「ほれ」
上に逸らして事なきを得る。
組み手で遠慮するなとは言った。
「お父さんは本気で来ているの?」
ターサが疑惑の目を向ける。
我が子相手に本気で殴るのは気が引ける。
だから受けに回っていた。
「まあ、同じ変身形態を使ったうえでも、お前に気を使っていたからな……」
仕方ない。
見抜かれるとは演技派ではないようだ。
まだ、若い頃は出来ていたものが今になると出来ていないとは時代を感じる。
「これが3でのフルパワーだ」
そう言って目の前から消える。
ターサは気の感知で先に目を向けるが遅い。
残像まで作り出しているのだから。
「はあっ!!」
蹴りを放つが空振りする。
残像に放ったのだから。
そして緩やかに後ろに陣取って……
「はい、組手はお終い」
首筋にトンと手刀で一撃を加える。
それで超サイヤ人3が解けて気絶をする。
それを抱えて自宅へと戻った。
「ターサとの組手お疲れ様」
抱えているのを見て笑う。
実力差があるにもかかわらず、こっちの組手でターサのレベルを引き上げてはいるからな。
そして最近は技についての研鑽が入り始めている。
明日も話し合いをするつもりだ。
「相手なら私がしてあげてもいいのよ?」
そうは言うがまだまだゲンサイの面倒を見ないとな。
頼むことはあるだろうけど。
笑ってお願いするとジェスチャーをした。
そんな事をしていると不意に未来がまた見えた。
そしてその未来は自分にとっては輝きに満ちた未来でもあった。
その日が来ることを心待ちにしてしまう。
そう言えるだけの素晴らしい予知だった。
予定より飛ばしにくくなっていて話数を使ってしまっています。
『超』で言っていた『18の宇宙』と現在放送中で
『第1宇宙』が『人間レベル』が最高とのことで
昔は対になっていた『第18宇宙』の破壊神と界王神によって作られた最強の民族といった設定です。
指摘などありましたらお願いします。