今回から3話ほど対抗戦の予定です。
短くなってしまいますがご了承ください。
「なかなかの面子を集めたものだな」
ピッコロと話している。
破壊神との対抗試合。
そのメンバーを聞いていた。
俺とベジータとカカロット。
ザンギャとニア。
そしてお前とビルス様が言っていた謎の戦士であるモナカ。
「しかし、モナカという最強の戦士か」
俺はあの時の眼に違和感を感じていた。
よもや、破壊神が嘘をつくとは思えないが……
「戦う順番についてはそのモナカを大将固定で悟空やベジータが副将か?」
ピッコロが聞いてくるので俺も頷く。
女性陣に先に出てもらう。
きっと後々が厳しいからな。
「お前は第6宇宙に対して何か知らないのか?」
ピッコロが質問を重ねるので俺は再度頷く。
ただ可能性としてあるのは……
「対であるがゆえにサイヤ人やお前のようにナメック星人がいるかもしれない」
それが懸念材料だ。
俺の鏡が居るのか。
ピオーネのような存在はいない。
もしいたとしたら第1宇宙の消滅を疑わないといけない。
「それならば全力投球で行かねばいけないな、一人一倒だ」
相手を息絶えさせてしまうとダメなので言葉としては倒すが正しい。
とにかく誘った面子も修行を始めたようだ。
気が噴き出したのを感じた。
「俺達もビルス様の所で伝えておかないとな」
お土産にショートケーキを持っていく。
瞬間移動で星に行く。
どうやらブロリーは瞑想で調整しているようだ。
「では、当日頼んだぞ」
ビルス様が初めて見る存在に声をかけている。
あまり凄味を感じない見た目だ。
視界感じ取れないだけで凄い実力者かもしれん。
あれがモナカか。
「本当にいいんですか、ビルス様?」
ウイスさんがビルス様に耳打ちをする。
一体どういう事だ。
「良いんだよ、素人で、悟空とベジータを発奮させるんだから」
そんな声が聞こえた。
額を押さえているピッコロに変わって俺がビルス様の肩を叩く。
「誰だ!?」
俺の姿を見て青ざめる。
口は堅いからばらす事はしないが、こんな真似をしないと本気で戦わないと思われているとは……
あの二人のせいで重要な枠を減らしたも同然じゃないか。
「今の聞いたか?」
その問いに頷く。
あきれ返っているのが分かったのだろう。
「疑ってはいないんだが……」
そういうと肩に触れた手に力を籠める。
超サイヤ人4フルパワーで睨み付ける。
「心中お察しいたします」
背中を向けて溜息をつく。
そして振り向きざまに言い放つ。
「俺たちが頑張ってあいつらを発奮させますよ」
そうなるとあいつらの前に自分が出ることになるんですけどね。
どうにかうまくいってほしい。
「まあまあ、ガタバルさんもそんなに気負わずに……」
ウイスさんが制する。
そして箱を渡す。
今回はショートケーキだ。
「で……どういった用件できたんだ?」
そう言えばそうだったな。
メンバーが決まったので伝えに来たんだった。
メンバー表を見せて一人一人の説明をする。
どういった能力を持っているのか、どれほどの戦闘力を保持しているか事細かに伝えていく。
「全員が超サイヤ人並みの実力を最低でも保持しているのか……」
お前ら、真剣に考えていたのか。
そんな事を呟いている。
ええ、考えていたんですよ。
生半可な奴を連れていくわけにもいきませんからね。
「とにかく当日の順番はそちらで考えてください」
メンバー表を渡しておく。
さて……修行でもして仕上げておくか。
「しかし神が嘘をついていいのか?」
二人とも界王神界に居た。
ピッコロは瞑想をしている。
俺はサラガドゥラと組み手をしながらさっきまでの事を伝える。
「いや、いかんでしょ」
こっちの拳を受け止める。
そして投げてくるが着地。
「まあ、許してやった方がいい」
分かっているがなんかあの二人に戦闘に関してあまり信用されていないのがな……
それもこれもカカロットやベジータのツケがこうやって回っているだけである。
あいつらが相手に合わせるなんて真似をしなければこうはなっていない。
「あいつらに回す前に決着をつけてもいいかもな」
そうなると俺が大車輪の活躍だな。
ニアとザンギャが1人ずつ倒してくれたらそれでいい。
そんな事を考えながら修行で当日までの時間を過ごした。
全員がカプセルコーポレーションに集まる。
これがキューブか。
神の乗り物というに値する。
カカロットの家族たちも入っていくが当の本人たちがいない。
すると修行でベジータと共に『精神と時の部屋』で過ごしていたのか髭は伸び放題。
体臭がきつい状態で来やがった。
すぐに風呂に入って貰って出発。
キューブ内で食事を済ませていく。
対戦する中でも俺とピッコロは食わなかった。
ニアとザンギャ、そしてモナカも多少で済ませている。
カカロットとベジータはがつがつと食べている。
空腹で飢えるからこそ相手を仕留める野生が目覚める。
そして数分後、まさに何にもない星にたどり着く。
「さて……着陸するぞ」
そう言ってみんなが着陸する。
先についている第6宇宙の戦士たち。
よく見るとなかなかの面子だった。
クマのような奴。
フリーザによく居た奴。
さらにはメタルマン。
そしてサイヤ人の男性が一人。
女性のサイヤ人も一人。
紫の肌をした恐ろしい威圧感の男。
だが一際目を引くのはフードを被った戦士。
「特にあのフードの人と紫肌の人は要注意だぞ、ピッコロ」
肘でつついて忠告する。
それには気づいているようで冷や汗をかきながら頷く。
「ああ……わかるが流石にあれは大将と副将だろう」
そんな事を言っていると観客として選手間の家族は遠ざけられて俺達と武舞台。
武舞台の中央にはレフェリー。
そして上空にウイスさん達がいた。
ルールの説明が入る。
場外に出た場合は敗北。
武器などの攻撃は反則となり敗北(気で生成した槍型気弾等は例外)。
テンカウントで起き上がれないと敗北。
降参も敗北。
説明が終わったら待機場所に戻る。
そして順番が発表される。
ビルス様たちによって吟味された順番は……
「第一試合、第7宇宙:ザンギャ選手と第6宇宙:ボタモ選手、武舞台におあがりください!!」
ザンギャはコキコキと首を鳴らして武舞台にふわりと着地する。
相手であるボタモは勢いよく飛び出してぐるぐると回転してから着地する。
「試合……始め!!」
両者が構えると同時にレフェリーの大きな声が響く。
先に仕掛けるのはザンギャ。
拳を腹に打ち込みにいく。
本来ならば防御するはずが相手ががら空きにしている。
そしてくの字になった顔面を殴るのだろう。
しかし…
「なっ!?」
腹がゴムのように伸びていく。
衝撃を吸収しているのか?
それを見て何度も打ち込む。
ボムボムと音を立てて何度も無効化している。
「今度はこっちからいくぞ」
そう言って拳を振るうも避けていく。
気弾などの動きも見るが並のレベルだ。
あの特殊体質が要か?
「避けていても変わらないわね」
ピンときたか?
俺はあの体質なら勝ち方は場外に放り出す以外は無い。
異空間にダメージを飛ばしていた場合はどうしようもない。
限りがあの体質にあるのならば4で倒せそうだが……
「ハアアアア!!!」
ラッシュを再度かける。
またもやボムボムと音を立てて弾むボタモの腹。
だがそこに活路は見えた。
あの弾性を活かせたカウンターもしない。
そして最大の弱点は異空間に飛ばそうが無効化にしようが……
「『ルビー・シューティング』!!」
腕を上にして気弾をボタモに向かって雨霰のように降らす。
それはわざと外していた。
ある一点を崩すために。
「効いていないぜ?」
そうボタモが言った瞬間、ザンギャが三度目のラッシュをかける。
俺達には狙いがわかる。
その後ろに差し掛かればもうこの勝負は決まる。
「なっ!?」
足がガクンとなる。
そこにアッパーを放つ。
腹部から突き上げることで宙に浮く。
「くっ……」
足をバタバタさせるが全然効果がない。
そしてそのまま気を高めて……
「『エメラルド・ボウガン』!!」
そのまま場外に吹っ飛んでいく。
特殊体質にかまけすぎだ。
面白そうではあったけどな。
「道連れだぁ!!」
口から特大の気弾を出す。
しかし平然と回避をされてしまいボタモはあえなく敗北。
まずは第7宇宙が先勝。
「勝者、ザンギャ選手!!」
第7宇宙から歓声が沸き上がる。
しかし即座に次の試合へ。
「第2試合、ザンギャ選手と第6宇宙:フロスト選手の試合……始め!!」
まずは小さな状態で様子見をしようとする。
しかしあっという間にその甘さは窮地に追い込まれる。
そんな事をしても平然と勝利に貪欲だからだ。
その後に『突撃形態』というものになるが、それで圧倒していく。
速度も攻撃力の重さも駆け引きもザンギャの方が上。
最終形態になっていく。
その瞬間、きな臭さを感じた。
始まる前に言っていた良い言葉の裏にある邪悪な感覚。
ラッシュの途中で違和感を見つけた。
掌で受けただけのザンギャの動きが鈍り、そのまま蹴られて場外へ。
何が起こってしまったのか、ピッコロに目線を送る。
首を振っている。
カカロットやベジータも同様。
超能力でもなさそうだから種はあるだろう。
「一体あれは何だったんだ?」
ターレスが運んでくる。
ビルス様が聞くが俺を含めて首を振る。
邪悪な予感はあったが……
「種明かしをしてもらわないとまずいな」
そう言って第三試合。
こちらの代表はニア。
武舞台に立った瞬間、一気に肉体を肥大化。
変身をする。
またもやすさまじい変身を手に入れたな。
ザシュザシュと後ろ足で地面を撫でる。
「始め!!」
その言葉と同時にフロストを叩きつける。
速度に優れた動物の脚力だ。
「ぐっ!!」
尻尾の一撃を放ってくるが爪で引っ掻く。
痛々しい傷跡を残し、血が滴る。
「ハアッ!!」
首を尻尾で締め付ける。
そのまま絞め落とす気だ。
「くっ!!」
小型に戻って一瞬離脱をして、またもや最終形態に。
そしてラッシュを仕掛ける。
その瞬間、ニアが力を込めていた。
「ラララ!!」
腕を叩くなどして攻撃をさせない。
しかし尻尾で一瞬視界を遮る。
「ぐっ……!?」
後退しようとしていたニアの足を踏んでいた。
そのまま接近をして拳の一撃を放つ。
その瞬間、千里眼で奴の腕を注視する。
すると、キラリと見える尖ったもの。
毒針を仕込んでいたか。
「もらった……」
そう言ってにやりと笑うフロスト。
しかしその顔をするのはまだ早い。
ニアは既に別の動物の姿に変身をしていた。
とは言っても一瞬間に合わず掠ってしまっている。
しかしそれでもニアはけろりとした顔でフロストを睨んでいた。
「何故……!?」
フロストが驚いている。
あの変身した動物の皮膚に秘密がある。
あれは……
「豚はね……そのぶ厚い皮膚で毒を通さないの」
そう言って蹄で殴る。
場外まで吹っ飛んでいった。
しかし試合終了するとニアの体がふらつく。
「次の試合はダメね」
ふらふらとして次の試合を棄権する。
レフェリーにボディチェックをしてもらった結果、フロストの体に毒針が入っていた。
素性が明らかになった瞬間、みんなから非難を浴びる。
そしてそれを倒したニアに賞賛の嵐。
「次……頼んだぞ」
そう言ってビルス様に肩を叩かれる。
シャンパ様がニヤリと笑う。
次の瞬間、その顔は驚愕に歪むのさ。
「最初から全開で?」
様子見とかは必要なのか。
一応確認をとる。
するとニヤリと笑う。
「無論だ、かましてこい」
背中を押されて武舞台へ降り立つ。
次の相手はメタルマンのようだが……
「それでは第4試合、第7宇宙:ガタバル選手と第6宇宙:マゲッタ選手の試合……始め!!」
その瞬間、俺は一気に気を高める。
そして、星全体を震わせる。
マゲッタも驚いて近寄ろうとしない。
「はあああああああああ!!」
暴風が止んだ瞬間、シャンパ様は驚いた顔をしていた。
俺は超フルパワー超サイヤ人4になって歩を進める。
「シュポー!!」
溶岩のつばをはいてくる。
それを片手で払いのける。
徐々に近接していくにつれて当たらない。
「シュ……ッポー!!」
ならば力だというように拳を振るう。
しかしそれを受け止めて背負いに行く。
「無駄だ、無駄だ、メタルマンの重量はそう簡単に上がるわけはない!!」
シャンパ様が言ってくる。
甘いですよ。
この強さを見せてあげましょう。
腕の筋肉が唸りをあげて肥大化していく。
徐々に足が上がっていく。
「ええええっ!?」
驚愕な顔。
それを見てビルス様が満面の笑みでシャンパ様に自慢をする。
「どうやらうちの三番手を甘く見たな、こう見えても僕が認めるだけの戦闘力はあるんだよ!!」
そんな事を話しているうちに完全に投げる態勢は整った。
後はあの場所に狙いを定めて……
「飛んでいけぇええ!!!」
剛力でシャンパ様の方へ投げつける。
バリヤーを解いてマゲッタが入っていく。
シャンパ様たちも無傷なようだ。
「マゲッタ選手が場外に行きましたので、勝者はガタバル選手!!」
次の相手は誰だ?
見上げると舞空術で降りてきたのは優しい顔のサイヤ人だ。
「よろしくお願いします」
そう言ってきたので頷いて応える。
超サイヤ人になれるかもしれないから気を付けないとな。
「それでは第5試合、第7宇宙:ガタバル選手と第6宇宙:キャベ選手の試合……始め!!」
一気にラッシュを仕掛けてくる。
それを全て回避していく。
なかなかいい身のこなしである。
しかし……
「何故、超サイヤ人にならない?」
疑問をぶつける。
すると驚愕の答えが返ってきた。
「すみません、僕はそれに変身できません」
なんという事だ。
この『惑星サダラ』生まれのサイヤ人は変身はできないらしい。
なり方は怒りだし……
あまりこういう役回りは得意じゃないんだけどな。
「良いぜ……なり方を教えてやる」
そう言って蹴り上げる。
そして胸倉をつかんでずいと顔を近づける。
「降参したらサダラのお前の家族は消えると思え」
そう言って話す。
そして片手だけを出して屈辱を与える。
「これでお前なんて十分だ」
ギリギリと歯を食いしばる。
そしてぞわぞわしている状態で向かってきた。
「ハアッ!!」
さっきより速度は上がっているがまだ甘い。
腹に拳を叩き込んで蹲らせる。
頭を踏みつけて問いかける。
「俺が憎いか?」
そう言うと睨み付けてくる。
よしよし、あと一歩か。
「そんな目をするのなら怒れ、心のままに!!、俺を許さないと声に出して怒りを、力を爆発させてみろ!!」
するとキャベの頭が金色に輝く。
俺が足を退けると俺を殴ってくる。
「それが超サイヤ人だ」
キョトンとした顔になっている。
仕方ない、説明するか。
「超サイヤ人は怒りをきっかけにして変身する、今の俺はそれを臨界点まで鍛えた姿だ」
髪の毛の色を指摘されても困るからな。
なるほどといった顔である。
「解除して、もう一回なってみろ」
そう言うとすぐに実践して見せる。
センスがあるな。
まあ、もうセミナーは終わったことだし……
「勝たせてもらう」
一瞬のうちに懐に忍び込む。
そして腹部に思い切り一撃を叩き込む。
すると気絶をして勝負がついた。
自分のエンジンがそろそろかかってきたな。
そう思って首をコキコキと鳴らす。
「やるじゃねえか、おっさん」
もうすでに武舞台に上がっていたとはな。
感覚派なサイヤ人のようだな。
しかしおっさんか。
もうそんなふうに呼ばれる年か。
「私には見てて分かったが……こんな感じだろ、背中に気がぞわぞわって上るようにさ」
キャベの変身を見て体得しやがったか。
センスの塊、ダイヤの原石がここにまた一人。
「それでは第6試合、第7宇宙:ガタバル選手と第6宇宙:カリフラ選手の試合……始め!!」
キャベよりも速い攻撃。
それを受け止めて戦いは始まる。
「シャッシャッシャッ!!」
矢継ぎ早に攻撃を放ってくる。
それを受け止めていく。
ゴリゴリと攻めて場外に追い込むつもりのようだが…
「そらっ!!」
尻尾で足を払う。
その拍子に尻餅をつく。
まだまだ若いな……
「足元がお留守だぜ、お嬢ちゃん」
そう言ってラッシュを返す。
何とかあっちは受け止めてはいる。
だがこっちが押し込んでいる。
すると……
「ハッ!!」
気弾で足元を崩す。
そして腹部にタックルをする。
その早業に思わず尻餅をつく。
「足元がお留守なんじゃねぇの、おっさん?」
随分と生意気なガキだ。
意趣返しをしたつもりだろうが……
「今のはラッキーパンチだ、いや……ラッキータックルか?」
そう言って拳を構える。
じりじりと威圧感を出してカリフラに近づいていく。
しかし笑いながら構えている。
こんな程度じゃ怯みはしないか。
良い肝の太さを持ったサイヤ人だぜ。
「言っとくけどこれから先は一撃を当てるのも困難だと思えよ」
そう言ってぐぐぐと力を込めて放つために拳を引く。
次の瞬間、俺はためらいもなくカリフラの急所へと拳を放つのだった。
現在、超フルパワーサイヤ人4でしりもちをついてはいますがダメージはありません。
若い相手に経験値の違いをかっこつけて見せつけようとしたら、武舞台を利用してし返されるというおじちゃんの図です。
カリフラ戦は次回の中頃部分まで続きます。
そして第6宇宙側に居るフードの男は誰なのか……?
指摘などありましたらお願いいたします。