とある一族の落ちこぼれ   作:勿忘草

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悟飯の結婚式と感想欄の追記で貰った案を使った話となっております。
この二次創作では
『超フルパワー超サイヤ人4』 = 『超サイヤ人ブルー』となっております。
その為、ウイスがベジータ達に言っていた二人がかりならあるいは勝てるというのはガタバルとブロリーにも当てはまります。


『研究会』

今はブルマさんの家に集まっている。

メンバーはベジータ、ナッパ、ピッコロ、クリリン、天津飯。

それ以外には俺とターサやブロリーとロマネも来た。

トランクスは強制参加である。

 

「スパーニは?」

 

そう言うとブロリーが気まずそうな顔をしている。

何かあったのか?

まさか夫婦喧嘩じゃないだろうな?

 

「実は……」

 

どうやら第二子を妊娠したらしい。

それで安定期に入る前に今回の事があったから不参加のようだ。

それならばそれで問題ない。

サイヤ人は出来れば参加してほしかったがカカロットは界王様の所に行きやがった。

悟飯はビーデルとのデート。

次回は来ると言っていたし恋路を邪魔するほど野暮じゃない。

悟天はチチさんの勉強から逃れられなかった。

ターレスはターブルとの組み手をしているらしい。

ラディッツは今日は仕事。

 

「とにかく重要な話し合いのようだな」

 

ピッコロが口を開く。

そうだな、これからの俺達にもかかわる。

 

「ああ、実は技についての話し合いなんだ」

 

それを聞くとベジータがピクリと動く。

今の状態だと地味に技のレパートリーが少ないからな。

こっちの技をあんまりパクろうとはしないし。

 

「ベジータには悪いが、俺も俺の娘もそしてピッコロも『ファイナルフラッシュ』を使った事がある」

 

少し満更でもない顔をしている。

まあ、そりゃあ自分の技が優れていることの証明だからな。

 

「それ以外にも隙づくりのために『太陽拳』を使っているな」

 

それを言うと頷くのが何人もいる。

どうやらピッコロも最近の悟飯との組手で使っているらしい。

それを踏まえたうえで研究をして新技開発に乗り出そうというわけだ。

 

「やはり大技以外にもつなぐための技はどうだ?」

 

相手の隙をつかないと大技をそのまま当てるのは厳しい。

ピッコロの『魔空包囲弾』のように囲む技は少ない。

『気功砲』は範囲は広いが寿命を削る。

 

「基本的に俺の技は大技だからな……」

 

ベジータがそう言うと全員が頷く。

よく言えば高火力。

悪く言えば大雑把。

 

「まあ、そこいらの充実は欲しいよな」

 

クリリンも言ってくる。

気円斬とかあるからお前は良いけどな。

 

「しかしお前の参加は必要か?」

 

ナッパが俺に言ってくる。

速射性に優れた技。

隙を作る技。

とどめの大技。

牽制の技。

あらゆるジャンルの技がある。

いざとなれば相手の技も盗む。

だがそんな俺でも研鑽を惜しむような真似はしない。

 

「相手を的確に油断なく倒せないとな」

 

そう言ってトランクスやベジータを見る。

思う事があるのか顔を逸らしたのはトランクスだった。

 

「技の数は戦い方の幅につながるからな」

 

天津飯が言う。

どどん波と気功砲、太陽拳の三個しかおまえはないからな。

かめはめ波はできるようだけど。

 

「じゃあ、繋ぐにしてもどうする?、速射性か相手の動きを封じるか」

 

場を立て直すような方向にも持って行ける封じる技。

相手の技のタイミングを外せる速射性。

 

「攻撃で多少ダメージの見込みがある速射性がいいな」

 

クリリンが言ってくる。

その意見にトランクスとベジータが頷く。

攻撃的なおまえら二人はらしいな。

 

「ラディッツのような隙を作り出すのもなかなか乙なもんだぜ」

 

ナッパが言ってくる。

ピッコロは頷くが天津飯は速射性を押したいらしい。

太陽拳がすでにあるからな。

多数決で言えば速射性のようだ。

 

「じゃあ、速射性だがどれだけの速度で相手に攻撃をするかだな」

 

速すぎてもこっちの攻撃が途切れかねない場合は諸刃の剣。

かといって合間を開けてしまえば技としてはダメだ。

 

「片手でファイナルフラッシュが出せるならその技で相手をのけぞらせてからのコンビネーションがある」

 

そう言うとベジータがにやりと笑う。

俺はそれを見て、あの技を思い出す。

 

「『ビッグバン・アタック』がすでに俺様にはある」

 

片手の技でも最上級の威力。

のけぞった次の瞬間には相手を倒せる。

 

「ならばその技を編み出していくか」

 

ピッコロと俺が中心になって考え始める。

技の研究に情熱を燃やし続けるのであった。

 

.

.

 

そういった研鑽があり、ブウとの戦いから三年半も経った頃。

悟飯の結婚式が行われた。

綺麗なタキシードを着てきりっとしている。

ビーデルの方も綺麗なドレスを着ていた。

遠い所から俺たちは見ていた。

サタンやカカロット、悟天たちがサポートしていく。

 

誓いの言葉からの口づけ。

バージンロード。

見れば見るほど昨日の事のようだ。

あの日からもう12年。

できれば仮面装着時の4年間はちょっとなかったことにしてほしい。

 

「自分たちもあんな感じだったんだと思うとね……」

 

頬をポリポリとかく。

年を取ったからこその表現だろう。

初々しいと感じるのは。

自分たちの時はまだ積極さがあった気がしないでもない。

 

「あと十年したらこの子も歩くんだね……」

 

ターサの頭をなでている。

どうせならいい男と連れ合いになってほしい。

無知なる人をひっかけたりとかの悪党や暴力を振るうような野蛮な男。

あとは……女癖が悪い奴。

えっ、自分は暴力振るっているじゃないかだって?

あれは戦闘だからノーカウント。

そう言う系統ではなく日常生活やデートの中で一方的な暴力を振るう男って意味ね。

 

そんな事を考えていると前に感じた予感がさらに強まっていた。

体中の毛穴という毛穴から冷や汗が出る感覚。

背骨が氷柱に変わったような、まさに言葉の通り背筋が凍り付いてしまう感覚。

 

「老界王神様たちは気づいてはいない」

 

前の予感は近々目覚める予感だった。

だがこの予感の強さはもうそんなに遠くないことを表している。

そして未来が見えた。

 

.

.

 

「『限界を超えた先はどうやら僕の半分ほどの強さはあるみたいだね』」

 

そう言ってにやりと笑うビルス様。

俺とブロリーが組んだ形で超サイヤ人4の超フルパワーを使い、ビルス様と戦っている。

しかしそれでも余裕を崩していなかった。

ちらりと見るとピッコロは気絶しているし悟天たちも肩で息をしている。

フュージョンが切れたんだろう。

おいおい……ピオーネとブルマさんは何を……

文句を言ってはたかれる。

ピオーネは思い切りの一撃だったのか額から血を流していた。

そこで俺の未来視は終わった。

 

.

.

 

「どうしたの?」

 

未来視でぼーっとしていたか。

別に何でもないと言って拳を握り締める。

自分たちの限界を極めていても神に叶わないのだろうか?

 

「パーティーがあるから行こう」

 

そう言って俺の手を引く。

自分の力をこれ以上引き出すにはどうすればいい?

そういった考えが頭の中に渦巻く。

一人で無理なら二人。

フュージョンでいい。

だがどうしても一人だけで戦うのならば?

その時の奥の手は必要だ。

 

「はあぁ……」

 

溜息はつくもののパーティーを楽しむ。

これから先の未来を明るい形にするための手を内心で考えながら。

悟飯が写真を撮ろうと呼びかけていた。

ピッコロの奴に目を閉じないように言っておく。

あまり経験がないからそうするだろうと思ったのだ。

 

「さて……」

 

カメラを俺が構える。

ばっちり決めてやるから安心しろよ。

 

「ピッコロ真ん中にもう少しよれ、見切れてる」

 

カカロットとチチさんもサイドからもう少し詰めてくれ。

悟天は肩に乗る形でな。

よしよし。

 

「写真いくぞ!!」

 

そう言ってから一拍おいてシャッターを切る。

全員が収まっている。

誰も目をつぶってはいない。

現像は後日しておくように伝えてカメラを返す。

 

「さて……食べるの再開するか」

 

そう言ってたくさんの食事をとる。

こういった時ぐらいは食欲を抑えない。

普段はたくさん食べないように心掛けてはいる。

 

「老界王神様の限界突破でも無理と言われた手前、手詰まりかもな」

 

正直それがいけるならばまだいけるとは思うんだがな。

潜在能力を限界以上にまで引き出しているという事だ。

俺もブロリーもそこまで来た。

残されたのはゴッドだけである。

しかしどうもそれは違う気がする。

神ではなくサイヤ人としての境地に至ること。

あいにくどちらも神様の世界を見たいという願望は無い。

 

「ベジータも半信半疑で受け入れてくれなかったし」

 

溜息が止まらない。

何とかなればいいんだがな。

地球が消えたらシャレにならないし。

 

「なる様にしかならないか」

 

そう言って二次会で酒を飲み、今日一日は思い切り心配事を忘れるようにしていた。

それが少しでも明日からのこの重苦しさを減らすと信じて。

だがこの時自分は分かっていなかった。

 

その翌日……

 

「頭が凄く割れるように痛い……」

 

ガンガンと鳴り響いている。

どうやら生まれて初めて二日酔いというものにかかったようだ。

 

「はい、よく効くよ」

 

ピオーネに出された飲み物をすする。

ほっと心が落ち着く。

体につけられたものがほどけるような感覚だ。

今、この瞬間が穏やかな平和だと痛む頭の中で考えるのだった。




短いお話になってしまっております。
次回から『神と神』編に入っていけるようにしていきます。
指摘などありましたらお願いします。

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